説明

モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の安定な凍結乾燥された医薬製剤

【課題】凍結乾燥抗体医薬の提供。
【解決手段】本発明は、安定剤として糖又はアミノ糖、アミノ酸及び界面活性剤を含有する、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の凍結乾燥された医薬製剤に関する。さらに、本発明は、この安定な凍結乾燥物の製造方法、並びに抗体を含有する療法剤又は診断剤のための安定化剤としての、糖又はアミノ糖、アミノ酸及び界面活性剤の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定剤として糖又はアミノ糖、アミノ酸及び界面活性剤を含有するモノクローナル又はポリクローナル抗体の凍結乾燥された医薬製剤に関する。さらに、本発明は、これらの安定な凍結乾燥物の製剤方法、並びに抗体を含有する療法剤又は診断剤の安定剤としての糖又はアミノ糖、アミノ酸及び界面活性剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
治療及び診断目的のための免疫グロブリン、特にモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の製造は今日非常に重要でありそして重要性は連続的に増大している。
医学的製剤としての抗体の使用はすでに長い間知られており、そして多くの用途を有する。従って、抗体は例えば破傷風の予防のため、病原性微生物と戦うため又はそれらの毒素を中和するため、そしてさらに蛇毒による中毒と戦うために好結果をもって使用されてきた。
【0003】
病気のメカニズムに関連する抗原が同定されれば、これは多くの感染症及び幾らかの癌の場合にそうであるが、治療のために抗体の特異性が利用される。
臨床及び前臨床研究において、抗体は今日コレステロールレベルを低下せしめるため、アンジオテンシン/レニン系に影響を与えるため、及び自己免疫疾患、例えば狼瘡、自己免疫性脳炎、多発性硬化症、多発性関節炎及び自己免疫性筋無力症において使用されている。
【0004】
さらに、主たる療法的重要性は、ジゴキシン又は強心配糖体ジギトニン及びウアバインによる中毒のために使用される場合抗ジゴキシン抗体の Fab断片のごとき低分子量物質による中毒に対抗するためのそれらの使用である。さらに、抗体は蛋白質の内容物を同定し、精製しそして測定するための診断分野において使用される。
1970年代の後半及び1980年代における、細菌培養でのモノクローナル抗体の生産という革命を起こした遺伝子工学は抗体の製造を大いに発展させた。
【0005】
このような多様な用途を満たすため、貯蔵中に安定であるモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の医薬製剤を手にすることが重要である。特定の抗体の液体製剤及び凍結乾燥物に関する多くの刊行物が存在する。すなわち、例えば、抗体の液体製剤は EP O,280,358, EP 0,170,983, WO 89/11298, EP 0,352,500 、及び特開昭63−088197に記載されている。
【0006】
EP 0,280,358によれば、ある種のホルモンに対して抗体溶液を安定化するために抗体溶液にデキストランが添加され、これにより9ケ月にわたる安定化を達成することができた。EP 0,170,987によれば、加熱した際に熱感受性であるモノクローナル抗体を安定化するために、加水分解されたオボアルブミンが添加され、この結果抗体は45℃にて7日間貯蔵した後においてもなお使用可能であった。ポリヒドロキシアルコール(例えばグリセロール、イノシトール、ポリビニルアルコール)又は糖(例えばシュークロース及びグルコース)、又はグリシトール(例えばソルビトール、マンニトール)は特開昭63−088197から液体製剤のための更なる安定剤として知られている。 WO 89/11298 は、モノクローナル抗体の液体安定化のためのさらなる方法として塩化ナトリウムを含有するリン酸緩衝液中でのマルトースの使用を示している。EP 0,352,500はモノクローナル抗体の溶液安定化のためのポリエチレングリコール4000及び3−プロピオラクトンを記載している。
【0007】
しかしながら一般に、液体製剤は貯蔵安定性のために最適な溶液ではない。なぜなら、蛋白質又はその凝集体は、高温において、異る気候帯を通して輸送される場合又は不適当な貯蔵(例えば冷却の中断)により、貯蔵中に時間と共に沈澱し、そしてそれ故に溶液は低下した蛋白質含量を有し、そして濁るであろう。従って、これらの場合、問題のない溶液は保証され得ない。
【0008】
これに対して、凍結乾燥製剤の場合、水の除去が分解生成物の生成(例えば脱アミド化及び加水分解による)及び凝集体の形成を最小にする。水分残量(結合水)は、特に糖の存在下で、安定性に寄与することができる(Hsuら、Der.Biol.Stand. 1991, 74: 255-267;及び Pikalら、Der.Biol.Stand. 1991, 74: 21-27)。
