説明

モジュールに結束された断熱要素の搬送・保管用の大型パッケージ

ミネラルウール断熱要素、特に断熱ロール(2)および断熱パネル(11)を搬送・保管するための大型パッケージが提供される。このパッケージは、フィルムカバーにより結合される複数の、好ましくは2個〜5個またはそれ以上の断熱ロールまたは断熱パケット(1、10)をそれぞれ有する、フード(12)またはストラップリテイナ(16)などの包装要素により束ねられて保管・搬送ユニットを形成する、隣り合う及び/又は積み重ねられたモジュール(5)で構成される。このモジュール(5)はそれぞれ全体として、好ましくは水蒸気が透過できる防水カバー(6)により水の侵入から保護される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の大型パッケージと請求項21の前文に記載の、大型パッケージのための断熱要素モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
断熱要素、特にミネラルウール製の断熱ロールおよび断熱パネルを搬送・保管するために、大型パッケージが利用されることが多くなっている。このパッケージは、互いに隣り合わせてあるいは上下に積み重ねて配置される複数のいわゆるモジュールを有しており、各モジュールは、多数の断熱ロールまたは断熱パネルパケットを有している。複数のパネルが結合されて搬送ユニットが形成される、断熱ロールと断熱パネルパケットの両方が、好ましくは圧縮された形でフィルムで包装される。断熱要素の端部のほとんどの部分は露出している。大型パッケージをフォークリフトなどで扱うことができるように、荷物を包装して大型パッケージを形成するには、主に包装用フィルムの形態のカバーが用いられる。
【0003】
この種の大型パッケージは、例えば欧州特許出願公開第0220980号明細書から知られており、この公開明細書においては、断熱ロールまたは断熱パネルパケットが包装されてモジュールを形成し、これらのモジュールが上下に積み重ねられ、次にフード状のプラスチックフィルム包装材で覆われることが記載されている。この方法では、個々の断熱ロールまたは断熱パネルパケットの、大部分が露出している端部は、フード状のカバーまたは包装用フィルム、一般にはストレッチフィルムにより外側から覆われ保護される。ミネラルウール断熱要素は、撥水剤が添加されているため疎水性を有することが多い。しかし、撥水剤の不均等な分布と、覆われたミネラルウールによる毛管水の吸収を完全になくすことはできない。水の吸収により断熱材の特性が損なわれるが、この理由から、この種の大型パッケージ上の外側フィルムカバーを、閉じた構成にすることもできる(独国特許出願公開第19858201号明細書)。この方法の目的は、大型パッケージを地面に置いたときに雨水または汚い水が入ることを防止することである。これは、大気汚染のせいで雨水が断熱要素の繊維に対してある程度の攻撃性を示すことがあるという事実を特に鑑みれば欠かせないことである。時間が経つにつれて、これが原因で繊維構造が損傷を受け、断熱要素の特性が損なわれることさえある。独国特許出願公開第19858201号明細書には、特に、多数の断熱パネルで構成されパレット状の構造物を含む大型パッケージが記述されている。この大型パッケージは、フィルムの密閉カバーに包まれる。このカバーは水蒸気が透過できる素材でできているため、凝縮により生成される水蒸気が大型パッケージの内部から外部へ逃げることができる。ある程度の大きさのパッケージユニット、特に、大型パッケージにカバーを施すことは、特別な包装設備を必要とする極めて困難な作業であるという事実の他にも、この種の大型パッケージには不利な点がさらにある。それは、断熱ロールまたは断熱パネルパケットは大型パッケージを覆うカバーに包まれている間は保護されるが、大型パッケージが一旦開けられた場合あるいは例えば損傷した場合、大型パッケージは特にその端部において保護されず、サブユニットが現場で保管・搬送されるということである。このような不利な点に加え、水が入る危険もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、大型パッケージまたはそのモジュール構成要素のいずれかの形式において、断熱製品に水が入ることを効果的に防止し、且つ、従来型の包装よりも構成が単純であり、それゆえ安価である、特にミネラルウール製の断熱製品を搬送・保管するための包装の一形式を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1および請求項18の特徴部分に含まれる特徴と、従属請求項に含まれる特徴を特徴とする本発明の有用な成果とにより、本発明に従って達成される。
