説明

メモリカード検出装置

【課題】どのコネクタにどの種類のメモリカードが装着されたかを1つの電圧出力部で検出する。
【解決手段】プリンタは、コネクタ25a,25bにメモリカードが装着されたとき対応するメモリカードに応じてオンとなるスイッチS1〜S5と、電源Vccとプルアップ抵抗Rvが直列に接続された電圧出力部61と、電圧出力部61とグランドとの間にスイッチS1〜S5のそれぞれと抵抗とが直列に接続されてなる第1〜第5の小回路とを有する電圧発生回路60を備える。コネクタ25a,25bのいずれかのコネクタにメモリカードが装着されたときは、対応してオンとなったスイッチに直列に接続された抵抗とプルアップ抵抗Rvとに依存して決まる電圧Voutが電圧出力部61から出力される。電圧Voutはメモリカードの装着状態に応じて異なるため、どのコネクタにどのメモリカードが装着されたかを1つの電圧出力部61で検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリカード検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の記憶媒体にアクセスするための複数のインタフェースを有する印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の印刷装置は、第1〜第3スロットを有し、それぞれコンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア(登録商標)、メモリースティック(登録商標)に対応している。
【特許文献1】国際公開第03/076199号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このような複数の種類のメモリカードにアクセスする場合、装着されたメモリカードの種類に合わせた形式でアクセスする必要があるため、いずれの種類のメモリカードがコネクタに装着されたかを検出しなければならない。そのため、例えば図9に示すようなメモリカード検出装置を用いることが多い。このメモリカード検出装置は、コネクタ別且つメモリカードの種類別にプルアップされた電圧出力部10a〜10eを有し、電圧出力部10a〜10eはそれぞれASICの入力ポート11a〜11eと1対1に接続されている。このメモリカード検出装置では、コネクタにメモリカードが装着されていないときは対応する電圧出力部はハイとなり、コネクタにメモリカードが装着されたときは対応する電圧出力部がメモリカードによってグランドと同電位すなわちローとなる。したがって、いずれかの電圧出力部がハイからローに切り替わることで、どのコネクタにどの種類のメモリカードが装着されたかを検出している。
【0004】
しかし、上記のようなメモリカード検出装置を用いる場合、コネクタ数及び利用可能なメモリカードの種類が多くなるほどより多くの電圧出力部が必要となる。メモリカード検出装置の電圧出力部が多くなると、メモリカード検出装置に接続するASICにも多くの入力ポートが必要となり、ASICの大型化・高コスト化につながるという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、どのコネクタにどの種類のメモリカードが装着されたかを1つの電圧出力部で検出することができるメモリカード検出装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の第1のメモリカード検出装置は、
少なくとも1種類のメモリカードを利用可能であり一度に一枚のメモリカードのみを着脱可能なコネクタを複数含むコネクタ群と、
電源電圧が供給される電圧供給部と外部に電圧を出力する電圧出力部との間にプルアップ抵抗が接続され、コネクタとメモリカードの種類との組み合わせに対応して設けられ前記電圧出力部からグランドまでの間にスイッチと固有抵抗とが直列に接続されてなる小回路を複数有し、各固有抵抗はコネクタとメモリカードの種類との組み合わせごとに異なる抵抗値に設定されている電気回路と、
を備え、
前記コネクタ群のいずれのコネクタにもメモリカードが装着されていないとき、前記電源電圧が前記電圧出力部から外部へ出力され、前記コネクタ群のいずれか1つのコネクタにメモリカードが装着されたとき、該コネクタと該メモリカードの種類との組み合わせに対応する小回路のスイッチがオフからオンに切り替わり、該切り替わったスイッチに直列接続された固有抵抗と前記プルアップ抵抗とに依存して決まる電圧が前記電圧出力部から外部へ出力される
ものである。
【0008】
このメモリカード検出装置では、コネクタ群のいずれのコネクタにもメモリカードが装着されていないとき、電源電圧が電圧出力部から外部へ出力され、いずれか1つのコネクタにメモリカードが装着されたとき、コネクタとメモリカードの種類との組み合わせに対応する小回路のスイッチがオフからオンに切り替わり、該切り替わったスイッチに直列接続された固有抵抗とプルアップ抵抗とに依存して決まる電圧が電圧出力部から外部へ出力される。ここで、前記固有抵抗はコネクタとメモリカードの種類との組み合わせに対応して異なる抵抗値を持つため、それぞれ異なる電圧が前記電圧出力部から外部へ出力される。したがって、どのコネクタにどのメモリカードが装着されたかを1つの電圧出力部で検出することができる。なお、各固有抵抗の抵抗値には、値が略0Ωのものがあってもよいし、電圧出力部から外部へ出力される電圧は、値が略0Vである場合があってもよい。
【0009】
