説明

モジュール型芳香装置

詰め替え可能な複数の香料ディスペンサ(104a,104b,104c)を有し、モジュラ筐体ユニット(102)に配置される香料分配ユニット(104)と、モジュラ筐体ユニット(102)に配置され、香料分配ユニット(104)が芳香の時空間的パターンを発生させ及び/又は該発生した芳香の時空間的パターンを取り除くように芳香装置(100)を制御するよう構成される制御ユニットとを有し、複数のモジュラ筐体ユニット(102a,102b,102c)が芳香性のタイルを形成するよう組み合わされている芳香装置(100)が開示される。開示される芳香装置は、雰囲気作りにおいて有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本対象は、モジュール型芳香装置に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許出願公開第2005/0185392号明細書(特許文献1)は、全体的な知覚効果を生み出すよう光及び香りの複合的な提示を生成する装置を開示している。開示されている装置は、有限なモジュール方式を有する。更に、開示される装置によって供給可能である芳香のスペクトルは制限されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0185392号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、モジュール式であり且つ幅広いスペクトルの芳香の生成を可能にする芳香装置を有することが有利である。
【0005】
然るに、本対象は、望ましくは、上記の欠点の1又はそれ以上を1つずつ又は組み合わせて軽減し、多少とも解決し、又は取り除こうとする。具体的に、本対象は、モジュール式であり且つ幅広いスペクトルの芳香の生成を可能にする芳香装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的及び他の幾つかの目的は、本対象の第1の側面において、詰め替え可能な複数の香料ディスペンサを有し、モジュラ筐体ユニットに配置される香料分配ユニットと、前記モジュラ筐体ユニットに配置され、前記香料分配ユニットが芳香の時空間的パターンを発生させ及び/又は該発生した芳香の時空間的パターンを取り除くように芳香装置を制御するよう構成される制御ユニットとを有する芳香装置によって得られる。
【0007】
開示される装置は、芳香の時空間的パターンを発生させるよう構成及び制御され得る複数の香料分配ユニットを有する。各香料分配ユニットは、ひと組の香料(少なくも1つの香料)を有することができる。更に、制御ユニットは、時間及び空間において変化することができる芳香を供給するよう芳香装置を制御することができる。このことは、時空間的な芳香の生成を可能にするとともに、ユーザの経験を豊かにすることができる。
【0008】
特許文献1は、芳香、光及び音の協調的な放出のための装置を開示している。放出される芳香のスペクトルは制限されている。他方で、開示される芳香装置では、供給される香料の配合は、香料分配ユニットの夫々から放出される香水の量を制御することによって適切に制御され得る。実例となる例として、香料ディスペンサ1からの香水のX%、香料ディスペンサ2からの香水のY%、香料ディスペンサ3からの香水のZ%が、より幅広いスペクトルの芳香を作り出すよう組み合わされてよい。
【0009】
複数の香料分配ユニットは、時間及び空間において変化する芳香を放出するよう制御されてよく、それにより、閉鎖領域の異なる部分において異なる効果が生じる。更に、香料分配ユニットの夫々から放出される香水の量を適切に制御することによって、香りは変化しうる。
【0010】
開示される芳香装置は、芳香を供給するのみならず、供給された芳香を取り除くことができる。芳香は、香料ディスペンサ内にある受動又は能動フィルタによって吸収されてよい。(空気及び芳香を吸い込む)ベンチレータ及び能動フィルタの組が存在してよい。他の可能性は光によって表される。光を用いると、原理上、香り微粒子を破壊することが可能である。更に、他の香料分配ユニットは、何らかの抗(anti-)芳香、すなわち、香料分配ユニットによって放出される芳香を覆い又は和らげる芳香、を放出することができる。
【0011】
