説明

メディアコンテンツ再生

【課題】メディアコンテンツ再生方法を提供すること。
【解決手段】
複数のメディアコンテンツを提供することと、メディアコンテンツの各々にそれぞれのメディアコンテンツを識別するコンテンツ情報を提供することと、特定のメディアコンテンツの選択または不選択に影響を与えるユーザ選択命令から受信することと、選択されたメディアコンテンツが再生されるロケーションの近辺における絶対時間、絶対位置および少なくとも1つの物理量の測定値に基づいたコンテキストデータを提供することと、特定のメディアコンテンツに対して、ユーザ命令を、命令を受信した時に提供されるコンテキストデータへ割り当てるユーザプロファイルを提供または適合することと、ユーザプロファイルに従って、選択時のコンテキストデータに依存したメディアコンテンツの1つを選択することと、選択されたメディアコンテンツを再生することとを含む方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(技術分野)
本発明は、メディアコンテンツ再生方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術)
技術的な進歩は、テキスト、オーディオ、ビデオ、写真、および多くの異なるフォーマットの、多くの異なるソース(例えば、コンピューターネットワーク、ラジオネットワーク、テレビジョンネットワークおよび全てのタイプのローカルメモリ(コンパクトディスク(CD)、デジタル多機能ディスク(DVD)、揮発性および非揮発性半導体メモリ、ハードディスクおよび他のメモリを含む))により提供される他の情報のような、莫大な量のメディアコンテンツの利用可能性を作った。さまざまなネットワークは、世界中の情報への簡単なアクセスを可能にし、テキストファイル、データ、映画、ビデオクリップ、写真ファイル、音楽ファイル、ウェブページ、フラッシュプレゼンテーション、シェアウェア、コンピュータープログラム、コマンドファイル、ラジオおよびテレビジョンプログラムの形態で、世界中の情報伝達を促進する。ローカル(例えば、メモリ志向の)メディアソースは、ユーザに、いかなる時でも、いかなる場所でもお気に入りのコンテンツを提供することが可能である。メディアコンテンツのアクセスおよび伝達に対する1つの障害は、デバイスとコンテンツフォーマットの間の相互動作可能性およびリソースマネージメントの不足である。もう1つの問題は、絶え間なく変化し、アップデートされるソース、メディアコンテンツおよびフォーマットの無限の組み合わせをナビゲートする能力がないことである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(概要)
本発明の第一の局面において、複数のメディアコンテンツを提供することと、メディアコンテンツの各々に対して、それぞれのメディアコンテンツを識別するコンテンツ情報を提供することと、特定のメディアコンテンツの選択または不選択に影響を与えるユーザ選択命令から受信することと、絶対時間、絶対位置および選択されたメディアコンテンツが再生されるロケーションの近辺における少なくとも1つの物理量の測定値に基づいたコンテキストデータを提供することと、各特定のメディアコンテンツに対して、ユーザ命令を、それぞれの命令を受信した時に提供されるコンテキストデータへ割り当てるユーザプロファイルを提供または適合することと、ユーザプロファイルに従って、選択時のコンテキストデータに依存したメディアコンテンツの1つを選択することと、選択されたメディアコンテンツを再生することとを含む、メディアコンテンツ再生方法が開示される。
【0004】
本発明の第二の局面において、メディアコンテンツ再生システムは、複数のメディアコンテンツまたは、それぞれが少なくとも1つのメディアコンテンツを提供し、メディアコンテンツの各々に対して、それぞれのメディアコンテンツを識別する情報を提供する複数のメディアソースを提供する1つのメディアソースと、(単数または複数の)メディアソースにリンクされ、1つ以上のメディアソースにより提供されるメディアコンテンツを再生するように適合された再生ユニットと、再生ユニットにリンクされ、制御し、再生ユニットにより再生されるメディアコンテンツの1つを選択する制御ユニットと、制御ユニットにリンクされ、ユーザ命令を受信し、その表示を制御ユニットへ提供するように適合されたユーザインターフェイスと、制御ユニットにリンクされ、絶対時間および/または選択されたメディアコンテンツが再生されるロケーションの近辺における少なくとも1つの物理量の表示を提供するタイムベースおよび/または少なくとも1つのセンサーとを含み、ここで、制御ユニットは、各特定のメディアコンテンツに対して、ユーザ命令を、それぞれの命令を受信した時に提供されるコンテキストデータへ割り当てるユーザプロファイルを提供または適合し、ユーザプロファイルに従って、メディアコンテンツの選択時のコンテキストデータに依存したメディアコンテンツの1つを選択するように、さらに構成されている。
【0005】
本発明のこれらおよび他の目的、特徴および利点が、添付の図面に描写されるように、その最も好ましいモードの実施形態の詳細な説明を考慮すると明らかとなる。図では、類似の参照番号は対応するパーツを指定する。
【0006】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1) メディアコンテンツ再生方法であって、該方法は、
複数のメディアコンテンツを提供することと、
該メディアコンテンツの各々に、それぞれの該メディアコンテンツを識別するコンテンツ情報を提供することと、
特定のメディアコンテンツの選択または不選択に影響を与えるユーザ選択命令から受信することと、
該選択されたメディアコンテンツが再生されるロケーションの近辺における絶対時間、絶対位置、および少なくとも1つの物理量のうちの少なくとも1つの測定値に基づいたコンテキストデータを提供することと、
ユーザプロファイルを提供または適合することであって、該ユーザプロファイルは、各特定のメディアコンテンツに対して、ユーザ命令を、それぞれの該命令を受信した時に提供される該コンテキストデータに割り当てる、ことと、
該ユーザプロファイルに従って、選択する時の該コンテキストデータに依存した該メディアコンテンツの1つを選択することと、
該選択されたメディアコンテンツを再生することと
を含む、方法。
(項目2) 上記項目の方法であって、上記絶対時間は、一日の実際の時間、一週間の曜日、および少なくとも曜日と月とを有するカレンダーの日にちのうちの少なくとも1つを含む、方法。
(項目3) 上記項目のいずれかの方法であって、該方法は、別のユーザまたはユーザのグループに割り当てられた少なくとも1つの追加のユーザプロファイルをさらに含む、方法。