本発明の第1のメモリカード検出装置において、前記電気回路は、前記コネクタ群の少なくとも2つのコネクタに共にメモリカードが装着されたときにのみオフからオンに切り替わるスイッチング素子が、前記電圧出力部とグランドとの間に接続されており、前記スイッチング素子がオンとなったときにのみ、前記電圧出力部はグランドと同電位となるものとしてもよい。こうすれば、複数のコネクタに共にメモリカードが装着されたことも1つの電圧出力部で検出できる。また、複数のコネクタに共にメモリカードが装着されたときにのみ電圧出力部はグランドと同電位となり電圧が略0Vとなるため、1つのコネクタにメモリカードが装着されて値が略0Vでない電圧が外部へ出力される場合との判別が容易となる。
【0010】
本発明の第1のメモリカード検出装置において、前記固有抵抗の抵抗値は、前記コネクタ群の少なくとも2つのコネクタに共にメモリカードが装着されたとき、前記コネクタ群のいずれか1つのコネクタにメモリカードが装着されたときとは異なる電圧が前記電圧出力部から外部へ出力されるよう設定されているものとしてもよい。こうすれば、複数のコネクタに共にメモリカードが装着されたことも1つの電圧出力部で検出できる。また、前記固有抵抗の抵抗値は、前記コネクタ群の少なくとも2つのコネクタに共にメモリカードが装着されたとき、どのコネクタにどのメモリカードが装着されたかに応じて異なる電圧が前記電圧出力部から外部へ出力されるように設定されるものとしてもよい。こうすれば、複数のコネクタに共にメモリカードが装着されたときに、どのコネクタにどのメモリカードが装着されたかについても1つの電圧出力部で検出することができる。
【0011】
本発明の第2のメモリカード検出装置は、
少なくとも2種類のメモリカードを利用可能であり一度に一枚のメモリカードのみを着脱可能なコネクタと、
電源電圧が供給される電圧供給部と外部に電圧を出力する電圧出力部との間にプルアップ抵抗が接続され、メモリカードの種類に対応して設けられ前記電圧出力部からグランドまでの間にスイッチと固有抵抗とが直列に接続されてなる小回路を複数有し、各固有抵抗はメモリカードの種類ごとに異なる抵抗値に設定されている電気回路と、
を備え、
前記コネクタにメモリカードが装着されていないとき、前記電源電圧が前記電圧出力部から外部へ出力され、前記コネクタにメモリカードが装着されたとき、該メモリカードの種類に対応する小回路のスイッチがオフからオンに切り替わり、該切り替わったスイッチに直列接続された固有抵抗と前記プルアップ抵抗とに依存して決まる電圧が前記電圧出力部から外部へ出力される、
ものである。
【0012】
このメモリカード検出装置では、コネクタにメモリカードが装着されていないとき、電源電圧が電圧出力部から外部へ出力され、コネクタにメモリカードが装着されたとき、メモリカードの種類に対応する小回路のスイッチがオフからオンに切り替わり、該切り替わったスイッチに直列接続された固有抵抗とプルアップ抵抗とに依存して決まる電圧が電圧出力部から外部へ出力される。ここで、前記固有抵抗はメモリカードの種類に対応して異なる抵抗値を持つため、それぞれ異なる電圧が前記電圧出力部から外部へ出力される。したがって、コネクタにどのメモリカードが装着されたかを1つの電圧出力部で検出することができる。
【0013】
本発明の第1及び第2のメモリカード検出装置において、前記電圧回路は、所定のコネクタと所定のメモリカードの種類との組み合わせに対応する複数の小回路を有し、前記所定のコネクタに前記所定の種類のメモリカードが適正な姿勢で装着されたとき、該コネクタと該メモリカードの組み合わせに対応する前記複数の小回路に含まれるスイッチが全てオフからオンに切り替わり、該オンに切り替わった全てのスイッチに直列に接続された固有抵抗の合成抵抗と前記プルアップ抵抗とに依存して決まる固有の電圧が前記電圧出力部から外部へ出力され、前記所定のコネクタに前記所定の種類のメモリカードが不適正な姿勢で装着されたとき、該コネクタと該メモリカードの組み合わせに対応する前記複数の小回路に含まれるスイッチの少なくとも1つがオフからオンに切り替わらず、オンに切り替わった全てのスイッチに直列に接続された固有抵抗の合成抵抗と前記プルアップ抵抗とに依存して決まる固有の電圧が前記電圧出力部から外部へ出力されるものとしてもよい。こうすれば、所定のコネクタに所定のメモリカードが適正な姿勢で装着されたか否かによっても異なる固有の電圧が前記電圧出力部から外部へ出力されるため、所定のメモリカードが適正な姿勢で装着されたか否かについても1つの電圧出力部で検出することができる。
【0014】
本発明の第3のメモリカード検出装置は、
少なくとも1種類のメモリカードを利用可能であり一度に一枚のメモリカードのみを着脱可能なコネクタを複数含むコネクタ群と、
前記コネクタ群のいずれか1つのコネクタにメモリカードが装着されたとき、いずれのコネクタにもメモリカードが装着されていないときとは異なり、且つ、前記コネクタ群のどのコネクタにどの種類のメモリカードが装着されたかに応じて異なる電圧を外部へ出力する電圧出力部と、
を備えるものである。
【0015】
このメモリカード検出装置は、コネクタ群のいずれか1つのコネクタにメモリカードが装着されたとき、いずれのコネクタにもメモリカードが装着されていないときとは異なる電圧であり、且つ、前記コネクタ群のどのコネクタにどの種類のメモリカードが装着されたかに応じて異なる電圧を電圧出力部が外部へ出力する。したがって、どのコネクタにどのメモリカードが装着されたかを1つの電圧出力部で検出することができる。
【0016】
本発明の第4のメモリカード検出装置は、
少なくとも2種類のメモリカードを利用可能であり一度に一枚のメモリカードのみを着脱可能なコネクタと、
