説明

モータ駆動方法、ディスクドライブ及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体

【課題】モータの開ループ駆動区間で単位駆動時間の長さを変化させて、総開ループ駆動区間時間を短縮させるモータ駆動方法及びモータ駆動方法を利用したディスクドライブ、並びに上記方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供すること。
【解決手段】開ループ駆動モードでモータの予測速度の変化に基づいてモータに印加される駆動パルスの幅を変化させるステップを含むことを特徴とするモータ駆動方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ駆動方法、ディスクドライブ及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体に関し、より詳細にはディスクドライブのモータ駆動初期の開ループ駆動を行うモータ駆動方法、ディスクドライブ及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明と関連した公知の文献としては、特許文献1及び2がある。
【0003】
スピンドルモータを使用するディスクドライブとしては、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブ等がある。
【0004】
ディスクドライブのうちの一つであるHDDは、スピンドルモータを利用してディスクを目標回転数で回転させ、磁気ヘッドを利用してディスクにデータを書き込み、ディスクからデータを読み取る。従って、HDDに電源が供給されてから速くスピンドルモータを目標回転数に到達させることは、ドライブの性能を評価する重要な項目のうちの一つである。
【0005】
一般的に、スピンドルモータの駆動は、開ループ駆動(Open Loop Control)と閉ループ駆動(Close Loop Control)とに大別される。閉ループ駆動とは、モータが駆動することによって発生する逆起電力を検出し、逆起電力を利用してモータ制御を行う方法である。閉ループ駆動は、ディスクドライブでスピンドルモータを駆動するとき、別途の速度及び加速度センサーを利用しないために行われる方式である。開ループ駆動とは、閉ループ駆動以前に行われる方法であって、逆起電力が検出されないか、または信頼すべきレベルに検出されない時に利用されるモータ駆動方法である。
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許2005−024972号公報
【特許文献2】特開平8−115565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の技術による開ループ駆動方法は、信頼すべきレベルの逆起電力が検出される目標速度(約300RPM)に到達されるまで、一定の大きさの電流及び駆動時間幅を適用して反復的にモータを駆動した。これにより、開ループ駆動時間が長くなるという短所が発生する。特に、ディスクドライブの保存容量が増加することで、ドライブに装着されるディスクの数が増加する。これにより、ディスクの数が増加する場合に、スピンドルモータの慣性が向上してスピンドルモータの開ループ駆動時間をさらに延長させる問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、モータの開ループ駆動区間で単位駆動時間の長さを変化させて、総開ループ駆動区間時間を短縮させるモータ駆動方法及びモータ駆動方法を利用したディスクドライブを提供することにある。また、上記方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、開ループ駆動モードでモータの予測速度の変化に基づいてモータに印加される駆動パルスの幅を変化させるステップを含むことを特徴とするモータ駆動方法が提供される。
【0010】
上記モータ駆動方法は、モータに一定の幅を有する基準駆動パルスを印加するステップと、印加された基準駆動パルスによってモータの速度を検出するステップと、時間の経過に応じて検出された速度によって予測速度を設定するステップと、をさらに含んでもよい。
【0011】
上記モータ駆動方法は、メモリにルックアップテーブルで予測速度を保存するステップをさらに含み、駆動パルスの幅を変更させるステップは、ルックアップテーブルによって駆動パルスの幅を変更させてもよい。
【0012】
モータの速度を検出するステップは、基準速度を検出して基準速度への到達にかかる基準時間を検出し、駆動パルスの幅を変化させるステップは、駆動パルスによってモータの基準速度への到達時間が基準時間より短くなるように、モータに印加される可変な幅を有する駆動パルスを生成させてもよい。
【0013】
予測速度に基づいて駆動パルスが生成される間に駆動時間の長さを決定してもよい。
【0014】
予測速度に基づいて駆動パルスの可変幅に相応する単位駆動時間を決定してもよい。
【0015】
開ループ駆動モードは、モータが静止状態から回転状態に制御されるモードを含んでもよい。
【0016】
駆動パルスの幅は、時間の経過に応じて縮小されてもよい。
【0017】
モータの特性を検出するステップと、検出されたモータの特性によって開ループ駆動モードの駆動条件を決定するステップと、をさらに含んでもよい。
【0018】
モータの特性は、モータの負荷、速度、位置の内の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0019】
モータの予測速度変化は、モータの環境因子によって決定された予測速度の変化で表現されてもよい。