【0006】
本発明によれば、好ましくは水蒸気は透過できるが水またはその他の流体は透過できない、防水性を有する、すなわち水を通さないカバーを用いて、大型パッケージ内の個々のモジュールを全体として保護することにより、大型パッケージに水が入ることを防止する。このカバーは個々のモジュールを完全に包むため、モジュールに含まれる断熱ロールまたは断熱パネルパケットに水が入ることを完全に防止することができる。このカバーがシュリンクフィルムなどのフィルムから成っていれば有利である。しかし、フィルムの端部を重ね合わせ、次に重なり合った領域において端部を互いに接着または溶着することにより、断熱ロールまたは断熱パネルパケットを包むフィルム状のカバーを閉じることもできる。
【0007】
このカバーは防水性を有するが、すなわち水を通さないが、内部から外部への湿気の移動が可能なように水蒸気が透過できることが好ましい。水蒸気が透過できるというこの特性により、大型パッケージの保管時に避けることができない水の凝縮が発生した場合に、モジュールまたは大型パッケージ内の湿気を高温で外部へ確実に逃がすことができる。本発明によるこの方法の別の利点は、完全に従来の方法で大型パッケージを包装できることである。さらに、ストラップリテイナ(保持具)またはフープを用いてモジュールを一緒に保持して大型パッケージを形成することもできる。言うまでもなく、必要であれば、次に後者の種類の大型パッケージをフィルムカバーで包装することができる。さらなる利点は、大型パッケージの周囲の外側フィルム包装が損傷した場合でも、モジュールがモジュールカバーにより効果的に保護されているため、損傷していないモジュールに水が入ることを防止できるということである。全般的に見て、本発明の方法を実施することにより、すなわちストラップリテイナまたはフープだけを用いて個々のモジュールを一緒に保持することにより、大型パッケージに外側フィルムカバーを用いなくても済み、そのため包装コストを削減できる。大型パッケージ用のこの形式の包装を用いれば、パレットを全く使用しないことも可能であり、クレーンやグリッパーを用いてストラップリテイナなどを含むユニット全体を搬送することもできる。
【0008】
本発明のさらなる成果において提供されるように、大型パッケージと個々のモジュール双方用のカバーは、湿気に適応できる材料、すなわち周囲湿度に応じて変化する水蒸気透過性を有する材料から成っていることが好適である。ここで、カバー周囲の外気の相対湿度が30〜50%の範囲である場合には、素材が2〜5mの拡散相当空気層厚さの水蒸気拡散抵抗を有し、相対湿度が60〜80%の範囲である場合、すなわち夏における状況においては、1m未満の拡散相当空気層厚さの水蒸気拡散抵抗を有することが好適である。この種のフィルムを用いれば、湿気と凝縮水の完全な乾燥が常に保証される。その結果、保管が長期にわたる場合でも断熱要素がその断熱特性を保持することを十分に保証することができる。湿気に適応できるカバーの場合、このカバーもフィルムから成っていれば好適である。フィルム素材には、ポリアミド、好ましくはポリアミド3、ポリアミド4、またはポリアミド6が特に適している。この種のフィルムを使用すれば、フィルムを捨てなくても済み、例えば急傾斜の屋根に適した防湿バリアなど別の目的に用いることができる。
【0009】
本発明のさらに有用な成果は、他の従属請求項における方法からもたらされる。
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、搬送・保管時に圧縮された形を維持するために、圧縮された状態でロール1に巻かれ、従来の方法でフィルム3に包まれた、ミネラルウール、特にガラス繊維製の断熱ブランケットを示している。フィルム3は、ロール1の円筒形外面を完全に覆い、断熱ロール2の端部4の一部分(符号数字3’で示している)を覆っている。断熱ロール用のカバーとして、重なり合う領域においてシュリンクフィルム、すなわち接着または熱融着されたフィルムが用いられる。適切なフィルム素材は、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリプロピレンおよび/またはポリアミドなどである。フィルム3の主な機能は、搬送・保管時に必要なスペースをなるべく節約できるように、きつく巻かれたロールの圧縮された状態を維持することである。フィルム3は同時に、製品名を表示する役割も果たす。製品名は、フィルム上に直接印刷することも、適切なラベルに印刷することもできる。
【0012】
