説明

モーションディテクターの起動

【課題】モーションディテクターに関し、具体的には、モーションディテクターを起動するための方法と装置に関する。更に具体的には、本発明は、作動中のモーションディテクターが存在するかどうかを決定するためにモーションディテクターを起動するための方法と装置に関する。
【解決手段】電磁信号がビームの形態で送信される。ビームは、モーションディテクターに遭遇すると、このモーションディテクターを起動する。モーションディテクターが存在する位置にビームを向けることにより、移動モーションディテクターが起動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してモーションディテクターに関し、具体的には、モーションディテクターを起動するための方法と装置に関する。更に具体的には、本発明は、作動中のモーションディテクターが存在するかどうかを決定するためにモーションディテクターを起動するための方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モーションディテクターは、運動を定量化するメカニズムを包含する装置である。例えば、モーションディテクターは、運動の探知を電気信号に変換する。
【0003】
この種のモーションディテクターは、通常、当該モーションディテクター周辺の領域内の光学的変化、熱的変化、又は音響的変化を測定する。モーションティテクターが運動の探知を行なう領域は、視野とも呼ばれる。多くのモーションディテクターは、約50〜約80フィートの距離で運動を探知することができる。
【0004】
モーションディテクターは、デバイスの動作を制御するために使用することができる。例えば、モーションディテクターは、デバイスの動作を開始させること、装置の動作を停止させること、又は装置の動作方式を変更することができる。
【0005】
モーションディテクターは、複数の異なる使用法を有している。例えば、モーションディテクターは、自動ドアを開けるために建造物において使用される。別の例として、モーションディテクターは、照明を点灯させるため、エスカレータを起動するため、スプリンクラーを止めるため、及びその他の適切な動作を行うために使用することができる。
【0006】
加えて、モーションディテクターは、種々の領域内における人の存在を組織に警告するためにも使用される。例えば、モーションディテクターは、特定の場所への不正入場者の存在を探知するために、セキュリティシステムにおいて使用することができる。
【0007】
モーションディテクターは有用であるが、このような種類のシステムはメンテナンスを必要とする。例えば、モーションディテクターが故障により所望される機能を果たさない場合、このモーションディテクターによって制御されることが望ましい特定のシステムは所望の動作をしない可能性がある。このような状況では、モーションディテクターを整備するか、又は取り換える。
【0008】
例えば、照明を制御するために使用されるモーションディテクターが所望される機能を果たさない場合、照明が思い通りに点灯又は消灯しない可能性がある。別の例として、モーションディテクターが適切に作動しない場合、モーションディテクターによってドアが開く建造物に入る際、速度を落とすか、又は停止しなければならない場合がある。このような場合、モーションディテクターは動作しているが、それは望ましい動作でない。このモーションディテクターは、人が速度を落とす又は停止することを回避するのに十分にドアの手前で人を探知しない。このような状況では、モーションディテクターは整備又は交換を必要としうる。整備により、モーションディテクターの感度に変化が生じうる。
【0009】
したがって、上述の問題のうちの一つ又は複数と、場合によっては他の問題を考慮する方法及び装置があれば、有利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
有利な一実施形態では、装置は、送信機システム及びコントローラを備えている。送信機システムは、ビーム形態で電磁信号を送信する。コントローラは、送信機システムにビーム送信を行なわせ、ビームがモーションディテクターに遭遇するとモーションディテクターが起動される。
【0011】
別の有利な実施形態では、モーションディテクターを起動する方法が提供される。電磁信号がビームの形態で送信される。このビームは、モーションディテクターに遭遇すると、当該モーションディテクターを起動する。モーションディテクターが存在する位置にビームを移動させることにより、モーションディテクターが起動される。
【0012】
これらの特徴、機能、及び利点は、本発明の種々の実施形態において単独で達成することができるか、又はまた別の実施形態において組み合わせることができる。それらの更なる詳細は、後述の説明及び添付図面に見ることができる。
【0013】
有利な実施形態の新規機構と考えられる特徴は、請求の範囲に規定される。しかしながら、有利な実施形態と、それらの好ましい使用モード、更なる目的及び利点は、本発明の有利な実施形態の後述の詳細な説明を、添付図面と併せて参照することにより最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は有利な一実施形態によるモーションディテクター環境を示している。
