説明

メディア転送制御システム、メディア転送方法およびプログラム

【課題】簡易な構成で、身の回りにある電子機器に簡単にメディアを転送する。
【解決手段】受信側携帯端末は、送信側携帯端末からメディアを受信し、本体をメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する。転送機器は、受信側携帯端末から転送信号を受信したときに、受信通知をアプリケーションサーバに送信する。受信側携帯端末は、アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信したときに、メディアを転送する転送機器にメディアを配信する。そして、転送機器は、受信側携帯端末からメディアを受信し、受信したメディアを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡易な構成で、身の回りにある電子機器に簡単にメディアを転送することができるメディア転送制御システム、メディア転送方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、宅内ネットワークに設置され、当該宅内ネットワーク内に収容された音声通話端末、画像通話端末、映像配信端末等の端末装置(メディア端末)に対し、音声通話端末間での音声通話サービス、画像通話端末間での画像通話(音声を含む。)サービス、映像配信サーバから配信される映像(音声を含む。)を映像配信端末で視聴する映像配信サービス等の、各種のメディアサービスを提供するメディア転送装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図9は従来のメディア転送装置を用いたメディアサービスの一例、ここでは音声通話サービスの例を示すもので、図中、20は宅内ネットワーク、30は音声通話サービスの対向側の宅内ネットワーク、40は外部ネットワークである。
【0004】
宅内ネットワーク20,30にはそれぞれメディア転送装置21,31が設置され、さらにメディア転送装置21,31は音声通話端末22,32を収容(接続)するとともに、ONU(Optical Network Unit)23,33を介して外部ネットワーク40に接続されている。
【0005】
メディア転送装置21,31は、外部ネットワーク側(以降、WAN側と称す。)の入力および出力、音声通話端末側(以降、LAN側と称す。)の入力および出力を有し、WAN側入力から入力されたメディア信号(この場合、音声メディア信号)をLAN側出力ヘ転送し、また、LAN側入力から入力されたメディア信号をWAN側出力ヘ転送するメディア転送機能を有する。
【0006】
音声通話サービスでは、音声通話端末22から出力されたメディア信号がメディア転送装置21のLAN側入力から入力される。メディア転送装置21では、この入力されたメディア信号をWAN側出力へ転送する。出力されたメディア信号は、ONU23および外部ネットワーク40を介して相手側宅内ネットワーク30に到達し、相手側宅内ネットワーク30内のONU33、メディア転送装置31を介して相手側音声通話端末32に送られる。
【0007】
反対に、相手側音声通話端末32から出力されたメディア信号は、相手側宅内ネットワーク30内のメディア転送装置31、ONU33、並びに外部ネットワーク40を介して宅内ネットワーク20に到達し、宅内ネットワーク20内のONU23を介してメディア転送装置21のWAN側入力に入力される。メディア転送装置21では、この入力されたメディア信号をLAN側出力へ転送し、出力されたメディア信号は音声通話端末22に到達する。
【0008】
音声通話サービスの場合、このように、音声通話端末21から音声通話端末31に送信されるメディア信号と、音声通話端末31から音声通話端末21に送信されるメディア信号とが相互にやりとりされ、音声通話が成立する。
【0009】
このため、メディア転送装置21,31内でのメディア転送処理遅延が大きくなると、音声通話端末22,32間の音声のやりとりの遅延が大きくなり、音声通話の快適性を損なってしまう。このことから、音声通話サービスでは、メディア転送装置21,31には、処理遅延が小さい特性を有する終端モデルを利用したメディア転送機能を保有するものを使用していた。
【0010】
図10は従来のメディア転送装置を用いたメディアサービスの他の例、ここでは画像通話サービスの例を示すもので、図中、20は宅内ネットワーク、40は外部ネットワーク、50は画像通話サービスの対向側の宅内ネットワークである。
【0011】
宅内ネットワーク20,50にはそれぞれメディア転送装置21b,51が設置され、さらにメディア転送装置21b,51は画像通話端末24,52を収容(接続)するとともに、ONU23,53を介して外部ネットワーク40に接続されている。
【0012】
メディア転送装置21b,51は、WAN側の入力および出力、画像通話端末側(以降、LAN側と称す。)の入力および出力を有し、WAN側入力から入力されたメディア信号(この場合、画像・音声メディア信号)をLAN側出力へ転送し、また、LAN側入力から入力されたメディア信号をWAN側出力へ転送するメディア転送機能を有する。
【0013】
画像通話サービスでは、画像通話端末24から出力されたメディア信号がメディア転送装置21bのLAN側入力から入力される。メディア転送装置21bでは、この入力されたメディア信号をWAN側出力へ転送する。出力されたメディア信号は、ONU23および外部ネットワーク40を介して相手側宅内ネットワーク50に到達し、相手側宅内ネットワーク50内のONU53、メディア転送装置51を介して相手側画像通話端末52に送られる。
【0014】
反対に、相手側画像通話端末52から出力されたメディア信号は、相手側宅内ネットワーク50内のメディア転送装置51、ONU53、並びに外部ネットワーク40を介して宅内ネットワーク20に到達し、宅内ネットワーク20内のONU23を介してメディア転送装置21bのWAN側入力に入力される。メディア転送装置21bでは、この入力されたメディア信号をLAN側出力へ転送し、出力されたメディア信号は画像通話端末24に到達する。
【0015】
画像通話サービスの場合、このように、画像通話端末24から画像通話端末52に送信されるメディア信号と、画像通話端末52から画像通話端末24に送信されるメディア信号とが相互にやりとりされ、画像通話が成立する。
【0016】
このため、メディア転送装置21b,51内でのメディア転送処理遅延が大きくなると、画像通話端末24,52間の画像・音声のやりとりの遅延が大きくなり、画像通話の快適性を損なってしまう。このことから、画像通話サービスでは、メディア転送装置21b,51には、音声通話サービスの場合と同様、処理遅延が小さい特性を有する終端モデルを利用したメディア転送機能を保有するものを使用する。
【0017】
図11は従来のメディア転送装置を用いたメディアサービスのさらに他の例、ここでは映像配信サービスの例を示すもので、図中、20は宅内ネットワーク、40は外部ネットワーク、61は映像配信サーバである。
【0018】
宅内ネットワーク20にはメディア転送装置21cが設置され、さらにメディア転送装置21cは映像配信端末25を収容(接続)するとともに、ONU23を介して外部ネットワーク40に接続されている。また、映像配信サーバ61は外部ネットワーク40に接続されている。
