説明

モジュール式眼内レンズインジェクター

【課題】プランジャーの優れたガイダンスを提供し、その一方で単純な構造を有する眼内レンズインジェクターを提供する。
【解決手段】ガイドエレメント30をプランジャー50の遠位端部に接続して、長手方向の軸に沿った移動の間に側面からプランジャーをガイドする。ガイドエレメントの遠位端部は、プランジャー針をガイドエレメントに固定するための固定構造を有する。半径方向のガイドピン40は、本体10に対するプランジャーのねじれを防止し、プランジャーにガイドエレメントを固定するように、ガイドエレメントの半径方向の穴およびプランジャーの穴中で一直線に保持され、本体の軸方向のスロット17の中に伸長する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白内障手術の間に患者の目の中へ人工眼内レンズを挿入するための装置に関する。このタイプの装置は多くの場合概して眼内レンズインジェクターと称される。
【背景技術】
【0002】
白内障手術において、患者の目の中の不透明な自然レンズは人工眼内レンズ(IOL)で置換される。この手技において、自然レンズは、通常水晶体乳化法によって、最初に除去される。次いで、人工IOLが挿入される。様々な技法を挿入工程のために使用することができる。伝統的に、外科医は外科手術鉗子の補助によってレンズを目の中に導入してきた。あるいは、以下においてIOLインジェクターと称される、特別に適合した挿入装置を使用することができる。このような装置は一般に、スリーブ様本体、および小径ノズルを通して変形させた(例えば、巻かれたかまたは折り畳まれた)状態で患者の目の中へIOLを前進させるための本体内で軸方向に変位可能なプランジャーを含む。次いで、目の中でレンズを展開させる。ノズル(それは小さな切開を介して目の中に導入される)の直径は多くの場合、大きくとも1.5ミリメートルである。
【0003】
様々な異なるインジェクターが当該技術分野において公知である。いくつかの実施例において、プランジャーはネジ山を介して本体に接続される。プランジャーは、プランジャーの近位端部を回転させることによって軸方向に前進し、ネジ山は回転を軸方向の変位へと変換する。このような装置はプランジャーの正確なガイドを可能にするが、外科医は装置を操作するために両手を必要とし、操作の間に装置を真っすぐに保持するのは比較的困難である。
【0004】
それゆえ、片手操作を可能にするシリンジ様インジェクターが考案された。これらの装置は、近位プランジャー頭部を単純に押し出すことによって前進させることができる摺動可能なプランジャーを含む。使用においては、同じ手の親指によりプランジャー頭部を圧迫しながら、外科医は人差し指と中指との間で本体を保持して、本体内のプランジャーを前進させる。これは非常に微妙な制御を必要とする非常に繊細な作業である。特に、外科医が「オーバーシュート」させ、それによって変形したレンズが制御不可能な様式でノズルから飛び出ることを避けなくてはならない。
【0005】
制御を改善するために、本体内のプランジャーをガイドするための様々な手段が考案されてきた。
【0006】
米国特許US7,097,649は、本体および本体内に移動可能に配置されたプランジャーを含むIOLインジェクターを開示する。プランジャーは、本体の後部に配置されたボールベアリングブッシュを用いて本体内でガイドされる。プランジャーは直線で構成されたガイド溝を備えて提供される。ボールベアリングブッシュ内にまたはボールベアリングブッシュの外部に、プランジャーを本体に対して回転固定された状態に維持するためにバネ荷重された球体の形態でガイドエレメントが提供される。
【0007】
米国特許US6,203,549は、本体、プランジャーおよび中心ロッド(プランジャー針)を備えた、眼内レンズの目の中への挿入のための装置を開示する。中心ロッドは、プランジャーの前端へドリルで穿孔した中心孔の中へ嵌合され、摩擦溶接によって固定される。その長さに沿って2つの位置で、プランジャーはプランジャーを本体にガイドするためのブッシュを保有する円周に沿った溝を有する。ストップピンは、その後方端部で本体の壁を介して半径方向に伸長し、プランジャー中の溝の中に突出して、プランジャーが回固定された状態に維持されるように作用し、ストップとしてプランジャーの前方および後方の両方向の移動を限定するように働く。
【0008】
米国特許US5,807,400は、本体およびその中の変位可能なプランジャーを備えた、眼内レンズの目の中への挿入のための装置を開示する。プランジャーは2つの部分から成り、これは1体型構造を有することができるか、または個別の2部分がいくつかの好適な様式において(例えば締りばめ、スナップフィットまたはキー溝型接続によって)ともに接続されるように作製することができる。プランジャーの後方部分は十字形の断面を有しており、同様に十字形の断面を有するプランジャーガイド中で本体にガイドされて、プランジャーおよび本体の相対的回転を防止する。
【0009】
