説明

モノフィラメント及び釣り糸

【課題】低比重化した場合であっても十分な結節強度が得られるポリアミド系樹脂からなるモノフィラメントを提供する。
【解決手段】芯材2と、この芯材2を被覆する鞘材3とから構成される芯/鞘複合モノフィラメント1において芯材2及び鞘材3は、それぞれポリアミド系樹脂から構成されている。ポリアミド系樹脂の主鎖を構成している原子100個あたりのアミド基の数をアミド基濃度としたとき、芯材2を構成するポリアミド系樹脂のアミド基濃度は、鞘材3を構成するポリアミド系樹脂のアミド基濃度よりも小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド系樹脂からなるモノフィラメント及びこれを用いた釣り糸に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリアミド系樹脂を用いた釣り糸としては、ナイロン6に少量のナイロン66を共重合したナイロン6/66のモノフィラメントからなるものが広く用いられている。かかるモノフィラメントは、強度及び柔軟性に優れており、また巻き癖がつき難いなど、釣り糸に適した特性を有していることが知られている。
【0003】
ところが、このようなモノフィラメントは、水よりも比重が大きいことから沈み易く、水に釣り糸を浮かせるような釣りの手法に適したものではなかった。例えば、釣りの技術として、道糸を浮かせ気味にして軽い仕掛けを自然に沈めていく「ふかせ釣り」が、磯釣り等においては多用されるが、上記のモノフィラメントは比重が大きいことから、このような手法に好適ではなかった。また、ナイロン6/66を用いたモノフィラメントには、吸水性が高いため、釣り中に水を吸ってしまい更に沈み易くなってしまうという問題もあった。そのため、ポリアミド系樹脂からなるモノフィラメントには、上述したような好適な特性を維持しながら、更なる低比重化が望まれている。
【0004】
ポリアミド系樹脂からなり、従来よりも低比重化されたモノフィラメントとしては、次のようなものが知られている。すなわち、まず、もともと比重の小さいポリアミド樹脂を用いたもの(特許文献1参照)や、低比重のポリアミド系樹脂をブレンドしたポリアミド系樹脂からなるもの(特許文献2、3参照)が知られている。また、従来のポリアミド系樹脂及び低比重のポリアミド系樹脂を、それぞれ芯材及び鞘材として組み合わせた複合モノフィラメント(特許文献4参照)や、中空構造を有するモノフィラメント(特許文献5、6参照)も知られている。
【特許文献1】特開2002−129431号公報
【特許文献2】特許第2622837号公報
【特許文献3】特開2005−237228号公報
【特許文献4】特公平6−12970号公報
【特許文献5】特開昭55−159743号公報
【特許文献6】特開2001−161237号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者らが検討した結果、上記従来の低比重化されたモノフィラメントは、いずれも釣り糸に適用する場合、以下のような不都合を有していることが確認された。すなわち、まず、従来、低比重のポリアミド樹脂としては、ナイロン6/12が知られており、釣り糸にも多用されているが、これは上記のような用途に対しては十分に低比重なものではなかった。また、より低比重なナイロン11、ナイロン12等も知られているが、これらは強度が低く、釣り糸としての適用が困難であった。特に、釣り糸には、結び目を形成したときに破断等を生じ難い特性、すなわち、結節強度が高いことが重要となるが、上記のような低比重のポリアミド樹脂からなるモノフィラメントはこの結節強度が特に不十分な傾向にあった。
【0006】
また、従来のナイロン6/66等に低比重のポリアミド樹脂をブレンドする場合は、十分な低比重化を図るために低比重のポリアミド樹脂の配合量を多くする(例えば10%以上とする)と、紡糸が不安定となり良好なモノフィラメントが得られなくなるという問題があった。そのため、このようなブレンドの手法では十分に低比重化されたモノフィラメントを得ることは困難であった。
【0007】
さらに、鞘材である低比重のポリアミド系樹脂によって表面が被覆された複合モノフィラメントや中空構造を有するモノフィラメントは、十分な低比重化は可能であったものの、得られたモノフィラメントの結節強度が極めて低いことが確認された。
【0008】
このように、従来の手法によって低比重化されたポリアミド樹脂からなるモノフィラメントは、低比重及び高結節強度という両特性を十分に満足することが困難な傾向にあり、上述した「ふかせ釣り」といった釣りの手法等において使用される釣り糸としては必ずしも好適なものではないことが判明した。
【0009】
