メディア・ドライブ及びメディアの欠陥位置を登録するディフェクト・マップを生成する方法
【課題】ディフェクト・マップへの適切な欠陥登録を実現する。
【解決手段】本発明の一形態にかかるHDDは、3つのPDMフォーマットを使用する。これら3つのフォーマットの一つは、シングル・セクタ・エントリ・フォーマット、他の一つはマルチ・セクタ・エントリ・フォーマット、さらに他の一つは二次元セクタ・エントリ・フォーマットである。図4(a)−(c)は、各フォーマットの欠陥セクタ登録方法を模式的に示している。図4(a)はシングル・セクタ・エントリ、図4(b)はマルチ・セクタ・エントリ、図4(c)は二次元セクタ・エントリを示している。磁気ディスクの欠陥状態に従って適切なフォーマットを選択することで、限られたRAM容量において適切な欠陥登録を行うことができる。
【解決手段】本発明の一形態にかかるHDDは、3つのPDMフォーマットを使用する。これら3つのフォーマットの一つは、シングル・セクタ・エントリ・フォーマット、他の一つはマルチ・セクタ・エントリ・フォーマット、さらに他の一つは二次元セクタ・エントリ・フォーマットである。図4(a)−(c)は、各フォーマットの欠陥セクタ登録方法を模式的に示している。図4(a)はシングル・セクタ・エントリ、図4(b)はマルチ・セクタ・エントリ、図4(c)は二次元セクタ・エントリを示している。磁気ディスクの欠陥状態に従って適切なフォーマットを選択することで、限られたRAM容量において適切な欠陥登録を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメディアの欠陥位置を登録するディフェクト・マップの生成に関する。
【背景技術】
【0002】
データ記憶装置として、光ディスク、磁気テープあるいは半導体メモリなどの様々な態様のメディアを使用する装置が知られているが、その中で、ハードディスク・ドライブ(HDD)は、コンピュータの記憶装置として広く普及し、現在のコンピュータ・システムにおいて欠かすことができない記憶装置の一つとなっている。さらに、コンピュータにとどまらず、動画像記録再生装置、カーナビゲーション・システム、携帯電話、あるいはデジタルカメラなどで使用されるリムーバブルメモリなど、HDDの用途はその優れた特性により益々拡大している。
【0003】
このようなHDDに対しては高い信頼性が要求される。このため、その製造プロセスにおいて、磁気ディスク表面上の欠陥についてテストする工程が存在する。磁気ディスク・テストの一つとして、製造されたHDD自身がその内部の磁気ディスクの欠陥を検出するテストがある。例えば、HDDは、磁気ディスクの各データ・トラックにデータを書き込み、さらに書き込んだデータを読み出すことによって磁気ディスク上の欠陥を特定する。
【0004】
このテストは、HDD内の各記録面の全面について実行される。検出された欠陥セクタは、プライマリ・ディフェクト・マップに登録される。HDDは、プライマリ・ディフェクト・マップ(PDM)に登録された欠陥セクタにはアクセスすることなく、それらをスキップする。
【0005】
このPDMのフォーマット(PDMフォーマット)として、いくつかのフォーマット・タイプが知られている。典型的なPDMフォーマットの一つは、一つのエントリに一つの欠陥セクタを登録する(以下において、シングル・セクタ・エントリと呼ぶ)。このフォーマットは、欠陥セクタ数の増加に比例してエントリ数及びPDMのデータ量が増加する。一方、PDMに割り当てられるメモリ容量は限られている。このため、PDMに登録できる欠陥セクタ数は限定される。
【0006】
そこで、同一のメモリ容量でより多くの欠陥セクタを登録するため、いくつかの他のPDMフォーマットが提案されている。例えば、特許文献1が提案するフォーマットは、一つのエントリに、複数のデータ・セクタからなる1次元欠陥セクタ列を登録する(以下において、マルチ・セクタ・エントリと呼ぶ)。あるいは、特許文献2は、一つのエントリに2次元配列の複数セクタを登録するフォーマット・タイプを提案している(以下において、2次元エントリと呼ぶ)。
【特許文献1】特開2001−23310号公報
【特許文献2】特開2002−268829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のようにPDMフォーマットとしていくつかのものが提案されている。しかし、最適なPDMフォーマットは、磁気ディスク上で検出された欠陥の状態によって変化する。例えば、PDMに割り当てられるメモリ容量が同一である場合、最大エントリ数は、シングル・セクタ・エントリ・フォーマットが最も大きい。その一方、最大登録欠陥数は、2次元エントリフォーマットが最も大きい。また、通常動作におけるアドレス変換において、その処理時間の点からはシングル・セクタ・エントリ・フォーマットが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの態様にかかるメディア・ドライブは、データを記録するメディアと、前記メディアの欠陥位置を登録するディフェクト・マップを格納するメモリと、前記メディアで検出された欠陥に基づいてフォーマットを決定し、その決定したフォーマットに従って前記ディフェクト・マップを生成するコントローラと、を備えるものである。メディアで検出された欠陥に基づいてフォーマットを決定し、その決定したフォーマットに従って前記ディフェクト・マップを生成することによって、検出欠陥に適切なディフェクト・マップを生成することができる。
【0009】
前記コントローラは前記メディアのテストを実行し、そのテストで検出された欠陥に基づいてフォーマットを決定することができる。これによって、メディアの欠陥テストにおいて検出された欠陥に従って、適切なディフェクト・マップを生成することができる。
【0010】
前記コントローラは、1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が異なる複数のフォーマットから一つのフォーマットを選択し、その選択したフォーマットに従って前記ディフェクト・マップを生成することが好ましい。これによって、検出された欠陥の数及び状態に従って適切なフォーマットを選択することができる。
【0011】
前記複数のフォーマットは、第1フォーマットと、その第1フォーマットよりも1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が多い第2フォーマットとを含み、前記コントローラは、前記第1フォーマットに従うディフェクト・マップにおいて登録されるエントリ数が基準数以下の場合に第1フォーマットを使用し、その基準数を超える場合に前記第2フォーマットを使用することが好ましい。これによって、限られたメモリ容量において、効率的なディフェクト・マップを生成することができる。さらに、前記基準数は、前記第1フォーマットに従うディフェクト・マップの総エントリ数であることが好ましい。これによって、第1フォーマットをより高い確率で使用することができる。
【0012】
前記複数のフォーマットは、前記第2フォーマットよりも1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が多い第3フォーマットをさらに含み、前記コントローラは、第2フォーマットに従うディフェクト・マップにおいて登録されるエントリ数が基準数を超える場合に前記第3フォーマットを使用することが好ましい。これによって、限られたメモリ容量において、効率的なディフェクト・マップを生成することができる。
【0013】
前記コントローラは、前記第1フォーマットに従うディフェクト・マップを生成して欠陥位置を登録し、登録するエントリ数が基準数を超えると第1フォーマットのディフェクト・マップから前記第2フォーマットのディフェクト・マップに変更することが好ましい。さらに、前記複数のフォーマットは、前記第2フォーマットよりも1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が多い第3フォーマットをさらに含み、前記コントローラは、前記第2フォーマットに従うディフェクト・マップに登録するエントリ数が基準数を超えると、第2フォーマットのディフェクト・マップから前記第3フォーマットのディフェクト・マップに変更することが好ましい。ディフェクト・マップを生成しながらフォーマットを変更することで、処理時間を短縮することができる。
【0014】
前記第1フォーマットは、1エントリに1欠陥アドレスを登録し、前記第2フォーマットは、1エントリに、基準となる欠陥アドレスと1次元的に連続する欠陥アドレス数とを登録することができる。また、前記第3フォーマットは、1エントリに、基準となる欠陥アドレス、第1方向に連続する欠陥アドレス数及びその第1方向と異なる第2方向に連続する欠陥アドレス数を登録することができる。
【0015】
本発明の他の態様は、メディア上の欠陥の位置を登録するディフェクト・マップを生成する方法であって、前記メディア上の欠陥を検出し、前記メディア上で検出された欠陥に基づいてフォーマットを決定し、前記決定したフォーマットに従って前記ディフェクト・マップを生成し、前記生成されたディフェクト・マップに前記メディア上で検出された欠陥の位置を登録するものである。これによって、検出欠陥に適切なディフェクト・マップを生成することができる。
【0016】
第1フォーマットに従う第1ディフェクト・マップを生成して欠陥位置を登録し、前記第1ディフェクト・マップに登録するエントリ数が基準数を超えると、前記第1フォーマットよりも1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が多い第2フォーマットに従う第2ディフェクト・マップを生成し、前記第2ディフェクト・マップに前記メディア上で検出された欠陥を登録することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、メディアの欠陥位置をより適切なフォーマットにおいて登録することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、各図面において同一要素には同一の符号が付されている。また、説明の明確化のために必要に応じて重複説明は省略されている。
【0019】