【図2】図2は有利な一実施形態によるモーションディテクター環境を示している。
【図3】図3は有利な一実施形態による起動システムを示している。
【図4】図4は有利な一実施形態によるモーションディテクターの起動方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
種々の有利な実施形態は、複数の異なる検討事項を認識し、考慮している。例えば、種々の有利な実施形態は、メンテナンスの際には大抵、モーションディテクターが所望どおりに動作しているかどうかを決定することが望ましいことを認識し、考慮している。即ち、モーションディテクターが所望の環境において起動されるかどうかを決定するために、当該モーションディテクターを試験することができる。例えば、モーションディテクターは、起動されるかどうか、所定の距離内において起動されるかどうか、特定の視野内において起動されるかどうか、及びモーションディテクターが起動される他の適切な状況において起動されるかどうかを決定するために試験されうる。
【0016】
モーションディテクターを試験することができる一つの方式では、職員が各モーションディテクターを試験する。この種の試験では、担当者がモーションディテクターの存在する各領域に立ち入ることになる。担当者が当該領域に立ち入るとき、モーションディテクターによって作動されるデバイスが、当該担当者の運動に応じて起動されるかどうかが決定される。このような決定は、デバイスが作動するかどうかを見ることにより行うことができる。それらは例えば、照明が点灯する、パネルが運動の存在を示す、又は他の何らかの適切な動作である。
【0017】
種々の有利な実施形態は、とはいえモーションディテクターのこの種の試験には長時間を要することを認識し、考慮している。試験の実行には、担当者がモーションディテクターの存在する各領域に立ち入ることが必要である。
【0018】
このように、有利な実施形態は、モーションディテクターを起動するための方法と装置を提供する。このような起動は、モーションディテクターに接続されたデバイスを動作させるために使用される。このようにして、種々の有利な実施形態のうちの一つ又は複数は、モーションディテクターが動作しているかどうかを決定するために使用することができる。
【0019】
有利な一実施形態では、装置は送信機システムとコントローラとを備える。送信機システムは、ビーム形態の電磁信号を送信する。コントローラが送信機システムにビームを送信させることにより、モーションディテクターがビームに遭遇すると、当該モーションディテクターが起動される。
【実施例】
【0020】
図1には、有利な一実施形態によるモーションディテクター環境が示されている。この実施例では、モーションディテクター環境100は、モーションディテクター102とデバイス104とを含んでいる。この実施例では、デバイス104は動力付きゲート106の形態を採っている。モーションディテクター102は、動力付きゲート106に接続されて、選択された距離108内及びモーションディテクター102の視野内に目標物が探知されると動力付きゲート106を動かす。
【0021】
起動システム112は、位置114にモーションディテクター102の存在を探知するため、又は位置114におけるモーションディテクター102の動作を試験するために使用することができる。この実施例では、起動システム112は、送信機118を有する車両116を備えている。
【0022】
送信機118は、ビーム122の形態の電磁信号120を送信する。このような実施例では、ビーム122は平行ビームである。ビーム122の端部124がモーションディテクター102の位置114に到達すると、モーションディテクター102は起動されて動力付きゲート106を動かす。このようにして、車両116のオペレータは、モーションディテクター102による探査位置に車両116を進入させる必要なくモーションディテクター102及び動力付きゲート106の作動を試験することができる。
【0023】
このようにして、車両116のオペレータは、他の動力付きゲート、セキュリティシステム、及び/又は他のデバイスといった他のデバイスのために、視野110内の適切な位置へ車両116を移動させるより迅速に、種々のモーションディテクターを試験することができる。更に、幾つかの事例では、モーションディテクターの試験を行うには、オペレータが車両116を離れて所望の位置に進入する必要が生じうる。
【0024】
図2には、有利な一実施形態によるモーションディテクター環境が示されている。図1のモーションディテクター環境100は、図2のモーションディテクター環境200の一実施例である。モーションディテクター環境200は、複数の位置204に複数のモーションディテクター202を含んでいる。複数のモーションディテクター202は、複数のデバイス206に接続されている。
【0025】
本明細書において、第1の構成部品が第2の構成部品に接続されるとき、第1の構成部品は、別の構成部品を必要とせずに第2の構成部品に接続することができる。第1の構成部品は、一つ又は複数の他の構成部品によって第2の構成部品に接続することもできる。例えば、一つの電子デバイスを別の電子デバイスに、間に追加の電子デバイスを必要とすることなく接続することができる。場合によっては、互いに接続されたこれら二つの電子デバイスの間に、別の電子デバイスが存在してもよい。