スペースを節約する必要があるため、断熱ロールは通常、最大1:7以上の圧縮比をもたらす圧縮された状態で巻かれる。しかし、圧縮比を選択する際は、繊維複合材料が破損せず、巻きを解いた状態において断熱ブランケットが呼び厚さまで完全に弾性回復することが保証されるように注意を払う必要がある。
【0013】
図2は、モジュールの、本発明による実施形態を示している。ここではモジュールを、図1に示した種類の3個の断熱ロール用のパッケージユニットとして示している。このモジュールを全体的に符号数字5で示している。このモジュールは、それぞれがフィルム3に包まれた断熱ロール1を、図2の実施形態においてフィルム6により形成される完全に閉じたカバーに包むことにより形成される。このカバーは、隣り合う断熱ロール1の外周面と断熱ロールの端部4を覆う。端部4は既に、3’で示した領域においてフィルム3により部分的に覆われている。つまり、モジュール5を形成するために、フィルム6から成る包装材に断熱ロールのパケットが完全に囲まれる、すなわち包装される。このように形成されたモジュールは、上記の圧縮ステップを受けることもできる。7で示した継ぎ目領域において、フィルムの重なり合う領域が互いに溶着、シュリンク加工、接着、またはその他の適切な方法で接合される。図2の右側に示したように、フィルムが重なり合うことにより形成される露出した縁部8が外側に突出して、搬送・保管時のモジュールの取り扱いに役立つように、フィルム6の包装を構成すれば好適である。この目的のために、モジュール5を手でつかんで取り扱う作業を容易にする、例えば小穴9などの取り扱い手段をリブ状の突出縁部8に追加して設ければ有用である。必要であれば、例えば、ガラス繊維不織布などの不織布を間に入れることにより、縁部8を形成するためのこのフィルムの過剰部分を適切に強化することができる。しかし、7で示した領域において、パケットの端部のフィルム過剰部分を用いて、図示した縁部8に相当するリブ状または舌状の縁部を形成すれば有効である。
【0014】
図示した実施形態において3個の断熱ロール1が包装されてモジュール5を形成するが、モジュールの大きさが、モジュールを一人で搬送することができる大きさに限定されることを条件として、モジュールが2個〜4個、またはそれ以上の断熱ロールを有することも本発明の範囲内である。
【0015】
図3に示した実施形態は、隣り合うまたは積み重ねられた断熱パネル11から成る断熱パケット10を含んでいる。図1に示した実施形態と同様に、パケットの長い外面がフィルム3で覆われており、フィルムの折り重なる領域3’がパケットの2つの端部4を部分的にのみ覆っている。包装材として、この実施形態のように再びシュリンクフィルムを利用することができるが、重なり合う領域において接着またはその他の方法で適切に接合されるフィルムを利用することもできる。
【0016】
図4は、断熱パケット10を完全に囲む、すなわち長い側面と端部の両方において囲むフィルムカバー6により形成されるモジュール5を再び示している。図4に示した実施形態においても、取り扱いを容易にするためのリブ状の縁部8をフィルム過剰部分により形成すれば有効である。図4に示した実施形態においては、3個の断熱パケット(それぞれが2個〜10個、あるいはそれ以上の断熱パネルを含むことができる)が結束されてモジュール5を形成し、その状態で再び圧縮され、次にフィルムに囲繞される。モジュール5は2個〜4個、あるいはそれ以上の断熱パケットを有することができるが、この実施形態においても、図1および図2の実施形態と同じ制限が適用される。
【0017】
最も重要なことは、防水フィルムにより、あらゆる種類の水、特に雨水が入ることが防止されるように、両方の実施形態においてフィルムから成るモジュールカバーがケーシングと同様に、内部に収容する断熱ロールすなわちパケットを完全に囲むことである。さらに、このカバーは水蒸気が透過できるように設計することができる。この目的のために、湿気に適応できるカバー、すなわち周囲湿度に応じて変化する水蒸気透過性を有するカバーを用いれば有益であろう。ここで、カバー周囲の外気の相対湿度が30〜50%の範囲である場合には、2〜5mの拡散相対空気層厚さの水蒸気拡散抵抗(s値)を有し、相対湿度が60〜80%の範囲である場合には、1m未満の拡散相当空気層厚さの水蒸気拡散抵抗(s値)を有する、カバー6用の素材を用いれば好適である。一般に、冬期条件の下では湿度は30〜50%である。これらの条件において形成された拡散抵抗が原因で、好ましくはフィルムから成るカバーが不透過性を帯び、湿気の移動が妨げられる。湿度が60〜80%である夏季条件の下では、フィルムは再び透過性を帯び、水の凝縮により内部に集まった湿気がすべて外部へ逃げることができる。