説明

ユーザ装置を識別するための方法および装置ならびに一時的識別情報を伝送し、割り当てるための方法

【課題】発展型ネットワーク内でユーザ装置を識別するための方法、装置、およびモビリティ管理エンティティを開示する。
【解決手段】この方法のステップとは、発展型ネットワークにアクセスするためにユーザ装置に割り当てられる、システムアーキテクチャ発展型ネットワークSAEシステムの一時的モバイル加入者識別情報を受信するステップであって、そのSAEシステムの一時的モバイル加入者識別情報が少なくとも、プールid、モビリティ管理エンティティid、およびユーザ装置一時的idを含む、受信するステップと、発展型ネットワーク内でユーザ装置を一時的に識別するために、SAEシステムの一時的モバイル加入者識別情報を使用するステップとである。この装置は次のユニットを含み、そのユニットとは受信ユニットと一時的識別ユニットとである。モビリティ管理エンティティは、一時的識別情報割当ユニットを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2007年7月27日に中国
特許庁に出願し、「METHOD AND APPARATUS FOR IDENTIFYING USER EQUIPMENT, AND METHOD FOR TRANSMITTING AND ALLOCATING A TEMPORARY IDENTIFIER」と題された中国特許出願第200710137637.5号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は通信技術に関し、より詳細には、UE(ユーザ機器)を識別するための方法および装置、ならびに一時的識別子を伝送し、割り当てるための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ネットワークの発展に伴い、3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)において、製造業者はLTE(ロングターム発展型)/SAE(システムアーキテクチャ発展型)を積極的に調査している。図1に示すように、このLTE/SAEアーキテクチャは次のものを含む。それは、NAS(Non Access Stratum:非アクセス層)シグナリングを扱い、NASシグナリングのセキュリティを確実にするための、例えばユーザ識別子、モビリティ管理状態、位置情報など、UEのモビリティ管理コンテキストを記憶するように構成されるMME(モビリティ管理エンティティ)11と、S-GW(サービングゲートウェイ)121およびPDN(パケットデータネットワーク)GW122を含み、このS-GWおよびP-GWが同じ物理エンティティまたは別の物理エンティティ上に存在し得る2つの論理エンティティである、SAE GW(ゲートウェイ)とである。
【0004】
このS-GWは、例えばUEのIPアドレスやルート情報など、UEのユーザプレーンコンテキストを記憶し、正当なモニタリングおよびパケットデータルーティングを行う。S-GWとMMEとの間のインタフェースS11は、MMEとS-GWとの間の通信、ならびにUEのモビリティ管理情報およびセッション制御情報を交換することを担う。
【0005】
MME11はE-UTRAN(発展型ユニバーサル陸上無線アクセスネットワーク)と連携して、S1-MMEインタフェースを介した制御プレーン接続を実施する。S-GWはE-UTRANと連携して、S1-Uインタフェースを介したユーザプレーン接続を実施する。MME11は、S3インタフェースを介して2G/3G SGSN(サービングGPRSサポーティングノード)に接続され、3GネットワークとUEのSAEネットワークとの間のモビリティ制御プレーンアンカとしての役割を果たす。S-GWは、S4インタフェースを介して2G/3G SGSNに接続され、3GネットワークとUEのSAEネットワークとの間のモビリティユーザプレーンアンカとしての役割を果たす。
【0006】
P-GW122は、UEがPDNにアクセスするためのユーザプレーンアンカとしての役割を果たし、SGi基準点を介して外部のPDNと通信し、パケットのルーティング/転送、ポリシー/課金拡張、およびパケットフィルタリングを各ユーザに基づいて実施する。P-GW122は、ベアラ作成、ベアラ修正、ベアラ削除などのベアラ制御情報を伝送し、パケットデータをルートするために、S5インタフェースまたはS8インタフェース(ローミングの場合)を介してS-GW121に接続される。
【0007】
PCRF(ポリシーおよび課金規則機能)13は、S7インタフェースを介して、QoS(サービス品質)情報および課金ポリシー制御情報をP-GWに伝送する。
【0008】
TMSI(一時的モバイル加入者識別子)の概念は、SAEネットワークおよびUMTS(ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム)のどちらにも伴う。CS(回線交換)ドメインでは、この識別子はTMSIとして知られ、PS(パケット交換)ドメインでは、この識別子はP-TMSI(パケットTMSI)として知られる。このTMSIは、ユーザのIMSI(国際モバイル加入者識別子)がエアインタフェースにおいてさらされ、結果としてそのユーザのプライバシが侵害される可能性があるときに、そのユーザが追跡されるのを防ぐように設計される。したがって、ユーザがネットワークに接続した後、SGSNまたはMSC(モバイル交換局)が、TMSIまたはP-TMSIをUEに割り当てる。例えば、SGSNがP-TMSIをUEに割り当て、MSCがTMSIをUEに割り当てる。このTMSIはUEのLA(位置エリア)内で固有であり、またこのP-TMSIはRA(ルーティングエリア)内で固有であり、1つのLAはいくつかのRAを有し得る。ユーザがネットワークにアクセスするとき、TMSIまたはP-TMSIをUEの識別子として使用することができる。ユーザがダウンリンクのページングを行う場合、そのユーザはTMSIまたはP-TMSIによってページングされ得る。UEが、自らのTMSIまたはP-TMSIを有するページング情報をページングチャネル上で見つけると、そのUEはアクセスを開始する。
【0009】
UEが新たなコアネットワークノードにアクセスするとき、Iu-flexの概念が導入されていない場合、その新たなノードはLAI(LA識別子)またはRAI(RA識別子)に従って、UEのコンテキストを得るために旧ノードを探す。Iu-flexがある結果、このLAIおよびRAIは旧ノードを探すのに十分でない。したがって、旧ノードを特定するために、TMSIまたはP-TMSIの機能がLAI/RAIとさらに合わせて導入される。Iu-flexは、Iuインタフェース上で、1つまたは複数のアクセスネットワーク装置と1つまたは複数のコアネットワーク装置との間の、多対多関係が存在することを意味する。例えば、あるRNCが多くのSGSNに接続され、SGSNは多くのRNCにアクセスすることができる。複数のSGSNが資源プールを構成する。資源プールでは、複数のコアネットワークノード(SGSNなど)が、その資源プール内のすべてのRAN(無線アクセスネットワーク)ノード(RNCなど)に接続される。ただし従来のモードでは、1つのアクセスネットワークノードは、1つのコアネットワークノードにしか接続されない。
【0010】
さらに、Iu-flexの場合、以下に詳述するように、RANは、TMSI/P-TMSI内の情報に従い、UEが登録するノードを見つけることができる。
【0011】
TMSI/P-TMSIは、NRI(ネットワーク資源識別子)としての役割を果たし得る、0から10の設定可能なビットを含む。このNRIは、資源プール内の様々なコアネットワークノードを区別するために使用される。UEが初めてプールにアクセスするとき、RANノードは、対応するNASノードをNNSF(NASノード選択機能)によって見つけることができないため、そのRANノードは負荷分割法などの1つまたは複数の原則に従って適当なコアネットワークノードを選択する。資源プール内のCNノードに登録した後、その資源プール内を移動する場合、そのUEはCNノードを変更しない。この原則は次の通りである。UEが登録するコアネットワークノードがTMSIまたはP-TMSIをUEに割り当て、そのTMSIまたはP-TMSIはそのコアネットワークノードを表すNRIを運ぶ。このようにして、UEがアクセスを試みる場合、そのUEは初期DT(Direct transfer:直接転送)メッセージをRANに送信し、そのメッセージはTMSIまたはP-TMSIを運ぶ。RANノードは、受信されたTMSIまたはP-TMSI内のNRIに対応する、前に登録されたコアネットワークノードを選択する。したがって、コアネットワークノードが変更されないままでありながら、UEは資源プール内を移動する。しかしUEがその資源プールの外に移動する場合、RANノードは対応するNRIを有するCNノードを見つけることができず、RANノードは新たなコアネットワークノードを再選択し、コアネットワークノードがやはり変更されないままの状態で、UEはその新たな資源プール内を移動する。