前記コネクタにメモリカードが装着されたとき、コネクタにメモリカードが装着されていないときとは異なり、且つ、前記コネクタにどの種類のメモリカードが装着されたかに応じて異なる電圧を外部へ出力する電圧出力部と、
を備えるものである。
【0017】
このメモリカード検出装置は、コネクタにメモリカードが装着されたとき、コネクタにメモリカードが装着されていないときとは異なる電圧であり、且つ、コネクタにどの種類のメモリカードが装着されたかに応じて異なる電圧を電圧出力部が外部へ出力する。したがって、コネクタにどのメモリカードが装着されたかを1つの電圧出力部で検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態であるプリンタ20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、プリンタ20の構成の電気的接続を示すブロック図である。
【0019】
プリンタ20は、複数のコネクタ25a,25bと、各コネクタ25a,25bに装着可能なメモリカード27a〜27dと情報の送受信が可能なリーダライタ40(図2参照)と、記録紙Sへ画像を印刷処理する印刷機構26と、ユーザへ情報を表示可能でありユーザの指示を入力可能である操作パネル30と、装置全体の制御を司るコントローラ21(図2参照)と、を備えている。
【0020】
コネクタ25aはメモリカード27a〜27cを、コネクタ25bはメモリカード27dを利用可能であり、それぞれ一度に一枚のメモリカードを装着できるものである。コネクタ25a,25bは、それぞれに装着されたメモリカードに応じた電圧を出力する電圧発生回路60,電圧発生回路60から出力された電圧をディジタル値に変換するA/D変換器50,ディジタル値に基づいてコネクタに装着されたメモリカードを判定するリーダライタ40にこの順に電気的に接続されている。また、コネクタ25a,26bとリーダライタ40とは、バス29a,29bによってそれぞれ電気的に接続されており、これにより、コネクタ25a,25bに装着されたメモリカードとの情報の送受信を行うことができる。なお、A/D変換器50は、比較器を用いて入力されたアナログ信号を10bitのディジタル信号に変換する装置である。メモリカード27a〜27dは、データの書き込み及び消去可能な不揮発性のメモリであり、本実施形態では、メモリカード27aはメモリースティック、メモリカード27bはSDメモリーカード、メモリカード27cはXDピクチャーカード(登録商標)、メモリカード27dはコンパクトフラッシュである。電圧発生回路60については後述する。
【0021】
リーダライタ40は、A/D変換器50からのディジタル値を入力する入力ポート41と、入力された最新のディジタル値,1つ前のディジタル値及び2つ前のディジタル値を格納するシフトレジスタ42と、入力されたディジタル値が安定したか否かを判定する電圧判定回路43と、シフトレジスタ42の3つのディジタル値の平均値を算出する平均回路44と、平均回路44の値に基づいてコネクタにおけるメモリカードの装着状態を判定するカード判定回路45と、判定したメモリカードの装着状態を記憶するステータス記憶回路46とを備えている。
【0022】
印刷機構26は、図示しないが、各色のインクに圧力をかけ、この加圧されたインクを記録紙Sに吐出して印刷処理を実行するインクジェット方式の機構である。なお、インクへ圧力をかける機構は、圧電素子の変形によるものとしてもよいしヒータの熱による気泡の発生によるものとしてもよい。
【0023】
操作パネル30は、ユーザがプリンタ20に対して各種の指示を入力するためのデバイスであり、各種の指示に応じた文字や画像が表示されるカラー液晶パネルにより構成された表示部32や、カーソルなどを移動させるときに押下されるカーソルキーや処理選択などを決定するときに押下される決定キーなどが配置され各種操作を行う操作部34が設けられている。
【0024】
コントローラ21は、CPU22を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、情報を記憶消去可能であり各種処理プログラムを記憶したフラッシュROM23と、一時的にデータを記憶するRAM24とを備えている。なお、CPU22はインタフェース(I/F)28を介してプリンタ20に接続された外部機器(例えばPC)から画像ファイルや印刷指示などの情報を受け取ったり、外部機器に印刷結果やプリンタ20の設定に関する情報などを渡したりすることができる。コントローラ21やリーダライタ40、印刷機構26、操作パネル30は、バス29cによって電気的に接続されている。
【0025】
コネクタ25a,25b及び電圧発生回路60について詳説する。図3はコネクタ25a,25b及び電圧発生回路60の回路図である。なお、図3では、バス29a,29bの記載を省略している。
【0026】
コネクタ25aはスイッチS1〜S3を有しており、コネクタ25bは、スイッチS4〜S5を有している。スイッチS1,S2,S3は、それぞれメモリカード27a,27b,27cに1対1で対応しており、スイッチS4,S5は、共にメモリカード27dに対応している。スイッチS1〜S5は、対応するメモリカードが装着されたときのみオフからオンに切り替わり、グランドと導通するようになっている。例えば、図4(a)に示すように、コネクタ25aにメモリカード27aが装着されたときには、メモリカード27aのグランドに接続されている端子とスイッチS1とが接触してオンとなり、グランドと導通する。メモリカード27dは、他のメモリカード27a〜cに比べて幅が大きく、コネクタへの装着が不適正となる場合がある。そのためスイッチS4,S5はメモリカード27dの幅方向に設けられており、図4(b)に示すように、メモリカード27dの装着が適正な場合にはスイッチS4,S5が共にオンとなり、例えば図4(c)に示すように、メモリカード27dが斜めに差し込まれて装着が不適正な場合にはスイッチS4,S5の少なくとも1つがオンにならないようになっている。
