モップ、およびモップと収容ケースとのセット
【課題】構造の簡素化を図りつつ、清掃作業を効率よく行うことができるモップを提供すること。
【解決手段】端部が開口し、かつ軸方向に延びる空間11bが内側に形成された筒部11を有し、この筒部11の外面に払拭材12が設けられたモップ本体1と、把手部21、および把手部21の先端側に設けられ、筒部11の開口11aから空間11bに挿入されてモップ本体1を保持するヘッド部22、を有する保持具2と、を備えたモップA1であって、保持具2のヘッド部22は、一定方向に延びる棒状体とされ、かつ外周の周方向に沿って形成された環状凹部22aを有し、モップ本体1の筒部11の内周には、半径方向内方に張り出す凸部11cが設けられており、保持具2に対してモップ本体1が装着された状態において、環状凹部22aに凸部11cが嵌まることにより、保持具2に対するモップ本体1の軸方向での相対移動が規制される。
【解決手段】端部が開口し、かつ軸方向に延びる空間11bが内側に形成された筒部11を有し、この筒部11の外面に払拭材12が設けられたモップ本体1と、把手部21、および把手部21の先端側に設けられ、筒部11の開口11aから空間11bに挿入されてモップ本体1を保持するヘッド部22、を有する保持具2と、を備えたモップA1であって、保持具2のヘッド部22は、一定方向に延びる棒状体とされ、かつ外周の周方向に沿って形成された環状凹部22aを有し、モップ本体1の筒部11の内周には、半径方向内方に張り出す凸部11cが設けられており、保持具2に対してモップ本体1が装着された状態において、環状凹部22aに凸部11cが嵌まることにより、保持具2に対するモップ本体1の軸方向での相対移動が規制される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンディタイプのモップ、およびこのモップと収容ケースとのセットに関する。
【背景技術】
【0002】
室内の清掃などに用いられるハンディタイプのモップとしては、一般に、把手部を有する保持具にモップ本体が装着されたものが使用される。近年では、モップ本体が使い捨て用とされたものが知られている。このような使い捨て用のハンディタイプのモップは、たとえば特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1に開示されたモップは、同文献の図1、図3、および図5等に表れているように、モップ本体と、このモップ本体を保持するための把手(保持具)とを備えて構成されている。上記モップ本体は、払拭材としての不織布数枚を重ね合わせ、長手方向に沿う平行な3本の溶着ラインにて貼り合わされたものである。これら溶着ラインによってモップ本体には筒部が形成され、この筒部の内側に隙間(挿入空間)が形成されている。把手は、部分的に湾曲させられた把手部と、この把手部の先端側に設けられ、モップ本体の隙間に挿入される偏平な2本の差込板(ヘッド部)を有する取付け部と、を備える。差込板の外側の縁には、凸部が設けられている。また、取付け部には、2本の差込板の間に突き出る押さえ板が形成されている。把手に対するモップ本体の装着は、モップ本体の隙間に取付け部の差込板を挿入することにより行う。把手にモップ本体が装着された状態において、差込板の凸部が外側の溶着ライン(筒部)の内面に当接し、かつ、押さえ板と差込板との間にモップ本体が挟まれている。このようにして、モップ本体の装着時には、モップ本体が把手に係止される。また、この装着状態において、把手部はモップ本体の上面側に偏倚した位置にある。
【0004】
上記構成のモップを使用した清掃作業は、把手部を握りながらモップ本体の下面によって清掃対象物の表面を擦ることにより行う。清掃作業によってモップ本体が汚れた場合には、当該モップ本体を取り外し、新品に交換することにより、繰り返し清掃作業を行うことができる。
【0005】
しかしながら、上記従来のモップにおいては、把手に設けられた凸部や押さえ板によってモップ本体を係止する構成であるため、構造が比較的に複雑になる傾向にある。また、把手部がモップ本体の上面に偏倚していることから、モップ本体の上面側は清掃作業面として機能させることができない。さらに、シート状のモップ本体が偏平な差込板に支持された構成であることから、狭い隙間などを清掃する際に困難な場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−265391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、保持具にモップ本体を着脱可能に装着する構成のハンディタイプのモップにおいて、構造の簡素化を図りつつ、清掃作業を効率よく行うことができるモップを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本発明の第1の側面によって提供されるモップは、端部が開口し、かつ軸方向に延びる挿入空間が内側に形成された筒部を有し、この筒部の外面に払拭材が設けられたモップ本体と、把手部、およびこの把手部の先端側に設けられ、上記筒部の開口から上記挿入空間に挿入されて上記モップ本体を保持するヘッド部、を有する保持具と、を備えたモップであって、上記保持具のヘッド部は、一定方向に延びる棒状体とされ、かつ外周の周方向に沿って形成された凹部を有し、上記モップ本体の上記筒部の内周には、半径方向内方に張り出す凸部が設けられており、上記保持具に対して上記モップ本体が装着された装着状態において、上記保持具の上記凹部に上記モップ本体の上記凸部が嵌まることにより、上記保持具に対する上記モップ本体の軸方向での相対移動が規制されることを特徴としている。
【0010】