【0012】
前のTMSIまたはP-TMSIは、PSドメインとCSドメインとを区別するための数(概して2)ビット、NRI用の設定可能な0から10ビット(0ビットはflexなしを示す)、リスタート識別子用の数ビット、および他の数ビットを含む、32ビットからなる。これらのビットは、ネットワークの展開に応じて適応的に割り当てることができる。
【0013】
例えば、TMSIまたはP-TMSIでは、TMSIとP-TMSIとを区別するために2ビット使用し、ノードのリスタートによってもたらされる、割り当て済みTMSIの割り当てを防ぐリスタート識別子として5ビット使用し、NRIとして7ビット使用し、残りの18ビットは、UE識別子を各コアネットワークノードに割り当てるために利用することができる。
【0014】
従来技術では、TMSIまたはP-TMSIが資源プール内で設計される。図2に示すように、この資源プールは、プール21、プール22、プール23、プール24、プール25、およびプール26を含む。プール21のNRIは16〜20であり、プール22のNRIは11〜15であり、プール23のNRIは1であり、プール24のNRIは6〜10であり、プール25のNRIは1〜5であり、プール26のNRIは11である。図2に示すように、プール21、プール22、プール24、およびプール25は部分的に重複し、各資源プールは異なるNRIで区別される5つのコアネットワークノードを含み、NASノード選択機能またはページングエリア内のUEのTMSIの固有性が影響を受けないので、隣接しないプールではNRIを再利用できると仮定する。各コアネットワークノードには最大で100万人のユーザが接続でき、プールの重複エリア内には1,200万人のユーザがいて、他のエリア内にはユーザがほとんどいないと仮定する。
【0015】
このネットワークでは、1,200万人のユーザを接続させるために、20のコアネットワークノードで十分である。NRIは(25=32、そのためNRIは32のコアネットワークノードを識別するために利用できるので)5ビット有し得る。各ノードによって独立して割り当てられる識別子は、(1,000,000=220、そのためNRIは200万人のユーザを識別するために利用できるので)21ビットからなり、PSドメインとCSドメインとを区別するために2ビット使用し、残りの4(32-5-21-2)ビットはリスタート用に使用する。
【0016】
SAEネットワークは依然としてFlexの設計を伴う。従来の方法のように、ある資源プール内では2つ以上のCNノード(MMEなど)が、その資源プール内のすべてのRANノード(eNodeB、すなわちENBなど)に接続される。UEが最初に資源プールに入るとき、RANノードが負荷分割原則に従ってCNノードを選択する。このようにして、そのUEはプール内を移動し、またはアクセスするときに、その選択されたCNノードにおいて常にアンカされる。MMEおよびS-GWのどちらもSAEネットワーク内のENBに接続でき、したがって2つの概念、MMEプールとS-GWプールとがある。SAEネットワークではプールの重複も許される。SAEネットワークでは、MMEプールまたはS-GWプールは、完全なTA(トラックエリア)を含む。TAは、UMTSネットワークにおけるLAまたはRAと似ている。
【0017】
図3は、重複するMMEプール内でのTMSIの割り当てを示す。図3では、UEが1度に1つのTAを割り当てると仮定する。UEが初めてMMEプール1にアクセスする(例えばUEがENB1に入る)とき、MMEが(簡潔にはMP1として知られる)MMEプール1から選択される。UEがENB1からENB2またはENB3に移動する間、MMEを変更する必要はない。UEがENB4に移動する場合、ENB4とソースMP1内のMMEとの間にインタフェースがない(ENB4はMP2にしか属さない)ので、MP2内のMMEを再選択する必要がある。図3では、ENB2およびENB3は2つのMMEプールに属する。つまり、ENB2はインタフェースを介して2つのプールの各MMEに接続され、ENB3はインタフェースを介して2つのプールの各MMEに接続される。したがって、ENB2およびENB3は、MMEプール1とMMEプール2との間の重複部分である。重複の利点は次の通りである。それは、UEがENB4からENB3に戻る場合、ENB3がMMEプール2に接続されているので、MMEを再選択する必要がないことである。UEがENB1にアクセスするまで、MMEを再選択する必要はない。つまり、この重複はピンポン効果を回避する(すなわちMMEのピンポンリロケーション)。ENB3とMMEプール2との間にインタフェースがないという条件で、UEがENB3とENB4との間を行き来する場合、ピンポン効果が引き起こされる。
【0018】
TAの概念では、このSAEネットワークは2つ以上のTAをUEに割り当てることを許し、これはUTMSネットワークと異なり、UTMSネットワークでは1つのLAまたはRAしかUEに割り当てることができない。このようにして、上記の図面内のUEがプールに登録し、割り当てられるTAリストがTA1およびTA2を含む場合、そのUEがENB1とENB2との間を行き来するときには更新を開始する必要はない。つまり、割り当てられたTA内をUEが移動する場合、更新を開始する必要はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】中国特許出願第200710137637.5号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の諸態様は、発展型ネットワーク内でUEを識別するための方法および装置を提供する。アクセス装置に関する更新の前処理を迅速化し、事業者によって行われるネットワーク資源設定を単純化するために、資源プールID(プール識別子)をSAE-TMSI(システムアーキテクチャ発展型一時的モバイル加入者識別情報)内に設定する。
【0021】
本発明の諸態様は、無線エアインタフェース資源の無駄を減らす目的で、発展型ネットワーク内のMME、SAE-TMSIを伝送し、割り当てるための方法、およびSAE-TMSIに従って情報を送受信するための方法も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の一態様によれば、発展型ネットワーク内でUEを識別するための方法であって、 UEがSAEネットワークにアクセスするときに、SAEネットワークによりSAE-TMSIをUEに割り当てるステップであって、そのSAE-TMSIが少なくとも、プールID、MME-ID(MME識別子)、およびUE一時的識別子を含む、割り当てるステップと、SAEネットワークにアクセスするUEを一時的に識別するためにそのSAE-TMSIを使用するステップとを含み得る、方法が提供される。
【0023】
本発明の一態様によれば、発展型ネットワーク内でUEを識別するための装置であって、 SAEネットワークにアクセスするUEに割り当てられるSAE-TMSIを運ぶアクセス要求を受信するように構成される受信ユニットであって、そのSAE-TMSIが少なくとも、プールID、MME-ID、およびUE一時的識別子を含む、受信ユニットと、SAEネットワークにアクセスするUEを一時的に識別するためにそのSAE-TMSIを使用するように構成される一時的識別ユニットとを含み得る、装置が提供される。
【0024】
本発明の一態様によれば、発展型ネットワーク内のMMEであって、SAEネットワークにアクセスするUEにSAE-TMSIを割り当てるように構成される一時的識別子割当ユニットであって、そのSAE-TMSIが少なくとも、プールID、MME-ID、およびUE一時的識別子を含む、一時的識別子割当ユニットを含み得る、MMEが提供される、
【0025】