【0027】
電圧発生回路60は、直流電源電圧(例えば、3.3V)を供給する電源Vccと、電圧Voutを外部へ出力する電圧出力部61とを有しており、電源Vccと電圧出力部61との間にはプルアップ抵抗Rvが接続されている。また、電圧発生回路60は、コネクタ25a,25bのスイッチS1〜S5と接続されており、電圧出力部61とグランドとの間にスイッチS1〜S5のそれぞれと抵抗が直列に接続されてなる第1〜第5の小回路を有している。第1の小回路はスイッチS1,抵抗R1が直列に接続されてなる回路、第2の小回路はスイッチS2,抵抗R1,R2が直列に接続されてなる回路、第3の小回路はスイッチS3,抵抗R1,R2,R3が直列に接続されてなる回路、第4の小回路はスイッチS4,抵抗R4が直列に接続されてなる回路、第5の小回路はスイッチS5,抵抗R5とが直列に接続されてなる回路である。ここで、抵抗R1〜R5の抵抗値は、式(1)〜(5)のように設定されている。なお、プルアップ抵抗Rvの抵抗値は、スイッチS1〜S5がオンになって第1〜第5の小回路に流れる電流が回路の許容値以下に制限されるように適切な値(例えば、1kΩ)に設定されている。
【0028】
R1 =0.2Rv (1)
R2 =0.3Rv (2)
R3 =0.5Rv (3)
R4 =4Rv (4)
R5 =4Rv (5)
【0029】
また、電圧発生回路60は、同時装着検出回路62も有している。同時装着検出回路62は、電源Vccと、npn型のトランジスタT1〜T3とを有しており、電源VccとトランジスタT1〜T3のベース端子(以下、B端子という)間にはプルアップ抵抗Rv1〜Rv3がそれぞれ接続されている。また、トランジスタT1〜T3のエミッタ端子(以下、E端子という)はそれぞれグランドに接続されており、トランジスタT1,T2のコレクタ端子(以下、C端子という)はトランジスタT3のB端子に接続されている。そして、トランジスタT3のC端子は、電圧出力部61に接続されている。さらに、トランジスタT1のB端子はコネクタ25aのスイッチS1〜S3とそれぞれ接続されており、トランジスタT2のB端子はコネクタ25bのスイッチS4〜S5とそれぞれ接続されている。ここで、プルアップ抵抗Rv1〜Rv3の抵抗値は、スイッチS1〜S5のいずれかがオンになったときに電源Vccとグランド間に流れる電流が回路の許容値以下に制限されるように適切な値(例えば、1kΩ)に設定されている。
【0030】
次に、こうして構成された本実施形態のプリンタ20における、コネクタ25a,25bのメモリカードの装着状態の検出について説明する。この検出は、電圧出力部61による外部への電圧Voutの出力として行われる。コネクタ25a,25bのいずれにもメモリカードが装着されていないときは、スイッチS1〜S5はいずれもオフとなっているから、第1〜第5の小回路はいずれもグランドから切り離された状態となっている。したがって、電圧出力部61は電源Vccと同電位となる。このときの電圧Voutの値を電圧Vfullと称する。なお、後述するが、このときは同時装着検出回路62のトランジスタT3はオフであり、電圧Voutに影響しない。
【0031】
コネクタ25bにメモリカード27dが装着されていない状態で、コネクタ25aにメモリカード27aが装着されたときは、対応するスイッチS1がオンとなってグランドと導通するため、スイッチS1と直列に接続された抵抗R1とプルアップ抵抗Rvとに依存して決まる電圧が電圧Voutとなる。このときの電圧Voutはオームの法則を用いて式(6)のように算出することができ、このときの値を電圧Vmsと称する。また、メモリカード27bが装着されてスイッチS2がオンとなったときは、抵抗R1,R2の合成抵抗とプルアップ抵抗Rvとに依存して決まる電圧が電圧Voutとなり、式(7)によって算出することができ、このときの値を電圧Vsdと称する。同様に、メモリカード27cが装着されてスイッチS3がオンとなったときの電圧Voutは、式(8)により算出することができ、このときの値を電圧Vxdと称する。また、コネクタ25aにメモリカード27a〜27cが装着されていない状態で、コネクタ25bにメモリカード27dが装着されたときは、適正に装着された場合にはスイッチS4,S5が共にオンとなるので、電圧Voutは式(9)により算出でき、このときの値を電圧Vcfと称する。メモリカード27dが不適正に装着された場合にはスイッチS4,S5のいずれかがオンになるので、電圧Voutは式(10)により算出でき、このときの値を電圧Vcfngと称する。なお、後述するが、コネクタ25a,25bのいずれかにのみメモリカードが装着されている場合には同時装着検出回路62のトランジスタT3はオフであり、電圧Voutに影響しない。
【0032】
Vout=Vcc*R1/(R1+Rv)=Vcc*1/6 (=Vms) (6)
Vout=Vcc*(R1+R2)/(R1+R2+Rv)=Vcc*1/3 (=Vsd) (7)
Vout=Vcc*(R1+R2+R3)/(R1+R2+R3+Rv)=Vcc*1/2 (=Vxd) (8)
Vout=Vcc*(R45)/(R45+Rv)=Vcc*2/3 (=Vcf) (9)
Vout=Vcc*R4(又はR5)/(R4(又はR5)+Rv)=Vcc*4/5 (=Vcfng) (10)
※R45はR4とR5の合成抵抗(R45=2Rv)
【0033】