(項目4) 上記項目のいずれかの方法であって、メディアコンテンツのコンテキストデータへの上記割り当ては、選択命令の発生のそれぞれの頻度を含み、メディアコンテンツの上記選択は、特定の発生の頻度に依存している、方法。
(項目5) 上記項目のいずれかの方法であって、上記割り当ては、回帰ツリー、ニューロナルネットワーク、ベイジアンネットワーク、自己組織化写像、適応共鳴理論ネットワーク、クラスター分析、遺伝的プログラミング、アソシエーションルール学習またはサポートベクトルマシンを用いてなされる、方法。
(項目6) 上記項目のいずれかの方法であって、上記選択されたメディアコンテンツが再生される上記ロケーションは、乗り物であり、上記コンテキストデータは、該乗り物に関して少なくとも1つの物理量の測定値を含む、方法。
(項目7) 上記項目のいずれかの方法であって、上記乗り物に関連した少なくとも1つの上記物理量は、乗り物速度、乗り物位置、エンジン速度のうちの1つである、方法。
(項目8) 上記項目のいずれかの方法であって、上記乗り物に関連した少なくとも1つの上記物理量の測定値は、該乗り物により提供される、方法。
(項目9) 上記項目のいずれかの方法であって、上記メディアコンテンツは、少なくとも1つのラジオステーションから受信された交通メッセージを含み、該交通メッセージは、ユーザプロファイルに従って、それぞれの上記コンテキストデータに依存して、再生のために選択される、方法。
(項目10) 上記項目のいずれかの方法であって、少なくとも1つの交通メッセージは、メモリに格納され、該格納された交通メッセージは、交通メッセージが再生のため選択されたときに、再生されるが、該交通メッセージは、少なくとも1つのラジオステーションから受信されていない、方法。
(項目11) 上記項目のいずれかの方法であって、上記交通メッセージを選択するために用いられるコンテキストデータは、乗り物位置を含む、方法。
(項目12) 上記項目のいずれかの方法であって、上記メディアコンテンツの選択は、シャッフルモードで実行され、特定のメディアコンテンツの選択または不選択に影響を与えるユーザ命令は、不選択命令としてスキップ命令および/または選択命令としてリピート命令を含む、方法。
(項目13) 上記項目のいずれかの方法であって、上記ユーザプロファイルは、内部メモリに格納され、該内部メモリ内の該ユーザプロファイルは、少なくとも部分的には外部メモリからインポートされる、方法。
(項目14) 上記項目のいずれかの方法であって、上記ユーザプロファイルは内部メモリに格納され、該ユーザプロファイルは、少なくとも部分的には該内部メモリから外部メモリへエクスポートされる、方法。
(項目15) 上記項目のいずれかの方法であって、上記外部メモリは、ユーザ制御可能外部メディアコンテンツ再生デバイスに含まれており、該デバイスは、メディアコンテンツを上記ユーザに提供し、該デバイスは、各特定のメディアコンテンツに対して、ユーザ命令を、該外部メディアコンテンツ再生デバイスでそれぞれ命令を受信した時に提供されるコンテキストデータへ割り当てるユーザプロファイルを提供または適合する、方法。
(項目16) 上記項目のいずれかの方法であって、上記内部メモリおよび上記外部メモリまたはその一部内の上記プロファイルは、タイムスタンプを含み、該内部メモリと該外部メモリ間のプロファイル送信は、該タイムスタンプを用いて制御される、方法。
(項目17) メディアコンテンツ再生システムであって、該システムは、
1つのメディアソースであって、該メディアソースは、複数のメディアコンテンツまたは複数のメディアソースを提供し、該メディアソースのそれぞれは、少なくとも1つのメディアコンテンツを提供し、該メディアソースは、該メディアコンテンツの各々に対して、それぞれの該メディアコンテンツを識別するコンテンツ情報を提供する、メディアソースと、
再生ユニットであって、該再生ユニットは、単数または複数の該メディアソースにリンクされ、該再生ユニットは、1つ以上の該メディアソースにより提供される該メディアコンテンツを再生するように適合されている、再生ユニットと、
制御ユニットであって、該制御ユニットは、該再生ユニットにリンクされ、制御し、該制御ユニットは、該再生ユニットにより再生される該メディアコンテンツの1つを選択する、制御ユニットと、
ユーザインターフェイスであって、該ユーザインターフェイスは、該制御ユニットにリンクされ、該ユーザインターフェイスは、ユーザ命令を受信し、その表示を該制御ユニットへ提供するように適合されている、ユーザインターフェイスと、
タイムベースユニットおよび/または少なくとも1つのセンサーであって、該タイムベースユニットおよび/または少なくとも1つの該センサーは、該制御ユニットにリンクされ、該タイムベースユニットおよび/または少なくとも1つの該センサーは、絶対時間および/または選択された該メディアコンテンツが再生されるロケーションの近辺における少なくとも1つの物理量の表示を提供する、タイムベースユニットおよび/または少なくとも1つのセンサーと
を含み、
該制御ユニットは、各特定のメディアコンテンツに対して、ユーザ命令を、それぞれの命令が受信された時に提供される該コンテキストデータへ割り当てるユーザプロファイルを提供または適合するように、さらに構成されており、該制御ユニットは、該ユーザプロファイルに従って、該メディアコンテンツの選択時のコンテキストデータに依存する該メディアコンテンツの1つを選択するように、さらに構成されている、システム。
【0007】
(摘要)
複数のメディアコンテンツを提供することと、メディアコンテンツの各々に対して、それぞれのメディアコンテンツを識別するコンテンツ情報を提供することと、特定のメディアコンテンツの選択または不選択に影響を与えるユーザ選択命令から受信することと、絶対時間、絶対位置および選択されたメディアコンテンツが再生されるロケーションの近辺における少なくとも1つの物理量の測定値に基づいたコンテキストデータを提供することと、各特定のメディアコンテンツに対して、ユーザ命令を、それぞれの命令を受信した時に提供されるコンテキストデータへ割り当てるユーザプロファイルを提供または適合することと、ユーザプロファイルに従って、選択時のコンテキストデータに依存したメディアコンテンツの1つを選択することと、選択されたメディアコンテンツを再生することとを含む、メディアコンテンツ再生方法が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、例示的な自己学習メディアプレーヤーの概略的ダイヤグラムである。
【図2】図2は、特定のジャンルに対する例示的な回帰ツリーの概略的ダイヤグラムである。
【図3】図3は、異なるジャンルが、運転状況を通して起きる頻度が運転状況にリンクされる、例示的な学習処理のダイヤグラムである。
【図4】図4は、図3で描写された学習処理に基づいて、運転速度の状況内の回帰ツリーの計算を描写した概略的ダイヤグラムである。