開示される芳香装置はモジュラである。ここで、モジュラは、使用における柔軟性及び多様性を可能にする標準化された単位又は寸法を有して構成される芳香装置をいう。容易に複数のユニットを組み合わせることが可能である。モジュラユニット間の相互接続は、機械的、電気的、光学的及び/又は磁気的であってよい。
【0012】
開示される芳香コントローラにより生み出される時空間的な芳香空気は、人工的ではなく、より自然に現れるように作られ得る。
【0013】
実施形態において、複数のモジュラ筐体ユニットは、複数の制御ユニットが互いと通信し、互いとデータを交換し、有意に幅広いスペクトルの芳香の時空間的パターンを発生させるよう相互同期において動作するように、動作上相互接続され構成される。
【0014】
開示される芳香装置は、内蔵知能を有することができる。各芳香装置は、スタンドアローン型のユニットであってよく、複数の芳香装置は、そのモジュラ特性により、容易に組み合わされ、動作上相互接続され得る。制御ユニットは、互いと通信し、互いとデータを交換し、有意に幅広いスペクトルの芳香を発生させるよう相互同期において動作するよう構成されてよい。ここで、芳香のスペクトルは、特定の配合において様々な量の香水を組み合わせることによって得られる関連した芳香の範囲をいう。制御ユニットは複数の香料ディスペンサからの様々な香水の配合を調整し、有意に幅広いスペクトルの芳香を発生させることができるように知能が組み込まれてよい。
【0015】
開示される芳香装置は、例えば、
i.加法性
ii.相互積分性(mutual integrability)又は同期化
等のインテリジェント機能を有してよい。複数の芳香ディスペンサからの香水は、所望の芳香を得るよう適切に加えられ得る。更に、複数の芳香ディスペンサは、幅広いスペクトルの芳香の時空間的パターンを発生させるよう同期して動作するよう制御されてよい。
【0016】
更なる実施形態において、動作において、第1のモジュラ筐体ユニットの状態は、少なくとも1つの第2のモジュラ筐体ユニットの状態に依存し、該状態は前記制御ユニットの状態である。
【0017】
幾つかの実施形態において、ミクロ穴(micro-holes)が、望ましくは、前記モジュラ筐体ユニットの前面、背面及び側面に配置されてよい。ミクロ穴は、
i.香料ディスペンサに含まれる液体の空気中への放出
ii.空気清浄化のための香水(及び/又は塵埃)の吸い込み
iii.冷却
を可能にする。
【0018】
幾つかの実施形態において、香料分配ユニットは、アクチュエータによってアクティブにされてよく、該アクチュエータは、
・電場
・磁場
・機械場
・温度場
・光場
の中の少なくとも1つに基づく。香料分配ユニットは、アクチュエータを介して電子信号によってアクティブにされてよい。アクチュエータ動作は、電気、磁気、機械、温度又は光の場に基づく存在検出の結果であってよい。実例となる例として、圧電性周波数発生器は、香りの有効性を制御するよう、香料が分配される割合を調整することができる。
【0019】
更なる他の実施形態において、複数のモジュラ筐体ユニットは、前記複数の制御ユニットが、中央コントローラ又はコンピュータの制御下で協働し、前記中央コントトーラと通信し、前記有意に幅広いスペクトルの芳香の時空間的パターンを発生させるよう相互同期において動作するように、動作上相互接続される。
【0020】
幾つかの実施形態において、芳香装置は、モジュラ筐体ユニットの夫々の中に配置される複数の空気フィルタを有する。空気フィルタは清浄に有用である。空気フィルタは、香り微粒子又は空気汚染物質のためにそれらが飽和する時々に交換される必要がある。また、例えば、電圧が印加される又は化学物質が加えられる場合に、動作をリストアされる電解フィルタを使用することも可能である。代替的に、空気フィルタは、モジュラ筐体ユニットから離れた面に配置されてよい。また、香りのある空気を新鮮な空気と交換するようモジュラ筐体ユニットの後ろに空気ポンプシステムを配置することも可能である。
【0021】
更なる他の実施形態において、芳香装置は、
前記モジュラ筐体ユニットの夫々に配置され、ヒトの存在を検出するよう構成される存在センサと、
前記モジュラ筐体ユニットの夫々に配置され、当該芳香装置と前記ヒトとの間の距離を推定するよう構成される近接センサと
を更に有し、