米国特許US2010/312254は、内壁によって囲まれた穴を有するインジェクター本体を含む眼内レンズ送達システムを開示する。このシステムは、穴内で嵌合するように構成されたプランジャーをさらに含む。このシステムは、プランジャーに接続され、そして内壁と接触し、プランジャーが穴内に挿入されるときに偏向するように構成された複数の偏向可能部材も含む。偏向可能部材はプランジャーを中心におき、プランジャーの前進に抵抗する所定の力の発生に寄与する。
【0010】
米国特許US2010/305577は、再使用可能なプランジャーベースセグメントからツイストロックタイプ接続を通して取り付け及び取り除くことができる使い捨てのプランジャー先端部セグメント(プランジャー針)を含む複数セグメントプランジャーを備えた、眼内レンズ送達システムを開示する。
【0011】
WO2010/039841は、インジェクター本体、プランジャーおよびプランジャー環から成る、IOLインジェクターを開示する。プランジャーは、プランジャーボディ、プランジャーシャフトおよびプランジャー先端部から成る。環は孔またはチャンネルから成り、それを貫通してプランジャーシャフトが伸長する。プランジャーシャフトは、摺動可能に、摩擦によって環と係合される。プランジャーおよび環は、環の外面が第1の場所(ここで先端部は充填口に配置されたIOLの近位である)から第2の場所(ここでストップは環と干渉する)へ管腔壁内で滑らかに摺動することができるように、インジェクター本体の管腔内に配置される。環は、インジェクター本体に対してプランジャーを回転固定されるように、管腔の寸法と実質的に等しい外部寸法を有する。
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は本体中のプランジャーの優れたガイダンスを提供し、その一方で単純な構造を有するIOLインジェクターを提供することである。
【0013】
この目的は、請求項1または請求項14に記載の特徴を有する装置によって達成される。本発明のさらなる実施形態は従属クレームにおいて規定される。したがって、第1の態様において、本発明は、眼内レンズを目の中へ挿入するための装置であって、長手方向の軸に沿って伸長する通路(好ましくは、筒部の側壁の円筒状の内面によって境界を定められる)を規定する筒部を有する本体;
該通路中に移動可能に収容されたプランジャー、ここで該プランジャーは遠位端部を有し、本体中にプランジャーを長手方向の軸に沿って手動で前方へ圧迫するための近位端部(またはプランジャー頭部)を有する;
該プランジャーの遠位端部に接続されたガイドエレメント、ここで該ガイドエレメントは該プランジャーから分離した構造であり、長手方向の軸に沿った移動の間に側面から該プランジャーをガイドする(好ましくは、ガイドエレメントと筒部の内面間の直接的な接触によって)近位端部および遠位端部を有し、その遠位端部が該ガイドエレメントへのプランジャー針の固定のための固定構造を有する;
を含む装置を提供する。
【0014】
ガイドエレメントはしたがって二重の目的を満たす。第1の態様において、ガイドエレメントは、本体への軸方向の移動のためにプランジャーをガイドし、一方同時に、第2の態様において、ガイドエレメントはプランジャー針(それは一般に一回の使用の後に交換される使い捨ての部分である)を放出可能に保有する。
【0015】
最も単純な場合において、固定構造はガイドエレメント中に第1の長手方向の穴を含むことができ、この第1の長手方向の穴はガイドエレメントの遠位端部に向かって開口する。次いで、プランジャー針は摩擦嵌合によって穴中で単純に保持される。他の実施形態において、プランジャー針はネジ接続を介して穴の中にネジ留めすることができるか、またはバヨネットタイプカップリングもしくはツイストロック接続が提供される。
【0016】
ガイドエレメントはガイドエレメントの近位端部に向かって開口した第2の長手方向の穴を有することができる。2つの穴はめくら穴であり得るか、または接続させて単一の貫通孔を形成することができる。次いで好ましくは、プランジャーは第2の軸方向の穴の中に伸長する遠位締め付け部分を有する。
【0017】
プランジャーを回転から守るために、本体の筒部は、筒部の内面中に実質的に軸方向の内部溝または筒部の側壁中に実質的に長手方向のスロットを備えて提供することができ、ガイドエレメントは、本体に対するプランジャーのねじれを防止するように該溝またはスロットの中に横方向に伸長する横方向に突出したストップエレメントを保有し得る。この場合、ガイドエレメントは、プランジャーをガイドすること、プランジャー針を保持すること、およびプランジャーを回転から守ることという三重の機能をも果す。これらの3つの機能は、非常に単純で洗練された様式において単一のエレメント中に一体化され、インジェクターが外科医のために優れた制御を提供しながら非常に単純な様式で組み立てられ分解される(例えば洗浄目的のために)ことを可能にする。
【0018】