【0026】
このような実施例では、起動システム208を使用して、複数の位置204において複数のモーションディテクター202が動作しているかどうかを決定することができる。更に、起動システム208を使用して、複数の位置204における複数のモーションディテクター202の存在を探知することができる。
【0027】
例えば、複数の位置204における複数のモーションディテクター202の存在は、複数のモーションディテクター202に接続された複数のデバイス206が作動を開始するとき、作動を終了するとき、及び/又は複数のデバイス206の作動方式を変更するときを探知することができる。
【0028】
この実施例では、起動システム208は、送信機システム210とコントローラ212とを備えている。送信機システム210は、任意の数のモーションディテクター202を起動する方式で電磁信号214を送信する。任意の数のモーションディテクター202が起動しない場合、これらのモーションディテクターは作動不能か、或いは所望どおり又は予想どおりに機能していない可能性がある。
【0029】
このような実施例では、送信機システム210は、ビーム216の形態の電磁信号214を送信する。特に、このような実施例では、ビーム216は略平行ビーム218である。略平行ビームとは、送信機から伝播するとき、実質的に回折が制限されるビームで電磁信号214が伝播することである。即ち、略平行ビームの伝播方向に沿った直径又は断面はほぼ同じである。電磁信号214のこのような伝播は、多方向に放射される電磁信号214の放射とは対照的である。
【0030】
電磁信号214は、周波数220とパワーレベル222とを有している。このような実施例では、ビーム216は領域224に沿って移動することができ、領域224は複数の位置204を含んでいる。領域224内の複数のモーションディテクター202について複数の位置204が既知である場合、複数の位置204の各々にビーム216を向けることにより、複数のモーションディテクター202を試験することができる。
【0031】
複数のモーションディテクター202の一部又は全部について複数の位置204が不明である場合、ビーム216を移動させて領域224を網羅することができる。このようにして、複数のモーションディテクター202の存在を探知することができる。更に、複数のモーションディテクター202に関する複数の位置204は、領域224内のビーム216の終了位置225を特定することによって探知することもできる。
【0032】
このような実施例では、一つのモーションディテクター、例えば複数の位置204における複数のモーションディテクター202のうちのモーションディテクター226が、ビーム216の終了位置225に遭遇したときに起動されるように、ビーム216形態の電磁信号214の周波数220及びパワーレベル222のうちの少なくとも一つを選択することができる。このような実施例では、モーションディテクター226は、複数の電装品230を含んでいる。
【0033】
周波数220及びパワーレベル222のうちの少なくとも一つは、ビーム216形態の電磁信号214が複数の電装品230に結合されるように選択される。
【0034】
本明細書において、列挙されたアイテムに関して「〜のうちの少なくとも一つ」という表現が使用される場合、列挙されたアイテムの一つ又は複数からなる様々な組み合わせが使用可能であり、且つ列挙されたアイテムのいずれかが一つだけあればよいことを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも一つ」という表現には、限定しないが、アイテムA、又はアイテムAとBとの組み合わせが含まれうる。この例は、アイテムA、アイテムB、及びアイテムC、或いはアイテムBとCとの組み合わせも含みうる。
【0035】
このような、複数の電装品230への電磁信号214の結合は、モーションディテクター226が起動されるように行われる。モーションディテクター226の起動は、モーションディテクター226によって運動232が探知されたことを示す起動である。
【0036】
このような実施例では、モーションディテクター226は、受動的モーションディテクター234、能動的モーションディテクター236、及び/又はこれら二つの組み合わせとすることができる。受動的モーションディテクター234は、赤外線センサを使用することができる。能動的モーションディテクター236は、能動的モーションディテクター236が放射できる超音波信号及び/又はマイクロ波信号を探知するセンサを使用することができる。
【0037】
図2に示すモーションディテクター環境200は、種々の有利な実施形態を実施しうる方式を、物理的又はアーキテクチャ的に制限するものではない。図示の構成部品に加えて及び/又は図示の構成部品に換えて、他の構成部品を使用することができる。幾つかの構成部品は複数の有利な実施形態において不要でありうる。また、ブロックは、何らかの機能的構成部品を示すために提示されている。これらブロックのうちの一つ又は複数は、種々の有利な実施形態において実施されるとき、組み合わせること、及び/又は複数のブロックに分割することができる。
【0038】