【0019】
メディア転送装置21cは、WAN側の入力および出力、映像配信端末側(以降、LAN側と称す。)の入力および出力を有し、WAN側入力から入力されたメディア信号(この場合、映像・音声メディア信号)をLAN側出力へ転送し、また、LAN側入力から入力されたメディア信号をWAN側出力へ転送するメディア転送機能を有する。
【0020】
映像配信サービスでは、映像配信サーバ61から配信された配信メディア信号が外部ネットワーク40を介して宅内ネットワーク20に到達し、宅内ネットワーク20内のONU23を介してメディア転送装置21cのWAN側入力に入力される。メディア転送装置21cでは、この入力されたメディア信号をLAN側出力へ転送し、出力されたメディア信号は映像配信端末25に到達する。以上のようにして映像配信が成立する。
【0021】
映像配信サービスの場合、配信サーバ61から映像配信端末25へメディアを転送する一方向の転送であるため、処理遅延が大きくてもサービス性には影響はない。代わりに、音声通信や通常の画像通信の場合と比較して大量のデータを配信するため、大量のデータを確実に転送することができる高い転送性能が重要になる。
【0022】
こうした特性を有する方式としては、ルーティングモデル方式もしくは連動NAPTモデル方式がある。さらに、ルーティングモデルは、メディア転送装置配下の端末がグローバルアドレスを保有している場合の転送モデルであり、連動NAPTモデルは、メディア転送装置配下の端末にプライベートアドレスを割り付け、メディア転送装置においてグローバルアドレスとプライベートアドレスを変換する必要がある場合の転送モデルである。
【0023】
このため、メディア転送装置21cとしては、配下の端末がグローバルアドレスを保有している場合はルーティングモデルを有するメディア転送装置を使用し、また、配下の端末がグローバルアドレスを保有しておらず、メディア転送装置において配下の端末にプライベートアドレスを割り付け、グローバルアドレスとプライベートアドレスを変換する必要がある場合は、連動NAPTモデルを有するメディア転送装置を使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】特開2005−252477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
ところが、近年、固定電話網や移動体通信網など、これまで回路スイッチやパケットスイッチが異なっていた公衆通信サービスを、IP技術やインターネット電話で使われるプロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)で統合し、マルチメディアサービスを実現させる通信方式である通信のIMS(IP Multimedia Subsystem)化により、通話中における別セッション(複数のセッション)の同時制御が可能となり、通話中に、各メディア(画像、動画、音楽、Web等)を共有し、コミュニケーションを図る技術が推進されている。
【0026】
しかし、それぞれのメディア端末が必要とするメディア転送機能が異なる場合、従来の方法では、各メディア端末に合ったメディア転送機能をそれぞれ有するメディア転送装置を複数種類、準備する必要があった。また、身の回りにある電子機器に簡単にメディアを転送することが困難であった。
【0027】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、身の回りにある電子機器に簡単にメディアを転送することができるメディア転送制御システム、メディア転送方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0029】
(1)本発明は、送信側携帯端末(例えば、図1の送信側携帯電話100に相当)と、受信側携帯端末(例えば、図1の受信側携帯電話200に相当)と、転送機器(例えば、図1の転送機器A410、転送機器B420に相当)と、メディアセッションの制御とメディアの転送先の切り替え管理を行うアプリケーションサーバ(例えば、図1のアプリケーションサーバ300に相当)とからなるメディア転送制御システムであって、前記送信側携帯端末が、前記受信側携帯端末にメディアを配信する第1のメディア配信手段(例えば、図2のメディア配信部120に相当)を備え、前記受信側携帯端末が、前記送信側携帯端末からメディアを受信する第1の受信手段(例えば、図3の受信部210に相当)と、本体を該受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する転送信号送信手段(例えば、図3の転送信号送信部230に相当)と、前記アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信するメディア転送要求受信手段(例えば、図3の転送要求受信部240に相当)と、該メディア転送要求を受信したときに、前記メディアを転送する転送機器にメディアを配信する第2のメディア配信手段(例えば、図3の配信部250に相当)と、前記転送機器が、前記受信側携帯端末から転送信号を受信する転送信号受信手段(例えば、図5の転送信号受信部411に相当)と、該転送信号を受信したときに、受信通知を前記アプリケーションサーバに送信する受信通知送信手段(例えば、図5の受信通知送信部412に相当)と、前記受信側携帯端末からメディアを受信するメディア受信手段(例えば、図5のメディア受信部413に相当)と、該受信したメディアを表示する表示手段(例えば、図5の表示部414に相当)と、を備えたことを特徴とするメディア転送制御システムを提案している。
【0030】
この発明によれば、送信側携帯端末の第1のメディア配信手段は、受信側携帯端末にメディアを配信する。受信側携帯端末の第1の受信手段は、送信側携帯端末からメディアを受信する。転送信号送信手段は、本体を受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する。メディア転送要求受信手段は、アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信する。第2のメディア配信手段は、メディア転送要求を受信したときに、メディアを転送する転送機器にメディアを配信する。転送信号受信手段は、前記転送機器が、受信側携帯端末から転送信号を受信する。受信通知送信手段は、転送信号を受信したときに、受信通知をアプリケーションサーバに送信する。メディア受信手段は、受信側携帯端末からメディアを受信する。表示手段は、受信したメディアを表示する。したがって、簡易な構成で、身の回りにある電子機器に簡単にメディアを転送することができる。
【0031】
(2)本発明は、(1)のメディア転送制御システムについて、前記転送機器へのメディアの配信をIMSプロトコルで実行することを特徴とするメディア転送制御システムを提案している。
【0032】
この発明によれば、転送機器へのメディアの配信をIMSプロトコルで実行する。つまり、転送信号送信手段は、転送するデバイスを指定することのみに用いられ、メディアの配信自体は、IMSプロトコルを利用し実現させる。これにより、赤外線通信等では時間がかかる転送デバイスに送信元クライアントを向け続けなければならない煩わしさがなくなり、転送したいデバイスに対してメディア転送を円滑に行うことができる。