特に有利な実施形態において、ガイドエレメントは半径方向の穴を有し、ストップエレメントは、該半径方向の穴の中に伸長するガイドピンを含む(好ましくは、ガイドピンからなる)。この場合、プランジャーは該ガイドエレメントに接続された遠位締め付け部分を有し、半径方向の穴も有する締め付け部分を有すること、締め付け部分の穴はガイドエレメントの半径方向の穴と一直線になること、ストップエレメントは、ガイドエレメントに対してプランジャーをロックするように、ガイドエレメントの半径方向の穴および締め付け部分の半径方向の穴の両方の中に伸長することが好ましい。この場合、ストップエレメントは、プランジャーを望ましくない回転から守ること、およびガイドエレメントへプランジャーをロックすることという二重の機能を果たす。
【0019】
特に単純な実施形態において、ガイドピンは、ガイドエレメントの半径方向の穴の中に伸長する実質的に円筒状の部分、および円筒状の部分に比べて増加した直径を有するフランジ部分を有し、該フランジ部分は本体の前記溝またはスロットの中に伸長する。
【0020】
ガイドエレメントおよび本体の筒部分(特にガイドエレメントの外面および筒部分の円筒状の内面)は好ましくは、プランジャーのための線形摩擦軸受(すなわちリニアプレーンベアリング)をともに形成する。しかしながら、ガイドエレメントの外側上に1つまたは複数のボールベアリングを提供するとも考えられる。
【0021】
摩擦軸受の場合において、ガイドエレメントは好ましくは、その周囲の外面と共に、実質的に円筒状の軸受面を画成する円筒部分を有し、該軸受面は本体の筒部分の内面と直接的に接触する。しかしながら、軸受面は必ずしも完全に円筒状である必要がなく、例えば、その代りに、複数の放射状の腕または他の構造によって形成されてもよい。軸受面が円筒状であるならば、それは必ずしもガイドエレメントの円周の全周囲で伸長する必要がなく、1つまたは複数の角度の位置で中断されてもよい。
【0022】
妨害を回避するために、軸受面の長さはその直径の少なくとも1.5倍であることが好ましい。不必要に高い抵抗力を回避するために、軸受面の長さはその直径の5倍以下、好ましくは3倍以下の直径であることが好ましい。
【0023】
注入の間の外科医への触感的フィードバックを改善するために、プランジャーはその外辺部に、長軸方向に変動する、中心の長手方向の軸からの半径方向の距離を有する滑走面(言いかえれば軸受面)が提供される。次いでこの滑走面は保持エレメントと協調して働き、この保持エレメントは長手方向の軸に沿った移動に関して本体に対して固定されており、また該滑走面上で力を作用させるように、半径方向に移動可能かつ該滑走面に向かって半径方向に内向きのバイアスをかけられ、本体に対するプランジャーの軸方向の相対的位置に依存するプランジャーの軸方向の移動に逆らった抵抗力を引き起こす。言いかえれば、保持エレメントは、滑走面との相互作用に起因して、プランジャーの軸方向の位置に従って変動する程度まで内側へ突出し、この変動はプランジャーの移動に逆らった抵抗の変動を引き起こす。好ましくは、滑走面それ自体上に保持エレメントによって及ぼされた半径方向の力は変動し、中心の長手方向の軸、または長手方向の軸を含む中心面からの滑走面の距離が小さいほどその力は小さい。
【0024】
特に、滑走面は、ハウジングに対して所定の中間の位置において(例えばいわゆる事前ロード位置において)プランジャーを放出可能に保持するために、くぼみを含むことができ、保持エレメントは、遠位方向および近位方向におけるプランジャーの移動を妨害するように、中間の位置において該くぼみの中に伸長する。くぼみは、例えば、少なくとも部分的な周方向の溝であり得る。
【0025】
滑走面は、長手方向の軸を含む中心面からの可変的な距離を有する1つまたは複数の横方向の面によって形成することができる。特に、滑走面は第1の傾斜した部分または面を含むことができ、第1の傾斜部分の中心面からの半径方向の距離は近位方向において軸方向の軸に沿って連続的に減少する。第1の傾斜部分に続いて長手方向の軸から実質的に一定の半径方向の距離を有する平面の部分または面が位置することができる。次いでこの平面部分に続いて、第2の傾斜した部分または面が位置することができ、第2の傾斜部分の長手方向の軸からの半径方向の距離は、近位方向において軸方向の軸に沿って連続的にまたは急激に増加する。
【0026】
保持エレメントは、バネ荷重された球体(特に例えばサファイアまたはルビーから作製された宝石球体)であり得、抵抗力を最小限にする。しかしながら、他のタイプのバネ荷重されたエレメント(例えば弾性的に屈曲することができるアーム上のノーズ)も考えられる。
【0027】
特に、本装置は、本体の近位端部に接続されたキャップを含むことができ、該キャップは側面壁部分および端部壁部分を有し、該端部壁部分は該本体の近位端部を覆い、貫通開口部を有し、それを通して前記プランジャーが伸長する。次いで、保持エレメントは前記キャップに有利に据え付けることができる。これは、装置の組立、分解および洗浄を単純化する。
【0028】
第2の態様において、本発明は、眼内レンズを目の中へ挿入するための装置であり、
中心の長手方向の軸に沿って伸長する通路(好ましくは筒部の側壁の円筒状内面によって境界を定められる)を規定する筒部;
該通路において移動可能に収容されたプランジャー、ここで該プランジャーは遠位端部を有し、本体においてプランジャーを長手方向の軸に沿って手動で前方へ圧迫するための近位端部を有し、その周囲上に長手方向の軸に沿って変動する軸方向の軸からの半径方向の距離を有する滑走面を有する;
