説明

メニュー項目表示方法

【課題】 ユーザの誤判断あるいは誤操作によりメニュー項目を選択した場合も考慮して、より利便性の高いメニュー画面のメニュー項目表示方法を提供する。
【解決手段】 キー操作があった場合には、キー操作のあったコマンドすなわちメニュー項目に対応する選択回数あるいは取り消し回数を書き換える。「選択」(決定)のボタンを押下して選択した場合には、選択回数のカウント数をカウントアップして書き換える。また、「戻る」のボタンを押下して選択した場合には、取り消し回数のカウント数をカウントアップして書き換える。実行回数は、選択回数から取り消し回数を減算して得られた結果とし、実行回数に従って表示順序を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の表示画面に関し、特にユーザが表示画面において機器の設定を行なう際のメニュー項目の表示に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器は、通常、複数のユーザ、たとえば、初心者から熟練者のユーザまでを満足させるように設計された多くの特徴的機能および機能性が装備されている。特にこれらのあらゆる機能は、電子機器に組み込まれたメニュー項目を使用して選択され、起動され、または変更される。
【0003】
ユーザは、メニュー画面にアクセスすることにより、電子機器において利用可能なあらゆる機能またはオプションを選択する。しかしながら、これらのメニュー画面は概ね初めてのユーザが使用するには非常に複雑あるいは困難な設定となっている可能性がある。
【0004】
特に、電子機器における機能の複雑性が増大するに伴い、メニュー画面において選択するメニュー項目の数は増大していく傾向にあり、これによりメニューシステムがさらに複雑になる。
【0005】
さらに、メニュー画面からメニュー項目を選択してナビゲートすることは、電子機器の画面サイズが通常小さいことによってさらに複雑化する。
【0006】
メニュー画面にアクセスした場合、メニュー項目の設定の手順としては、複数の階層画面に分けられた中からメニュー項目を何回も選択する操作により初めて所望の機能に設定するメニュー項目を選択可能となる場合が一般的である。
【0007】
一方、メニュー画面のメニュー項目は、通常固定的に配列されており、必ずしもユーザの使用頻度とメニュー項目の配列とが一致するわけではないため、固定的なメニュー項目の配列順序によればユーザは利便性が高くないと判断してしまう可能性がある。
【0008】
そこで、ユーザの異なるスキルレベルおよび関心を考慮するため、電子機器において、ユーザ自身のニーズおよび適合するように電子機器のメニュー画面のメニュー項目の配列順序が変更されることが望ましい。
【0009】
特許文献1〜2においては、使用状況に応じてメニュー画面のメニュー項目の配列順序を変更可能な構成が開示されている。
【特許文献1】特開2002−237968号公報
【特許文献2】特開2004−96725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記文献においては、使用頻度として選択されたメニュー項目の使用回数に基づいて配列順序を設定する方式を開示しているが、ユーザは、一回の動作で適切なメニュー項目を選択するとは限らず、複雑な階層化されたメニュー画面のメニュー項目については、選択の判断を誤る場合や誤操作してしまう場合も考えられる。
【0011】
従来方式においては、単に使用あるいは選択回数にのみ基づいて配列順序を設定してしまうために誤判断あるいは誤操作により選択された場合においても選択回数がカウントされる可能性がある。
【0012】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、ユーザの誤判断あるいは誤操作によりメニュー項目を選択した場合も考慮して、より利便性の高いメニュー画面のメニュー項目表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るメニュー項目表示方法は、複数の階層に分けられ、各々の階層において電子機器の設定に関する複数のメニュー項目を動的に優先付けして表示する、メニュー項目表示方法であって、複数の階層のうちの上の階層において、表示順序が設定されている複数のメニュー項目の中から下の階層に進む1つの所望のメニュー項目を選択するステップと、必要に応じて下の階層から上の階層に進む選択されたメニュー項目の選択を取り消すステップと、各階層に対応して設けられ、対応する階層の複数のメニュー項目にそれぞれ対応するメニュー項目の選択回数および取り消し回数を含む実行頻度情報を電子機器に設けられた記憶部に記録するステップと、各階層毎に、記憶部に記憶された複数のメニュー