【0033】
(3)本発明は、(1)のメディア転送制御システムについて、前記転送信号送信手段が赤外線通信により、前記転送信号を送信することを特徴とするメディア転送制御システムを提案している。
【0034】
この発明によれば、転送信号送信手段が赤外線通信により、転送信号を送信する。したがって、赤外線通信を用いることにより、メディアを転送する機器に確実に転送信号を送信することができる。
【0035】
(4)本発明は、(1)のメディア転送制御システムについて、前記送信側携帯端末と受信側携帯端末とが携帯電話であることを特徴とするメディア転送制御システムを提案している。
【0036】
この発明によれば、送信側携帯端末と受信側携帯端末とが携帯電話である。なお、送信側携帯端末と受信側携帯端末とは、スマートフォンであることが好ましい。
【0037】
(5)本発明は、(4)のメディア転送制御システムについて、前記送信側携帯端末が、前記受信側携帯端末と通話中に、メディアを配信することを特徴とするメディア転送制御システムを提案している。
【0038】
この発明によれば、送信側携帯端末が、受信側携帯端末と通話中に、メディアを配信する。これにより、発信に応答した機器をメディアの転送を行う機器を指定する機器として特定できる。
【0039】
(6)本発明は、(1)のメディア転送制御システムについて、前記アプリケーションサーバが、前記送信側携帯端末の所有者を認証する加入者認証データベース(例えば、図4の加入者データベース340に相当)を備えたことを特徴とするメディア転送制御システムを提案している。
【0040】
この発明によれば、アプリケーションサーバが、送信側携帯端末の所有者を認証する加入者認証データベースを備えている。これにより、加入者のマルチデバイス管理を行うことができる。
【0041】
(7)本発明は、送信側携帯端末と、受信側携帯端末と、転送機器と、メディアセッションの制御とメディアの転送先の切り替え管理を行うアプリケーションサーバとからなるメディア転送制御システムであって、前記送信側携帯端末が、前記受信側携帯端末にメディアを配信する第1のメディア配信手段(例えば、図2のメディア配信部120に相当)を備え、前記受信側携帯端末が、前記送信側携帯端末からメディアを受信する第1の受信手段(例えば、図3の受信部210に相当)と、本体を該受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する転送信号送信手段(例えば、図3の転送信号送信部230に相当)と、前記アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信するメディア転送要求受信手段(例えば、図3の転送要求受信部240に相当)と、該メディア転送要求を受信したときに、前記メディアを転送する転送機器にメディアを配信する第2のメディア配信手段(例えば、図3の配信部250に相当)と、前記転送機器が、前記受信側携帯端末から転送信号を受信する転送信号受信手段(例えば、図5の転送信号受信部411に相当)と、該転送信号を受信したときに、受信通知を前記アプリケーションサーバに送信する受信通知送信手段(例えば、図5の受信通知送信部412に相当)と、前記受信側携帯端末からメディアを受信するメディア受信手段(例えば、図5のメディア受信部413に相当)と、該受信したメディアを表示する表示手段(例えば、図5の表示部414に相当)と、を備え、前記転送機器において、前記転送信号が受信状態から非受信状態に遷移した場合に、前記受信側携帯端末が前記アプリケーションサーバにメディア転送要求信号を送信し、前記アプリケーションサーバが、該メディア転送要求信号を前記転送機器に送信し、前記転送機器が表示しているメディアを前記受信側携帯端末に配信することを特徴とするメディア転送制御システムを提案している。
【0042】
この発明によれば、送信側携帯端末の第1のメディア配信手段は、受信側携帯端末にメディアを配信する。受信側携帯端末の第1の受信手段は、送信側携帯端末からメディアを受信する。転送信号送信手段は、本体を受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する。メディア転送要求受信手段は、アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信する。第2のメディア配信手段は、メディア転送要求を受信したときに、メディアを転送する転送機器にメディアを配信する。転送信号受信手段は、転送機器が、受信側携帯端末から転送信号を受信する。受信通知送信手段は、転送信号を受信したときに、受信通知をアプリケーションサーバに送信する。メディア受信手段は、受信側携帯端末からメディアを受信する。表示手段は、受信したメディアを表示する。次に、転送機器において、転送信号が受信状態から非受信状態に遷移した場合に、受信側携帯端末がアプリケーションサーバにメディア転送要求信号を送信し、アプリケーションサーバが、メディア転送要求信号を転送機器に送信し、転送機器が表示しているメディアを受信側携帯端末に配信する。したがって、すでに、転送機器に配信したメディアを所定の操作によって、簡単に、受信側携帯端末に戻すことができる。
【0043】
(8)本発明は、(7)のメディア転送制御システムについて、前記転送機器へのメディアの配信をIMSプロトコルで実行することを特徴とするメディア転送制御システムを提案している。
【0044】
この発明によれば、転送機器へのメディアの配信をIMSプロトコルで実行する。つまり、転送信号送信手段は、転送するデバイスを指定することのみに用いられ、メディアの配信自体は、IMSプロトコルを利用し実現させる。これにより、赤外線通信等では時間がかかる転送デバイスに送信元クライアントを向け続けなければならない煩わしさがなくなり、転送したいデバイスに対してメディア転送を円滑に行うことができる。
【0045】
(9)本発明は、(7)のメディア転送制御システムについて、前記転送信号送信手段が赤外線通信により、前記転送信号を送信することを特徴とするメディア転送制御システムを提案している。
【0046】
この発明によれば、転送信号送信手段が赤外線通信により、転送信号を送信する。したがって、赤外線通信を用いることにより、メディアを転送する機器に確実に転送信号を送信することができる。
【0047】
(10)本発明は、(7)のメディア転送制御システムについて、前記送信側携帯端末が、前記受信側携帯端末と通話中に、メディアを配信することを特徴とするメディア転送制御システムを提案している。
【0048】
この発明によれば、送信側携帯端末が、受信側携帯端末と通話中に、メディアを配信する。これにより、発信に応答した機器をメディアの転送を行う機器を指定する機器として特定できる。
【0049】
