説明

ユニットバス及びその設置方法

【課題】建物の壁とユニットバス本体との距離によらず、両者の間に配線が噛み込まれることを回避することができるユニットバス及び該ユニットバスの設置方法を得る。
【解決手段】ユニットバス10では、ユニットバス本体12の浴室32の角隅、つまり、平面視で側壁14、16、18、20よりも内側の領域に配線収容部46が設けられており、浴室32内に設けられたテレビ42と、天井24の上部に設けられた制御装置とを接続する配線52の中間部が、配線収容部46の内側に設けられた配線スペース50に収容されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニットバス及びユニットバスを建物に設置する際の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に示された浴室ユニットでは、ユニットの外側に取り付けられた配線ダクトを用いて配線を配設するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−221562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の如き配線方法では、浴室ユニット(ユニットバス本体)を建物内に設置する際の建物の壁とユニットバス本体との距離によっては、両者の間に配線が噛み込まれる恐れがある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、建物の壁とユニットバス本体との距離によらず、両者の間に配線が噛み込まれることを回避することができるユニットバス及び該ユニットバスの設置方法を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明に係るユニットバスは、側壁及び天井を有するユニットバス本体と、平面視で前記側壁よりも内側の領域に設けられ、配線を収容する配線収容部と、を備えている。
【0007】
請求項1に記載のユニットバスでは、平面視でユニットバス本体の側壁よりも内側の領域に配線を収容する配線収容部が設けられているため、建物の壁とユニットバス本体との距離によらず、両者の間に配線が噛み込まれることを回避することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明に係るユニットバスは、請求項1に記載のユニットバスにおいて、前記配線収容部は、前記天井の上方側に連通されていることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載のユニットバスでは、ユニットバス本体に設けられた配線収容部が、ユニットバス本体の天井の上方側に連通されているため、配線収容部内に収容された配線を、ユニットバス本体の天井の上部に設けられた制御装置等へ容易に配策することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明に係るユニットバスは、請求項1又は請求項2に記載のユニットバスにおいて、前記配線収容部は、前記側壁の浴室側に設けられていることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載のユニットバスでは、ユニットバス本体の配線収容部が、ユニットバス本体の側壁の浴室側に設けられているため、配線をユニットバス本体の側壁に沿わせて配策する場合に好適である。
【0012】
請求項4に記載の発明に係るユニットバスは、請求項3に記載のユニットバスにおいて、前記配線収容部は、浴室の角隅、又は洗い場と浴槽との境目に設けられていることを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載のユニットバスでは、ユニットバス本体の配線収容部が、ユニットバス本体の側壁の浴室側において、浴室の角隅、又は洗い場と浴槽との境目に設けられているため、浴室のデッドスペースを有効活用することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明に係るユニットバスは、請求項3に記載のユニットバスにおいて、前記配線収容部は、シャワーフックをスライド可能に支持するスライドレールによって構成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項5に記載のユニットバスでは、ユニットバス本体の配線収容部が、シャワーフックをスライド可能に支持するスライドレールによって構成されているため、ユニットバス本体に既設されたスライドレールを有効活用することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明に係るユニットバスは、前後左右の側壁が建物の壁に対向して配置されるユニットバス本体と、前記ユニットバス本体の外側に配置され、一端側が前記前後左右の側壁のうちの一の側壁側へ配策されると共に、他端側が前記前後左右の側壁のうち前記一の側壁とは異なる側壁に沿って前記ユニットバス本体の天井の上方側へ配策される配線と、を備えたことを特徴としている。
【0017】
請求項6に記載のユニットバスでは、ユニットバス本体の前後左右の側壁のうち、配線の一端側が配策される一の側壁と建物の壁との距離が狭い場合でも、配線の他端側がユニットバス本体の前後左右の側壁のうち前記一の側壁とは異なる側壁に沿ってユニットバス本体の天井の上方側へ配策されるため、前記一の側壁と建物の壁との距離によらず、両者の間に配線が噛み込まれることを回避することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明に係るユニットバスは、請求項6に記載のユニットバスにおいて、前記天井と前記前後左右の側壁とは前記建物の壁側へ突出した天井継ぎ材を介して結合され、前記前後左右の側壁は、前記天井継ぎ材の下方に配置された平継ぎ補強材を介して結合された複数の壁パネルにより構成されると共に、前記配線の中間部は、前記天井継ぎ材と前記平継ぎ補強材との間に配置されることを特徴としている。