このような構成のモップにおいて、保持具に対するモップ本体の装着は、保持具のヘッド部に形成された凹部にモップ本体の筒部の内周に設けられた凸部が嵌まるまで、ヘッド部を筒部内に挿入することにより行う。すなわち、上記構成によれば、保持具に凹部を設け、この凹部に嵌まる凸部をモップ本体に設けるといった比較的簡単な構造としつつ、モップ本体を保持具に係止させて適正な装着状態とし、清掃作業を行うことができる。
【0011】
好ましい実施の形態においては、上記保持具の上記ヘッド部は、一定方向に延びる丸棒状とされている。このような構成によれば、保持具のヘッド部は、周方向における方向性を有していない。したがって、保持具に装着されたモップ本体ついては、周方向のほぼ全面を清掃作業面として機能させることができ、その結果、清掃作業を効率よく行うことができる。
【0012】
好ましい実施の形態においては、上記モップ本体の上記凸部は、上記筒部における上記開口の近傍に設けられている。このような構成によれば、保持具の凹部にモップ本体の凸部が嵌まったことを目視によっても容易に確認することができる。
【0013】
好ましい実施の形態においては、上記モップ本体の上記筒部は、軸方向と交差する方向に屈曲可能であるとともに、上記装着状態において、上記ヘッド部の先端側における所定長さにわたって上記ヘッド部が挿入されない非挿入部分を有する。このような構成によれば、たとえば狭い隙間を清掃する場合、モップ本体の先端側を屈曲させながら当該隙間に挿入して清掃作業を行うことができる。このことは、清掃作業の効率向上に資する。
【0014】
好ましい実施の形態においては、上記モップ本体の上記筒部は、半径方向の一方向においてその一方向と直交する方向よりも屈曲しにくくされている。このような構成によれば、使用状況に応じてモップ本体の屈曲を抑制させることが可能であり、使い勝手がよい。
【0015】
好ましい実施の形態においては、上記保持具の上記ヘッド部は、軸方向に間隔を隔てて形成された複数の上記凹部を有する。このような構成によれば、ヘッド部に形成された複数の凹部のいずれにモップ本体の凸部を嵌めるかを選択することにより、保持具とモップ本体との係止状態を確保しつつ、モップ本体の筒部に対する保持具のヘッド部の挿入深さを変更することができる。したがって、清掃目的に応じてモップ本体に対するヘッド部の挿入深さを調節して使用することができ、使い勝手がよい。
【0016】
好ましい実施の形態においては、上記モップ本体の上記筒部には、上記複数の上記凹部と対応する配置で複数の上記凸部が形成されている。このような構成によれば、複数の凸部を、それぞれ保持具の対応する凹部に嵌めて使用することにより、モップ本体装着時の係止の確実性を図ることができる。
【0017】
本発明の第2の側面によって提供されるモップと収容ケースとのセットは、本発明の第1の側面によって提供されるモップと、このモップにおける上記モップ本体を内部に収容可能な有底円筒状の収容ケースと、を備えることを特徴としている。このような構成のモップと収容ケースとのセットによれば、モップの不使用時において、収容ケースを用いて起立状態で保管することができるので、モップの保管スペースを小さくすることができるとともに、保管時における外観上の体裁がよくなる。
【0018】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るモップの一例を示す全体斜視図である。
【図2】本発明に係るモップの一例を示す平面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】モップ本体の作製方法の一例における一部の工程を説明する平面図である。
【図5】モップ本体の作製方法の一例における一部の工程を説明する平面図である。
【図6】モップ本体の作製方法の一例における一部の工程を説明する平面図である。
【図7】図3のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】本発明に係るモップと収容ケースとのセットの一例を示す全体斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】本発明に係るモップの他の例を示す図3と同様の断面図である。
【図11】本発明に係るモップの他の例を示す図3と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係るモップの一例を示す全体斜視図である。本実施形態のモップA1は、モップ本体1と、このモップ本体1を保持する保持具2とを備えており、ハンディタイプのモップとして適用されたものである。
【0022】
モップ本体1は、図1〜図3に示すように、筒部11と、筒部11の外面に設けられた払拭材12とを備えている。筒部11は、所定の軸方向に延びており、当該軸方向の基端側の端部に開口11aを有している。筒部11の内側には、空間11bが形成されている。また、筒部11の内周には、開口11aの近傍において半径方向内方に張り出す凸部11cが設けられている。
【0023】
このモップ本体1は、たとえば、以下の手順によって作製される。図4に示すように、
複数のひも状素材100を纏めて長矩形状の基布101の上に並べ、ひも状素材100の中央の2箇所を基布101の長手方向に沿うように基布101に縫い付け(図中の縫合部102)、略長矩形状のひも状素材集合体100Aを得る。次に、図5に示すように、ひも状素材集合体100Aを、基布101が内側となるように折り返して重ね合わせ、折り返した位置から他方の端部103の手前まで上記長手方向に沿うように基布101の重合部分を縫合する(図中の縫合部104)。これにより、上記長手方向(軸方向)に沿って偏平状の内部空間が形成され、筒部11の主要部分が形成される。次に、図6に示すように、上記端部103を外側に折り返し、折り返した部分を縫い止める(図中の縫合部105)。この折り返し部分の形成によって、当該部分は半径方向内方に張り出しており、筒部11の凸部11cを構成する。また、ひも状素材100のうち、筒部11の外側において纏められていない部分は、払拭材12を構成する。なお、上記ひも状素材100は、たとえば帯状にした繊維、あるいは複数の糸を撚り合わせたものなどから形成されている。