【0020】
モータの開ループ駆動モードが発生するか否かを判断するステップをさらに含み、駆動パルスの幅は、判断するステップにおける判断結果によって変化させてもよい。
【0021】
モータから逆起電力を検出し、該検出された逆起電力が所定の基準臨界値より小さい場合に、開ループ駆動モードで駆動されるようにしてもよい。
【0022】
モータの開ループ駆動条件は、単位駆動パルスによる駆動及びロータ位置センシングを特定回数ほど反復して実行した後に、モータで検出される逆起電力の初期設定された臨界値を超える場合に、閉ループ駆動条件に変更してもよい。
【0023】
駆動パルスの幅は、モータ起動時間の経過によって予測されるモータの速度に反比例して変化させてもよい。
【0024】
駆動パルスの幅は、モータ起動時間の経過によって予測されるモータ回転負荷の大きさに比例して変化させてもよい。
【0025】
駆動パルスの幅は、モータ起動時間の経過によってモータの回転負荷を考慮して、最適化させた単位駆動時間の長さ情報が設定されたルックアップテーブルに設定された情報によって変化させてもよい。
【0026】
単位駆動時間の長さで駆動パルスの幅が決定され、単位駆動時間の長さは、モータの回転負荷の大きさに比例して設定されてもよい。
【0027】
駆動パルスの幅は、モータ予測速度軌跡に基づいて算出された最適の単位駆動時間の長さの軌跡を表現した関数によって決定されてもよい。
【0028】
開ループ駆動モードで駆動パルスによってモータを駆動させる駆動モードと、駆動モード実行後のモータの固定子に対する回転子の位置を検出するセンシングモードとを反復して実行してもよい。
【0029】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、情報を保存するディスクと、ディスクを回転させるモータと、開ループ駆動モードでモータの予測速度変化によってモータに印加される駆動パルスの幅を変化させるコントローラと、を備えることを特徴とするディスクドライブが提供される。
【0030】
モータの予測速度変化を含むルックアップテーブルを保存するメモリをさらに備え、予測速度変化は、時間の経過に応じてパルスの幅が変化することを表してもよい。
【0031】
予測速度変化は、コントローラで駆動パルスを生成させる単位駆動時間の長さで表現されていてもよい。
【0032】
予測速度変化は、駆動パルスによってモータの基準速度への到達時間で表し、時間は、一定の幅を有する基準駆動パルスによってモータの基準速度への到達時間より短くてもよい。
【0033】
駆動パルスの幅は、時間の経過に応じて縮小されてもよい。
【0034】
モータの予測速度変化は、モータの環境因子によって決定された予測速度の変化で表現されてもよい。
【0035】
コントローラは、モータの開ループ駆動モードに進入したか否かを判断し、判断結果によって駆動パルスの幅を変化させてもよい。
【0036】
コントローラは、モータから逆起電力を検出し、該検出された逆起電力が所定の基準臨界値より小さい場合に、開ループ駆動モードで駆動されるようにしてもよい。
【0037】
モータの開ループ駆動条件は、単位駆動パルスによる駆動及びロータ位置センシングを特定回数ほど反復して実行した後に、モータで検出される逆起電力の初期設定された臨界値を超える場合に、閉ループ駆動条件に変更されてもよい。
【0038】
コントローラは、モータ起動時間の経過によって予測されるモータの速度に反比例して駆動パルスの幅を変化させてもよい。
【0039】
コントローラは、モータ起動時間の経過によって予測されるモータ回転負荷の大きさに比例して、駆動パルスの幅を変化させてもよい。
【0040】
コントローラは、モータ起動時間の経過によってモータの回転負荷を考慮して、最適化させた単位駆動時間の長さ情報が設定されたルックアップテーブルに設定された情報によって、駆動パルスの幅を変化させてもよい。
【0041】
駆動パルスの幅は、単位駆動時間の長さによって決定され、単位駆動時間の長さは、モータの回転負荷の大きさに比例して設定されてもよい。
【0042】
開ループ駆動モードで駆動パルスによってモータを駆動させる駆動モードと、駆動モード実行後のモータの固定子に対する回転子の位置を検出するセンシングモードとを反復して実行してもよい。
【0043】
コントローラは、開ループ駆動モードが発生した場合に、モータの初期駆動時間区間によって変化する単位駆動時間の長さを有する駆動制御信号を生成させ、駆動制御信号によって生成される駆動パルスをモータに供給してもよい。
【0044】
コントローラは、モータから検出された逆起電力が所定の基準臨界値より小さい場合に、開ループ駆動モードを実行させてもよい。
【0045】
コントローラは、単位駆動パルスによる駆動及びロータ位置センシングを特定回数ほど反復して実行した後に、モータで検出される逆起電力の初期設定された臨界値を超える場合に、開ループ駆動モードを閉ループ駆動モードに変更させてもよい。
【0046】
コントローラは、モータの起動時間区間によって予測されたモータの速度に反比例して可変する単位駆動時間の長さを有する駆動制御信号を生成させてもよい。
【0047】
コントローラは、モータの起動時間区間によって予測されたモータの回転負荷に比例して可変する単位駆動時間の長さを有する駆動制御信号を生成させてもよい。
【0048】
コントローラは、モータ起動時間の経過によってモータの回転負荷を考慮して、最適化させた単位駆動時間の長さ情報が設定されたルックアップテーブルに設定された情報によって駆動パルスの幅を変化させてもよい。
【0049】
駆動パルスの幅は、単位駆動時間の長さによって決定され、単位駆動時間の長さは、モータの回転負荷の大きさに比例して設定されてもよい。
【0050】