【0019】
請求項7に記載のユニットバスでは、ユニットバス本体の天井と前後左右の側壁とが、建物の壁側へ突出した天井継ぎ材を介して結合されている。また、ユニットバス本体の前後左右の側壁は、天井継ぎ材の下方に配置された平継ぎ補強材を介して結合された複数の壁パネルにより構成されている。そして、一端側がユニットバス本体の前後左右の側壁のうち一の側壁側へ配策され、他端側がユニットバス本体の前後左右の側壁のうち前記一の側壁とは異なる側壁に沿ってユニットバス本体の天井の上方側へ配策される配線は、天井継ぎ材と平継ぎ補強材との間に中間部が配置される。これにより、配線の中間部の配策経路を良好に確保することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明に係るユニットバスは、請求項7に記載のユニットバスにおいて、前記天井継ぎ材と前記平継ぎ補強材との間には、前記配線の中間部を保持する保持手段が設けられていることを特徴としている。
【0021】
請求項8に記載のユニットバスでは、天井継ぎ材と平継ぎ補強材との間に設けられた保持手段が配線の中間部を保持するため、天井継ぎ材と平継ぎ補強材との間に配線の中間部を仮留め等することができる。これにより、配線の配策作業を容易なものにすることができる。
【0022】
請求項9に記載の発明に係るユニットバスは、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載のユニットバスにおいて、浴室内の利用者の身体情報を検出する生体センサと、前記生体センサの検出結果および前記利用者が予め登録した当該利用者の身体情報に基づいて、前記ユニットバス本体に設けられた機器を制御する制御装置と、を備えたことを特徴としている。
【0023】
請求項9に記載のユニットバスでは、生体センサは、浴室内の利用者の身体情報(例えば、体温、体重、脈など)を検出する。また、制御手段は、生体センサの検出結果および利用者が予め登録した当該利用者の身体情報に基づいて、ユニットバス本体に設けられた機器(例えば、給湯装置、ジェットバス装置、照明器具、テレビ、換気扇、暖房装置など)を制御する。これにより、個々の利用者の体調や嗜好等に応じて、最適な浴室環境を提供することができる。しかも、本発明は、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載のユニットバスに対して適用されるため、上記各機器への配線が建物の壁とユニットバス本体との間に噛み込まれることを回避することができる。
【0024】
請求項10に記載の発明に係るユニットバスは、請求項9に記載のユニットバスにおいて、前記生体センサは、静脈センサ、温度センサ、応力センサ、及びアルコールセンサのうち少なくとも1つを有し、前記少なくとも1つは、浴室の手摺及び洗い場の床の一方又は両方に設けられていることを特徴としている。
【0025】
請求項10に記載のユニットバスでは、浴室の手摺及び洗い場の床の一方又は両方に、静脈センサ、温度センサ、応力センサ、及びアルコールセンサのうち少なくとも1つが設けられており、当該少なくとも一つによって利用者の身体情報が検出される。これにより、利用者の身体情報を良好に検出することができる。
【0026】
請求項11に記載の発明に係るユニットバス設置方法は、請求項1〜請求項10の何れか1項に記載のユニットバスを建物に設置する際のユニットバス設置方法であって、前記ユニットバス本体の前後左右の側壁のうち隣合う一対の側壁と建物の側壁との間の各距離を特定の窓用額縁の奥行き寸法に対応して同等に設定する一方、前記前後左右の側壁のうち前記一対の側壁とは異なる一の側壁と建物の間仕切壁との間の距離を特定のドア用額縁の奥行き寸法に対応して設定することを特徴としている。
【0027】
請求項11に記載のユニットバス設置方法では、ユニットバス本体の前後左右の側壁のうち隣合う一対の側壁と建物の側壁との間の各距離が、特定の窓用額縁の奥行き寸法に対応して同等に設定される。これにより、建物の側壁に取り付けられる窓用額縁を1種類で対応することができる。さらに、ユニットバス本体の前後左右の側壁のうち前記一対の側壁とは異なる一の側壁と建物の間仕切壁との間の距離が、特定のドア用額縁の奥行き寸法に対応して設定される。これにより、建物の間仕切壁に取り付けられるドア用額縁を1種類で対応することができる。しかも、請求項1〜請求項10の何れか1項に記載のユニットバスに対して本設置方法が適用されるため、建物の壁とユニットバス本体との距離によらず、両者の間に配線が噛み込まれることを回避することができる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、請求項1に記載の発明に係るユニットバスでは、建物の壁とユニットバス本体との距離によらず、両者の間に配線が噛み込まれることを回避することができる。
【0029】
請求項2に記載の発明に係るユニットバスでは、配線収容部内に収容された配線を、ユニットバス本体の天井の上部に設けられた制御装置等へ容易に配策することができる。
【0030】
請求項3に記載の発明に係るユニットバスでは、配線をユニットバス本体の側壁に沿わせて配策する場合に好適である。