次に、コネクタ25a,25bに共にメモリカードが装着されている場合について説明する。コネクタ25aにメモリカード27a〜27cのいずれかが装着されたときは、装着されたメモリカードに対応するスイッチS1〜S3のいずれかがオンとなってグランドと導通するので、同時装着検出回路62のトランジスタT1のB端子もグランドと同電位となる。したがって、トランジスタT1のB−E端子間には電圧が印加されないため、トランジスタT1はオフとなりC−E端子は導通しない。また、コネクタ25bにメモリカード27dが装着されたときは、装着が不適正であったとしてもメモリカード27dに対応するスイッチS4,S5の少なくともいずれかがオンとなってグランドと導通するので、トランジスタT2のB端子もグランドと同電位となる。したがって、トランジスタT2のB−E端子間には電圧が印加されないため、トランジスタT2はオフとなりC−E端子は導通しない。そして、トランジスタT1,T2が共にオフであるとき、すなわち、コネクタ25a,25bに共にメモリカードが装着されているときには、トランジスタT3のB端子は電源Vccと同電位となる。そのため、トランジスタT3のB−E端子間に電圧Vccが印加され、トランジスタT3はオンとなりC−E端子は導通状態となる。これにより、第1〜第5の小回路の抵抗に関わらず、トランジスタT3のC端子及びそれに接続された電圧出力部61がグランドと同電位となる。このときの電圧Voutの値を電圧Vgndと称する。
【0034】
一方、コネクタ25aにメモリカード27a〜27cのいずれも装着されていないときは、スイッチS1〜S3は全てオフであるので、トランジスタT1のB端子は電源Vccと同電位となる。したがって、トランジスタT1のB−E端子間に電源Vccが印加されるため、トランジスタT1はオンとなりC−E端子は導通状態となる。これにより、トランジスタT1のC端子及びそれに接続されたトランジスタT3のB端子がグランドと同電位となる。また、コネクタ25bにメモリカード27dが装着されていないときは、スイッチS4,S5は全てオフであるので、トランジスタT2のB端子は電源Vccと同電位となる。したがって、トランジスタT2のB−E端子間に電源Vccが印加されるため、トランジスタT2はオンとなりC−E端子は導通状態となる。これにより、トランジスタT2のC端子及びそれに接続されたトランジスタT3のB端子がグランドと同電位となる。以上のことから、トランジスタT1,T2の少なくとも一方がオンであるとき、すなわち、コネクタ25a,25bの一方にメモリカードが装着されているとき又はどちらにもメモリカードが装着されていないときには、トランジスタT3のB端子はグランドと同電位となる。そのため、トランジスタT2のB−E端子間には電圧が印加されず、トランジスタT3はオフとなりC−E端子は導通しない。したがって、同時装着検出回路62は電圧Voutに影響しない。
【0035】
図5に、コネクタにおけるメモリカードの装着状態が変化したときのVoutの例を示す。時刻t0まではいずれのコネクタにもメモリカードが装着されておらず、出力される電圧Voutの値は電圧Vfullである。時刻t0において、コネクタ25aにメモリカード27cが装着されると、出力される電圧Voutの値が変化し時刻t1には電圧Vxdとなる。時刻t2において、コネクタ25aにメモリカード27cは装着されたままでコネクタ25bにメモリカード27dが適正な状態で装着されると、出力される電圧Voutの値が変化し時刻t3には電圧Vgndとなる。時刻t4において、コネクタ25aのメモリカード25cを取り外すと、コネクタ25bのみにメモリカード27dが適正な状態で装着されているため、出力される電圧Voutの値が変化し時刻t5には電圧Vcfとなる。時刻t6において、コネクタ25bのメモリカード27dを取り外すと、いずれのコネクタにもメモリカードは装着されていないため、出力される電圧Voutの値が変化し時刻t7には電圧Vfullとなる。以上、説明したように、コネクタにおけるメモリカードの装着状態の検出は、状態に応じた異なる電圧Voutが外部に出力されることで行われる。
【0036】
次に、リーダライタ40による、電圧Voutを用いたメモリカードの装着状態の判定について説明する。電圧出力部61から出力された電圧Voutは、A/D変換器50でディジタル値(例えば、10bitの値)に変換された後、リーダライタ40の入力ポート41に入力される。
【0037】
入力ポート41に入力されたディジタル値は、シフトレジスタ42に入力される。シフトレジスタ42は、所定の周期(例えば、数十msec)で発生するシフトレジスタラッチ信号が図示しないシフトレジスタ42の端子に入力されるごとに、そのとき入力ポート41に入力されているディジタル値を格納する。シフトレジスタ42は入力されたディジタル値を3つ格納することができ、古い値を順次消去して、新しい値を格納していく。したがって、シフトレジスタ42には、常に最新のディジタル値,1つ前のディジタル値及び2つ前のディジタル値の3つが格納されている。なお、シフトレジスタ42が1つもディジタル値を格納していないときには、初期値として例えば電圧Vfullのディジタル値が3つ格納されていてもよい。
【0038】
シフトレジスタ42に新たなディジタル値が格納されるごとに、格納されている3つの値の平均値Vavgを平均回路44が算出する。そして、カード判定回路45は平均値Vavgと判定基準値とを比較してメモリカードの装着状態を判定し、メモリカードの装着状態に対応したステータス信号をステータス記憶回路に入力する。判定基準値,平均値Vavg,メモリカードの装着状態及びステータス信号の対応関係を図6に示す。ステータス信号は、本実施例ではメモリカードの装着状態に応じて異なる3bitの値であるが、他の値であってもよい。なお、ノイズの影響やA/D変換器50の変換誤差などを考慮して、カード判定回路45は判定基準値に許容誤差範囲を加味してメモリカードの装着状態の判定を行う。例えば、平均値Vavgが電圧Vfullから許容誤差範囲内の値であれば、メモリカードは未装着の状態であると判定する。