前記複数の制御ユニットは、更に、前記推定された距離が所定の値よりも小さい場合に、前記有意に幅広いスペクトルの芳香の時空間的パターンを発生させるよう構成される。説明に役立つ例として、芳香装置は、ヒトと当該芳香装置との間の距離がXセンチメートルからYセンチメートルの間にある場合にのみ、香料を分配するよう構成されてよい。これは、当該芳香装置の使用を最適化し、香料を節約することができる。更に、それは、必要とされる場合にのみ、所望の芳香空気を作り出すのに役立つことができる。
【0022】
更なる他の実施形態において、芳香装置は、
前記モジュラ筐体ユニットの夫々に配置され、1若しくはそれ以上の色及び/又は1若しくはそれ以上の輝度レベルの放射を発生させるためにプロセッサによって制御可能な少なくとも1つの光源を有する少なくとも1つの照明ユニットを更に有し、
前記複数の制御ユニットは、更に、光パターンと芳香との間の時空間的相関を生成するよう構成される。一般に、環境の照明は、その環境に関連する雰囲気に有意な影響を有する。読書の助けとなる環境は、通常は明るく点灯し、ロマンスの助けとなる環境は、通常は薄暗く点灯する、等。輝度レベルに加えて、色彩コンテンツも環境の雰囲気に作用する。黄色又は赤色がかった光は、一般に、青色がかった光よりも暖かいと見なされる。同様に、光の飽和(白色コンテンツ)及び他のパラメータ(例えば、光の分散度)は、一般に雰囲気に作用しうる。この実施形態は、光の効果と芳香とを組み合わせることを可能にすることができ、光パターンと芳香との間の時空間的相関を生成して、ユーザ経験を豊かにすることができる。動的効果は知覚の飽和を防ぐことができる。
【0023】
更なる他の実施形態において、芳香装置は、
前記モジュラ筐体ユニットの夫々に配置され、当該芳香装置の近くの周辺光のレベルを検出するよう構成される複数のフォトセンサを更に有し、
前記複数の制御ユニットは、更に、前記周辺光の前記検出されたレベルに基づいて、光パターンと芳香との間の時空間的相関を生成するよう構成される。雰囲気は、検出された周辺光に基づいて動的に調整され得る。これは、くつろいだ、刺激的な及び魅惑的な雰囲気を作り出すことができる。
【0024】
更なる他の実施形態において、芳香装置は、
前記モジュラ筐体ユニットの夫々に配置され、複数の色及び/又は色の組合せを検出し、該検出された複数の色を区別するよう構成される複数の色センサを更に有し、
前記複数の制御ユニットは、更に、前記検出された複数の色及び/又は前記検出された色の組合せに基づいて、光パターンと芳香との間の時空間的相関を生成するよう構成される。
【0025】
更なる他の実施形態において、第1のモジュラ筐体ユニットの状態は、少なくとも1つの第2のモジュラ筐体ユニットの状態に依存し、該状態は、芳香及び光の組合せを表す前記制御ユニットの状態である。前記制御ユニットは、光の効果及び香料の散布を調整するよう協働し、それにより所望の芳香空気を実現する処理を簡単化することができる。
【0026】
更なる他の実施形態において、芳香装置は、
前記モジュラ筐体ユニットの夫々に配置され、音を発生させるためにプロセッサによって制御可能な少なくとも1つの音源を有する少なくとも1つの音声発生器ユニットを更に有し、
前記複数の制御ユニットは、更に、光パターン、音及び芳香の間の時空間的相関を生成するよう構成される。この実施形態は、前記モジュラ筐体ユニットが、光パターンと芳香との間の時空間的相関を生成するよう、互いと通信し、互いとデータを交換し、互いに協働することを可能にする。これは、ユーザ経験を豊かにすることができる。
【0027】
幾つかの実施形態において、芳香装置は、
前記モジュラ筐体ユニットの夫々に配置され、複数の音及び/又は音の組合せを検出し、該検出された複数の音及び/又は該検出された音の組合せを区別するよう構成される少なくとも1つの音声センサを更に有し、
前記複数の制御ユニットは、更に、前記検出された音及び/又は前記検出された音の組合せに基づいて、光パターン、芳香及び音の間の時空間的相関を生成するよう構成される。
【0028】
更なる他の実施形態において、第1のモジュラ筐体ユニットの状態は、少なくとも1つの第2のモジュラ筐体ユニットの状態に依存し、該状態は、芳香、光及び音の組合せを表す前記制御ユニットの状態である。この実施形態は、前記モジュラ筐体ユニットが、光パターン、芳香及び音の間の時空間的相関を生成するよう、互いと通信し、互いとデータを交換し、互いに協働することを可能にする。