長手方向の軸に沿った移動に関して本体に対して固定され、該滑走面上で力を及ぼすように半径方向に移動可能かつ該滑走面に向かって半径方向に内向きのバイアスをかけられ、本体に対するプランジャーの軸方向の位置に依存するプランジャーの軸方向の移動に逆らった抵抗力を引き起こす保持エレメント;
を含む装置を提供する。
【0029】
言いかえれば、上記されるような滑走面および保持エレメントは、ガイドエレメントの存在または非存在から独立して上記のように存在することができる。滑走面および保持エレメントは、上記の特性を本発明の第1の態様と関連して有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明の好ましい実施形態は図面を参照して以下において記載される。これは、本発明の本好ましい実施形態を限定する目的のためではなく、図示する目的のためである。以下の図面において、
【図1】各部の関連を示す等角展開図法において、本発明に記載のIOLインジェクターの例示的な実施形態を保護スリーブと共に示した図である。
【図2】プランジャーが完全に引き込まれた立体配置における、図1の組み立てられたインジェクターを示した図である。一般にインジェクターは側面図において示され、一方インジェクターの前方部分は、長手方向の軸に沿って中心に伸長し、ハンドルリングを含む面に沿った断面図において示される。
【図3】プランジャーがいわゆる事前ロード位置まで前進した立体配置における、図1のインジェクターを示した図である。一般にインジェクターは側面図において示され、一方インジェクターの部分は、図2中と同じ面に沿った断面図において示される。
【図4】プランジャーが端部位置まで完全に前進した立体配置における、図1のインジェクターを示した図である。この場合もやはり一般にインジェクターは側面図において示され、一方インジェクターの部分は図2中と同じ面に沿った断面図において示される。
【図5】拡大等角図法において、図1のインジェクターのプランジャーを示した図である。
【図6】図5の面A−Aの中心の軸方向の断面図において、プランジャーを示した図である。
【図7】等角図法において、図1のインジェクターのガイドエレメントを示した図である。
【図8】図7の面B−Bの中心の長手方向の断面図において、ガイドエレメントを示した図である。
【図9】等角図法において、図1のインジェクターのガイドピンを示した図である。
【図10】中心の長手方向の断面図において、ガイドピンを示した図である。
【図11】中心の長手方向の断面図において、図1のインジェクターの近位本体端部を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1〜4は、様々な概観図および状態における、本発明に記載のIOLインジェクターの好ましい実施形態を例示する。インジェクターはインジェクターハウジングまたはインジェクター本体10を含み、その中でプランジャー50は中心の軸方向の軸Lに沿った長手方向の変位のためにガイドされる。
【0032】
本体10は、軸方向の軸Lに沿って伸長する軸方向の管腔または通路14を規定する管状の筒部11を有する。通路14は、円筒状内面を規定する実質的に周方向の側壁によって半径方向に境界が限定される。カートリッジ収容部分12は筒部11に遠位に隣接し、筒部11から離れて遠位方向に伸長する。カートリッジ収容部分12はレンズカートリッジを放出可能に保持するためのフック13等の構造を有し、患者の目の中への移植のためにIOLを提供することができる。このようなカートリッジは当該技術分野において周知であり、広く使用される。本明細書で記載されたインジェクターと併用して使用することができるレンズカートリッジの例は、米国特許US6,398,789、US6,143,001、US6,083,231およびUS5,947,976(それらの内容は参照により本願に援用される)中で記載される。レンズカートリッジは、一般に、カートリッジ収容部分12中に保持されるレンズ収容部分、および本体10の遠位端部を越えて遠位方向に伸長するノズル部分を有する。プランジャー50に接続されたプランジャー針80の収容のための管腔は、一般にレンズ収容部分およびノズル部分を通して伸長する。カートリッジのレンズ収容部分中で提供される眼内レンズは、ノズル部分に向かっておよびその中の開口部を通して、プランジャー針80を用いて患者の目の中へ押し出される。レンズカートリッジのタイプに依存して、レンズはこのプロセスの間に折り畳まれるかもしくは巻き上げられ、または、レンズはレンズ収容部分において既に巻き上げられたかもしくは折り畳まれた状態で提供することができる。
【0033】
本体10の近位端部に向かって、外側ネジ山15が筒部11上に提供され、ネジ山は図1において極めて図式的な様式においてのみ示される。直径を小さくしたスリップオン部分16はネジ山15に隣接する。
【0034】
本体10は、好ましくはチタンのような耐食性および不活性金属から作製される。しかしながら、高強度のプラスチック材料から製造されることも想定することができる。