【0039】
また、シフトレジスタ42に新たなディジタル値が格納されるごとに、格納されている3つのディジタル値が安定した値であるか否かを電圧判定回路43が判定する。例えば、図5の時刻t0〜t1間のように、電圧Voutが過渡状態にあるときは、メモリカードの装着状態と電圧Voutの値が一致しないため、カード判定回路45は正常なメモリカードの装着状態が判定ができない。そこで、電圧判定回路43は、シフトレジスタ42の最新のディジタル値を基準に、1つ前及び2つ前のディジタル値の値が所定の基準値以内の値であるか否かを判定することによって、シフトレジスタ42の3つのディジタル値が安定した値であるか否かの判定を行う。そして、安定した値だったときは、信号Vvalidをステータス記憶回路46に入力する。
【0040】
ステータス記憶回路46は、信号Vvalidが入力されたときのみ、カード判定回路45から入力されるステータス信号を記憶する回路である。なお、ステータス記憶回路46は、信号Vvalidが入力されると、記憶していたステータス信号を更新して、最新のステータス信号を新たに記憶する。そして、更新前のステータス信号と更新後のステータス信号が変化した場合には、CPU22に信号を出力して割り込み処理を発生させる。割り込み処理が発生すると、CPU22はメモリカードの装着状態の変化に応じてコネクタ25a,25bのいずれにアクセスするかを決定し、アクセスするコネクタに装着されたメモリカードの種類に合わせた形式で情報の送受信を行うようリーダライタ40を制御する。
【0041】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の電圧供給部が電源Vccに相当し、電圧発生回路60とスイッチS1〜S5とで構成される回路が電気回路に相当し、トランジスタT3がスイッチング素子に相当する。
【0042】
以上詳述した本実施形態によれば、コネクタ25a,25bのいずれにもメモリカード27a〜27dが装着されていないときは、電圧Voutの値が電圧Vfullとなり、コネクタ25a,25bのいずれか1つのコネクタにメモリカード27a〜27dが装着されたときは、電圧Voutの値がそれぞれ異なる電圧Vms,Vsd,Vxd,Vcfとなる。したがって、どのコネクタにどのメモリカードが装着されたかを1つの電圧出力部61で検出することができる。
【0043】
また、コネクタ25a,25bに共にメモリカードが装着されたときにのみ電圧出力部61がグランドと同電位となって電圧Voutの値が電圧Vgndとなり、それ以外の状態で電圧Voutが電圧Vgndとなることはない。したがって、コネクタ25a,25bに共にメモリカードが装着されたことも1つの電圧出力部61で検出することができる。
【0044】
また、コネクタ25bにメモリカード27dが適正な姿勢で装着されたときは、電圧Voutの値は電圧Vcfとなり、コネクタ25bにメモリカード27dが不適正な姿勢で装着されたときは、電圧Voutの値は電圧Vcfngとなる。したがって、電圧Vcf,Vcfngは互いに異なり、しかも電圧Vms,Vsd,Vxdとも異なる値になるため、メモリカード27dが適正な姿勢で装着されたか否かについても1つの電圧出力部で検出することができる。
【0045】
なお、本発明は上述した各実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0046】
例えば、抵抗R1〜R5,プルアップ抵抗Rv,Rv1〜Rv3,電圧Vccの値は、いずれかのコネクタにメモリカードが装着されたときといずれのコネクタにもメモリカードが装着されていないときとでそれぞれ異なる電圧Voutが出力されるものであれば、どのような値に設定されていてもよい。例えば、抵抗R4とR5とが異なる値であってもよい。また、同時装着検出回路62がない場合であれば、抵抗R1を0Ωとして、コネクタ25aのみにメモリカード25aが装着されたときの電圧Voutがグランドと同電位となるようにしてもよい。
【0047】
また、電圧発生回路60及びスイッチS1〜S5の構成についても、いずれかのコネクタにメモリカードが装着されたときといずれのコネクタにもメモリカードが装着されていないときとで異なる電圧Voutが出力されるものであれば、どのような回路構成であってもよい。例えば、図7のように第1〜第3の小回路を別々に電圧出力部61に接続した回路構成であってもよい。この場合、抵抗R2の値を0.5Rv,抵抗R3の値を1Rvとすれば、上述した実施形態と同じ電圧Voutが得られるが、他の値としてもよい。また、同時装着検出回路62の構成についても、コネクタ25a,25bに共にメモリカードが装着されたときに電圧Voutがグランドと同電位となるものであれば、どのような回路構成であってもよい。
【0048】
上述した実施形態では、コネクタ25bのメモリカード27dには、姿勢が適正か否かを検出するためにスイッチS4,S5の二つが対応しているが、コネクタ25aのメモリカード27a〜27cについても、そのようなスイッチが対応していてもよい。例えば、コネクタ25aのメモリカード27aについても姿勢が適正か否かを検出するスイッチS11,S12が対応している場合には、電圧発生回路60を図8のようにすればよい。