【0029】
更なる他の実施形態において、前記複数のモジュラ筐体ユニットは、望ましくは正方形/長方形であり、芳香性のタイルを形成するよう組み合わされてよく、該芳香性のタイルは、閉鎖領域、望ましくは部屋、の壁に配置される。複数の筐体ユニットを寄せ集めることが可能である。前記モジュラ筐体ユニットの夫々は、複数の香料ディスペンサと、複数の光ユニットと、複数の音声発生器とを有してよい。各モジュラ筐体ユニットは、自己充足的であってよく、モジュラの組合せは壁を覆うことができ、適切な雰囲気を作り出すよう構成されてよい。光の効果と芳香とを組み合わせることが可能である。1つの可能な実施は、インテリジェント芳香性タイルの形をとってよい。かかるタイルは、音により拡張されてよい。モジュラ筐体ユニットは正方形型を有し、壁を形成するよう配置されてよい。モジュラは、大域的パターンがより高いレベルで認識されるように光を発するよう構成されてよい。特定のアルゴリズム又は他のモジュラ筐体ユニット間の通信に従って、芳香が各モジュラ筐体ユニットから同時に発せられる場合は、光パターン、音及び放出される芳香の間の時空間的相関を生成することが可能である。映画を観ている又は音楽を聴いているときの人々における注意のレベルは、何らかの芳香が提供される場合に大いに高められ得る。しかし、芳香は、提示されるコンテンツとの(論理的、感情的)関係を有するべきであり、長い時間にわたって残存すべきでない。
【0030】
音響パターンと組み合わせて部屋の壁に沿って対象の時空間的な芳香画像(例えば、花の画像)を生成することも可能である。これは、ユーザ経験を更に豊かにすることができる。画像を表示するタイルの組を有する場合に、芳香の放出がゆっくりとした拡散プロセスとして低圧で起こるならば、短距離(タイルの近く)において、芳香は、該芳香を発するタイルの近くの空間において局在すると考えられる。これは、タイルによって表示される画像の芳香空間マップをもたらす。距離が大きくなると、異なる方向の組合せを有することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本対象の実施形態に従う芳香装置の例を概略的に表す。
【図2】本対象の更なる実施形態に従う芳香装置の例を概略的に表す。
【図3】本対象に従う芳香装置の実施形態の例を概略的に表す。
【図4】本対象に従う芳香装置の実施形態の例を概略的に表す。
【図5】本対象に従う芳香装置の実施形態の例を概略的に表す。
【図6】本対象に従う芳香装置の実施形態の例を概略的に表す。
【図7】本対象に従う芳香装置の実施形態の例を概略的に表す。
【図8】本対象に従う芳香装置の実施形態の例を概略的に表す。
【図9】本対象に従う芳香装置の実施形態の例を概略的に表す。
【図10】本対象に従う芳香装置の実施形態の例を概略的に表す。
【図11】閉鎖領域の壁に配置される芳香性タイルの形をとる芳香装置の実施例を概略的に表す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
上記及び他の側面、特徴及び利点は、単に一例として、添付の図面を参照して、以下の記載によって更に説明される。図面において、同じ参照符号は、同じ又は類似する部分を示す。
【0033】
ここで、図1を参照して、芳香装置100は、
1.モジュラ筐体ユニット102と、
2.複数の香料ディスペンサ104a、104b及び104cを有する香料分配ユニット104と
3.制御ユニット106と
を有する。複数の香料ディスペンサ104a、104b及び104cは、ゲル又は液体形状を含む多数の従来形状の中のいずれか1つにおいて香水を保持してよい。香料ディスペンサはアクチュエータによってアクティブにされ得、香料は気化されて外部に排出され得る。アクチュエータ動作は、電場、磁場、機械場、温度及び光場の中の少なくとも1つに基づいてよい。制御ユニット106は、ハードウェアにおいて又はソフトウェアにおいて実施されてよい。制御ユニット106は、香料分配ユニット104が芳香の時空間的パターンを発生させ及び/又は該発生した芳香の時空間的パターンを取り除くように芳香装置100を制御するよう構成されてよい。
【0034】