【図5】図5は、別の例示的自己学習メディアプレーヤーの概略的ダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(詳細な説明)
例えば、MP3フォーマットの、さらに広いオンライン音楽タイトルの選択が、便利な購入を求める消費者に提供されている。消費者は、自身の嗜好に応じた単一のタイトルを選択的に選ぶことが可能であり、全てのデータメディアを購入することにより、選んだタイトルと一緒に所望しないタイトルを入手することを強制されない。特にMP3フォーマットにおいて、個別の音楽タイトルへの簡単なアクセスは、広範囲なプライベート音楽コレクションを作ることを可能にする。これらの音楽コレクションは、例えば、乗り物にインストールされた適切なメディアプレーヤーまたは音楽プレーヤーにダウンロードすることができる。加えて、最新の乗り物メディアプレーヤーは、例えば、アナログおよびデジタルラジオ(AM/FM、DAB)、インターネットラジオまたはCD/DVDのさまざまな他のソースの中から音楽タイトルを選ぶ可能性を提供する。
【0010】
記録された音楽タイトルの数が増えるにつれ、特にいわゆるランダムシャッフル再生が採用されたとき、特定のタイトルが再生される(つまり演奏される)頻度は減る。ランダムシャッフル再生モードは、例えば、ある音楽スタイルのタイトルといった特定のタイトルを選ぶことは可能ではない。ランダムシャッフル再生モードは、例えば、特定の運転状況といった鑑賞状況を考慮に入れることは、同様に可能ではない。具体的には、乗っている人の個人的な好みまたは現時の運転速度は、音楽タイトルを選ぶときに考慮に入れることはできない。そうするためには、運転手は音楽タイトルの手動選択に訴えなければならず、交通状況から運転手の注意を散らす。
【0011】
メディアプレーヤーまたは音楽プレーヤー構成の特徴(インフォテインメントシステムとしても公知)は、それらがユーザに提供する、好みの音楽ソースを選ぶ可能性である。しかし、音楽ソースを選択するために、特に、個別の嗜好または直接好みに対応するプログラムを含むデータバンクにユーザが常にアクセスしたり、指定したソースのどれもが所望のプログラムを提供しない状況下では、運転手は積極的に没頭しなければならない。
【0012】
演奏されるプログラムが、ユーザの嗜好および好みに個別的に適合することを確実にするために、本方法およびシステムは、追加の情報を利用する(追加の情報は、例えば、ラジオステーションにより送信され、音楽ファイルに含まれるか、または演奏されるメディアコンテンツのジャンルおよび特徴づけられる情報を識別するために他の手段により提供される)。ユーザの個人的な好みを分析し、鑑賞状況(例えば、運転状況)に関して個人的な好みを評価する学習アルゴリズムがインプリメントされる。最初に、これはランダムシャッフルプレイモードにおいて実行され得る。その間に、ユーザのスキップ習性(つまりユーザが飛ばすタイトル)が分析される。あるいは、または追加的に、ユーザのリピート習性または任意の他の適切な行動が分析され得る。ユーザのこのような行動全て(例えば、システムに対するそれぞれの命令の形態において)は、情報として学習アルゴリズムにより記録され、特に運転状況に関連づけられる。
【0013】
自動車全体に(既に)配置されたセンサーは、絶対的な時間、車内および/または車外温度、大気湿度(例えば、雨センサーを用いて)、光の強度、運転速度、エンジン速度、乗っている人の人数、(地球)位置および他の関連する値のような値を計測するために用いられ得る。それらの全ては学習アルゴリズムにより考慮に入れられ得る。加えて、乗り物に対応するセンサーが備え付けられていない場合、ユーザ(例えば、運転手)に、適切なインターフェイスに乗り物内にいる人数を入力する可能性が提供され得る。さらにあり得る特徴は、平日対週末および/またはそれぞれの季節のような値を、全地球位置測定システム(GPS)データ、カレンダーの日にち、月および/または一日の時間と並び、考慮に入れる可能性である。
【0014】
「学習」の基本的機能において作動しているとき、基礎をなすアルゴリズムは、例えば、運転状況を通してユーザのスキップ習性を評価し得る。アルゴリズムは、現時の演奏されているタイトルに対する運転手の興味の欠如により引き起こされる、単純なタイトルのスキップを記録する。ユーザの反応の欠如(「スキップするが一般的には好き」命令または「曲をリピートする」命令)は、対照的に、ユーザのある好みを示す。任意的に、運転手の音楽タイトルに対する反応が運転状況に依存している様態も評価され得る。
【0015】
「再生」の他の基本的機能で作動している一方で、十分な学習経験を収集した後、アルゴリズムは、後に、運転状況に適切に適合した音楽タイトルを選択的に選ぶことが可能である。メディアコンテンツは、ジャンル、beats−per−minute(BPM)、タイトル、アーティスト、公表年などのようなある情報を含む、いわゆるメタデータにより識別され得る。現時のアルゴリズムがタグを欠く場合、例えば、いわゆる自動タグアルゴリズムが、beats−per−minute(BPM)、トナリティ、楽器編成の特質などを選択的に分析し得るか、および/または所望のタグを自動的に獲得するために、タイトルをインターネット分類サービスへ送り得る。
【0016】
加えて、本明細書で説明されるシステムおよび方法は、意外性を発生させることが可能である。そうしているとき、アルゴリズムはさまざまな運転状況で記録された状況に対応しない音楽タイトルをランダムに提案する。そうすることにより、システムおよび方法が固定された想定パターンとして終わらないように、システムおよび方法の適合性を維持するランダムの質を追加する。可能性はあるも、必ずしも所望でないのは、意外性が起こるという確率を調節する可能性である。
【0017】
コンテンツは、ネットワーク接続が可能なソースおよび/またはローカル格納が可能なソースを含む1つ以上のソースから獲得され得る。コンテンツおよびソースはダイナミックな変化が可能である。本明細書で説明される方法は、コンテンツの自動選択およびアクセスを可能にするユーザインターフェイスをダイナミックに構成することをさらに含み、ダイナミックな構成はユーザ透明である。
【0018】
図1は、複数のメディアソース2、3を有するメディアコンテンツ再生システム1を描写している。各メディアソースは、少なくとも1つのメディアコンテンツ、または複数のメディアコンテンツを提供する1つのメディアソースを任意で有するメディアコンテンツを提供する。例えば、メディアソースは、コンピューターネットワーク、ラジオネットワーク、テレビジョンネットワークなどのようなネットワークソース2であり得るか、またはコンパクトディスク(CD)、デジタル多機能ディスク(DVD)、揮発性および非揮発性半導体メモリ、ハードディスクおよび他のローカルメモリのようなローカルソース3であり得る。メディアソース2、3により採用されるメディアフォーマットは、特定のメディアコンテンツを再生するのに適切な任意のものであり得る。