(11)本発明は、送信側携帯端末と、受信側携帯端末と、転送機器と、メディアセッションの制御とメディアの転送先の切り替え管理を行うアプリケーションサーバとからなるメディア転送制御システムにおけるメディア転送方法であって、前記送信側携帯端末が、前記受信側携帯端末にメディアを配信する第1のステップ(例えば、図6のステップS109に相当)と、前記受信側携帯端末が、前記送信側携帯端末からメディアを受信する第2のステップ(例えば、図6のステップS110に相当)と、前記受信側携帯端末が、本体を該受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する第3のステップ(例えば、図7のステップS201、ステップS202に相当)と、前記転送機器が、前記受信側携帯端末から転送信号を受信する第4のステップ(例えば、図7のステップS202に相当)と、前記転送機器が、該転送信号を受信したときに、受信通知を前記アプリケーションサーバに送信する第5のステップ(例えば、図7のステップS203に相当)と、前記受信側携帯端末が、前記アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信する第6のステップ(例えば、図7のステップS205に相当)と、前記受信側携帯端末が、該メディア転送要求を受信したときに、前記メディアを転送する転送機器にメディアを配信する第7のステップ(例えば、図7のステップS206に相当)と、前記転送機器が、前記受信側携帯端末からメディアを受信する第8のステップ(例えば、図7のステップS206に相当)と、前記転送機器が、該受信したメディアを表示する第9のステップ(例えば、図7のステップS207に相当)と、を備えたことを特徴とするメディア転送方法を提案している。
【0050】
この発明によれば、送信側携帯端末が、受信側携帯端末にメディアを配信する。受信側携帯端末は、送信側携帯端末からメディアを受信し、本体を受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する。転送機器は、受信側携帯端末から転送信号を受信し、転送信号を受信したときに、受信通知をアプリケーションサーバに送信する。受信側携帯端末は、アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信し、メディア転送要求を受信したときに、メディアを転送する転送機器にメディアを配信する。そして、転送機器は、受信側携帯端末からメディアを受信し、受信したメディアを表示する。したがって、簡易な処理で、身の回りにある電子機器に簡単にメディアを転送することができる。
【0051】
(12)本発明は、送信側携帯端末と、受信側携帯端末と、転送機器と、メディアセッションの制御とメディアの転送先の切り替え管理を行うアプリケーションサーバとからなるメディア転送制御システムにおけるメディア転送方法であって、前記送信側携帯端末が、前記受信側携帯端末にメディアを配信する第1のステップ(例えば、図6のステップS109に相当)と、前記受信側携帯端末が、前記送信側携帯端末からメディアを受信する第2のステップ(例えば、図6のステップS110に相当)と、前記受信側携帯端末が、本体を該受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する第3のステップ(例えば、図7のステップS201、ステップS202に相当)と、前記転送機器が、前記受信側携帯端末から転送信号を受信する第4のステップ(例えば、図7のステップS202に相当)と、前記転送機器が、該転送信号を受信したときに、受信通知を前記アプリケーションサーバに送信する第5のステップ(例えば、図7のステップS203に相当)と、前記受信側携帯端末が、前記アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信する第6のステップ(例えば、図7のステップS205に相当)と、前記受信側携帯端末が、該メディア転送要求を受信したときに、前記メディアを転送する転送機器にメディアを配信する第7のステップ(例えば、図7のステップS206に相当)と、前記転送機器が、前記受信側携帯端末からメディアを受信する第8のステップ(例えば、図7のステップS206に相当)と、前記転送機器が、該受信したメディアを表示する第9のステップ(例えば、図7のステップS207に相当)と、前記転送機器が、前記転送信号の受信状態から非受信状態に遷移した場合に、前記受信側携帯端末が前記アプリケーションサーバにメディア転送要求信号を送信する第10のステップ(例えば、図8のステップS301、ステップS302に相当)と、前記アプリケーションサーバが、該メディア転送要求信号を前記転送機器に送信する第11のステップ(例えば、図8のステップS304に相当)と、前記転送機器が表示しているメディアを前記受信側携帯端末に配信する第12のステップ(例えば、図8のステップS305に相当)と、を備えたことを特徴とするメディア転送方法を提案している。
【0052】
この発明によれば、送信側携帯端末が、受信側携帯端末にメディアを配信する。受信側携帯端末は、送信側携帯端末からメディアを受信し、本体を受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する。転送機器は、受信側携帯端末から転送信号を受信し、転送信号を受信したときに、受信通知をアプリケーションサーバに送信する。受信側携帯端末は、アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信し、メディア転送要求を受信したときに、メディアを転送する転送機器にメディアを配信する。転送機器は、受信側携帯端末からメディアを受信し、受信したメディアを表示する。そして、転送機器が、転送信号の受信状態から非受信状態に遷移した場合に、受信側携帯端末がアプリケーションサーバにメディア転送要求信号を送信する。アプリケーションサーバは、メディア転送要求信号を転送機器に送信する。そして、転送機器は、表示しているメディアを受信側携帯端末に配信する。したがって、すでに、転送機器に配信したメディアを所定の操作によって、簡単に、受信側携帯端末に戻すことができる。
【0053】
(13)本発明は、送信側携帯端末と、受信側携帯端末と、転送機器と、メディアセッションの制御とメディアの転送先の切り替え管理を行うアプリケーションサーバとからなるメディア転送制御システムにおけるメディア転送方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記送信側携帯端末が、前記受信側携帯端末にメディアを配信する第1のステップ(例えば、図6のステップS109に相当)と、前記受信側携帯端末が、前記送信側携帯端末からメディアを受信する第2のステップ(例えば、図6のステップS110に相当)と、前記受信側携帯端末が、本体を該受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する第3のステップ(例えば、図7のステップS201、ステップS202に相当)と、前記転送機器が、前記受信側携帯端末から転送信号を受信する第4のステップ(例えば、図7のステップS202に相当)と、前記転送機器が、該転送信号を受信したときに、受信通知を前記アプリケーションサーバに送信する第5のステップ(例えば、図7のステップS203に相当)と、前記受信側携帯端末が、前記アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信する第6のステップ(例えば、図7のステップS205に相当)と、前記受信側携帯端末が、該メディア転送要求を受信したときに、前記メディアを転送する転送機器にメディアを配信する第7のステップ(例えば、図7のステップS206に相当)と、前記転送機器が、前記受信側携帯端末からメディアを受信する第8のステップ(例えば、図7のステップS206に相当)と、前記転送機器が、該受信したメディアを表示する第9のステップ(例えば、図7のステップS207に相当)と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0054】