コントローラは、モータの予測速度軌跡に基づいて算出された最適の単位駆動時間の長さの軌跡を表現した関数によって駆動パルスの幅を決定してもよい。
【0051】
コントローラは、開ループ駆動モードで駆動パルスによってモータを駆動させる駆動モードと、駆動モード実行後のモータの固定子に対する回転子の位置を検出するセンシングモードを反復して実行してもよい。
【0052】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、開ループ駆動モードでモータの予測速度変化に基づいてモータに印加される駆動パルスの幅を変化させるステップを含むモータ駆動方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0053】
以上説明したように本発明によれば、スピンドルモータ起動時の開ループ駆動条件でスピンドルモータの予測速度に基づいて単位駆動時間の長さを適応的に変化させることによって、スピンドルモータの初期駆動の効率を改善させることができる。特に、極限環境でスピンドルモータの目標速度到達時間を短縮させることができる。
【0054】
また、複数の環境因子に相応する複数の予測速度変化情報を生成させ、複数の予測速度変化情報のそれぞれに対してスピンドルモータに印加される駆動パルスの単位駆動時間の長さを異なって変化させることによって、駆動環境に適した駆動パルスによってスピンドルモータを駆動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0056】
本発明によるモータ駆動方法が適用されるデータ保存装置は、HDD、光ディスクドライブのような記録及び再生装置を含む。本発明が適用されるHDDは、機構的な部品で構成されたヘッドディスクアセンブリ(HDA:Head Disk Assembly)と電気回路との結合で形成される。
【0057】
図1は、本発明の一実施形態にかかるHDDのHDA10の構成を示す。
【0058】
HDA10は、スピンドルモータ14によって回転される少なくとも一つのディスク12を備えている。ディスクドライブは、ディスク12の表面に隣接するように位置した変換器16も備えている。
【0059】
変換器16は、それぞれのディスク12の磁界を感知して磁化させることによって、回転するディスク12から情報を再生し、ディスク12へ情報を記録することができる。典型的に、変換器16は、各ディスク12の表面に対面されている。たとえ単一の変換器16として示されて説明されているとしても、これは、ディスク12を磁化させるための記録用変換器と、ディスク12の磁界を感知するための分離された読み取り用変換器とで形成されていると理解されねばならない。読み取り用変換器は、磁気抵抗(MR:Magneto−Resistive)素子から構成される。変換器16は、通常的に、磁気ヘッドと称されることもある。
【0060】
変換器16は、スライダ20に統合されていてもよい。スライダ20は、変換器16とディスク12の表面との間に空気軸受を生成させる構造になっている。スライダ20は、ヘッドジンバルアセンブリ22に結合されている。ヘッドジンバルアセンブリ22は、ボイスコイル26を有するアクチュエータアーム24に付着されている。ボイスコイル26は、ボイスコイルモータ(VCM:Voice Coil Motor)30を駆動させるようにマグネチックアセンブリ28に隣接するように位置している。ボイスコイル26に供給される電流は、軸受アセンブリ32に対してアクチュエータアーム24を回転させるトルクを発生させる。アクチュエータアーム24の回転は、ディスク12の表面を横切って変換器16を移動させる。
【0061】
情報は、典型的にディスク12の環状トラック内に保存される。各トラック34は、一般的に複数のセクターを備えている。各セクターは、データフィールドと識別フィールドとを含んでいる。識別フィールドは、セクター及びトラック(シリンダー)を識別するグレイコードで構成されている。変換器16は、他のトラックに情報を記録し、またはトラックから情報を再生するために、ディスク12の表面を横切って移動する。
【0062】
スピンドルモータ14は、一例として、ムーブラッシュ直流モータを使用してもよい。
【0063】
ムーブラッシュ直流モータの駆動方式は、逆起電力またはインダクタンスの変化を利用するセンサリース方法によって回転子の位置が決定されることによって、各相に流れる電流の方向を決定する。この場合、回転子は、起動トルクによって回転力を受ける。一方、初期駆動時にどの相に最初に電流を流すのかは、その回転子の位置によって異なるが、はじめにU相からV相に電流を流したと仮定すれば、次には、U相からW相に、その次には、V相からW相に電流を流す過程を反復する。
【0064】
図3に、一例として、8極12スロットを有するムーブラッシュ直流モータの構造を示した。固定子134は、10個の磁極(N極、S極)からなる環状の永久磁石を有し、回転子132は、回転磁界を形成する手段であって、12個の突極及びスロットが形成されている電子鉄心と、その突極にそれぞれ巻かれた複数のコイル(図示せず)とを有する。ここで、コイルは、4個の群に分けられ、各群に異なる位相(U、V、W相)を有する電圧が印加される。
【0065】
図2は、本発明の一実施形態にかかるHDDを制御する電気システム40を示す説明図である。電気システム40は、リード/ライト(R/W)チャンネル回路44及びプレアンプ46によって変換器16に結合されたコントローラ42を備えている。
【0066】
コントローラ42は、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラであってもよい。コントローラ42は、ホストインターフェース回路54を通じてホスト機器(図示せず)から受信されるコマンドによって、ディスク12から情報を再生し、またディスク12に情報を記録するためにリード/ライトチャンネル回路44を制御する。
