説明

メラミン樹脂組成物およびその製造方法

【課題】粉塵の飛散が改善され、かつ、調製する際にブロッキングが発生し難いメラミン樹脂組成物およびその製造方法を提供する。
【解決手段】メラミン樹脂と担体とを含むメラミン樹脂組成物であって、メラミン樹脂組成物の平均粒径が50μm〜100μmであり、かつ、メラミン樹脂組成物の凝集度が40%以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メラミン樹脂と担体とを含むメラミン樹脂組成物およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メラミン樹脂は、例えばタイヤ等を作製する分野において、タイヤの補強材とゴムとを接着させる重要な材料として用いられている。そして、このとき、メラミン樹脂は、担体を含有したメラミン樹脂組成物の形態にて使用されている。(例えば、特許文献1参照)しかしながら、担体を含有したメラミン樹脂組成物は粉体であるため、粉塵が飛散するという問題が発生する。
【0003】
この粉塵飛散に関する問題は、例えば、平均粒径100μmを超える大きな担体を用いることによって改善されてきた。
【特許文献1】特開2001−139769号公報(公開日:平成13年5月22日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、平均粒径の大きな担体を用いて粉塵の飛散を防止しようとすれば、ヘンシェルミキサー等でメラミン樹脂組成物を調製する際に、担体が機械内で固まってしまう現象(ブロッキング)が生ずるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、粉塵の飛散が従来品よりも改善され、かつ、メラミン樹脂組成物を調製する際にブロッキングが発生し難いメラミン樹脂組成物、およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、メラミン樹脂組成物の平均粒径と凝集度とを適切に調節することによって、粉塵の飛散が従来品よりも改善され、かつ、ヘンシェルミキサー等でメラミン樹脂組成物を調製する際にブロッキング問題が発生し難くなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明のメラミン樹脂組成物は、上記課題を解決するために、メラミン樹脂と担体とを含むメラミン樹脂組成物であって、前記メラミン樹脂組成物の平均粒径が50μm〜100μmであり、かつ、前記メラミン樹脂組成物の凝集度が40%以下であることを特徴としている。
【0008】
本発明のメラミン樹脂組成物では、前記担体の平均粒径が、50μm〜100μmであることが好ましい。
【0009】
本発明のメラミン樹脂組成物では、前記メラミン樹脂が、メトキシメチル化メラミン樹脂であり、前記担体が、シリカであることが好ましい。
【0010】
本発明のメラミン樹脂組成物では、前記担体が、メラミン樹脂1重量部に対して0.25重量部〜2重量部であることが好ましい。
【0011】
本発明のメラミン樹脂組成物の製造方法は、上記課題を解決するために、メラミン樹脂と担体とを混合する工程を含むメラミン樹脂組成物の製造方法であって、前記担体の平均粒径が、50μm〜100μmであり、前記メラミン樹脂1重量部に対して、前記担体0.25重量部〜2重量部が混合されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明のメラミン樹脂組成物は、上述したように、メラミン樹脂と担体とを含むメラミン樹脂組成物であって、前記メラミン樹脂組成物の平均粒径が50μm〜100μmであり、かつ、前記メラミン樹脂組成物の凝集度が40%以下であるものである。
【0013】
また、本発明のメラミン樹脂組成物の製造方法は、上述したように、メラミン樹脂と担体とを混合する工程を含むメラミン樹脂組成物の製造方法であって、前記担体の平均粒径が、50μm〜100μmであり、前記メラミン樹脂1重量部に対して、前記担体0.25重量部〜2重量部が混合される方法である。
【0014】
それ故、本発明は、粉塵の飛散を低減することができるとともに、ヘンシェルミキサー等でメラミン樹脂組成物を調製する際のブロッキング問題の発生を防止することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明のメラミン樹脂組成物および当該メラミン樹脂組成物の製造方法の一実施形態について、以下に説明する。
【0016】
〔1.メラミン樹脂組成物〕
本実施形態のメラミン樹脂組成物は、メラミン樹脂と担体とを含むものである。まず、本実施形態のメラミン樹脂組成物について説明し、次いで、当該メラミン樹脂組成物を構成するメラミン樹脂および担体について説明する。