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、低比重及び高結節強度という両方の特性を満足することができるポリアミド系樹脂からなるモノフィラメントを提供することを目的とする。本発明はまた、このようなモノフィラメントを用いた釣り糸を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明のモノフィラメントは、軸方向に延びる芯材と、この芯材を被覆する鞘材とを有する芯/鞘複合モノフィラメントであって、芯材及び鞘材は、それぞれポリアミド系樹脂から構成されており、ポリアミド系樹脂の主鎖を構成している原子100個あたりのアミド基の数をアミド基濃度としたとき、芯材を構成するポリアミド系樹脂のアミド基濃度が、鞘材を構成するポリアミド系樹脂のアミド基濃度よりも小さいことを特徴とする。
【0011】
ここで、ポリアミド系樹脂の「アミド基濃度」とは、当該ポリアミド系樹脂の主鎖を構成している原子100個あたりのアミド基の数である。この主鎖を構成している原子の数には、アミド基を構成している炭素原子や窒素原子も含まれる。この「アミド基濃度」は、具体的には、単一の繰り返し単位のみから構成される単独重合体の場合、繰り返し単位中のアミド基の数を当該繰り返し単位の主鎖を構成している原子の数で割り、これを主鎖の100原子あたりの数に換算して得られた値とすることができる。また、複数の繰り返し単位から構成される共重合体の場合、それぞれの繰り返し単位についてのアミド基濃度を算出し、これらにそれぞれの共重合比率を掛けた値を足し合わせることで得られた値とすることができる。
【0012】
ポリアミド系樹脂は、アミド基濃度が小さいものほど比重が小さくなる傾向にある。したがって、上記本発明のモノフィラメントは、アミド基濃度が小さいポリアミド系樹脂からなる芯材を用いることによって低比重化が可能である。しかし、上述の如く、従来は、低比重のポリアミド系樹脂のみを用いた場合や、また低比重のポリアミド系樹脂を鞘材にのみ用いた複合構造とした場合でさえも、十分な結節強度が得られなくなる傾向にあった。これに対し、本発明者らは、芯材の外側にこれよりもアミド基濃度の大きいポリアミド系樹脂からなる鞘材を配置することで、低比重で結節強度が低い芯材を有する場合であっても、モノフィラメント全体の結節強度を向上し得ることを見出した。つまり、本発明のモノフィラメントは、芯材を鞘材で被覆し、且つ、芯材を鞘材よりもアミド基濃度の小さいポリアミド系樹脂から構成したことで、低比重化が可能となるとともに、十分な結節強度を維持できるようになったものである。
【0013】
ここで、モノフィラメントの結節強度とは、結節部(結び目)の破断等に対する耐性を示す。通常、モノフィラメントに結び目を設けてその両側を引っ張った場合は、この結節部には、引っ張りの力とともに圧縮・剪断の力も働くことになる。したがって、結節強度を高めるには、引っ張りの力に対する抵抗力のみならず、圧縮・剪断に対する抵抗力も有することが必要となる。ポリアミド系樹脂は、そのアミド基濃度が高いとアミド基間の水素結合等によって分子鎖の構成単位間の結合力が強くなり、これによって圧縮・剪断力に対する抵抗力も大きくなると考えられる。そして、本発明者らの知見によれば、モノフィラメントは、少なくともその表層部分が圧縮・剪断力に対して高い抵抗力を有していると、全体としても高い抵抗力を維持することができると推測される。したがって、本発明のモノフィラメントは、より高いアミド基濃度を有する鞘材を備えることによって、全体としても優れた結節強度を保持し得るようになったと考えられる。ただし、本発明によって得られる効果の要因は、必ずしもこれに限定されない。
【0014】
上記本発明のモノフィラメントにおいて、鞘材のアミド基濃度は13以上であると好適である。鞘材のアミド基濃度が13以上であると、この鞘材の圧縮・剪断力に対する抵抗力が特に強くなり、モノフィラメントの結節強度が一層高められるようになる。
【0015】
また、芯材のアミド基濃度は、12以下であると好ましい。かかるアミド基濃度を有する芯材は十分に低比重なものとなり、これよりもアミド基濃度の高い鞘材と組み合わせることで、更に低比重且つ高結節強度のモノフィラメントが得られるようになる。
【0016】
上記本発明のモノフィラメントは、換言すれば、軸方向に延びる芯材と、この芯材を被覆する鞘材と、を有する芯/鞘複合モノフィラメントであって、芯材及び鞘材は、それぞれポリアミド系樹脂から構成されており、芯材を構成するポリアミド系樹脂の比重が、鞘材を構成するポリアミド系樹脂の比重よりも小さいことを特徴としてもよい。
【0017】
かかる本発明のモノフィラメントは、より比重の小さいポリアミド系樹脂からなる芯材の周囲をより比重の大きいポリアミド系樹脂からなる鞘材で被覆した構成を有することで、全体として低比重化されるとともに優れた結節強度を有するものとなる。
【0018】