【0024】
上記構成のモップ本体1において、筒部11は、ひも状素材100の結束部と、基布101とからなるものであるので、ある程度の柔軟性を有しており、軸方向と交差する方向に屈曲可能となっている。また、筒部11は、軸方向に沿うように二対の直線状の縫合部102,104を含んで形成されている。このため、図7に示すように、筒部11の半径方向のうち、二対の縫合部102,104を通る方向N1においては、これと直交する方向N2よりも屈曲しにくくなっている。
【0025】
図3に表れているように、保持具2は、把持部21と、この把持部21の先端に設けられたヘッド部22とを備え、全体として一定方向に延びる木製の丸棒状とされている。ヘッド部22は、モップ本体1の筒部11内側の空間11bに挿入される部分であり、このヘッド部22の外周には、周方向に沿う環状凹部22aが形成されている。また、ヘッド部22は、先端に向かうにつれて先細りとなっている。このヘッド部22を筒部11の開口11aから筒部11内側の空間11bに挿入することにより、モップ本体1はヘッド部22(保持具2)に対して装着保持される。モップ本体1の装着状態においては、ヘッド部22の環状凹部22aに筒部11の凸部11cが嵌まっており、保持具2に対するモップ本体1の軸方向での相対移動が規制される。また、モップ本体1の装着状態において、筒部11の軸方向における中央から先端にかけては、ヘッド部22が挿入されていない部分(非挿入部分)となっている。
【0026】
上記構成のモップA1の作用について説明する。
【0027】
本実施形態のモップA1を用いて清掃作業を行う際には、あらかじめモップ本体1を保持具2に装着しておく。保持具2に対してモップ本体1を装着する際には、図3を参照して上述したように、保持具2のヘッド部22外周の環状凹部22aにモップ本体1の筒部11内周の凸部11cが嵌まるまで、ヘッド部22を筒部11内に挿入する。ここで、保持具2に対するモップ本体1の装着は、先細りの丸棒状のヘッド部22を筒部11内に挿入するといった簡単な操作によってスムーズに行うことができる。また、環状凹部22aに凸部11cが嵌まったことは、ヘッド部22挿入時の節度感によって感知することができる。さらに、本実施形態においては、モップ本体1の凸部11cは、筒部11における開口11aの近傍に設けられているため、保持具2の環状凹部22aにモップ本体1の凸部11cが嵌まったことを目視によっても容易に確認することができる。このようなことから理解されるように、本実施形態のモップA1によれば、保持具2に環状凹部22aを設け、この環状凹部22aに嵌まる凸部11cをモップ本体1に設けるといった比較的簡単な構造としつつ、簡単な操作によって、モップ本体1を保持具2に係止させて適正な装着状態とすることができる。
【0028】
また、保持具2のヘッド部22は、丸棒状とされているので、周方向における方向性を有していない。したがって、保持具2に装着されたモップ本体1については、周方向のほぼ全面を清掃作業面として機能させることができ、その結果、清掃作業を効率よく行うことができる。
【0029】
モップ本体1の筒部11は、軸方向と交差する方向に屈曲可能とされており、また、モップ本体1の装着状態において、ヘッド部22の先端側における所定長さにわたってヘッド部22が挿入されない非挿入部分を有する。このため、モップA1を用いた清掃作業においては、たとえば保持具2の把手部21が清掃対象物の表面に対して傾斜した姿勢であっても、モップ本体1の先端側を屈曲させて清掃対象物の表面に沿わせることができる。また、たとえば狭い隙間を清掃する場合においても、モップ本体1の先端側を、屈曲させながら当該隙間に挿入することができる。したがって、本実施形態のモップA1によれば、様々な状況に応じて清掃作業を適切に行うことができ、清掃作業の効率向上に資する。
【0030】
モップ本体1の筒部11は、半径方向の方向N1においてその方向N1と直交する方向N2よりも屈曲しにくくされている。このような構成によれば、たとえば清掃作業時にモップ本体1を方向N1に沿うように動かすと、清掃対象物の表面との摩擦によってモップ本体1が不当に撓むといった不都合は抑制される。このように、筒部11の半径方向において、屈曲の度合いが相違するように方向性を持たせておけば、使用状況に応じてモップ本体1の屈曲を抑制させることが可能であり、使い勝手がよい。
【0031】
図8および図9は、本発明に係るモップと、このモップを収容するケースとのセットの一例を示している。図8および図9に表されたセットSは、上述したモップA1と、有底円筒状の収容ケースBとを備え、収容ケースBにモップA1が差し込まれた状態を表している。ここで、モップ本体1は、下方に少し押し込むことにより、収容ケースBの内部に収容されている。そして、モップ本体1の払拭材12は、収容ケースB内部において略均等に分散した状態にある。
【0032】
上記構成のセットSによれば、モップA1の不使用時には、収容ケースBを用いて起立状態で保管することができるので、モップA1の保管スペースを小さくすることができる。また、セットSを用いれば、モップ本体1が収容ケースB内に収容されている。このため、モップA1の保管時における外観上の体裁がよく、セットSをインテリアの一部として利用することが可能である。
【0033】