【0009】
活性物質として特定の抗体を含有する凍結乾燥物が文献から知られているが、これらは安定化の問題に対して一貫したアドバイスを提供しない。すなわち、 WO 93/00807 には、冷却保護膜(例えばポリエチレングリコール)及び蛋白質と水素橋を形成することができる化合物から成る2成分系により生物材料、例えばヒト蛋白質、成長ホルモン類、インターロイキン類、酵素並びにさらにモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体を安定化することが記載されている。しかしながら、これらの製剤の欠点は、もし生物分解が生じなければ、ポリエチレングリコールのごとき高分子化合物の添加が、潜在的に毒性の副作用を伴って体内に蓄積することである。さらに、周知のごとく、ポリマーはそのモル量に依存して抗原として働く可能性がある。
【0010】
凍結の際に不安定なモノクローナル抗体の凍結乾燥物は、出願公開60−146833によれば、アルブミン(ヒト、ウマ又はウシのアルブミン)の添加により1年間安定化される。ヒト血清アルブミン(HSA) はまた、シュードモナス・アエルギノーサの感染の治療のためのモノクローナル抗体を安定化するために炭水化物(例えば、デキストロースシュークロース又はマルトース)との組合せにおいて、EP 0,303,088に記載されている。
【0011】
ヒト血清アルブミン(糖及びアミノ酸との組合せにおいて)はまた、EP 0,413,188においてモノクローナル抗体が安定化されるための原理である。特開平1−075,433 においては、ヒト血清アルブミン、マンニトール及びポリエチレングリコール混合物が、凍結乾燥物としてのヒトモノクローナル抗体を安定化するために使用される。凍結乾燥中のγ−グロブリンの安定化のための、ポリエチレングリコールのごとき高分子及びヒト血清アルブミンのごとき保護蛋白質の使用が、 WO 84/00890 に示されている。
【0012】
Hagiwaraらの WO 93/01835 には、塩化ナトリウム及びリン酸緩衝液を含有する溶液中マンニトール及びグリシンを用いての、凍結乾燥によるヒトモノクローナル抗体の安定化が記載されている。凍結、凍結乾燥及び再構成について安定な製剤が得られる。
Draberら(J.Immun.Methods, 1995, 181: 37-43) は、トレハロースのみの添加により、又はポリエチレングリコール 8,000との組合わせにおいて、4℃にて、マウスからのモノクローナル IgM抗体の安定な製剤を製造することができた。しかしながら、抗体は50℃にてわずか14日間安定であった。他のモノサッカライド又はジサッカライド、例えばシュークロース、マルトース、ラクトース又はガラクトースのみを用いて、これらの抗体を安定化することは不可能であった。
【0013】
WO 89/11297 においては、炭水化物(マルトース)と酸領域での緩衝液(酢酸緩衝液)を用いて、マウスからのモノクローナル抗体が安定な凍結乾燥物に転換される。この場合、欠点は酸領域の緩衝化への限定である。
WO 92/15,331においては、凍結乾燥物中の凍結保護剤及び安定剤として高分子ゼラチンが使用される。安定化はまた、 6.8〜8.1のpH範囲においてカルボン酸(例えばクエン酸)又はその塩と、一級、二級もしくは三級アルコール又はアミノ酸との組合せにおいても達成される。
【0014】
前記の刊行物のすべてにおいて、医学的観点から許容されない医薬添加剤又は助剤物質が安定剤として提案されている。すなわち、ポリマー(例えば PEG又はゼラチン)及び蛋白質(例えば血清アルブミン)は、それらの由来及び理化学的性質によりある種の危険を持ち出し、アナフィラクシーショックの点までアレルギー反応を開始する可能性がある。ヒト又は動物由来の蛋白質及び細胞培養から得られる蛋白質はウイルス汚染の危険を有する。しかしながら、分析的に検出するのが困難な他の蛋白質様汚染が、その性質のためにヒトにおいて免疫反応を生じさせる可能性がある。
【0015】
例えばポリエチレングリコール(PEG) 又はゼラチンのごとき高分子物質の添加は、生物分解がなければ、潜在的に毒性の副作用を伴って体内に蓄積する可能性がある。ポリマーはまた、その分子量に依存して抗原特性を有する。さらに、製造中に使用された触媒又はモノマー及び他のポリマー断片の存在のために、ポリマーの純度を保証することは困難である。他のタイプの安定化が可能であれば、医薬投与形、特に皮下投与可能な医薬形でのポリマーの使用は回避されるべきである。
【0016】
他方、抗体が凍結乾燥される場合、他の添加物を伴わない糖のみの使用は常に適当な保護効果を保証するとは限らない。
【発明の開示】
【0017】
従って、本発明の目的は、前記のポリマー又は蛋白質性医薬助剤を実質的に含まないモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の安定な医薬製剤を提供することである。これは特に、1回又は複数回の凍結及び解凍に対して感受性の抗体に適用される。
【0018】