本実施形態の特徴点の一つは、メディアの欠陥位置をディフェクト・マップに登録する手法にある。本形態においては、メディア・ドライブの一例であるハードディスク・ドライブ(HDD)を例として、本発明の欠陥登録手法を説明する。本形態のHDDは、磁気ディスク上で検出された欠陥に対応した適切なフォーマットを決定し、そのフォーマットに従ったディフェクト・マップに磁気ディスク上の欠陥位置を登録する。本発明の理解の容易のため、最初に、HDDの全体構成を説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係るHDD1の全体構成を模式的に示すブロック図である。図1に示すように、HDD1は、エンクロージャ10内に、データを記録するメディアの一例である磁気ディスク11、ヘッド・スライダ12、アーム電子回路(AE:Arm Electronics)13、スピンドル・モータ(SPM)14、ボイス・コイル・モータ(VCM)15、そしてアクチュエータ16を備えている。
【0021】
HDD1は、さらに、エンクロージャ10の外側に固定された回路基板20を備えている。回路基板20上には、リード・ライト・チャネル(R/Wチャネル)21、モータ・ドライバ・ユニット22、ハードディスク・コントローラ(HDC)とMPUの集積回路(HDC/MPU)23及びRAM24などの各ICを備えている。尚、各回路構成は一つのICに集積すること、あるいは、複数のICに分けて実装することができる。
【0022】
外部ホスト51からのユーザ・データは、HDC/MPU23によって受信され、R/Wチャネル21、AE13を介して、ヘッド・スライダ12によって磁気ディスク11に書き込まれる。また、磁気ディスク11に記憶されているユーザ・データはヘッド・スライダ12によって読み出され、そのユーザ・データは、AE13、R/Wチャネル21を介して、HDC/MPU23から外部ホスト51に出力される。
【0023】
磁気ディスク11は、SPM14に固定されている。SPM14は所定の角速度で記録ディスクの一例である磁気ディスク11を回転する。HDC/MPU23からの制御データに従って、モータ・ドライバ・ユニット22がSPM14を駆動する。本例の磁気ディスク11はデータを記録する記録面を両面に備え、また、各記録面に対応するヘッド・スライダ12が設けられている。各ヘッド・スライダ12は、磁気ディスク11上を浮上する(飛行する)スライダと、スライダに固定され磁気信号と電気信号との間の変換を行うトランスデューサとしてのヘッド素子部とを備えている。
【0024】
各ヘッド・スライダ12はアクチュエータ16の先端部に固定されている。アクチュエータ16はVCM15に連結され、回動軸を中心に回動することによって、ヘッド・スライダ12を回転する磁気ディスク11上においてその半径方向に移動する。モータ・ドライバ・ユニット22は、HDC/MPU23からの制御データ(DACOUTと呼ぶ)に従ってVCM15を駆動する。なお、磁気ディスク11は、1枚以上あればよく、記録面は磁気ディスク11の片面あるいは両面に形成することができる。
【0025】
AE13は、複数のヘッド12(ヘッド素子部)の中から磁気ディスク11へのアクセスを行う1つのヘッド・スライダ12を選択し、選択されたヘッド・スライダ12により再生される再生信号(リード信号)を一定のゲインで増幅(プリアンプ)し、R/Wチャネル21に送る。また、R/Wチャネル21からの記録信号(ライト信号)を選択されたヘッドに送る。
【0026】
R/Wチャネル21は、リード処理において、AE13から供給されたリード信号を一定の振幅となるように増幅し、取得したリード信号からデータを抽出し、デコード処理を行う。読み出されるデータは、ユーザ・データとサーボ・データを含む。デコード処理されたリード・ユーザ・データは、HDC/MPU23に供給される。また、ライト処理において、R/Wチャネル21はHDC/MPU23から供給されたライト・データをコード変調し、更にコード変調されたライト・データをライト信号に変換してAE13に供給する。
【0027】
HDC/MPU23において、MPUはRAM24にロードされたマイクロ・コードに従って動作する。HDD1の起動に伴い、RAM24には、MPU上で動作するマイクロ・コードの他、制御及びデータ処理に必要とされるデータが磁気ディスク11あるいはROM(不図示)からロードされる。HDC/MPU23は、リード/ライト処理制御、コマンド実行順序の管理、サーボ信号を使用したヘッド12のポジショニング制御(サーボ制御)、インターフェース制御、ディフェクト管理などのデータ処理に関する必要な処理の他、HDD1の全体制御を実行する。特に、本形態のHDC/MPU23は、ディフェクト管理のためのディフェクト・マップの生成において、適切なマップ・フォーマットを選択し、それに従って欠陥登録を行う。この点については後に詳述する。
【0028】
図2は、磁気ディスク11の記録面の記録データの状態を模式的に示している。磁気ディスク11の記録面には、磁気ディスク11の中心から半径方向に放射状に延び、所定の角度毎に離間して形成された複数のサーボ領域111と、隣り合う2つのサーボ領域111の間にデータ領域112が形成されている。各サーボ領域111には、ヘッド12の位置決め制御を行うためのサーボ・データが記録される。各データ領域112は、ユーザ・データを記録する。
【0029】
サーボ領域111とデータ領域112には、半径方向に所定幅を有し、同心円状に形成された複数本のトラックが形成される。サーボ・データおよびユーザ・データは、それぞれ、サーボ・トラック、データ・トラックに沿って記録される。サーボ・トラックとデータ・トラックは一致もしくは異なる半径位置に配置されうる。各サーボ・トラックは、互いに所定角度において離間して配置された複数のサーボ・データを備えている。
【0030】
また、各データ・トラックは、サーボ領域111間のデータ領域112に複数のデータ・セクタ(ユーザ・データの記録単位)を備えている。ユーザ・データは、データ・セクタ単位でアドレスされる。図2の例において、データ・トラックは、磁気ディスク11の半径方向の位置に従って複数のゾーン113a−113cにグループ化されている。外周側(OD側)のゾーンの記録周波数を内周側(ID側)のゾーンの記録周波数よりも高くし、ゾーン毎に記録周波数を変更することで、磁気ディスク11全体の記録密度を向上することができる。
【0031】
上述のように、本形態のHDD1は、ディフェクト管理に使用するディフェクト・マップの生成に特徴点を有している。そこで、HDD1の通常動作における欠陥セクタ管理について、図3のブロック図を参照して説明する。HDD1は、PDM242及びリアサイン・ディフェクト・マップ(RDM)243を参照して、欠陥データ・セクタ(以下、欠陥セクタ)を管理する。PDM242は、HDD1の製造工程において検出された欠陥セクタを特定する。HDD1は、PDM242に登録されている欠陥セクタをスキップする。
【0032】
一方、RDM243は、HDD1の使用時に検出された欠陥セクタと、その欠陥セクタに対応する代替セクタを特定する。HDD1は、使用時に欠陥セクタを検出すると、その欠陥セクタと対応する代替セクタとをRDM243に登録する。RDM243に登録された欠陥セクタに対するホスト51からのアクセス要求があると、HDD1は、RDM243において対応付けられている代替セクタにアクセスする。
【0033】
具体的に説明する。例えば、リード処理において、ホスト54は、リード・コマンドと共に、アクセス先の論理アドレスLBA(Logical Block Address)をHDC/MPU23に送信する。MPU232は、HDC231を介して、そのコマンドとLBAを取得する。MPU232は、RAM24上のPDM242及びRDM243を参照して、LBAに対応する物理アドレスCHS(Cylinder Head Sector)を特定する。
【0034】
MPU232は、R/Wチャネル21からHDC231を介して取得したサーボ・データ(SERVO DATA)と、ターゲットのCHSからVCM25に与える電流値を決定し、それを表すデータ(DACOUT)をモータ・ドライバ・ユニット22に出力する。モータ・ドライバ・ユニット22は、そのDACOUTに従ってVCM25に電流(VCM CURRENT)を供給する。
【0035】
R/Wチャネル21は、ヘッド・スライダ12からAE13を介して送られたサーボ信号(SERVO SIGNAL)及びユーザ・データ信号(USER DATA SIGNAL)から、サーボ・データ及びユーザ・データ(USER DATA)を生成する。HDC231は、ユーザ・データをRAM24内のバッファ241に一旦格納した後、ホスト51に転送する。ライト処理においては、ユーザ・データの流れがリード処理と逆になる。
【0036】
上述のように、HDD1は、PDM242及びRDM243を使用して欠陥セクタを管理する。本形態のHDD1は、PDM242及び/もしくはRDM243について、登録する欠陥セクタ数に基づいて適切なマップ・フォーマット決定し、それを使用してディフェクト・マップを生成する。本形態のディフェクト・マップの生成手法は、特に、PDM242の生成に好適である。従って、以下において、PDM242の生成について詳細に説明する。
【0037】
HDD1は、製造工程における磁気ディスク11の欠陥テストにおいて検出された欠陥セクタをPDM242に登録する。本形態のHDD1は、自ら磁気ディスク11の欠陥テストを実行する。本明細書において、これをSRST(Self Run Self Test)と呼ぶ。HDD1は、その機械的機構と製品として実装される制御回路とを使用してSRSTを実行する。
【0038】
HDD1の製造工程は、ヘッド12とアクチュエータ16のアセンブリであるヘッド・スタック・アセンブリや、磁気ディスク11などの必要な部品をエンクロージャ10内に実装して、ヘッド・ディスク・アセンブリ(HDA)を製造する。さらに、必要な回路が実装された制御回路基板20をそのHDAの外側に装着する。SRSTは、この製品としてのHDD1が組み立てられた段階において、HDD1が自らの回路及び機構を使用して実行する。
【0039】
SRSTは、磁気ディスク11の記録面について、表面解析テスト(Surface Analysis Test:SAT)やフィル・データ(Fill Data)など、いくつかのタイプの欠陥検出テストを行う。概略を説明すると、SATは磁気ディスク11の各データ・トラックにデータを書き込み、さらに書き込んだデータを読み出すことによって磁気ディスク上の欠陥を特定する。フィル・データは、磁気ディスク11へのライト処理を実行し、ライト・エラーを引き起こすサーボ・トラック及びそれに対応するデータ・セクタを特定する。HDD1は、STA及び検出された欠陥セクタをPDM242に登録する。