より具体的には、上記本発明のモノフィラメントにおいては、芯材を構成するポリアミド系樹脂が、ナイロン11、ナイロン12、又は、アミド基濃度が12以下であるナイロン6/12であり、鞘材を構成するポリアミド系樹脂が、ナイロン6/66、又は、アミド基濃度が12よりも大きいナイロン6/12であると好ましい。こうすれば、芯材及び鞘材のアミド基濃度及び比重がそれぞれ好適な範囲となり、更に十分に低比重化されるとともに優れた結節強度を有するモノフィラメントが得られるようになる。
【0019】
本発明はまた、上記本発明のモノフィラメントからなる釣り糸を提供する。かかる釣り糸は、上記本発明のモノフィラメントからなるため、低比重且つ高結節強度なものとなる。したがって、上述したような「ふかせ釣り」や、水面に浮くタイプのルアーを使用する「トップウォーター釣り」等の釣りの手法において用いるのに好適なものとなる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、すぐには水に沈まない程度に低比重化されるとともに、十分な結節強度を有するポリアミド系樹脂からなるモノフィラメントを提供することが可能となる。また、このようなモノフィラメントからなり、水に釣り糸を浮かせるような釣りの手法に好適な釣り糸を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は、好適な実施形態に係るモノフィラメントの端部付近の構造を示す斜視図である。図1に示すモノフィラメント1は、一定の軸方向に延びる芯材2と、この芯材を覆う鞘材3とを有している。この鞘材3は、芯材2の長さ方向に平行な外周面上に形成されており、モノフィラメント1の最表面に配置されている。このモノフィラメント1において、芯材2及び鞘材3は、いずれも主にポリアミド系樹脂から構成される。そして、芯材2を構成するポリアミド系樹脂のアミド基濃度は、鞘材3を構成するポリアミド系樹脂のアミド基濃度よりも小さくなっている。
【0023】
芯材2及び鞘材3を構成するポリアミド系樹脂としては、脂肪族ポリアミド(ナイロン)が好適である。ポリアミド系樹脂としては、ω−アミノ酸の自己重縮合やラクタムの開環重合により得られる脂肪族ポリアミド(l型ナイロン;ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12等)、ジアミンとジカルボン酸との重縮合により得られる脂肪族ポリアミド(mn型ナイロン;ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612等)や、これらを共重合した脂肪族ポリアミド(共重合ナイロン;ナイロン6/12、ナイロン6/66等)が挙げられる。
【0024】
芯材2及び鞘材3を構成するポリアミド系樹脂は、それぞれ上述したような芯材2と鞘材3とのアミド基濃度の関係を満たす組み合わせとなるように選択されたものである。ここで、ポリアミド系樹脂のアミド基濃度とは、上述の如く、ポリアミド系の主鎖を構成している原子100個あたりのアミド基(−CONH−)の数である。主鎖とは、ポリアミド系樹脂を構成している最も長い鎖を意味する。ポリアミド系樹脂は、主な繰り返し単位以外の構造単位を有している場合もあるが、この場合は、かかる構造単位中のアミド基数や主鎖の原子数は考慮しない。したがって、アミド基濃度は、ポリアミド系樹脂を構成している繰り返し単位あたりの主鎖の原子数及びアミド基の数をもとに求めた値としてもよい。
【0025】
例えば、l型ナイロンであるナイロン6の場合、1つの繰り返し単位あたりの主鎖の原子数は、炭素(C)6個+窒素(N)1個で7個である。また、1つの繰り返し単位あたりのアミド基の数は1個である。そして、アミド基濃度は、1つの繰り返し単位におけるアミド基濃度を主鎖の原子100個あたりに換算して得られることから、(1(アミド基の数)/7(主鎖の原子数))×100=14.3となる。
【0026】
また、mn型ナイロンであるナイロン66の場合、1つの繰り返し単位あたりの主鎖の原子数は、原料であるヘキサメチレンジアミン由来のCが6個、Nが2個、アジピン酸由来のCが6個で合計14個である。また、1つの繰り返し単位あたりのアミド基の数は2個である。したがって、アミド基濃度は、(2(アミド基の数)/14(主鎖の原子数))×100=14.3となる。
【0027】
さらに、共重合ナイロンであるナイロン6/12の場合、ナイロン6のアミド基濃度が14.3であり、ナイロン12のアミド基濃度が7.7である。したがって、例えば、共重合比率がナイロン6/ナイロン12=80/20であるとすると、全体のアミド基濃度は14.3×0.8+7.7×0.2=13.0となる。
【0028】
モノフィラメント1において、鞘材3を構成しているポリアミド系樹脂は、アミド基濃度が12よりも大きいものが好ましく、13以上のものであるとより好ましい。このようなポリアミド系樹脂からなる鞘材3を有することで、モノフィラメント1の結節強度がより優れるようになる。