例えば、幾つかの有利な実施形態では、送信機システム210は、二つのビームの形態で電磁信号214を送信することができる。例えば、電磁信号214は、ビーム216とビーム244とを形成することができる。ビーム216とビーム244とは、領域224内の異なる位置に向けられる。
【0039】
また別の有利な実施形態では、ビーム216とビーム244とは領域244内の一つの位置で重なり合ってもよい。また別の有利な実施形態では、ビーム216とビーム244とは異なる周波数を有することができる。差周波は、ビーム216とビーム244との間の差異である。差周波は、このような実施例において、電磁信号214を複数の電装品230と結合させるように選択された周波数とすることができる。
【0040】
また別の実施例では、起動システム208はプラットフォーム424も含むことができる。プラットフォーム242は、送信機システム210の起動システム208に関連付けることができる。例えば、限定しないが、プラットフォーム242は、移動プラットフォーム、固定プラットフォーム、車両、トラック、ヘリコプター、航空機、可搬ハウジング、建造物、又は他の何らかの適切な種類のプラットフォームとすることができる。
【0041】
図3は、有利な一実施形態による起動システムを示している。このような実施例では、起動システム300は、図2の起動システム208の一実施例である。図示のように、起動システム300は、プラットフォーム302、送信機システム304、及びコントローラ306を含む。送信機システム304及びコントローラ306は、プラットフォーム302に関連付けられている。
【0042】
第1の構成部品は、第2の構成部品に固定されること、第2の構成部品に結合されること、第2の構成部品に締め付けられること、及び/又は他の何らかの方法で第2の構成部品に接続されることにより、第2の構成部品に関連付けられていると考慮される。第1の構成部品は、第3の構成部品を使用することにより第2の構成部品に接続することもできる。第1の構成部品は、第2の構成部品の一部及び/又は延長部として形成されることにより、第2の構成部品に関連付けられていると考慮することもできる。
【0043】
本実施例では、送信機システム304は、信号生成器308、増幅器310、及びアンテナシステム312を含む。信号生成器308は、増幅器310によってアンテナシステム312に接続される。信号生成器308は電磁信号314を生成する。増幅器310は電磁信号314を増幅する。次いで、電磁信号314はアンテナシステム312へ送信され、アンテナシステム312は電磁信号314をビーム316として送信する。
【0044】
このような実施例では、信号生成器308は、複数の異なる構成部品を使用して実施することができる。例えば、限定しないが、信号生成器308は、シンセサイザ317とミキサ318とを使用して実施することができる。
【0045】
このような実施例では、コントローラ306は、複数の異なるデバイスを使用して実施することができる。例えば、コントローラ306は、プロセッサユニット、専用集積回路、又はその他何らかの適切なデバイスのうちの少なくとも一つを含むことができる。プロセッサユニットは、一つ又は複数のマイクロプロセッサを有することができる。例えば、プロセッサユニットは、多心プロセッサ、又はその他何らかの適切な種類の処理システムとすることができる。
【0046】
このような実施例では、コントローラ306は、送信機システム304を制御することにより、電磁信号314の周波数319及びパワーレベル321のうちの少なくとも一つを制御する。言うまでもなく、コントローラ306は、電磁信号314の他の特徴を制御することもできる。例えば、電磁信号314の位相も制御されうる。
【0047】
このような実施例では、信号生成器308は、約75GHz〜約110GHzの周波数319を有する電磁信号314を生成する。この種の信号生成器は、WバンドRF信号生成器とも呼ばれる。
【0048】
このような実施例では、アンテナシステム312は、ガウス光アンテナ313を使用して実施することができる。この種のアンテナは、ほぼ平行なビーム316の形態で電磁信号314を送信する。即ち、このような実施例において、ビーム316は略平行ビームである。
【0049】
このような実施例では、ビーム316がモーションディテクター320に遭遇すると、モーションディテクター320が起動される。このような実施例では、モーションディテクター320は複数の電装品322を含む。複数の電装品322は、限定しないが、例えば、電線324、チップ326、プリント基板トレース328、及びその他適切な種類の構成部品のうちの少なくとも一つを含む。
【0050】
本実施例では、複数の電装品322の電圧330は、モーションディテクター320が起動されるように変更することができる。即ち、電圧330及びモーションディテクター320は、運動によってモーションディテクター320が起動されるのと同じ方式でモーションディテクター320が起動されるように、モーションディテクター320を複数の電装品322内で変更することができる。
【0051】
更に、ビーム316形態の電磁信号314は、ハウジング323の内部を伝播することもできる。例えば、電磁信号314は、ハウジング323を形成する材料を通過することができる。別の実施例では、電磁信号314は、孔、裂け目、継ぎ目、又はハウジング323のその他の開口を通過することができる。このような実施例では、電磁信号314は、ハウジング323の内部を伝播するときに生じうるパワーの散逸を考慮するパワーレベルを有することができるので、電磁信号314は、モーションディテクター320を起動させるように複数の電装品322を結合することができる。