【0040】
本形態のHDD1は、3つのPDMフォーマットを使用する。これら3つのフォーマットの一つは、シングル・セクタ・エントリ・フォーマット、他の一つはマルチ・セクタ・エントリ・フォーマット、さらに他の一つは二次元セクタ・エントリ・フォーマットである。図4(a)−(c)は、各フォーマットの欠陥セクタ登録方法を模式的に示している。図4(a)はシングル・セクタ・エントリ、図4(b)はマルチ・セクタ・エントリ、図4(c)は二次元セクタ・エントリを示している。
【0041】
図4(a)−(c)において、各矩形はデータ・セクタを表している。ハッチンが付された矩形117は欠陥セクタとして登録されているデータ・セクタを表している。太線で囲まれた部分118は、一つのエントリに登録される欠陥セクタを表している。矢印は磁気ディスク11の回転方向を示している。
【0042】
シングル・セクタ・エントリ・フォーマットは、図4(a)及び図5に示すように、各エントリに、一つの欠陥セクタ117a(118a)のアドレスを登録している。エントリ番号(ENTRY NO)で特定される各エントリは、欠陥セクタの絶対アドレス(ABSOLUTE BLOCK ADDRESS:ABA)を格納している。従って、欠陥セクタ数と絶対アドレスを登録したエントリ数とが一致する。11の欠陥セクタを示す図4(a)の例においては、ABAを格納するエントリ数も11となる。ここで、ABAは、欠陥セクタを含む各データ・セクタに対して連続的に付されている物理アドレスの一つである。
【0043】
マルチ・セクタ・エントリ・フォーマットは、図4(b)に示すように、各エントリに、円周方向における1次元配列の複数欠陥セクタ118bを登録する。具体的には、図6に示すように、各エントリは先頭欠陥セクタ117bのABA及びそれに続くセクタ数(SECTOR COUNT)を格納する。図4(b)の例の場合、登録エントリ数は2であり、OD側欠陥セクタ列の登録SECTOR COUNTは6、ID側欠陥セクタ列の登録SECTOR COUNTは7である。
【0044】
二次元セクタ・エントリ・フォーマットは、図4(c)に示すように、各エントリに、円周方向及び半径方向における2次元配列の複数欠陥セクタ118cを登録する。具体的には、図7に示すように、各エントリは先頭欠陥セクタ117cのABA、円周方向において先頭欠陥セクタから続くセクタ数(SECTOR COUNT)及び半径方向において先頭欠陥セクタから続くトラック数(TRACK COUNT)を格納する。図4(c)の例の場合、登録エントリ数は1であり、SECTOR COUNTは8、TRACK COUNTは3である。
【0045】
図8は、各PDMフォーマットにおける1エントリが格納するデータ及び1エントリに登録できる最大欠陥セクタ数を示している。本例の各フォーマットは、ABAを1ワード、SECTOR COUNT及びTRACK COUNTを1バイトで表す。シングル・セクタ・エントリ・フォーマットの1エントリは、最大1セクタを格納することができる。マルチ・セクタ・エントリ・フォーマットの1エントリは、最大256データ・セクタを格納することができる。二次元セクタ・エントリ・フォーマットの1エントリは、最大65536データ・セクタを格納することができる。
【0046】
このように、1エントリに登録することができるセクタ数は、シングル・セクタ・エントリ・フォーマット、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマット、二次元セクタ・エントリ・フォーマットの順で増加する。しかし、PDM242に割り当てられるメモリ容量が同一である場合、PDM242が登録することができる最大エントリ数は、シングル・セクタ・エントリ・フォーマット、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマット、二次元セクタ・エントリ・フォーマットの順で減少する。
【0047】
図9は、各PDMフォーマットが格納することができるエントリ数の一例を示している。各データのバイト数は上述と同様である。シングル・セクタ・エントリ・フォーマットの最大登録エントリ数が600の場合、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマットの最大登録エントリ数は400、二次元セクタ・エントリ・フォーマットの最大登録エントリ数は300である。
【0048】
シングル・セクタ・エントリ・フォーマットに対して、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマットはより多くの欠陥セクタを登録することができる。しかし、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマットは欠陥セクタをセクタ列単位で登録するため、欠陥セクタが離散的に存在する場合、本来欠陥ではないデータ・セクタも欠陥セクタとして登録する。
【0049】
二次元セクタ・エントリは、さらに多くの欠陥セクタを登録することができるが、それに応じてさらに多くの正常セクタが欠陥セクタとして登録される。なお、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマットもしくは二次元セクタ・エントリ・フォーマットは、1エントリに1欠陥セクタを登録することもできるが、最大登録エントリ数が減少するため、登録できる欠陥セクタ数は減少する。
【0050】
従って、磁気ディスク11の利用可能データ容量の点からは、1エントリが格納する欠陥セクタ数が少ないPDMフォーマットを使用することが好ましい。つまり、欠陥セクタ数が少ない場合には、マルチ・セクタ・エントリ、さらには、シングル・セクタ・エントリを使用することが好ましい。
【0051】
また、上述のように、ホスト51からのコマンドに応じた磁気ディスク11へのアクセスにおいて、HDC/MPU23はPDM242を参照してアクセス先のCHSを決定する。この処理時間もしくは処理の複雑さは、PDMフォーマットによって変化しうる。具体的には、シングル・セクタ・エントリ、マルチ・セクタ・エントリ、二次元セクタ・エントリの順で、この処理時間もしくは処理の複雑さは増加する。
【0052】
HDC/MPU23は、ホスト51との間においてLBAを使用し、メディア・アクセスにおいてCHSを使用する。HDC/MPU23は、ホスト51から取得したLBAからアクセスすべきCHSを特定する。このとき、HDC/MPU23はPDM242を参照してスキップすべきデータ・セクタのABAを抽出し、それを使用してアクセスすべきCHSを特定する。
【0053】
セクタ単位で欠陥を登録するシングル・セクタ・エントリ・フォーマットと異なり、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマット及び二次元セクタ・エントリ・フォーマットは、圧縮した状態で欠陥セクタを登録する。このため、HDC/MPU23が必要なABAをPDM242から抽出するためにより多くの演算が必要とされる。圧縮率の大きい二次元セクタ・エントリ・フォーマットは、より多くの演算処理を必要とする。なお、PDM242を使用したターゲットCHSの算出は、USP6654904、USP6850379などに開示されているように広く知られた技術であり、本明細書では説明を省略する。
【0054】
従って、シングル・セクタ・エントリ・フォーマットのPDM242が全ての欠陥セクタを登録することができる場合、シングル・セクタ・エントリを使用することが好ましい。検出欠陥セクタ数が、シングル・セクタ・エントリ・フォーマットの最大エントリ数を超える場合、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマットを使用することが好ましい。さらに、検出欠陥セクタ数がマルチ・セクタ・エントリ・フォーマットの最大エントリ数をも超える場合、二次元セクタ・エントリ・フォーマットを使用することで全ての欠陥セクタをPDM242に登録することができる。
【0055】
本形態のHDC/MPU23は、SRSTにおいて、まずシングル・セクタ・エントリ・フォーマットでPDM242を生成し、そこに検出された欠陥セクタを登録する。その後、登録すべきエントリ数が登録可能最大数を越えると、HDC/MPU23はフォーマットをマルチ・セクタ・エントリ・フォーマットに変更してPDM242を生成し(ODM242の変更)、そこに欠陥セクタを登録していく。さらに、登録すべきエントリ数がマルチ・セクタ・エントリ・フォーマットの登録可能最大数を越えると、HDC/MPU23はフォーマットを二次元セクタ・エントリ・フォーマットに変更してPDM242を生成し、そこに欠陥セクタを登録していく。
【0056】
PDM242の生成(変更を含む)及びPDM242への欠陥セクタの登録は、図10に示すように、PDM生成・登録ルーチン321が実行する。PDM生成・登録ルーチン321はMPU232上で動作するプログラムであり、MPU232がこのルーチンに従って演算処理することで、PDM生成・登録部として機能する。SRSTルーチン322はMPU232上で動作するプログラムであって、HDD1の通常実装機能を使用して磁気ディスク11のSRSTを実行する。
【0057】
SRSTにおいて、SRSTルーチン322はPDM生成・登録ルーチン321にPDMフォーマット(PDM FORMAT)を指示し、PDM生成・登録ルーチン321はその指示に従ってPDM242を生成する。さらに、SRSTルーチン322はPDM生成・登録ルーチン311に検出された欠陥セクタのABA(DEFECT ADDRESS)を渡す。PDM生成・登録ルーチン321は渡されたABAをPDM242に登録する。
【0058】
登録すべき欠陥セクタが最大エントリ数を超えると、PDM生成・登録ルーチン321はSRSTルーチン322に、エントリ・オーバーのエラー(ERROR)を返す。SRSTルーチン322は、エントリ・オーバーのエラーを通知されると、PDM生成・登録ルーチン321に次のPDMフォーマット(マルチ・セクタ・エントリもしくは二次元セクタ・エントリ)を指示する。以下、同様の処理が行われる。
【0059】
