ユニットパネルセット及びユニットパネル工法
【課題】ユニットパネルを用いた建築物の施工時間を短縮する。
【解決手段】ユニットパネルセット１は、建築物２の壁がユニットに分割されて構成される複数のユニットパネル３と、建築物２が設置される設置床４に固定され、複数のユニットパネル３が載置される土台部５と、隣接するユニットパネル３を挟持するクリップ６と、建築物２の天井を構成する天井版７と、天井版７の周囲を囲って固定する天井ハチマキ８とを備えている。そして、設置床４に一体に形成された土台部５を設置し、土台部５上面のレベルを調整した後、この土台部５に複数のユニットパネル３を載置して固定する。
【解決手段】ユニットパネルセット１は、建築物２の壁がユニットに分割されて構成される複数のユニットパネル３と、建築物２が設置される設置床４に固定され、複数のユニットパネル３が載置される土台部５と、隣接するユニットパネル３を挟持するクリップ６と、建築物２の天井を構成する天井版７と、天井版７の周囲を囲って固定する天井ハチマキ８とを備えている。そして、設置床４に一体に形成された土台部５を設置し、土台部５上面のレベルを調整した後、この土台部５に複数のユニットパネル３を載置して固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は, 複数のユニットパネルを連結して施工する建築物のユニットパネルセット及びユニットパネル工法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、ユニットパネル工法により建築物を施工する際は、建築物の壁が複数に分割されたユニットパネル、天井版、ユニットパネルを設置床に固定するアンカーボルト及び隣接するユニットパネルを締結するボルトを用意する。
【０００３】
そして、設置床に固定されるユニットパネルの水平及び垂直のレベル（以下「レベル」という）を調整しながら、このユニットパネルをアンカーボルトで設置床に固定していく。そして、隣接するユニットパネルをボルトで締結して建築物の壁を形成し、ユニットパネルで形成された壁の上部に天井版を取り付けることで、建築物を施工している（例えば非特許文献１参照）。
【非特許文献１】社団法人 鉄道建築協会，鉄道建築ニュース，２００５年４月，pp.44-47
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、従来のユニットパネル工法では、ユニットパネルを直接設置床に固定するため、それぞれのユニットパネルのレベル調整が必要となる。また、隣接するユニットパネルの連結は多数のボルトを用いて行っているため、ボルトを締結する作業に多大な時間が必要となる。このため、ユニットパネルの施工に多大な時間を要するという問題があった。
【０００５】
本発明は、斯かる問題に鑑みて為されたものであり、ユニットパネルを用いた建築物の施工時間を短縮できるユニットパネルセット及びユニットパネル工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明に係るユニットパネル工法は、複数のユニットパネルを連結して建築物を施工するユニットパネル工法であって、少なくとも２以上のユニットパネルを載置して固定する土台部を、建築物の設置面に設置してレベル調整を行い、その後、ユニットパネルを土台部の上面に載置して固定することを特徴とする。
【０００７】
このユニットパネル工法によれば、少なくとも２以上のユニットパネルが載置される土台部を設置面に固定し、この土台部にユニットパネルを載置して固定するため、この土台部に対してレベル調整を行えば、土台部に載置して固定される個々のユニットパネルのレベル調整が不要になる。このため、レベル調整を行う回数が低減され、ユニットパネルを用いた建築物の施工時間を短縮することが可能となる。
【０００８】
上記ユニットパネルは、隣接するユニットパネルと連結される一方の側面に凸部が形成されており、隣接するユニットパネルと連結される他方の側面に、隣接するユニットパネルに設けられた凸部が嵌入される凹部が形成されており、ユニットパネルの側面に形成された凸部を隣接するユニットパネルの側面に形成された凹部に嵌入させて、ユニットパネルを隣接するユニットパネルに連結することが好ましい。隣接するユニットパネル間で、隣接する側面に形成された凸部と凹部とを嵌合させることにより、隣接するユニットパネルを容易に連結することが可能となる。
【０００９】
更に、隣接するユニットパネル間をクリップで挟持して、ユニットパネルと隣接するユニットパネルとを連結することが好ましい。クリップで挟持することにより隣接するユニットパネルが連結されるため、隣接するユニットパネルを容易且つ確実に連結することが可能となる。
【００１０】
本発明に係るユニットパネルセットは、複数のユニットパネルを連結して施工する建築物のユニットパネルセットであって、建築物の壁がユニットに分割されて構成される複数のユニットパネルと、隣接されるユニットパネルを挟持して連結するクリップと、建築物が施工される設置面に固定されて、少なくとも２以上のユニットパネルを載置して固定する土台部と、を有することを特徴とする。
【００１１】
このユニットパネルセットによれば、少なくとも２以上のユニットパネルが載置される土台部を設置面に固定し、この土台部にユニットパネルを載置して固定するため、この土台部に対してレベル調整を行えば、土台部に載置して固定される個々のユニットパネルのレベル調整が不要になる。このため、レベル調整を行う回数が低減され、ユニットパネルを用いた建築物の施工時間を短縮することが可能となる。
【００１２】
上記ユニットパネルは、隣接するユニットパネルと連結される一方の側面に凸部が形成されており、隣接するユニットパネルと連結される他方の側面に、隣接するユニットパネルに設けられた凸部が嵌入される凹部が形成されていることが好ましい。隣接するユニットパネル間で、隣接する側面に形成された凸部と凹部とを嵌合させることにより、隣接するユニットパネルを容易に連結することが可能となる。
【００１３】
また、上記ユニットパネルは、横架されると共に土台部に対して固定される下桟を有しており、下桟の下端は、ユニットパネルの下端よりも上方に配置されていることが好ましい。ユニットパネルの下桟をユニットパネルの下端よりも上方に配置することで、土台部と下桟との間に間隙が生じる。このため、土台部に対して固定する固定部材の位置合わせを目視にて行うことができ、土台部に対してユニットパネルを容易に載置して固定することが可能となる。
【００１４】
上記クリップは、対向配置されて連結されるユニットパネルを挟持する一対の挟持部と、一対の挟持部を保持する保持部と、を有することが好ましい。隣接されるユニットパネルを挟持することにより容易且つ確実に連結することが可能となる。
【００１５】
上記一対の挟持部は、それぞれ先端部が当該一対の挟持部の対向方向外側に傾斜するテーパー部を有することが好ましい。クリップの一対の挟持部には、当該一対の挟持部における対向方向外側に傾斜するテーパー部が設けられているため、対向配置される一対の挟持部の間にユニットパネルを誘導することが可能となる。
【００１６】
上記保持部は、一対の挟持部の離間距離に対して長く形成されていることが好ましい。保持部は、一対の挟持部の開脚を抑制する作用を有するため、一対の挟持部の離間距離に対して保持部の長さを長くすることで、一対の挟持部の開脚によりクリップが破壊されるのを防止することが可能となる。
【発明の効果】
【００１７】