【0052】
コンパレータが運動の存在を示すように、コンパレータ内に入る電圧をビーム316によって変化させることができる。言うまでもなく、他のモーションディテクターの他の構成では、ビーム316は、モーションディテクター320内に存在する電圧及び/又は電流の電気的性質を変化させることができる。
【0053】
このような実施例では、モーションディテクター320の起動により、デバイス332の作動330に変化が生じる。デバイス332は、モーションディテクター320に接続される。このような実施例では、デバイス332は、モーションディテクター320と同じ位置か、又は遠隔位置に配置することができる。
【0054】
このような実施例では、プラットフォーム302は、複数の異なる形態を採りうる。例えば、プラットフォーム302は、移動プラットフォーム、固定プラットフォーム、車両、トラック、ヘリコプター、航空機、可搬ハウジング、建造物、又はその他何らかの適切な種類のプラットフォームとすることができる。
【0055】
例えば、チップ326は、モーションディテクター320に使用されるコンパレータ及びモーションセンサを含むことができる。例えば、第1のモーションセンサは、モーションディテクター320のために、一つの視野内の運動を探知することができ、第2のモーションディテクターは、第2の視野内の運動を検知することができる。二つの視野の間の光又は熱の差は、コンパレータに送られる電圧に差を生じさせることができる。このような差は、運動の存在を示すことができる。
【0056】
図3に示す起動システム300は、種々の有利な実施形態を実施しうる方式を、物理的又はアーキテクチャ的に制限するものではない。図示の構成部品に加えて及び/又は図示の構成部品に換えて、他の構成部品を使用することができる。幾つかの構成部品は複数の有利な実施形態において不要でありうる。また、ブロックは、何らかの機能的構成部品を示すために提示されている。これらブロックのうちの一つ又は複数は、種々の有利な実施形態において実施されるとき、組み合わせること、及び/又は複数のブロックに分割することができる。
【0057】
例えば、幾つかの有利な実施形態では、アンテナシステム312は、ガウス光アンテナ313とは異なる種類のアンテナを含むことができる。加えて、特定の用途によっては、追加のビームを送信するために複数の追加的アンテナが存在してもよい。更に、幾つかの実施例では、増幅器310は、信号生成器308の一部として実施することができる。
【0058】
図4は、有利な一実施形態による、モーションディテクターを起動する方法のフロー図である。図4に示す方法は、図2のモーションディテクター環境200において実施することができる。特に、本方法は、図1の起動システム112を使用して実施することができる。
【0059】
本方法は、電磁信号を生成することにより開始される(工程400)。電磁信号は、図1の起動システム112を使用して生成される。次いで、電磁信号はビームの形態で送信される(工程402)。このビームは、モーションディテクターに遭遇すると、当該モーションディテクターを起動する。
【0060】
このビームをモーションディテクターが存在する位置に向けることにより、当該モーションディテクターを起動させることができ(工程404)、その後本方法は終了する。ビームの方向の変更は、起動システムのアンテナシステム、プラットフォーム、又はその他物理的構成部品を物理的に移動することにより実行することができる。他の実施例では、ビームの方向の変更は、電子式ステアリング装置によって実行することができる。
【0061】
工程404は、複数の異なる位置について繰返すことができる。これらの位置は、既知のモーションディテクター、又は目に見えるモーションディテクターを有することができる。幾つかの実施例では、これらの位置は、モーションディテクターを有しても、有しなくてもよい。このような状況では、ビームを使用してモーションディテクターを起動することにより、それらの存在を特定することができる。モーションディテクターの存在は、作動を開始しているモーションディテクター、作動を終了しているモーションディテクター、又はデバイスの作動方式を変更しているモーションディテクターに接続されたデバイスによって特定することができる。
【0062】
図示された種々の実施形態におけるフロー図及びブロック図は、種々の有利な実施形態の装置及び方法に可能な幾つかの実施態様のアーキテクチャ、機能性、及び作動を示している。これに関し、フロー図及びブロック図の各ブロックは、一つの作動又は一つのステップのモジュール、セグメント、機能、及び/又は部分を表わしている。幾つかの別の実施態様では、ブロックに示した一つ又は複数の機能は、図示の順序とは異なる順序で発生させることができる。例えば、場合によっては、連続する二つのブロックがほぼ同時に実行されてもよく、又は、機能性によっては、これらのブロックが逆の順番で実行されることがある。また、フロー図又はブロック図において示されるブロックに加えて、他のブロックを加えることができる。