【0031】
請求項4に記載の発明に係るユニットバスでは、浴室のデッドスペースを有効活用することができる。
【0032】
請求項5に記載の発明に係るユニットバスでは、ユニットバス本体に既設されたスライドレールを有効活用することができる。
【0033】
請求項6に記載の発明に係るユニットバスでは、建物の壁とユニットバス本体との距離によらず、両者の間に配線が噛み込まれることを回避することができる。
【0034】
請求項7に記載の発明に係るユニットバスでは、配線の中間部の配策経路を良好に確保することができる。
【0035】
請求項8に記載の発明に係るユニットバスでは、配線の配策作業を容易なものにすることができる。
【0036】
請求項9に記載の発明に係るユニットバスでは、個々の利用者の体調や嗜好等に応じて、最適な浴室環境を提供することができる。
【0037】
請求項10に記載の発明に係るユニットバスでは、利用者の身体情報を良好に検出することができる。
【0038】
請求項11に記載の発明に係るユニットバスでは、建物の壁とユニットバス本体との距離によらず、両者の間に配線が噛み込まれることを回避することができる。しかも、窓用額縁及びドア用額縁をそれぞれ1種類で対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施形態に係るユニットバスの構成を示す斜視図である。
【図2】図1の2−2線に沿った切断面を示す断面図である。
【図3】図1に示されたユニットバスの一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図4】図1に示されたユニットバスの変形例を示す図2に対応した断面図である。
【図5】図1に示されたユニットバスの変形例を示す縦断面図である。
【図6】ユニットバスの側壁と建物の壁との間に配線が噛み込まれた状態を説明するための図3に対応した拡大断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るユニットバスの構成を示す斜視図である。
【図8】図7に示されたユニットバスの一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図9】配線の配策経路を説明するための図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係るユニットバスの電気系統の概略を示すブロック図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係るユニットバス設置方法の基本設定を説明するためのユニットバスの配置図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係るユニットバス設置方法が適用されたユニットバスの配置レイアウトの一例を示し、建物の側壁(一般内壁)が基本位置の場合の配置図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係るユニットバス設置方法が適用されたユニットバスの配置レイアウトの他の例を示し、建物の側壁(一般内壁)が基本位置でない場合の配置図である。
【図14】本発明の第4実施形態に係るユニットバス設置方法が適用されたユニットバスの配置レイアウトの更に他の例を示し、ユニットバス本体の側壁のうちの3つが建物の側壁に対向して配置された場合の配置図である。
【図15】本発明の第4実施形態に係るユニットバス設置方法が適用されて建物に設置されたユニットバスの配置図である。
【図16】従来例に係るユニットバスの配置図が示されている。
【図17】本発明の第4実施形態に係るユニットバス設置方法が適用されて建物に設置されたユニットバスの配置図である。
【図18】従来例に係るユニットバスの配置図が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0040】
<第1の実施形態>
以下、図1〜図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係るユニットバス10について説明する。
【0041】
図1及び図2に示されるように、本第1実施形態に係るユニットバス10は、ユニットバス本体12を備えている。このユニットバス本体12は、前側壁14、後側壁16、右側壁18、左側壁20、底壁22、及び天井24を備えており、中空の直方体状に形成されている。
【0042】
前側壁14、後側壁16、右側壁18、及び左側壁20の各上端部と、天井24の周縁部とは、天井継ぎ材26(図3参照。図3以外では図示省略)を介して結合されている。また、前側壁14、後側壁16、右側壁18、及び左側壁20は、横方向に並んだ一対の壁パネル28(図1及び図3参照)が、天井継ぎ材26の下方に配置された平継ぎ補強材30(図3参照。図3以外では図示省略)によって結合されることにより構成されている。
【0043】
なお、本実施形態では、ユニットバス本体12は、図2に示されるように、前側壁14及び右側壁18が建物の側壁60(一般内壁)に対向して配置され、後側壁16及び左側壁20が建物の間仕切壁62(側壁60よりも薄い壁)に対向して配置されているが、これは単なる一例であり、ユニットバス本体12の建物への設置状況は、建物の構造などにより適宜変更されるものである。
【0044】
図2に示されるように、ユニットバス本体12の内部には、浴室32が設けられている。浴室32の奥側(右側壁18側)には、浴槽34が設けられており、浴室32の手前側(左側壁20側)は、洗い場36とされている。洗い場36の一側(前側壁14側)には、カウンター38が設けられており、洗い場36の他側(後側壁16側)には、ドア40が設けられている。なお、浴槽34、洗い場36、カウンター38、及びドア40などの配置は、図1、図2、図4、図5に示される構成に限らず、適宜変更することができる。