その場合、抵抗R11,R12は、スイッチS11,S12が共にオンになった場合といずれか一方がオンになった場合とで電圧Voutが異なり、且つ、他のメモリカード装着状態における電圧Voutとも異なるように値を設定すればよい。また、姿勢が適正か否かを検出するスイッチは3つ以上あってもよいし、メモリカードの幅方向に設けられていなくてもよい。もちろん、いずれのコネクタに装着されるメモリカードについても姿勢が適正か否かを検出しないものとしてもよい。
【0049】
上述した実施形態では、コネクタ25a,25bに共にメモリカードが装着されたことを同時装着検出回路60によって電圧Voutをグランドと同電位とすることで検出しているが、同時装着検出回路60はなく、コネクタ25a,25bに共にメモリカードが装着されたことを検出しないものとしてもよい。また、本実施形態において、同時装着検出回路60がないとすると、コネクタ25a,25bに共にメモリカードが装着された場合は、装着されたメモリカードに対応するスイッチに直列に接続された抵抗の合成抵抗とプルアップ抵抗Rvとに依存して決まる電圧が電圧Voutとなる。この電圧は、コネクタ25a,25bのどちらかにメモリカードが装着された状態やいずれのコネクタにもメモリカードが装着されていない場合とは異なる電圧となる。したがって、このような電圧Voutのいずれかが発生したときには、コネクタ25a,25bに共にメモリカードが装着された場合であると判定することもできる。また、コネクタ25a,25bに共にメモリカードが装着された場合に、どのコネクタにどのメモリカードが装着されているかの組み合わせによっても互いに異なる電圧Voutが発生する。したがって、この電圧Voutを用いることで、コネクタ25a,25bに共にメモリカードが装着された場合に、コネクタとメモリカードとの組み合わせがいずれであるかも判定することもできる。
【0050】
上述した実施形態では、プリンタ20は、3種類のメモリカードを利用可能なコネクタ25aと、1種類のメモリカードを利用可能なコネクタ25bとを有しているが、コネクタ25aとコネクタ25bとは、それぞれ少なくとも1種類のメモリカードを利用可能であれば、何種類のメモリカードを利用可能であってもよい。また、コネクタ25a,25bの他にさらにコネクタを有していてもよい。さらにまた、プリンタ20は、コネクタ25aのみを有していてもよい。その場合、コネクタ25aは少なくとも2種類のメモリカードを利用可能であれば、何種類のメモリカードを利用可能であってもよい。
【0051】
上述した実施形態では、コネクタ25aで利用可能なメモリカードと、コネクタ25bで利用可能なメモリカードとは異なる種類のメモリカードであるが、異なるコネクタが同じ種類のメモリカードを利用可能であってもよい。その場合、同じ種類のメモリカードであっても、異なるコネクタに装着された場合に互いに異なる電圧Voutが出力されるように電圧発生回路を構成すれば、どちらのコネクタに装着されたかを判定することができる。
【0052】
上述した実施形態では、A/D変換器50はリーダライタ40とは別に設置されているが、入力ポート41とリーダライタのシフトレジスタ42との間にA/D変換器50が接続されていてもよい。
【0053】
上述した実施形態では、スイッチS1〜S5は、コネクタにメモリカードが装着されたとき、メモリカードのグランドに接続されている端子とスイッチS1とが接触してオンとなるが、メモリカードが装着されたときに、コネクタとメモリカードの組み合わせに対応するスイッチがオンとなるものであり、電圧出力部61とグランドとの間にスイッチと抵抗とが直列に接続されたものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、スイッチの一方が常にグランドに接続されており、メモリカードが装着されたときに対応するスイッチの接点部がメモリカードに押されてオンとなるものであってもよい。
【0054】
上述した実施形態では、シフトレジスタ42,電圧判定回路43,平均回路44,カード判定回路45,ステータス記憶回路46によって電圧Voutに基づくメモリカードの装着状態の判定を行っているが、他の回路によって判定を行ってもよい。
【0055】
上述した実施形態では、コネクタ25a,25bを有するプリンタ20を例として説明したが、複数のメモリカードを装着するコネクタを有するものであれば、どのようなものに適用してもよい。例えば、スキャナを備えたマルチファンクションプリンタや、パーソナルコンピュータなどに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本実施形態であるプリンタ20の構成の概略を示す構成図。
【図2】プリンタ20の構成の電気的接続を示すブロック図。
【図3】コネクタ25a,25b及び電圧発生回路60の回路図。
【図4】メモリカードの装着によるスイッチS1〜S5のオン,オフを示す説明図。
【図5】メモリカードの装着状態が変化したときのVoutの変化を示す説明図。
【図6】カード判定回路45の判定条件と判定結果との対応図。
【図7】変形例における電圧発生回路60の回路図。
【図8】変形例における電圧発生回路60の回路図。
【図9】従来のメモリカード検出装置の構成を示す構成図。
【符号の説明】
【0057】