図11のフローチャートを参照して、SRSTにおけるPDM241への欠陥セクタの登録処理について具体的に説明する。SRSTルーチン322は、SRSTを開始して欠陥セクタを検出すると、PDM生成・登録ルーチン321にPDMフォーマット「1」(P_FMT=1)をセットし(S111)、欠陥セクタのABAを渡す(S112)。指示されたフォーマットが「1」であるので(S113におけるY)、PDM生成・登録ルーチン321は、シングル・セクタ・エントリ・フォーマットのPDM242に欠陥セクタを登録する(S114)。
【0060】
エントリ数が、最大エントリ可能数X1を超えていない場合(S115におけるN)、SRSTルーチン322及びPDM生成・登録ルーチン321は、検出された欠陥セクタについて(S116におけるY)、上述の処理を繰り返す。欠陥セクタが検出されることなくSRSTが終了する場合(S116におけるN)、PDMの作成が終了する。
【0061】
エントリ数が、最大エントリ可能数X1を超えている場合(S115におけるY)、SRSTルーチン322は、PDM生成・登録ルーチン321にPDMフォーマット「2」(P_FMT=2)をセットし(S117)、欠陥セクタのABAを渡す(S112)。指示されたフォーマットが「2」であるので(S113におけるNかつS118におけるY)、PDM生成・登録ルーチン321は、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマットのPDM242に欠陥セクタを登録する(S119)。
【0062】
エントリ数が、最大エントリ可能数X2を超えていない場合(S120におけるN)、SRSTルーチン322及びPDM生成・登録ルーチン321は、検出された欠陥セクタについて(S116におけるY)、上述の処理を繰り返す。欠陥セクタが検出されることなくSRSTが終了する場合(S116におけるN)、PDMの作成が終了する。
【0063】
エントリ数が、最大エントリ可能数X2を超えている場合(S120におけるY)、SRSTルーチン322は、PDM生成・登録ルーチン321にPDMフォーマット「3」(P_FMT=3)をセットし(S121)、欠陥セクタのABAを渡す(S112)。指示されたフォーマットが「3」であるので(S113におけるNかつS118におけるN)、PDM生成・登録ルーチン321は、二次元セクタ・エントリ・フォーマットのPDM242に欠陥セクタを登録する(S122)。
【0064】
エントリ数が、最大エントリ可能数X3を超えていない場合(S123におけるN)、SRSTルーチン322及びPDM生成・登録ルーチン321は、検出された欠陥セクタについて(S116におけるY)、上述の処理を繰り返す。欠陥セクタが検出されることなくSRSTが終了する場合(S116におけるN)、PDMの作成が終了する。エントリ数が、最大エントリ可能数X3を超えている場合(S123におけるY)、これ以上の欠陥セクタをPDM242に登録することができないので、PDM242の作成はエラーとして処理される。
【0065】
以上のように、磁気ディスク11上の欠陥の状態に基づいて適切なPDMフォーマットを選択し、そのフォーマットに従ってPDMを生成することによって、ディフェクト・マップへの効率的な欠陥登録、あるいは、通常動作におけるより効率的な処理を実現することができる。
【0066】
なお、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。例えば、HDDは、PDMフォーマットを、その登録エントリ数が最大数を超える前の基準値に達した段階で切換えることができる。また、本発明はSRSTにおけるPDMの生成のみならず、RDMなど他のタイプのディフェクト・マップに適用することができる。
【0067】
あるいは、使用可能なフォーマットの数は特に限定されるものではく、2もしくは4以上のフォーマットを使用してもよい。また、フォーマット変更は、上述以外の基準に従って行うことも可能である。一つのディフェクト・マップは、一つのフォーマットに従って生成することが好ましいが、複数のフォーマットが混在するディフェクト・マップを生成してもよい。上述の例においては、欠陥位置を表すデータとしてセクタのアドレスを使用したが、他のデータによって欠陥位置を表してもよい。また、磁気ディスクの以外の記録ディスクの欠陥テストに本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本実施形態において、ハードディスク・ドライブの全体構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】本実施形態において、磁気ディスク上における記録データ・フォーマットを模式的に示す図である。
【図3】本実施形態において、HDDの通常動作における欠陥セクタ管理を行う構成を模式的に示すブロック図である。
【図4】本実施形態において、各PDMフォーマットの欠陥セクタ登録方法を模式的に示しており、図4(a)はシングル・セクタ・エントリ、図4(b)はマルチ・セクタ・エントリ、図4(c)は二次元セクタ・エントリを示している。を模式的に示す図である。
【図5】本実施形態において、シングル・セクタ・エントリのPDMの一例を模式的に示している。
【図6】本実施形態において、マルチ・セクタ・エントリのPDMの一例を模式的に示している。
【図7】本実施形態において、二次元セクタ・エントリのPDMの一例を模式的に示している。
【図8】本実施形態において、各PDMフォーマットにおける1エントリが格納するデータ及び1エントリに登録できる最大欠陥セクタ数を示す図である。
【図9】本実施形態において、各PDMフォーマットが格納することができるエントリ数の一例を示す図である。
【図10】本実施形態において、PDMの生成及びPDMへの欠陥セクタの登録を実行する構成を模式的に示すブロック図である。
【図11】本実施形態において、SRSTにおけるPDMへの欠陥セクタの登録処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
1 ハードディスク・ドライブ、10 エンクロージャ、11 磁気ディスク
12 ヘッド、13 アーム電子回路、14 スピンドル・モータ
15 ボイス・コイル・モータ、16 アクチュエータ、20 回路基板
21 リード/ライト・チャネル、22 モータ・ドライバ・ユニット
23 ハード・ディスク・コントローラ(HDC)/MPU、24 RAM
51 ホスト、111 サーボ領域、112 データ領域、113 ゾーン
117 欠陥セクタ、118 登録欠陥セクタ領域、241 バッファ
242 プライマリ・ディフェクト・マップ
243 リアサイン・ディフェクト・マップ
231 ハード・ディスク・コントローラ、231 MPU
321 プライマリ・ディフェクト・マップ(PDM)生成・登録ルーチン
322 セルフ・ラン・セルフ・テスト(SRST)ルーチン
【技術分野】
【0001】
本発明はメディアの欠陥位置を登録するディフェクト・マップの生成に関する。
【背景技術】
【0002】
データ記憶装置として、光ディスク、磁気テープあるいは半導体メモリなどの様々な態様のメディアを使用する装置が知られているが、その中で、ハードディスク・ドライブ(HDD)は、コンピュータの記憶装置として広く普及し、現在のコンピュータ・システムにおいて欠かすことができない記憶装置の一つとなっている。さらに、コンピュータにとどまらず、動画像記録再生装置、カーナビゲーション・システム、携帯電話、あるいはデジタルカメラなどで使用されるリムーバブルメモリなど、HDDの用途はその優れた特性により益々拡大している。
【0003】
このようなHDDに対しては高い信頼性が要求される。このため、その製造プロセスにおいて、磁気ディスク表面上の欠陥についてテストする工程が存在する。磁気ディスク・テストの一つとして、製造されたHDD自身がその内部の磁気ディスクの欠陥を検出するテストがある。例えば、HDDは、磁気ディスクの各データ・トラックにデータを書き込み、さらに書き込んだデータを読み出すことによって磁気ディスク上の欠陥を特定する。
【0004】
このテストは、HDD内の各記録面の全面について実行される。検出された欠陥セクタは、プライマリ・ディフェクト・マップに登録される。HDDは、プライマリ・ディフェクト・マップ(PDM)に登録された欠陥セクタにはアクセスすることなく、それらをスキップする。
【0005】
このPDMのフォーマット(PDMフォーマット)として、いくつかのフォーマット・タイプが知られている。典型的なPDMフォーマットの一つは、一つのエントリに一つの欠陥セクタを登録する(以下において、シングル・セクタ・エントリと呼ぶ)。このフォーマットは、欠陥セクタ数の増加に比例してエントリ数及びPDMのデータ量が増加する。一方、PDMに割り当てられるメモリ容量は限られている。このため、PDMに登録できる欠陥セクタ数は限定される。
【0006】
そこで、同一のメモリ容量でより多くの欠陥セクタを登録するため、いくつかの他のPDMフォーマットが提案されている。例えば、特許文献1が提案するフォーマットは、一つのエントリに、複数のデータ・セクタからなる1次元欠陥セクタ列を登録する(以下において、マルチ・セクタ・エントリと呼ぶ)。あるいは、特許文献2は、一つのエントリに2次元配列の複数セクタを登録するフォーマット・タイプを提案している(以下において、2次元エントリと呼ぶ)。
【特許文献1】特開2001−23310号公報
【特許文献2】特開2002−268829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のようにPDMフォーマットとしていくつかのものが提案されている。しかし、最適なPDMフォーマットは、磁気ディスク上で検出された欠陥の状態によって変化する。例えば、PDMに割り当てられるメモリ容量が同一である場合、最大エントリ数は、シングル・セクタ・エントリ・フォーマットが最も大きい。その一方、最大登録欠陥数は、2次元エントリフォーマットが最も大きい。また、通常動作におけるアドレス変換において、その処理時間の点からはシングル・セクタ・エントリ・フォーマットが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの態様にかかるメディア・ドライブは、データを記録するメディアと、前記メディアの欠陥位置を登録するディフェクト・マップを格納するメモリと、前記メディアで検出された欠陥に基づいてフォーマットを決定し、その決定したフォーマットに従って前記ディフェクト・マップを生成するコントローラと、を備えるものである。メディアで検出された欠陥に基づいてフォーマットを決定し、その決定したフォーマットに従って前記ディフェクト・マップを生成することによって、検出欠陥に適切なディフェクト・マップを生成することができる。