【0035】
周方向の側壁21および近位端部壁22を有する閉鎖キャップ20は、本体10の近位(後部)端部に据え付けられる。閉鎖キャップ20は本体10のスリップオン部分16上へスリップされ、外側ネジ山15に適合する内側ネジ山を用いて本体10上にネジ留めされる。代替の実施形態において、閉鎖キャップ20は植え込みネジの補助によってまたは他の好適な様式において、本体10に固定することができる。その遠位端部で、閉鎖キャップ20は、外科医がシリンジのような様式でインジェクターを把持する場合に、人差し指および中指をサポートするための指サポート23を形成する輪状側面フランジを備えて提供される。インジェクターがテーブルの上面のような平坦な水平面上にその側面で置かれた場合に、インジェクターに対して安定なサポートを提供するために、輪状フランジは2つの半径方向に対向する平坦化した側面サポート表面27を有する。インジェクターがその側面で置かれた場合に、これらのサポート表面はインジェクターをサポートし、インジェクターが回転することを防止する。平坦な表面の代わりに、インジェクターがその側面に置かれる場合に少なくとも2点の接触を提供する他の表面形式を選ぶことができ、それによって、回転のリスクが減少したサポートが保証される。特に、サポート表面は凹面であり得るか、またはその端部が単一面を規定する少なくとも2つの半径方向の突出部を形成し得る。単一輪状フランジの代りに、指サポートとして働き得る2つの個別の半径方向に対向したフランジまたは他の構造が提供されてもよい。キャップ20上に形成される代りに、指サポートは分離したエレメントであるか、または本体10と一体化して形成されてもよい。端部壁22が半径方向の穴を備えて提供され、その中にルビー球体24の形態において保持エレメントが提供される。球体24は、短い植え込みネジ26によって適切な位置に保持された短いコイルの圧縮バネ25を用いて、弾性的に半径方向に内側にバイアスをかけられる。
【0036】
プランジャー50(図5および6においてより詳細に示される)は、本体10の通路14を介して長手方向に伸長する。その近位(後部)端部は、閉鎖キャップ20の端部壁22における本体10からの中心の貫通開口部を通して突出する。プランジャー50の近位端部に、外科医の親指のためのサポートとして働く親指パッド70またはプランジャー頭部が、プランジャー50に据え付けられる。本実施形態において、親指パッド70は、プランジャー50のめくら穴54中に収容されたネジ73を用いて回転可能な様式でプランジャー50に据え付けられ、長手方向の軸Lの回りの親指パッド70の回転を可能にする。これは特定の状況で特に有利であるが、回転可能の代りに、親指パッド70はプランジャー50に対して回転固定することもできる。オプションのスプリットハンドルリング71は親指パッド70の側面開口部72の中へ挿入され、外科医の親指を収容するように作用する。ハンドルリング71は、本体10におけるプランジャー50のガイダンス改善を提供し、患者の目の中へのレンズの挿入後に、プランジャー50が元の位置へ急速に放出されることを可能にする。ハンドルリングのより詳細および利点については、米国特許US7,217,274(その内容はその全体を参照により本願に援用される)を参照されたい。
【0037】
プランジャー50は一般に棒形状であり、一般に円筒状の主要部分51を有し、主要部分51と比較して減少した直径を持つ遠位固定部分55が隣接する。その近位端部で、主要部分51は、ネジ73の収容のためのメスネジ山を有するめくら穴54を備えて提供される。円周方向の溝52が主要部分51中に形成される。溝は近位方向において複数の横方向の面によって主要部分51に隣接しており、プランジャー軸を含む中心面からの(プランジャーの長さに沿って変動する)距離を有する滑走面53を形成する。第1の面は、中心面からの第1の一定距離を備えた短い第1の平面部分531を形成する。第2の面、滑走面52の傾斜部分532を形成し、中心面からの第1の傾斜部分532の半径方向の距離は近位方向において長手方向の軸に沿って減少する。長手方向の軸からの実質的に一定の半径方向の距離を有している第2の平面部分533は第1の傾斜部分532に隣接する。次いで、第2の傾斜部分534は第2の平面部分533に隣接し、中心面からの第2の傾斜部分の半径方向の距離は近位方向において長手方向の軸に沿って増加する。
【0038】
コイル状の圧縮バネ60は閉鎖キャップ20と親指パッド70との間でプランジャー50を囲み、遠位方向へのプランジャー50の前進に逆らってプランジャー50に対する制御された後方向(近位)へのバイアスを提供する。
【0039】