この発明によれば、送信側携帯端末が、受信側携帯端末にメディアを配信する。受信側携帯端末は、送信側携帯端末からメディアを受信し、本体を受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する。転送機器は、受信側携帯端末から転送信号を受信し、転送信号を受信したときに、受信通知をアプリケーションサーバに送信する。受信側携帯端末は、アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信し、メディア転送要求を受信したときに、メディアを転送する転送機器にメディアを配信する。そして、転送機器は、受信側携帯端末からメディアを受信し、受信したメディアを表示する。したがって、簡易な処理で、身の回りにある電子機器に簡単にメディアを転送することができる。
【0055】
(14)本発明は、送信側携帯端末と、受信側携帯端末と、転送機器と、メディアセッションの制御とメディアの転送先の切り替え管理を行うアプリケーションサーバとからなるメディア転送制御システムにおけるメディア転送方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記送信側携帯端末が、前記受信側携帯端末にメディアを配信する第1のステップ(例えば、図6のステップS109に相当)と、前記受信側携帯端末が、前記送信側携帯端末からメディアを受信する第2のステップ(例えば、図6のステップS110に相当)と、前記受信側携帯端末が、本体を該受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する第3のステップ(例えば、図7のステップS201、ステップS202に相当)と、前記転送機器が、前記受信側携帯端末から転送信号を受信する第4のステップ(例えば、図7のステップS202に相当)と、前記転送機器が、該転送信号を受信したときに、受信通知を前記アプリケーションサーバに送信する第5のステップ(例えば、図7のステップS203に相当)と、前記受信側携帯端末が、前記アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信する第6のステップ(例えば、図7のステップS205に相当)と、前記受信側携帯端末が、該メディア転送要求を受信したときに、前記メディアを転送する転送機器にメディアを配信する第7のステップ(例えば、図7のステップS206に相当)と、前記転送機器が、前記受信側携帯端末からメディアを受信する第8のステップ(例えば、図7のステップS206に相当)と、前記転送機器が、該受信したメディアを表示する第9のステップ(例えば、図7のステップS207に相当)と、前記転送機器が、前記転送信号の受信状態から非受信状態に遷移した場合に、前記受信側携帯端末が前記アプリケーションサーバにメディア転送要求信号を送信する第10のステップ(例えば、図8のステップS301、ステップS302に相当)と、前記アプリケーションサーバが、該メディア転送要求信号を前記転送機器に送信する第11のステップ(例えば、図8のステップS304に相当)と、前記転送機器が表示しているメディアを前記受信側携帯端末に配信する第12のステップ(例えば、図8のステップS305に相当)と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0056】
この発明によれば、送信側携帯端末が、受信側携帯端末にメディアを配信する。受信側携帯端末は、送信側携帯端末からメディアを受信し、本体を受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する。転送機器は、受信側携帯端末から転送信号を受信し、転送信号を受信したときに、受信通知をアプリケーションサーバに送信する。受信側携帯端末は、アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信し、メディア転送要求を受信したときに、メディアを転送する転送機器にメディアを配信する。転送機器は、受信側携帯端末からメディアを受信し、受信したメディアを表示する。そして、転送機器が、転送信号の受信状態から非受信状態に遷移した場合に、受信側携帯端末がアプリケーションサーバにメディア転送要求信号を送信する。アプリケーションサーバは、メディア転送要求信号を転送機器に送信する。そして、転送機器は、表示しているメディアを受信側携帯端末に配信する。したがって、すでに、転送機器に配信したメディアを所定の操作によって、簡単に、受信側携帯端末に戻すことができる。
【発明の効果】
【0057】
本発明によれば、メディア転送に際し、2台以上の転送可能なデバイスがあった場合、現存するIMSプロトコルを用いて、転送先を設定しなくてはならないが、例えば、赤外線制御を活用することにより、直感的に、転送するデバイスを決定できるという効果がある。また、上記の赤外線制御は転送するデバイスを指定することのみに用い、メディアの配信自体は、IMSプロトコルを利用し実現させる。これにより、赤外線通信等では時間がかかる転送デバイスに送信元クライアントを向け続けなければならない煩わしさがなくなり、転送したいデバイスに対してメディア転送を円滑に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態に係るメディア転送制御システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る送信側携帯電話の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る受信側携帯電話の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るアプリケーションサーバの構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る配信機器の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る送信側携帯電話から受信側携帯電話にメディアを転送する場合の処理を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る受信側携帯電話から配信機器にメディアを転送する場合の処理を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る変形例の処理を示す図である。
【図9】従来例に係る図である。
【図10】従来例に係る図である。
【図11】従来例に係る図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0060】
図1から図7を用いて、本発明の実施形態に係るメディア転送制御システムについて説明する。
【0061】
<メディア転送制御システムの構成>