驚くべきことに、添加剤として糖又はアミノ糖、アミノ酸及び界面活性剤を含有せしめることにより、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の安定な医薬凍結乾燥物が得られることが見出された。この凍結乾燥物は好ましくは、a)抗体、b)糖又はアミノ糖、c)アミノ酸、d)pH値を調整するための緩衝剤、及びe)界面活性剤から構成される。単一の又は異る2種類のアミノ酸のみを含有する凍結乾燥物が特に好ましい。
【0019】
これらの調製物は生理学的によく耐えられ、比較的単純な組成を有し、そして正確に投与され得る。さらに、これらは安定である。すなわち、これらは、多数回の凍結及び解凍にかけられた場合並びに長い貯蔵期間において、検出可能な分解生成物又は蛋白質凝物を示さない。この凍結乾燥物は、安定性の問題を伴わないで冷蔵庫温度(4〜12℃)において、又は室温度(18〜23℃)においてさえ、少なくとも3ケ月、好ましくは少なくとも6ケ月、そして特に1〜2年間にわたり貯蔵することができる。
【0020】
さらに、これらはまた、より高温(例えば30℃まで)において貯蔵された場合も安定である。貯蔵安定性は例えば、凍結乾燥物が容器中で注射用水又は等張溶液により再構成される場合、前記の貯蔵期間中に非常に少数の粒子が検出されることにより示される。特に、容器は、粒子サイズが10μmより大きな粒子を6000個未満、及び/又は粒子サイズが25μmより大きな粒子を 600個未満有する。こうして調製された溶液は約5日間まで、好ましくは3日間まで安定である。
【0021】
添加物の選択された組合せのために調製物が凍結に対して保護するということは特に有利である。すなわち特に、このことは、抗体の安定性を損ねることなく−45℃までの温度における凍結乾燥を可能にする。さらに、本発明の添加剤の組合せを含んで成る凍結乾燥物は比較的高温においてさえ、長期間にわたりそして貯蔵中は安定である。特に従来の製剤に比べて、それらは水による再構成の後に粒子の形成を示さない。すなわち溶液はほとんど濁りを有しない。
【0022】
本発明の調製物は、医学的観点が使用に問題がある蛋白質様又は高分子補助物質を実質上含有しない。約5〜8のpH値、好ましくは 6.0〜7.0 のpH値(血液のpH値は 7.2〜7.4)を有する抗体を含有する液体の療法剤又は診断剤が凍結乾燥物の溶解により得られるという事実のため、これらは、よく耐えられそして実質的に痛みを伴わないで投与され得るという追加の利点を有する。これは特に皮下投与のために重要である。なぜなら、静脈投与に比べて皮下投与は耐えられない痛みを生じさせるからである。
【0023】
本発明の製剤は一般に、抗体の臨床的に意味のある濃度範囲、例えば20mg/mlまで、好ましくは10mg/mlまでの濃度で製造することができる。好ましい濃度範囲は、0.01mg/ml以上、特に0.05及び 0.1mg/ml以上である。特に、0.05〜10mg/ml、又は 0.1〜5mg/ml、例えば5,8又は10mg/mlの濃度範囲が使用される。使用される溶液の注射体積は、皮下注射又は静脈注射の場合は2ml未満であり、好ましくは約1mlである。小注射体積は特に、皮下組織にわずかな刺激しか与えないので、皮下投与が好ましい。基本的には、溶液はまた、注入溶液として、又は注入溶液の添加剤としても直接適当である。これらが注入溶液の添加剤として使用される場合、抗体の濃度により高いレベルであり、例えば10mg/mlまでである。抗体のこれらの濃縮溶液は次に常用の注入溶液に添加され、これにより投与されるべき注入溶液中の抗体濃度医薬として意味のある範囲とされる。この範囲は通常 0.001〜0.5 mg/mlである。
【0024】
単位投与形医薬はすぐに使用できる注入溶液もしくは注射溶液又は凍結乾燥物として存在し得る。医薬製剤が凍結乾燥物の形で使用される場合、単位投与容器、例えば10ml容積のガラスアンプルは、抗体のそれぞれの医薬として意味のある投与量に依存して 0.1〜500mg 、好ましくは10〜100mg の抗体を含有する。凍結乾燥物は任意に、追加の常用の医薬賦形剤を含有する。凍結乾燥物は適当量の再構成溶液に溶解され、そして次に注射溶液として直接使用することができ、又は注入溶液の添加物として使用することができる。注入溶液の添加物として使用される場合、凍結乾燥物は通常約10mlの再構成溶液で溶解され、そして 250mlの生理的食塩水(0.9% NaCl)に添加される。得られる注入溶液は次に約30分以内に患者に投与される。
【0025】
本発明に従って使用される糖はモノサッカライド、ジサッカライド又はトリサッカライドであることができる。グルコース、マンノース、ガラクトース、フラクトース及びソルボースがモノサッカライドとして考慮される。シュークロース、ラクトース、マルトース又はトレハロースがジサッカライドとして考慮される。トリサッカライドとしてラフィノースが好適に使用される。本発明によれば、シュークロース、ラクトース、マルトース、ラフィノース又はトレハロースが特に好適に使用される。マルトースの代りに、立体異性体のジサッカライドであるセロビオース、ゲンチオビオース又はイソマルトースを使用することもできる。