項目のそれぞれに対応する実行頻度情報に基づいて、各階層の複数のメニュー項目の表示順序の設定を更新するステップと、各階層毎に、更新された表示順序に従って電子機器の設定に関する複数のメニュー項目を表示するステップとを備え、実行頻度情報は、メニュー項目の選択回数から取り消し回数を引いた実行回数をさらに含み、更新するステップは、各メニュー項目の実行頻度情報の実行回数の多い順に各階層の複数のメニュー項目の表示順序の設定を更新し、表示するステップは、複数のメニュー項目のうち実行頻度情報の取り消し回数が所定回数以上のメニュー項目については、実行頻度情報の取り消し回数が所定回数未満の他のメニュー項目と異なる大きさあるいは色のうちの少なくとも1つに設定して表示する。
【0014】
本発明に係る別のメニュー項目表示方法は、複数の階層に分けられ、各々の階層において電子機器の設定に関する複数のメニュー項目を動的に優先付けして表示する、メニュー項目表示方法であって、複数の階層のうちの上の階層において、表示順序が設定されている複数のメニュー項目の中から下の階層に進む1つの所望のメニュー項目を選択するステップと、必要に応じて下の階層から上の階層に進む選択されたメニュー項目の選択を取り消すステップと、各階層に対応して設けられ、対応する階層の複数のメニュー項目にそれぞれ対応するメニュー項目の選択回数および取り消し回数を含む実行頻度情報を電子機器に設けられた記憶部に記録するステップと、各階層毎に、記憶部に記憶された複数のメニュー項目のそれぞれに対応する実行頻度情報に基づいて、各階層の複数のメニュー項目の表示順序の設定を更新するステップと、各階層毎に、更新された表示順序に従って電子機器の設定に関する複数のメニュー項目を表示するステップとを備える。
【0015】
好ましくは、実行頻度情報は、メニュー項目の選択回数から取り消し回数を引いた実行回数をさらに含み、更新するステップは、各メニュー項目の実行頻度情報の実行回数の多い順に各階層の複数のメニュー項目の表示順序の設定を更新する。
【0016】
好ましくは、更新するステップは、各メニュー項目の実行頻度情報の取り消し回数が所定回数以上の場合には、互いに隣接しないように複数のメニュー項目の表示順序の設定を更新する。
【0017】
好ましくは、表示するステップは、複数のメニュー項目のうち実行頻度情報の取り消し回数が所定回数以上のメニュー項目については、実行頻度情報の取り消し回数が所定回数未満の他のメニュー項目と異なる大きさあるいは色のうちの少なくとも1つに設定して表示する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るメニュー項目表示方法は、メニュー項目の選択回数および取り消し回数を含む実行頻度情報に基づいて、各階層の複数のメニュー項目の表示順序の設定を更新し、更新された表示順序に従って電子機器の設定に関する複数のメニュー項目を表示する。すなわち、取り消し回数を含む実行頻度情報に基づいて表示順序の設定を実行するためユーザの誤判断あるいは誤操作によりメニュー項目を選択した場合も考慮されるためより利便性の高いメニュー画面のメニュー項目を表示することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は繰返さない。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に従う電子機器1の概略ブロック図である。
本例においては、電子機器の一例としてDVD情報記録再生装置を例に挙げて説明する。
【0021】
図1を参照して、本発明の実施の形態に従う電子機器1は、LCD(liquid crystal display)等を有して情報を表示するための表示部5と、電子機器1全体を制御する制御部10と、ユーザが所望の機能を選択あるいは取り消し等するためのキー操作を実行するためのキー操作部15と、電子機器1の各種制御プログラムおよび必要な情報の格納領域を有する記憶部20と、記録媒体であるDVD(digital versatile disc)を駆動するためのDVDドライブ部25とを備える。なお、記憶部20は、キー操作部15のキー操作に伴う選択回数、取り消し回数等を記憶する後述するコマンド回数テーブルを有しているものとする。また、制御部10は、記憶部20の当該コマンド回数テーブルに対してキー操作部15のキー操作を受けて、その選択回数および取り消し回数等をカウントしてコマンド回数テーブルに記憶するものとする。
【0022】
以下においては、電子機器1の各種機能の設定画面(メニュー画面)について、各種機能を選択するメニュー項目の配列順序を変更する方法について主に説明する。メニュー画面およびメニュー項目の情報については、予め記憶部20に記憶されているものとする。
【0023】