本実施形態に係るメディア転送制御システムは、図1に示すように、送信側携帯電話100と、受信側携帯電話200と、アプリケーションサーバ300と、マルチデバイスとしての転送機器A410と、転送機器B420とから構成されている。また、これらは、ともにネットワークを介して接続されている。なお、転送機器A410、転送機器B420としては、タブレットPCやSTBが想定されるが、これに限定されるものではない。本実施形態に係るメディア転送制御システムは、送信側携帯端末からメディアを受信した受信側携帯端末が、その本体を受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信し、転送機器が、その転送信号を受信したときに、受信通知をアプリケーションサーバに送信することにより、受信側携帯端末が、アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信し、メディア転送要求を受信したときに、メディアを転送する転送機器にメディアを配信し、受信したメディアを表示するものである。
【0062】
<送信側携帯電話の構成>
本実施形態に係る送信側携帯電話は、図2に示すように、通信部110と、メディア配信部120とから構成されている。
【0063】
通信部110は、受信側携帯端末200への発呼を行う。メディア配信部120は、受信側携帯端末200における発呼に対する応答信号を受信した後に、受信側携帯端末200との間に音声セッションおよびメディアセッションを確立して、メディアを受信側携帯端末200に配信する。
【0064】
<受信側携帯端末の構成>
本実施形態に係る受信側携帯電話は、図3に示すように、受信部210と、格納部220と、転送信号送信部230と、転送要求受信部240と、配信部250と、表示部280等から構成されている。
【0065】
受信部210は、送信側携帯端末100からメディアを受信する。格納部220は、受信したメディアを一時格納する。転送信号送信部230は、本体を受信したメディアを転送する転送機器410、420に向ける動作に対応して、転送信号を送信する。なお、転送信号送信部230は、赤外線通信に用いられる赤外線信号を送信できることが好ましい。
【0066】
転送要求受信部240は、アプリケーションサーバ300からのメディア転送要求を受信する。配信部250は、メディア転送要求を受信したときに、メディアを転送する転送機器410、420にメディアを配信する。表示部280は、送信側携帯端末100から受信したメディアを表示する。
【0067】
<アプリケーションサーバの構成>
本実施形態に係るアプリケーションサーバは、図4に示すように、デバイス制御部310と、呼処理制御部320と、メディアセッション制御部330と、加入者データベース340とから構成されている。
【0068】
デバイス制御部310は、各デバイスのデバイスステータスに関する制御を行う。呼処理制御部320は、通話に関する処理を制御する。メディアセッション制御部330は、メディア送受信に関するセッションの制御を行う。加入者データベース340は、加入者のマルチデバイス管理を行うための認証処理に用いるデータを格納する。
【0069】
<配信機器の構成>
本実施形態に係る配信機器は、図5に示すように、転送信号受信部411と、受信通知送信部412と、メディア受信部413と、表示部414等から構成されている。
【0070】
転送信号受信部411は、受信側携帯端末200から転送信号を受信する。受信通知送信部412は、転送信号を受信したときに、受信通知をアプリケーションサーバ300に送信する。メディア受信部413は、受信側携帯端末からメディアを受信する。表示部414は、受信したメディアを表示する。なお、転送信号受信部411は、赤外線通信による赤外線信号を受信できることが好ましい。
【0071】
<送信側携帯電話から受信側携帯電話にメディアを転送する場合の処理>
図6を用いて、送信側携帯電話から受信側携帯電話にメディアを転送する場合の処理について説明する。
【0072】
まず、送信側携帯電話100は、アプリケーションサーバ300に発呼信号を送信する(ステップS101)。アプリケーションサーバ300は、送信側携帯電話100からの発呼信号を受信すると、加入者データベース340を検索し、マルチデバイスの有無について判定する(ステップS102)。そして、マルチデバイスが存在する場合には、マルチデバイスを構成するすべての機器について、発呼信号を同報発信する(ステップS103)。
【0073】
次に、受信側携帯電話200から応答信号を受信すると、この応答信号を送信側携帯電話100に送信する(ステップS104)。ついで、アプリケーションサーバ300は、応答のなかった配信機器A410および配信機器B420に赤外線受信要求信号を送信する(ステップS105)。赤外線受信要求信号を受信した配信機器A410および配信機器B420は、赤外線受信機能を起動させる(ステップS106)。
【0074】
一方、応答信号を受信した送信側携帯電話100は、受信側携帯電話200との間に音声セッションを確立するとともに(ステップS107)、メディアセッションを確立する(ステップS108)。そして、送信側携帯電話100から受信側携帯電話200へメディアを配信し(ステップS109)、受信側携帯電話200は、受信したメディアを表示部に表示する(ステップS109)。
【0075】
<受信側携帯電話から配信機器にメディアを転送する場合の処理>
図7を用いて、受信側携帯電話200から配信機器A410にメディアを転送する場合の処理について説明する。
【0076】
まず、受信側携帯電話200のユーザが、本体をメディアの転送を行う転送機器A410に向ける動作を行う(ステップS202)。この動作により、赤外線信号が転送機器A410に送信される(ステップS203)。
【0077】
赤外線信号を受信した転送機器A410は、アプリケーションサーバ300にメディア転送要求信号を送信する(ステップS204)。このとき、受信側携帯電話200と転送機器A410との間にメディアセッションが確立する(ステップS204)。
【0078】
メディア転送要求信号を受信したアプリケーションサーバ300は、受信側携帯電話200に対して、メディア転送要求信号を送信する(ステップS205)。メディア転送要求信号を受信した受信側携帯電話200は、転送機器A410に対して、メディアを配信し(ステップS206)、メディアを受信した転送機器A410は、受信したメディアを表示部に表示する(ステップS207)。そして、受信完了通知をアプリケーションサーバ300に送信する。
【0079】
<変形例>
図8を用いて、本実施形態の変形例について説明する。本変形例は、転送機器A410において、転送信号を受信状態から非受信状態に遷移させることによって、先に配信したメディアを受信側携帯電話200に配信させるものである。
【0080】
この機能を実現するために、受信側携帯電話200には、図3に示す転送要求送信部260と、メディア受信部270と、表示部280とが設けられ、転送機器A410および転送機器A420には、図5に示すように、メディア配信部415が設けられている。
【0081】
ここで、転送要求送信部260は、転送信号を受信状態から非受信状態に遷移させることによって、受信側携帯電話200に転送要求信号を送信する。メディア受信部270は、転送機器A410から配信されるメディアを受信する。表示部280は、受信したメディアを表示手段に表示する。また、転送機器A410および転送機器A420は、受信側携帯電話200から転送要求信号を受信したときに、先に配信されたメディアを受信側携帯電話200に配信する。