【0026】
ヒドロキシル基の代りにアミノ基(−NH2, −NHR, −NR2)又はアシル化されたアミノ基(−NH−CO−R)を有するモノサッカライドは一般にアミノ糖と称されそして使用される。本発明によれば、このため、グルコサミン、N−メチルグルコサミン、ガラクトサミン及びニュラミン酸(neuraminic acid) が特に好ましい。糖含量又はアミノ含量は、単位投与形当り例えば2000mgまで、好ましくは1000mgまで、特に好ましくは 800又は 500mgまでである。糖含量の下限としては、例えば10, 50又は 100mg以上が考慮される。
【0027】
好ましい範囲は 200〜1000mg、特に 400〜800mg である。単位投与形当りの上記の量は、凍結乾燥物として市販される単位投与形に関する。このような凍結乾燥物は好ましくは容量10mlの注射ビンに充填される。凍結乾燥物を10mlの再構成溶液により溶解した後、直接投与することができる液体投与形が得られる。これらの注射溶液中の糖濃度は、使用される糖の上記の量に基いて、 200mg/mlまで、好ましくは100mg/mlまでである。
【0028】
本発明に従って使用されるアミノ酸は塩基性アミノ酸、例えばアルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン等であることができ、アミノ酸は好ましくはその無機塩の形(好ましくは、リン酸塩の形、すなわちリン酸アミノ酸として)で使用される。遊離アミノ酸が使用される場合、好ましいpH値は、適当な生理的に許容される緩衝物質、例えば無機酸、特にリン酸、硫酸、酢酸、蟻酸又はこれらの塩の添加により調整される。この場合、リン酸塩の使用は、特に安定な凍結乾燥物が得られる点で特に有利である。調製物が有機酸、例えばリンゴ酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸等を実質的に含有しない場合あるいは対応する陰イオン(リンゴ酸イオン、酒石酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、フマル酸イオン等)が存在しない場合に、特に有利である。
【0029】
好ましいアミノ酸はアルギニン、リジン又はオルニチンである。さらに、酸性アミノ酸、例えばグルタミン酸及びアスパラギン酸、あるいは中性アミノ酸、例えばイソロイシン、ロイシン及びアラニン、あるいは芳香族アミノ酸、例えばフェニルアラニン、チロシン又はトリプトファンを使用することもできる。本発明の水性調製物中のアミノ酸含量は、 100mg/mlまで、好ましくは50mg/mlまで、又は30mg/mlまでである。下限は例えば、1,5又は10mg/ml以上の濃度である。好ましい濃度は、例えば、3〜30mg/ml又は10〜25mg/mlの範囲である。対応する投与形が凍結乾燥物として販売される場合、これらの凍結乾燥物は好ましくは注射用ビン(例えば容量が10ml)中に得られる。このような単位投与形は、1000mgまで、好ましくは 500mgまで、又は 300mgまでの量でアミノ酸を含有する。
【0030】
考慮される界面活性剤は、医薬製剤中に通常使用されるすべての界面活性剤、好ましくはポリソルベート及びポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー、例えば Tween(R) である。0.05〜0.5 mg/ml、好ましくは 0.1mg/mlという少量の界面活性剤が抗体を安定化するために十分である。上記の単位投与形において、10mlの注射ビンに充填される凍結乾燥物の場合、界面活性剤の量は 0.5〜5mgである。
【0031】
前記の添加剤により達成される抗体の安定化は、原理的には、すべての既知モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体並びにそれらの Fab断片に関する。ヒト化抗体及び修飾された抗体(例えば米国特許No. 5,624,821;EP 0,592,106; PCT/EP96/00098 を参照のこと)が好適に使用される。抗体の分子量は分子単位当たり 50kDa〜200kDaであり、特に分子量は約80〜150kDaである。
【0032】
特に、B型肝炎ウイルス(WO 94/11494 を参照のこと)、AIDSウイルス、サイトメガロウイルス、髄膜脳炎ウイルス(FSME)、風疹(rubella) ウイルス、ハシカ(measles) ウイルス、狂犬病病原体、シュードモナス・アエルギノーサ細菌、水痘−帯状疱疹ウイルス、破傷風病原体、ファン・ブイルブラント因子(van Willebrandt factor)(WO 96/17078 を参照のこと)、NGFR(神経成長因子受容体)、PDGFR(血小板由来成長因子;Shulman, Sauer, Jackman, Chang, Landolfi, J.Biol.Chem., 1997, 272 (28): 17400-4)、セレクチン、特にE−セレクチン、L−セレクチン(Takashiら、 Proc.Natl.Acad.Sci. USA,1990, 87; 2244-2288; WO 94/12215 を参照のこと)又はP−セレクチン;インテグリン、又はジフテリア病原体に対する抗体を、本発明に従って安定化することができる。