本発明によれば、建築物の設置面に土台を固定し、この土台の上面に複数のユニットパネルを載置して固定することで、レベル調整を行う箇所が低減されるため、ユニットパネルを用いた建築物の施工時間を短縮することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１８】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図１は、本実施形態に係るユニットパネルセット１を用いて施工した建築物２を示す斜視図、図２は、建築物２の分解斜視図、図３は、ユニットパネル３を示す斜視図、図４は、ユニットパネル３の裏化粧板１１を取り外した状態を示す正面図、図５は、土台部５を示す斜視図、図６は、図５のＶＩ−ＶＩ矢視図、図７は、クリップ６を示す斜視図である。
【００１９】
図１及び図２に示すように、ユニットパネルセット１は、建築物２の壁がユニットに分割されて構成される複数のユニットパネル３と、建築物２が設置される設置床４に固定され、複数のユニットパネル３が載置される土台部５と、隣接するユニットパネル３を挟持するクリップ６と、建築物２の天井を構成する天井版７と、天井版７の周囲を囲って固定する天井ハチマキ８とを備えている。
【００２０】
ユニットパネル３は、ユニットパネル３ａ〜３ｌの１２枚構成となっている。このユニットパネル３ａ〜３ｌは、それぞれ工場において製作され、施工現場にて手順どおり連結される。このようにして連結されたユニットパネル３ａ〜３ｌは、建築物２の壁を構成する。ユニットパネル３ａ，３ｂ，３ｄ，３ｅ，３ｇ，３ｈ，３ｋは平板状に形成されており、ユニットパネル３ｊは平板状であって、ユニットパネル３ａ，３ｂ，３ｄ，３ｅ，３ｇ，３ｈ，３ｋと比べて上下方向に短く形成されており、ユニットパネル３ｃ，３ｆ，３ｉ，３ｌは２枚の平板が直角に接合されるように断面Ｌ字状に形成されている。このように形成されたユニットパネル３ａ〜３ｌがそれぞれ連結されると、断面矩形の壁が形成される。なお、ユニットパネル３ａ〜３ｌの各構成要素には、各ユニットパネル３ａ〜３ｌに対応して、適宜符号にａ〜ｌを付して表記する。
【００２１】
これらの各ユニットパネル３は、図３及び図４に示すように、角型鋼管により形成される躯体９と、ユニットパネル３に取り付けられている表化粧板１０及び裏化粧板１１とを備えている。
【００２２】
ユニットパネル３の躯体９は、ユニットパネル３の上端から下端まで上下方向に延設され、ユニットパネル３の両側端に配置される一対の竪枠１２、１３と、ユニットパネル３の上端に位置して、一対の竪枠１２，１３の間で横架され、ユニットパネル３の断面形状に沿って水平方向に延設される上桟１４と、ユニットパネル３の下端から所定距離上方に位置して、一対の竪枠１２，１３の間で横架され、ユニットパネル３の断面形状に沿って水平方向に延設される下桟１５と、上桟１４と下桟１５との間に位置して、一対の竪枠１２，１３の間で横架され、ユニットパネル３の断面形状に沿って水平方向に延設される中桟１６，１７とを備えている。
【００２３】
一対の竪枠１２，１３、上桟１４及び中桟１６で囲まれる空間には、スタイロフォーム２２がはめ込まれている。また、一対の竪枠１２，１３、中桟１６及び中桟１７で囲まれる空間には、スタイロフォーム２３がはめ込まれている。
【００２４】
下桟１５は、ユニットパネル３の下端との間に間隙を有するように配置されており、ユニットパネル３における上下方向にボルト（不図示）が貫通される複数の穴２４が設けられている。
【００２５】
表化粧板１０は、ユニットパネル３の外壁側の側面全体と、竪枠１２，１３における他のユニットパネルと連結される両側壁を覆う形状となっており、躯体９の外壁側に取り付けられている。裏化粧板１１は、下桟１５より上方においてユニットパネル３の内壁側の側面を覆う形状となっており、躯体９の内壁側に取り付けられている。
【００２６】
竪枠１２及び竪枠１２を覆う表化粧板１０とには、他のユニットパネルと連結される側の側壁の上端に切欠き１８が設けられており、この他のユニットパネルと連結される側の側壁には、ダボピン（凸部）１９が設けられている。竪枠１３及び竪枠１３を覆う表化粧板１０とには、他のユニットパネルと連結される側の側壁の上端に切欠き２０が形成されており、この他のユニットパネルと連結される側の側壁には、連結される他のユニットパネルのダボピン１９が嵌入されるダボ孔（凹部）２１が設けられている。
【００２７】
なお、ユニットパネル３ｊに設けられるダボ穴及びダボピンの代わりに、ボルトが貫通される穴３５及び穴３６が設けられており、ユニットパネル３ｉに設けられるダボピン１９ｉ及びユニットパネル３ｋに設けられるダボ穴２１ｋの代わりに、それぞれ螺子穴３７及び螺子穴３８が設けられている。そして、穴３５及び螺子穴３７と、穴３６及び螺子穴３８とは、ユニットパネル３ｉ，３ｊ，３ｋの上端を同じ高さに揃えた状態で、それぞれ同じ高さになるように設けられている。
【００２８】
土台部５は、図５に示すように、角型鋼管により形成されており、第１の部材５ａと第２の部材５ｂとに分割されている。なお、分割された第１の部材５ａと第２の部材５ｂとは、施工現場において結合されるようになっている。この土台部５には、図６に示すように、設置床４に垂直に固定されたアンカーボルト（不図示）が貫通される複数の穴２５が設けられている。また、土台部５の上面には、土台部５に載置されるユニットパネル３を固定するためのボルト（不図示）がねじ込まれる螺子穴２６が設けられている。具体的には、土台部５における角型鋼管の上壁に穴が開けられ、この穴の上面側にボルトがねじ込まれるナットが溶接固定されることで、螺子穴２６が形成される。
【００２９】
クリップ６は、図７に示すように、連結される２枚のユニットパネル３の隣接側面を挟持するように対向配置される一対の挟持部２７と、一対の挟持部２７の基端部に位置して、一対の挟持部２７を保持する保持部２８とを備えている。一対の挟持部２７の先端部には、先端に向かうに従い、一対の挟持部２７における対向方向外側に傾斜するテーパー部２９がそれぞれ形成されている。保持部２８は、一対の挟持部２７が延びる方向と反対の方向に延び、一対の挟持部２７の離間距離ｔよりも長く形成されている。
【００３０】
続いて、ユニットパネルセット１を用いて建築物２を施工するユニットパネル工法について、図８〜図１６を参照して説明する。図８は、設置床に土台部を設置した状態を示す図、図９は、設置床に土台部を固定した状態を示す断面図、図１０は、隣接するユニットパネルをダボピン１９により連結する状態を示す図、図１１は、隣接するユニットパネルをクリップ６により連結した状態を示す図、図１２は、隣接するユニットパネルをダボピン１９により連結する状態を示す図、図１３は、ユニットパネル３を土台部５に固定した状態を示す図、図１４は、天井版７と天井ハチマキ８を取り付ける状態を示す図、図１５は、内装シート３３を敷設した建築物２の断面図である。
【００３１】
まず、建築物２の設置床４に墨出しを行い、施工する建築物２の位置決めを行う。そして、図８に示すように、土台部５の第１の部材５ａと第２の部材５ｂとを結合して一体に形成し、この一体に形成された土台部５を設置床４に設置する。設置床４に一体に形成された土台部５が設置されると、この土台部５上面のレベルを調整する。具体的には、まず、レーザー水準器などによって土台部５上面全体のレベルを計測する。そして、設置床４の不陸等により土台部５上面のレベルが一定でない場合は、土台部５と設置床４との間にスペーサー（不図示）を挿入する等して、土台部５上面のレベルを一定に調整する。
【００３２】