【0082】
<変形例の処理>
図8を用いて、本変形例の処理について説明する。
まず、受信側携帯電話200のユーザが、転送機器A410に向けた受信側携帯電話200を転送機器A410から遠ざけるような動作を行う(ステップS301)。これにより、転送機器A410に対する転送信号を受信状態から非受信状態に遷移させる。
【0083】
次に、受信側携帯電話200がアプリケーションサーバ300にメディア転送要求信号を送信すると(ステップS302)、受信側携帯電話200と転送機器A410の間にメディアセッションが確立する(ステップS303)。
【0084】
すると、アプリケーションサーバ300は、転送機器A410にメディア転送要求信号を送信すると(ステップS304)。メディア転送要求信号を受信した転送機器A410は、受信側携帯電話200に対して、メディアを配信し(ステップS305)、受信側携帯電話200は配信されたメディアを表示し(ステップS306)、受信完了通知をアプリケーションサーバ300に送信する(ステップS307)。
【0085】
以上、説明したように、本実施形態によれば、メディア転送に際し、2台以上の転送可能なデバイスがあった場合、現存するIMSプロトコルを用いて、転送先を設定しなくてはならないが、例えば、赤外線制御を活用することにより、直感的に、転送するデバイスを決定できる。また、上記の赤外線制御は転送するデバイスを指定することのみに用い、メディアの配信自体は、IMSプロトコルを利用し実現させる。これにより、赤外線通信等では時間がかかる転送デバイスに送信元クライアントを向け続けなければならない煩わしさがなくなり、転送したいデバイスに対してメディア転送を円滑に行うことができる。
【0086】
なお、メディア転送制御システムの処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを送信側携帯電話、受信側携帯電話、アプリケーションサーバ、マルチデバイスとしての転送機器A410および転送機器B420に読み込ませ、実行することによって本発明のメディア転送制御システムを実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0087】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されても良い。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0088】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0089】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0090】
100;送信側携帯電話
110;通信部
120;メディア配信部
200;受信側携帯電話
210;受信部
220;格納部
230;転送信号送信部
240;転送要求受信部
250;配信部
260;転送要求送信部
270;メディア受信部
280;表示部
300;アプリケーションサーバ
310;デバイス制御部
320;呼処理制御部
330;メディアセッション制御部
340;加入者データベース
410;転送機器A
411;転送信号受信部
412;受信通知送信部
413;メディア受信部
414;表示部
420;転送機器B

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信側携帯端末と、受信側携帯端末と、転送機器と、メディアセッションの制御とメディアの転送先の切り替え管理を行うアプリケーションサーバとからなるメディア転送制御システムであって、
前記送信側携帯端末が、前記受信側携帯端末にメディアを配信する第1のメディア配信手段を備え、
前記受信側携帯端末が、
前記送信側携帯端末からメディアを受信する第1の受信手段と、
本体を該受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する転送信号送信手段と、
前記アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信するメディア転送要求受信手段と、
該メディア転送要求を受信したときに、前記メディアを転送する転送機器にメディアを配信する第2のメディア配信手段と、
前記転送機器が、
前記受信側携帯端末から転送信号を受信する転送信号受信手段と、
該転送信号を受信したときに、受信通知を前記アプリケーションサーバに送信する受信通知送信手段と、
前記受信側携帯端末からメディアを受信するメディア受信手段と、
該受信したメディアを表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とするメディア転送制御システム。
【請求項2】
前記転送機器へのメディアの配信をIMSプロトコルで実行することを特徴とする請求項1に記載のメディア転送制御システム。
【請求項3】
前記転送信号送信手段が赤外線通信により、前記転送信号を送信することを特徴とする請求項1に記載のメディア転送制御システム。
【請求項4】
前記送信側携帯端末と受信側携帯端末とが携帯電話であることを特徴とする請求項1に記載のメディア転送制御システム。
【請求項5】
前記送信側携帯端末が、前記受信側携帯端末と通話中に、メディアを配信することを特徴とする請求項4に記載のメディア転送制御システム。
【請求項6】
前記アプリケーションサーバが、前記送信側携帯端末の所有者を認証する加入者認証データベースを備えたことを特徴とする請求項1に記載のメディア転送制御システム。
【請求項7】
送信側携帯端末と、受信側携帯端末と、転送機器と、メディアセッションの制御とメディアの転送先の切り替え管理を行うアプリケーションサーバとからなるメディア転送制御システムであって、
前記送信側携帯端末が、前記受信側携帯端末にメディアを配信する第1のメディア配信手段を備え、
前記受信側携帯端末が、
前記送信側携帯端末からメディアを受信する第1の受信手段と、
本体を該受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する転送信号送信手段と、
前記アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信するメディア転送要求受信手段と、
該メディア転送要求を受信したときに、前記メディアを転送する転送機器にメディアを配信する第2のメディア配信手段と、
前記転送機器が、
前記受信側携帯端末から転送信号を受信する転送信号受信手段と、
該転送信号を受信したときに、受信通知を前記アプリケーションサーバに送信する受信通知送信手段と、
前記受信側携帯端末からメディアを受信するメディア受信手段と、
該受信したメディアを表示する表示手段と、
を備え、
前記転送機器において、前記転送信号が受信状態から非受信状態に遷移した場合に、前記受信側携帯端末が前記アプリケーションサーバにメディア転送要求信号を送信し、前記アプリケーションサーバが、該メディア転送要求信号を前記転送機器に送信し、前記転送機器が表示しているメディアを前記受信側携帯端末に配信することを特徴とするメディア転送制御システム。