【0019】
再生ユニット4は、リンクされ(例えば、ワイヤレスまたは有線で、例えば、メディアデータベース15を介してメディアソース2、3に接続される)、それぞれのメディアフォーマットを採用するメディアソース2、3により提供されるメディアコンテンツを再生するように適合される。再生ユニット4は、ソフトウェアコンポーネント(適切なデコーダを有するソフトウェアプレイヤー)を含み得、CDおよびDVDドライブ、ハードドライブ、フラッシュメモリ、チューナー、受信器、インターフェイス、信号処理機、増幅器、ディスプレイ、スピーカーおよびその類似物のようなハードウェアコンポーネントへのアクセスを含み、有し得、または制御し得る。
【0020】
制御ユニット5は、再生ユニット4にリンクされ、制御する。再生ユニット4を制御するために、再生ユニット4により再生されるメディアコンテンツの1つを選択するように、また、構成されている。メディアデータベース15は、さまざまなソース(2、3)のコンテンツを内部コンテンツおよび/または識別子(例えば、タグ)と共に実質的には含み得る(つまり、さまざまなソースのコンテンツを内部コンテンツおよび/または識別子に結合し得る)。あるいは、再生のためのメディアソース2、3の1つを接続するために、マルチプレクサーユニット(示されていない)が、再生ユニット4(制御ユニット5でオプションであるか、またはスタンドアローンユニットとして)内に提供される。セレクターとして機能するこのマルチプレクサーは、ハードウェアスイッチであり得るか、または本例におけるように、再生ユニット4内のソフトウェアマルチプレクサーとして実現され得、MOSTバス(MOST=メディアオリエンテッドシステムトランスポート(Media Oriented Systems Transport))のようなバスシステムに接続されて作動され得る。マルチプレクサーは、制御ユニット5および/または演奏されるメディアコンテンツを選択するユーザの制御下で作動され得る。ユーザインターフェイス6は、制御ユニット5にリンクされており、ユーザ命令を受信し、その第一表示を制御ユニット5に直接および/または再生ユニット4を介して提供するように構成されている。
【0021】
時間ベースユニット9(例えば、クロックジェネレータまたはクロックリカバリー回路)、(例えば、ナビゲーションシステムの)全地球位置測定システム(GPS)センサー8および(他の)センサー7は、制御ユニット5にリンクされ、絶対時間および/または(例えば、乗り物内といった)選択されたメディアコンテンツが再生されたロケーションの近辺での少なくとも1つの物理量の第二表示を提供する。絶対時間は、一日の時間、一週間の曜日、月、年などを含み得る。物理量は、任意の物理的システムの状態を説明する計測可能なプロパティの数値である。そのようなシステムの物理量の変化は、その瞬間的な状態間の変質または発展を説明する。例えば、「(乗り物内および/または乗り物外の)温度」、「乗り物および/またはそのパーツの位置」、「乗り物モーターの毎分の回転(RPM)」、「乗り物速度」、「2つの電極間の電気伝導性」および「乗り物の近辺または乗り物内部の光の明るさ」の値は、特定の乗り物の状態を説明する物理量である。そのような量を計測または検知するために、基本的量が計測または検知され得るのに用いられるセンサーだけで十分でない場合があり、「シート占有センサー」、「雨センサー」、「ギア位置センサー」などのような専用センサーを形成するために、センサー信号の精巧な処理または異なる物理量の組み合わせの精巧な処理も採用され得る。
【0022】
制御ユニット5は、ある基準(例えば、ジャンル、beats per minute、長さなど)により識別された、ユーザごと(例えば、1人の視聴者、視聴者のグループ)のメディアコンテンツを第一および第二入力データに割り当てる少なくとも1つのユーザプロファイルを採用し、このユーザプロファイルを基準に、再生ユニット4により再生されるメディアコンテンツを選択する。第一入力データは、第一表示を含み、第二入力データは、第二表示を含む。ユーザプロファイルは、特定のユーザごとの、第一および第二入力データへのメディアコンテンツの1つ以上の割り当てを含み得る。割り当ては、メモリに格納された表の使用により実行され得る。割り当ては、例えば、ある第一および第二入力データにより特徴付けられるある状況で、特定のユーザ(1人の視聴者または視聴者のグループ)があるメディアコンテンツ(例えば、ある曲または曲のグループまたはジャンル)の演奏を好むことを表すために、第一および第二入力データの特定の配置に、特定のメディアコンテンツがリンクされるように実行され得る。
【0023】
したがって、上記で説明したシステムにより実行されるメディアコンテンツ再生方法において、複数のメディアコンテンツが、ソース2、3により提供される。第一および第二入力データへのメディアコンテンツの割り当てを含む(例えば、各ユーザに対する)ユーザプロファイルが提供される。第一入力データは、ユーザから受信された命令の第一表示により提供される。第二入力データは、絶対時間、絶対位置および選択されたメディアコンテンツが再生されるロケーションの近辺での1つ以上の物理量のうちの少なくとも1つの測定値から派生される第二表示により提供される。1つ以上のメディアコンテンツのピースが、例えば、ユーザプロファイルを用いて再生(演奏)されるために、最終的にランク付けられたプレイリストで選ばれる。
【0024】
自動車のような乗り物に設計され得る図1のシステム1において、物理量の計測は、既に乗り物内で利用可能なセンサー7により実行され得る。センサー7は、CANバス13(CAN=コントローラーエリアネットワーク(Controller Area Network))のようなバスシステムを介して、特定のセンサー7により提供される計測データを読み、これらのデータをセンサーインタープリタ11へパスするように構成されているCANリーダー10へ接続され得る。時間ベースユニット9および位置センサー(つまりGPSセンサー8)も、絶対時間および位置データを提供するために、センサーインタープリタ11へ接続される。センサーインタープリタ11は、再生パラメータエスティメーター14へ、連続的またはある時間インターバルで、現時の時間およびセンサーデータの配置より派生されたコンテキストデータ13を提供する。そのような配置は、現時の絶対時間(例えば、年、月、日にち、時間、分、秒、一週間の曜日)、絶対位置(例えば、経度および緯度)、内部(乗り物内)温度、外部(周囲)温度、乗り物速度、シート占有データ、天気データ(例えば、雨、気圧)、外部(周囲)の明るさ、および乗り物において利用可能な他のデータを含み得る。センサーインタープリタ11は、現時のデータ配置を評価し、異なる状況基準に従って、現時の配置を分析する。そのような基準は、例えば、以下のものであり得る:
季節(夏/秋/冬/春)
デイタイム(夜/朝/昼間/夕方)
天気(晴れ/雨/曇り;高/低温度)
運転:(速い/遅い;高/低rpm;高/低ギア)
図1に従って、自己学習適合メディアコンテンツプレーヤー1は、例えば、ユーザのスキップ習性(つまり(例えば、ランダムシャッフル再生モードで)演奏されているタイトルを飛ばすユーザの傾向)を記録するために、ユーザとアルゴリズムとの間のインターフェイスとして、フィードバックエバリュエーター12を含む。加えて、メディアプレーヤー1は、タイトル選択において適用されたアルゴリズムを含み、再生パラメータエスティメーター14を含む。再生パラメータエスティメーター14は、フェードバックエバリュエーター12および(同期された)センサーインタープリタ11から入力データを受信する。センサーインタープリタは、一日の時間、内部および/または外部温度、大気湿度(雨センサー)、光の強度、運転速度、エンジン速度、乗っている人の人数、ロケーション/位置(GPS)および他の関連する乗り物パラメータのような1つ以上の計測された値を含む運転状況を登録するためにセンサー7を用い、このデータをパラメータエスティメーター14へ送信する。パラメータエスティメーター14は、センサー(状況)およびユーザフィードバック(パラメータ調整)情報を受信し、必要な場合、メディアプレーヤー4に提供された現時の(パラメータ)見積もりを適合する。メディアプレーヤーは、したがって、特定のメディアコンテンツを選択する。タイトル、アーティストアルバム、トラックナンバーなど(例えば、ID3タグ)や、またはグローバルな統計(つまり、特定の状況に依存しない一般的なユーザの好み)を含み得るメディアコンテキストデータベースのようなメタデータを含み得、提供し得る、例えば、グローバルな統計データベース16といったさまざまなデータベースのような多くの追加のメディアまたは情報ソースが所望の通り追加され得る。
【0025】
学習および/または選択アルゴリズムは、回帰ツリー、または、そうでなければ、データマイニング回帰ツリー、ニューロナルネットワーク、ベイジアンネットワーク、自己組織化写像、適応共鳴理論ネットワーク、クラスター分析、遺伝的プログラミング、アソシエーションルール学習またはサポートベクトルマシンまたはその類似物を採用し得る。学習は経験的データに基づいて実行されるため、予備的な前提は要求されず、パラメータで表す必要性を排除する。図2を参照すると、特定のメディアコンテンツ識別子(例えば、音楽ジャンル)を特徴づける全ての基準は、回帰ツリー20により表されており、ここで、回帰ツリー20の内側のノード22は、運転状況パラメータの比較のために採用されており、葉23は、ある時間ウインドウ(特定の音楽ジャンル、タイトルまたはジャンルの頻度などの百分率)内で演奏されるコンテンツの割り当てを示しており、そのため、学習処理の道筋を表す。全ての学習処理の過程において、全回帰ツリーは、各運転状況に対して新たにトラバースされる。
【0026】
図3は、ランダムに選ばれた音楽ジャンルに関して学習されたデータの例示的セットを示す。センサーおよびユーザフィードバック情報に関する各イベントは、図3に描写されるデータセットの基礎を形成するために記録を取られる。そのようなデータは、特定のセンサーデータ(例えば、速度、一日の時間など)に対する特定のコンテンツカテゴリー(例えば、ジャンル、アーティスト、beats per minuteなど)の発生する頻度を表し得る。(単数または複数の)データセットにおいて、均質なカテゴリーグループは、識別され、そこから回帰ツリーのためのルールが、図4に関して下記に記載のセットとして派生される。
【0027】
図4は、例として、どのように回帰ツリー20が生成され得、かつ/または多くの学習処理に基づいて適合されるかを描写している:
a)図3に示されるように記録(学習)されたデータのセットから、v<64km/hの運転速度で、特定のジャンルに対する77%のジャンル確率に対応する平均一定ジャンル頻度77%が、ノード30で派生される。したがって、77%ジャンル確率を有する葉33が、回帰ツリーに加えられる。
【0028】
b)v≧64km/hの運転速度で、ジャンルの頻度(あるジャンルが演奏される頻度)の減少が記録される。v>90km/hの運転速度で、一定平均ジャンル頻度は25%である。25%ジャンル確率を有する追加の葉34が加えられる。
【0029】
c)64km/h≦v≦90km/hの残りの運転速度範囲は、ノード35を要求する。この範囲の音楽ジャンル頻度は、2つの先に確立した一定ジャンル頻度の平均値から決定される。そのため、64km/h≦v≦90km/hの間の運転速度に対する一定のセット値に単純化され、本例においては50%である。それぞれの葉36が加えられる。
【0030】
このようにして、計算された回帰ツリーは、運転速度の状況に関して確立されたものとして、演奏される音楽ジャンルの頻度を表す個別的な出力機能を提供する。1つの機能は、学習されたデータセットの再帰的部分を均質なサブセットに参照し得る。これは、小さく、扱うことが簡単な回帰ツリーを発生させる。
【0031】
ユーザプロファイルおよびそれぞれの入力データは、内部メモリ(つまり、図1に示されるシステムにおけるフィードバックエバリュエーター12に(またはメディアデータベース15に)配列された内部メモリ37のようなメディア再生システム1に含まれるメモリ)に格納され得る。本システムにより用いられるユーザプロファイル(またはこのユーザプロファイルが基づく個別データ)は、この内部メモリ37から取り得、加えてまたはその代わりに、ユーザプロファイルを、また、採用する外部(モバイル)デバイス39(例えば、携帯電話、MP3プレーヤー、ラップトップ、パーソナルコンピューターまたはその類似物)のメモリのような外部メモリ38から取られ得る。したがって、本システムにより生成されるユーザプロファイルは、内部メモリ37に格納され得るだけでなく、全てまたは一部が処理され得る(例えば、変更、適合またはエンハンスされる)外部メモリ38にエクスポートされ得、その逆もあり得る。
【0032】
ユーザプロファイル(または純粋な統計コンテキストデータのようなユーザプロファイルの一部)を本メディア再生システムと同一のユーザの他のメディアプレーヤー間で交換することと、本メディアプレーヤーおよび他の(単数または複数の)メディアプレーヤー上で(単数または複数の)ユーザプロファイルを補う/アップデートすることとは、より速い、より確実なユーザの好みの学習を可能にする。
【0033】