【0045】
さらに、本実施形態では、前側壁14には、浴槽34の上側においてテレビジョン42(以下、単に「テレビ42」という」が取り付けられており、このテレビ42と右側壁18との間である浴室32の角隅には、配線収容部46が設けられている。この配線収容部46は、前側壁14、右側壁18、及び前側壁14と右側壁18との間に斜めに掛け渡された縦壁48とによって構成されており、上下方向に延在している。つまり、この実施形態では、ユニットバス本体12の側壁の浴室32側(平面視で側壁14、16、18、20よりも内側の領域)に配線収容部46が設けられている。
【0046】
この配線収容部46の内側には、断面三角形の配線スペース50が形成されている。この配線スペース50は、図1に示されるように、上端側がユニットバス本体12の天井24の上方側に連通されており、下端側がユニットバス本体12の下部側に連通されている。この配線スペース50には、配線52(ケーブル)の中間部が挿通されている。この配線52の一端部は、前側壁14に形成された貫通孔を介して浴室側に挿入され、テレビ42に接続されている。また、配線52の他端側は、天井24の上側に引き出されている。この配線52の他端部は、図示しない制御装置に接続される構成になっている。
【0047】
なお、他の実施形態では、図4に示されるように、浴室32の他の角隅や、洗い場36と浴槽34との境目に配線収容部46(配線スペース50)を設けてもよい。また、図5に示されるように、ユニットバス本体12が、シャワーフック54を上下にスライド可能に支持するスライドレール56を備えている場合には、スライドレール56の内側に配線スペースを設けることにより、スライドレール56によって配線収容部を構成することもできる。さらに、図5に示されるように、洗い場36の床と底壁22との間、及び浴槽34と底壁22との間の空間を配線スペース58とすることにより、浴室32の下側に配線収容部を設けることもできる。
【0048】
また、図4に二点鎖線で示されるように、ユニットバス本体12の側壁の一部を開閉可能に構成することにより、配線スペース50をユニットバス本体12の外側へ開放できるようにすることが好ましい。これにより、配線スペース50のメンテナンスが容易になる。
【0049】
次に、本第1実施形態の作用及び効果について説明する。
上記構成のユニットバス10では、ユニットバス本体12の浴室32の角隅、つまり、平面視で側壁14、16、18、20よりも内側の領域に配線収容部46が設けられており、浴室32内に設けられたテレビ42と、天井24の上部に設けられた制御装置とを接続する配線52の中間部が、配線収容部46の内側(配線スペース50)に収容されている。したがって、テレビ42が取り付けられた前側壁14と、建物の側壁60(一般内壁)との間の距離が狭い場合でも、両者の間に配線が噛み込まれることを回避することができる。
【0050】
つまり、ユニットバス本体12が建物に設置される際には、設置誤差などによって、ユニットバス本体12と建物の側壁60との間の距離が狭くなることがある。このため、例えば、図6に示されるように、ユニットバス本体12の外側(領域外)において、配線52が前側壁14に沿って天井24の上側へと配策されている場合には、天井継ぎ材26と建物の側壁60との間に配線52が噛み込まれてしまう恐れがあるが、本実施形態ではこれを回避することができる。
【0051】
換言すれば、本実施形態では、建物の側壁60とユニットバス本体12との間の隙間(建物のデッドスペース)に、配線を配策するためのスペースを確保する必要がないため、狭いところにユニットバス10を設置することができる。これにより、建物のデッドスペースを最小限に抑えることができるので、建物の空間を有効活用することができる。また、建物側に配線スペースを確保する必要がないため、建物のモジュールを変更することなく同じサイズのユニットバス10を設置できる。したがって、機能が増えて配線の数が増加することにより、配線の処理が困難になってきている近年の多機能ユニットバスに対して特に有効である。
【0052】
しかも、本ユニットバス10では、配線収容部46の配線スペース50がユニットバス本体12の天井24の上方側に連通されているため、配線スペース50に収容された配線を、天井24の上部に設けられた制御装置へ容易に配策することができる。
【0053】
また、本ユニットバス10では、ユニットバス本体の配線収容部が、ユニットバス本体12の側壁(ここでは前側壁14)の浴室32側に設けられているため、本実施形態のように、配線52をユニットバス本体12の側壁に沿わせて上下方向に配策する場合に好適である。さらに、本ユニットバス10では、配線収容部46が、浴室32の角隅に設けられているため、浴室32のデッドスペースを有効活用することができる。
【0054】
なお、図4に示されるように、配線収容部46が洗い場36と浴槽34との境目に設けられている場合でも、同様に浴室32のデッドスペースを有効活用することができる。また、図5に示されるシャワーフック54のスライドレール56によって配線収容部が構成されている場合には、ユニットバス本体12に既設されたスライドレール56を有効活用することができる。
【0055】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、前記第1実施形態と基本的に同様の構成・作用については、前記第1実施形態と同符号を付与し、その説明を省略する。