【0033】
抗体濃度は好ましくは8mg/mlまでであることができる。例えば0.05〜2mg/mlが好ましい。単位投与形、例えば10mlの注射ビン中の凍結乾燥物中の抗体の量は、 100mgまで、好ましくは80mg, 50mg, 20mg又は10mgまでである。10mlの容量により凍結乾燥物を再構成した後の抗体の濃度は1〜10mg/ml、好ましくは5〜8mg/mlの範囲である。
【0034】
前記の添加、すなわち糖、アミノ酸及び界面活性剤に加えて、本発明の凍結乾燥物は、pH値を5〜8、好ましくは 6.0〜7.4 に調整するための、酸、塩基、緩衝剤又は等張剤から成る群から選択された生理的に許容される補助物質を含有することができる。本発明の調製物の緩衝能力は、例えば注射用水のごとき標準的再構成溶液により凍結乾燥物が溶解された場合は、緩衝液の濃度が10〜20mmol/L、好ましくは約15mmol/Lの範囲になるように調整される。
【0035】
種々の補助物質又は抗体の添加順序は、製造方法に大きく依存し、そして当業者の判断にゆだねられる。溶液の所望のpH値は、例えば水酸化アルカリ、アルカリ土類水酸化物、又は水酸化アルミニウムの添加により調整される。このために好ましくは水酸化ナトリウムが使用される。所望のpH値は原則として塩基性溶液の添加により調整される。この意味において、弱酸と強塩基との塩、例えば、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウムもしくは第一リン酸ナトリウム、又は炭酸ナトリウムが一般に好ましい。
【0036】
補助物質の医薬溶液が塩基性pH値を有する場合、このものは、所望のpH値に達するまで滴定により調整される。例えば塩酸、リン酸、酢酸、クエン酸、又は酸性pH値を有する物質の常用の溶液のごとき、医薬として許容される無機又は有機の酸が考慮される。この意味において好ましい物質は、例えばリン酸二水素ナトリウム又はリン酸水素二ナトリウムのごとき、弱塩基と強酸との塩である。溶液のpH値は好ましくは、リン酸又は水酸化ナトリウム水溶液により調整される。
【0037】
抗体及び安定化のために使用される添加剤の浸透圧性によっては等張性が達成され得ない場合、よく許容される非経腸剤を製造するために、等張化補助物質が添加される。このためにはまず、よく許容される非イオン性補助物質が使用される。しかしながら、投与用の注射液又は注入液中の最終濃度が30mmol/Lを超えない範囲で、少量の塩、例えば塩化ナトリウムを添加することができる。
さらに、医薬製剤は、さらなる一般的な補助物質又は添加剤を含有することができる。抗酸化剤、例えばグルタチオンもしくはアスコルビン酸又は類似の物質を添加することができる。
【0038】
凍結乾燥物を製造するため、まず抗体を含有する医薬水溶液が製造される。好ましくは塩化ナトリウムを含有する緩衝化された抗体溶液が調製される。この抗体溶液が添加剤である糖、アミノ酸及び界面活性剤を含有する水溶液と混合され、この間にpH値は酸又は塩基により5〜8に調整される。あらかじめ決定された濃度が得られるようにリン酸又はリン酸塩及び塩化ナトリウムが添加される。次に、濾過により除菌され、そしてこうして調製された溶液が凍結乾燥される。
【0039】
本発明はまた、凍結に対して感受性の抗体を含有する不安定な水溶液を、凍結乾燥の手段により、高温において品質を損うことなく安定な調製物に変えることを可能にする。
本発明の凍結乾燥物のさらなる利点は、凍結中の抗体に対する損傷を回避するのみならず、50℃での長期間の貯蔵の後でさえ抗体量の減少及び凝集の生成を示さないことである。注射用水による凍結乾燥物の再構成の後に濁りの低い値により示される粒子の形成が回避される。
【0040】
本発明は、下記実施例の適用によりさらに詳細に説明する。
実施例1〜10は、本発明の凍結乾燥物を製剤化し、製造し、そして抗体の安定性について試験する態様を示す。
【0041】
補助物質を含まない、又はシュークロースのみを含む、又は糖成分の代替物としてマンニトールを含む、又はアミノ酸成分のみを含む、又は界面活性剤を含まずアミノ酸成分のみもしくは糖のみを含む比較実験が示すところによれば、安定な製剤を達成するためには本発明に従う添加物の選択が必須である。シュークロースのみ、アミノ酸のみ、又は界面活性剤を伴わない両成分は不安定な製剤をもたらす。
【0042】
本発明の製剤は凍結に対して不感受性であり、そしてポリエチレングリコール、ゼラチン、血清アルブミンのごとき毒性があると考えられるポリマー又は蛋白質を完全に排除することができる。界面活性剤の場合、比較的少量の生理的に許容される界面活性剤が存在する。
【0043】