ユーザプロファイルは非常に個人化されたデータセットのため、ユーザが自身のプロファイルのデータを別のデバイスでまさに同時に変更することはほぼ不可能である。そのため、プロファイルをアップデートすることが意図される最新のデータを識別するために、単にタイムスタンプが用いられ得る。例えば、ユーザは車で自宅へ向かう途中、自身が選択した音楽を聴く。午後5時に自宅へ到着し、最新のデータセットまたはアップデートされたプロファイルが自動で、ワイヤレスで彼のスマートフォンに送信される。スマートフォン上の最新のプロファイルは、同日に、午前8時のタイムスタンプを示す。したがって、スマートフォンは、タイムスタンプ午後5時を有するデータまたはプロファイルでアップデートされる。
【0034】
デバイス間のデータ送信がエラーまたは妨害に晒されたとき、問題が生じ得る。例えば、上記で概説された状況において、車のオーディオシステムとスマートフォン間のデータ送信が1方向または両方向で妨害または切断されたとき、それら2つのデバイスのうちの少なくとも1つは、それぞれ他のデバイスによりアップデートされない。切断が両方向で生じたと想定すると、スマートフォンは、午後5時過ぎに収集されたデータ/プロファイルでアップデートされるが、午前8時と午後5時の間に収集されたデータ/プロファイルではアップデートされない。次の日、ユーザが自身の車で再び音楽を聴いたとき、ユーザはスマートフォンデータを含まない「車データ」をアップデートする。しかし、最初の日に車で収集されたデータはスマートフォンに送信されていないので、スマートフォンプロファイルも完全ではない。そのため、2つの別個のプロファイルのどちらもが入手可能な全てのデータは含んでいないという意味で、それらは別個にアップデートされる。
【0035】
この障害を克服するために、プロファイルの基礎(例えば、コンテキストデータ、ユーザ命令統計、グローバル統計、一般ユーザ好みなど)を形成するデータが収集され得、各デバイスでそれ自体でアップデートされ得る。このデータは、個別にタイムスタンプが割り当てられ得る。このデバイスのためのプロファイルは、次いで、この特定のデバイスで収集されたデータと、最新のタイムスタンプに従って、他のデバイスから受信されたデータから派生される。あるいは、プロファイルはバージョン番号と、このプロファイルに最新のアップデートを実行するデバイスを識別するためのデバイス識別番号を割り当てられた異なるデバイス間で、完全なプロファイルが交換され得る。送信エラーまたは切断(共に同期障害と呼ばれる)は、異なるプロファイルのバージョン番号およびデバイス識別番号を評価することにより検知され得る。同期障害が検知された場合、不一致なプロファイルが、例えばデータを、特に統計データにおいて平均化することにより、一致させられる。
【0036】
個別のデバイスのメディアデータベースにおいて、メディアコンテンツおよびメタデータのような異なるコンテンツから、さらなる問題が生じ得る。コンテンツを比較し、同一のコンテンツを上書きまたは保存することにより、1つのデバイスのコンテンツをそれぞれ他のデバイスのコンテンツに適合することにより、これは克服され得、新たなコンテンツを加え得る。
【0037】
プロファイルそれ自体またはプロファイルの個別のデータのアップデートは、図1に関連して描写されたシステムの制御ユニット5により実行され得る。メディアデータベースアップデートは、データベースそれ自体か、制御ユニット5のどちらかにより実行され得る。
【0038】
さらに、プロファイルを形成するために用いられるデータは、「タイムスタンプ加重」がかけられ得る(つまり、より古いデータは、より新しいデータよりも現時のプロファイルに対して関連性が少ない)。これは、時間に渡るユーザの好みの変化を考慮することである。
【0039】
図5は、各々が少なくとも1つのメディアコンテンツを提供する複数のメディアソース42、43を有するか、またはオプションで、複数のメディアコンテンツを提供する1つのメディアソースを有する、別の例示的メディアコンテンツ再生システム41を描写している。メディアソースは、ネットワークソース42またはローカルソース43であり得る。メディアソース42、43により採用されるメディアフォーマットは、再生される特定のメディアコンテンツに対して適切な任意のソースであり得る。
【0040】
メディアプレーヤー44は、メディアデータベース55を介してワイヤレスまたは有線でメディアソース42、43にリンクされ、それぞれのメディアフォーマットを採用するメディアソース42、43により提供されるメディアコンテンツを再生するように適合される。メディアプレーヤー44は、ソフトウェアコンポーネント(適切なデコーダを有するソフトウェアプレーヤー)を含み得、CDおよびDVDドライブ、ハードドライブ、フラッシュメモリ、チューナー、受信器、インターフェイス、信号処理器、増幅器、ディスプレイ、スピーカーおよびその類似物のようなハードウェアコンポーネントへのアクセスを含み、有し得るか、または制御し得る。
【0041】
制御ユニット55は、再生ユニット44へリンクされ、制御する。メディアプレーヤー44を制御するために、メディアプレーヤー44により再生されるメディアコンテンツの1つを選択するように、また、制御ユニットは構成されている。メディアデータベース55は、例えば、タグといった内部コンテンツおよび/または識別子を有するさまざまなソース(42、43)のコンテンツを実質的に含み(つまり、コンテンツを識別子に結合する)得る。ユーザインターフェイス46は、制御ユニット45へリンクされ、ユーザ命令を受信し、その第一表示を制御ユニット45へ直接および/またはメディアプレーヤー44を介して提供するように構成されている。
【0042】
時間ベースユニット49(例えば、クロックジェネレータまたはクロックリカバリ回路)、(例えば、ナビゲーションシステムの)全地球位置測定システム(GPS)センサー48および(他の)センサー47は、センサーインタープリタユニット51を介して制御ユニット45へリンクされ、絶対時間および/または選択されたメディアコンテンツが再生されるロケーション(例えば、乗り物内)の近辺における少なくとも1つの物理量の第二表示を提供する。
【0043】