ユーザがキー操作部15を用いて所定のコマンドを入力することにより、制御部10が所定のコマンド入力を受け付けて記憶部20からメニュー画面に関する情報を読み出し、表示部5にメニュー画面を表示させるものとする。
【0024】
図2は、本発明の実施の形態に従うメニュー画面の一例図である。
図2を参照して、ここでは、メニュー画面として各種機能一覧がアイコンとともに表示されている。たとえば、「ディスク管理」、「プレイリスト編集」、「予約」、「セットアップ」、「ダビング」および「再生リスト」の6つのメニュー項目が一例として挙げられている。
【0025】
なお、ここでは、現在ディスク管理にコマンドのカーソルが一時的に選択されている場合が示されているものとする。ユーザは、これらメニュー画面に示される6つのメニュー項目について設定あるいは変更等を希望する場合には、上下に移動可能なカーソルを上下に移動させて所望のメニュー項目にカーソルを合わせて選択のコマンドを入力する必要がある。ここでは、一例として図示しないがキー操作部15の「決定」と表示されたボタンを入力することにより選択のコマンドを入力することが可能であるものとする。また、一例として図示しないがキー操作部15の「戻る」と表示されたボタンを入力することにより一個前の画面へと戻ることが可能となる。なお、本例においては、一例として「決定」あるいは「戻る」と表示されたボタンの入力について説明するがこれに限られず、同様の機能を果たすボタンの入力(キー操作)であれば本願発明を同様に適用可能である。
【0026】
メニュー画面において、一番上層の画面である場合には、「戻る」と表示されたボタンを入力した場合には、設定画面が解除されて通常の表示画面に戻るものとする。
【0027】
なお、ここで、示されているメニュー画面は複数のメニュー項目が示された一画面であるが、メニュー画面は、複数の階層に分けられているものとする。たとえば、複数のメニュー項目のうちの一つを選択した場合、その項目の下の階層において、また同様の複数のメニュー項目が表示されるように設定されているものとする。
【0028】
図3は、ツリー状に設けられたメニュー画面のメニュー項目を説明する図である。
図3を参照して、ツリー状に設けられた第1階層から第4階層のメニュー項目が一例として示されている。たとえば、第1階層においては、上記した「ディスク管理」(CMD1)、「プレイリスト編集」(CMD2)、「予約」(CMD3)、「セットアップ」(CMD4)、「ダビング」(CMD5)および「再生リスト」(CMD6)の6つのメニュー項目が表示される。そして、たとえば、「セットアップ」に関するメニュー項目については、さらに第2階層として、「画面」(CMD7)、「スピーカ」(CMD8)、・・・「時計」(CMD9)のメニュー項目が表示される。そして、たとえば「画面」のメニュー項目(CMD7)が選択された場合には、第3階層のメニュー項目が表示される。たとえば、「画質」のメニュー項目(CMD10)が一例として表示される。そして、「画質」のメニュー項目(CMD10)が選択された場合には、第4階層のメニュー項目が表示される。具体的には、一例として、「輝度」のメニュー項目(CMD11)、「コントラスト」のメニュー項目(CMD12)、「彩度」のメニュー項目(CMD13)が表示される。
【0029】
ここで、図2で説明したように「選択」(決定)のボタンを選択することにより、上の階層から下の階層に移る。そして、「戻る」のボタンを選択することにより、下の階層から上の階層に戻る。
【0030】
本例で示されるように、通常、メニュー画面は複数の階層を有しており、各階層において複数のメニュー項目が表示されて選択可能な状態に設定されているものとする。
【0031】
本実施の形態においては、各メニュー項目の実行頻度の情報(以下、実行頻度情報とも称する)を示すコマンド回数テーブルを設けて、コマンド回数テーブルを参照することによりメニュー項目の表示順序を決定する方法について説明する。
【0032】
図4は、本発明の実施の形態に従うメニュー項目の表示方法について説明するフローチャート図である。
【0033】
図4を参照して、本発明の実施の形態に従うメニュー項目の表示方法について、まず、キー操作があったかどうかを判断する(ステップS1)。
【0034】
ステップS1においてキー操作があった場合には、次にコマンド回数テーブルを書き換える(ステップS2)。具体的には、キー操作のあったコマンドすなわちメニュー項目に対応する選択回数あるいは取り消し回数を書き換える。たとえば、上記したように「選択」(決定)のボタンを押下して選択した場合には、選択回数のカウント数をカウントアップして書き換える。また、「戻る」のボタンを押下して選択した場合には、取り消し回数のカウント数をカウントアップして書き換える。
【0035】