【0029】
また、芯材2を構成しているポリアミド系樹脂のアミド基濃度は、12以下であると好ましく、9以下であるとより好ましく、8.3以下であると更に好ましい。こうすれば、鞘材3と組み合わせた場合であっても十分に低比重なモノフィラメントが得られるようになる。
【0030】
芯材2を構成しているポリアミド系樹脂は、モノフィラメント1を低比重化するために、鞘材3を構成しているポリアミド系樹脂よりも小さい比重を有している。この芯材2を構成しているポリアミド系樹脂の比重は、1.10以下であると好ましく、1.05以下であるとより好ましい。芯材2がこのようなポリアミド系樹脂から構成されると、モノフィラメント1が水に対してすぐには沈まない程度に低比重のものとなる。
【0031】
上述した条件を満たす芯材2及び鞘材3を構成するためのポリアミド系樹脂としては、それぞれ具体的に次のものが挙げられる。すなわち、芯材2を構成するポリアミド系樹脂としては、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、又は、上述した好適値以下のアミド基濃度を有するナイロン6/12が好ましい。このナイロン6/12には、例えば、ナイロン12の共重合比率が40%以上であるものが挙げられる。また、鞘材3を構成するポリアミド系樹脂としては、ナイロン6、ナイロン6/66又は上述した好適値以上のアミド基濃度を有するナイロン6/12が好ましい。このナイロン6/12には、例えば、ナイロン12の共重合比率が40%未満であるものが挙げられる。
【0032】
モノフィラメント1は、上述したような芯鞘複合構造を有するものであるが、当該構造における芯材2と鞘材3との比率(芯材2/鞘材3)は、重量比で90/10〜10/90であると好ましく、80/20〜20/80であるとより好ましい。このような芯鞘比率を満たすことで、モノフィラメント1は良好に低比重化されるとともに十分な結節強度を有するようになる。
【0033】
また、モノフィラメント1は、全体としての比重が1.02以上1.10未満であると好ましく、また、結節強度が600MPa以上であると好ましく、700MPa以上であるとより好ましい。これらの条件を満たすモノフィラメント1は、十分に比重が小さいため水中に沈みにくいものとなり、しかも、高い結節強度を有することから釣り糸として好適なものとなる。
【0034】
さらに、モノフィラメント1は、その引張弾性率が4.0GPa以下であると好ましく、3.5GPa以下であるとより好ましい。これにより、モノフィラメント1は、柔軟で巻き癖がつき難く、また仮に巻き癖がついたとしても取れ易いものとなるため、例えば釣り糸リールから出た時の糸癖が少なくなり、ふかせ釣り等において要求される道糸としてより適したものとなる。
【0035】
なお、モノフィラメント1における芯材2や鞘材3は、主にポリアミド系樹脂から構成されるが、ポリアミド系樹脂以外の成分を含有していてもよい。このような他の成分としては、可塑剤、熱安定剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤・光安定剤等の耐光剤、撥水剤、蛍光増白剤、着色剤、無機フィラー等が挙げられる。これらは、ポリアミド系樹脂に対して合計で0.001〜10重量%程度含まれていてもよい。また、これらの他の成分は、芯材2及び鞘材3の両方に含まれていてもよく、どちらか一方のみに含まれていてもよい。
【0036】
上述した構造を有するモノフィラメント1は、例えば、以下のような製造方法によって製造することができる。すなわち、まず、芯材2及び鞘材3を形成するためのポリアミド系樹脂をそれぞれ別々の押出機に投入する。次いで、これらのポリアミド系樹脂を、200〜260℃で溶融する。それから、溶融された各ポリアミド系樹脂を、芯/鞘タイプの複合ノズルを用い、鞘材3形成用のポリアミド系樹脂が芯材2形成用のポリアミド系樹脂の周囲を被覆するようにして同時に押し出すことにより、芯/鞘複合紡糸を行う。
【0037】
かかる紡糸においては、ノズルから押し出されたポリアミド系樹脂を、一旦水中等に入れて急冷した後、再び熱水や熱風等で加熱しながら延伸を行うことで、所望の径を有するモノフィラメント1を得ることができる。この場合、延伸は繰り返し行ってもよい。モノフィラメント1における芯材2と鞘材3との比率は、押し出し時にそれぞれのポリアミド系樹脂の押し出し量を適宜設定することで調節することができる。
【0038】
以上のようにしてモノフィラメント1が良好に得られるが、製造方法は上記の方法に限定されず、例えば、芯材2を先に形成してから、これを鞘材3形成用のポリアミド系樹脂で被覆するようにしてもよい。
【0039】