このように、外部から内部へは湿気が一切移動しないが、内部に集まった湿気が外部へ逃げることにより湿気がすべて乾燥されることが保証される。ポリアミド、特にポリアミド3、ポリアミド4、またはポリアミド6を主成分とするフィルムが特に適していることがわかっている。当然ながら、湿気に対応できるその他の素材、特にポリエステル、ポリプロピレン、またはポリエチレンから成る素材、あるいはコポリアミドまたはポリ塩化ビニルから成る素材を用いることもできる。カバーに使用される、湿気に適応できる素材の水蒸気拡散抵抗に関連して、水蒸気拡散抵抗についての測定技術が定められているドイツ工業規格52615に注目されたい。
【0018】
紫外線抵抗性も有するように使用するフィルムを構成することが有益である。これは、日照を多く受ける南国で大型パッケージを使用する場合に特に有効である。例えば、すすで基材を着色することにより、使用するフィルムに紫外線抵抗力を持たせることができれば有効である。ヒドロキシベンゾフェノンやヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールなどの紫外線安定剤を用いて耐光性を強化することもできる。
【0019】
言わば防水カバーに包まれる取り扱いやすいモジュールのおかげで、保持用ストラップ、フープ、フィルムテープなどの従来の包装材を用いて、積重体の状態で且つ隣り合った状態、またはそのどちらかの状態の複数のモジュールを有する大型パッケージを十分作成することができる。モジュールがこの方法で所定の位置に固定されモジュールに防水包装が施されているため、大型パッケージの外側カバーを用いなくても済むという利点がある。大型パッケージでも、モジュールのパケットが一緒にしっかりと保持され、例えばフォークリフトを用いるなど通常の方法でパケットを確実に扱うことができるように包まれているだけでよい。
【0020】
図5は大型パッケージを示しており、その最下層は、それぞれが順に3個の断熱ロールで構成される直立した3個のモジュールで構成されており、この層の上に、3個の隣り合う断熱ロールを有する水平に位置決めされたモジュールがあり、さらにこの上に、直立した3個の隣り合うモジュールを有する別の層がある。モジュールが互いに交差するように、すなわちモジュールの軸が互いに交差するように配置されているこの種の大型パッケージの特徴は、安定性が非常に高いということである。横方向に配置された中間層を省き、その代わりにモジュールの最上層を最下層に対して90°ずらせて配置することにより、高い安定性を実現することもできる。当然ながら、大型パッケージはこの種の交差配置に限定されるものではない。むしろ、本発明は他の方法で積み重ねられるモジュールにも適用可能である。図5に示した実施形態においては、フード状のカバー12によりモジュールが結合されて大型パッケージを形成する。この配置をさらに明確に示すために、個々のモジュールとモジュールに含まれる断熱ロールを点線で表している。それにより、交差配置、すなわち垂直方向と水平方向におけるモジュールの配向がはっきりとわかる。さらに明確にするために、大型パッケージのフィルムカバー12を破り取って内部が見えるようにしている。この大型パッケージは、必要に応じてカバー12に組み込むこともできるパレットに載せて搬送することができる。
【0021】
図5に示したフード状のカバー12の代わりに、ストラップリテイナまたは類似の保持手段を用いることもできる。図6および図7は、このような保持手段が施されたさらに2個の大型パッケージを図式的に示している。
【0022】
図6に図示的に示した大型パッケージにおいては、それぞれが4個の断熱パネルパケット10から成る3個のモジュール5’がパレット11上に上下に積み重ねられている。モジュールは、わずか2本のストラップリテイナ12によりパレット11上に保持されている。本発明において提供されるように、モジュールは防水フィルムに囲まれるため、外側カバーが不要であり、経済的に有利である。さらなる利点は、この方法で作成された大型パッケージは、符号数字13で示したように、クレーンまたはフォークリフトのフックを用いて搬送することもできるということである。建設現場またはホームセンターでストラップリテイナを解けば、防水包装が施されているため天候の如何にかかわらず、処理または販売に先立って個々のモジュール5’を簡便に取り扱い、陳列することができる。
【0023】