そして、書き換えられたコマンド回数テーブルを更新する(ステップS3)。
図5は、本発明の実施の形態に従うコマンド回数テーブルを説明する図である。
【0036】
本発明のコマンド回数テーブルには、カウントされた各メニュー項目の選択回数、取り消し回数、実行回数および表示順序が格納されている。
【0037】
ここでは、一例として図3で説明した第2階層のメニュー項目に対応する選択回数、取り消し回数および実行回数が示されている。具体的には、コマンド名としてCMD7〜CMD9が示されており、それぞれのコマンド名に対応して選択回数、取り消し回数、実行回数および表示順序が示されている。ここで、実行回数は、選択回数から取り消し回数を減算した実際の実行回数が算出されてテーブルに格納されている。
【0038】
再び、図4を参照して、コマンド回数テーブルの実行頻度情報に基づいて各メニュー項目を表示する(ステップS4)。
【0039】
具体的には、算出された実行回数に基づいて表示順序が設定される。図5のコマンド回数テーブルにおいては、3つのコマンドの中で、コマンドCMD8が最も実行回数が多く、次に、コマンドCMD7そして、最後にコマンドCMD9の順番となる。
【0040】
図6は、更新されたコマンド回数テーブルに従ってセットアップに関する第2階層のメニュー項目が表示されている場合を説明する図である。
【0041】
図6に示されるように、コマンドCMD8に対応するスピーカ、コマンドCMD7に対応する画面、コマンドCMD9に対応する時計の順序でメニュー項目が表示されている。出荷段階においては、予めコマンド名が割り振られた順序でメニュー項目を配列していた場合においても、本実施の形態に従う方法によりユーザの実行頻度に合わせて表示順序を変更することができる。特に、本実施の形態に従うメニュー項目の表示方法は、単なる選択回数の多い順に配列するのではなく、取り消し回数も考慮した上で実行回数を算出する。すなわち、ユーザの誤判断あるいは誤操作によりメニュー項目を選択した場合の選択回数は除去して、実際に選択した実行回数に基づいて表示順序を設定することができる。したがって、実際の実行頻度に基づいてメニュー画面のメニュー項目の表示を実行することが可能であるためユーザの実際のニーズに合わせた表示が可能であり利便性が向上する。
【0042】
図7は、本発明の実施の形態に従う別のコマンド回数テーブルを説明する図である。
図7を参照して、ここでは、コマンド名CMD1〜CMD6に対応したコマンド回数テーブルが示されている。
【0043】
本図で示されるように実行回数の多い順に表示順序が設定されている。具体的には、コマンドCMD3、CMD2、CMD4、CMD6、CMD5、CMD1の順番に設定されている。
【0044】
一方、コマンドCMD2およびCMD3は、取り消し回数が多い。したがって、一旦は選択したがその後取り消す可能性が高いコマンドであると考えられる。これは、ユーザの誤操作の可能性が高いコマンドであると考えられる。
【0045】
したがって、たとえば、取り消し回数の多いコマンドたとえば所定回数の取り消し回数を越えるようなコマンドについては、誤操作を回避するように表示することも可能である。
【0046】
図8は、図7に従うコマンド回数テーブルに従う表示順序に基づいて表示した場合を説明する図である。上記したように、コマンドCMD3、CMD2、CMD4、CMD6、CMD5、CMD1の順番すなわち、「予約」、「プレイリスト編集」、「セットアップ」、「再生リスト」、「ダビング」、「ディスク管理」の順番で配列されている。そして、さらに、取り消し回数の多いコマンドについては、表示文字およびアイコンの大きさが他のコマンドに対応する表示文字およびアイコンよりも大きく表示されている。このように所定回数の取り消し回数を越えるようなコマンドについては、誤操作を回避するようユーザへの認知を高めるためにコマンドの表示文字を大きくしたり、あるいは、コマンドのアイコンを大きくしたり、あるいは、図示していないが他のコマンドと異なる色に変化させて表示させることにより、ユーザの誤操作を抑制することが可能である。すなわち、コマンド回数テーブルの実行頻度情報を用いてユーザにとって利便性の高いメニュー項目の表示が可能である。
【0047】
図9は、本発明の実施の形態に従うさらに別のコマンド回数テーブルを説明する図である。
【0048】
図9のコマンド回数テーブルは、図7のコマンド回数テーブルと比較して、表示順序の設定が異なる。具体的には、コマンドCMD3の次にコマンドCMD4が表示されるように設定され、その次にコマンドCMD2が表示されるように設定されている。すなわち、コマンドCMD2とCMD4との表示順序が入れ替わった場合が示されている。上述した方式においては、実行回数の多い順に表示順序を設定する場合について説明してきた。