【0056】
<第2の実施形態>
図7には、本発明の第2の実施形態に係るユニットバス70が斜視図にて示されている。このユニットバス70は、前記第1実施形態に係るユニットバス10と基本的に同様の構成とされている。但し、このユニットバス70では、前記第1実施形態に係る配線収容部46が省略されており、テレビ42の配線52がユニットバス本体12の外側(領域外)から天井24の上方側に配策されている。
【0057】
具体的には、配線52は、テレビ42に接続された一端側が前側壁14の外側面に沿って前側壁14の上端部まで立ち上げられている。配線52の中間部は、図8に示されるように、前側壁14の上端部において、天井継ぎ材26と平継ぎ補強材30との間を通って略水平に右側壁18側へ配策されている。また、配線52の中間部は、天井継ぎ材26と平継ぎ補強材30との間で前側壁14に取り付けられたフック72(保持手段)に引っ掛けられて保持されている。そして、この配線52の他端側は、右側壁18の外側面に沿って天井24の上側へ配策されている。なお、この配線52の他端部は、前記第1実施形態と同様に、天井24の上部に設けられた図示しない制御装置に接続される構成になっている。
【0058】
上記構成のユニットバス70では、前記第1実施形態に係るユニットバス10と同様に、テレビ42が取り付けられた前側壁14と建物の側壁60(一般内壁)との間に十分な隙間を確保できない場合に有効である。つまり、図9(A)に示されるように、前側壁14が建物の間仕切壁60に対向して配置される場合には、両者の間に十分な隙間が確保されるため、配線52を前側壁14に沿わせて天井24の上方側へ配策することができるが、前側壁14が建物の側壁60に対向して配置される場合には、両者の間に十分な隙間が確保されないことがある。このような場合でも、本実施形態では、前側壁14とは異なる側壁(ここでは右側壁18)に沿って配線52が天井24の上方側へ立ち上げられるため、右側壁18と建物の壁(側壁60又は間仕切壁60)との間に十分な隙間が確保されていれば、両者の間に配線52が噛み込まれることを防止できる。なお、配線52の配策経路は、図9(B)及び図9(C)に示されるように、浴槽34及びテレビ42の配置、側壁60及び間仕切壁60の配置、ユニットバス本体12のサイズなどに応じて適宜変更することができる。
【0059】
また、本実施形態では、配線52の中間部が天井継ぎ材26と平継ぎ補強材30との間に配置されるため、配線52の中間部の配策経路を良好に確保することができる。さらに、本実施形態では、天井継ぎ材26と平継ぎ補強材30との間に設けられたフック72によって配線52の中間部が保持されるため、天井継ぎ材26と平継ぎ補強材30との間に配線52の中間部を仮留め等することができる。これにより、配線52の配策作業を容易なものにすることができる。
【0060】
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態では、前側壁14に取り付けられたテレビ42に配線52が接続される場合について説明したが、請求項1〜請求項8に係る発明はこれに限らず、ユニットバス本体12の他の場所に設けられた他の機器に配線が接続する場合にも適用することができる。
【0061】
<第3の実施形態>
図10には、本発明の第3の実施形態に係るユニットバスの電気系統の概略がブロック図にて示されている。この実施形態は、前記第1実施形態又は前記第2実施形態と基本的に同様の構成とされているが、この実施形態では、ユニットバス本体12に、静脈センサ76、温度センサ78、応力センサ80、及びアルコールセンサ82(何れも生体センサ)が組み込まれている。これらの生体センサは、浴室32に設けられた図示しない手摺(握りバー)及び洗い場36の床の一方又は両方に取り付けられており、それぞれが配線を介して天井24の上部に設けられた制御装置86に接続されている。この制御装置86は、各生体センサの検出結果に基づいて、浴室内の利用者の身体情報(体温、体重、脈、酔っているか否か等)を検知する構成になっている。
【0062】
また、制御装置86には、浴室内又は浴室外に設けられた入力装置84が配線を介して接続されている。この入力装置84は、本ユニットバスを利用する利用者が個人の身体情報(体温、体重、脈、血圧、視力、張力など)及び嗜好(以下、これらを「ID情報」という)を制御装置86に登録するための装置であり、例えばタッチパネルなどが採用される。
【0063】
さらに、制御装置86には、ユニットバス本体12に設けられた給湯装置88、照明器具90、テレビ42、換気扇92、暖房装置94、及びジェットバス装置96(何れも機器)が、配線を介して接続されている。なお、上記各生体センサ、入力装置84、及び上記各機器からの制御装置86への配線の配策経路としては、前記第1実施形態又は前記第2実施形態に係る配策経路が採用されている。
【0064】
ここで、上述の制御装置86は、予め登録された利用者のID情報と、各生体センサが検出した利用者の身体情報との差を検知し、当該検知結果に基づいて上記各機器の作動を制御することにより、浴室環境の最適制御を行う構成になっている。
【0065】
例えば、制御装置86は、浴室内に利用者が入る瞬間に、生体センサによって当該利用者の体温を検出し、当該検出結果に合わせて換気扇92や暖房装置94の作動を制御することにより、浴室の温度を制御する。また、生体センサの検出前のお湯の温度がぬるめになっている場合には、生体センサが検出した利用者の体調に合わせて給湯装置88の作動を制御することにより、お湯の温度を上げる。なお、利用者の血圧が高いときなど、体調により湯温を上げすぎると危険であると判断した場合は、制御装置86は、予め登録された温度まで湯温を上昇させない場合もある。例えば、利用者の体温が高い又は低いとき、利用者の体重が増加又は減少したとき、利用者が風をひいているとき(体温が高いとき)、或いは利用者が酒に酔っているとき(アルコールが検出されたときや体温が高いとき)等である。