最後に図7に図示的に示した大型パッケージは、下部にパレットを必要としない包装の変形形態を示している。パレットの代わりに、フォークリフト用の持ち上げ点として、介在層14が中間に設けられており、その両側に2つのモジュール層5がある。介在層14は、例えば挿入開口15を備える厚紙から作成することができるし、あるいは、フォークリフトのフォークが貫通できる、ミネラルウールまたはプラスチック製の別個の断熱パネルにより形成することができる。パレットを必要としないこの大型パッケージはストラップリテイナ16により一体的に保持され、水が入るという危険性が一切なく戸外の湿った地面に放置することができる。なぜならば、本発明において提供されるように、個々のモジュール5とモジュールの最下層が防水包装を施されているからである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】圧縮された状態で巻かれて断熱ロールを形成する断熱ブランケットの斜視図である。
【図2】図1の断熱ロールを3つ有するモジュールを示している。
【図3】圧縮された状態で包装され、複数の隣り合うまたは積み重ねられた断熱パネルを有する断熱パケットを示している。
【図4】図3の断熱パケットを3つ有するモジュールの斜視図である。
【図5】互いに積み重ねてあるいは隣り合わせて配置される複数のモジュールで構成され、搬送・保管ユニットを形成する大型パッケージの概略図である。
【図6】それぞれ4個の断熱パネルパケットを有するモジュールが積み重ねられ、ストラップリテイナによりパレット上に保持されている、大型パッケージの概略図である。
【図7】フォークリフトで取り扱うための、介在層が中間に設けられており、その両側に2つのモジュール層があり、パレットを必要としない大型パッケージ全体がストラップリテイナにより保持されている、大型パッケージの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱要素、特にミネラルウール製の断熱ロールおよび断熱パネルの搬送・保管用の大型パッケージであって、並設され且つ積重体の状態で配置されるモジュールで構成されており、前記モジュールの各々はフィルムカバーにより結合される複数の、好ましくは2個〜5個の断熱ロールまたは断熱パネルパケットをそれぞれ有し、前記モジュールは包装要素により束ねられて保管・搬送ユニットを形成している前記大型パッケージにおいて、
前記モジュール(5)が、当該モジュールを完全に被包し且つ好ましくは水蒸気が透過できる防水カバー(6)により、全体として水の侵入から保護されることを特徴とする大型パッケージ。
【請求項2】
前記カバー(6)が、包装されて前記モジュール(5)を形成する好ましくは圧縮された断熱ロールまたは断熱パネルパケット(1、10)を完全に囲んでいることを特徴とする、請求項1に記載の大型パッケージ。
【請求項3】
前記モジュールの各々が2個〜5個またはそれ以上の断熱ロールまたは断熱パケット(1、10)を含み、前記断熱パケットの各々が2個〜10個またはそれ以上の断熱パネルを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の大型パッケージ。
【請求項4】
前記カバーがフィルムまたはホイルから成ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の大型パッケージ。
【請求項5】
フィルムまたはホイルの材料としてポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、またはポリアミドが使用されることを特徴とする、請求項4に記載の大型パッケージ。
【請求項6】
前記カバー(6)が、周囲の外気の相対湿度によって変化する水蒸気拡散抵抗を有する、湿気に適応できる素材から成ることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の大型パッケージ。
【請求項7】
前記防湿材周囲の外気の相対湿度が30〜50%の範囲である場合には、前記素材が、2〜5mの拡散相当空気層厚さの水蒸気拡散抵抗(s値)を有し、前記相対湿度が60〜80%の範囲である場合には、前記素材が、1m未満の拡散相当空気層厚さの水蒸気拡散抵抗(s値)を有することを特徴とする、請求項6に記載の大型パッケージ。
【請求項8】
前記素材がフィルムまたはホイルから成ることを特徴とする、請求項6または7に記載の大型パッケージ。
【請求項9】
前記素材が、ポリアミド3、ポリアミド4、ポリアミド6などのポリアミドを主成分とするフィルムまたはホイルであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の大型パッケージ。
【請求項10】