土台部５上面のレベルが一定になると、図９に示すように、アンカーボルト３０が土台部５に設けられた穴２５を貫通するように、設置床４にアンカーボルト３０を固定する。具体的には、設置床４にアンカーボルト用の穴を開け、この穴にケミカルアンカーを挿入し、ケミカルアンカーが挿入された穴にアンカーボルトを打ち込む。これにより、アンカーボルト３０が設置床４に固定される。アンカーボルト３０が設置床４に固定されると、土台部５の穴２５を貫通したアンカーボルト３０にナット３１を締結し、土台部５を設置床４に固定する。
【００３３】
次に、図１０に示すように、ユニットパネル３ａ及びユニットパネル３ｂを土台部５に載置して、ユニットパネル３ａのダボピン１９ａをユニットパネル３ｂのダボ穴２１ｂに嵌入し、連結されるユニットパネル３ａとユニットパネル３ｂとを接合させて仮合わせを行う。このとき、ユニットパネル３ａにおける竪枠１２ａを覆う表化粧板１０ａの側壁と、ユニットパネル３ｂにおける竪枠１３ｂを覆う表化粧板１０ｂの側壁とが接合された状態となる。なお、ダボピン１９ａとダボ穴２１ｂとの嵌合状態により、ユニットパネル３ａとユニットパネル３ｂのレベルを確認することができる。
【００３４】
その後、図１１に示すように、ユニットパネル３ａとユニットパネル３ｂとが接合されている側壁をクリップ６で挟持する。具体的には、竪枠１２ａ及び竪枠１２ａを覆う表化粧板１０ａに設けられている切欠き１８ａと、竪枠１３ｂ及び竪枠１３ｂを覆う表化粧板１０ｂに設けられている切欠き２０ｂとにクリップ６を挿入させる。そして、竪枠１２ａ及び竪枠１２ａを覆う表化粧板１０ａと、竪枠１３ｂ及び竪枠１３ｂを覆う表化粧板１０ｂとが接合する側壁上端に、一対の挟持部２７の内側面を当接させる。なお、一対の挟持部２７の先端にはそれぞれテーパー部２９が設けられているため、竪枠１２ａ及び竪枠１２ａを覆う表化粧板１０ａと、竪枠１３ｂ及び竪枠１３ｂを覆う表化粧板１０ｂとが接合する側壁上端が、一対の挟持部２７の間に誘導される。そして、一対の挟持部２７が竪枠１２ａ及び竪枠１２ａを覆う表化粧板１０ａと、竪枠１３ｂ及び竪枠１３ｂを覆う表化粧板１０ｂとが接合する側壁を挟み込むように、クリップ６を上方から打ち込み、ユニットパネル３ａとユニットパネル３ｂとを連結させる。
【００３５】
なお、切欠き１８ｂ及び切欠き２０ａは、保持部２８の長さと同等又は保持部２８よりも長く形成されることで、クリップ６が打ち込まれたときに、クリップ６の保持部２８が竪枠１２ａ及び竪枠１２ａを覆う表化粧板１０ａと、竪枠１３ｂ及び竪枠１３ｂを覆う表化粧板１０ｂとに埋め込まれる。なお、クリップ６の保持部２８を把持してクリップ６の挿入を行うことで、一対の挟持部２７に不要な力を及ばすことなく、竪枠１２及び竪枠１３の接合する側壁にクリップ６を挟み込ませることができる。
【００３６】
このようにして、全てのユニットパネル３ａ〜３ｌが連結されるまで、隣接するユニットパネル３ａ〜３ｌを順次連結して行く。
【００３７】
なお、ユニットパネル３ｊは、図１２に示すように、ユニットパネル３ｉ及びユニットパネル３ｋの上端と同じ高さになるように持ち上げた状態で、ユニットパネル３ｊの穴３５からボルトを挿入してユニットパネル３ｉの螺子穴３７にねじ込み、ユニットパネル３ｊの穴３５からボルトを挿入してユニットパネル３ｋの螺子穴３８にねじ込むことで、仮合わせを行う。そして、ユニットパネル３ｉとユニットパネル３ｊ、ユニットパネル３ｊとユニットパネル３ｋをそれぞれクリップ６で挟持することで、ユニットパネル３ｉ、ユニットパネル３ｊ及びユニットパネル３ｋが連結される。
【００３８】
全てのユニットパネル３が連結されると、図１３に示すように、各ユニットパネル３の下桟１５に設けられている穴２４にボルト３２を貫通させ、下桟１５と土台部５との間の間隙から土台部５に設けられた螺子穴２６の位置を確認しながら、このボルト３２を螺子穴２６にねじ込む。このように、ボルト３２が螺子穴２６にねじ込まれることにより、下桟１５が土台部５に固定される。
【００３９】
全てのユニットパネル３ａ〜３ｌが土台部５に固定されると、連結されたユニットパネル３ａ〜３ｌのレベルを再度確認する。レベルの再確認が完了すると、図１４に示すように、ユニットパネル３の上面に天井版７を固定し、天井版７の周囲を天井ハチマキ８で囲う。
【００４０】
外装の建て込みが完了すると、複数のユニットパネル３に囲まれた建築物２内の設置床４に、内装シート３３を敷く。内装シート３３の端部は、ユニットパネル３に沿って立ち上げられる。そして、ユニットパネル３の裏化粧板１１まで内装シート３３を引き上げ、裏化粧板１１と内装シート３３とを接続する固定具３４により、裏化粧板１１に吊り下げる。また、隣接するユニットパネル３間には、連結目地を隠すためのジョイナー（不図示）が取り付けられる。
【００４１】
一方、ユニットパネル３を建て込んだ後に、土台部５のレベルを調整したい場合は、土台部５と下桟１５との間に設けられている間隙において、アンカーボルト３０を締結しているナット３１を緩め、土台部５の固定を解除する。これにより、土台部５のレベルを調整することが可能となる。なお、建築物２を分解せずに移動したい場合も、上記と同様に土台部５と下桟１５との間に設けられている間隙においてナット３１を緩め、土台部５の固定を解除する。これにより、設置床４から建築物２の固定が解除され、建築物２を分解せずに移動することができる。
【００４２】
ここで、このようなユニットパネルセット１を用いたユニットパネル工法により、駅構内に多機能トイレなどを施工する場合を考えると、多機能トイレの施工作業を行えるのは、鉄道の運行が行われない夜中の４時間程度しかない。
【００４３】
ところが、土台部５を用いない従来のユニットパネルセットを用いて施工するユニットパネル工法では、複数に分割されたユニットパネルを直接設置床に固定しているため、ユニットパネル１枚ごとに、レベルを調節しなければならない。また、隣接するユニットパネルの連結は、２枚のユニットパネルの隣接側面にボルトを締結することにより行っているため、施工現場でボルトを締結するために、ユニットパネルの躯体内側に作業スペースが必要になる。このため、施工現場に配送されるユニットパネルは、スタイロフォーム及び裏化粧板が取り外された状態となり、施工現場において施工作業が始まってから、２枚のユニットパネルをボルトで連結し、ユニットパネル内にスタイロフォームをはめ込み、裏化粧板を取り付ける作業が必要であった。
【００４４】
具体的には、２．５ｍ×２．５ｍ×（高さ）２．７ｍ程度の建築物の施工におけるユニットパネルセットの建込作業には、５〜６名の作業員で５〜６時間要していた。このため、例えば鉄道の駅構内に多機能トイレ等の建築物を施工する場合には、一晩に使える作業時間は４時間程度しかないため、１晩ではユニットパネルの建込作業を完了させることができない。従って、翌日は、施工場所に仮囲いを設置して旅客の安全を確保しなければならなかった。
【００４５】
しかし、本実施形態にかかるユニットパネルセット１を用いたユニットパネル工法によれば、一体に形成した土台部５を設置床４に設置し、この土台部５に対してレベル調整を行うことで、その後、土台部５に載置して固定される個々のユニットパネル３のレベル調整が不要になる。従って、レベル調整を行う回数が低減され、ユニットパネルセット１の建て込み時間を大幅に短縮することが可能となる。
【００４６】
具体的には、２．５ｍ×２．５ｍ×（高さ）２．７ｍ程度の建築物であれば、５〜６名の作業員で３〜４時間もあれば建込作業を終えることができるため、翌日に施工場所に囲いを設置する必要がなくなり、また、仮囲いの設置による旅客の通行を妨げずに済むことが可能となる。