【0017】
本実施形態のメラミン樹脂組成物では、メラミン樹脂組成物の平均粒径が50μm〜100μmである。メラミン樹脂組成物の平均粒径が50μmよりも小さい場合には、粉塵の飛散量が増大し、メラミン樹脂組成物の平均粒径が100μmよりも大きい場合には、ブロッキングが発生しやすくなる。一方、本実施形態であれば、粉塵の飛散を抑制することができるとともに、ブロッキングの発生を防止することができる。
【0018】
なお、メラミン樹脂組成物の平均粒径は、公知の方法によって測定することが可能である。つまり、島津製作所製のレーザー回折式粒度分布計(例えば、SALD−1100)を用いて測定することが可能である。なお、平均粒径の具体的な測定方法は、前記レーザー回折式粒度分布計に添付のプロトコールに従えばよい。
【0019】
本実施形態のメラミン樹脂組成物では、メラミン樹脂組成物の凝集度が40%以下である。メラミン樹脂組成物の凝集度が40%よりも大きい場合には、ブロッキングが発生しやすくなる。一方、本実施形態であれば、ブロッキングの発生を防止することができる。
【0020】
なお、メラミン樹脂組成物の凝集度は、公知の方法によって測定することが可能である。つまり、ホソカワミクロン社製のパウダーテスター(例えば、PT−D)を用いて測定することが可能である。なお、凝集度の具体的な測定方法は、前記パウダーテスターに添付のプロトコールに従えばよい。
【0021】
上述したように、本実施形態のメラミン樹脂組成物は、メラミン樹脂と担体とを含むものである。以下に、メラミン樹脂組成物を構成するメラミン樹脂および担体の各々について説明する。
【0022】
前記メラミン樹脂としては特に限定されないが、メラミン、ホルムアルデヒド、およびアルコール類(例えば、メタノールなど)の縮合物であることが好ましい。また、前記メラミン樹脂としては、液体状のメラミン樹脂が好ましい。更に具体的には、例えば、メトキシメチル化メラミン樹脂、エトキシメチル化メラミン樹脂、プロポキシメチル化メラミン樹脂、またはブトキシメチル化メラミン樹脂などが好ましく、これらの中では、メトキシメチル化メラミン樹脂が最も好ましい。前記構成によれば、より効果的に粉塵の飛散を低減することができるとともに、ブロッキング問題の発生を防止することができる。
【0023】
前記担体としては特に限定されないが、例えば、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウム等からなる担体であることが好ましく、これらの中では、シリカからなる担体であることが最も好ましい。前記構成であれば、より効果的に粉塵の飛散を低減することができるとともに、ブロッキング問題の発生を防止することができる。
【0024】
前記担体の形状としては特に限定されないが、粒子状であることが好ましい。なお、当該粒子状の担体の粒径としては特に限定されないが、平均粒径が45μm〜100μmであることが好ましく、平均粒径が50〜100μmであることが更に好ましく、平均粒径50〜80μmであることが最も好ましい。前記構成によれば、メラミン樹脂組成物の平均粒径を容易かつ正確に50μm〜100μmとすることができる。つまり、メラミン樹脂組成物の作製の初発原料として用いる担体が、ほぼそのままの形状にてメラミン樹脂組成物中に含まれることになる。そして、その結果、担体の平均粒径に近い平均粒径を有するメラミン樹脂組成物を得ることができる。
【0025】
なお、前記粒子状の担体の平均粒径は、公知の方法に従って測定することができる。つまり、島津製作所製のレーザー回折式粒度分布計(例えば、SALD−1100)を用いて測定することが可能である。なお、平均粒径の具体的な測定方法は、前記レーザー回折式粒度分布計に添付のプロトコールに従えばよい。
【0026】
本実施形態のメラミン樹脂組成物におけるメラミン樹脂と担体との重量比は特に限定されず、メラミン樹脂組成物が粉体になり得る重量比であればよい。例えば、メラミン樹脂1重量部に対して担体0.1〜4重量部であることが好ましく、メラミン樹脂1重量部に対して担体0.25〜2重量部であることが更に好ましく、メラミン樹脂1重量部に対して0.25〜0.75重量部であることが最も好ましい。前記構成によれば、より効果的に粉塵の飛散を低減することができるとともに、ブロッキング問題の発生を防止することができる。
【0027】
なお、メラミン樹脂組成物中のメラミン樹脂と担体との重量比の測定方法は特に限定されず、適宜、公知の方法によって測定することが可能である。例えば、メラミン樹脂組成物(X(g))をメタノールに溶解して、担体(Y(g))を得る。この場合、メラミン樹脂組成物中の担体含有量(Z(重量%))は、以下の式によって得ることが可能である。