【0066】
さらに、生体センサが検出した利用者の日々の身体情報の変化の履歴を制御装置86が記憶することにより、利用者の体調・健康管理に活用することもできる。また、必要に応じて、制御装置86のロックを解除し、浴室環境の制御を中止させることもできる。また、外部情報(天候、明るさ、気温、湿度、時間など)を検出可能なセンサを追加し、これを制御装置86に接続することにより、外部情報に応じた浴室環境の自動制御を行うこともできる。
【0067】
以下、制御装置86に予め登録されたID情報の活用方法について説明する。本実施形態では、制御装置86は、予め登録された利用者のID情報(身体情報及び嗜好)に合わせて浴室環境を制御することができる。例えば、制御装置86は、利用者が浴室に入ると、その利用者のID情報を元に、お湯の温度、ジェットバスの強さ、照明の明るさ、テレビのチャンネル・音量・明るさ、及び浴室内の温度などを、利用者の身体情報と嗜好に合わせて制御する。
【0068】
また、制御装置86は、複数の利用者の身体情報を同時に検出した場合、予め登録された優先順に基づき制御する。優先順は、住人を最優先とし、利用者間で予め決めた登録順とする。これにより、制御装置86は、優先順を考慮して各機器を制御する。優先順の登録がない場合には、制御装置86は、住人の中で最も身体が弱いもの(車椅子使用者、高齢者、子供、使用時に生体認証でわかる体調の悪い人)を優先して各機器の制御を行う。また、制御装置86は、複数の利用者の身体情報を認識した場合、前述した優先順での特定の個人の設定によるのみではなく、認識された複数の利用者の身体情報の平均値を算出し、当該算出結果に基づいて各機器を制御する。
【0069】
或いは、制御装置86は、複数の利用者の身体情報の組合せ毎に最適な設定が登録されている場合には、その設定に従って各機器の作動を制御する。例えば、車椅子使用者等とその介助人という組合せ等が登録されている場合には、制御装置86は、その組合せに最適な設定で各機器の作動を制御する。また、制御装置86は、優先順の低い利用者を認識した後に優先順の高い利用者を認識した場合には、設定を変更しないようにすることもできるし、自動で徐々に優先度の高い利用者の設定に変更する等、変更方法を設定しておくこともできる。或いは、制御装置86が、表示画面、音声ガイド等により設定を変更するか否かを利用者に問い合わせる構成にしてもよい。
【0070】
また、制御装置86は、浴室内に既に利用者が居る場合は、後の利用者の使用を禁止するようにしてもよい。但し、緊急の事態(浴室内のある部位に衝撃が与えられた場合、機器の故障が発生した場合等)が発生した場合、又は浴室内に一定の時間以上利用者が居る場合には、後の人の使用が可能になるようにしてもよい。なお、入浴目安時間は利用者毎に予め制御装置86に登録するか、制御装置86の記憶媒体が各利用者の入浴時間を学習し、その利用者の平均使用時間として登録することもできる。また、利用者によっては浴室の使用を禁止することもできる。
【0071】
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態に係るユニットバス設置方法について説明する。本ユニットバス設置方法は、メーターモジュールの建物(住宅)の中において、予め決められた1750mmのヴォイド空間に、1600mmサイズのユニットバスを設置する際の効率の良い設置方法とその周辺部との取り合いに関するものである。また、本ユニットバス設置方法は、前記第1実施形態に係るユニットバス10、前記第2実施形態に係るユニットバス70、又は前記第3実施形態に係るユニットバスに対して適用されるものである。以下、具体的に説明する。
【0072】
ユニットバスは通常、前後左右の側壁のうち1つ以上が建物の側壁に対向するように配置されるが、採光及び換気を良好にするためには、ユニットバスの前後左右の側壁のうち1つ以上に窓が設けられることが好ましい。これを実現するために、先ずユニットバス設置位置の最も基本となる寸法を決める。ここでは、ユニットバスの前後左右の側壁のうち、窓のつく可能性のある側壁を2つ、ドアのつく可能性のある側壁を2つとする。図11に示された例では、建物の側壁(一般内壁)に対向して配置された側壁C及び側壁Dが窓のつく可能性のある側壁であり、建物の間仕切壁に対向して配置された側壁A及び側壁Bがドアのつく可能性のある側壁である。
【0073】
次に、側壁Cの内側表面及び側壁Dの内側表面と建物の一般内壁との間の各距離L1を特定の窓用額縁の奥行き寸法に対応して同等に設定すると共に、側壁Aの内側表面及び側壁Bの内側表面と建物の他の壁(間仕切壁など)との間の各距離L2を特定のドア用額縁の奥行き寸法に対応して同等に設定する。図12に示された例では、距離L1が特定の窓用額縁の奥行き寸法に対応して85mmに設定され、距離L2が特定のドア用額縁に対応して65mmに設定されている。ここで、85mmは一般的なユニットバスが1750mmのヴォイド空間に納まる最低限必要な寸法である。また、65mmは間仕切壁など、建物の側壁よりも薄い壁でも取り付け可能な控え寸法である。なお、これらの寸法は、ユニットバスと建築部分の各サイズによるため、ここでの寸法は一例である。
【0074】
以上を設定すると、上述の基本寸法においては、以下の3パターンに分けられる。
(1)側壁C及び側壁Dがともに建物の一般内壁に接する。