【0049】
一方で、上述したように取り消し回数の多いコマンドについては、誤操作の可能性が高いコマンドである点が考えられる点についても説明した。
【0050】
したがって、取り消し回数の多いコマンドが互いに隣接する場合には、ユーザが誤操作しやすいコマンドが隣接していることになる。したがって、それらのコマンドを隣接しないように配列した方がより誤操作を回避することができるものと考えられる。
【0051】
したがって、図9に示されるような場合においては、一例として、取り消し回数の多いコマンドすなわち、所定回数を越える取り消し回数のコマンドについては、誤操作を回避するように、互いに隣接しないように他のコマンドすなわち取り消し回数の少ないコマンドを間に配列することによりユーザの誤操作を抑制することが可能である。
【0052】
図10は、本発明の実施の形態に従う別の表示順序の設定方法を説明するフローチャート図である。
【0053】
図10を参照して、コマンド回数テーブルを参照して、実行回数に基づいて表示順序の設定が開始される(スタート)(ステップS10)。
【0054】
そして、実行回数の多い順で表示順序を一時的に設定する(ステップS11)。
次に、所定回数を越える取り消し回数のコマンドが互いに隣接して配列されるかどうかを判断する(ステップS12)。
【0055】
ステップS12において、所定回数を越える取り消し回数のコマンドが互いに隣接して配列されると判断される場合には、次に取り消し回数の少ないコマンドが所定回数を越える取り消し回数のコマンドよりも一つ下位の順序に存在するかどうかを判断する(ステップS13)。
【0056】
ステップS13において、取り消し回数の少ないコマンドが所定回数を越える取り消し回数のコマンドよりも一つ下位の順序に存在する場合には、表示順序を当該取り消し回数の少ないコマンドと入れ替える(ステップS14)。そして、表示順序を設定する(ステップS15)。そして、終了する(ステップS16)。これにより、取り消し回数の多いコマンドすなわち、所定回数を越える取り消し回数のコマンドについては、誤操作を回避するように、互いに隣接しないように他のコマンドすなわち取り消し回数の少ないコマンドを間に配列することによりユーザの誤操作を抑制することが可能である。
【0057】
一方、ステップS12において、所定回数を越える取り消し回数のコマンドが互いに隣接して配列されないと判断される場合には、ステップS15に進み表示順序を設定する。
【0058】
また、ステップS13において、取り消し回数の少ないコマンドが所定回数を越える取り消し回数のコマンドよりも一つ下位の順序に存在しない場合には、ステップS15に進み表示順序を設定する。この場合には、実行回数の多い順で設定される表示順序を優先させた方が取り消し回数を考慮して表示順序を変更することよりもユーザにとって利便性が高いと考えられるからである。
【0059】
図11は、図9のコマンド回数テーブルの表示順序に従ってメニュー項目を配列した場合を説明する図である。
【0060】
これにより、取り消し回数の多いコマンドである「予約」および「プレイリスト編集」すなわち、所定回数を越える取り消し回数のコマンドについては、誤操作を回避するように、互いに隣接しないように他のコマンドすなわち取り消し回数の少ないコマンドを間に配列することによりユーザの誤操作を抑制することが可能である。
【0061】
なお、この表示順序の変更とともに、図8で説明したようにアイコンおよび表示文字の大きさを組み合わせることも当然に可能である。
【0062】
なお、上記においては、電子機器の一例としてDVD情報記録再生装置を例に挙げて説明したがこれに限られず他の電子機器たとえばカメラ等、ユーザが表示画面において機器の設定を行なう際のメニュー項目の表示がある機器全てに適応することが可能である。
【0063】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態に従う電子機器1の概略ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に従うメニュー画面の一例図である。
【図3】ツリー状に設けられたメニュー画面のメニュー項目を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に従うメニュー項目の表示方法について説明するフローチャート図である。
【図5】本発明の実施の形態に従うコマンド回数テーブルを説明する図である。
【図6】更新されたコマンド回数テーブルに従ってセットアップに関する第2階層のメニュー項目が表示されている場合を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態に従う別のコマンド回数テーブルを説明する図である。