プランジャー50の遠位(前部)端部はガイドエレメント30に接続され、これは図7および8においてより詳細に示される。ガイドエレメント30は、円筒状の軸受面34を規定する外周表面を有する円筒状のプラグまたはピストンの形態を有し、これは平坦化された表面部分36によって中断される。ガイドエレメント30の遠位端部に向かって、斜面35が形成される。ガイドエレメント30には、第1の(近位)軸方向の穴31および第2の(遠位)軸方向の穴32を備えられ、両方の穴はめくら穴の形態をとる。他の実施形態において、穴は接続され、貫通孔を形成することができる。半径方向の穴33はガイドエレメント30を貫通して、第1の軸方向の穴31を横断し、平坦化された表面部分36で終了する。軸受面34のガイドエレメント30の外径は、本体10の筒部11の内径と厳密に合致する。したがって、軸受面34は、筒部11の内面と直接的に接触し、本体10に対するその軸方向の相対的な移動の間にプランジャー50を横方向にガイドするために、ガイドエレメント30と本体10との間の線形摩擦軸受(リニアプレーンベアリング)が確立される。妨害のない平滑な移動を保証するために、軸受面34はその直径と比較して十分な長さを有するべきである。本実施例において、軸受面34の長さはその直径の約2倍である。ガイドエレメント30は、好ましくは本体10の材料との低い摩擦係数を有する材料から製造される。本体10がチタンから製造されるならば、例えばガイドエレメント30はPEEK等のプラスチック材料から製造することができる。
【0040】
プランジャー50をガイドエレメント30に接続するために、遠位固定部分55がガイドエレメント30の第1の(近位)軸方向の穴31中に収容される。固定部分55は摩擦嵌合によって穴33中に保持されるが、他のタイプの接続(ネジ接続等)が考えられる。固定部分55に半径方向の穴56が備えられ、これはガイドエレメント30の半径方向の穴33と一直線を形成する。ガイドピン40は、半径方向に沿って半径方向の穴33、56の両方を介して伸長し、それによって、ガイドエレメント30をプランジャー50に固定する。ガイドピン40は摩擦嵌合によって、穴33、56において保持されるが、他のタイプの接続(ネジ接続等)が考えられる。
【0041】
ガイドピン40は、図9および10においてより詳細に示される。これは円筒状の本体部分41を有し、その第1の端部は斜面42を備えて提供される。その第2の端部は突出するフランジ部分43を備えて提供され、それは同様に斜面44を有する。ガイドピン40がガイドエレメント30の中へ挿入される場合、フランジ部分43はガイドエレメント30の平坦化された外面部分36に留まり、円筒状の軸受面34のエンベロープを越えて半径方向に突出し、本体10の筒部11において長手方向のスロット17の中に伸長する。このようにして、プランジャー50は長手方向の軸のまわりの回転またはねじれから守られる。容易な組み立てのために、スロット17は本体10の近位端部に向かって開口し、本実施例において本体10の筒部11の近位端部まで伸長する。これにより、最初にガイドエレメント30をプランジャー50に接続すること、ガイドピン40によって接続を確実にすること、および次いで本体10の通路17の近位端部の中へガイドエレメント30を挿入し、一方ガイドピン40のフランジ部分44をスロット17の開口した近位端部において収容することが可能になる。フランジ部分44の直径はスロット17の幅よりもわずかに小さいように選択される。スロットの代わりに、筒部11の内側に溝が提供され、溝は同様に好ましくは本体10の近位端部に向かって開口する。
【0042】
プランジャー針80をガイドエレメント30に接続するために、プランジャー針80には、フランジ82によって遠位方向に向かって限定される近位接続部分81が備えられる。接続部分は、好ましくは例えば一方の側を平坦化することによってしゃち接合を規定する。接続部分81はガイドエレメント30の第2の(遠位)穴32の中へ押し込まれ、摩擦嵌合によって穴に保持される。プランジャー針80をガイドエレメント30に接続する他の方法は、米国特許US2010/0305577において開示されたものに類似するバヨネットタイプもしくはツイストロック接続、またはネジ接続等が考えられる。プランジャー針80の端部は、カートリッジのノズル部分を通して患者の目の中へレンズを押し出すために特定形状の先端部を有する。保護スリーブ90は、カートリッジが挿入されない場合に、カートリッジ収容部分12およびプランジャー針80の先端部を保護することに役立つ。
【0043】
装置の操作のために、プランジャー50はガイドエレメント30の近位端部が閉鎖キャップ20の端部壁22に接するまで完全に引き込まれる。この状況は図2において説明され、図11でより非常に詳しく示される。移植のための眼内レンズを含むレンズカートリッジは、ここで本体10のカートリッジ収容セクション12の中へ挿入され、フック13によってそこに固定される。外科医は、人差し指および中指が指サポート23の手前で留まる様式で人差し指と中指との間で本体10を把持することによって、および親指が親指パッド70に留まる様式でハンドルリング71の中へ親指を挿入することによって装置を保持する。次いで、プランジャー50上で円周方向の溝52が球体24と同じ軸方向の位置になるまで、外科医は、長手方向に沿ってプランジャーを前進させる。プランジャー50のこの位置において、球体24はバネ25によって円周方向の溝52の中に圧迫され、遠位方向へのプランジャー50のさらなる前進に対する抵抗性に加えて、近位方向へのプランジャー50の引き込みに対する抵抗性の両方を提供する。この状況は、中間位置または「事前ロード」位置におけるプランジャー50により、図3に示される。外科医はここで、レンズがプランジャー針80によってカートリッジ内でノズル部分へと進められておりノズル部分をちょうど出るところであることを知る。外科医はここで患者の目の中の切開箇所へノズル部分を挿入する。