【0028】
Z(重量%)=Y(g)/X(g)×100
本実施の形態のメラミン樹脂組成物は、本願発明が目的とする効果を損なわない範囲で、メラミン樹脂、担体以外の材料を含むことも可能である。当該材料としては特に限定されないが、例えば、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、架橋剤、ワックス、オイルなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0029】
〔2.メラミン樹脂組成物の製造方法〕
以下に、本願発明のメラミン樹脂組成物の製造方法の一実施形態について説明する。
【0030】
本実施形態のメラミン樹脂組成物は、上述したメラミン樹脂と担体(例えば、平均粒径が50μm〜100μmである担体)とを、混合することによって作製することができる。なお、当該混合には、公知の混合機を用いることが可能である。例えば、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、リボンミキサー、または万能混合機などの一般に使用される粉体混合機でメラミン樹脂と担体とを混合することにより、本願発明のメラミン樹脂組成物を製造することができる。
【0031】
混合されるメラミン樹脂としては特に限定されないが、メラミン、ホルムアルデヒド、およびアルコール類(例えば、メタノールなど)の縮合物であることが好ましい。また、前記メラミン樹脂としては、液体状のメラミン樹脂が好ましい。更に具体的には、例えば、メトキシメチル化メラミン樹脂、エトキシメチル化メラミン樹脂、プロポキシメチル化メラミン樹脂、またはブトキシメチル化メラミン樹脂などが好ましく、これらの中では、メトキシメチル化メラミン樹脂が最も好ましい。前記構成によれば、より効果的に粉塵の飛散を低減することができるとともに、ブロッキング問題の発生を防止することができるメラミン樹脂組成物を作製することができる。
【0032】
なお、前記メラミン樹脂は、公知の方法に従って作製することができる。例えば、特開平8−283364号公報(公開日:平成8年10月29日)に記載の方法に従って前記メラミン樹脂を合成することが可能であるが、当該方法に限定されない。
【0033】
また、混合される担体としては特に限定されないが、例えば、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウム等からなる担体であることが好ましく、これらの中では、シリカからなる担体であることが最も好ましい。
【0034】
前記担体の形状としては特に限定されないが、粒子状であることが好ましい。なお、当該粒子状の担体の粒径としては特に限定されないが、平均粒径が45μm〜100μmであることが好ましく、平均粒径が50〜100μmであることが更に好ましく、平均粒径50〜80μmであることが最も好ましい。前記構成によれば、作製されるメラミン樹脂組成物の平均粒径を容易かつ正確に50μm〜100μmとすることができる。つまり、メラミン樹脂組成物の作製の初発原料として用いる担体が、ほぼそのままの形状にてメラミン樹脂組成物中に含まれることになる。そして、その結果、担体の平均粒径に近い平均粒径を有するメラミン樹脂組成物を得ることができる。
【0035】
なお、前記粒子状の担体の平均粒径は、公知の方法に従って測定することができる。つまり、島津製作所製のレーザー回折式粒度分布計(例えば、SALD−1100)を用いて測定することが可能である。なお、平均粒径の具体的な測定方法は、前記レーザー回折式粒度分布計に添付のプロトコールに従えばよい。
【0036】
混合されるメラミン樹脂と担体との重量比は特に限定されないが、例えば、メラミン樹脂1重量部に対して0.1重量部〜4重量部であることが好ましく、メラミン樹脂1重量部に対して0.25重量部〜2重量部であることが更に好ましく、メラミン樹脂1重量部に対して0.25重量部〜0.75重量部であることが最も好ましい。前記構成によれば、効果的に粉塵の飛散を低減することができるとともに、ブロッキング問題の発生を防止することができるメラミン樹脂組成物を作製することができる。
【0037】
メラミン樹脂と担体とを混合する時間は特に限定されず、メラミン樹脂および担体の種類および混合比に応じて、適宜選択することができる。例えば、混合時間としては、1分間〜15分間であることが好ましく、1分間〜10分間であることが更に好ましく、1分間〜5分間であることが最も好ましい。混合時間が1分間よりも短い場合には、本実施形態のメラミン樹脂組成物を多量に調製できない傾向を示し、混合時間が15分間よりも長い場合には、ブロッキングし易くなる傾向を示す。