上述したように、モップ本体1の払拭材12は収容ケースB内部において略均等に分散した状態にあるため、モップA1を収容ケースBから取り出すと、払拭材12は、自然に筒部11の外面全周に拡がる。したがって、モップA1を収容ケースBから取り出してすぐに清掃作業を行っても、モップ本体1の外周全体を清掃作業面として機能させることができ、使い勝手がよい。
【0034】
図10および図11は、本発明に係るモップの他の例を示している。なお、図10および図11においては、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
【0035】
図10に示されたモップA2においては、保持具2のヘッド部22には、上記実施形態と異なり、軸方向に所定の間隔を隔てて複数の環状凹部22aが形成されている。このような構成によれば、ヘッド部22に形成された複数の環状凹部22aのいずれにモップ本体1の凸部11cを嵌めるかを選択することにより、保持具2とモップ本体1との係止状態を確保しつつ、モップ本体1に対するヘッド部22の挿入深さを変更することができる。図10(a)は、ヘッド部22の挿入深さが最も小さい場合を表し、図10(b)は、ヘッド部22の挿入深さが最も大きい場合を表す。このように挿入深さを変更すれば、ヘッド部22が挿入されていない非挿入部分の長さ(別言するとモップ本体1の屈曲可能な部分の長さ)を変えることができる。したがって、モップA2によれば、清掃目的に応じてモップ本体1に対するヘッド部22の挿入深さを調節して使用することができ、使い勝手がよい。
【0036】
図11に示されたモップA3においては、上記実施形態のモップA1と異なり、モップ本体1の筒部11の内部には、仕切り壁11dが形成されている。この仕切り壁11dは、筒部11内へのヘッド部22の挿入深さを規制するためのものであり、たとえば筒部11の適所を上下重合して縫合することによって形成される。図11に表れているように、筒部11に対するヘッド部22の挿入が仕切り壁11dによって規制された状態において、ヘッド部22の環状凹部22aに筒部11の凸部11cが嵌まっている。このような構成によれば、筒部11内にヘッド部22が過度に挿入されるのを防止することができ、使い勝手がよい。
【0037】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。本発明に係るモップおよび収容ケースの各部の具体的な形状や材質なども、上記実施形態に限定されるものではない。
【0038】
上記実施形態のモップA1においては、モップ本体1の筒部11内周に1つの凸部11cが設けられた例について説明したが、これに代えて、複数の凸部11cを、筒部11の軸方向に離間させて設けてもよい。複数の凸部11cを設ける場合、いずれの凸部11cをヘッド部22の環状凹部22aに嵌めるかを選択することにより、保持具2とモップ本体1との係止状態を確保しつつ、モップ本体1に対するヘッド部22の挿入深さを変更することができる。
【0039】
また、上記実施形態のモップA2において、保持具2のヘッド部22に複数の環状凹部22aが形成された例について説明したが、これに加え、モップ本体1の筒部11において、複数の環状凹部22aと対応する配置で複数の凸部11cを設けてもよい。このような構成によれば、複数の凸部11cを、それぞれ保持具2の対応する環状凹部22aに嵌めて使用することにより、モップ本体1装着時の係止の確実性を図ることができる。
【0040】
上記実施形態では、保持具2(ヘッド部22)が丸棒状とされた場合を例に挙げて説明したが、保持具としては、一定方向に延びる棒状体とされていればよく、たとえば断面四角形の角棒状など他の形状の棒状体としてもよい。また、ヘッド部が角棒状の場合、ヘッド部の外周に形成される凹部としては、環状以外の構成としてもよく、たとえばヘッド部の周方向に沿うようにして角部に分離して形成してもよい。
【符号の説明】
【0041】
A1,A2,A3 モップ
B 収容ケース
S セット
1 モップ本体
2 保持具
11 筒部
11a 開口
11b 空間(挿入空間)
11c 凸部
12 払拭材
21 把持部
22 ヘッド部
22a 環状凹部(凹部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンディタイプのモップ、およびこのモップと収容ケースとのセットに関する。
【背景技術】
【0002】
室内の清掃などに用いられるハンディタイプのモップとしては、一般に、把手部を有する保持具にモップ本体が装着されたものが使用される。近年では、モップ本体が使い捨て用とされたものが知られている。このような使い捨て用のハンディタイプのモップは、たとえば特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1に開示されたモップは、同文献の図1、図3、および図5等に表れているように、モップ本体と、このモップ本体を保持するための把手(保持具)とを備えて構成されている。上記モップ本体は、払拭材としての不織布数枚を重ね合わせ、長手方向に沿う平行な3本の溶着ラインにて貼り合わされたものである。これら溶着ラインによってモップ本体には筒部が形成され、この筒部の内側に隙間(挿入空間)が形成されている。把手は、部分的に湾曲させられた把手部と、この把手部の先端側に設けられ、モップ本体の隙間に挿入される偏平な2本の差込板(ヘッド部)を有する取付け部と、を備える。差込板の外側の縁には、凸部が設けられている。また、取付け部には、2本の差込板の間に突き出る押さえ板が形成されている。把手に対するモップ本体の装着は、モップ本体の隙間に取付け部の差込板を挿入することにより行う。把手にモップ本体が装着された状態において、差込板の凸部が外側の溶着ライン(筒部)の内面に当接し、かつ、押さえ板と差込板との間にモップ本体が挟まれている。このようにして、モップ本体の装着時には、モップ本体が把手に係止される。また、この装着状態において、把手部はモップ本体の上面側に偏倚した位置にある。