【0044】
プランジャー50がレンズのエジェクションのためにここでさらに前進されると、バネ60は圧縮され始め、プランジャーのさらなる前進につれて徐々に増加するプランジャーに対する後方への力を発揮する。球体24は溝52を離れ、ここで滑走面53と相互作用する。滑走面53の異なる傾斜を持つ部分または面によって、さらなる前進に逆らうプランジャーの抵抗が修正されて外科医に対する触感フィードバックを改善する。例として、球体24が第1の傾斜部分532と相互作用する場合、プランジャーの前進に逆らう抵抗性は低下する。これはレンズがカートリッジのノズル部分を通してちょうど圧迫される場合に最も重要な段階である。適切に滑走面53を形作ることによって、制御されたフィードバックをプランジャーの前進の間に外科医に提供することができ、これは、外科医が患者の目の中に慎重にIOLを送達することおよびオーバーシュートしないようにすることを支援する。
【0045】
最終的に、ピン40のフランジ部分43がスロット17の前方端部に接するまで、プランジャーはバネのバイアスをかける力に逆らって前進し、プランジャーがそれ以上進められることを防止することができる。この位置において、レンズはカートリッジのノズル部分を出て、プランジャー先端部によって患者の目の損傷を避けるためにプランジャーのさらなる前進は防止される。
【符号の説明】
【0046】
10 インジェクター本体
11 筒部
12 カートリッジ収容部分
13 フック
14 穴
15 ネジ山
16 スリップオン部分
17 スロット
20 キャップ
21 側壁部分
22 端部壁部分
23 指サポート
24 球体
25 バネ
26 植込みネジ
27 平坦化した部分
30 ガイドエレメント
31 近位穴
32 遠位穴
33 半径方向の穴
34 軸受面
35 斜面
36 平坦な表面部分
40 ガイドピン
41 本体部分
42 斜面
43 フランジ
44 斜面
50 プランジャー
51 円筒状の主要部分
52 輪状溝
53 側面凹部
531 第1の平面の部分(面)
532 傾斜した部分(面)
533 第2の平面部分(面)
534 弓形の端部(面)
54 穴
55 接続部分
56 半径方向の穴
60 圧縮バネ
70 親指パッド
71 ハンドルリング
80 プランジャー針
81 接続部分
82 ストップフランジ
90 保護スリーブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼内レンズを目の中へ挿入するための装置であり、
長手方向の軸(L)方向に伸長する通路(14)を規定する筒部(11)を有する本体(10)と、該通路(14)中に移動可能に収容されたプランジャー(50)を有する装置であって、プランジャー(50)は遠位端部を有し、本体(10)中にプランジャー(50)を長手方向の軸(L)に沿って手動で前方へ圧迫するための近位端部を有し、さらに、該プランジャー(50)の遠位端部に接続されたガイドエレメント(30)を含み、該エレメント(30)は、該プランジャー(50)から分離した構造であり、長手方向の軸(L)に沿った移動の間に筒部(11)において側面からプランジャー(50)をガイドし、近位端部および遠位端部を有し、その遠位端部が該ガイドエレメント(30)へのプランジャー針(80)の固定のための固定構造を有する装置。
【請求項2】
前記固定構造がガイドエレメント(30)中に第1の長手方向の穴(31)を含み、第1の長手方向の穴(31)がガイドエレメント(30)の遠位端部に向かって開口する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ガイドエレメント(30)がガイドエレメント(30)の近位端部に向かって開口した第2の長手方向の穴(32)を有し、前記プランジャー(50)が該第2の長手方向の穴(32)の中に伸長する遠位固定部分(55)を有する、請求項1または2のいずれか一項に記載装置。
【請求項4】
前記本体(10)の前記筒部(11)が、実質的に長手方向の内部溝または実質的に長手方向のスロット(17)を備え、前記ガイドエレメント(30)が、本体(10)に対する前記プランジャー(50)のねじれを防止するように該溝またはスロット(17)の中に側面に伸長するストップエレメント(40)を保有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ガイドエレメント(30)が半径方向の穴(33)を有し、前記ストップエレメント(40)が該半径方向の穴(33)の中に伸長するピンを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記プランジャー(50)が、前記ガイドエレメント(30)に接続された遠位固定部分(55)を有し、該固定部分が、ガイドエレメント(30)の