【0038】
メラミン樹脂と担体とを混合する温度は特に限定されず、適宜選択することができる。例えば、上記温度としては室温であることが好ましく、更に具体的には25℃〜40℃であることが好ましい。
【0039】
なお、本実施の形態のメラミン樹脂組成物の製造方法では、上述した方法にて作製したメラミン樹脂組成物の中から、平均粒径が50μm〜100μであり、かつ、凝集度が40%以下であるメラミン樹脂組成物を更に選別する工程が含まれていることが好ましい。前記構成によれば、所望のメラミン樹脂組成物を高濃度にて入手することができる。当該工程の具体的な構成としては特に限定されない。
【0040】
平均粒径に基づいてメラミン樹脂組成物を更に選別する場合には、例えば、島津製作所製のレーザー回折式粒度分布計(例えば、SALD−1100)の測定結果に基づいて、平均粒径が50μm〜100μであるメラミン樹脂組成物を更に選別すればよい。また、凝集度に基づいてメラミン樹脂組成物を更に選別する場合には、例えば、ホソカワミクロン社製のパウダーテスター(例えば、PT−D)の測定結果に基づいて、凝集度が40%以下であるメラミン樹脂組成物を選別すればよい。
【実施例】
【0041】
実施例と比較例とにより本発明を具体的に説明する。本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
【0042】
〔メラミン樹脂組成物の耐ブロッキング性の測定〕
コーヒーミル(商品名「ナショナルコーヒーミル」、松下電器産業(株)製、容器容量50g)内に50gのメラミン樹脂組成物を投入し、24,000rpmの回転数で混練した。目視にて、メラミン樹脂組成物が固結し始めるまでの時間(秒)を測定し、当該時間に基づいて耐ブロッキング性を判定した。
【0043】
なお、耐ブロッキング性の判定基準は、以下の基準に従った。
【0044】
○:80秒以上
×:80秒未満
【0045】
〔メラミン樹脂組成物の粉塵飛散性の測定〕
メラミン樹脂組成物の粉塵飛散性の測定は、粉塵飛散測定器(Roaches社製:DPA)を用いて、重量測定法に基づいて行った。更に具体的には、15gのサンプルを15L/min.の気流にて2分間吸引し、当該吸引によって飛散したサンプルの重量を測定し、以下の式に基づいて粉塵飛散性を算出した。
【0046】
粉塵飛散性(%)=[飛散サンプルの重量(g)/サンプル量(g)]×100
なお、粉塵飛散性の判定基準は、以下の基準に従った。
【0047】
○: 0.05%未満
×: 0.05%以上
【0048】
〔メラミン樹脂組成物の凝集度の測定〕
メラミン樹脂組成物の凝集度の測定は、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製:PT−D)を用いて行った。なお、具体的な測定方法は、前記パウダーテスターに添付のプロトコールに従った。
【0049】
〔メラミン樹脂組成物の平均粒径の測定〕
メラミン樹脂組成物の平均粒径の測定は、レーザー回折式粒度分布計(島津製作所製:SALD−1100)を用いて行った。なお、具体的な測定方法は、前記レーザー回折式粒度分布計に添付のプロトコールに従った。
【0050】
〔メラミン樹脂組成物中のシリカ含有量(重量%)の測定〕
メラミン樹脂組成物10gに対してメタノール100mLを加えて、室温にて1時間攪拌して、メラミン樹脂とシリカ担体とを分離した。そして、得られたシリカ担体の重量を測定した。そして、メラミン樹脂組成物中のシリカ含有量(重量%)を、以下の式に基づいて算出した。
【0051】
(シリカ樹脂組成物中のシリカ含有量(重量%))=(シリカ担体の重量(g))/(メラミン樹脂組成物の重量(g))×100
【0052】
〔実施例1〕
(A)スミカノール507K(液状メトキシメチル化メラミン樹脂:バラケミカル社製)100重量部と、(B)平均粒径72μmの湿式シリカ40重量部とを、ヘンシェルミキサーに投入し、室温、800rpmで1分間攪拌、混合した。その結果、平均粒径71μm、凝集度29%のメラミン樹脂組成物A(メラミン樹脂組成物中のシリカ含有量28.8重量%)を得た。なお、得られたメラミン樹脂組成物Aの耐ブロッキング性、粉塵飛散性を評価した結果を表1に示す。
【0053】
〔実施例2〕
実施例1における(B)平均粒径72μmの湿式シリカ40重量部を、平均粒径78μmの湿式シリカ50重量部に代える以外は実施例1と同様にして、メラミン樹脂組成物を作製した。その結果、平均粒径87μm、凝集度36%のメラミン樹脂組成物B(メラミン樹脂組成物中のシリカ含有量33.5重量%)を得た。なお、得られたメラミン樹脂組成物Bの耐ブロッキング性、粉塵飛散性を評価した結果を表1に示す。