【0004】
上記構成のモップを使用した清掃作業は、把手部を握りながらモップ本体の下面によって清掃対象物の表面を擦ることにより行う。清掃作業によってモップ本体が汚れた場合には、当該モップ本体を取り外し、新品に交換することにより、繰り返し清掃作業を行うことができる。
【0005】
しかしながら、上記従来のモップにおいては、把手に設けられた凸部や押さえ板によってモップ本体を係止する構成であるため、構造が比較的に複雑になる傾向にある。また、把手部がモップ本体の上面に偏倚していることから、モップ本体の上面側は清掃作業面として機能させることができない。さらに、シート状のモップ本体が偏平な差込板に支持された構成であることから、狭い隙間などを清掃する際に困難な場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−265391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、保持具にモップ本体を着脱可能に装着する構成のハンディタイプのモップにおいて、構造の簡素化を図りつつ、清掃作業を効率よく行うことができるモップを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本発明の第1の側面によって提供されるモップは、端部が開口し、かつ軸方向に延びる挿入空間が内側に形成された筒部を有し、この筒部の外面に払拭材が設けられたモップ本体と、把手部、およびこの把手部の先端側に設けられ、上記筒部の開口から上記挿入空間に挿入されて上記モップ本体を保持するヘッド部、を有する保持具と、を備えたモップであって、上記保持具のヘッド部は、一定方向に延びる棒状体とされ、かつ外周の周方向に沿って形成された凹部を有し、上記モップ本体の上記筒部の内周には、半径方向内方に張り出す凸部が設けられており、上記保持具に対して上記モップ本体が装着された装着状態において、上記保持具の上記凹部に上記モップ本体の上記凸部が嵌まることにより、上記保持具に対する上記モップ本体の軸方向での相対移動が規制されることを特徴としている。
【0010】
このような構成のモップにおいて、保持具に対するモップ本体の装着は、保持具のヘッド部に形成された凹部にモップ本体の筒部の内周に設けられた凸部が嵌まるまで、ヘッド部を筒部内に挿入することにより行う。すなわち、上記構成によれば、保持具に凹部を設け、この凹部に嵌まる凸部をモップ本体に設けるといった比較的簡単な構造としつつ、モップ本体を保持具に係止させて適正な装着状態とし、清掃作業を行うことができる。
【0011】
好ましい実施の形態においては、上記保持具の上記ヘッド部は、一定方向に延びる丸棒状とされている。このような構成によれば、保持具のヘッド部は、周方向における方向性を有していない。したがって、保持具に装着されたモップ本体ついては、周方向のほぼ全面を清掃作業面として機能させることができ、その結果、清掃作業を効率よく行うことができる。
【0012】
好ましい実施の形態においては、上記モップ本体の上記凸部は、上記筒部における上記開口の近傍に設けられている。このような構成によれば、保持具の凹部にモップ本体の凸部が嵌まったことを目視によっても容易に確認することができる。
【0013】
好ましい実施の形態においては、上記モップ本体の上記筒部は、軸方向と交差する方向に屈曲可能であるとともに、上記装着状態において、上記ヘッド部の先端側における所定長さにわたって上記ヘッド部が挿入されない非挿入部分を有する。このような構成によれば、たとえば狭い隙間を清掃する場合、モップ本体の先端側を屈曲させながら当該隙間に挿入して清掃作業を行うことができる。このことは、清掃作業の効率向上に資する。
【0014】
好ましい実施の形態においては、上記モップ本体の上記筒部は、半径方向の一方向においてその一方向と直交する方向よりも屈曲しにくくされている。このような構成によれば、使用状況に応じてモップ本体の屈曲を抑制させることが可能であり、使い勝手がよい。
【0015】
好ましい実施の形態においては、上記保持具の上記ヘッド部は、軸方向に間隔を隔てて形成された複数の上記凹部を有する。このような構成によれば、ヘッド部に形成された複数の凹部のいずれにモップ本体の凸部を嵌めるかを選択することにより、保持具とモップ本体との係止状態を確保しつつ、モップ本体の筒部に対する保持具のヘッド部の挿入深さを変更することができる。したがって、清掃目的に応じてモップ本体に対するヘッド部の挿入深さを調節して使用することができ、使い勝手がよい。
【0016】
好ましい実施の形態においては、上記モップ本体の上記筒部には、上記複数の上記凹部と対応する配置で複数の上記凸部が形成されている。このような構成によれば、複数の凸部を、それぞれ保持具の対応する凹部に嵌めて使用することにより、モップ本体装着時の係止の確実性を図ることができる。
【0017】
本発明の第2の側面によって提供されるモップと収容ケースとのセットは、本発明の第1の側面によって提供されるモップと、このモップにおける上記モップ本体を内部に収容可能な有底円筒状の収容ケースと、を備えることを特徴としている。このような構成のモップと収容ケースとのセットによれば、モップの不使用時において、収容ケースを用いて起立状態で保管することができるので、モップの保管スペースを小さくすることができるとともに、保管時における外観上の体裁がよくなる。
【0018】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るモップの一例を示す全体斜視図である。