【0009】
前記コントローラは前記メディアのテストを実行し、そのテストで検出された欠陥に基づいてフォーマットを決定することができる。これによって、メディアの欠陥テストにおいて検出された欠陥に従って、適切なディフェクト・マップを生成することができる。
【0010】
前記コントローラは、1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が異なる複数のフォーマットから一つのフォーマットを選択し、その選択したフォーマットに従って前記ディフェクト・マップを生成することが好ましい。これによって、検出された欠陥の数及び状態に従って適切なフォーマットを選択することができる。
【0011】
前記複数のフォーマットは、第1フォーマットと、その第1フォーマットよりも1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が多い第2フォーマットとを含み、前記コントローラは、前記第1フォーマットに従うディフェクト・マップにおいて登録されるエントリ数が基準数以下の場合に第1フォーマットを使用し、その基準数を超える場合に前記第2フォーマットを使用することが好ましい。これによって、限られたメモリ容量において、効率的なディフェクト・マップを生成することができる。さらに、前記基準数は、前記第1フォーマットに従うディフェクト・マップの総エントリ数であることが好ましい。これによって、第1フォーマットをより高い確率で使用することができる。
【0012】
前記複数のフォーマットは、前記第2フォーマットよりも1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が多い第3フォーマットをさらに含み、前記コントローラは、第2フォーマットに従うディフェクト・マップにおいて登録されるエントリ数が基準数を超える場合に前記第3フォーマットを使用することが好ましい。これによって、限られたメモリ容量において、効率的なディフェクト・マップを生成することができる。
【0013】
前記コントローラは、前記第1フォーマットに従うディフェクト・マップを生成して欠陥位置を登録し、登録するエントリ数が基準数を超えると第1フォーマットのディフェクト・マップから前記第2フォーマットのディフェクト・マップに変更することが好ましい。さらに、前記複数のフォーマットは、前記第2フォーマットよりも1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が多い第3フォーマットをさらに含み、前記コントローラは、前記第2フォーマットに従うディフェクト・マップに登録するエントリ数が基準数を超えると、第2フォーマットのディフェクト・マップから前記第3フォーマットのディフェクト・マップに変更することが好ましい。ディフェクト・マップを生成しながらフォーマットを変更することで、処理時間を短縮することができる。
【0014】
前記第1フォーマットは、1エントリに1欠陥アドレスを登録し、前記第2フォーマットは、1エントリに、基準となる欠陥アドレスと1次元的に連続する欠陥アドレス数とを登録することができる。また、前記第3フォーマットは、1エントリに、基準となる欠陥アドレス、第1方向に連続する欠陥アドレス数及びその第1方向と異なる第2方向に連続する欠陥アドレス数を登録することができる。
【0015】
本発明の他の態様は、メディア上の欠陥の位置を登録するディフェクト・マップを生成する方法であって、前記メディア上の欠陥を検出し、前記メディア上で検出された欠陥に基づいてフォーマットを決定し、前記決定したフォーマットに従って前記ディフェクト・マップを生成し、前記生成されたディフェクト・マップに前記メディア上で検出された欠陥の位置を登録するものである。これによって、検出欠陥に適切なディフェクト・マップを生成することができる。
【0016】
第1フォーマットに従う第1ディフェクト・マップを生成して欠陥位置を登録し、前記第1ディフェクト・マップに登録するエントリ数が基準数を超えると、前記第1フォーマットよりも1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が多い第2フォーマットに従う第2ディフェクト・マップを生成し、前記第2ディフェクト・マップに前記メディア上で検出された欠陥を登録することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、メディアの欠陥位置をより適切なフォーマットにおいて登録することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、各図面において同一要素には同一の符号が付されている。また、説明の明確化のために必要に応じて重複説明は省略されている。
【0019】
本実施形態の特徴点の一つは、メディアの欠陥位置をディフェクト・マップに登録する手法にある。本形態においては、メディア・ドライブの一例であるハードディスク・ドライブ(HDD)を例として、本発明の欠陥登録手法を説明する。本形態のHDDは、磁気ディスク上で検出された欠陥に対応した適切なフォーマットを決定し、そのフォーマットに従ったディフェクト・マップに磁気ディスク上の欠陥位置を登録する。本発明の理解の容易のため、最初に、HDDの全体構成を説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係るHDD1の全体構成を模式的に示すブロック図である。図1に示すように、HDD1は、エンクロージャ10内に、データを記録するメディアの一例である磁気ディスク11、ヘッド・スライダ12、アーム電子回路(AE:Arm Electronics)13、スピンドル・モータ(SPM)14、ボイス・コイル・モータ(VCM)15、そしてアクチュエータ16を備えている。
【0021】
HDD1は、さらに、エンクロージャ10の外側に固定された回路基板20を備えている。回路基板20上には、リード・ライト・チャネル(R/Wチャネル)21、モータ・ドライバ・ユニット22、ハードディスク・コントローラ(HDC)とMPUの集積回路(HDC/MPU)23及びRAM24などの各ICを備えている。尚、各回路構成は一つのICに集積すること、あるいは、複数のICに分けて実装することができる。
【0022】
外部ホスト51からのユーザ・データは、HDC/MPU23によって受信され、R/Wチャネル21、AE13を介して、ヘッド・スライダ12によって磁気ディスク11に書き込まれる。また、磁気ディスク11に記憶されているユーザ・データはヘッド・スライダ12によって読み出され、そのユーザ・データは、AE13、R/Wチャネル21を介して、HDC/MPU23から外部ホスト51に出力される。
【0023】
磁気ディスク11は、SPM14に固定されている。SPM14は所定の角速度で記録ディスクの一例である磁気ディスク11を回転する。HDC/MPU23からの制御データに従って、モータ・ドライバ・ユニット22がSPM14を駆動する。本例の磁気ディスク11はデータを記録する記録面を両面に備え、また、各記録面に対応するヘッド・スライダ12が設けられている。各ヘッド・スライダ12は、磁気ディスク11上を浮上する(飛行する)スライダと、スライダに固定され磁気信号と電気信号との間の変換を行うトランスデューサとしてのヘッド素子部とを備えている。
【0024】
各ヘッド・スライダ12はアクチュエータ16の先端部に固定されている。アクチュエータ16はVCM15に連結され、回動軸を中心に回動することによって、ヘッド・スライダ12を回転する磁気ディスク11上においてその半径方向に移動する。モータ・ドライバ・ユニット22は、HDC/MPU23からの制御データ(DACOUTと呼ぶ)に従ってVCM15を駆動する。なお、磁気ディスク11は、1枚以上あればよく、記録面は磁気ディスク11の片面あるいは両面に形成することができる。
【0025】
AE13は、複数のヘッド12(ヘッド素子部)の中から磁気ディスク11へのアクセスを行う1つのヘッド・スライダ12を選択し、選択されたヘッド・スライダ12により再生される再生信号(リード信号)を一定のゲインで増幅(プリアンプ)し、R/Wチャネル21に送る。また、R/Wチャネル21からの記録信号(ライト信号)を選択されたヘッドに送る。
【0026】
R/Wチャネル21は、リード処理において、AE13から供給されたリード信号を一定の振幅となるように増幅し、取得したリード信号からデータを抽出し、デコード処理を行う。読み出されるデータは、ユーザ・データとサーボ・データを含む。デコード処理されたリード・ユーザ・データは、HDC/MPU23に供給される。また、ライト処理において、R/Wチャネル21はHDC/MPU23から供給されたライト・データをコード変調し、更にコード変調されたライト・データをライト信号に変換してAE13に供給する。
【0027】
HDC/MPU23において、MPUはRAM24にロードされたマイクロ・コードに従って動作する。HDD1の起動に伴い、RAM24には、MPU上で動作するマイクロ・コードの他、制御及びデータ処理に必要とされるデータが磁気ディスク11あるいはROM(不図示)からロードされる。HDC/MPU23は、リード/ライト処理制御、コマンド実行順序の管理、サーボ信号を使用したヘッド12のポジショニング制御(サーボ制御)、インターフェース制御、ディフェクト管理などのデータ処理に関する必要な処理の他、HDD1の全体制御を実行する。特に、本形態のHDC/MPU23は、ディフェクト管理のためのディフェクト・マップの生成において、適切なマップ・フォーマットを選択し、それに従って欠陥登録を行う。この点については後に詳述する。
【0028】
図2は、磁気ディスク11の記録面の記録データの状態を模式的に示している。磁気ディスク11の記録面には、磁気ディスク11の中心から半径方向に放射状に延び、所定の角度毎に離間して形成された複数のサーボ領域111と、隣り合う2つのサーボ領域111の間にデータ領域112が形成されている。各サーボ領域111には、ヘッド12の位置決め制御を行うためのサーボ・データが記録される。各データ領域112は、ユーザ・データを記録する。
【0029】
サーボ領域111とデータ領域112には、半径方向に所定幅を有し、同心円状に形成された複数本のトラックが形成される。サーボ・データおよびユーザ・データは、それぞれ、サーボ・トラック、データ・トラックに沿って記録される。サーボ・トラックとデータ・トラックは一致もしくは異なる半径位置に配置されうる。各サーボ・トラックは、互いに所定角度において離間して配置された複数のサーボ・データを備えている。