本発明の一実施形態でのSAE-TMSIを伝送するための方法は、SAE-TMSIをUEからコアネットワークに伝送するステップに適用可能であり、UEがSAEネットワークにアクセスするときに、UEにより、初期直接転送メッセージを運ぶRRC(無線資源制御)要求をSAEネットワーク内の発展型RANエンティティに送信するステップであって、その要求がSAE-TMSIおよびNASメッセージを運び、そのNASメッセージがSAE-TMSIを運ばない、送信するステップと、発展型RANエンティティがS1インタフェースを介してMMEとのシグナリング接続を設定するときに、発展型RANエンティティにより、S1インタフェースを介した初期UEメッセージ中にSAE-TMSIを追加し、その初期UEメッセージによりSAE-TMSIをコアネットワークノードに提出するステップとを含む。
【0026】
本発明の一態様によれば、SAE-TMSIを割り当てるための方法であって、SAE-TMSIに従って計算されるページンググループが、IMSIに従って計算されるページンググループと一致することを満たす、割り当て用のSAE-TMSIを計算するステップと、UEをページングするときに、SAE-TMSIを運ぶページングメッセージを発展型RANエンティティに送信するステップであって、そのページングメッセージがIMSIを運ばない、送信するステップと、SAE-TMSIに従ってUEのページンググループを発展型RANエンティティによって計算し、UEをページングするステップとを含み得る、方法が提供される。
【0027】
本発明の一態様によれば、SAE-TMSIに従って情報を送受信するための方法であって、SAE-TMSIがMME内で固有である場合、SAE-TMSIを運ぶ識別子要求またはコンテキスト要求を、新たなMMEにより、接続プロセスで旧MMEに送信するステップであって、その要求が旧TAI(トラックエリア識別子)を運ばない、送信するステップ、または新たなMMEにより、UEコンテキストを得るための要求を、MMEの位置更新プロセスで旧MMEに送信するステップであって、その要求がSAE-TMSIを運ぶが旧位置識別子は運ばない、送信するステップと、その要求を受信するMMEがUEの旧MMEでない場合に、旧MMEのアドレスを得るために要求内のSAE-TMSIをMMEによって解決するステップとを含み得る、方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】従来技術でのLTE/SAEネットワークの構造を示す図である。
【図2】従来技術での、プール内でのTMSI/P-TMSIを設計する方法を示す図である。
【図3】従来技術での、重複するMMEプール内でのTMSIの割り当てを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による、SAEネットワーク内でUEを識別するための方法の流れ図である。
【図5】本発明の一実施形態による、PLMN内で固有でないプールIDを設定することの流れ図である。
【図6】本発明の一実施形態による、MMEを再選択することの流れ図である。
【図7】本発明の一実施形態による、SAE-TMSIを再割当する第1の応用例の流れ図である。
【図8】本発明の一実施形態による、SAE-TMSIを再割当する第2の応用例の流れ図である。
【図9】本発明の一実施形態による、SAE-TMSIを再割当する第3の応用例の流れ図である。
【図10】本発明の一実施形態による、SAE-TMSIを伝送することの流れ図である。
【図11】本発明の一実施形態による、SAE-TMSIを割り当てることの流れ図である。
【図12】図11に示すSAE-TMSIを割り当てるための方法のシグナリングの流れ図である。
【図13】本発明の一実施形態による、SAE-TMSIに従って情報を送受信するための方法の流れ図である。
【図14】本発明の一実施形態による、SAEネットワーク内でUEを識別するための装置の構造を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態による、SAEネットワーク内のMMEの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の諸実施形態を、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。
【0030】
図4は、本発明の一実施形態による、SAEネットワーク内でUEを識別するための方法の流れ図である。図4に示すように、この方法は次のステップを含む。
ステップ401:SAE-TMSIが受信される。このSAE-TMSIは、SAEネットワークにアクセスするUEに割り当てられ、少なくとも、プールID、MME-ID、およびUE一時的識別子を含む。
【0031】
アクセスプロセスでは、新たなSAE-TMSIがUEに割り当てられる。概して、新たなSAE-TMSIをUEに割り当てることは、通常、以下のシナリオで起こる。それは、UEが初めてそのネットワークにアクセスし、またはUEが別のプールから新たなプールに入り、またはUEが位置更新プロセスを開始し、ネットワークが新たなSAE-TMSIを割り当てることを決定する、シナリオである。
【0032】
ステップ402:SAEネットワークにアクセスするUEを一時的に識別するためにSAE-TMSIが使用される。
【0033】
つまり、本発明の一実施形態では、プールID、MME-ID、およびUE一時的識別子がSAE-TMSI中に追加される。プールIDは、プール用に構成される識別子であり、PLMN(公衆陸上モバイルネットワーク)内で固有であっても固有でなくてもよい。ただし、重複部分を有する隣接プールのプールIDが重複することは許されない。好ましい実装モードは、重複部分がない隣接プール内で設定されるプールIDも固有であるモード、MME-IDがそのプール内のMMEの識別子であり、そのプール内で固有であるモード、UE一時的IDが、UEに割り当てられるために各MMEから入手可能な固有の識別子であるモードである。
【0034】
好ましくは、この実施形態では、リスタートID(リスタート識別子)をSAE-TMSI中に追加することができる。つまり、SAE-TMSIは、プールID、MME-ID、UE一時的id、およびリスタートIDを含む。好ましい設定モードは、そのようなIDが上述の方法でSAE-TMSI中に順次追加されることである。リスタートIDは、MMEのリスタート時に識別子が再割当されることを防ぐ。このリスタートIDは、リスタートの回数に応じて増減することがあり、時間値を運ぶことができる。
【0035】
好ましくは、この実施形態では、通信システムのタイプを区別するための識別子をSAE-TMSI中に追加することができる。例えば、この識別子はUMTSやSAEなどの様々なシステムを区別する。つまり、SAE-TMSIは、プールID、MME-ID、UE一時的ID、およびUMTSとSAEとを区別するための識別子、そしてオプションで別のシステムとSAEシステムとを区別するための識別子を含む。好ましい設定モードは、上記の識別子が上述の方法でSAE-TMSI中に順次追加されることである。SAE-TMSIのビット数がTMSI/P-TMSIのビット数(すなわち32ビット)と同じである場合、PS/CS用の1つまたは複数のビットは、UMTSシステムまたはSAEシステムもしくは他のシステムを識別する識別子に関して多重化することができる。例えば、00/01はCSを表し、10はSAEを表し、11はPSを表す。
【0036】
好ましくは、この実施形態では、リスタートID、およびUMTS/SAE(または他のシステム)を識別するための識別子を、一緒にSAE-TMSI中に追加することができる。つまり、SAE-TMSIは、プールID、MME-ID、UE一時的id、リスタートID、およびUMTS/SAE(または他のシステム)を識別するための識別子を含む。好ましい設定モードは、上記の識別子が上述の方法でSAE-TMSI中に順次追加されることである。
【0037】
好ましくは、プールIDはPLMN-IDを運ぶことができる。つまり、プールIDは、PLMNのMCC(Mobile Country Code:モバイル国コード)、MNC(モバイルネットワークコード)、および内部プール識別子で構成される。この実施形態で使用する識別子の長さは、実際のネットワーク状態に応じて設定可能である。ただし、SAE-TMSIの設計は上記に開示したモードに限定されず、他の適当な設計モードも適用可能である。
【0038】
この実施形態では、プールID、MME-ID、およびUE一時的idがSAE-TMSI中に追加され、オプションでSAE-TMSIはリスタートIDおよび/またはUMTS/SAE(もしくは他のシステム)を識別するための識別子も含む。SAE-TMSIがプールID、MME-ID、およびUE一時的idを含むと仮定して、SAE-TMSIを使用する利点を以下に説明する。
【0039】