【図2】本発明に係るモップの一例を示す平面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】モップ本体の作製方法の一例における一部の工程を説明する平面図である。
【図5】モップ本体の作製方法の一例における一部の工程を説明する平面図である。
【図6】モップ本体の作製方法の一例における一部の工程を説明する平面図である。
【図7】図3のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】本発明に係るモップと収容ケースとのセットの一例を示す全体斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】本発明に係るモップの他の例を示す図3と同様の断面図である。
【図11】本発明に係るモップの他の例を示す図3と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係るモップの一例を示す全体斜視図である。本実施形態のモップA1は、モップ本体1と、このモップ本体1を保持する保持具2とを備えており、ハンディタイプのモップとして適用されたものである。
【0022】
モップ本体1は、図1〜図3に示すように、筒部11と、筒部11の外面に設けられた払拭材12とを備えている。筒部11は、所定の軸方向に延びており、当該軸方向の基端側の端部に開口11aを有している。筒部11の内側には、空間11bが形成されている。また、筒部11の内周には、開口11aの近傍において半径方向内方に張り出す凸部11cが設けられている。
【0023】
このモップ本体1は、たとえば、以下の手順によって作製される。図4に示すように、
複数のひも状素材100を纏めて長矩形状の基布101の上に並べ、ひも状素材100の中央の2箇所を基布101の長手方向に沿うように基布101に縫い付け(図中の縫合部102)、略長矩形状のひも状素材集合体100Aを得る。次に、図5に示すように、ひも状素材集合体100Aを、基布101が内側となるように折り返して重ね合わせ、折り返した位置から他方の端部103の手前まで上記長手方向に沿うように基布101の重合部分を縫合する(図中の縫合部104)。これにより、上記長手方向(軸方向)に沿って偏平状の内部空間が形成され、筒部11の主要部分が形成される。次に、図6に示すように、上記端部103を外側に折り返し、折り返した部分を縫い止める(図中の縫合部105)。この折り返し部分の形成によって、当該部分は半径方向内方に張り出しており、筒部11の凸部11cを構成する。また、ひも状素材100のうち、筒部11の外側において纏められていない部分は、払拭材12を構成する。なお、上記ひも状素材100は、たとえば帯状にした繊維、あるいは複数の糸を撚り合わせたものなどから形成されている。
【0024】
上記構成のモップ本体1において、筒部11は、ひも状素材100の結束部と、基布101とからなるものであるので、ある程度の柔軟性を有しており、軸方向と交差する方向に屈曲可能となっている。また、筒部11は、軸方向に沿うように二対の直線状の縫合部102,104を含んで形成されている。このため、図7に示すように、筒部11の半径方向のうち、二対の縫合部102,104を通る方向N1においては、これと直交する方向N2よりも屈曲しにくくなっている。
【0025】
図3に表れているように、保持具2は、把持部21と、この把持部21の先端に設けられたヘッド部22とを備え、全体として一定方向に延びる木製の丸棒状とされている。ヘッド部22は、モップ本体1の筒部11内側の空間11bに挿入される部分であり、このヘッド部22の外周には、周方向に沿う環状凹部22aが形成されている。また、ヘッド部22は、先端に向かうにつれて先細りとなっている。このヘッド部22を筒部11の開口11aから筒部11内側の空間11bに挿入することにより、モップ本体1はヘッド部22(保持具2)に対して装着保持される。モップ本体1の装着状態においては、ヘッド部22の環状凹部22aに筒部11の凸部11cが嵌まっており、保持具2に対するモップ本体1の軸方向での相対移動が規制される。また、モップ本体1の装着状態において、筒部11の軸方向における中央から先端にかけては、ヘッド部22が挿入されていない部分(非挿入部分)となっている。
【0026】
上記構成のモップA1の作用について説明する。
【0027】
本実施形態のモップA1を用いて清掃作業を行う際には、あらかじめモップ本体1を保持具2に装着しておく。保持具2に対してモップ本体1を装着する際には、図3を参照して上述したように、保持具2のヘッド部22外周の環状凹部22aにモップ本体1の筒部11内周の凸部11cが嵌まるまで、ヘッド部22を筒部11内に挿入する。ここで、保持具2に対するモップ本体1の装着は、先細りの丸棒状のヘッド部22を筒部11内に挿入するといった簡単な操作によってスムーズに行うことができる。また、環状凹部22aに凸部11cが嵌まったことは、ヘッド部22挿入時の節度感によって感知することができる。さらに、本実施形態においては、モップ本体1の凸部11cは、筒部11における開口11aの近傍に設けられているため、保持具2の環状凹部22aにモップ本体1の凸部11cが嵌まったことを目視によっても容易に確認することができる。このようなことから理解されるように、本実施形態のモップA1によれば、保持具2に環状凹部22aを設け、この環状凹部22aに嵌まる凸部11cをモップ本体1に設けるといった比較的簡単な構造としつつ、簡単な操作によって、モップ本体1を保持具2に係止させて適正な装着状態とすることができる。
【0028】
また、保持具2のヘッド部22は、丸棒状とされているので、周方向における方向性を有していない。したがって、保持具2に装着されたモップ本体1については、周方向のほぼ全面を清掃作業面として機能させることができ、その結果、清掃作業を効率よく行うことができる。