前記積重体の積み重ね安定性を高めるために、少なくとも幾つかの前記モジュール(5)が互いに交差するように配置される、すなわち前記モジュールの垂直方向と水平方向において交互に直立および横たえて配置されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の大型パッケージ。
【請求項11】
前記積重体の安定性を高めるために、前記積重体における前記モジュール(5)が直立しているが、互いに相対的にずらせて配置されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の大型パッケージ。
【請求項12】
前記断熱ロールまたは前記断熱パケットが1:7またはそれ以上の最大圧縮比、特に1:3.5以上の圧縮比で包装されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の大型パッケージ。
【請求項13】
前記モジュール(5)の前記フィルム又はホイルの包装が、重なり合う領域において溶着、シュリンク加工または接着されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の大型パッケージ。
【請求項14】
前記モジュールの前記フィルムの包装が、重なり合う領域において自己粘着性を有し、且つ接着剤をさらに必要とすることなく接触時に溶着するフィルムから成ることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の大型パッケージ。
【請求項15】
前記フィルムの過剰部分が少なくとも部分的に外側に突出してリブ状の把持用の縁部(8)を形成し、それにより、前記把持用の縁部において前記モジュールを把持することが可能になることを特徴とする、請求項13または14に記載の大型パッケージ。
【請求項16】
前記リブ状の縁部(8)に取り扱い手段、特に開口部(9)が、好ましくはフォークリフトのフォーク幅に合わせて間隔を空けて設けられていることを特徴とする、請求項15に記載の大型パッケージ。
【請求項17】
接着ラインまたは溶着部から前記フィルムの前記縁部まで測定した時に、前記フィルムの前記過剰部分が少なくとも5cm、好ましくは10cmであることを特徴とする、請求項12〜16のいずれか一に記載の大型パッケージ。
【請求項18】
パレットを有しておらず、
防水包装を有する積み重ねられた前記モジュール(5、5’)から成っており、
前記モジュール(5、5’)がストラップリテイナ(12、16)または類似の手段により互いに保持されることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の大型パッケージ。
【請求項19】
前記モジュールの層間に、好ましくは前記大型パッケージの中間に、フォークリフト用の持ち上げ点(15)として、介在層(14)が設けられていることを特徴とする、請求項18に記載の大型パッケージ。
【請求項20】
前記介在層(14)が、厚紙、パネル形状のミネラルウール、またはプラスチックから成ることを特徴とする、請求項19に記載の大型パッケージ。
【請求項21】
ミネラルウール断熱要素、特にカバー内に含まれる断熱ロールおよび断熱パネルの搬送・保管用のモジュールであって、大型パッケージ用に特に用いられるように設計された前記モジュールにおいて、
当該モジュールを完全に被包し且つ好ましくは水蒸気が透過できる防水カバー(6)により、全体として水の侵入から保護されることを特徴とするモジュール。
【請求項22】
前記カバーが上記の特徴に従って構成されることを特徴とする、請求項17に記載のモジュール。
【請求項23】
処分の手段として、特に急傾斜の屋根における防湿バリアとして用いられることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか1項に記載のカバーの使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−523582(P2006−523582A)
【公表日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505142(P2006−505142)
【出願日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004002
【国際公開番号】WO2004/092039
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(501085706)サン−ゴバン・イソベール (46)
【Fターム(参考)】