ここで、図2を参照して、複数のモジュラ筐体ユニット102a、102b及び102cは、複数の制御ユニット106a、106b及び106cが、(有線又は無線通信により)互いと通信し、(従来の通信プロトコルにより)互いとデータを交換し、有意に幅広いスペクトルの芳香の時空間的パターンを発生させるよう相互同期において動作するように、動作上相互接続され構成されてよい。移動することができる、すなわち、時間中自身の空間分布を変化させることができる芳香の空間パターンを作り出すことが可能である。
【0035】
開示される芳香装置は、内蔵知能を有してよい。各芳香装置はスタンドアローン型のユニットであってよく、複数の芳香装置は、そのモジュラ特性により容易に組み合わされて動作上相互接続されてよい。制御ユニットは、互いと通信し、互いとデータを交換し、有意に幅広いスペクトルの芳香を発生させるよう相互同期において動作するよう構成されてよい。ここで、芳香のスペクトルは、特定の配合において様々な量の香水を組み合わせることによって得られる関連する芳香の範囲を有する。知能は、制御ユニットが、複数の香料ディスペンサからの様々な香水の配合を調整して、有意に幅広いスペクトルの芳香を生成することができるように、組み込まれてよい。
【0036】
開示される芳香装置は、例えば、
i.加法性
ii.相互積分性(mutual integrability)又は同期化
等のインテリジェント機能を有してよい。複数の芳香ディスペンサからの香水は、所望の芳香を得るよう適切に加えられ得る。更に、複数の芳香ディスペンサは、幅広いスペクトルの芳香の時空間的パターンを発生させるよう同期して動作するよう制御されてよい。
【0037】
ここで、図3を参照して、複数のミクロ穴302a、302b、302c、302d、302e、302f、302g及び302hは、望ましくは、各モジュラ筐体ユニットの前面、背面及び側面に配置されてよい。ミクロ穴は、
i.香料ディスペンサに含まれる液体の空気中への放出
ii.空気清浄化のための香水(及び/又は塵埃)の吸い込み
iii.冷却
を可能にする。
【0038】
ここで、図4を参照して、複数のモジュラ筐体ユニット102a、102b、102c及び102dは、複数の制御ユニット106a、106b、106c及び106dが、中央コントローラ又はコンピュータ402の制御下で協働し、外部の中央コントローラと通信し、有意に幅広いスペクトルの芳香の時空間的パターンを発生させるよう中央コントローラとの相互同期において動作するように、動作上相互接続されてよい。
【0039】
ここで、図5を参照して、複数の空気フィルタ502a、502b、502c、502d、502e、502f、502g及び502hは、モジュラ筐体ユニットの夫々の内部に配置されてよい。空気フィルタは、清浄において有用である。空気フィルタは、香り微粒子又は空気汚染物質のためにそれらが飽和する時々に交換される必要がある。また、例えば、電圧が印加される又は化学物質が加えられる場合に、動作をリストアされる電解フィルタを使用することも可能である。代替的に、空気フィルタは、モジュラ筐体ユニットから離れた面に配置されてよい。また、香りのある空気を新鮮な空気と交換するようモジュラ筐体ユニットの後ろに空気ポンプシステムを配置することも可能である。
【0040】
ここで、図6を参照して、存在センサ602が、モジュラ筐体ユニットの夫々に配置されてよい。存在センサ602は、ヒトの存在を検出するよう構成される。
【0041】
近接センサ604が、モジュラ筐体ユニットの夫々に配置されてよい。近接センサ604は、芳香装置とヒトとの間の距離を推定するよう構成される。
【0042】
複数の制御ユニット106a、106b及び106cは、更に、その推定される距離が所定の値よりも小さい場合に、有意に幅広いスペクトルの芳香の時空間的パターンを発生させるよう構成されてよい。説明に役立つ実例として、芳香装置は、ヒトの芳香装置との間の距離が10ナノメートルから2000ナノメートルの間にある場合にのみ香水を分配するよう構成されてよい。これは、芳香装置の使用を最適化し、香水を節約することができる。更に、それは、必要とされる場合に所望の芳香空気を作り出すのに役立つことができる。
【0043】
ここで、図7を参照して、少なくとも1つの照明ユニット702が、モジュラ筐体ユニットの夫々に配置されてよい。少なくとも1つの照明ユニット702は、1若しくはそれ以上の色及び/又は1若しくはそれ以上の輝度レベルの放射を発生させるようプロセッサ706によって制御可能な少なくとも1つの光源704を有する。複数の制御ユニット106a、106b及び106cは、更に、光パターンと芳香との間の時空間的相関を生成するよう構成されてよい。