【0067】
そして、コントローラ42は、ボイスコイル26に駆動電流を供給するVCM駆動部48にも結合されている。コントローラ42は、変換器16の動きを制御するためにVCM駆動部48に制御信号を供給する。
【0068】
また、コントローラ42は、スピンドルモータ58の回転を制御するための駆動制御信号を生成させてスピンドルモータ駆動部56に供給する。
【0069】
特に、コントローラ42は、スピンドルモータ58が開ループ駆動条件に該当する場合に、スピンドルモータ58の起動時間の経過によってスピンドルモータの単位駆動時間の長さが変化する駆動制御信号を生成させてスピンドルモータ駆動部56に印加する。コントローラ42で実行されるスピンドルモータ58の開ループ駆動制御プロセスについては、下記の図4のフローチャートで詳細に説明する。
【0070】
ROM(Read Only Memory)50には、ディスクドライブを制御するファームウェア及び各種の制御データが保存されている。もちろん、図4に示された本発明の一実施形態にかかるスピンドルモータの開ループ駆動方法のフローチャートを実行させるためのプログラム及び開ループ駆動に適用される起動時間経過による単位駆動時間の長さ情報が設定されたルックアップテーブル情報も保存されている。ルックアップテーブルを設定する方法については、下記の図4のフローチャートで詳細に説明する。
【0071】
単位駆動時間の長さ情報は、開ループ駆動モードでスピンドルモータの予測速度に相応して変更される可変インタバル(可変幅または可変デューティサイクル)を有する駆動パルスを生成させるための情報である。
【0072】
RAM(Random Access Memory)52には、ディスクドライブに電源が供給されれば、ディスク12のメインテナンスシリンダ(システムシリンダーともいう)領域から読み取ったディスクドライブ情報がローディングされ、一時的に格納される。
【0073】
まず、一般的なディスクドライブの動作を説明すれば、次の通りである。
【0074】
データ読み取り(リード)モードで、ディスクドライブは、ディスク12から変換器16によって感知された電気的な信号をプレアンプ46で固定された利得値によって増幅させる。次いで、リード/ライトチャンネル回路44では、コントローラ42で生成されるセクターパルスによってディスク12から読み取った信号をデジタル信号に変換させた後に復号処理する。復号処理されたデータは、コントローラ42で一例としてリードソロモンコードを利用したエラー訂正処理を実行した後に、ストリームデータに変換してホストインターフェース回路54を通じてホスト機器に伝送する。
【0075】
次いで、書き込み(ライト)モードで、ディスクドライブは、ホストインターフェース回路54を通じてホスト機器(図示せず)からデータを入力されて、コントローラ42でリードソロモンコードによるエラー訂正用パリティシンボルを付加し、リード/ライトチャンネル回路44によって記録チャンネルに適するように符号化処理した後に、セクターパルスが発生する時点にプレアンプ46によって増幅された記録電流で変換器16を通じてディスク12に記録させる。
【0076】
それにより、本発明と直接的に関連したスピンドルモータ58の起動時に、コントローラ42の制御によって実行されるスピンドルモータ開ループ駆動方法について、図4のフローチャートを参照して時系列的に説明する。
【0077】
まず、コントローラ42は、ディスクドライブがスピンドルモータ起動モードに遷移されるか否かを判断する(S401)。スピンドルモータ起動モードは、スピンドルモータ58が静止した状態でディスク12からデータを読み取り、またディスク12にデータを書き込むために、スピンドルモータ58の駆動を開始するモードを意味する。コントローラ42は、ディスクドライブに電源が供給される時またはパーキングモードでホスト機器からリードまたはライト命令が入力される時に、スピンドルモータ起動モードに遷移させる。
【0078】
スピンドルモータ58は、速度及び加速度センサーのないムーブラッシュ直流モータを使用するため、モータの回転によって発生する逆起電力を利用して、速度及び位相を検出する。しかし、起動初期の低い速度では、低いレベルの逆起電力信号が発生するため、スピンドルモータ58の速度及び位相を正確に検出できなくなる。
【0079】
これにより、スピンドルモータ58で発生する逆起電力信号の大きさが信頼すべきレベルに検出されるまでは開ループ駆動を実行し、信頼すべき大きさ以上に逆起電力信号が検出され始めれば、閉ループ駆動を実行する。閉ループ駆動では、スピンドルモータ58で発生する逆起電力を利用して速度及び位相を検出し、これを利用してモータの速度及び位相を制御する。参考として、スピンドルモータ58に内蔵されたセンサー59は、スピンドルモータ58で発生する逆起電力信号を検出する手段である。
【0080】
したがって、スピンドルモータ起動モードに遷移されれば、開ループ駆動を開始し、信頼すべき逆起電力を発生させる速度に到達された後に閉ループ駆動を実行する。
【0081】
S401の判断の結果、スピンドルモータ起動モードに遷移された場合には、スピンドルモータ58でのロータの初期位置をセンシングする(S402)。ロータの初期位置をセンシングする方式は、一例として6つの形態の電圧ベクトルを順次に印加し、スピンドルモータ58から出力される電圧変化量を通じてロータの初期位置をセンシングしうる。
【0082】
次いで、コントローラ42は、スピンドルモータ予測速度に基づいて単位駆動時間の長さを決定する(S403)。