SAE-TMSIはプールIDを含む。MME-IDは、隣接プール内のMME設定に関係なく、そのプール内で独立して設定することができる。これは従来技術における場合と異なることである。従来技術では(図2に示すように)、4つの隣接プール内で、同じNRIを割り当てることは許されない。NRIは、この実施形態のMME-IDに等しい。それらが異なるネットワーク内にあるので(NRIはUMTS内にあり、MME-IDはSAE内にある)、それらは異なる名前を有する。同じNRIが割り当てられる場合、同じTMSI/P-TMSIが重複エリア内の複数のUEに割り当てられる可能性があり、適当なUEをページングすることについて混乱および失敗をもたらす。つまり従来技術では、コアネットワークノードによって設定されるNRIを追加し、修正し、または削除する時点で、他の隣接プールの状態を考慮し、NRIが重複することを避ける必要がある。コアネットワークノードのNRIが設定された後、NRIが重複することを避けるよう他のプールに知らせる必要がある。すなわち従来技術では、プール内のアクセスUEに関するコアネットワークノードのNRIを追加し、修正し、または削除する時点で、他の隣接プールの状態を考慮し、NRIが重複することを避ける必要がある。NRIをアクセスUEに割り当てる時点で、他のプールに知らせ、隣接プール内でNRIが重複することを避ける必要がある。さらに、従来技術でモバイルユーザがネットワークにアクセスするとき、すべてのネットワーク資源識別子を横断する必要があり、そのため複雑な処理、低い処理速度、および低いユーザ満足度をもたらす。
【0040】
この実施形態では、プールIDがプール内で設定され、隣接プールについて設定されるプールIDは異なる。したがってMMEノードを追加し、修正し、または削除し、プール内でMME-IDを設定する時点で、このプール内に重複するMME-IDが存在しない限り、他のプールの状態を考慮する必要なく、MME-IDをそのプール内で独立して設定することができる。つまりこの実施形態では、プールIDがプール内で設定されるので、このプール内のMMEを設定する時点で、隣接プールの設定を考慮する必要がない。
【0041】
この実施形態では、UEがENBにアクセスするとき、そのアクセス要求は、少なくとも、プールID、MME-ID、およびUE一時的IDを含むSAE-TMSIを運ぶ。SAE-TMSIを受信した後、そのENBは、SAE-TMSI内のプールIDに従い、どのプールにUEがアクセスするのかを決定する。このプールIDの設定が現在のプール内に存在する場合、ENBは、MME-IDに従って対応するMMEを選択し、このMMEをUEのために選択し、こうしてUEアクセスを達成する。このプールIDがENB内で設定されていない場合、そのENBは、すべてのNRIを横断することなく直接新たなMMEを選択することができる。
【0042】
この実施形態に関しては、PLMN内で固有のプールIDを設定することは以下の利点をもたらす。
【0043】
PLMN内に重複するプールIDが存在しない場合、SAE-TMSIはそのPLMN内で固有であり、そのSAE-TMSIに従って旧MMEを探し出すことができる。それは、UEが新たなコアネットワークエンティティにアクセスするとき、その新たなコアネットワークエンティティは、そのUEのSAE-TMSI内のプールIDおよびMME-IDに従って旧コアネットワークエンティティを探し出すことができるからである。しかし従来技術では、UEによってアクセスされる旧コアネットワークエンティティを探す際にはTAIを考慮する必要がある。したがって従来技術と比較して、この実施形態を実装することはより簡単であり、ネットワーク資源を節約する。
【0044】
プールIDがPLMN全体にわたって固有である場合、UEがネットワークにアクセスするときに旧TAIを提供する必要はない。例えば、旧TAI情報は、接続要求(Attach request)やTAU(トラックエリア更新)要求などのNASメッセージ内で運ばれる必要はない。
【0045】
しかし、UEが旧ネットワークにアクセスするとき、様々な位置エリア内で割り当てられる同じTMSI/P-TMSIを識別し、コアネットワークノードにTMSIおよびLAIに従って一意的にUEを特定させる目的で、RANがUEの旧LAI/RAI情報を初期UEメッセージ中に追加する。したがってこの実施形態では、UEの現在のTAIを初期UEメッセージ中に追加する必要はない。
【0046】
つまり、SAE-TMSI内のプールIDがPLMN内で固有の場合、UEが新たなMMEにアクセスするとき、その新たなMMEは旧MMEのアドレスに関する情報をそのUEのSAE-TMSI内のプールIDおよびMME-IDから取得し、またはSAE-TMSI内のプールIDがPLMN内で固有でない場合、旧MMEのアドレスに関する情報は、そのUEの旧LAIのみに従って取得することができ、または旧LAIおよびSAE-TMSIの両方に従って取得することができる。
【0047】
MME内のSAE-TMSIが固有であるので、UEがネットワークに接続するとき、UE IMSIを得るために新たなMMEにより旧MMEに送信される識別要求は旧TAI情報を運ぶ必要はない。flexの場合、新たなMMEは、旧TAIおよびSAE-TMSIにより旧MMEのアドレスを得る(SAE-TMSIがPLMN全体にわたって固有である場合、新たなMMEはSAE-TMSIのみにより旧MMEのアドレスを得ることができる)。新たなMMEによって得られるアドレスが真の旧MMEのアドレスでない場合、新たなMMEはSAE-TMSIにより識別要求を真の旧MMEに転送することができる。既存のUMTSでは、UEがP-TMSIとともに旧RAIに従って特定される必要があるので、旧RAI情報がメッセージ内で運ばれる必要がある。SGSNでは重複するP-TMSIは存在し得るが、そのP-TMSIはRAI内では確かに固有である。つまり、UEがネットワークに接続するとき、新たなMMEはIMSIを要求するために旧MMEに要求を送信する。新たなMMEが旧TAIおよび/またはSAE-TMSIに従って旧MMEのアドレスを得ているので、旧MMEに送信される識別要求はSAE-TMSIパラメータしか運ばず、もはや旧TAIを運ぶ必要はない。旧MMEがUEによって前に登録されたMMEである場合、旧MMEはSAE-TMSIの情報に従ってUEのIMSIを取り出し、そのIMSIを運ぶ識別応答を新たなMMEに送信する。識別要求を受信するMMEがUEの真の旧MMEでない場合、そのMMEはSAE-TMSIに従ってメッセージを真の旧MMEに転送し、旧MMEがSAE-TMSIに従ってIMSIを取り出し、そのIMSIを新たなMMEに返す。しかし既存のUMTSシステムでは、TAIとともにSAE-TMSIに従ってIMSIが特定される必要がある。
【0048】
この実施形態では、SAE-TMSIは少なくともこのプール内では固有であり得る。TAの概念のため、UEは複数のTAまたは複数のタイプのTAに登録することができる。UEに割り当てられるTAのリストが異なる場合、SAE-TMSIはUEに割り当てられるTAリスト内の同じTA内で固有である必要がある。したがって本発明の好ましい実施形態は、SAE-TMSIがプール内で固有であり、重複プール内で固有であることである。重複部分内には重複するSAE-TMSIが存在し得る。しかし他の適当なモードも適用可能であり、ここではこれ以上詳述しない。
【0049】
図5は、本発明の一実施形態による、PLMN内で固有でないプールIDを設定することの流れ図を示す。図5に示すように、エリア内に6つのプールがあり、プールごとに1つのプールIDが設定されており、そのプールIDは必ずしも固有でなく、つまり隣接しないプールは同じプールIDを有することができる。つまり、51-55の番号を付けられたプールのプールIDは1に設定され、53-56の番号を付けられたプールのプールIDは2に設定され、52の番号を付けられたプールのプールIDは3に設定され、54の番号を付けられたプールのプールIDは4に設定される。このようにして、PLMN-IDをPLMN内で再利用することができ、ビットが節約される。しかし、重複部分内でSAE-TMSIが重複することを避けるために、重複するプールIDを重複プールについて使用することはできない。つまり、隣接しないプールが同じSAE-TMSIを有することは許容できる。それは、UEに割り当てられるTAリストは決して別のプールを横断せず、同じエリア内に重複するSAE-TMSIが存在することはあり得ないからである。原則として、重複するプールIDは重複部分が一切ない隣接プールに割り当てることができるが、そのような設定は薦められない。アイドル状態のUEがあるプールから隣接プールに移動するとき、TAUプロセスが開始される。その2つのプールが同じプールIDを有する場合、新たなMMEの選択をトリガすることなく、UEによってアクセスされるENBが、隣接プール内で対応するMME-IDを有するMMEを直接選択することがあり得る。または、両方のプールがそのUEのSAE-TMSI内のMME-IDを有する場合、新たなMMEの選択はトリガされない。したがって、55の番号を付けられたプールのプールIDが5に設定され、56の番号を付けられたプールのプールIDが6に設定される場合、すなわち重複するプールIDがPLMN内に存在しない場合が好ましい。このようにして、UEが他のプールにアクセスするたびに、新たなMMEの選択が常に開始される。