(2)側壁Cのみが建物の一般内壁に接する。
(3)側壁Dのみが建物の一般内壁に接する。
【0075】
上記の3パターンでは、建物の一般内壁とユニットバス本体の側壁との間の距離、及び建物の間仕切壁とユニットバス本体の側壁との間の距離を、それぞれ同じ寸法にすることができるため、同じ奥行き寸法のドア用額縁または窓用額縁が使用可能となる。
【0076】
次に、建物の側壁の位置が基本位置でない場合について説明する。つまり、ユニットバスの側壁Aまたは側壁Bが建物の一般内壁に対向して配置される場合についてである。この場合においても、側壁Aの内側表面または側壁Bの内側表面と建物の一般内壁との間には、窓用額縁の奥行き寸法に対応する85mmの距離が必要であるため、前述した基本寸法は使えない。そのため、この場合は、以下のように設定する。
【0077】
(4)側壁Aが建物の一般内壁に対向して配置される場合、側壁Aの内側表面と建物の一般内壁との間の距離を85mmに設定し、側壁Cの内側表面と建物の間仕切壁との間の距離を65mmに設定する。
【0078】
(5)側壁Bが建物の一般内壁に対向して配置される場合、側壁Bの内側表面と建物の一般内壁との距離を85mmに設定し、側壁Dの内側表面と建物の間仕切壁との間の距離を65mmに設定する(図13参照)。
【0079】
このとき、側壁A又は側壁Bにドア、側壁Cまたは側壁Dに窓が必要なため、上記(4)においては、間仕切壁に対向して配置された側壁Bにドアが設けられ、一般内壁に対向して配置された側壁Dに窓が設けられる。また、上記(5)においては、間仕切壁に対向して配置された側壁Aにドアが設けられ、一般内壁に対向して配置された側壁Cに窓が設けられる。これにより、上記(4)、(5)のパターンでは、ユニットバス本体の側壁のうち必ず2つの側壁が建物の一般内壁に対向して配置される。
【0080】
上記(4)、(5)のパターンにおいても、建物の一般内壁とユニットバス本体の側壁との間の距離、及び建物の間仕切壁とユニットバス本体の側壁との間の距離を、それぞれ同じ寸法にすることができるため、同じ奥行き寸法のドア用額縁または窓用額縁が使用可能となる。
【0081】
次に、ユニットバスの前後左右の側壁のうち3つが建物の側壁(一般内壁又は薄壁内壁)に接する場合について説明する。
【0082】
(6)側壁A、側壁C、側壁Dのうち何れか2つが建物の一般内壁に対向して配置され、何れか1つが建物の薄壁内壁に対向して配置される場合、側壁Bにドアが設けられる。
【0083】
(7)側壁B、側壁C、側壁Dのうち何れか2つが建物の一般内壁に対向して配置され、何れか1つが建物の薄壁内壁に対向して配置される場合、側壁Aにドアが設けられる。
【0084】
上記(6)、(7)の場合でも、建物の一般内壁とユニットバス本体の側壁との間の距離、及び建物の間仕切壁とユニットバス本体の側壁との間の距離を、それぞれ同じ寸法にすることができるため、同じ奥行き寸法のドア用額縁または窓用額縁が使用可能となる。
【0085】
次に、本ユニットバス設置方法について具体例を示して説明する。図15(A)〜図15(D)には、本ユニットバス設置方法が適用されて建物に設置されたユニットバスの配置図が示されている。
【0086】
本ユニットバス設置方法では、ユニットバスのサイズが、1600mm×1600mm(以下「1616」という)、1600mm×1800mm(以下「1618」という)、1600mm×2000mm(以下「1620」という)の場合に、以下の表1に示される関係でユニットバスを設置する。
【0087】
【表1】

【0088】
なお、表1において、A,B,C,Dはユニットバス本体の側壁A、側壁B、側壁C、側壁Dを示し、65、85、115、135は、側壁A、側壁B、側壁C、側壁Dの各内側表面から建物の壁までの距離をミリメートル単位で示したものである(この点は、後で説明する表2においても同様である)。
【0089】
また、表1において、◎は、ユニットバスが1616サイズで側壁Aが建物の一般内壁に対向する場合を示している。この場合、側壁Aの内側表面から建物の壁までの距離と、側壁Cの内側表面から建物の壁までの距離とが入れ替わる。これは、側壁A、Cと建物の壁とのクリアランスを確保するためである。
【0090】
また、表1において、★は、側壁Bが建物の一般内壁に対向する場合を示している。この場合、側壁Bの内側表面から建物の壁までの距離と、側壁Dの内側表面から建物の壁までの距離とが入れ替わる。これは、側壁B、Dと建物の壁とのクリアランスを確保するためである。
【0091】
図15及び表1に示されるレイアウトでは、ユニットバス本体の側壁から建物の側壁(一般内壁)までの距離(L1)、及びユニットバス本体の側壁から建物の間仕切壁までの距離(L2)を、それぞれ同じ寸法にすることができるため、同じ奥行き寸法のドア用額縁または窓用額縁が使用可能となる。
【0092】
一方、図16(A)〜図16(D)には、従来例に係るユニットバスの配置図が示されている。この従来例では、ユニットバスの設置位置は、建物の側壁および間仕切壁の位置によらず、浴室内の浴槽およびカウンターの位置で決定される。つまり、建物の側壁が側壁A〜Dの何れに対向して配置されるかに関わらず、以下の表2に示される関係でユニットバスが設置される。
【0093】
【表2】

【0094】
図16及び表2に示される従来のレイアウトでは、ユニットバス本体の側壁から建物の側壁(薄壁内壁)までの距離(L1)、及びユニットバス本体の側壁から建物の間仕切壁までの距離(L2)を、それぞれ同じ寸法にすることができないため、同じ奥行き寸法のドア用額縁または窓用額縁を使用することができない。
【0095】