【0054】
〔実施例3〕
実施例1における(B)平均粒径72μmの湿式シリカ40重量部を、平均粒径52μmの湿式シリカ50重量部に代える以外は実施例1と同様にして、メラミン樹脂組成物を作製した。その結果、平均粒径54μm、凝集度23%のメラミン樹脂組成物C(メラミン樹脂組成物中のシリカ含有量33.7重量%)を得た。なお、得られた樹脂組成物Cの耐ブロッキング性、粉塵飛散性を評価した結果を表1に示す。
【0055】
〔実施例4〕
実施例1における攪拌、混合時間を1分間から5分間に変更する以外は、実施例1と同様にして、メラミン樹脂組成物を作製した。その結果、平均粒径73μm、凝集度35%の樹脂組成物D(メラミン樹脂組成物中のシリカ含有量28.9重量%)を得た。なお、得られた樹脂組成物Dの耐ブロッキング性、粉塵飛散性を評価した結果を表1に示す。
【0056】
〔比較例1〕
実施例1における(B)平均粒径72μmの湿式シリカ40重量部を、平均粒径110μmの湿式シリカ40重量部に代える以外は、実施例1と同様にして、メラミン樹脂組成物を作製した。その結果、平均粒径108μm、凝集度35%の樹脂組成物E(メラミン樹脂組成物中のシリカ含有量28.8重量%)を得た。なお、得られた樹脂組成物Eの耐ブロッキング性、粉塵飛散性を評価した結果を表2に示す。
【0057】
〔比較例2〕
実施例1における(B)平均粒径72μmの湿式シリカ40重量部を、平均粒径42μmの湿式シリカ40重量部に代える以外は、実施例1と同様にして、メラミン樹脂組成物を作製した。その結果、平均粒径44μm、凝集度29%の樹脂組成物F(メラミン樹脂組成物中のシリカ含有量28.9重量%)を得た。なお、得られた樹脂組成物Fの耐ブロッキング性、粉塵飛散性を評価した結果を表2に示す。
【0058】
〔比較例3〕
実施例1における(B)平均粒径72μmの湿式シリカ40重量部を、平均粒径95μmの湿式シリカ40重量部に代え、さらに攪拌、混合時間を1分間から6分間に変更する以外は、実施例1と同様にして、メラミン樹脂組成物を作製した。その結果、平均粒径97μm、凝集度42%の樹脂組成物G(メラミン樹脂組成物中のシリカ含有量28.8重量%)を得た。なお、得られた樹脂組成物Gの耐ブロッキング性、粉塵飛散性を評価した結果を表2に示す。
【0059】
〔比較例4〕
実施例1における(B)平均粒径72μmの湿式シリカ40重量部を、平均粒径110μmの湿式シリカ40重量部に代え、さらに攪拌、混合時間を1分間から4分間に変更する以外は、実施例1と同様にして、メラミン樹脂組成物を作製した。その結果、平均粒径110μm、凝集度43%の樹脂組成物H(メラミン樹脂組成物中のシリカ含有量29.0重量%)を得た。なお、得られた樹脂組成物Hの耐ブロッキング性、粉塵飛散性を評価した結果を表2に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、接着剤(特に、ゴム製品を接着させるための接着剤)やその製造方法として利用することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メラミン樹脂と担体とを含むメラミン樹脂組成物であって、
前記メラミン樹脂組成物の平均粒径が50μm〜100μmであり、かつ、前記メラミン樹脂組成物の凝集度が40%以下であることを特徴とするメラミン樹脂組成物。
【請求項2】
前記担体の平均粒径が、50μm〜100μmであることを特徴とする請求項1記載のメラミン樹脂組成物。
【請求項3】
前記メラミン樹脂が、メトキシメチル化メラミン樹脂であり、
前記担体が、シリカであることを特徴とする請求項1または2に記載のメラミン樹脂組成物。
【請求項4】
前記担体が、メラミン樹脂1重量部に対して0.25重量部〜2重量部であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のメラミン樹脂組成物。
【請求項5】
メラミン樹脂と担体とを混合する工程を含むメラミン樹脂組成物の製造方法であって、
前記担体の平均粒径が、50μm〜100μmであり、
前記メラミン樹脂1重量部に対して、前記担体0.25重量部〜2重量部が混合されることを特徴とするメラミン樹脂組成物の製造方法。

【公開番号】特開2010−155874(P2010−155874A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−333348(P2008−333348)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000216243)田岡化学工業株式会社 (115)
【出願人】(509002970)
【Fターム(参考)】