【0050】
図3および図5に示すように、MMEプール1のプールIDが1であり、MMEプール2のプールIDが2であると仮定して、本発明の実施形態に基づく技術的解決策によれば、UEが初めてプール1に入るとき、そのUEはENB1にアクセスする。ENB1は、UEのSAE-TMSI内のプールIDが設定されていないか、または1に等しくないことを見出し、したがって新たなMMEを直接選択する。ENB1は、負荷平衡などの1つまたは複数の原則に従ってMMEを選択することができる。UEがENB2に移動し、アクセスを開始するとき、ENB2はSAE-TMSI内のプールIDおよびMME-IDに従って旧MMEを直接選択する。UEがENB4に移動するとき、TAUプロセスがトリガされる。ENB4は、そのようなプールIDが設定されていないことを見出し(ENB4に対してはプールID=2のみが設定されている)、その後、新たなMMEを直接選択する。MMEを変更する時点で、新たなMMEはUEのコンテキストまたは識別子に関する情報を得る必要がある。SAE-TMSIのプールIDがPLMN全体にわたって固有である場合、新たなMMEはSAE-TMSI内のプールIDおよびMME-ID(およびオプションでMCCおよびMNC情報、つまりPLMN情報)に従って旧MMEのアドレスを直接得ることができる。プールIDがPLMN全体にわたって固有でない場合、新たなMMEはUEの旧TAIに従って旧MMEのアドレスを得る必要がある。flexの場合、旧MMEのアドレスを特定するために、SAE-TMSI内の情報を合わせて考慮する必要がある。
【0051】
また、このシナリオはネットワーク内で起こり得る。重複エリアが一切ない隣接プールに対して同じプールIDが設定される。UEは、あるプールから同じプールIDを有する隣接プールに移動するときにTAUプロセスを開始する。初期直接転送メッセージがRAN(概してENBを指す)に送信され、TAU要求が同じプールIDおよび同じMME-IDのMMEに送信されるので(事実、このMMEは旧MMEではなく新たなプールのMMEである)、新たなMMEの選択をトリガすることなく、(MME-IDが新たなプール内にも存在すると仮定して)UEのSAE-TMSI内のプールIDおよびMME-IDに従ってRANノードがMMEを選択する。別のシナリオが起こり得る。それは、同じプールIDが隣接するまたは隣接しないプールに対して設定される場合、切り離し(detaching)の時点で旧SAE-TMSIが記憶されるシナリオである。UEは切り離しの後に新たなプールに移動し、そのプールに接続する。新たなプールのプールIDがUEの切り離し元のプールのプールIDと同じである場合、およびUEのSAE-TMSI内のMME-IDが新たなプール内に存在する場合、新たなMMEの選択はトリガされない。この場合、アクセスされるMMEは最適なMMEでない可能性があり、新たなMMEの選択をトリガした方がよい。したがって、前述のシナリオに対処するためのMME再選択プロセスを提案する。図6は、詳細なプロセスを示す。図6は、本発明の一実施形態による、MMEを再選択することの流れ図である。図6に示すように、MMEが実際には異なりながら、MMEのプールIDおよびMME-IDが、SAE-TMSI内のプールIDおよびMME-IDと同じであることがある。この場合、一例としてTAUをとり、MMEを再選択するプロセスは以下の通りである。
ステップ601:UEが初期直接転送メッセージをENBに送信する。この初期直接転送メッセージはNASメッセージを含み、そのNASメッセージはTAU要求およびSAE-TMSIを含む。さらに、TAU要求はTAIを含むことができる。
【0052】
ステップ602:初期直接転送メッセージを受信した後、そのプールIDおよびMME-IDが、SAE-TMSI内で運ばれるプールIDおよびMME-IDと同じであるMME(MME1など)をENBが選択する。
【0053】
ステップ603:ENBが初期UEメッセージをMME1に送信する。この初期UEメッセージはTAU要求を運ぶ。
【0054】
ステップ604:TAU要求を受信した後、MME1は、TAI情報に従って、MME1自らがそのUEによって前にアクセスされた旧MMEでないことを見出す(flexの場合、NAS内のSAE-TMSIを一緒に考慮して旧MMEを特定することができる)。したがって、MME1は新たなMMEの選択を決定し、ステップ605〜607をトリガすることができる。
【0055】
ステップ605:MME1がリルート命令をENBにフィードバックする。
【0056】
ステップ606:リルート命令を受信した後、ENBが例えばMME2などの新たなMMEを再選択する。
【0057】
ステップ607:ENBが初期直接転送メッセージをMME2に送信する。
【0058】
ステップ608:残りのTAUプロセスが行われる。この残りのプロセスは当業者によく知られており、ここではこれ以上繰り返さない。
【0059】
この実施形態で開始される接続プロセスまたは他のプロセスでは、以下のシナリオが起こり得る。選択されるMME(MME1など)がUEの旧MMEではない(旧MMEは、UEの旧TAI情報に従って特定することができる)。選択されるMME1は、新たなMME(MME2など)の選択をトリガすることができる。または、ENBが新たなMME(MME2など)を直接選択し、NAS(ネットワークアクセスサーバ)メッセージをその新たなMME2に転送する。選択されるMME1はリルート命令メッセージをRANに送信し、そのRANは新たなMME2を選択し、そのメッセージをその新たなMME2に送信する。または、選択されるMME1が新たなMME2を選択し、NASメッセージをその新たなMME2に直接転送する。または、選択されるMME1が新たなMME2を選択し、その新たなMME2の情報をRANに知らせ、RANがその新たなMME2へのアクセスを開始する。新たなMME2がリルート命令メッセージを送信することをトリガし、または新たなMME2の選択をトリガする前提条件は次のものであり得る。その条件とは、選択されるMME1の負荷が設定閾値を超え、新たなUEを担うのに適当でないこと、または選択されるMME1が、要求がTAUや接続などの実時間に敏感な(real-time-sensitive)NAS要求でないことを見出すことである。そのような前提条件が満たされない場合、新たなMME2の選択が必然的にトリガされる。
【0060】
この実施形態は、このようにして再選択を避けることができる。例えば、UEがRANにアクセスするとき、UEはそのRANノードにSAE-TMSIを報告するだけでなく、旧TAIも報告する。TAIがこのプールに属さないことをRANノードが見出すと、そのRANノードは新たなコアネットワークノードを選択することができる。つまり、RANにアクセスするときにUEによって送信される初期直接転送メッセージ内のイントラドメインNASノードセレクタ(Intra Domain NAS Node Selector)はTAIをさらに運ぶ。
【0061】
さらにこの実施形態では、SAE-TMSI内のIDを実際のネットワーク状態に応じて設定することができる。例えば、地域ごとに1つのプールが設定され、各MMEは100万人のユーザを処理する能力があり、地域内のプールは最大で6つの隣接プールを有し、地域内には最大で1億人のユーザがいると仮定する。SAE-TMSIは次のように設定することができる。UE一時的idのために21ビット使用し(そのため各MMEは最大で200万人のユーザが利用できる)、プールIDのために3ビット使用し(再利用可能であり、最大で8つの隣接プールが利用できる)、各プールは100のMMEを必要とし(1億ユーザ/100万MME)、MME-IDのために7ビット使用する(最大で128のMMEが利用できる)。SAE-TMSIが常に36ビット有すると仮定して(SAE-TMSIは拡張可能であり、SAE-TMSIの構成はSAE-TMSI=プールID+MME-ID+UE一時的id+リスタートIDであると仮定される)、残りの5ビットはリスタートIDによって使用され得る。