一方、図17(A)及び図17(B)には、ユニットバスの前後左右の側壁のうち3つが建物の側壁(一般内壁又は薄壁内壁)に接する場合における、本ユニットバス設置方法の適用例がユニットバスの配置図にて示されている。
【0096】
図17(A)及び図17(B)に示されるレイアウトでは、ユニットバス本体の側壁から建物の側壁(一般内壁)までの距離(L1)、及びユニットバス本体の側壁から建物の間仕切壁までの距離(L2)を、それぞれ同じ寸法にすることができるため、同じ奥行き寸法のドア用額縁または窓用額縁が使用可能となる。
【0097】
これに対し、図18(A)及び図18(B)に示される従来例では、距離L1、L2をそれぞれ同じ寸法にすることができないため、同じ奥行き寸法のドア用額縁または窓用額縁を使用することができない。
【0098】
以上説明したように、本ユニットバス設置方法では、メーターモジュールの建物(住宅)の中に1600mmサイズのユニットバスを設置するに際し、同じ奥行き寸法のドア用額縁または窓用額縁を使用することができるため、ユニットバスを効率の良く建物に設置することができる。
【0099】
なお、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できるものであり、本発明の権利範囲が上記各実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0100】
10 ユニットバス
12 ユニットバス本体
14 前側壁
16 後側壁
18 右側壁
20 左側壁
24 天井
26 天井継ぎ材
28 壁パネル
30 平継ぎ補強材
32 浴室
34 浴槽
36 洗い場
42 テレビ(機器)
46 配線収容部
52 配線
54 シャワーフック
56 スライドレール
60 建物の側壁
62 建物の間仕切壁
70 ユニットバス
72 フック(保持手段)
76 静脈センサ
78 温度センサ
80 応力センサ
82 アルコールセンサ
86 制御装置
88 給湯装置
90 照明器具
92 換気扇
94 暖房装置
96 ジェットバス装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁及び天井を有するユニットバス本体と、
平面視で前記側壁よりも内側の領域に設けられ、配線を収容する配線収容部と、
を備えたユニットバス。
【請求項2】
前記配線収容部は、前記天井の上方側に連通されていることを特徴とする請求項1に記載のユニットバス。
【請求項3】
前記配線収容部は、前記側壁の浴室側に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のユニットバス。
【請求項4】
前記配線収容部は、浴室の角隅、又は洗い場と浴槽との境目に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のユニットバス。
【請求項5】
前記配線収容部は、シャワーフックをスライド可能に支持するスライドレールによって構成されていることを特徴とする請求項3に記載のユニットバス。
【請求項6】
前後左右の側壁が建物の壁に対向して配置されるユニットバス本体と、
前記ユニットバス本体の外側に配置され、一端側が前記前後左右の側壁のうちの一の側壁側へ配策されると共に、他端側が前記前後左右の側壁のうち前記一の側壁とは異なる側壁に沿って前記ユニットバス本体の天井の上方側へ配策される配線と、
を備えたユニットバス。
【請求項7】
前記天井と前記前後左右の側壁とは前記建物の壁側へ突出した天井継ぎ材を介して結合され、前記前後左右の側壁は、前記天井継ぎ材の下方に配置された平継ぎ補強材を介して結合された複数の壁パネルにより構成されると共に、前記配線の中間部は、前記天井継ぎ材と前記平継ぎ補強材との間に配置されることを特徴とする請求項6に記載のユニットバス。
【請求項8】
前記天井継ぎ材と前記平継ぎ補強材との間には、前記配線の中間部を保持する保持手段が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のユニットバス。
【請求項9】
浴室内の利用者の身体情報を検出する生体センサと、
前記生体センサの検出結果および前記利用者が予め登録した自身の身体情報に基づいて、前記ユニットバス本体に設けられた機器を制御する制御装置と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載のユニットバス。
【請求項10】
前記生体センサは、静脈センサ、温度センサ、応力センサ、及びアルコールセンサのうち少なくとも1つを有し、前記少なくとも1つは、浴室の手摺及び洗い場の床の一方又は両方に設けられていることを特徴とする請求項9に記載のユニットバス。
【請求項11】
請求項1〜請求項10の何れか1項に記載のユニットバスを建物に設置する際のユニットバス設置方法であって、前記ユニットバス本体の前後左右の側壁のうち隣合う一対の側壁と建物の側壁との間の各距離を特定の窓用額縁の奥行き寸法に対応して同等に設定する一方、前記前後左右の側壁のうち前記一対の側壁とは異なる一の側壁と建物の間仕切壁との間の距離を特定のドア用額縁の奥行き寸法に対応して設定することを特徴とするユニットバス設置方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−196110(P2011−196110A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64716(P2010−64716)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】