【００４７】
また、ユニットパネル３の一方側面に形成されたダボピン１９を、ユニットパネル３の他方側面に形成されたダボ穴２１に嵌入することで、２枚のユニットパネル３を容易に連結することが可能となる。また、施工現場にて２枚のユニットパネル３を連結するためのボルト締結作業が不要となるため、スタイロフォーム２３，２４と裏化粧板１１を工場で予め取り付けることが可能となり、施工現場での作業工程が短縮され、建築物２の建込作業効率を向上させることができる。
【００４８】
更に、隣接するユニットパネル３の隣接側壁をクリップ６で挟持することで、ユニットパネルが確実に連結されるため、容易な作業で２枚のユニットパネル３を確実に連結することが可能となる。更に、２枚のユニットパネル３を連結するのに多数のボルトを締結する必要がなくなるため、ボルト等の部品点数を削減できると共に、ユニットパネル３の連結作業時間を大幅に短縮することが可能となる。
【００４９】
このクリップ６の一対の挟持部２７には、当該一対の挟持部２７の対向方向外側に傾斜するテーパー部２９を有するため、隣接側壁への引っ掛かりを低減し、一対の挟持部２７をユニットパネル３の隣接側壁に対してスムーズに挟み込ませることが可能となる。
【００５０】
また、ユニットパネル３の下桟１５をユニットパネル３の下端よりも上方に配置することで、土台部５と下桟１５との間に間隙が生じる。このため、この隙間から螺子穴２６の位置を確認しながら、ボルト３２を螺子穴にねじ込むことができ、土台部５に対してユニットパネル３を容易に固定することが可能となる。
【００５１】
また、クリップ６の保持部２８は、一対の挟持部２７の開脚を抑制する作用を有するため、一対の挟持部２７の離間距離に対して保持部２８の長さを長くすることで、一対の挟持部２７の開脚によりクリップ６が破壊されるのを防止することが可能となる。
【００５２】
更に、ユニットパネル３は、竪枠１２，１３及び竪枠１２，１３を覆う表化粧板１０の側壁に、クリップ６の保持部２８の長さと同一又は保持部より長い切欠き１８，２０を有することで、クリップ６で２枚のユニットパネル３を連結した後も、クリップ６の保持部２８がユニットパネルの内側に収納されるため、建物の美観を損ねることなく、隣接するユニットパネル３を連結することが可能となる。
【００５３】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、土台部５を２つに分割して構成されるものとして説明したが、設置床４に設置されたときに、２以上のユニットパネル３が載置されるように構成されていれば良く、始めから一体構造であってもよく、３以上に分割されていても良い。
【００５４】
また、クリップ６はユニットパネル３の竪枠１２，１３及び竪枠１２，１３を覆う表化粧板１０を挟み込むものとして説明したが、クリップ６が挟み込む部位は特に限定されるものではなく、例えば、ユニットパネル３の側面に化粧板を取り付け、この化粧板を挟み込ませてもよい。また、クリップ６は、ユニットパネル３の上部から打ち込むことで隣接するユニットパネル３を挟持するものとして説明したが、クリップ６で挟持する場所及び方向は特に限定されるものではなく、例えば、竪枠の内壁面側又は外壁面側にクリップ６を挟み込む空間を設け、水平方向にクリップを打ち込むことで挟み込ませてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００５５】
【図１】本発明の実施形態に係るユニットパネルセットを用いて施工した建築物を示す斜視図である。
【図２】図１に示す建築物の分解斜視図である。
【図３】ユニットパネルを示す斜視図である。
【図４】ユニットパネルの裏化粧板を取り外した状態を示す正面図である。
【図５】土台部を示す斜視図である。
【図６】図５のＶＩ−ＶＩ矢視図である。
【図７】クリップを示す斜視図である。
【図８】設置床に土台部を設置した状態を示す図である。
【図９】設置床に土台部を固定した状態を示す断面図である。
【図１０】隣接するユニットパネルをダボにより連結する状態を示す図である。
【図１１】隣接するユニットパネルをクリップにより連結した状態を示す図である。
【図１２】隣接するユニットパネルをダボにより連結する状態を示す図である。
【図１３】ユニットパネルを土台部に固定した状態を示す図である。
【図１４】天井版と天井ハチマキを取り付ける状態を示す図である。
【図１５】内装シートを敷設した建築物の断面図である。
【符号の説明】
【００５６】
１…ユニットパネルセット、２…建築物、３…ユニットパネル、４…設置床、５…土台部、６…クリップ、１５…下桟、１９…ダボピン（凸部）、２１…ダボ穴（凹部）、２７…挟持部、２８…保持部、２９…テーパー部。
【技術分野】
【０００１】
本発明は, 複数のユニットパネルを連結して施工する建築物のユニットパネルセット及びユニットパネル工法に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、ユニットパネル工法により建築物を施工する際は、建築物の壁が複数に分割されたユニットパネル、天井版、ユニットパネルを設置床に固定するアンカーボルト及び隣接するユニットパネルを締結するボルトを用意する。
【０００３】
そして、設置床に固定されるユニットパネルの水平及び垂直のレベル（以下「レベル」という）を調整しながら、このユニットパネルをアンカーボルトで設置床に固定していく。そして、隣接するユニットパネルをボルトで締結して建築物の壁を形成し、ユニットパネルで形成された壁の上部に天井版を取り付けることで、建築物を施工している（例えば非特許文献１参照）。
【非特許文献１】社団法人 鉄道建築協会，鉄道建築ニュース，２００５年４月，pp.44-47
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、従来のユニットパネル工法では、ユニットパネルを直接設置床に固定するため、それぞれのユニットパネルのレベル調整が必要となる。また、隣接するユニットパネルの連結は多数のボルトを用いて行っているため、ボルトを締結する作業に多大な時間が必要となる。このため、ユニットパネルの施工に多大な時間を要するという問題があった。
【０００５】
本発明は、斯かる問題に鑑みて為されたものであり、ユニットパネルを用いた建築物の施工時間を短縮できるユニットパネルセット及びユニットパネル工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明に係るユニットパネル工法は、複数のユニットパネルを連結して建築物を施工するユニットパネル工法であって、少なくとも２以上のユニットパネルを載置して固定する土台部を、建築物の設置面に設置してレベル調整を行い、その後、ユニットパネルを土台部の上面に載置して固定することを特徴とする。
【０００７】
このユニットパネル工法によれば、少なくとも２以上のユニットパネルが載置される土台部を設置面に固定し、この土台部にユニットパネルを載置して固定するため、この土台部に対してレベル調整を行えば、土台部に載置して固定される個々のユニットパネルのレベル調整が不要になる。このため、レベル調整を行う回数が低減され、ユニットパネルを用いた建築物の施工時間を短縮することが可能となる。
【０００８】
上記ユニットパネルは、隣接するユニットパネルと連結される一方の側面に凸部が形成されており、隣接するユニットパネルと連結される他方の側面に、隣接するユニットパネルに設けられた凸部が嵌入される凹部が形成されており、ユニットパネルの側面に形成された凸部を隣接するユニットパネルの側面に形成された凹部に嵌入させて、ユニットパネルを隣接するユニットパネルに連結することが好ましい。隣接するユニットパネル間で、隣接する側面に形成された凸部と凹部とを嵌合させることにより、隣接するユニットパネルを容易に連結することが可能となる。