次の実施例において使用される HBVに対する抗体は、ネズミの細胞由来の組換えヒトモノクローナル抗体(MAB) である。これは約147kDaの分子量を有し、そしてB型肝炎ウイルスのB型肝炎表面抗原(HBsAg) に向けられている。このモノクローナル抗体は、このウイルスのほとんどすべての既知の変異体において一定である HBsAgのa−決定基を認識する。この抗体は例えば次の医薬用途のために使用することができる:従来満足すべき治療方法が存在しなかった慢性肝炎の治療、 HBsAg−陽性移植患者における受動免疫予防治療。中央ヨーロッパ及び北ヨーロッパ並びに米国において、人口の2%までがB型肝炎ウイルスのキャリヤーであり、南ヨーロッパにおいて3%まで、アフリカ及び極東において10〜15%がキャリヤーである。この慢性感染の結果、肝細胞癌の発生の危険性は 100倍増加し、この感染の結果としてウイルスキャリヤーの40%が死亡する。
【0044】
L−セレクチン、 NGF受容体又はPDGF受容体に対する抗体は本発明の意味における抗体として好適に使用され得る。
実施例1は、凍結及び解凍後の、リン酸緩衝液及び塩化ナトリウムを含有する、pH=5,pH=6.5 及びpH=8におけるB型肝炎ウイルスに対する抗体(MAB HBV; INN名称:Tuvirumab)の水溶液の性質を示す。これは、凍結及び解凍がモノクローナル抗体を損傷することを示す。
【0045】
実施例2は、シュークロース又はマルトース又はアミノ糖(N−メチルグルコサミン又はガラクトサミン)とアルギニンホスフェートとTween 20を用い、抗体濃度2mg/mlすなわち凍結乾燥物中2mgの本発明の調製物の安定化の可能性を示す。
抗体濃度が8mg/mlである点を除き実施例2と同じ調製物を示す。実施例2及び2aから、前記補助物質の組合わせは凍結中の抗体に対する損傷を回避するのみならず長期貯蔵中の安定性への正の影響を有する。
【0046】
実施例3は、本発明の調製物中のアミノ酸及び界面活性剤の必要性を示す。ビルダーとしてのシュークロースのみは不安定な凍結乾燥物を導く。
実施例4はアミノ酸成分の多様性を記載する。これは、アルギニン又はオルニチンの形での塩基性アミノ酸の変化、並びに例えばロイシンのごとき中性アミノ酸又は例えばアスパラギン酸のごとき酸性アミノ酸による塩基性アミノ酸の置換が貯蔵安定性の調製物を導くことを示す。
【0047】
実施例5において、シュークロース、アルギニン及びTween 20並びにリン酸緩衝剤及び塩化ナトリウムを含有する製剤の凍結乾燥を種々のpH値(pH5、pH 6.5及びpH8)において比較する。得られたデータは、このpH範囲において安定性を損うことなく凍結乾燥できることを示している。
【0048】
実施例6に示すように、前記界面活性剤Tween 20を、界面活性剤クラスの代表であるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリマー(商品名Pluronic(R) ) により置き替えた場合、これもまた本発明の調製物の適当な安定性をもたらす。
実施例7は、シュークロース、マルトース又はアミノ糖(実施例2を参照のこと)に代えて、ビルダーとしてマンニトールを含有する製剤の不安定性を示す。
実施例8に示す通り、製剤中で糖及び界面活性剤が省略されれば、調製物は不安定となる。
【0049】
実施例9において、界面活性剤を含まない糖(例えば、シュークロース)及びアミノ酸の組合わせは含量及び凝集のパラメーターについて良好な結果をもたらすが、しかしながら、糖、アミノ酸及び界面活性剤を含有する本発明の製剤に比べて濁りは増加した。
実施例10は、糖、アミノ酸及び界面活性剤の組合せにより他のモノクローナル抗体が安定化され得ることを示す。例えば、抗−L−セレクチン抗体は凍結乾燥物中7mgの濃度において安定である。凍結乾燥は、1ml体積の水溶液から始めて実施される。
【0050】
安定性を測定するための研究方法
凍結乾燥調製物を定義された貯蔵条件下で光の不存在下で貯蔵し、そして次に分析した。分析のために次の試験方法を用いた。
OD 280: 280nmにおける光学濃度。蛋白質含量の光学測定法、UV吸光はトリプトファン、チロシン及びフェニルアラニン残基のごとき側鎖色原体に基く。特異性:95〜105 %。
【0051】
SE-HPLC :凝集を測定するためのサイズ排除高性能クロマトグラフィー。特異性:最高2%。
濁りの測定:凍結乾燥物を再構成した後、未希釈の抗体溶液を適 当な光濁度計において測定した。特異性:最大6濁りユニット。
【0052】
実施例1
リン酸緩衝液及び塩化ナトリウムを含有する、前記 HBVに対する MABのストック水溶液を調製しそして試験する。 MABの濃度は約15mg/mlである。
表1は、種々のpH値における−20℃でのモノクローナル抗体の凍結に対する感受性を示し、4週間後に92.1, 94.2及び94.0%への蛋白質含量の低下を示す。25℃での貯蔵においても蛋白質含量の低下が観察される。冷蔵庫にて4〜8℃の貯蔵条件において、抗体は適切に9ケ月にわたって安定である。
表2〜4はpH値5,6.5 及び8で調製されたモノクローナル抗体溶液の、−20℃、4〜8℃及び25℃での安定性データーを示す。これは4〜8℃での貯蔵のみが許容されることを示す。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】