上記構成を有するモノフィラメント1によれば、芯材2にアミド基濃度が小さく低比重のポリアミド系樹脂を用いることで、全体として低比重化が図れるようになる。低比重の芯材2は、従来、それ自体は決して結節強度が高いものではなかったが、モノフィラメント1は、このような芯材2を有しているにもかかわらず、この芯材2の表面をこれよりもアミド基濃度が大きいポリアミド系樹脂からなる鞘材3で覆うことによって、全体として良好な結節強度を有している。このように、モノフィラメント1は、低比重化が可能であるとともに、十分な結節強度を有するものとなる。
【0040】
そして、このようなモノフィラメント1は、低比重且つ高結節強度を有することから、水に浮くような性質が求められる釣りの手法等に用いられる釣り糸として好適である。このような釣り糸は、上記のモノフィラメント1のみから構成されるものであってもよく、適宜他の釣り糸等と組み合わされたものであってもよい。
【0041】
なお、本発明のモノフィラメントは必ずしも上述したような実施形態のものに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜構成が異なっていてもよい。例えば、上記の実施形態では、芯材2の表面上に直接鞘材3が設けられたモノフィラメント1を例示したが、これに限られず、中央部に芯材2を有し、最表面に鞘材3を有する構成であれば、芯材2と鞘材3との間に他の層が設けられていてもよい。
【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[モノフィラメントの材料]
【0043】
下記の各実施例及び比較例のモノフィラメントの材料としては、下記表1に示すポリアミド系樹脂(ナイロン)、フッ化ビニリデン樹脂及び可塑剤から適宜選択して用いた。表中、「Ny」は「ナイロン」を示す(以下においても同様)。また、ポリアミド系樹脂が共重合ナイロンである場合は、その共重合比率をあわせて示した。
【表1】


[モノフィラメントの製造:実施例1〜19]
【0044】
実施例1〜19のモノフィラメントの製造は、以下の方法にしたがって行った。すなわち、まず、モノフィラメントの原料として、鞘材及び芯材用の材料をそれぞれ準備した。これらの樹脂をそれぞれ2台の押出機に別々に投入し、所定の押出温度で溶融した後、芯/鞘タイプ複合ノズルを用い、鞘材:芯材が所定の重量比となるようにそれぞれの押出量を設定して、芯/鞘複合紡糸を行った。
【0045】
ノズルから吐出した樹脂は、冷却温度5℃の水中において急冷した後、熱水中に通して所定倍率で延伸(一段延伸)し、次いで熱風中で所定のトータル延伸倍率が得られるように延伸(二段延伸)し、更に熱風中で8%緩和熱処理して、モノフィラメントを得た。
【0046】
各モノフィラメントの製造における芯材及び鞘材用の材料の種類、及び、芯材:鞘材の比率(重量比)は、表2に示す通りとした。また、各実施例において変えた条件(押出温度、延伸時の温度や延伸倍率等)は、以下の通りとした。なお、各実施例で得られたモノフィラメントの糸径(直径)は、表6にまとめて示した。
【0047】
(実施例1)
押出温度は、220〜245℃とした。また、一段延伸時の熱水の温度は85℃とし、延伸倍率は3.6倍とした。二段延伸時の熱風の温度は185℃とし、トータル延伸倍率は5.6倍となるようにした。さらに、緩和熱処理時の熱風の温度は165℃とした。
【0048】
(実施例2〜5)
押出温度は、210〜240℃とした。また、一段延伸時の熱水の温度は85℃とし、延伸倍率は3.8倍とした。二段延伸時の熱風の温度は180℃とし、トータル延伸倍率は5.6倍となるようにした。さらに、緩和熱処理時の熱風の温度は160℃とした。
【0049】
(実施例6〜12)
二段延伸時の熱風の温度を185℃に変え、緩和熱処理時の熱風の温度を165℃に変えたこと以外は、実施例2〜5と同様の条件とした。
【0050】
(実施例13〜19)
鞘材及び芯材用の樹脂として、ナイロンに加え表2で示す配合量で可塑剤を含むものを用いたこと以外は、実施例6〜12と同様の条件とした。表2中、可塑剤の欄には、ナイロン100重量部に対する可塑剤の配合量(重量部)を示す。
【表2】


[モノフィラメントの製造:比較例1〜8]
【0051】
比較例1〜8では、単一の材料を用いて芯/鞘構造を有しないモノフィラメントを製造した。すなわち、まず、モノフィラメント形成用の樹脂(ナイロン)を準備し、これを押出機に投入して所定の押出温度で溶融し、単層ノズルで紡糸した。ノズルから吐出した樹脂は、水中において急冷した後、熱水中に通して所定倍率で延伸(一段延伸)し、次いで熱風中で所定のトータル延伸倍率が得られるように延伸(二段延伸)し、更に熱風中において所定の緩和率で緩和熱処理して、モノフィラメントを得た。
【0052】