【0083】
単位駆動時間の長さは、ルックアップテーブルに保存された予測速度の変化によって決定される。単位駆動時間の長さの変更は、逆起電力が基準値より大きくなって、閉ループ駆動モードに変更されるまで開ループ駆動モードの間に反復される。単位駆動時間の長さは、スピンドルモータの速度及び位置、または逆起電力信号によって変化し、駆動パルスの幅は、単位駆動区間の長さによって変化する。
【0084】
そして、スピンドルモータの予測速度は、ディスクドライブ設計ステップで次のように求められる。まず、固定された定数の駆動時間を適用してスピンドルモータ58を駆動し、スピンドルモータ起動時点から経時的に予測されるスピンドルモータ58の速度を探し出す。すなわち、図5に示したように、駆動パルスをスピンドルモータ58に印加しつつ、スピンドルモータの起動時点から経時的に予測されるスピンドルモータ58の速度を探し出す。図5で、駆動パルスd,d,d,…,d,dk+1,…,dn−1,dの幅がそれぞれ単位駆動時間に該当し、全ての駆動パルスの幅が同一であるので、固定された定数の駆動時間を有するということが分かる。
【0085】
図7には、固定された定数の駆動時間aを適用してスピンドルモータ58を駆動した場合に、経時的な予測速度bを示す。
【0086】
次いで、図7に示されたスピンドルモータ58の起動時点から経時的な(時間の変化に応じた)予測速度bからスピンドルモータ58の回転負荷の大きさを探し出すことができる。また、スピンドルモータ58の回転負荷の大きさが分かれば、予測された回転負荷の大きさで最適の駆動効率を発生させる単位駆動時間の長さを探し出すことができる。
【0087】
参考として、スピンドルモータで単位駆動時間の長さが長くなれば、大きいトルクが得られる一方、駆動速度が遅くなる特性がある。一方、単位駆動時間の長さが短くなれば、駆動速度は向上するのに比べて、小さいトルクを発生させる。
【0088】
これにより、スピンドルモータの起動時に、スピンドルモータの回転負荷の大きさに比例して単位駆動時間の長さを決定すれば、スピンドルモータの駆動効率を高めることができる。
【0089】
このような原理を利用して、図7の予測速度bに対応する最適の単位駆動時間の長さを求めれば、図8に示されたa’と同じ駆動時点から経時的な駆動時間の長さの軌跡を求めうる。
【0090】
駆動パルスは、単位駆動時間区間で発生する。参考として、単位駆動時間区間の長さによって駆動パルスの幅が決定される。
【0091】
各駆動パルスの単位インタバルは、検出された速度に対するスピンドルモータ58の予測速度の変化に基づいて決定される。各駆動パルスの幅が決定されるとき、単位駆動時間の長さは、開ループ駆動モードから閉ループ駆動モードに変更されるまで反復して決定される。単位駆動時間の長さに相応する駆動パルスの幅を有する駆動パルスによって、スピンドルモータ58に電流が印加される。
【0092】
図8に示された駆動時間の長さ軌跡a’に相応する駆動パルスd,d,d,…,dは、図6のように表現される。図6で、駆動パルスの幅は、それぞれ異なって決定しうる。そして、駆動パルスの幅は、開ループ駆動区間の第1駆動パルスd1の幅wを最大値として決定し、最後の駆動パルスdの幅wを最小値として決定しうる。また、駆動パルスは、複数のグループに分類し、各グループは、駆動パルスが同一な幅を有するように決定することもある。
【0093】
それにより、図6に示したような駆動パルスでスピンドルモータ58を駆動して、スピンドルモータの起動時点から経時的に予測されるスピンドルモータ58の速度(図8のb’)を探し出した後に、上記のような方法で再び駆動時間の経過による単位駆動時間の長さを求めることを反復すれば、最終的なスピンドルモータの予測速度軌跡を求めることができる。
【0094】
そして、最終的なスピンドルモータの予測速度軌跡に基づいた単位駆動時間の長さの軌跡を求めることができる。このように、ドライブ設計ステップで求めたスピンドルモータ58起動後の経時的な単位駆動時間の長さ情報が設定されたルックアップテーブルをROM50に保存する。
【0095】
このように設定されたルックアップテーブルを利用して、スピンドルモータの予測速度に基づいて駆動時間の経過による単位駆動時間の長さを決定することができる。
【0096】
本発明の一実施形態では、ルックアップテーブルを利用して単位駆動時間の長さを決定したが、本発明はかかる例には限定されず、場合によっては、最終的なスピンドルモータの予測速度軌跡に基づいた単位駆動時間の長さの軌跡から時間を変数とする単位駆動時間の長さ関数を算出し、該算出された関数を利用した演算を通じて、駆動時間の経過による単位駆動時間の長さを決定してもよい。
【0097】
続いて、S403で決定された単位駆動時間の長さに相応する幅を有する駆動パルスを生成させる(S404)。
【0098】
続いて、S404で生成された駆動パルスをスピンドルモータ58に印加してスピンドルモータ58を駆動させる(S405)。
【0099】
このような駆動パルスによるスピンドルモータ58の駆動後に、スピンドルモータ58でのロータ132の位置をセンシングする(S406)。ロータ132の位置をセンシングする技術は、公知の技術であって、ステータ134の磁極に対するロータの位置を誘導起電力の変化量を通じて探し出すことができる。
【0100】
続いて、S406を実行してから、閉ループ駆動条件を満足させるか否かを判断する(S407)。閉ループ駆動条件は、スピンドルモータ58で検出される逆起電力の大きさが初期設定された臨界値を超える条件で設定することができる。ここで、臨界値は、スピンドルモータの速度制御に必要な最小限の大きさより大きく設定してもよい。
【0101】