【0063】
このように、種々の有利な実施形態により、モーションディテクターを起動するための方法及び装置が提供される。幾つかの例示的な実施形態では、装置は、送信機システムとコントローラとを備えている。送信機システムは、ビームの形態で電磁信号を送信する。コントローラは、ビームがモーションディテクターに遭遇すると当該モーションディテクターが起動されるように、送信機システムにビームを送信させる。
【0064】
このようにして、モーションディテクターは、試験及び発見の動作中に起動可能である。例えば、モーションディテクターを試験することにより、それらモーションディテクターが所望の条件下で起動するかどうかを決定することができる。加えて、モーションディテクターを起動することにより、当該モーションディテクターの位置を特定することができる。モーションディテクターの起動により、当該モーションディテクターに接続されたデバイスが作動される。このような作動を使用して、ビームを向けた位置にモーションディテクターが存在することを示すことができる。
【0065】
種々の有利な実施形態の一つ又は複数により、モーションディテクターの試験及び位置決定を更に容易に実行することができる。例えば、オペレータは、各モーションディテクターまで移動する必要なく、一箇所から複数の位置にビームを向けることにより、モーションディテクターを起動することができる。更に、モーションディテクターは、オペレータが到達することが困難でありうる位置で起動させることができる。
【0066】
種々の有利な実施形態の記述は、例示及び説明を目的として提供されたのであり、完全なものでも、実施形態を開示された形態に限定するものでもない。当業者には、多数の修正及び変形例が明らかであろう。
【0067】
更に、種々の有利な実施形態により、他の有利な実施形態と比較して異なる利点が提供される。ここに選択された一つ又は複数の実施形態は、本発明の実施形態の原理、実際の用途を最もよく説明するため、及び他の当業者が、考慮される特定の用途に合わせて様々に修正可能な種々の実施形態の開示内容を理解できるように、選ばれ、記載されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビームの形態で電磁信号を送信する送信機システムと、
ビームがモーションディテクターに遭遇すると当該モーションディテクターが起動されるように、送信機システムにビームを送信させるコントローラと
を備える装置。
【請求項2】
ビームがモーションディテクターに遭遇すると当該モーションディテクターが起動されるように、送信機システムにビームを送信させるとき、コントローラが、モーションディテクターの複数の電装品を結合するように構成された複数のビーム周波数を選択して、当該複数の周波数を有するビームを送信することにより、モーションディテクターがビームに遭遇したときに当該モーションディテクターが起動されるのと同じ方式で、ビームがモーションディテクターの複数の電装品に結合する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
モーションディテクターが受動的モーションディテクターである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
送信機システムが、
電磁信号を生成する信号生成器と、
ビームの形態で電磁信号を送信するアンテナシステムと
を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
信号生成器が、
約75GHz〜約110GHzの波長の無線周波数信号の形態で電磁信号を生成する無線周波数生成器
を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
アンテナシステムがガウス光アンテナを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
ビームが無線周波数ビームである、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
ビームが略平行無線周波数ビームである、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
モーションディテクターの起動方法であって、
ビームの形態で電磁信号を送信することであって、当該ビームがモーションディテクターに遭遇すると当該モーションディテクターを起動させることと、
モーションディテクターが起動するように、当該モーションディテクターが存在する位置へビームを向けることと
を含む方法。
【請求項10】
他の複数の位置へビームを向けることであって、ビームが他の複数のモーションディテクターに遭遇すると、他の複数の位置における複数の他のモーションディテクターが起動されること
を更に含む、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−252901(P2011−252901A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−57392(P2011−57392)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】