各比較例で用いた材料の種類は、表3に示す通りとした。また、各比較例で異なる条件(押出温度、冷却温度、延伸時の温度や延伸倍率等)は、以下に示す通りとした。なお、各比較例で得られたモノフィラメントの糸径(直径)は、表7にまとめて示した。
【0053】
(比較例1)
押出温度は、230〜250℃とした。ノズルから吐出した樹脂の急冷は、冷却温度5℃で行った。また、一段延伸時の熱水の温度は85℃とし、延伸倍率は3.6倍とした。二段延伸時の熱風の温度は185℃とし、トータル延伸倍率は5.3倍となるようにした。さらに、緩和熱処理時の熱風の温度は165℃とし、緩和率は5%とした。
【0054】
(比較例2)
押出温度は、220〜245℃とした。ノズルから吐出した樹脂の急冷は、冷却温度5℃で行った。また、一段延伸時の熱水の温度は85℃とし、延伸倍率は3.8倍とした。二段延伸時の熱風の温度は185℃とし、トータル延伸倍率は5.6倍となるようにした。さらに、緩和熱処理時の熱風の温度は165℃とし、緩和率は8%とした。
【0055】
(比較例3)
樹脂として、表3で示す配合量で可塑剤を含むものを用いたこと以外は、比較例2と同様の条件とした。表3中、可塑剤の欄には、ナイロン100重量部に対する可塑剤の配合量(重量部)を示す。
【0056】
(比較例4)
二段延伸時の熱風の温度を145℃に変え、緩和熱処理時の緩和率を3%に変えたこと以外は、比較例2と同様の条件とした。
【0057】
本比較例では、モノフィラメントは得られたものの、紡糸がやや不安定であり、未延伸糸に太さ9%程度の太さ斑が発生した。また、引き取りに用いた回転ロールに糸が吸い付く現象が見られた。さらに、2段延伸時の温度を通常の温度程度まで上げると糸の溶断が起こり易くなったため、145℃まで下げざるを得なかった。
【0058】
(比較例5)
緩和熱処理時の緩和率を3%に変えたこと以外は、比較例2と同様の条件とした。
【0059】
本比較例では、モノフィラメントは得られたものの、急冷時に糸の波打ちが発生し、糸に7%程度の太さ斑が発生した。
【0060】
(比較例6)
二段延伸時のトータル延伸倍率を5.6倍となるように変え、緩和熱処理時の緩和率を3%に変えたこと以外は、比較例2と同様の条件とした。
【0061】
(比較例7)
比較例5と同様の条件とした。
【0062】
(比較例8)
押出温度は、235〜260℃とした。ノズルから吐出した樹脂の急冷は冷却温度6℃で行った。また、一段延伸時の熱水の温度は88℃とし、延伸倍率は3.4倍とした。二段延伸時の熱風の温度は195℃とし、トータル延伸倍率は5.3倍となるようにした。さらに、緩和熱処理時の熱風の温度は175℃とし、緩和率は5%とした。
【0063】
本比較例では、急冷時に糸がよれる現象が見られたが、概ね良好な紡糸が可能であった。
【表3】


[モノフィラメントの製造:比較例9〜14]
【0064】
比較例9〜14では、2種類の材料をブレンドして芯/鞘構造を有しないモノフィラメントを製造した。モノフィラメントの製造は、モノフィラメント形成用の樹脂として、2種の樹脂(ナイロン1及びナイロン2)を表4に示す種類及び配合量(重量部)にしたがって予め混合したものを用いたこと以外は、比較例1〜8と同様の手法により行った。各比較例で異なる条件(押出温度、冷却温度、延伸時の温度や延伸倍率等)は、以下に示す通りとした。なお、各比較例で得られたモノフィラメントの糸径(直径)は、表7にまとめて示した。
【0065】
(比較例9)
押出温度を215〜245℃とし、ノズルから吐出した樹脂の急冷を冷却温度5℃で行ったが、2つの樹脂が相溶化せず、吐出した樹脂は白濁して不透明であり、しかも、ノズルからの吐出量の変動が大きいため引き取ることができず、紡糸ができなかった。
【0066】
(比較例10)
比較例9と同様の条件でモノフィラメントの製造を行なおうとしたが、2つの樹脂が相溶化せず、吐出した樹脂は白濁して不透明であり、しかも、ノズルからの吐出量の変動が大きいため引き取ることができず、紡糸ができなかった。
【0067】
(比較例11)
押出温度は235〜250℃とした。ノズルから吐出した樹脂の急冷は、冷却温度8℃で行った。また、一段延伸時の熱水の温度は80℃とし、延伸倍率は4.0倍とした。二段延伸時の熱風の温度は190℃とし、トータル延伸倍率は5.5倍となるようにした。さらに、緩和熱処理時の熱風の温度は170℃とし、緩和率は5%とした。
【0068】
本比較例では、ノズルから吐出した樹脂が若干白濁していたものの引き取りは可能であり、モノフィラメントを得ることができた。
【0069】
(比較例12)
比較例11と同様の条件でモノフィラメントの製造を行なおうとしたが、2つの樹脂が相溶化せず、吐出した樹脂は白濁して不透明であり、しかも、ノズルからの吐出量の変動が大きいため引き取ることができず、紡糸ができなかった。
【0070】
(比較例13)