【請求項8】
前記転送機器へのメディアの配信をIMSプロトコルで実行することを特徴とする請求項7に記載のメディア転送制御システム。
【請求項9】
前記転送信号送信手段が赤外線通信により、前記転送信号を送信することを特徴とする請求項7に記載のメディア転送制御システム。
【請求項10】
前記送信側携帯端末が、前記受信側携帯端末と通話中に、メディアを配信することを特徴とする請求項7に記載のメディア転送制御システム。
【請求項11】
送信側携帯端末と、受信側携帯端末と、転送機器と、メディアセッションの制御とメディアの転送先の切り替え管理を行うアプリケーションサーバとからなるメディア転送制御システムにおけるメディア転送方法であって、
前記送信側携帯端末が、前記受信側携帯端末にメディアを配信する第1のステップと、
前記受信側携帯端末が、前記送信側携帯端末からメディアを受信する第2のステップと、
前記受信側携帯端末が、本体を該受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する第3のステップと、
前記転送機器が、前記受信側携帯端末から転送信号を受信する第4のステップと、
前記転送機器が、該転送信号を受信したときに、受信通知を前記アプリケーションサーバに送信する第5のステップと、
前記受信側携帯端末が、前記アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信する第6のステップと、
前記受信側携帯端末が、該メディア転送要求を受信したときに、前記メディアを転送する転送機器にメディアを配信する第7のステップと、
前記転送機器が、前記受信側携帯端末からメディアを受信する第8のステップと、
前記転送機器が、該受信したメディアを表示する第9のステップと、
を備えたことを特徴とするメディア転送方法。
【請求項12】
送信側携帯端末と、受信側携帯端末と、転送機器と、メディアセッションの制御とメディアの転送先の切り替え管理を行うアプリケーションサーバとからなるメディア転送制御システムにおけるメディア転送方法であって、
前記送信側携帯端末が、前記受信側携帯端末にメディアを配信する第1のステップと、
前記受信側携帯端末が、前記送信側携帯端末からメディアを受信する第2のステップと、
前記受信側携帯端末が、本体を該受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する第3のステップと、
前記転送機器が、前記受信側携帯端末から転送信号を受信する第4のステップと、
前記転送機器が、該転送信号を受信したときに、受信通知を前記アプリケーションサーバに送信する第5のステップと、
前記受信側携帯端末が、前記アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信する第6のステップと、
前記受信側携帯端末が、該メディア転送要求を受信したときに、前記メディアを転送する転送機器にメディアを配信する第7のステップと、
前記転送機器が、前記受信側携帯端末からメディアを受信する第8のステップと、
前記転送機器が、該受信したメディアを表示する第9のステップと、
前記転送機器が、前記転送信号の受信状態から非受信状態に遷移した場合に、前記受信側携帯端末が前記アプリケーションサーバにメディア転送要求信号を送信する第10のステップと、
前記アプリケーションサーバが、該メディア転送要求信号を前記転送機器に送信する第11のステップと、
前記転送機器が表示しているメディアを前記受信側携帯端末に配信する第12のステップと、
を備えたことを特徴とするメディア転送方法。
【請求項13】
送信側携帯端末と、受信側携帯端末と、転送機器と、メディアセッションの制御とメディアの転送先の切り替え管理を行うアプリケーションサーバとからなるメディア転送制御システムにおけるメディア転送方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記送信側携帯端末が、前記受信側携帯端末にメディアを配信する第1のステップと、
前記受信側携帯端末が、前記送信側携帯端末からメディアを受信する第2のステップと、
前記受信側携帯端末が、本体を該受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する第3のステップと、
前記転送機器が、前記受信側携帯端末から転送信号を受信する第4のステップと、
前記転送機器が、該転送信号を受信したときに、受信通知を前記アプリケーションサーバに送信する第5のステップと、
前記受信側携帯端末が、前記アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信する第6のステップと、
前記受信側携帯端末が、該メディア転送要求を受信したときに、前記メディアを転送する転送機器にメディアを配信する第7のステップと、
前記転送機器が、前記受信側携帯端末からメディアを受信する第8のステップと、
前記転送機器が、該受信したメディアを表示する第9のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
送信側携帯端末と、受信側携帯端末と、転送機器と、メディアセッションの制御とメディアの転送先の切り替え管理を行うアプリケーションサーバとからなるメディア転送制御システムにおけるメディア転送方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記送信側携帯端末が、前記受信側携帯端末にメディアを配信する第1のステップと、
前記受信側携帯端末が、前記送信側携帯端末からメディアを受信する第2のステップと、
前記受信側携帯端末が、本体を該受信したメディアを転送する転送機器に向ける動作に対応して、転送信号を送信する第3のステップと、
前記転送機器が、前記受信側携帯端末から転送信号を受信する第4のステップと、
前記転送機器が、該転送信号を受信したときに、受信通知を前記アプリケーションサーバに送信する第5のステップと、
前記受信側携帯端末が、前記アプリケーションサーバからのメディア転送要求を受信する第6のステップと、
前記受信側携帯端末が、該メディア転送要求を受信したときに、前記メディアを転送する転送機器にメディアを配信する第7のステップと、
前記転送機器が、前記受信側携帯端末からメディアを受信する第8のステップと、
前記転送機器が、該受信したメディアを表示する第9のステップと、
前記転送機器が、前記転送信号の受信状態から非受信状態に遷移した場合に、前記受信側携帯端末が前記アプリケーションサーバにメディア転送要求信号を送信する第10のステップと、
前記アプリケーションサーバが、該メディア転送要求信号を前記転送機器に送信する第11のステップと、
前記転送機器が表示しているメディアを前記受信側携帯端末に配信する第12のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−195915(P2012−195915A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60399(P2011−60399)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】