【0062】
例えば、北京のネットワークには最大で2,000万人のユーザが存在する。各MMEの最大処理能力は250万ユーザであり、各地域は固有のプールIDを必要とする。したがって、プールIDのために6ビット使用し(64のプールが利用でき、これは各地域が固有のプールIDを有する場合は十分である)、UE一時的idのために22ビット使用し(400万人のユーザが利用できる)、プール内に8つのMMEが存在し、MME-IDのために3ビットまたは4ビット使用する(拡張を可能にしている)。残りの36-6-22-4=4ビットがリスタートIDにとって利用可能である。
【0063】
上記の例は、SAE-TMSIが一定であり、IDをネットワーク状態に応じて柔軟に設定できると仮定する。
【0064】
さらにこの実施形態では、再割当の事前設定された1つまたは複数の条件が満たされる場合に、SAEネットワークがUEにSAE-TMSIを再割当する。
【0065】
図7は、本発明の一実施形態による、SAE-TMSIを再割当する第1の応用例の流れ図である。
【0066】
このSAE-TMSIは広範囲において固有であり、長期間変更されないままにすることができる。しかしプライバシを守るため、SAE-TMSIは周期的に変更される必要があり、ネットワークがSAE-TMSIの再割当を行うことができる。事前設定された再割当の条件は次のものであり得る。それは、位置が周期的にn回更新された後に、またはMMEが変更された後に、またはMMEがn回変更された後に再割当がトリガされる条件である。例えば、MMEのためにカウンタが設計される。UEがネットワークにアクセスし、または更新されると、カウンタが1ずつ増加する。以下に詳述するように、カウンタが閾値nに達した後、カウンタがリセットされる一方で、SAE-TMSIが再割当され、UEに送信される。
ステップ701:UEがMMEにアクセスするとき、UEはTAU要求をMMEに送信する。
【0067】
ステップ702:MMEがTAU要求を受信し、カウンタによって更新の回数を記録する。カウンタが閾値に達すると、このプロセスはステップ703に進む。
【0068】
ステップ703:MMEが新たなSAE-TMSIをUEに割り当て、カウンタをリセットする。
【0069】
ステップ704:一方でMMEはTAU受付メッセージをユーザに返す。このTAU受付メッセージは新たなSAE-TMSIを運ぶ。
【0070】
つまり、MMEのカウンタが閾値に達すると(例えば、UEがアクセスし、MMEが変更され、またはTAU要求が送信されるたびにカウンタは増加する)、MMEが新たなSAE-TMSIを割り当て、それをUEに送信し、その後カウンタがリセットされる。
【0071】
図8は、本発明の一実施形態による、SAE-TMSIを再割当する第2の応用例の流れ図である。さらに、このネットワーク内にタイマを設定することができる。このタイマが時間切れになるとSAE-TMSIが再割当される。以下に詳述するように、タイマが時間切れの時点でUEがアイドル状態にある場合、そのUEがネットワークにアクセスする時点で、またはネットワークがそのUEをページングする時点でSAE-TMSIを割り当てることができる。
ステップ801:MMEがSAE-TMSIをUEに割り当てた後にタイマが開始される。タイマが事前設定された制限時間に達すると、このプロセスはステップ802に進む。
【0072】
ステップ802:MMEがページング情報をUEに送信する、すなわちそのUEをページングする。
【0073】
ステップ803:UEが、新たなSAE-TMSIを要求するサービス要求をMMEに送信する。
【0074】
ステップ804:MMEが新たなSAE-TMSIをUEに割り当て、タイマをリセットする。
【0075】
ステップ805:MMEがSAE-TMSI再割当メッセージをUEに送信する。このメッセージは新たなSAE-TMSIを運ぶ。
【0076】
ステップ806:UEがSAE-TMSI再割当受付メッセージをMMEに返す。
【0077】
図8では、MMEがSAE-TMSIをUEに割り当てた後にタイマが開始される。MMEは、タイマが時間切れになった後に新たなSAE-TMSIをUEに割り当て、その新たなSAE-TMSIをUEに送信する必要がある。上記の例では、タイマが時間切れの時点でUEがアイドル状態にある場合、そのUEがネットワークにアクセスした後に、MMEがそのUEをページングし、新たなSAE-TMSIをそのUEに割り当てる。UEが活動状態にある場合、ステップ805およびステップ806が直接実行され、UEをページングする必要なく、割り当てられる新たなSAE-TMSIがUEに送信される。あるいは、タイマが時間切れになった後にUEがネットワークにアクセスするときに、新たなSAE-TMSIがそのUEに割り当てられる。このプロセスは図8に似ているが、ページングは起こらない。
【0078】
図9は、本発明の一実施形態による、SAE-TMSIを再割当する第3の応用例の流れ図である。UEはタイマまたはカウンタを保持し、このタイマまたはカウンタは上述のものと同様である。このタイマまたはカウンタが閾値に達すると、UEがSAE-TMSI再割当プロセスを開始する。このプロセスを以下に説明する。
【0079】
図9では、UE自体がSAE-TMSIの割り当てを決定する。例えば、UEがタイマを設定する。そのタイマが時間切れの時点で、ネットワークにSAE-TMSIを再割当することを要求するTAU要求が送信される。以下に詳述するように、TAU要求を受信した後、ネットワークが新たなSAE-TMSIをUEに割り当て、そのSAE-TMSIをUEに送信する。
ステップ901:タイマが時間切れになった後に、UEが、SAE-TMSIを再割当することを要求
するTAU要求をMMEに送信する(すなわちステップ902)。
【0080】
ステップ903:MMEが新たなSAE-TMSIをUEに割り当て、そのSAE-TMSIをTAU受付メッセージによってUEに返す(すなわちステップ904)。
【0081】
ステップ905:UEがTAU完了メッセージをMMEに送信する。
【0082】
アクセスネットワークがSAE-TMSIを識別する方法に関し、UEがUMTSにおけるRANにアクセスするとき、そのRANにアクセスするときにUEによって送信されるRRCメッセージは、初期直接転送メッセージを運ぶ。イントラドメインNASノードセレクタがこの初期直接転送メッセージに含まれ、P-TMSIを含むことができる。NASもこの初期直接転送メッセージに含まれてよく、例えばRAU要求や接続要求など、UEからコアネットワークに直接伝送される。このRAU要求または接続要求は、P-TMSIを含むことができる。したがって、初期直接転送メッセージ内には2つのP-TMSIが存在する。それは無線エアインタフェースに関する資源の無駄をもたらす。つまり、UMTSでは、RANにアクセスするときにUEによって送信されるRRCメッセージは、初期直接転送メッセージを運ぶ。この初期直接転送メッセージは、P-TMSIを含み得るイントラドメインNASノードセレクタを運ぶ。初期直接転送メッセージはNASをさらに運ぶことができる。NASは、例えばRAU要求や接続要求など、UEからコアネットワークに直接伝送される。このRAU要求または接続要求は、P-TMSIを含むことができる。したがって、初期直接転送メッセージ内には2つのP-TMSIが存在する。それは無線エアインタフェースに関する資源の無駄をもたらす。
【0083】
従来技術における資源の無駄に対処するために、以下に説明するように本明細書では2つの解決策を提案する。
【0084】
本発明の一実施形態で、SAE-TMSIを伝送するための方法を提供する。この方法は、SAE-TMSIをUEからコアネットワークに伝送するために適用可能である。図10に示すように、この方法は次のステップを含む。
ステップ100:UEがSAEネットワークにアクセスするときに、そのUEが、初期直接転送メッセージを運ぶRRC要求をそのSAEネットワーク内の発展型RANエンティティに送信し、その要求はSAE-TMSIおよびNASメッセージを運び、そのNASメッセージはSAE-TMSIを運ばない。
【0085】
つまり、UEが発展型RANエンティティにアクセスするときに、そのUEは、初期直接転送メッセージを運ぶRRC要求をその発展型RANエンティティに送信する。このメッセージはSAE-TMSIおよびNASメッセージを運ぶ。そのNASメッセージ(接続要求やTAU要求など)は、SAE-TMSIを運ぶ必要はない。それは、コアネットワークが初期UEメッセージによってSAE-TMSIを取得し、SAE-TMSIをNASメッセージによって取得する必要がないからである。