【０００９】
更に、隣接するユニットパネル間をクリップで挟持して、ユニットパネルと隣接するユニットパネルとを連結することが好ましい。クリップで挟持することにより隣接するユニットパネルが連結されるため、隣接するユニットパネルを容易且つ確実に連結することが可能となる。
【００１０】
本発明に係るユニットパネルセットは、複数のユニットパネルを連結して施工する建築物のユニットパネルセットであって、建築物の壁がユニットに分割されて構成される複数のユニットパネルと、隣接されるユニットパネルを挟持して連結するクリップと、建築物が施工される設置面に固定されて、少なくとも２以上のユニットパネルを載置して固定する土台部と、を有することを特徴とする。
【００１１】
このユニットパネルセットによれば、少なくとも２以上のユニットパネルが載置される土台部を設置面に固定し、この土台部にユニットパネルを載置して固定するため、この土台部に対してレベル調整を行えば、土台部に載置して固定される個々のユニットパネルのレベル調整が不要になる。このため、レベル調整を行う回数が低減され、ユニットパネルを用いた建築物の施工時間を短縮することが可能となる。
【００１２】
上記ユニットパネルは、隣接するユニットパネルと連結される一方の側面に凸部が形成されており、隣接するユニットパネルと連結される他方の側面に、隣接するユニットパネルに設けられた凸部が嵌入される凹部が形成されていることが好ましい。隣接するユニットパネル間で、隣接する側面に形成された凸部と凹部とを嵌合させることにより、隣接するユニットパネルを容易に連結することが可能となる。
【００１３】
また、上記ユニットパネルは、横架されると共に土台部に対して固定される下桟を有しており、下桟の下端は、ユニットパネルの下端よりも上方に配置されていることが好ましい。ユニットパネルの下桟をユニットパネルの下端よりも上方に配置することで、土台部と下桟との間に間隙が生じる。このため、土台部に対して固定する固定部材の位置合わせを目視にて行うことができ、土台部に対してユニットパネルを容易に載置して固定することが可能となる。
【００１４】
上記クリップは、対向配置されて連結されるユニットパネルを挟持する一対の挟持部と、一対の挟持部を保持する保持部と、を有することが好ましい。隣接されるユニットパネルを挟持することにより容易且つ確実に連結することが可能となる。
【００１５】
上記一対の挟持部は、それぞれ先端部が当該一対の挟持部の対向方向外側に傾斜するテーパー部を有することが好ましい。クリップの一対の挟持部には、当該一対の挟持部における対向方向外側に傾斜するテーパー部が設けられているため、対向配置される一対の挟持部の間にユニットパネルを誘導することが可能となる。
【００１６】
上記保持部は、一対の挟持部の離間距離に対して長く形成されていることが好ましい。保持部は、一対の挟持部の開脚を抑制する作用を有するため、一対の挟持部の離間距離に対して保持部の長さを長くすることで、一対の挟持部の開脚によりクリップが破壊されるのを防止することが可能となる。
【発明の効果】
【００１７】
本発明によれば、建築物の設置面に土台を固定し、この土台の上面に複数のユニットパネルを載置して固定することで、レベル調整を行う箇所が低減されるため、ユニットパネルを用いた建築物の施工時間を短縮することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１８】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図１は、本実施形態に係るユニットパネルセット１を用いて施工した建築物２を示す斜視図、図２は、建築物２の分解斜視図、図３は、ユニットパネル３を示す斜視図、図４は、ユニットパネル３の裏化粧板１１を取り外した状態を示す正面図、図５は、土台部５を示す斜視図、図６は、図５のＶＩ−ＶＩ矢視図、図７は、クリップ６を示す斜視図である。
【００１９】
図１及び図２に示すように、ユニットパネルセット１は、建築物２の壁がユニットに分割されて構成される複数のユニットパネル３と、建築物２が設置される設置床４に固定され、複数のユニットパネル３が載置される土台部５と、隣接するユニットパネル３を挟持するクリップ６と、建築物２の天井を構成する天井版７と、天井版７の周囲を囲って固定する天井ハチマキ８とを備えている。
【００２０】
ユニットパネル３は、ユニットパネル３ａ〜３ｌの１２枚構成となっている。このユニットパネル３ａ〜３ｌは、それぞれ工場において製作され、施工現場にて手順どおり連結される。このようにして連結されたユニットパネル３ａ〜３ｌは、建築物２の壁を構成する。ユニットパネル３ａ，３ｂ，３ｄ，３ｅ，３ｇ，３ｈ，３ｋは平板状に形成されており、ユニットパネル３ｊは平板状であって、ユニットパネル３ａ，３ｂ，３ｄ，３ｅ，３ｇ，３ｈ，３ｋと比べて上下方向に短く形成されており、ユニットパネル３ｃ，３ｆ，３ｉ，３ｌは２枚の平板が直角に接合されるように断面Ｌ字状に形成されている。このように形成されたユニットパネル３ａ〜３ｌがそれぞれ連結されると、断面矩形の壁が形成される。なお、ユニットパネル３ａ〜３ｌの各構成要素には、各ユニットパネル３ａ〜３ｌに対応して、適宜符号にａ〜ｌを付して表記する。
【００２１】
これらの各ユニットパネル３は、図３及び図４に示すように、角型鋼管により形成される躯体９と、ユニットパネル３に取り付けられている表化粧板１０及び裏化粧板１１とを備えている。
【００２２】
ユニットパネル３の躯体９は、ユニットパネル３の上端から下端まで上下方向に延設され、ユニットパネル３の両側端に配置される一対の竪枠１２、１３と、ユニットパネル３の上端に位置して、一対の竪枠１２，１３の間で横架され、ユニットパネル３の断面形状に沿って水平方向に延設される上桟１４と、ユニットパネル３の下端から所定距離上方に位置して、一対の竪枠１２，１３の間で横架され、ユニットパネル３の断面形状に沿って水平方向に延設される下桟１５と、上桟１４と下桟１５との間に位置して、一対の竪枠１２，１３の間で横架され、ユニットパネル３の断面形状に沿って水平方向に延設される中桟１６，１７とを備えている。
【００２３】
一対の竪枠１２，１３、上桟１４及び中桟１６で囲まれる空間には、スタイロフォーム２２がはめ込まれている。また、一対の竪枠１２，１３、中桟１６及び中桟１７で囲まれる空間には、スタイロフォーム２３がはめ込まれている。
【００２４】
下桟１５は、ユニットパネル３の下端との間に間隙を有するように配置されており、ユニットパネル３における上下方向にボルト（不図示）が貫通される複数の穴２４が設けられている。
【００２５】
表化粧板１０は、ユニットパネル３の外壁側の側面全体と、竪枠１２，１３における他のユニットパネルと連結される両側壁を覆う形状となっており、躯体９の外壁側に取り付けられている。裏化粧板１１は、下桟１５より上方においてユニットパネル３の内壁側の側面を覆う形状となっており、躯体９の内壁側に取り付けられている。
【００２６】
竪枠１２及び竪枠１２を覆う表化粧板１０とには、他のユニットパネルと連結される側の側壁の上端に切欠き１８が設けられており、この他のユニットパネルと連結される側の側壁には、ダボピン（凸部）１９が設けられている。竪枠１３及び竪枠１３を覆う表化粧板１０とには、他のユニットパネルと連結される側の側壁の上端に切欠き２０が形成されており、この他のユニットパネルと連結される側の側壁には、連結される他のユニットパネルのダボピン１９が嵌入されるダボ孔（凹部）２１が設けられている。