【0044】
ここで、図8を参照して、複数のフォトセンサ802a、802b、802c、802d、802e、802f、802g及び802hが、モジュラ筐体ユニットの夫々に配置され、芳香装置の近くの周辺光のレベルを検出するよう構成されてよい。複数の制御ユニット106a、106b及び106cは、更に、周辺光の検出されたレベルに基づいて、光パターンと芳香との間の時空間的相関を生成するよう構成されてよい。説明に役立つ実例として、会議室における照明及び香りは、特定の会議目的に寄与する環境を提供するよう調整されてよい。例えば、交渉会議が計画される場合は、部屋の色は青色に設定されてよく、カモミール、ラベンダー及びセージの芳香混合が部屋全体に生成されてよい。他方で、政策決定会議が計画される場合は、部屋の色は赤色に設定されてよく、レモン、ローズマリー及びシダーの芳香混合が提供されてよい。代替的に、アイディア出し会議が計画される場合は、部屋の色は黄色に設定されてよく、ベルガモット、オレンジ及びローズウッドの芳香混合が提供されてよい。
【0045】
ここで、図9を参照して、複数の色センサ902a、902b、902c、902d、902e、902f、902g及び902hが、モジュラ筐体ユニットの夫々に配置され、複数の色及び/又は色の組合せを検出して、該検出された複数の色を区別するよう構成されてよい。複数の制御ユニット106a、106b及び106cは、更に、検出された複数の色及び/又は検出された色の組合せに基づいて、光パターンと芳香との間の時空間的相関を生成するよう構成されてよい。
【0046】
ここで、図10を参照して、少なくとも1つの音声発生器ユニット1010が、モジュラ筐体ユニットの夫々に配置されてよい。少なくとも1つの音声発生器ユニット1010は、音を生成するようプロセッサ1030によって制御可能な少なくとも1つの音源1020を有する。更に、複数の制御ユニット106a、106b及び106cは、光パターン、音及び芳香の間の時空間的相関を生成するよう構成されてよい。
【0047】
また、モジュラ筐体ユニットの夫々に配置される少なくとも1つの音声センサを設けることも可能である。音声センサは、複数の音及び/又は音の組合せを検出して、該検出された複数の音及び/又は該検出された音の組合せを区別するよう構成されてよい。更に、複数の制御ユニットは、検出された複数の音及び/又は検出された音の組合せに基づいて、光パターン、芳香及び音の間の時空間的相関を生成するよう構成されてよい。
【0048】
ここで、図11を参照して、複数のモジュラ筐体ユニット102a、102b及び102cは、望ましくは正方形/長方形であってよく、芳香性のタイル2010を形成するよう組み合わされてよい。芳香性のタイルは、閉鎖領域、望ましくは部屋、の壁に配置される。複数の制御ユニット106a、106b及び106cは、音響パターンと組み合わせて部屋の壁に沿って対象の時空間的な芳香画像(例えば、花の画像)を発生させるように、(有線又は無線通信により)互いと通信し、(従来の通信プロトコルにより)互いとデータを交換し、相互同期において動作するよう構成されてよい。
【0049】
一般に、圧電作動型噴霧デバイス、蒸発デバイス、熱支援型蒸発デバイスを含む香料ディスペンサを構成する従来技術が参考にされてよい。更に、光、音及び芳香の放出を制御するための制御ユニットの構成要素は、従来技術を用いて多数の方法において動作するよう構成されてよい。制御ユニット、香料ディスペンサ及び他のハードウェアユニットを構成する従来技術が、開示される芳香装置にそれらを同様に組み込むかの例を提供するために参考にされてよい。
【0050】
要約すると、詰め替え可能な複数の香料ディスペンサを有し、モジュラ筐体ユニットに配置される香料分配ユニットと、前記モジュラ筐体ユニットに配置され、前記香料分配ユニットが芳香の時空間的パターンを発生させ及び/又は該発生した芳香の時空間的パターンを取り除くように芳香装置を制御するよう構成される制御ユニットとを有する芳香装置が開示されている。開示される芳香装置は、雰囲気作りにおいて有用である。
【0051】