【0029】
モップ本体1の筒部11は、軸方向と交差する方向に屈曲可能とされており、また、モップ本体1の装着状態において、ヘッド部22の先端側における所定長さにわたってヘッド部22が挿入されない非挿入部分を有する。このため、モップA1を用いた清掃作業においては、たとえば保持具2の把手部21が清掃対象物の表面に対して傾斜した姿勢であっても、モップ本体1の先端側を屈曲させて清掃対象物の表面に沿わせることができる。また、たとえば狭い隙間を清掃する場合においても、モップ本体1の先端側を、屈曲させながら当該隙間に挿入することができる。したがって、本実施形態のモップA1によれば、様々な状況に応じて清掃作業を適切に行うことができ、清掃作業の効率向上に資する。
【0030】
モップ本体1の筒部11は、半径方向の方向N1においてその方向N1と直交する方向N2よりも屈曲しにくくされている。このような構成によれば、たとえば清掃作業時にモップ本体1を方向N1に沿うように動かすと、清掃対象物の表面との摩擦によってモップ本体1が不当に撓むといった不都合は抑制される。このように、筒部11の半径方向において、屈曲の度合いが相違するように方向性を持たせておけば、使用状況に応じてモップ本体1の屈曲を抑制させることが可能であり、使い勝手がよい。
【0031】
図8および図9は、本発明に係るモップと、このモップを収容するケースとのセットの一例を示している。図8および図9に表されたセットSは、上述したモップA1と、有底円筒状の収容ケースBとを備え、収容ケースBにモップA1が差し込まれた状態を表している。ここで、モップ本体1は、下方に少し押し込むことにより、収容ケースBの内部に収容されている。そして、モップ本体1の払拭材12は、収容ケースB内部において略均等に分散した状態にある。
【0032】
上記構成のセットSによれば、モップA1の不使用時には、収容ケースBを用いて起立状態で保管することができるので、モップA1の保管スペースを小さくすることができる。また、セットSを用いれば、モップ本体1が収容ケースB内に収容されている。このため、モップA1の保管時における外観上の体裁がよく、セットSをインテリアの一部として利用することが可能である。
【0033】
上述したように、モップ本体1の払拭材12は収容ケースB内部において略均等に分散した状態にあるため、モップA1を収容ケースBから取り出すと、払拭材12は、自然に筒部11の外面全周に拡がる。したがって、モップA1を収容ケースBから取り出してすぐに清掃作業を行っても、モップ本体1の外周全体を清掃作業面として機能させることができ、使い勝手がよい。
【0034】
図10および図11は、本発明に係るモップの他の例を示している。なお、図10および図11においては、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。
【0035】
図10に示されたモップA2においては、保持具2のヘッド部22には、上記実施形態と異なり、軸方向に所定の間隔を隔てて複数の環状凹部22aが形成されている。このような構成によれば、ヘッド部22に形成された複数の環状凹部22aのいずれにモップ本体1の凸部11cを嵌めるかを選択することにより、保持具2とモップ本体1との係止状態を確保しつつ、モップ本体1に対するヘッド部22の挿入深さを変更することができる。図10(a)は、ヘッド部22の挿入深さが最も小さい場合を表し、図10(b)は、ヘッド部22の挿入深さが最も大きい場合を表す。このように挿入深さを変更すれば、ヘッド部22が挿入されていない非挿入部分の長さ(別言するとモップ本体1の屈曲可能な部分の長さ)を変えることができる。したがって、モップA2によれば、清掃目的に応じてモップ本体1に対するヘッド部22の挿入深さを調節して使用することができ、使い勝手がよい。
【0036】
図11に示されたモップA3においては、上記実施形態のモップA1と異なり、モップ本体1の筒部11の内部には、仕切り壁11dが形成されている。この仕切り壁11dは、筒部11内へのヘッド部22の挿入深さを規制するためのものであり、たとえば筒部11の適所を上下重合して縫合することによって形成される。図11に表れているように、筒部11に対するヘッド部22の挿入が仕切り壁11dによって規制された状態において、ヘッド部22の環状凹部22aに筒部11の凸部11cが嵌まっている。このような構成によれば、筒部11内にヘッド部22が過度に挿入されるのを防止することができ、使い勝手がよい。
【0037】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。本発明に係るモップおよび収容ケースの各部の具体的な形状や材質なども、上記実施形態に限定されるものではない。
【0038】
上記実施形態のモップA1においては、モップ本体1の筒部11内周に1つの凸部11cが設けられた例について説明したが、これに代えて、複数の凸部11cを、筒部11の軸方向に離間させて設けてもよい。複数の凸部11cを設ける場合、いずれの凸部11cをヘッド部22の環状凹部22aに嵌めるかを選択することにより、保持具2とモップ本体1との係止状態を確保しつつ、モップ本体1に対するヘッド部22の挿入深さを変更することができる。
【0039】
また、上記実施形態のモップA2において、保持具2のヘッド部22に複数の環状凹部22aが形成された例について説明したが、これに加え、モップ本体1の筒部11において、複数の環状凹部22aと対応する配置で複数の凸部11cを設けてもよい。このような構成によれば、複数の凸部11cを、それぞれ保持具2の対応する環状凹部22aに嵌めて使用することにより、モップ本体1装着時の係止の確実性を図ることができる。
【0040】