また、閉ループ駆動条件は、単位駆動パルスによる駆動及びロータ位置センシングを特定回数ほど反復する条件を満足させ、それだけでなく、スピンドルモータ58で検出される逆起電力の大きさが初期設定された臨界値を超える条件を共に満足させる場合に設定してもよい。
【0102】
S407の判断結果、閉ループ駆動条件を満足しない場合には、上記S403に戻り、開ループ駆動区間での次の駆動パルスの幅を決定する。
【0103】
一方、S407の判断結果、閉ループ駆動条件を満足する場合には、開ループ駆動モードを終了させ、閉ループ駆動モードを適用して、スピンドルモータを駆動させる(S408)。閉ループ駆動モードでは、スピンドルモータ58で検出される逆起電力に基づいて位相信号を生成させ、該生成された位相信号から求めたスピンドルモータの速度及びロータの位置を利用して、目標速度に到達されるまでスピンドルモータ58の加速駆動制御を実行する。
【0104】
このように、スピンドルモータの開ループ駆動条件で、スピンドルモータの予測速度に基づいて単位駆動時間の長さを変化させることによって、スピンドルモータの開ループ駆動効率を向上させることができる。
【0105】
すなわち、図9に示したように、本発明によるスピンドルモータの予測速度に基づいて決定した可変駆動時間a’’を適用した場合のスピンドルモータの速度b’’が、従来の技術による固定された定数の駆動時間aを適用した場合のスピンドルモータの速度bに比べて、特定速度に到達される時間が短縮される。したがって、本実施形態は、従来の技術に比べて、スピンドルモータの加速効率が向上するという事実が分かる。
【0106】
本発明は、方法、装置、システムとして実行される。ソフトウェアで実行されるとき、本発明の構成手段は、必然的に必要な作業を実行するコードセグメントである。プログラムまたはコードセグメントは、プロセッサ判読可能媒体に保存されるか、または伝送媒体または通信網で搬送波と結合されたコンピュータデータ信号によって伝送される。プロセッサ判読可能媒体は、情報を保存または伝送できるいかなる媒体も含む。プロセッサ判読可能媒体の例としては、電子回路、半導体メモリ素子、ROM、フラッシュメモリ、EROM(Erasable ROM)、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、ハードディスク、光ファイバ繊維媒体、無線周波数(RF:Radio Frequency)網がある。コンピュータデータ信号は、電子網チャンネル、光ファイバ、空気、電磁界、RF網のような伝送媒体上に伝播されるいかなる信号も含まれる。
【0107】
添付された図面に示されて説明された特定の実施例は、単に本発明の例として理解され、本発明の範囲を限定するものではなく、当該分野で本発明に記述された技術的思想の範囲でも多様な他の変更が発生するので、本発明は、見られるか、または記述された特定の構成及び配列に制限されないということは明らかである。すなわち、本発明は、HDDを含む各種のディスクドライブに適用されるだけでなく、多様な種類のデータ保存装置に適用される。
【0108】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、HDDなどの多様な形態のモータ駆動装置に好適に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明が適用されるディスクドライブのHDAの平面図である。
【図2】本発明によるモータ駆動方法が適用されるディスクドライブの電気的な回路構成図である。
【図3】本発明によるディスクドライブに適用されるムーブラッシュ直流モータの構造を示す図面である。
【図4】本発明によるモータ駆動方法を示すフローチャートである。
【図5】従来の技術による開ループ駆動区間での固定された定数の単位駆動時間を有する駆動パルスを示す図面である。
【図6】本発明による開ループ駆動区間での予測されるモータ速度に基づいて、可変する単位駆動時間を有する駆動パルスを示す図面である。
【図7】本発明によるモータ駆動パルスの単位駆動時間を決定する方法を説明するための固定された定数の駆動時間aを適用して、モータを駆動した場合のモータ予測速度(b)を示す図面である。
【図8】本発明によるモータ駆動パルスの単位駆動時間を決定する方法を説明するための可変駆動時間a’を適用して、モータを駆動した場合のモータ予測速度b’を示す図面である。
【図9】従来の技術による固定された定数の駆動時間aを適用した場合のモータの速度bと、本発明によるモータ予測速度に基づいて決定した可変駆動時間a’’を適用した場合のモータの速度b’’とを示す図面である。
【符号の説明】
【0111】
12 ディスク
14 スピンドルモータ
16 変換器
20 スライダ
26 ボイスコイル
40 電気システム
42 コントローラ
44 リード/ライトチャンネル回路
46 プレアンプ
48 VCM駆動部
50 ROM
52 RAM
54 ホストインターフェース回路
56 スピンドルモータ駆動部
58 スピンドルモータ
59 センサー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
開ループ駆動モードでモータの予測速度の変化に基づいて前記モータに印加される駆動パルスの幅を変化させるステップを含むことを特徴とするモータ駆動方法。
【請求項2】
前記モータに一定の幅を有する基準駆動パルスを印加するステップと、
印加された前記基準駆動パルスによってモータの速度を検出するステップと、
時間の経過に応じて前記検出された速度によって前記予測速度を設定するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動方法。
【請求項3】