図5のシステムは、加えて、タイムラインオブザーバーおよびエスティメーターユニット57、ムードユニット58および自動DJおよびランダマイザーユニット59(DJ=ディスクジョッキー(Disc Jockey))を含み、これらはパラメータエスティメーターユニット54、グローバル統計ユニット56およびフィードバックエバリュエーターユニット52と一緒に、制御ユニット45を形成する。制御ユニット45において、タイムラインオブザーバーおよびエスティメーターユニット57、ムードユニット58、自動DJおよびランダマイザーユニット59、パラメータエスティメーターユニット54およびグローバル統計ユニット56は、フィードバックエバリュエーターユニット52からパラメータ調整信号を供給される。さらに、中央アルゴリズムおよび見積もり結合器ユニット60は、制御ユニット45、タイムラインオブザーバーおよびエスティメーターユニット57、ムードユニット58、自動DJおよびランダマイザーユニット59、パラメータエスティメーターユニット54およびグローバル統計ユニット56をメディアプレーヤー44にリンクさせる。それによって、パラメータ確率信号は、パラメータエスティメーターユニットから中央アルゴリズムおよび見積もり結合器ユニット60へ送信され、ムードカテゴリー信号は、ムードユニット58から中央アルゴリズムおよび見積もり結合器ユニット60へ送信される。さらに、タイムラインオブザーバーおよびエスティメーターユニット57、グローバル統計ユニット56、自動DJおよびランダマイザーユニット59の間で、中央アルゴリズムおよび見積もり結合器ユニット60と、それぞれ時間ログおよび見積もり信号、統計データおよびアップデート信号、プレイリストおよび類似信号が交換される。
【0044】
タイムラインオブザーバーおよびエスティメーターユニット57は、時間に渡ってユーザの好みがどのように変化するかを観測し、ユーザ習性予測のための基礎を形成するあるパターン(例えば、パターン認識によって)を抽出しようとする。グローバル統計ユニットは、ユーザのスキップ習性(例えば、ある曲の演奏時間のパーセンテージとして)を評価する。そのようなデータから、中央アルゴリズムおよび見積もり結合器ユニット60の中央コンテンツ選択アルゴリズムへ、とりわけユーザの好みを特徴づける加重されたデータを提供するトップ10リストが作られ得る。ムードユニット58は、例えば、ユーザの運転習性、ユーザの顔の表情(カメラを用いて)および/またはユーザなどにより作られたノイズレベルを調査することによりユーザのムードを評価する。あるいは、ムードレベルは、ユーザ自身により入力され得る。これらの目的に対して、ムードユニットは、センサーインタープリタユニット51(図面には示されていない)からデータを受信し得るか、または自身のセンサーを含み得る。
【0045】
したがって、制御ユニット45は、ユーザごと(例えば、1人の視聴者、視聴者のグループ)に、第一および第二入力データに対して、ある基準(例えば、ジャンル、beats per minute、長さなど)により識別されたメディアコンテンツを割り当てる少なくとも1つのユーザプロファイルを採用し、このユーザプロファイルに基づいて、メディアプレーヤー44により再生されるメディアコンテンツを選択する。
【0046】
自動DJおよびランダマイザーユニット59は、演奏されるメディアコンテンツがそれほど変わらない(例えば、クラシック音楽に引き続いてハードロック音楽は演奏されない)ということを確認するために、あるメディアコンテンツの類似性を評価する。ランダマイザーは、固定され、想定されたパターンに終わらないようにするために、システムおよび方法の適合性を維持する意外性(あるメディアコンテンツ類似性内のランダムな選択)を加える。中央アルゴリズムおよび見積もり結合器ユニット60は、コンテンツが再生される状況(時間、シチュエーション、周囲の状況など)に起因して、(例えば、回帰ツリーにより)曲が選択される加重されたリスト(特に、プレイリスト)を形成するように、メディアコンテンツをカテゴリー分けするアルゴリズムを採用する。
【0047】
したがって、上記で説明されたシステムにより実行されるメディアコンテンツ再生方法において、複数のメディアコンテンツが、ソース42、43により提供される。専用の入力データへのメディアコンテンツの割り当てを含む、(例えば、各ユーザに対する)ユーザプロファイルが提供される。センサー47は、CANバス53(CAN=コントローラーエリアネットワーク(Controller Area Network))のようなバスシステムを介して、特定のセンサー57により提供される計測データを読み、これらのデータをセンサーインタープリタ51へパスするように構成されているCANリーダー50へ接続され得る。時間ベースユニット49および位置センサー48も、絶対時間および位置データを提供するために、センサーインタープリタ51へ接続される。センサーインタープリタ51は、再生パラメータエスティメーター54へ、連続的またはある時間インターバルで、時間および/またはセンサーデータの現時の配置から派生されたコンテキストデータ53を提供する。
【0048】
メディアコンテンツは、少なくとも1つのラジオステーションから(不規則な間隔で)受信された交通メッセージを含み得る。交通メッセージも、同様に、ユーザプロファイルに従い、それぞれのコンテキストデータに依存して、再生のために選択される。さらに、受信された交通メッセージの少なくとも1つはメモリ(例えば内部メモリ)に格納され得、交通メッセージが再生のために選択されたときに再生され得るが、その時点では、いずれのラジオステーションからも交通メッセージは受信されていない。交通メッセージを選択するために用いられるコンテキストデータは、例えば、乗り物位置に最も近いラジオステーションを選択するために(その近接性に起因して、乗り物位置に最も関連のある交通メッセージをそれぞれ有し得る)、乗り物位置を含み得る。
【0049】
本発明は、そのいくつかの好ましい実施形態に関して描写および説明されたが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、その形態および詳細に対してさまざまな変更、省略および追加が、本明細書でなされ得る。
【符号の説明】
【0050】
41 メディアコンテンツ再生システム
42、43 メディアソース
44 メディアプレーヤー
45 メディアデータベース
46 ユーザインターフェイス
49 時間ベースユニット
55 制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアコンテンツ再生方法であって、該方法は、
複数のメディアコンテンツを提供することと、
該メディアコンテンツの各々に、それぞれの該メディアコンテンツを識別するコンテンツ情報を提供することと、
特定のメディアコンテンツの選択または不選択に影響を与えるユーザ選択命令から受信することと、
該選択されたメディアコンテンツが再生されるロケーションの近辺における絶対時間、絶対位置、および少なくとも1つの物理量のうちの少なくとも1つの測定値に基づいたコンテキストデータを提供することと、
ユーザプロファイルを提供または適合することであって、該ユーザプロファイルは、各特定のメディアコンテンツに対して、ユーザ命令を、それぞれの該命令を受信した時に提供される該コンテキストデータに割り当てる、ことと、
該ユーザプロファイルに従って、選択する時の該コンテキストデータに依存した該メディアコンテンツの1つを選択することと、
該選択されたメディアコンテンツを再生することと