【0055】
【表3】

【0056】
【表4】

【0057】
実施例2
実施例1に記載の HBVに対するモノクローナル抗体の溶液を、アルギニンリン酸緩衝剤及び界面活性剤Tween 20を含有する、次の糖又はアミノ糖の水溶液に加えた:シュークロース(製剤1)、マルトース(製剤2)、及びN−メチルグルコサミン(製剤3)。製剤を表5及び表6に示す。 MABの最終濃度は2mg/mlである。リン酸によりpH値を 6.5に調整した後、溶液を濾過(0.22μm膜フィルター)により無菌化し、そして無菌化されそしてパイロジエン除去されたガラス製ビンに入れ(水和性クラスI)(充填体積1ml)、そして凍結乾燥した。凍結乾燥の後、注射ビンに窒素を通気し、凍結乾燥チャンバー中でストッパーにより自動的にシールし、そして次にフランジを付した。
【0058】
フランジを付した注射ビンを光の不存在下で、種々の温度において4〜13週間貯蔵した。これらの期間の後、凍結乾燥物の安定性を記載された実験方法により試験した。
【0059】
【表5】

【0060】
【表6】

【0061】
実施例2a
実施例2aにおいて、8mg/mlの抗体を用いて、実施例2の製剤1(製剤2a)を調製した。これは、この製剤中で8mg/mlの高濃度の抗体が適切に安定であることを示す。
【0062】
【表7】

【0063】
【表8】

【0064】
【表9】

【0065】
実施例3
製剤1及び製剤3の比較。製剤4はビルダーとしてシュークロースのみを含有し、アルギニン及びTween 20を含有しない。製剤4は不安定である。
【0066】
【表10】

【0067】
【表11】

【0068】
【表12】

【0069】
実施例4
製剤のアミノ酸含有の多様性。塩基性アミノ酸、中性アミノ酸及び酸性アミノ酸を含む製剤は安定である。
【0070】
【表13】

【0071】
【表14】

【0072】
表15〜18
4週間及び13週間の貯蔵の後の製剤1,5,6及び7の実験結果。
【表15】

【0073】
【表16】

【0074】
【表17】

【0075】
【表18】

【0076】
実施例5.
実施例5は、種々のpH値での製剤1を含む。凍結乾燥物は実施例2に記載したようにして調製する。補助物質の溶液及び生成物溶液のpHは凍結乾燥の前に85%リン酸により調整した。
【0077】
【表19】

凍結乾燥物は表19に示すpH値をもって調製した。
【0078】
注射ビンにフランジを付した後、それらを光の不存在下、規定された温度条件下で貯蔵した。4週間及び13週間の貯蔵の後、サンプルを分析した(蛋白質含量はOD 280により%として、凝集は SE-HPLCにより%として、濁り)。製剤はすべてのpH値において安定であった。
【0079】
【表20】