比較例9と同様の条件でモノフィラメントの製造を行なおうとしたが、2つの樹脂が相溶化せず、吐出した樹脂は白濁して不透明であり、しかも、ノズルからの吐出量の変動が大きいため引き取ることができず、紡糸ができなかった。
【0071】
(比較例14)
比較例9と同様の条件でモノフィラメントの製造を行なおうとしたが、2つの樹脂が相溶化せず、吐出した樹脂は白濁して不透明であり、しかも、ノズルからの吐出量の変動が大きいため引き取ることができず、紡糸ができなかった。
【表4】


[モノフィラメントの製造:比較例15及び16]
【0072】
比較例15及び16では、本発明の条件を満たさない芯/鞘構造を有するモノフィラメントを製造した。モノフィラメントの製造は、芯材及び鞘材の材料の種類、及び、芯材:鞘材の比率(重量比)を表5に示すとおりとしたこと以外は、実施例1〜19と同様の手法により行った。各比較例において異なる条件(押出温度、延伸時の温度や延伸倍率等)は、以下に示す通りとした。なお、各比較例で得られたモノフィラメントの糸径(直径)は、表7にまとめて示した。
【0073】
(比較例15)
実施例6〜12と同様の条件とした。
【0074】
(比較例16)
押出温度は、鞘材について220〜245℃とし、芯材について200〜265とした。また、一段延伸時の熱水の温度は85℃とし、延伸倍率は3.6倍とした。二段延伸時の熱風の温度は185℃とし、トータル延伸倍率は5.6倍となるようにした。さらに、緩和熱処理時の熱風の温度は165℃とした。
【0075】
この比較例16においては、フッ化ビニリデン樹脂からなる芯材に急冷による体積収縮が原因と思われるボイドが発生した。また、これを延伸したところ、延伸破断が多発した。延伸が可能であったものも、鞘材と芯材との界面で剥離が生じ、良好なモノフィラメントを得ることはできなかった。
【表5】


[特性評価1]
【0076】
まず、実施例1〜19及び比較例1〜16で得られた各モノフィラメントに対し、以下に示すように比重測定及び引張試験を行い、各モノフィラメントの比重、結節強度、結節伸度、引張強度、引張伸度及び引張弾性率を測定した。得られた結果をまとめて表6及び7に示す。
【0077】
なお、表6及び表7中には、各モノフィラメント製造時の紡糸の状態もあわせて示した。この紡糸の状態は、それぞれ以下のような状態を示している。
良好 :良好に紡糸が可能であった。
ほぼ良好:やや不安定な挙動が見られたものの、通常の紡糸が可能であった。
不安定 :太さ斑が生じる程度に紡糸が不安定であったが、モノフィラメントを得ることはできた。
不良 :モノフィラメントを得ることができなかった。
【0078】
(比重測定)
モノフィラメントを60℃で24時間真空乾燥させた後、(株)島津製作所社製アキュビック1330ガス置換式密度測定装置を用いて比重の測定を行った。なお、かかる測定は、各実施例又は比較例のモノフィラメントについて測定数(n)=5の条件で行った。
【0079】
(引張試験)
各モノフィラメントについて、23℃、65%RHの室内に一晩放置した後、JIS L 1013に準拠し、オリエンテック(株)製テンシロンUTM−III−100型引張試験機を用いて、23℃65RH%の室内で、長さ300mm、引張速度300mm/分、測定数n=5の条件で試験を行い、これにより結節強度、結節伸度、引張強度、引張伸度及び引張弾性率を測定した。なお、結節強度及び伸度は、結び目を設けた状態で試験を行い、引張強度及び引張伸度と同様にして測定された値である。これにより得られた値を乾時強度とする。
【表6】


【表7】

【0080】
表6に示されるように、実施例1〜19で得られたモノフィラメントは、いずれも水にはすぐに沈まない程度に十分に低比重化されており、しかも、いずれも高い結節強度及び伸度、並びに引張強度及び伸度を有していた。これより、実施例1〜19のモノフィラメントは、水に釣り糸を浮かせるような釣りの手法に好適な釣り糸を提供できることが確認された。
【0081】
一方、表7に示されるように、比較例1〜8のように単一種類のナイロンのみを用いた場合は、良好にモノフィラメントの製造することは可能であったものの、低比重及び高強度(特に高結節強度)を両立することは困難であった。
【0082】
また、比較例9〜14のように、2種のナイロンを組み合わせて低比重化を図った場合は、紡糸が困難でありモノフィラメントが良好に得られない場合が多かった。低比重のナイロン(Ny12(B))含有量を少なくした比較例11では、唯一モノフィラメントを得ることができたものの、十分な低比重化はできなかった。
【0083】
さらに、比較例15のように、アミド基濃度の小さいナイロンを鞘材に用いると、実施例等と同様に低比重化はできるものの、結節強度が極めて低くなり、また、引張弾性率も高くなることから、釣り糸としては不適切となってしまうことが判明した。さらにまた、比較例16のように、芯材にポリアミド系樹脂ではない材料を用いて低比重化を試みると、紡糸が困難となるほか、この芯材とポリアミド系樹脂からなる鞘材との間で剥離が生じてしまうことが確認された。