芳香装置は、香料ディスペンサ、光源及び音声生成器を有する複数のモジュラ筐体ユニットが、光パターン、音及び芳香の間の時空間的相関を生成するよう制御され得るネットワーク化されたシステムとして提供されてよい。ネットワーク化されたシステムは内蔵知能を有してよい。一例として、モジュラ筐体ユニットの中の1つが機能しなくなり、又は欠陥がある場合に、制御ユニットは、データを交換して芳香を供給する他のモジュラ筐体ユニットを選択することができる。複数の制御ユニット間の通信は、また、光、芳香及び音の様々な組合せを発することができる単一の芳香装置において具現されてもよい。開示される対象は、芳香装置のユーザが存在する環境の周辺雰囲気を制御することを可能にする。
【0052】
本対象は、
i.映画館、
ii.ホームマルチメディアセンタ、
iii.ホームショッピングセンタ、
iv.双方向広告、
v.ゲストに個別のルームサービスを提供するホテル、
vi.販売場所情報に関する広告、
vii.織物、皮革及び他のショールーム、
viii.寝室セッティングの開発
において使用されてよい。
【0053】
特許請求の範囲は、特徴の具体的な組合せに対して本願において明確に表しているが、本対象の開示の適用範囲は、いずれかの請求項で目下請求されている同じ対象に関連しようとしなかろうと、且つ、本対象と同じ技術的課題の一部又は全てを軽減しようとしなかろうと、明示的に若しくは暗示的にここで開示されている何らかの新規の特徴若しくは特徴の何らかの新規の組合せ、又はそれらの何らかの一般化を含むと解されるべきである。
【0054】
更に、本対象は図面及び上記説明において詳細に説明されているが、これらの説明は、限定ではなく、単なる例示と見なされるべきであり、本対象は、開示される実施形態に限定されない。開示される実施形態に対する他の変形は、図面、明細書及び特許請求の範囲を参酌して、請求される対象を実施する当業者によって理解され達成されてよい。一例として、開示される芳香装置は、例えばテレビ受像機及びコンピュータモニタ等の既存の製品と一体化されてよい。実例として、芳香装置は、テレビ画面の周辺に配置されてよく、放送内容に基づいて芳香の時空間的パターンを発生させるよう構成されてよい。また、開示される芳香装置をコンピュータモニタのディスプレイユニットに組み込むことも可能である。芳香装置は、ディスプレイの内容、例えば、電子メールメッセージの内容に基づいて、芳香の時空間的パターンを発生させるよう構成されてよい。更に、単一ユニットが、特許請求の範囲に挙げられている複数の事項の機能を果たしてよい。ある手段が相互に異なる従属請求項で挙げられている単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用され得ないことを示すわけではない。
【0055】
動詞「有する(comprise)」及びその活用形の使用は、特許請求の範囲及び明細書で述べられている以外の要素の存在を排除しない。要素又はステップの前に付された不定冠詞「1つの(a又はan)」の使用は、かかる要素又はステップの複数個の存在を排除しない。図面及び明細書は、単なる例示と見なされるべきであり、本対象を限定しない。特許請求の範囲における如何なる参照符号も、技術的範囲を制限するよう解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
詰め替え可能な複数の香料ディスペンサを有し、モジュラ筐体ユニットに配置される香料分配ユニットと、
前記モジュラ筐体ユニットに配置され、前記香料分配ユニットが芳香の時空間的パターンを発生させ及び/又は該発生した芳香の時空間的パターンを取り除くように芳香装置を制御するよう構成される制御ユニットと
を有する芳香装置。
【請求項2】
複数のモジュラ筐体ユニットは、複数の制御ユニットが互いと通信し、互いとデータを交換し、有意に幅広いスペクトルの芳香の時空間的パターンを発生させるよう相互同期において動作するように、動作上相互接続され構成される、
請求項1に記載の芳香装置。
【請求項3】
動作において、第1のモジュラ筐体ユニットの状態は、少なくとも1つの第2のモジュラ筐体ユニットの状態に依存し、該状態は前記制御ユニットの状態である、
請求項2に記載の芳香装置。
【請求項4】
ミクロ穴が、望ましくは、前記モジュラ筐体ユニットの前面、背面及び側面に配置される、
請求項3に記載の芳香装置。