【００２７】
なお、ユニットパネル３ｊに設けられるダボ穴及びダボピンの代わりに、ボルトが貫通される穴３５及び穴３６が設けられており、ユニットパネル３ｉに設けられるダボピン１９ｉ及びユニットパネル３ｋに設けられるダボ穴２１ｋの代わりに、それぞれ螺子穴３７及び螺子穴３８が設けられている。そして、穴３５及び螺子穴３７と、穴３６及び螺子穴３８とは、ユニットパネル３ｉ，３ｊ，３ｋの上端を同じ高さに揃えた状態で、それぞれ同じ高さになるように設けられている。
【００２８】
土台部５は、図５に示すように、角型鋼管により形成されており、第１の部材５ａと第２の部材５ｂとに分割されている。なお、分割された第１の部材５ａと第２の部材５ｂとは、施工現場において結合されるようになっている。この土台部５には、図６に示すように、設置床４に垂直に固定されたアンカーボルト（不図示）が貫通される複数の穴２５が設けられている。また、土台部５の上面には、土台部５に載置されるユニットパネル３を固定するためのボルト（不図示）がねじ込まれる螺子穴２６が設けられている。具体的には、土台部５における角型鋼管の上壁に穴が開けられ、この穴の上面側にボルトがねじ込まれるナットが溶接固定されることで、螺子穴２６が形成される。
【００２９】
クリップ６は、図７に示すように、連結される２枚のユニットパネル３の隣接側面を挟持するように対向配置される一対の挟持部２７と、一対の挟持部２７の基端部に位置して、一対の挟持部２７を保持する保持部２８とを備えている。一対の挟持部２７の先端部には、先端に向かうに従い、一対の挟持部２７における対向方向外側に傾斜するテーパー部２９がそれぞれ形成されている。保持部２８は、一対の挟持部２７が延びる方向と反対の方向に延び、一対の挟持部２７の離間距離ｔよりも長く形成されている。
【００３０】
続いて、ユニットパネルセット１を用いて建築物２を施工するユニットパネル工法について、図８〜図１６を参照して説明する。図８は、設置床に土台部を設置した状態を示す図、図９は、設置床に土台部を固定した状態を示す断面図、図１０は、隣接するユニットパネルをダボピン１９により連結する状態を示す図、図１１は、隣接するユニットパネルをクリップ６により連結した状態を示す図、図１２は、隣接するユニットパネルをダボピン１９により連結する状態を示す図、図１３は、ユニットパネル３を土台部５に固定した状態を示す図、図１４は、天井版７と天井ハチマキ８を取り付ける状態を示す図、図１５は、内装シート３３を敷設した建築物２の断面図である。
【００３１】
まず、建築物２の設置床４に墨出しを行い、施工する建築物２の位置決めを行う。そして、図８に示すように、土台部５の第１の部材５ａと第２の部材５ｂとを結合して一体に形成し、この一体に形成された土台部５を設置床４に設置する。設置床４に一体に形成された土台部５が設置されると、この土台部５上面のレベルを調整する。具体的には、まず、レーザー水準器などによって土台部５上面全体のレベルを計測する。そして、設置床４の不陸等により土台部５上面のレベルが一定でない場合は、土台部５と設置床４との間にスペーサー（不図示）を挿入する等して、土台部５上面のレベルを一定に調整する。
【００３２】
土台部５上面のレベルが一定になると、図９に示すように、アンカーボルト３０が土台部５に設けられた穴２５を貫通するように、設置床４にアンカーボルト３０を固定する。具体的には、設置床４にアンカーボルト用の穴を開け、この穴にケミカルアンカーを挿入し、ケミカルアンカーが挿入された穴にアンカーボルトを打ち込む。これにより、アンカーボルト３０が設置床４に固定される。アンカーボルト３０が設置床４に固定されると、土台部５の穴２５を貫通したアンカーボルト３０にナット３１を締結し、土台部５を設置床４に固定する。
【００３３】
次に、図１０に示すように、ユニットパネル３ａ及びユニットパネル３ｂを土台部５に載置して、ユニットパネル３ａのダボピン１９ａをユニットパネル３ｂのダボ穴２１ｂに嵌入し、連結されるユニットパネル３ａとユニットパネル３ｂとを接合させて仮合わせを行う。このとき、ユニットパネル３ａにおける竪枠１２ａを覆う表化粧板１０ａの側壁と、ユニットパネル３ｂにおける竪枠１３ｂを覆う表化粧板１０ｂの側壁とが接合された状態となる。なお、ダボピン１９ａとダボ穴２１ｂとの嵌合状態により、ユニットパネル３ａとユニットパネル３ｂのレベルを確認することができる。
【００３４】
その後、図１１に示すように、ユニットパネル３ａとユニットパネル３ｂとが接合されている側壁をクリップ６で挟持する。具体的には、竪枠１２ａ及び竪枠１２ａを覆う表化粧板１０ａに設けられている切欠き１８ａと、竪枠１３ｂ及び竪枠１３ｂを覆う表化粧板１０ｂに設けられている切欠き２０ｂとにクリップ６を挿入させる。そして、竪枠１２ａ及び竪枠１２ａを覆う表化粧板１０ａと、竪枠１３ｂ及び竪枠１３ｂを覆う表化粧板１０ｂとが接合する側壁上端に、一対の挟持部２７の内側面を当接させる。なお、一対の挟持部２７の先端にはそれぞれテーパー部２９が設けられているため、竪枠１２ａ及び竪枠１２ａを覆う表化粧板１０ａと、竪枠１３ｂ及び竪枠１３ｂを覆う表化粧板１０ｂとが接合する側壁上端が、一対の挟持部２７の間に誘導される。そして、一対の挟持部２７が竪枠１２ａ及び竪枠１２ａを覆う表化粧板１０ａと、竪枠１３ｂ及び竪枠１３ｂを覆う表化粧板１０ｂとが接合する側壁を挟み込むように、クリップ６を上方から打ち込み、ユニットパネル３ａとユニットパネル３ｂとを連結させる。
【００３５】
なお、切欠き１８ｂ及び切欠き２０ａは、保持部２８の長さと同等又は保持部２８よりも長く形成されることで、クリップ６が打ち込まれたときに、クリップ６の保持部２８が竪枠１２ａ及び竪枠１２ａを覆う表化粧板１０ａと、竪枠１３ｂ及び竪枠１３ｂを覆う表化粧板１０ｂとに埋め込まれる。なお、クリップ６の保持部２８を把持してクリップ６の挿入を行うことで、一対の挟持部２７に不要な力を及ばすことなく、竪枠１２及び竪枠１３の接合する側壁にクリップ６を挟み込ませることができる。
【００３６】
このようにして、全てのユニットパネル３ａ〜３ｌが連結されるまで、隣接するユニットパネル３ａ〜３ｌを順次連結して行く。
【００３７】
なお、ユニットパネル３ｊは、図１２に示すように、ユニットパネル３ｉ及びユニットパネル３ｋの上端と同じ高さになるように持ち上げた状態で、ユニットパネル３ｊの穴３５からボルトを挿入してユニットパネル３ｉの螺子穴３７にねじ込み、ユニットパネル３ｊの穴３５からボルトを挿入してユニットパネル３ｋの螺子穴３８にねじ込むことで、仮合わせを行う。そして、ユニットパネル３ｉとユニットパネル３ｊ、ユニットパネル３ｊとユニットパネル３ｋをそれぞれクリップ６で挟持することで、ユニットパネル３ｉ、ユニットパネル３ｊ及びユニットパネル３ｋが連結される。
【００３８】
全てのユニットパネル３が連結されると、図１３に示すように、各ユニットパネル３の下桟１５に設けられている穴２４にボルト３２を貫通させ、下桟１５と土台部５との間の間隙から土台部５に設けられた螺子穴２６の位置を確認しながら、このボルト３２を螺子穴２６にねじ込む。このように、ボルト３２が螺子穴２６にねじ込まれることにより、下桟１５が土台部５に固定される。
【００３９】
全てのユニットパネル３ａ〜３ｌが土台部５に固定されると、連結されたユニットパネル３ａ〜３ｌのレベルを再度確認する。レベルの再確認が完了すると、図１４に示すように、ユニットパネル３の上面に天井版７を固定し、天井版７の周囲を天井ハチマキ８で囲う。