【0086】
ステップ101:発展型RANエンティティがS1インタフェースを介してMMEとのシグナリング結合を確立するときに、その発展型RANエンティティがS1インタフェースを介した初期UEメッセージ中にSAE-TMSIを追加し、その初期UEメッセージによりSAE-TMSIをコアネットワークノードに提供する。
【0087】
つまり、コアネットワークノードはNASメッセージによってでなはく、初期UEメッセージによってSAE-TMSIを取得し、そうしてNASメッセージ中で再度運ばれるSAE-TMSIのオーバヘッドを節約し、エアインタフェースおよびS1インタフェースの資源オーバヘッドを低減する。
【0088】
すなわち、この実施形態のSAEシステムでは、SAE-TMSIは初期直接転送メッセージのRRC部分に含まれ、例えばイントラドメインNASノードセレクタに含まれる。RANノードがS1-MMEにさらに接続される場合、SAE-TMSIがS1-APメッセージ中に追加される。従来技術では、初期NASメッセージは、RRCメッセージおよびS1-APメッセージ内で運ばれ、UEがP-TMSIをNASメッセージにより直接コアネットワークノードに提出する。しかしこの実施形態では、SAE-TMSIは1回しか提出される必要がなく、NASメッセージではなくRRCメッセージ内でのみ運ばれ、UEがSAE-TMSIをRANに提出し、それを受けてRANがそのSAE-TMSIをS1-AP初期設定メッセージにより、コアネットワークノードに提出する。
【0089】
図11に示すように、本発明の一実施形態による、SAE-TMSIを割り当てるための別の方法は次のステップを含む。
ステップ110:割り当て用のSAE-TMSIが計算される。このSAE-TMSIは、このSAE-TMSIに従って計算されるページンググループが、IMSIに従って計算されるページンググループと一致することを満たす。
【0090】
ステップ111:UEをページングするときに、SAE-TMSIを運ぶページングメッセージが発展型RANエンティティに送信され、そのページングメッセージはIMSIを運ばない。
【0091】
ステップ112:発展型RANエンティティがSAE-TMSIに従ってUEのページンググループを計算し、UEをページングする。
【0092】
つまりこの実施形態では、MMEによりUEに割り当てられるSAE-TMSIはこの要件を満たす必要がある。その要件とは、特定のアルゴリズムのもとで、SAE-TMSIに従って計算されるページンググループが、IMSIに従って計算されるページンググループと一致することである。それらが一致する場合、MMEがページングメッセージを送るとき、RANに送信されるそのページングメッセージはIMSIではなく、SAE-TMSIのみを運べばよく、RANはSAE-TMSIに従ってUEのページンググループを計算し、UEをページングする。
【0093】
この方法では、MMEによって割り当てられるSAE-TMSIがこの要件を満たす必要がある。その要件とは、特定のアルゴリズムのもとで、SAE-TMSIに従って計算されるページンググループが、IMSIに従って計算されるページンググループと一致することである。それらが一致する場合、MMEがDRX(Discontinuous Receiving:間欠受信)技術によりページングメッセージを送るとき、MMEによってRANに送信されるそのページングメッセージはIMSIではなく、SAE-TMSIのみを運べばよく、RANはSAE-TMSIに従ってページンググループを計算し、計算されるそのページンググループは、IMSIに従って計算されるページンググループと一致する。したがって、IMSIをRANに送る必要はなく、無線エアインタフェース資源が節約され、IMSIがRANにおいてさらされる必要がない。
【0094】
ページンググループを計算するためのアルゴリズムは限定されない。例えば、モジュロ演算が行われる。ネットワークが12のページンググループを必要とすると仮定して、各IMSIのページンググループは、(IMSI mod 12)+1に従って計算される。つまり、IMSIは12で除算される数としてみなされ、剰余(0から11)がその除算の後に得られる。剰余「0」はページンググループ1を示し、剰余1はページンググループ2を示し、その後も同様である。ここで示すアルゴリズムは単純である。実際には、このアルゴリズムは限定されない。特定のアルゴリズムは、ネットワークによって生成されるSAE-TMSIが、そのアルゴリズムのもとでSAE-TMSIに従って計算されるページンググループとIMSIに従って計算されるページンググループとの間の一貫性を満たす限り、適当である。
【0095】
図12に示すように、この実施形態のプロセスは以下を含む。
1.UEが、RRCメッセージの初期直接転送メッセージをENBに送信する。この初期直接転送メッセージ内で運ばれるNASメッセージは接続要求である。資源を節約するために、このNASメッセージはSAE-TMSIを運ばず、RRCメッセージのみがSAE-TMSIを運ぶ。
【0096】
2.このメッセージを受信した後、ENBはRRC内のSAE-TMSIに従って、MMEを選択しまたは再選択する。新たなMMEが特定された後、ENBはNASメッセージおよびSAE-TMSIを、その新たなMMEに送信されるS1-APメッセージの初期UEメッセージ中に追加する。このようにして、その新たなMMEがNASメッセージおよびSAE-TMSIを得る。つまり、UEから初期直接転送メッセージを受信した後、ENBは、SAE-TMSIおよび接続要求を運ぶ初期UEメッセージをその新たなMMEに送信する。
【0097】
3.このステップはオプションである。新たなMMEは、識別要求を旧MMEに送信することができる。図12中の点線によって示すように、この識別要求は、(旧TAIを運ぶ必要はない)SAE-TMSIを運ぶ。
【0098】
4.図12中の点線によって示すように、旧MMEが識別応答を新たなMMEに返す。
【0099】
この実施形態では、接続プロセスの他のステップをここではこれ以上詳述しない。
【0100】
図13に示すように、SAE-TMSIに従って情報を送受信するための方法を本発明の一実施形態で提供する。この方法では、新たなMMEが識別要求またはコンテキスト要求を旧MMEに送信する。この識別要求またはコンテキスト要求は、旧TAIを運ぶ必要はない。この方法は以下の詳細ステップを含む。
ステップ131:SAE-TMSIがMME内で固有の場合、新たなMMEが、SAE-TMSIを運ぶ識別要求またはコンテキスト要求を、接続プロセスで旧MMEに送信する。上述の要求は旧TAIを運ばない。または新たなMMEが、UEコンテキスト要求をMMEの位置更新プロセスで旧MMEに送信する。この要求はSAE-TMSIを運ぶが、旧TAIは運ばない。
【0101】
ステップ132:旧MMEがUEの実際の旧MMEでない場合に、実際の旧MMEのアドレスを得るために、上述の要求内のSAE-TMSIを旧MMEが解決する。
【0102】
SAEネットワーク内でUEを識別するための装置を本発明の一実施形態で提供する。図14に示すように、この装置の構造は、受信ユニット141と一時的識別ユニット142とを含む。
【0103】
受信ユニット141は、SAEネットワークにアクセスするUEに割り当てられるSAE-TMSIを受信するように構成され、そのSAE-TMSIは少なくとも、プールID、MME-ID、およびUE一時的識別子を含む。
【0104】
一時的識別ユニット142は、SAEネットワークにアクセスするUEを一時的に識別するためにSAE-TMSIを使用するように構成される。
【0105】
一時的識別ユニット142は、判定サブユニット1421、選択サブユニット1422、および再選択サブユニット1423を含む(図中の点線によって示される)。
【0106】
判定サブユニット1421は、UEのアクセス要求内で運ばれるSAE-TMSI内のプールIDおよびMME-IDが、現在の資源プール内で設定されるプールIDおよびMME-IDと同じかどうかを判定し、同じである場合は肯定的な結果を選択サブユニット1422に送信し、または同じでない場合は否定的な結果を再選択ユニット1423に送信するように構成される。
【0107】
選択サブユニット1422は、その肯定的な結果に従って、UEのためのMMEを選択するように構成される。
【0108】
再選択サブユニット1423は、その否定的な結果に従って、または負荷平衡原則に従って、およびSAE-TMSI内のプールIDがPLMN内で固有であるかどうかに従って、UEのための新たなMMEを選択するように構成される。