【0080】
【表21】

【0081】
【表22】

【0082】
実施例6
Tween 20の代りに界面活性剤 Pluronic F 68を含有する下記の製剤を前記のようにして調製した。
貯蔵及び安定性の試験は他の実施例と同様にして行った。
【0083】
【表23】

【0084】
Pluronic F 68の代りにTween 20を含有する点を除き実施例11と同じである製剤1を比較のために選択する。両方の製剤が安定であった。
【0085】
【表24】

【0086】
実施例7.
この実施例に記載する製剤12は、ビルダーとしてシュークロースの代りにマンニトールが使用されている点を除き、本質的に製剤1に対応する。マンニトール製剤は不安定であることがわかる。
【0087】
【表25】

【0088】
【表26】

【0089】
実施例8
糖、アミノ酸及び界面活性剤の組合せの必要性の更なる証明を、リストされたすべての成分を含有する製剤1と、抗体、リン酸緩衝剤、塩化ナトリウム及びアルギニンホスフェートから構成された製剤13との比較により提供する。糖及び界面活性剤がなければ凝集の生成が増加し、そして濁り値が悪化する。
【0090】
【表27】

【0091】
【表28】

【0092】
実施例9.
界面活性剤(Tween 20) を使用せず、シュークロース及びアルギニンのみで安定な製剤が得られるが、濁り値は悪い(製剤14)。
【0093】
【表29】

【0094】
【表30】

【0095】
実施例10.
下記の表13aは製剤15の組成を示す。使用された抗体は抗−L−セレクチンである。安定性試験について表13bに示すデーターは、使用された製剤が適切な安定化を可能にすることを示す。
【0096】
【表31】

【0097】
【表32】

【0098】
【表33】

【0099】
実施例11. 抗L-NGFR抗体(抗−L−神経成長因子受容体抗体)の安定性
【表34】

【0100】
MAB-HBV及び抗−L−セレクチンの凍結乾燥物の調製と同様にして、抗−L-NGFRの凍結乾燥物を調製する。
添加剤である糖、アミノ酸及び界面活性剤を含有するpH5〜8の水溶液を、リン酸緩衝液中抗−NGFRの溶液と混合する。あらかじめ規定された濃度が得られるようにリン酸塩を添加する。次に、これを濾過除菌し、そしてこうして得られた溶液を凍結乾燥する。凍結乾燥の後、光学的に完全な凍結乾燥ケーキを得る。抗−L-NGFR抗体は安定なままである。注射用水による凍結乾燥物の再構成の後、透明な溶液が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖又はアミノ糖、アミノ酸、及び界面活性剤を含有する、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の安定な凍結乾燥された医薬製剤。
【請求項2】
前記製剤が、ポリエチレングリコール及び/又は蛋白質−様標準的医薬補助剤を実質上含有しない、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
a)モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体、
b)糖又はアミノ糖、
c)アミノ酸、
d)緩衝物質として作用する無機酸、及び
e)界面活性剤、
から実質的に形成される請求項1又は2に記載の製剤。
【請求項4】
前記糖がモノサッカライド、ジサッカライド又はトリサッカライドであり、好ましくはシュークロース、マルトース、トレハロース又はラフィノースである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項5】
前記アミノ糖がグルコサミン、N−メチル−グルコサミン、ガラクトサミン又はニューラミン酸である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項6】
前記アミノ酸が、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸又は中性アミノ酸であり、好ましくはアルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、イソロイシン、ロイシン、アラニン、グルタミン酸又はアスパラギン酸である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項7】
前記界面活性剤がポリソルベート、又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリマーである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項8】
酸、塩基、緩衝剤、及び/又は等張化剤から成る群から選択された医薬として許容される補助物質を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の凍結乾燥物を再溶解することにより得られる、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の水性医薬製剤。
【請求項10】
溶液が5〜8、好ましくは6〜7.4 のpH値を有する、請求項9に記載の水性医薬製剤。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の凍結乾燥された医薬製剤の製造方法において、活性成分としてのモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体、並びに添加剤としての糖又はアミノ糖、アミノ酸及び界面活性剤、並びに所望によりさらに医薬補助物質を含有する水性溶液を製造し、そして次にこの溶液を凍結乾燥する、ことを特徴とする方法。
【請求項12】
a)糖又はアミノ糖、b)アミノ酸及びc)界面活性剤の、抗体を含有する安定な療法剤又は診断剤の製造のための使用。

【公開番号】特開2009−46494(P2009−46494A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−233138(P2008−233138)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【分割の表示】特願平10−523210の分割
【原出願日】平成9年11月19日(1997.11.19)
【出願人】(591005589)ロッシュ ディアグノスティクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (14)
【Fターム(参考)】