[特性評価2]
【0084】
また、実施例1及び19、並びに、比較例1及び2で得られたモノフィラメントを用い、以下に示すようにしてこれらの吸水による各特性への影響について評価した。
【0085】
(水浸漬後の特性保持率)
まず、各モノフィラメントについて、上記と同様の手法により乾時強度(結節強度、結節伸度、引張強度及び引張伸度)を測定した。次いで、これらを23℃の水に6時間浸漬した後、このモノフィラメントについても同様の引張試験を行って、これらの結節強度、結節伸度、引張強度及び引張伸度を測定した。これらの値を湿時強度とする。そして、乾時強度に対して湿時強度が変化した割合(%)を求め、得られた値を水浸漬後の特性保持率とした。得られた結果を表8に示す。
【0086】
(吸水率及び収縮率)
まず、各モノフィラメントを長さ1mに切り出して試料を作製し、これを23℃、65%RHの室内で空気中に24時間放置した後、23℃の水に最大24時間浸漬した。そして、水に浸漬させる前及び後の試料の重量を測定しておき、この重量の変化から、各試料による吸水率を算出した。また、水に浸漬させる前と後の試料の寸法も測定しておき、この寸法の変化から水の吸収による長さの変化率(収縮率)を算出した。なお、これらの値は、水への浸漬開始から6時間経過した時点と、24時間経過した時点との両方で求めた。また、上記測定は、各実施例又は比較例に対応するモノフィラメントについて測定数(n)=5の条件で行った。得られた結果を表8に示す。
【表8】

【0087】
表8より、実施例1及び19のモノフィラメントは、特に通常釣り糸として多用されるNy6/66を用いた比較例1の場合に比べて、水浸漬後の特性保持率が高く、吸水率及び収縮率も小さく、吸水による比重の増大も抑制できることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】好適な実施形態のモノフィラメントの端部付近の構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0089】
1…モノフィラメント、2…芯材、3…鞘材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる芯材と、この芯材を被覆する鞘材と、を有する芯/鞘複合モノフィラメントであって、
前記芯材及び前記鞘材は、それぞれポリアミド系樹脂から構成されており、
前記ポリアミド系樹脂の主鎖を構成している原子100個あたりのアミド基の数をアミド基濃度としたとき、前記芯材を構成するポリアミド系樹脂のアミド基濃度が、前記鞘材を構成するポリアミド系樹脂のアミド基濃度よりも小さい、ことを特徴とするモノフィラメント。
【請求項2】
前記鞘材のアミド基濃度が13以上であることを特徴とする請求項1記載のモノフィラメント。
【請求項3】
前記芯材のアミド基濃度が12以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のモノフィラメント。
【請求項4】
軸方向に延びる芯材と、この芯材を被覆する鞘材と、を有する芯/鞘複合モノフィラメントであって、
前記芯材及び前記鞘材は、それぞれポリアミド系樹脂から構成されており、
前記芯材を構成するポリアミド系樹脂の比重が、前記鞘材を構成するポリアミド系樹脂の比重よりも小さい、ことを特徴とするモノフィラメント。
【請求項5】
前記芯材を構成するポリアミド系樹脂が、ナイロン11、ナイロン12、又は、アミド基濃度が12以下であるナイロン6/12であり、前記鞘材を構成するポリアミド系樹脂が、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66、又は、アミド基濃度が12よりも大きいナイロン6/12である、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のモノフィラメント。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のモノフィラメントを用いた釣り糸。

【図1】
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【公開番号】特開2008−127714(P2008−127714A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−314651(P2006−314651)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【出願人】(000001100)株式会社クレハ (477)
【Fターム(参考)】