【0030】
また、各データ・トラックは、サーボ領域111間のデータ領域112に複数のデータ・セクタ(ユーザ・データの記録単位)を備えている。ユーザ・データは、データ・セクタ単位でアドレスされる。図2の例において、データ・トラックは、磁気ディスク11の半径方向の位置に従って複数のゾーン113a−113cにグループ化されている。外周側(OD側)のゾーンの記録周波数を内周側(ID側)のゾーンの記録周波数よりも高くし、ゾーン毎に記録周波数を変更することで、磁気ディスク11全体の記録密度を向上することができる。
【0031】
上述のように、本形態のHDD1は、ディフェクト管理に使用するディフェクト・マップの生成に特徴点を有している。そこで、HDD1の通常動作における欠陥セクタ管理について、図3のブロック図を参照して説明する。HDD1は、PDM242及びリアサイン・ディフェクト・マップ(RDM)243を参照して、欠陥データ・セクタ(以下、欠陥セクタ)を管理する。PDM242は、HDD1の製造工程において検出された欠陥セクタを特定する。HDD1は、PDM242に登録されている欠陥セクタをスキップする。
【0032】
一方、RDM243は、HDD1の使用時に検出された欠陥セクタと、その欠陥セクタに対応する代替セクタを特定する。HDD1は、使用時に欠陥セクタを検出すると、その欠陥セクタと対応する代替セクタとをRDM243に登録する。RDM243に登録された欠陥セクタに対するホスト51からのアクセス要求があると、HDD1は、RDM243において対応付けられている代替セクタにアクセスする。
【0033】
具体的に説明する。例えば、リード処理において、ホスト54は、リード・コマンドと共に、アクセス先の論理アドレスLBA(Logical Block Address)をHDC/MPU23に送信する。MPU232は、HDC231を介して、そのコマンドとLBAを取得する。MPU232は、RAM24上のPDM242及びRDM243を参照して、LBAに対応する物理アドレスCHS(Cylinder Head Sector)を特定する。
【0034】
MPU232は、R/Wチャネル21からHDC231を介して取得したサーボ・データ(SERVO DATA)と、ターゲットのCHSからVCM25に与える電流値を決定し、それを表すデータ(DACOUT)をモータ・ドライバ・ユニット22に出力する。モータ・ドライバ・ユニット22は、そのDACOUTに従ってVCM25に電流(VCM CURRENT)を供給する。
【0035】
R/Wチャネル21は、ヘッド・スライダ12からAE13を介して送られたサーボ信号(SERVO SIGNAL)及びユーザ・データ信号(USER DATA SIGNAL)から、サーボ・データ及びユーザ・データ(USER DATA)を生成する。HDC231は、ユーザ・データをRAM24内のバッファ241に一旦格納した後、ホスト51に転送する。ライト処理においては、ユーザ・データの流れがリード処理と逆になる。
【0036】
上述のように、HDD1は、PDM242及びRDM243を使用して欠陥セクタを管理する。本形態のHDD1は、PDM242及び/もしくはRDM243について、登録する欠陥セクタ数に基づいて適切なマップ・フォーマット決定し、それを使用してディフェクト・マップを生成する。本形態のディフェクト・マップの生成手法は、特に、PDM242の生成に好適である。従って、以下において、PDM242の生成について詳細に説明する。
【0037】
HDD1は、製造工程における磁気ディスク11の欠陥テストにおいて検出された欠陥セクタをPDM242に登録する。本形態のHDD1は、自ら磁気ディスク11の欠陥テストを実行する。本明細書において、これをSRST(Self Run Self Test)と呼ぶ。HDD1は、その機械的機構と製品として実装される制御回路とを使用してSRSTを実行する。
【0038】
HDD1の製造工程は、ヘッド12とアクチュエータ16のアセンブリであるヘッド・スタック・アセンブリや、磁気ディスク11などの必要な部品をエンクロージャ10内に実装して、ヘッド・ディスク・アセンブリ(HDA)を製造する。さらに、必要な回路が実装された制御回路基板20をそのHDAの外側に装着する。SRSTは、この製品としてのHDD1が組み立てられた段階において、HDD1が自らの回路及び機構を使用して実行する。
【0039】
SRSTは、磁気ディスク11の記録面について、表面解析テスト(Surface Analysis Test:SAT)やフィル・データ(Fill Data)など、いくつかのタイプの欠陥検出テストを行う。概略を説明すると、SATは磁気ディスク11の各データ・トラックにデータを書き込み、さらに書き込んだデータを読み出すことによって磁気ディスク上の欠陥を特定する。フィル・データは、磁気ディスク11へのライト処理を実行し、ライト・エラーを引き起こすサーボ・トラック及びそれに対応するデータ・セクタを特定する。HDD1は、STA及び検出された欠陥セクタをPDM242に登録する。
【0040】
本形態のHDD1は、3つのPDMフォーマットを使用する。これら3つのフォーマットの一つは、シングル・セクタ・エントリ・フォーマット、他の一つはマルチ・セクタ・エントリ・フォーマット、さらに他の一つは二次元セクタ・エントリ・フォーマットである。図4(a)−(c)は、各フォーマットの欠陥セクタ登録方法を模式的に示している。図4(a)はシングル・セクタ・エントリ、図4(b)はマルチ・セクタ・エントリ、図4(c)は二次元セクタ・エントリを示している。
【0041】
図4(a)−(c)において、各矩形はデータ・セクタを表している。ハッチンが付された矩形117は欠陥セクタとして登録されているデータ・セクタを表している。太線で囲まれた部分118は、一つのエントリに登録される欠陥セクタを表している。矢印は磁気ディスク11の回転方向を示している。
【0042】
シングル・セクタ・エントリ・フォーマットは、図4(a)及び図5に示すように、各エントリに、一つの欠陥セクタ117a(118a)のアドレスを登録している。エントリ番号(ENTRY NO)で特定される各エントリは、欠陥セクタの絶対アドレス(ABSOLUTE BLOCK ADDRESS:ABA)を格納している。従って、欠陥セクタ数と絶対アドレスを登録したエントリ数とが一致する。11の欠陥セクタを示す図4(a)の例においては、ABAを格納するエントリ数も11となる。ここで、ABAは、欠陥セクタを含む各データ・セクタに対して連続的に付されている物理アドレスの一つである。
【0043】
マルチ・セクタ・エントリ・フォーマットは、図4(b)に示すように、各エントリに、円周方向における1次元配列の複数欠陥セクタ118bを登録する。具体的には、図6に示すように、各エントリは先頭欠陥セクタ117bのABA及びそれに続くセクタ数(SECTOR COUNT)を格納する。図4(b)の例の場合、登録エントリ数は2であり、OD側欠陥セクタ列の登録SECTOR COUNTは6、ID側欠陥セクタ列の登録SECTOR COUNTは7である。
【0044】
二次元セクタ・エントリ・フォーマットは、図4(c)に示すように、各エントリに、円周方向及び半径方向における2次元配列の複数欠陥セクタ118cを登録する。具体的には、図7に示すように、各エントリは先頭欠陥セクタ117cのABA、円周方向において先頭欠陥セクタから続くセクタ数(SECTOR COUNT)及び半径方向において先頭欠陥セクタから続くトラック数(TRACK COUNT)を格納する。図4(c)の例の場合、登録エントリ数は1であり、SECTOR COUNTは8、TRACK COUNTは3である。
【0045】
図8は、各PDMフォーマットにおける1エントリが格納するデータ及び1エントリに登録できる最大欠陥セクタ数を示している。本例の各フォーマットは、ABAを1ワード、SECTOR COUNT及びTRACK COUNTを1バイトで表す。シングル・セクタ・エントリ・フォーマットの1エントリは、最大1セクタを格納することができる。マルチ・セクタ・エントリ・フォーマットの1エントリは、最大256データ・セクタを格納することができる。二次元セクタ・エントリ・フォーマットの1エントリは、最大65536データ・セクタを格納することができる。
【0046】
このように、1エントリに登録することができるセクタ数は、シングル・セクタ・エントリ・フォーマット、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマット、二次元セクタ・エントリ・フォーマットの順で増加する。しかし、PDM242に割り当てられるメモリ容量が同一である場合、PDM242が登録することができる最大エントリ数は、シングル・セクタ・エントリ・フォーマット、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマット、二次元セクタ・エントリ・フォーマットの順で減少する。
【0047】
図9は、各PDMフォーマットが格納することができるエントリ数の一例を示している。各データのバイト数は上述と同様である。シングル・セクタ・エントリ・フォーマットの最大登録エントリ数が600の場合、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマットの最大登録エントリ数は400、二次元セクタ・エントリ・フォーマットの最大登録エントリ数は300である。
【0048】
シングル・セクタ・エントリ・フォーマットに対して、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマットはより多くの欠陥セクタを登録することができる。しかし、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマットは欠陥セクタをセクタ列単位で登録するため、欠陥セクタが離散的に存在する場合、本来欠陥ではないデータ・セクタも欠陥セクタとして登録する。
【0049】
二次元セクタ・エントリは、さらに多くの欠陥セクタを登録することができるが、それに応じてさらに多くの正常セクタが欠陥セクタとして登録される。なお、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマットもしくは二次元セクタ・エントリ・フォーマットは、1エントリに1欠陥セクタを登録することもできるが、最大登録エントリ数が減少するため、登録できる欠陥セクタ数は減少する。