上記実施形態では、保持具2(ヘッド部22)が丸棒状とされた場合を例に挙げて説明したが、保持具としては、一定方向に延びる棒状体とされていればよく、たとえば断面四角形の角棒状など他の形状の棒状体としてもよい。また、ヘッド部が角棒状の場合、ヘッド部の外周に形成される凹部としては、環状以外の構成としてもよく、たとえばヘッド部の周方向に沿うようにして角部に分離して形成してもよい。
【符号の説明】
【0041】
A1,A2,A3 モップ
B 収容ケース
S セット
1 モップ本体
2 保持具
11 筒部
11a 開口
11b 空間(挿入空間)
11c 凸部
12 払拭材
21 把持部
22 ヘッド部
22a 環状凹部(凹部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部が開口し、かつ軸方向に延びる挿入空間が内側に形成された筒部を有し、この筒部の外面に払拭材が設けられたモップ本体と、
把手部、およびこの把手部の先端側に設けられ、上記筒部の開口から上記挿入空間に挿入されて上記モップ本体を保持するヘッド部、を有する保持具と、を備えたモップであって、
上記保持具のヘッド部は、一定方向に延びる棒状体とされ、かつ外周の周方向に沿って形成された凹部を有し、
上記モップ本体の上記筒部の内周には、半径方向内方に張り出す凸部が設けられており、
上記保持具に対して上記モップ本体が装着された装着状態において、上記保持具の上記凹部に上記モップ本体の上記凸部が嵌まることにより、上記保持具に対する上記モップ本体の軸方向での相対移動が規制されることを特徴とする、モップ。
【請求項2】
上記保持具の上記ヘッド部は、一定方向に延びる丸棒状とされている、請求項1に記載のモップ。
【請求項3】
上記モップ本体の上記凸部は、上記筒部における上記開口の近傍に設けられている、請求項1または2に記載のモップ。
【請求項4】
上記モップ本体の上記筒部は、軸方向と交差する方向に屈曲可能であるとともに、上記装着状態において、上記ヘッド部の先端側における所定長さにわたって上記ヘッド部が挿入されない非挿入部分を有する、請求項1ないし3のいずれかに記載のモップ。
【請求項5】
上記モップ本体の上記筒部は、半径方向の一方向においてその一方向と直交する方向よりも屈曲しにくくされている、請求項4に記載のモップ。
【請求項6】
上記保持具の上記ヘッド部は、軸方向に間隔を隔てて形成された複数の上記凹部を有する、請求項1ないし5のいずれかに記載のモップ。
【請求項7】
上記モップ本体の上記筒部には、上記複数の上記凹部と対応する配置で複数の上記凸部が形成されている、請求項6に記載のモップ。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載のモップと、このモップにおける上記モップ本体を内部に収容可能な有底円筒状の収容ケースと、を備えることを特徴とする、モップと収容ケースとのセット。
【請求項1】
端部が開口し、かつ軸方向に延びる挿入空間が内側に形成された筒部を有し、この筒部の外面に払拭材が設けられたモップ本体と、
把手部、およびこの把手部の先端側に設けられ、上記筒部の開口から上記挿入空間に挿入されて上記モップ本体を保持するヘッド部、を有する保持具と、を備えたモップであって、
上記保持具のヘッド部は、一定方向に延びる棒状体とされ、かつ外周の周方向に沿って形成された凹部を有し、
上記モップ本体の上記筒部の内周には、半径方向内方に張り出す凸部が設けられており、
上記保持具に対して上記モップ本体が装着された装着状態において、上記保持具の上記凹部に上記モップ本体の上記凸部が嵌まることにより、上記保持具に対する上記モップ本体の軸方向での相対移動が規制されることを特徴とする、モップ。
【請求項2】
上記保持具の上記ヘッド部は、一定方向に延びる丸棒状とされている、請求項1に記載のモップ。
【請求項3】
上記モップ本体の上記凸部は、上記筒部における上記開口の近傍に設けられている、請求項1または2に記載のモップ。
【請求項4】
上記モップ本体の上記筒部は、軸方向と交差する方向に屈曲可能であるとともに、上記装着状態において、上記ヘッド部の先端側における所定長さにわたって上記ヘッド部が挿入されない非挿入部分を有する、請求項1ないし3のいずれかに記載のモップ。
【請求項5】
上記モップ本体の上記筒部は、半径方向の一方向においてその一方向と直交する方向よりも屈曲しにくくされている、請求項4に記載のモップ。
【請求項6】
上記保持具の上記ヘッド部は、軸方向に間隔を隔てて形成された複数の上記凹部を有する、請求項1ないし5のいずれかに記載のモップ。
【請求項7】
上記モップ本体の上記筒部には、上記複数の上記凹部と対応する配置で複数の上記凸部が形成されている、請求項6に記載のモップ。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載のモップと、このモップにおける上記モップ本体を内部に収容可能な有底円筒状の収容ケースと、を備えることを特徴とする、モップと収容ケースとのセット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−274026(P2010−274026A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131817(P2009−131817)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(000133928)株式会社テラモト (62)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(000133928)株式会社テラモト (62)
【Fターム(参考)】
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