【請求項5】
前記複数のモジュラ筐体ユニットは、前記複数の制御ユニットが、中央コントローラ又はコンピュータの制御下で協働し、前記中央コントトーラと通信し、前記有意に幅広いスペクトルの芳香の時空間的パターンを発生させるよう相互同期において動作するように、動作上相互接続される、
請求項2に記載の芳香装置。
【請求項6】
前記モジュラ筐体ユニットの夫々に配置され、ヒトの存在を検出するよう構成される存在センサと、
前記モジュラ筐体ユニットの夫々に配置され、当該芳香装置と前記ヒトとの間の距離を推定するよう構成される近接センサと
を更に有し、
前記複数の制御ユニットは、更に、前記推定された距離が所定の値よりも小さい場合に、前記有意に幅広いスペクトルの芳香の時空間的パターンを発生させるよう構成される、
請求項5に記載の芳香装置。
【請求項7】
前記モジュラ筐体ユニットの夫々に配置され、1若しくはそれ以上の色及び/又は1若しくはそれ以上の輝度レベルの放射を発生させるためにプロセッサによって制御可能な少なくとも1つの光源を有する少なくとも1つの照明ユニットを更に有し、
前記複数の制御ユニットは、更に、光パターンと芳香との間の時空間的相関を生成するよう構成される、
請求項6に記載の芳香装置。
【請求項8】
前記モジュラ筐体ユニットの夫々に配置され、当該芳香装置の近くの周辺光のレベルを検出するよう構成される複数のフォトセンサを更に有し、
前記複数の制御ユニットは、更に、前記周辺光の前記検出されたレベルに基づいて、光パターンと芳香との間の時空間的相関を生成するよう構成される、
請求項7に記載の芳香装置。
【請求項9】
前記モジュラ筐体ユニットの夫々に配置され、複数の色及び/又は色の組合せを検出し、該検出された複数の色を区別するよう構成される複数の色センサを更に有し、
前記複数の制御ユニットは、更に、前記検出された複数の色及び/又は前記検出された色の組合せに基づいて、光パターンと芳香との間の時空間的相関を生成するよう構成される、
請求項8に記載の芳香装置。
【請求項10】
動作において、第1のモジュラ筐体ユニットの状態は、少なくとも1つの第2のモジュラ筐体ユニットの状態に依存し、該状態は、芳香及び光の組合せを表す前記制御ユニットの状態である、
請求項9に記載の芳香装置。
【請求項11】
前記モジュラ筐体ユニットの夫々に配置され、音を発生させるためにプロセッサによって制御可能な少なくとも1つの音源を有する少なくとも1つの音声発生器ユニットを更に有し、
前記複数の制御ユニットは、更に、光パターン、音及び芳香の間の時空間的相関を生成するよう構成される、
請求項10に記載の芳香装置。
【請求項12】
動作において、第1のモジュラ筐体ユニットの状態は、少なくとも1つの第2のモジュラ筐体ユニットの状態に依存し、該状態は、芳香、光及び音の組合せを表す前記制御ユニットの状態である、
請求項11に記載の芳香装置。
【請求項13】
前記複数のモジュラ筐体ユニットは、望ましくは正方形/長方形であり、芳香性のタイルを形成するよう組み合わされ、該芳香性のタイルは、閉鎖領域、望ましくは部屋、の壁に配置される、
請求項12に記載の芳香装置。
【請求項14】
前記複数の制御ユニットは、互いと通信し、互いとデータを交換し、音響パターンと組み合わせて前記部屋の壁に沿って対象の時空間的な芳香画像を生成するよう相互同期において動作する、
請求項13に記載の芳香装置。
【請求項15】
請求項1に記載の芳香装置を制御する実行可能なコードを有するソフトウェアプログラムであって、
該制御は、前記香料分配ユニットが芳香の時空間的パターンを発生させ及び/又は該発生した芳香の時空間的パターンを取り除くように前記芳香装置を制御することを含む、ソフトウェアプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−506282(P2012−506282A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532743(P2011−532743)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054508
【国際公開番号】WO2010/046810
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】