メモリにルックアップテーブルで前記予測速度を保存するステップをさらに含み、
前記駆動パルスの幅を変更させるステップは、前記ルックアップテーブルによって駆動パルスの幅を変更させることを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動方法。
【請求項4】
前記モータの速度を検出するステップは、基準速度を検出して前記基準速度への到達にかかる基準時間を検出し、
前記駆動パルスの幅を変化させるステップは、前記駆動パルスによってモータの基準速度への到達時間が前記基準時間より短くなるように、前記モータに印加される可変な幅を有する駆動パルスを生成させることを特徴とする請求項3に記載のモータ駆動方法。
【請求項5】
前記予測速度に基づいて前記駆動パルスが生成される間に駆動時間の長さを決定することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動方法。
【請求項6】
前記予測速度に基づいて前記駆動パルスの可変幅に相応する単位駆動時間を決定することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動方法。
【請求項7】
前記開ループ駆動モードは、前記モータが静止状態から回転状態に制御されるモードを含むことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動方法。
【請求項8】
前記駆動パルスの幅は、時間の経過に応じて縮小されることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動方法。
【請求項9】
前記モータの特性を検出するステップと、
前記検出されたモータの特性によって前記開ループ駆動モードの駆動条件を決定するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動方法。
【請求項10】
前記モータの特性は、前記モータの負荷、速度、位置の内の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項9に記載のモータ駆動方法。
【請求項11】
前記モータの予測速度変化は、前記モータの環境因子によって決定された予測速度の変化で表現されることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動方法。
【請求項12】
前記モータの開ループ駆動モードが発生するか否かを判断するステップをさらに含み、
前記駆動パルスの幅は、前記判断するステップにおける判断結果によって変化させることを特徴とする請求項11に記載のモータ駆動方法。
【請求項13】
前記モータから逆起電力を検出し、該検出された逆起電力が所定の基準臨界値より小さい場合に、前記開ループ駆動モードで駆動されることを特徴とする請求項11に記載のモータ駆動方法。
【請求項14】
前記モータの開ループ駆動条件は、単位駆動パルスによる駆動及びロータ位置センシングを特定回数ほど反復して実行した後に、前記モータで検出される逆起電力の初期設定された臨界値を超える場合に、閉ループ駆動条件に変更されることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動方法。
【請求項15】
前記駆動パルスの幅は、モータ起動時間の経過によって予測されるモータの速度に反比例して変化させることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動方法。
【請求項16】
前記駆動パルスの幅は、モータ起動時間の経過によって予測されるモータ回転負荷の大きさに比例して変化させることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動方法。
【請求項17】
前記駆動パルスの幅は、前記モータ起動時間の経過によって前記モータの回転負荷を考慮して、最適化させた単位駆動時間の長さ情報が設定されたルックアップテーブルに設定された情報によって変化させることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動方法。
【請求項18】
前記単位駆動時間の長さで前記駆動パルスの幅が決定され、前記単位駆動時間の長さは、前記モータの回転負荷の大きさに比例して設定されることを特徴とする請求項17に記載のモータ駆動方法。
【請求項19】
前記駆動パルスの幅は、モータ予測速度軌跡に基づいて算出された最適の単位駆動時間の長さの軌跡を表現した関数によって決定されることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動方法。
【請求項20】
前記開ループ駆動モードで前記駆動パルスによってモータを駆動させる駆動モードと、前記駆動モード実行後の前記モータの固定子に対する回転子の位置を検出するセンシングモードとを反復して実行することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動方法。
【請求項21】
情報を保存するディスクと、
前記ディスクを回転させるモータと、
開ループ駆動モードで前記モータの予測速度変化によって前記モータに印加される駆動パルスの幅を変化させるコントローラと、を備えることを特徴とするディスクドライブ。
【請求項22】
前記モータの予測速度変化を含むルックアップテーブルを保存するメモリをさらに備え、
前記予測速度変化は、時間の経過に応じてパルスの幅が変化することを表すことを特徴とする請求項21に記載のディスクドライブ。
【請求項23】
前記予測速度変化は、前記コントローラで前記駆動パルスを生成させる単位駆動時間の長さで表現されることを特徴とする請求項23に記載のディスクドライブ。