10a〜10e,61 電圧出力部、11a〜11e,41 入力ポート、20 プリンタ、21 コントローラ、22 CPU、23 フラッシュROM、24 RAM、25a,25b コネクタ、26 印刷機構、27a〜27d メモリカード、28 インタフェース(I/F)、29a〜29c バス、30 操作パネル、32 表示部、34 操作部、40 リーダライタ、42 シフトレジスタ、43 電圧判定回路、44 平均回路、45 カード判定回路、46 ステータス記憶回路、50 A/D変換器、60 電圧発生回路、62 同時装着検出回路、S 記録紙、S1〜S5 スイッチ、R1〜R5,R11,R12 抵抗、Rv,Rv1〜Rv3 プルアップ抵抗、T1〜T3 トランジスタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種類のメモリカードを利用可能であり一度に一枚のメモリカードのみを着脱可能なコネクタを複数含むコネクタ群と、
電源電圧が供給される電圧供給部と外部に電圧を出力する電圧出力部との間にプルアップ抵抗が接続され、コネクタとメモリカードの種類との組み合わせに対応して設けられ前記電圧出力部からグランドまでの間にスイッチと固有抵抗とが直列に接続されてなる小回路を複数有し、各固有抵抗はコネクタとメモリカードの種類との組み合わせごとに異なる抵抗値に設定されている電気回路と、
を備え、
前記コネクタ群のいずれのコネクタにもメモリカードが装着されていないとき、前記電源電圧が前記電圧出力部から外部へ出力され、前記コネクタ群のいずれか1つのコネクタにメモリカードが装着されたとき、該コネクタと該メモリカードの種類との組み合わせに対応する小回路のスイッチがオフからオンに切り替わり、該切り替わったスイッチに直列接続された固有抵抗と前記プルアップ抵抗とに依存して決まる電圧が前記電圧出力部から外部へ出力される、
メモリカード検出装置。
【請求項2】
前記電気回路は、前記コネクタ群の少なくとも2つのコネクタに共にメモリカードが装着されたときにのみオフからオンに切り替わるスイッチング素子が、前記電圧出力部とグランドとの間に接続されており、
前記スイッチング素子がオンとなったときにのみ、前記電圧出力部はグランドと同電位となる、
請求項1に記載のメモリカード検出装置。
【請求項3】
前記固有抵抗の抵抗値は、前記コネクタ群の少なくとも2つのコネクタに共にメモリカードが装着されたとき、前記コネクタ群のいずれか1つのコネクタにメモリカードが装着されたときとは異なる電圧が前記電圧出力部から外部へ出力されるよう設定されている、
請求項1に記載のメモリカード検出装置。
【請求項4】
少なくとも2種類のメモリカードを利用可能であり一度に一枚のメモリカードのみを着脱可能なコネクタと、
電源電圧が供給される電圧供給部と外部に電圧を出力する電圧出力部との間にプルアップ抵抗が接続され、メモリカードの種類に対応して設けられ前記電圧出力部からグランドまでの間にスイッチと固有抵抗とが直列に接続されてなる小回路を複数有し、各固有抵抗はメモリカードの種類ごとに異なる抵抗値に設定されている電気回路と、
を備え、
前記コネクタにメモリカードが装着されていないとき、前記電源電圧が前記電圧出力部から外部へ出力され、前記コネクタにメモリカードが装着されたとき、該メモリカードの種類に対応する小回路のスイッチがオフからオンに切り替わり、該切り替わったスイッチに直列接続された固有抵抗と前記プルアップ抵抗とに依存して決まる電圧が前記電圧出力部から外部へ出力される、
メモリカード検出装置。
【請求項5】
前記電圧回路は、所定のコネクタと所定のメモリカードの種類との組み合わせに対応する複数の小回路を有し、
前記所定のコネクタに前記所定の種類のメモリカードが適正な姿勢で装着されたとき、該コネクタと該メモリカードの組み合わせに対応する前記複数の小回路に含まれるスイッチが全てオフからオンに切り替わり、該オンに切り替わった全てのスイッチに直列に接続された固有抵抗の合成抵抗と前記プルアップ抵抗とに依存して決まる固有の電圧が前記電圧出力部から外部へ出力され、前記所定のコネクタに前記所定の種類のメモリカードが不適正な姿勢で装着されたとき、該コネクタと該メモリカードの組み合わせに対応する前記複数の小回路に含まれるスイッチの少なくとも1つがオフからオンに切り替わらず、オンに切り替わった全てのスイッチに直列に接続された固有抵抗の合成抵抗と前記プルアップ抵抗とに依存して決まる固有の電圧が前記電圧出力部から外部へ出力される、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のメモリカード検出装置。
【請求項6】
少なくとも1種類のメモリカードを利用可能であり一度に一枚のメモリカードのみを着脱可能なコネクタを複数含むコネクタ群と、
前記コネクタ群のいずれか1つのコネクタにメモリカードが装着されたとき、いずれのコネクタにもメモリカードが装着されていないときとは異なり、且つ、前記コネクタ群のどのコネクタにどの種類のメモリカードが装着されたかに応じて異なる電圧を外部へ出力する電圧出力部と、
を備えるメモリカード検出装置。
【請求項7】
少なくとも2種類のメモリカードを利用可能であり一度に一枚のメモリカードのみを着脱可能なコネクタと、
前記コネクタにメモリカードが装着されたとき、コネクタにメモリカードが装着されていないときとは異なり、且つ、前記コネクタにどの種類のメモリカードが装着されたかに応じて異なる電圧を外部へ出力する電圧出力部と、
を備えるメモリカード検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−199448(P2009−199448A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−41894(P2008−41894)
【出願日】平成20年2月22日(2008.2.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】