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1の方法であって、前記絶対時間は、一日の実際の時間、一週間の曜日、および少なくとも曜日と月とを有するカレンダーの日にちのうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項3】
請求項1または2の方法であって、該方法は、別のユーザまたはユーザのグループに割り当てられた少なくとも1つの追加のユーザプロファイルをさらに含む、方法。
【請求項4】
請求項1〜3のうちの1つの方法であって、メディアコンテンツのコンテキストデータへの前記割り当ては、選択命令の発生のそれぞれの頻度を含み、メディアコンテンツの前記選択は、特定の発生の頻度に依存している、方法。
【請求項5】
請求項4の方法であって、前記割り当ては、回帰ツリー、ニューロナルネットワーク、ベイジアンネットワーク、自己組織化写像、適応共鳴理論ネットワーク、クラスター分析、遺伝的プログラミング、アソシエーションルール学習またはサポートベクトルマシンを用いてなされる、方法。
【請求項6】
請求項1〜5のうちの1つの方法であって、前記選択されたメディアコンテンツが再生される前記ロケーションは、乗り物であり、前記コンテキストデータは、該乗り物に関して少なくとも1つの物理量の測定値を含む、方法。
【請求項7】
請求項6の方法であって、前記乗り物に関連した少なくとも1つの前記物理量は、乗り物速度、乗り物位置、エンジン速度のうちの1つである、方法。
【請求項8】
請求項6または7の方法であって、前記乗り物に関連した少なくとも1つの前記物理量の測定値は、該乗り物により提供される、方法。
【請求項9】
請求項6〜8のうちの1つの方法であって、前記メディアコンテンツは、少なくとも1つのラジオステーションから受信された交通メッセージを含み、該交通メッセージは、ユーザプロファイルに従って、それぞれの前記コンテキストデータに依存して、再生のために選択される、方法。
【請求項10】
請求項9の方法であって、少なくとも1つの交通メッセージは、メモリに格納され、該格納された交通メッセージは、交通メッセージが再生のため選択されたときに、再生されるが、該交通メッセージは、少なくとも1つのラジオステーションから受信されていない、方法。
【請求項11】
請求項9または10の方法であって、前記交通メッセージを選択するために用いられるコンテキストデータは、乗り物位置を含む、方法。
【請求項12】
請求項1〜11のうちの1つの方法であって、前記メディアコンテンツの選択は、シャッフルモードで実行され、特定のメディアコンテンツの選択または不選択に影響を与えるユーザ命令は、不選択命令としてスキップ命令および/または選択命令としてリピート命令を含む、方法。
【請求項13】
請求項1〜12のうちの1つの方法であって、前記ユーザプロファイルは、内部メモリに格納され、該内部メモリ内の該ユーザプロファイルは、少なくとも部分的には外部メモリからインポートされる、方法。
【請求項14】
請求項1〜13のうちの1つの方法であって、前記ユーザプロファイルは内部メモリに格納され、該ユーザプロファイルは、少なくとも部分的には該内部メモリから外部メモリへエクスポートされる、方法。
【請求項15】
請求項13または14の方法であって、前記外部メモリは、ユーザ制御可能外部メディアコンテンツ再生デバイスに含まれており、該デバイスは、メディアコンテンツを前記ユーザに提供し、該デバイスは、各特定のメディアコンテンツに対して、ユーザ命令を、該外部メディアコンテンツ再生デバイスでそれぞれ命令を受信した時に提供されるコンテキストデータへ割り当てるユーザプロファイルを提供または適合する、方法。
【請求項16】
請求項15の方法であって、前記内部メモリおよび前記外部メモリまたはその一部内の前記プロファイルは、タイムスタンプを含み、該内部メモリと該外部メモリ間のプロファイル送信は、該タイムスタンプを用いて制御される、方法。
【請求項17】
メディアコンテンツ再生システムであって、該システムは、
1つのメディアソースであって、該メディアソースは、複数のメディアコンテンツまたは複数のメディアソースを提供し、該メディアソースのそれぞれは、少なくとも1つのメディアコンテンツを提供し、該メディアソースは、該メディアコンテンツの各々に対して、それぞれの該メディアコンテンツを識別するコンテンツ情報を提供する、メディアソースと、
再生ユニットであって、該再生ユニットは、単数または複数の該メディアソースにリンクされ、該再生ユニットは、1つ以上の該メディアソースにより提供される該メディアコンテンツを再生するように適合されている、再生ユニットと、
制御ユニットであって、該制御ユニットは、該再生ユニットにリンクされ、制御し、該制御ユニットは、該再生ユニットにより再生される該メディアコンテンツの1つを選択する、制御ユニットと、
ユーザインターフェイスであって、該ユーザインターフェイスは、該制御ユニットにリンクされ、該ユーザインターフェイスは、ユーザ命令を受信し、その表示を該制御ユニットへ提供するように適合されている、ユーザインターフェイスと、
タイムベースユニットおよび/または少なくとも1つのセンサーであって、該タイムベースユニットおよび/または少なくとも1つの該センサーは、該制御ユニットにリンクされ、該タイムベースユニットおよび/または少なくとも1つの該センサーは、絶対時間および/または選択された該メディアコンテンツが再生されるロケーションの近辺における少なくとも1つの物理量の表示を提供する、タイムベースユニットおよび/または少なくとも1つのセンサーと
を含み、
該制御ユニットは、各特定のメディアコンテンツに対して、ユーザ命令を、それぞれの命令が受信された時に提供される該コンテキストデータへ割り当てるユーザプロファイルを提供または適合するように、さらに構成されており、該制御ユニットは、該ユーザプロファイルに従って、該メディアコンテンツの選択時のコンテキストデータに依存する該メディアコンテンツの1つを選択するように、さらに構成されている、システム。

【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図1】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−16011(P2012−16011A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143008(P2011−143008)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(504147933)ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー (165)
【Fターム(参考)】