【0050】
従って、磁気ディスク11の利用可能データ容量の点からは、1エントリが格納する欠陥セクタ数が少ないPDMフォーマットを使用することが好ましい。つまり、欠陥セクタ数が少ない場合には、マルチ・セクタ・エントリ、さらには、シングル・セクタ・エントリを使用することが好ましい。
【0051】
また、上述のように、ホスト51からのコマンドに応じた磁気ディスク11へのアクセスにおいて、HDC/MPU23はPDM242を参照してアクセス先のCHSを決定する。この処理時間もしくは処理の複雑さは、PDMフォーマットによって変化しうる。具体的には、シングル・セクタ・エントリ、マルチ・セクタ・エントリ、二次元セクタ・エントリの順で、この処理時間もしくは処理の複雑さは増加する。
【0052】
HDC/MPU23は、ホスト51との間においてLBAを使用し、メディア・アクセスにおいてCHSを使用する。HDC/MPU23は、ホスト51から取得したLBAからアクセスすべきCHSを特定する。このとき、HDC/MPU23はPDM242を参照してスキップすべきデータ・セクタのABAを抽出し、それを使用してアクセスすべきCHSを特定する。
【0053】
セクタ単位で欠陥を登録するシングル・セクタ・エントリ・フォーマットと異なり、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマット及び二次元セクタ・エントリ・フォーマットは、圧縮した状態で欠陥セクタを登録する。このため、HDC/MPU23が必要なABAをPDM242から抽出するためにより多くの演算が必要とされる。圧縮率の大きい二次元セクタ・エントリ・フォーマットは、より多くの演算処理を必要とする。なお、PDM242を使用したターゲットCHSの算出は、USP6654904、USP6850379などに開示されているように広く知られた技術であり、本明細書では説明を省略する。
【0054】
従って、シングル・セクタ・エントリ・フォーマットのPDM242が全ての欠陥セクタを登録することができる場合、シングル・セクタ・エントリを使用することが好ましい。検出欠陥セクタ数が、シングル・セクタ・エントリ・フォーマットの最大エントリ数を超える場合、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマットを使用することが好ましい。さらに、検出欠陥セクタ数がマルチ・セクタ・エントリ・フォーマットの最大エントリ数をも超える場合、二次元セクタ・エントリ・フォーマットを使用することで全ての欠陥セクタをPDM242に登録することができる。
【0055】
本形態のHDC/MPU23は、SRSTにおいて、まずシングル・セクタ・エントリ・フォーマットでPDM242を生成し、そこに検出された欠陥セクタを登録する。その後、登録すべきエントリ数が登録可能最大数を越えると、HDC/MPU23はフォーマットをマルチ・セクタ・エントリ・フォーマットに変更してPDM242を生成し(ODM242の変更)、そこに欠陥セクタを登録していく。さらに、登録すべきエントリ数がマルチ・セクタ・エントリ・フォーマットの登録可能最大数を越えると、HDC/MPU23はフォーマットを二次元セクタ・エントリ・フォーマットに変更してPDM242を生成し、そこに欠陥セクタを登録していく。
【0056】
PDM242の生成(変更を含む)及びPDM242への欠陥セクタの登録は、図10に示すように、PDM生成・登録ルーチン321が実行する。PDM生成・登録ルーチン321はMPU232上で動作するプログラムであり、MPU232がこのルーチンに従って演算処理することで、PDM生成・登録部として機能する。SRSTルーチン322はMPU232上で動作するプログラムであって、HDD1の通常実装機能を使用して磁気ディスク11のSRSTを実行する。
【0057】
SRSTにおいて、SRSTルーチン322はPDM生成・登録ルーチン321にPDMフォーマット(PDM FORMAT)を指示し、PDM生成・登録ルーチン321はその指示に従ってPDM242を生成する。さらに、SRSTルーチン322はPDM生成・登録ルーチン311に検出された欠陥セクタのABA(DEFECT ADDRESS)を渡す。PDM生成・登録ルーチン321は渡されたABAをPDM242に登録する。
【0058】
登録すべき欠陥セクタが最大エントリ数を超えると、PDM生成・登録ルーチン321はSRSTルーチン322に、エントリ・オーバーのエラー(ERROR)を返す。SRSTルーチン322は、エントリ・オーバーのエラーを通知されると、PDM生成・登録ルーチン321に次のPDMフォーマット(マルチ・セクタ・エントリもしくは二次元セクタ・エントリ)を指示する。以下、同様の処理が行われる。
【0059】
図11のフローチャートを参照して、SRSTにおけるPDM241への欠陥セクタの登録処理について具体的に説明する。SRSTルーチン322は、SRSTを開始して欠陥セクタを検出すると、PDM生成・登録ルーチン321にPDMフォーマット「1」(P_FMT=1)をセットし(S111)、欠陥セクタのABAを渡す(S112)。指示されたフォーマットが「1」であるので(S113におけるY)、PDM生成・登録ルーチン321は、シングル・セクタ・エントリ・フォーマットのPDM242に欠陥セクタを登録する(S114)。
【0060】
エントリ数が、最大エントリ可能数X1を超えていない場合(S115におけるN)、SRSTルーチン322及びPDM生成・登録ルーチン321は、検出された欠陥セクタについて(S116におけるY)、上述の処理を繰り返す。欠陥セクタが検出されることなくSRSTが終了する場合(S116におけるN)、PDMの作成が終了する。
【0061】
エントリ数が、最大エントリ可能数X1を超えている場合(S115におけるY)、SRSTルーチン322は、PDM生成・登録ルーチン321にPDMフォーマット「2」(P_FMT=2)をセットし(S117)、欠陥セクタのABAを渡す(S112)。指示されたフォーマットが「2」であるので(S113におけるNかつS118におけるY)、PDM生成・登録ルーチン321は、マルチ・セクタ・エントリ・フォーマットのPDM242に欠陥セクタを登録する(S119)。
【0062】
エントリ数が、最大エントリ可能数X2を超えていない場合(S120におけるN)、SRSTルーチン322及びPDM生成・登録ルーチン321は、検出された欠陥セクタについて(S116におけるY)、上述の処理を繰り返す。欠陥セクタが検出されることなくSRSTが終了する場合(S116におけるN)、PDMの作成が終了する。
【0063】
エントリ数が、最大エントリ可能数X2を超えている場合(S120におけるY)、SRSTルーチン322は、PDM生成・登録ルーチン321にPDMフォーマット「3」(P_FMT=3)をセットし(S121)、欠陥セクタのABAを渡す(S112)。指示されたフォーマットが「3」であるので(S113におけるNかつS118におけるN)、PDM生成・登録ルーチン321は、二次元セクタ・エントリ・フォーマットのPDM242に欠陥セクタを登録する(S122)。
【0064】
エントリ数が、最大エントリ可能数X3を超えていない場合(S123におけるN)、SRSTルーチン322及びPDM生成・登録ルーチン321は、検出された欠陥セクタについて(S116におけるY)、上述の処理を繰り返す。欠陥セクタが検出されることなくSRSTが終了する場合(S116におけるN)、PDMの作成が終了する。エントリ数が、最大エントリ可能数X3を超えている場合(S123におけるY)、これ以上の欠陥セクタをPDM242に登録することができないので、PDM242の作成はエラーとして処理される。
【0065】
以上のように、磁気ディスク11上の欠陥の状態に基づいて適切なPDMフォーマットを選択し、そのフォーマットに従ってPDMを生成することによって、ディフェクト・マップへの効率的な欠陥登録、あるいは、通常動作におけるより効率的な処理を実現することができる。
【0066】
なお、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。例えば、HDDは、PDMフォーマットを、その登録エントリ数が最大数を超える前の基準値に達した段階で切換えることができる。また、本発明はSRSTにおけるPDMの生成のみならず、RDMなど他のタイプのディフェクト・マップに適用することができる。
【0067】
あるいは、使用可能なフォーマットの数は特に限定されるものではく、2もしくは4以上のフォーマットを使用してもよい。また、フォーマット変更は、上述以外の基準に従って行うことも可能である。一つのディフェクト・マップは、一つのフォーマットに従って生成することが好ましいが、複数のフォーマットが混在するディフェクト・マップを生成してもよい。上述の例においては、欠陥位置を表すデータとしてセクタのアドレスを使用したが、他のデータによって欠陥位置を表してもよい。また、磁気ディスクの以外の記録ディスクの欠陥テストに本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本実施形態において、ハードディスク・ドライブの全体構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】本実施形態において、磁気ディスク上における記録データ・フォーマットを模式的に示す図である。
【図3】本実施形態において、HDDの通常動作における欠陥セクタ管理を行う構成を模式的に示すブロック図である。
【図4】本実施形態において、各PDMフォーマットの欠陥セクタ登録方法を模式的に示しており、図4(a)はシングル・セクタ・エントリ、図4(b)はマルチ・セクタ・エントリ、図4(c)は二次元セクタ・エントリを示している。を模式的に示す図である。
【図5】本実施形態において、シングル・セクタ・エントリのPDMの一例を模式的に示している。
【図6】本実施形態において、マルチ・セクタ・エントリのPDMの一例を模式的に示している。
【図7】本実施形態において、二次元セクタ・エントリのPDMの一例を模式的に示している。
【図8】本実施形態において、各PDMフォーマットにおける1エントリが格納するデータ及び1エントリに登録できる最大欠陥セクタ数を示す図である。
【図9】本実施形態において、各PDMフォーマットが格納することができるエントリ数の一例を示す図である。
【図10】本実施形態において、PDMの生成及びPDMへの欠陥セクタの登録を実行する構成を模式的に示すブロック図である。