前記半径方向の穴(33)と一直線になる半径方向の穴(56)を有し、前記ストップエレメント(40)が、ガイドエレメント(30)に対してプランジャー(50)を固定するように、ガイドエレメント(30)の半径方向の穴(33)および固定部分(55)の半径方向の穴(56)の両方の中に伸長する、請求項4または5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記ガイドエレメント(40)および前記本体(10)の前記筒部(11)が、前記プランジャー(50)のための線形摩擦軸受をともに形成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記ガイドエレメント(30)が実質的に円筒状のベアリング面(34)を規定する円筒部分を有し、該ベアリング面(34)が前記本体の前記筒部(11)の内部表面と直接的に接触する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記プランジャー(50)が、前記長手方向の軸(L)に沿って変動する該長手方向の軸(L)からの半径方向の距離を有する滑走面をその周囲上に有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置であって、保持エレメント(24)をさらに含む装置であって、該保持エレメント(24)は長手方向の軸(L)に沿った移動に関して前記本体(10)に対して固定され、該滑走面上で力を発揮するように半径方向に移動可能かつ該滑走面に向かって半径方向に内向きのバイアスをかけられ、本体(10)に対するプランジャー(50)の軸方向の位置に依存するプランジャー(50)の軸方向の移動に逆らった抵抗力を引き起こす装置。
【請求項10】
前記滑走面が、ハウジング(10)に対して所定の中間の位置において前記プランジャー(50)を放出可能に保持するために、くぼみ(52)を含み、遠位方向および近位方向の両方におけるプランジャー(50)の移動を妨害するように、前記保持エレメント(24)が、中間の位置における該くぼみ(52)の中に伸長する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記滑走面が第1の傾斜部分(532)を有し、長手方向の軸(L)を含む中心面からの該第1の傾斜部分(532)までの半径方向の距離が近位方向において前記長手方向の軸に沿って連続的に減少し、該第1の傾斜部分(532)に、中心面からの実質的に一定の半径方向の距離を有する平面部分(533)が任意で後続し、任意で該平面部分(533)に第2の傾斜部分(534)が後続し、該第2の傾斜部分(534)の中心面からの半径方向の距離が近位方向において長手方向の軸に沿って増加する、請求項9または10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記保持エレメント(24)がバネ荷重された球体である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記本体(10)の近位端部に接続されたキャップ(20)をさらに含み、該キャップ(20)が側壁部分(21)および該端部壁部分(22)を有し、端部壁部分(22)が該本体(10)の近位端部を覆い、貫通開口部を有し、それを通して前記プランジャー(50)が通過し、前記保持エレメント(24)が該キャップ(20)上に装着される、請求項9〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
眼内レンズを目の中へ挿入するための装置であり、
長手方向の軸(L)に沿って伸長する通路(14)を規定する筒部(11)を有する本体(10)と、該通路(14)において移動可能に収容されたプランジャー(50)を有する装置であって、該プランジャー(50)は近位端部および本体(10)において該プランジャー(50)を長手方向の軸(L)に沿って手動で前方へ圧迫するための遠位端部を有し、該プランジャー(50)が、その周囲上に長手方向の軸(L)に沿って変動する長手方向の軸(L)からの半径方向の距離を持つ滑走面を有し、長手方向の軸(L)に沿う移動に関して本体(10)に対して固定され、該滑走面上に力を及ぼすように半径方向に移動可能かつ該滑走面に向かって半径方向に内向きのバイアスをかけられ、本体(10)へのプランジャー(50)の軸方向の相対的な位置に依存するプランジャー(50)の軸方向の移動に逆らった抵抗力を引き起こす保持エレメント(24)をさらに含む装置。
【請求項15】
前記滑走面が、本体(10)に対して所定の中間の位置においてプランジャー(50)を放出可能に保持するために、くぼみ(52)を含み、前記保持エレメント(24)が、遠位方向および近位方向におけるプランジャー(50)の移動を妨害するように、中間の位置において該くぼみ(52)の中に伸長する、請求項14に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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