【図8】図7に従うコマンド回数テーブルに従う表示順序に基づいて表示した場合を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態に従うさらに別のコマンド回数テーブルを説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態に従う別の表示順序の設定方法を説明するフローチャート図である。
【図11】図9のコマンド回数テーブルの表示順序に従ってメニュー項目を配列した場合を説明する図である。
【符号の説明】
【0065】
1 電子機器、5 表示部、10 制御部、15 キー操作部、20 記憶部、25 DVDドライブ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の階層に分けられ、各々の階層において電子機器の設定に関する複数のメニュー項目を動的に優先付けして表示する、メニュー項目表示方法であって、
前記複数の階層のうちの上の階層において、表示順序が設定されている複数のメニュー項目の中から下の階層に進む1つの所望のメニュー項目を選択するステップと、
必要に応じて下の階層から上の階層に進む前記選択されたメニュー項目の選択を取り消すステップと、
各階層に対応して設けられ、対応する階層の複数のメニュー項目にそれぞれ対応するメニュー項目の選択回数および取り消し回数を含む実行頻度情報を前記電子機器に設けられた記憶部に記録するステップと、
各階層毎に、前記記憶部に記憶された複数のメニュー項目のそれぞれに対応する実行頻度情報に基づいて、各階層の前記複数のメニュー項目の表示順序の設定を更新するステップと、
各階層毎に、更新された表示順序に従って前記電子機器の設定に関する複数のメニュー項目を表示するステップとを備え、
前記実行頻度情報は、メニュー項目の選択回数から取り消し回数を引いた実行回数をさらに含み、
前記更新するステップは、各前記メニュー項目の前記実行頻度情報の実行回数の多い順に各階層の前記複数のメニュー項目の表示順序の設定を更新し、
前記表示するステップは、前記複数のメニュー項目のうち前記実行頻度情報の取り消し回数が所定回数以上のメニュー項目については、前記実行頻度情報の取り消し回数が所定回数未満の他のメニュー項目と異なる大きさあるいは色のうちの少なくとも1つに設定して表示する、メニュー項目表示方法。
【請求項2】
複数の階層に分けられ、各々の階層において電子機器の設定に関する複数のメニュー項目を動的に優先付けして表示する、メニュー項目表示方法であって、
前記複数の階層のうちの上の階層において、表示順序が設定されている複数のメニュー項目の中から下の階層に進む1つの所望のメニュー項目を選択するステップと、
必要に応じて下の階層から上の階層に進む前記選択されたメニュー項目の選択を取り消すステップと、
各階層に対応して設けられ、対応する階層の複数のメニュー項目にそれぞれ対応するメニュー項目の選択回数および取り消し回数を含む実行頻度情報を前記電子機器に設けられた記憶部に記録するステップと、
各階層毎に、前記記憶部に記憶された複数のメニュー項目のそれぞれに対応する実行頻度情報に基づいて、各階層の前記複数のメニュー項目の表示順序の設定を更新するステップと、
各階層毎に、更新された表示順序に従って前記電子機器の設定に関する複数のメニュー項目を表示するステップとを備えた、メニュー項目表示方法。
【請求項3】
前記実行頻度情報は、メニュー項目の選択回数から取り消し回数を引いた実行回数をさらに含み、
前記更新するステップは、各前記メニュー項目の前記実行頻度情報の実行回数の多い順に各階層の前記複数のメニュー項目の表示順序の設定を更新する、請求項2記載のメニュー項目表示方法。
【請求項4】
前記更新するステップは、各前記メニュー項目の前記実行頻度情報の取り消し回数が所定回数以上の場合には、互いに隣接しないように前記複数のメニュー項目の表示順序の設定を更新する、請求項2記載のメニュー項目表示方法。
【請求項5】
前記表示するステップは、前記複数のメニュー項目のうち前記実行頻度情報の取り消し回数が所定回数以上のメニュー項目については、前記実行頻度情報の取り消し回数が所定回数未満の他のメニュー項目と異なる大きさあるいは色のうちの少なくとも1つに設定して表示する、請求項2記載のメニュー項目表示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2006−309429(P2006−309429A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−129899(P2005−129899)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】