【００４０】
外装の建て込みが完了すると、複数のユニットパネル３に囲まれた建築物２内の設置床４に、内装シート３３を敷く。内装シート３３の端部は、ユニットパネル３に沿って立ち上げられる。そして、ユニットパネル３の裏化粧板１１まで内装シート３３を引き上げ、裏化粧板１１と内装シート３３とを接続する固定具３４により、裏化粧板１１に吊り下げる。また、隣接するユニットパネル３間には、連結目地を隠すためのジョイナー（不図示）が取り付けられる。
【００４１】
一方、ユニットパネル３を建て込んだ後に、土台部５のレベルを調整したい場合は、土台部５と下桟１５との間に設けられている間隙において、アンカーボルト３０を締結しているナット３１を緩め、土台部５の固定を解除する。これにより、土台部５のレベルを調整することが可能となる。なお、建築物２を分解せずに移動したい場合も、上記と同様に土台部５と下桟１５との間に設けられている間隙においてナット３１を緩め、土台部５の固定を解除する。これにより、設置床４から建築物２の固定が解除され、建築物２を分解せずに移動することができる。
【００４２】
ここで、このようなユニットパネルセット１を用いたユニットパネル工法により、駅構内に多機能トイレなどを施工する場合を考えると、多機能トイレの施工作業を行えるのは、鉄道の運行が行われない夜中の４時間程度しかない。
【００４３】
ところが、土台部５を用いない従来のユニットパネルセットを用いて施工するユニットパネル工法では、複数に分割されたユニットパネルを直接設置床に固定しているため、ユニットパネル１枚ごとに、レベルを調節しなければならない。また、隣接するユニットパネルの連結は、２枚のユニットパネルの隣接側面にボルトを締結することにより行っているため、施工現場でボルトを締結するために、ユニットパネルの躯体内側に作業スペースが必要になる。このため、施工現場に配送されるユニットパネルは、スタイロフォーム及び裏化粧板が取り外された状態となり、施工現場において施工作業が始まってから、２枚のユニットパネルをボルトで連結し、ユニットパネル内にスタイロフォームをはめ込み、裏化粧板を取り付ける作業が必要であった。
【００４４】
具体的には、２．５ｍ×２．５ｍ×（高さ）２．７ｍ程度の建築物の施工におけるユニットパネルセットの建込作業には、５〜６名の作業員で５〜６時間要していた。このため、例えば鉄道の駅構内に多機能トイレ等の建築物を施工する場合には、一晩に使える作業時間は４時間程度しかないため、１晩ではユニットパネルの建込作業を完了させることができない。従って、翌日は、施工場所に仮囲いを設置して旅客の安全を確保しなければならなかった。
【００４５】
しかし、本実施形態にかかるユニットパネルセット１を用いたユニットパネル工法によれば、一体に形成した土台部５を設置床４に設置し、この土台部５に対してレベル調整を行うことで、その後、土台部５に載置して固定される個々のユニットパネル３のレベル調整が不要になる。従って、レベル調整を行う回数が低減され、ユニットパネルセット１の建て込み時間を大幅に短縮することが可能となる。
【００４６】
具体的には、２．５ｍ×２．５ｍ×（高さ）２．７ｍ程度の建築物であれば、５〜６名の作業員で３〜４時間もあれば建込作業を終えることができるため、翌日に施工場所に囲いを設置する必要がなくなり、また、仮囲いの設置による旅客の通行を妨げずに済むことが可能となる。
【００４７】
また、ユニットパネル３の一方側面に形成されたダボピン１９を、ユニットパネル３の他方側面に形成されたダボ穴２１に嵌入することで、２枚のユニットパネル３を容易に連結することが可能となる。また、施工現場にて２枚のユニットパネル３を連結するためのボルト締結作業が不要となるため、スタイロフォーム２３，２４と裏化粧板１１を工場で予め取り付けることが可能となり、施工現場での作業工程が短縮され、建築物２の建込作業効率を向上させることができる。
【００４８】
更に、隣接するユニットパネル３の隣接側壁をクリップ６で挟持することで、ユニットパネルが確実に連結されるため、容易な作業で２枚のユニットパネル３を確実に連結することが可能となる。更に、２枚のユニットパネル３を連結するのに多数のボルトを締結する必要がなくなるため、ボルト等の部品点数を削減できると共に、ユニットパネル３の連結作業時間を大幅に短縮することが可能となる。
【００４９】
このクリップ６の一対の挟持部２７には、当該一対の挟持部２７の対向方向外側に傾斜するテーパー部２９を有するため、隣接側壁への引っ掛かりを低減し、一対の挟持部２７をユニットパネル３の隣接側壁に対してスムーズに挟み込ませることが可能となる。
【００５０】
また、ユニットパネル３の下桟１５をユニットパネル３の下端よりも上方に配置することで、土台部５と下桟１５との間に間隙が生じる。このため、この隙間から螺子穴２６の位置を確認しながら、ボルト３２を螺子穴にねじ込むことができ、土台部５に対してユニットパネル３を容易に固定することが可能となる。
【００５１】
また、クリップ６の保持部２８は、一対の挟持部２７の開脚を抑制する作用を有するため、一対の挟持部２７の離間距離に対して保持部２８の長さを長くすることで、一対の挟持部２７の開脚によりクリップ６が破壊されるのを防止することが可能となる。
【００５２】
更に、ユニットパネル３は、竪枠１２，１３及び竪枠１２，１３を覆う表化粧板１０の側壁に、クリップ６の保持部２８の長さと同一又は保持部より長い切欠き１８，２０を有することで、クリップ６で２枚のユニットパネル３を連結した後も、クリップ６の保持部２８がユニットパネルの内側に収納されるため、建物の美観を損ねることなく、隣接するユニットパネル３を連結することが可能となる。
【００５３】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、土台部５を２つに分割して構成されるものとして説明したが、設置床４に設置されたときに、２以上のユニットパネル３が載置されるように構成されていれば良く、始めから一体構造であってもよく、３以上に分割されていても良い。
【００５４】
また、クリップ６はユニットパネル３の竪枠１２，１３及び竪枠１２，１３を覆う表化粧板１０を挟み込むものとして説明したが、クリップ６が挟み込む部位は特に限定されるものではなく、例えば、ユニットパネル３の側面に化粧板を取り付け、この化粧板を挟み込ませてもよい。また、クリップ６は、ユニットパネル３の上部から打ち込むことで隣接するユニットパネル３を挟持するものとして説明したが、クリップ６で挟持する場所及び方向は特に限定されるものではなく、例えば、竪枠の内壁面側又は外壁面側にクリップ６を挟み込む空間を設け、水平方向にクリップを打ち込むことで挟み込ませてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００５５】
【図１】本発明の実施形態に係るユニットパネルセットを用いて施工した建築物を示す斜視図である。
【図２】図１に示す建築物の分解斜視図である。
【図３】ユニットパネルを示す斜視図である。
【図４】ユニットパネルの裏化粧板を取り外した状態を示す正面図である。
【図５】土台部を示す斜視図である。
【図６】図５のＶＩ−ＶＩ矢視図である。
【図７】クリップを示す斜視図である。
【図８】設置床に土台部を設置した状態を示す図である。
【図９】設置床に土台部を固定した状態を示す断面図である。
【図１０】隣接するユニットパネルをダボにより連結する状態を示す図である。
【図１１】隣接するユニットパネルをクリップにより連結した状態を示す図である。