【請求項24】
前記予測速度変化は、前記駆動パルスによって前記モータの基準速度への到達時間で表し、前記時間は、一定の幅を有する基準駆動パルスによって前記モータの基準速度への到達時間より短いことを特徴とする請求項21に記載のディスクドライブ。
【請求項25】
前記駆動パルスの幅は、時間の経過に応じて縮小することを特徴とする請求項21に記載のディスクドライブ。
【請求項26】
前記モータの予測速度変化は、前記モータの環境因子によって決定された予測速度の変化で表現されることを特徴とする請求項21に記載のディスクドライブ。
【請求項27】
前記コントローラは、モータの開ループ駆動モードに進入したか否かを判断し、判断結果によって駆動パルスの幅を変化させることを特徴とする請求項21に記載のディスクドライブ。
【請求項28】
前記コントローラは、前記モータから逆起電力を検出し、該検出された逆起電力が所定の基準臨界値より小さい場合に、前記開ループ駆動モードで駆動されることを特徴とする請求項27に記載のディスクドライブ。
【請求項29】
前記モータの開ループ駆動条件は、単位駆動パルスによる駆動及びロータ位置センシングを特定回数ほど反復して実行した後に、前記モータで検出される逆起電力の初期設定された臨界値を超える場合に、閉ループ駆動条件に変更されることを特徴とする請求項21に記載のディスクドライブ。
【請求項30】
前記コントローラは、モータ起動時間の経過によって予測される前記モータの速度に反比例して前記駆動パルスの幅を変化させることを特徴とする請求項21に記載のディスクドライブ。
【請求項31】
前記コントローラは、モータ起動時間の経過によって予測されるモータ回転負荷の大きさに比例して、前記駆動パルスの幅を変化させることを特徴とする請求項21に記載のディスクドライブ。
【請求項32】
前記コントローラは、前記モータ起動時間の経過によって前記モータの回転負荷を考慮して、最適化させた単位駆動時間の長さ情報が設定されたルックアップテーブルに設定された情報によって、前記駆動パルスの幅を変化させることを特徴とする請求項21に記載のディスクドライブ。
【請求項33】
前記駆動パルスの幅は、前記単位駆動時間の長さによって決定され、前記単位駆動時間の長さは、前記モータの回転負荷の大きさに比例して設定されることを特徴とする請求項32に記載のディスクドライブ。
【請求項34】
前記開ループ駆動モードで前記駆動パルスによってモータを駆動させる駆動モードと、前記駆動モード実行後の前記モータの固定子に対する回転子の位置を検出するセンシングモードとを反復して実行することを特徴とする請求項21に記載のディスクドライブ。
【請求項35】
前記コントローラは、開ループ駆動モードが発生した場合に、モータの初期駆動時間区間によって変化する単位駆動時間の長さを有する駆動制御信号を生成させ、前記駆動制御信号によって生成される駆動パルスを前記モータに供給することを特徴とする請求項21に記載のディスクドライブ。
【請求項36】
前記コントローラは、前記モータから検出された逆起電力が所定の基準臨界値より小さい場合に、前記開ループ駆動モードを実行させることを特徴とする請求項21に記載のディスクドライブ。
【請求項37】
前記コントローラは、単位駆動パルスによる駆動及びロータ位置センシングを特定回数ほど反復して実行した後に、前記モータで検出される逆起電力の初期設定された臨界値を超える場合に、前記開ループ駆動モードを閉ループ駆動モードに変更させることを特徴とする請求項21に記載のディスクドライブ。
【請求項38】
前記コントローラは、前記モータの起動時間区間によって予測された前記モータの速度に反比例して可変する単位駆動時間の長さを有する駆動制御信号を生成させることを特徴とする請求項21に記載のディスクドライブ。
【請求項39】
前記コントローラは、前記モータの起動時間区間によって予測された前記モータの回転負荷に比例して可変する単位駆動時間の長さを有する駆動制御信号を生成させることを特徴とする請求項21に記載のディスクドライブ。
【請求項40】
前記コントローラは、前記モータ起動時間の経過によって前記モータの回転負荷を考慮して、最適化させた単位駆動時間の長さ情報が設定されたルックアップテーブルに設定された情報によって前記駆動パルスの幅を変化させることを特徴とする請求項21に記載のディスクドライブ。
【請求項41】
前記駆動パルスの幅は、単位駆動時間の長さによって決定され、前記単位駆動時間の長さは、前記モータの回転負荷の大きさに比例して設定されることを特徴とする請求項21に記載のディスクドライブ。
【請求項42】
前記コントローラは、前記モータの予測速度軌跡に基づいて算出された最適の単位駆動時間の長さの軌跡を表現した関数によって前記駆動パルスの幅を決定することを特徴とする請求項41に記載のディスクドライブ。
【請求項43】
前記コントローラは、前記開ループ駆動モードで前記駆動パルスによってモータを駆動させる駆動モードと、前記駆動モード実行後の前記モータの固定子に対する回転子の位置を検出するセンシングモードを反復して実行することを特徴とする請求項42に記載のディスクドライブ。
【請求項44】
開ループ駆動モードでモータの予測速度変化に基づいて前記モータに印加される駆動パルスの幅を変化させるステップを含むモータ駆動方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−237014(P2008−237014A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73906(P2008−73906)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】