【図11】本実施形態において、SRSTにおけるPDMへの欠陥セクタの登録処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
1 ハードディスク・ドライブ、10 エンクロージャ、11 磁気ディスク
12 ヘッド、13 アーム電子回路、14 スピンドル・モータ
15 ボイス・コイル・モータ、16 アクチュエータ、20 回路基板
21 リード/ライト・チャネル、22 モータ・ドライバ・ユニット
23 ハード・ディスク・コントローラ(HDC)/MPU、24 RAM
51 ホスト、111 サーボ領域、112 データ領域、113 ゾーン
117 欠陥セクタ、118 登録欠陥セクタ領域、241 バッファ
242 プライマリ・ディフェクト・マップ
243 リアサイン・ディフェクト・マップ
231 ハード・ディスク・コントローラ、231 MPU
321 プライマリ・ディフェクト・マップ(PDM)生成・登録ルーチン
322 セルフ・ラン・セルフ・テスト(SRST)ルーチン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記録するメディアと、
前記メディアの欠陥位置を登録するディフェクト・マップを格納するメモリと、
前記メディアで検出された欠陥に基づいてフォーマットを決定し、その決定したフォーマットに従って前記ディフェクト・マップを生成するコントローラと、
を備えるメディア・ドライブ。
【請求項2】
前記コントローラは前記メディアのテストを実行し、そのテストで検出された欠陥に基づいてフォーマットを決定する、請求項1に記載のメディア・ドライブ。
【請求項3】
前記コントローラは、1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が異なる複数のフォーマットから一つのフォーマットを選択し、その選択したフォーマットに従って前記ディフェクト・マップを生成する、請求項1に記載のメディア・ドライブ。
【請求項4】
前記複数のフォーマットは、第1フォーマットと、その第1フォーマットよりも1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が多い第2フォーマットとを含み、
前記コントローラは、前記第1フォーマットに従うディフェクト・マップにおいて登録されるエントリ数が基準数以下の場合に第1フォーマットを使用し、その基準数を超える場合に前記第2フォーマットを使用する、
請求項3に記載のメディア・ドライブ。
【請求項5】
前記基準数は、前記第1フォーマットに従うディフェクト・マップの総エントリ数である請求項4に記載のメディア・ドライブ。
【請求項6】
前記複数のフォーマットは、前記第2フォーマットよりも1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が多い第3フォーマットをさらに含み、
前記コントローラは、第2フォーマットに従うディフェクト・マップにおいて登録されるエントリ数が基準数を超える場合に前記第3フォーマットを使用する、
請求項4に記載のメディア・ドライブ。
【請求項7】
前記コントローラは、前記第1フォーマットに従うディフェクト・マップを生成して欠陥位置を登録し、登録するエントリ数が基準数を超えると第1フォーマットのディフェクト・マップから前記第2フォーマットのディフェクト・マップに変更する、請求項4に記載のメディア・ドライブ。
【請求項8】
前記複数のフォーマットは、前記第2フォーマットよりも1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が多い第3フォーマットをさらに含み、
前記コントローラは、前記第2フォーマットに従うディフェクト・マップに登録するエントリ数が基準数を超えると、第2フォーマットのディフェクト・マップから前記第3フォーマットのディフェクト・マップに変更する、
請求項7に記載のメディア・ドライブ。
【請求項9】
前記第1フォーマットは、1エントリに1欠陥アドレスを登録し、
前記第2フォーマットは、1エントリに、基準となる欠陥アドレスと1次元的に連続する欠陥アドレス数とを登録する、
請求項3に記載のメディア・ドライブ。
【請求項10】
前記第3フォーマットは、1エントリに、基準となる欠陥アドレス、第1方向に連続する欠陥アドレス数及びその第1方向と異なる第2方向に連続する欠陥アドレス数を登録する、請求項6に記載のメディア・ドライブ。
【請求項11】
メディア上の欠陥の位置を登録するディフェクト・マップを生成する方法であって、
前記メディア上の欠陥を検出し、
前記メディア上で検出された欠陥に基づいてフォーマットを決定し、
前記決定したフォーマットに従って前記ディフェクト・マップを生成し、
前記生成されたディフェクト・マップに前記メディア上で検出された欠陥の位置を登録する、方法。
【請求項12】
第1フォーマットに従う第1ディフェクト・マップを生成して欠陥位置を登録し、
前記第1ディフェクト・マップに登録するエントリ数が基準数を超えると、前記第1フォーマットよりも1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が多い第2フォーマットに従う第2ディフェクト・マップを生成し、
前記第2ディフェクト・マップに前記メディア上で検出された欠陥を登録する、請求項11に記載の方法。
【請求項1】
データを記録するメディアと、
前記メディアの欠陥位置を登録するディフェクト・マップを格納するメモリと、
前記メディアで検出された欠陥に基づいてフォーマットを決定し、その決定したフォーマットに従って前記ディフェクト・マップを生成するコントローラと、
を備えるメディア・ドライブ。
【請求項2】
前記コントローラは前記メディアのテストを実行し、そのテストで検出された欠陥に基づいてフォーマットを決定する、請求項1に記載のメディア・ドライブ。
【請求項3】
前記コントローラは、1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が異なる複数のフォーマットから一つのフォーマットを選択し、その選択したフォーマットに従って前記ディフェクト・マップを生成する、請求項1に記載のメディア・ドライブ。
【請求項4】
前記複数のフォーマットは、第1フォーマットと、その第1フォーマットよりも1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が多い第2フォーマットとを含み、
前記コントローラは、前記第1フォーマットに従うディフェクト・マップにおいて登録されるエントリ数が基準数以下の場合に第1フォーマットを使用し、その基準数を超える場合に前記第2フォーマットを使用する、
請求項3に記載のメディア・ドライブ。
【請求項5】
前記基準数は、前記第1フォーマットに従うディフェクト・マップの総エントリ数である請求項4に記載のメディア・ドライブ。
【請求項6】
前記複数のフォーマットは、前記第2フォーマットよりも1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が多い第3フォーマットをさらに含み、
前記コントローラは、第2フォーマットに従うディフェクト・マップにおいて登録されるエントリ数が基準数を超える場合に前記第3フォーマットを使用する、
請求項4に記載のメディア・ドライブ。
【請求項7】
前記コントローラは、前記第1フォーマットに従うディフェクト・マップを生成して欠陥位置を登録し、登録するエントリ数が基準数を超えると第1フォーマットのディフェクト・マップから前記第2フォーマットのディフェクト・マップに変更する、請求項4に記載のメディア・ドライブ。
【請求項8】
前記複数のフォーマットは、前記第2フォーマットよりも1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が多い第3フォーマットをさらに含み、
前記コントローラは、前記第2フォーマットに従うディフェクト・マップに登録するエントリ数が基準数を超えると、第2フォーマットのディフェクト・マップから前記第3フォーマットのディフェクト・マップに変更する、
請求項7に記載のメディア・ドライブ。
【請求項9】
前記第1フォーマットは、1エントリに1欠陥アドレスを登録し、
前記第2フォーマットは、1エントリに、基準となる欠陥アドレスと1次元的に連続する欠陥アドレス数とを登録する、
請求項3に記載のメディア・ドライブ。
【請求項10】
前記第3フォーマットは、1エントリに、基準となる欠陥アドレス、第1方向に連続する欠陥アドレス数及びその第1方向と異なる第2方向に連続する欠陥アドレス数を登録する、請求項6に記載のメディア・ドライブ。
【請求項11】
メディア上の欠陥の位置を登録するディフェクト・マップを生成する方法であって、
前記メディア上の欠陥を検出し、
前記メディア上で検出された欠陥に基づいてフォーマットを決定し、
前記決定したフォーマットに従って前記ディフェクト・マップを生成し、
前記生成されたディフェクト・マップに前記メディア上で検出された欠陥の位置を登録する、方法。
【請求項12】
第1フォーマットに従う第1ディフェクト・マップを生成して欠陥位置を登録し、
前記第1ディフェクト・マップに登録するエントリ数が基準数を超えると、前記第1フォーマットよりも1エントリが登録できる欠陥位置の数及びその1エントリが使用するデータ量が多い第2フォーマットに従う第2ディフェクト・マップを生成し、
前記第2ディフェクト・マップに前記メディア上で検出された欠陥を登録する、請求項11に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−193919(P2007−193919A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−13156(P2006−13156)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(503116280)ヒタチグローバルストレージテクノロジーズネザーランドビーブイ (1,121)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(503116280)ヒタチグローバルストレージテクノロジーズネザーランドビーブイ (1,121)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]