【図１２】隣接するユニットパネルをダボにより連結する状態を示す図である。
【図１３】ユニットパネルを土台部に固定した状態を示す図である。
【図１４】天井版と天井ハチマキを取り付ける状態を示す図である。
【図１５】内装シートを敷設した建築物の断面図である。
【符号の説明】
【００５６】
１…ユニットパネルセット、２…建築物、３…ユニットパネル、４…設置床、５…土台部、６…クリップ、１５…下桟、１９…ダボピン（凸部）、２１…ダボ穴（凹部）、２７…挟持部、２８…保持部、２９…テーパー部。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数のユニットパネルを連結して建築物を施工するユニットパネル工法であって、
少なくとも２以上の前記ユニットパネルを載置して固定する土台部を、前記建築物の設置面に設置してレベル調整を行い、
その後、前記ユニットパネルを前記土台部の上面に載置して固定することを特徴とするユニットパネル工法。
【請求項２】
前記ユニットパネルは、隣接するユニットパネルと連結される一方の側面に凸部が形成されており、隣接するユニットパネルと連結される他方の側面に、隣接するユニットパネルに設けられた前記凸部が嵌入される凹部が形成されており、
前記ユニットパネルの側面に形成された凸部を隣接するユニットパネルの側面に形成された凹部に嵌入させて、前記ユニットパネルを隣接するユニットパネルに連結することを特徴とする請求項１に記載のユニットパネル工法。
【請求項３】
前記隣接するユニットパネル間をクリップで挟持して、前記ユニットパネルと隣接するユニットパネルとを連結することを特徴とする請求項１又は２に記載のユニットパネル工法。
【請求項４】
複数のユニットパネルを連結して施工する建築物のユニットパネルセットであって、
前記建築物の壁がユニットに分割されて構成される複数のユニットパネルと、
隣接される前記ユニットパネルを挟持して連結するクリップと、
前記建築物が施工される設置面に固定されて、少なくとも２以上の前記ユニットパネルを載置して固定する土台部と、を有することを特徴とするユニットパネルセット。
【請求項５】
前記ユニットパネルは、隣接するユニットパネルと連結される一方の側面に凸部が形成されており、隣接するユニットパネルと連結される他方の側面に、隣接するユニットパネルに設けられた前記凸部が嵌入される凹部が形成されていることを特徴とする請求項４に記載のユニットパネルセット。
【請求項６】
前記ユニットパネルは、横架されると共に前記土台部に対して固定される下桟を有しており、
前記下桟の下端は、前記ユニットパネルの下端よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項４又は５に記載のユニットパネルセット。
【請求項７】
前記クリップは、対向配置されて連結される前記ユニットパネルを挟持する一対の挟持部と、前記一対の挟持部を保持する保持部と、を有することを特徴とする請求項４〜６の何れか１項に記載のユニットパネルセット。
【請求項８】
前記一対の挟持部は、それぞれ先端部が当該一対の挟持部の対向方向外側に傾斜するテーパー部を有することを特徴とする請求項７に記載のユニットパネルセット。
【請求項９】
前記保持部は、前記一対の挟持部の離間距離に対して長く形成されていることを特徴とする請求項７又は８に記載のユニットパネルセット。
【請求項１】
複数のユニットパネルを連結して建築物を施工するユニットパネル工法であって、
少なくとも２以上の前記ユニットパネルを載置して固定する土台部を、前記建築物の設置面に設置してレベル調整を行い、
その後、前記ユニットパネルを前記土台部の上面に載置して固定することを特徴とするユニットパネル工法。
【請求項２】
前記ユニットパネルは、隣接するユニットパネルと連結される一方の側面に凸部が形成されており、隣接するユニットパネルと連結される他方の側面に、隣接するユニットパネルに設けられた前記凸部が嵌入される凹部が形成されており、
前記ユニットパネルの側面に形成された凸部を隣接するユニットパネルの側面に形成された凹部に嵌入させて、前記ユニットパネルを隣接するユニットパネルに連結することを特徴とする請求項１に記載のユニットパネル工法。
【請求項３】
前記隣接するユニットパネル間をクリップで挟持して、前記ユニットパネルと隣接するユニットパネルとを連結することを特徴とする請求項１又は２に記載のユニットパネル工法。
【請求項４】
複数のユニットパネルを連結して施工する建築物のユニットパネルセットであって、
前記建築物の壁がユニットに分割されて構成される複数のユニットパネルと、
隣接される前記ユニットパネルを挟持して連結するクリップと、
前記建築物が施工される設置面に固定されて、少なくとも２以上の前記ユニットパネルを載置して固定する土台部と、を有することを特徴とするユニットパネルセット。
【請求項５】
前記ユニットパネルは、隣接するユニットパネルと連結される一方の側面に凸部が形成されており、隣接するユニットパネルと連結される他方の側面に、隣接するユニットパネルに設けられた前記凸部が嵌入される凹部が形成されていることを特徴とする請求項４に記載のユニットパネルセット。
【請求項６】
前記ユニットパネルは、横架されると共に前記土台部に対して固定される下桟を有しており、
前記下桟の下端は、前記ユニットパネルの下端よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項４又は５に記載のユニットパネルセット。
【請求項７】
前記クリップは、対向配置されて連結される前記ユニットパネルを挟持する一対の挟持部と、前記一対の挟持部を保持する保持部と、を有することを特徴とする請求項４〜６の何れか１項に記載のユニットパネルセット。
【請求項８】
前記一対の挟持部は、それぞれ先端部が当該一対の挟持部の対向方向外側に傾斜するテーパー部を有することを特徴とする請求項７に記載のユニットパネルセット。
【請求項９】
前記保持部は、前記一対の挟持部の離間距離に対して長く形成されていることを特徴とする請求項７又は８に記載のユニットパネルセット。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【公開番号】特開２００８−４５２６８（Ｐ２００８−４５２６８Ａ）
【公開日】平成２０年２月２８日（２００８．２．２８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−２１８５５４（Ｐ２００６−２１８５５４）
【出願日】平成１８年８月１０日（２００６．８．１０）
【出願人】（０００２２１６１６）東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【出願人】（５０６２７５２８７）株式会社ジェイケイケイ (1)
【出願人】（５００５１０２６１）ジェイアール東日本ビルテック株式会社 (11)
【公開日】平成２０年２月２８日（２００８．２．２８）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年８月１０日（２００６．８．１０）
【出願人】（０００２２１６１６）東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【出願人】（５０６２７５２８７）株式会社ジェイケイケイ (1)
【出願人】（５００５１０２６１）ジェイアール東日本ビルテック株式会社 (11)
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