【0109】
この装置は、発展型RANエンティティに統合することができる。
【0110】
SAEネットワーク内のMMEを本発明の一実施形態で提供する。図15に示すように、この装置は、一時的識別子割当ユニット151、および/または一時的識別子再割当ユニット152を含む。
【0111】
一時的識別子割当ユニット151は、SAEネットワークにアクセスするUEにSAE-TMSIを割り当てるように構成され、そのSAE-TMSIは少なくとも、プールID、MME-ID、およびUE一時的識別子を含む。
【0112】
一時的識別子再割当ユニット152は、事前設定された再割当の条件を満たすUEにSAE-TMSIを再割当するように構成される。この一時的識別子再割当ユニット152は、次のサブユニットのうちの少なくとも1つを含む。そのサブユニットとは、事前設定閾値再割当サブユニット1521、タイマ再割当サブユニット1522、位置更新再割当サブユニット1523、および再割当サブユニット1524である。
【0113】
事前設定閾値再割当サブユニット1521は、MMEの更新数が事前設定された閾値に達するときに、SAE-TMSIをUEに再割当するように構成される。
【0114】
タイマ再割当サブユニット1522は、MMEがSAE-TMSIを割り当てた後に開始されるタイマが時間切れになった時点で、SAE-TMSIをUEに再割当するように構成される。
【0115】
位置更新再割当サブユニット1523は、UEによって設定されるタイマが時間切れになった後にSAE-TMSIを運ぶTAU要求を受信した後に、SAE-TMSIをUEに再割当するように構成される。
【0116】
再割当サブユニット1524は、UEによって記録される更新された位置が受信され、または時間単位内のカウントが事前設定された閾値に達するときに、SAE-TMSIを運ぶTAU要求またはSAE-TMSIを有する再割当要求を送信し、SAE-TMSIをUEに再割当するように構成される。
【0117】
好ましくは、この実施形態の一時的識別子割当ユニット151は、図14の受信ユニット141に接続することができ、この実施形態の事前設定閾値再割当サブユニット1521、タイマ再割当サブユニット1522、位置更新再割当サブユニット1523、および再割当サブユニット1524は、図14の選択サブユニット1422または再選択サブユニット1423に接続することができる。
【0118】
したがって、この実施形態では、様々な識別子がSAE-TMSI内で設定される。SAEネットワークの特徴に照らして、SAE-TMSIがプールID中に追加される。TAの概念は、複数のTAを各UEに割り当てることができるマルチTA登録モードを用いる。TA内でSAE-TMSIが重複することを避けるために、このSAE-TMSIはプール内で固有である必要がある。さらに、重複部分を有する隣接プール内ではSAE-TMSIが重複することは許されない。したがって、各プールがプールIDによって区別されている状態で、SAE-TMSIはUEの登録エリア内で確実に固有である。プールIDは、PLMN全体にわたって固有であり得る。このようにして、SAE-TMSIはPLMN全体にわたって固有であり、新たなMMEは、TAIを考慮する必要なく、UEコンテキストを得るためにUEのSAE-TMSIにより旧MMEを見つけることができる。したがって、UEはTAIを送信する必要がない。しかし、プールIDはPLMN内で固有でなくてよく、重複部分が一切ないプール内ではプールIDが重複することが許される。新たなMMEの選択をトリガすることの失敗を避けるために、隣接プールが重複するプールIDを有さないことが最良である。この方法はSAE-TMSIのビットを節約するが、新たなMMEは旧MMEを特定する際にTAIを考慮する必要がある。
【0119】
前述の技術的解決策は、次のことを明らかにする。(プールID、MME-ID、およびUE一時的識別子を含むが、それだけに限定されない)様々な識別子がSAE-TMSI内に設定される。UEがSAEネットワークにアクセスするとき、SAE-TMSIがそのUEに割り当てられ、そのSAE-TMSIはSAEネットワークにアクセスするUEを一時的に識別するために使用される。この実施形態では、プールIDがSAE-TMSI内で設定され、このプールIDは、UEがSAEネットワークにアクセスするときのUEの更新および処理を迅速化し、事業者のためにネットワーク資源設定を単純化し、ユーザ満足度を改善する。さらにこの実施形態では、送信されるメッセージが旧TAIではなく、SAE-TMSIのみを運ぶことができ、そうして伝送資源を節約する。
【0120】
本発明をいくつかの例示的実施形態によって説明したが、本発明はそのような実施形態に限定されない。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者が本発明に修正および改変を加えることができるのは明らかである。本発明は、諸修正形態および諸改変形態が添付の特許請求の範囲またはその均等物によって定義される保護範囲に含まれることを条件に、それらの諸修正形態および諸改変形態を含むことを意図する。
【符号の説明】
【0121】
11 MME(モビリティ管理エンティティ)
121 S-GW(サービングゲートウェイ)
122 PDN(パケットデータネットワーク)GW
13 PCRF(ポリシーおよび課金規則機能)
21〜26、51〜56 プール
141 受信ユニット
142 一時的識別ユニット
151 一時的識別子割当ユニット
152 一時的識別子再割当ユニット
1421 判断サブユニット
1422 選択サブユニット
1423 再選択サブユニット
1521 事前設定閾値再割当サブユニット
1522 タイマ再割当サブユニット
1523 位置更新再割当サブユニット
1524 再割当サブユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムアーキテクチャ発展型(SAE)ネットワーク内でモビリティ管理エンティティ(MME)を選択するための方法であって、
ユーザ機器(UE)からSAE一時的モバイル加入者識別情報(SAE−TMSI)をeNodeBによって受信するステップであって、SAE−TMSIは、資源プール用の識別子(プールID)とモビリティ管理エンティティ用の識別子(MME−ID)とのうち少なくとも1つを含む、ステップと、
SAE−TMSI内のプールIDとMME−IDとに従ってMMEをeNodeBによって選択または再選択するステップと、を具備し、
プールIDは、公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN)内で固有であり、MME−IDは、資源プール内で固有であることを特徴とする方法。
【請求項2】
ユーザ機器(UE)からSAE一時的モバイル加入者識別情報(SAE−TMSI)を受信するステップは、UEからSAE−TMSIを運ぶ無線資源制御(RRC)をeNodeBによって受信するステップをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
eNodeBによってMMEを選択または再選択するステップは、資源プール内のMMEがSAE−TMSI内のプールIDとMME−IDとに関連し、UEの旧トラックエリア識別子(TAI)が資源プールに属することを発展型無線アクセスネットワーク(RAN)エンティティが判定する場合、UEが発展型RANエンティティにアクセスする時、SAE−TMSI内のプールIDとMME−IDとに従って発展型RANエンティティに対応する資源プール内のMMEを選択するステップをさらに具備することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
eNodeBによってMMEを選択または再選択するステップは、資源プール内のMMEがどれもSAE−TMSI内のプールIDとMME−IDとに関連しない場合、またはUEの旧TAIが資源プールに属さないことを発展型RANエンティティが判定する場合、原則に従って発展型RANエンティティに対応する資源プール内のMMEを選択するステップをさらに具備することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
原則は、負荷平衡原則と、UEの位置原則と、トポロジ構造とのうち少なくとも1つを具備することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
モビリティ管理エンティティ(MME)を選択するための装置であって、
ユーザ機器(UE)からシステムアーキテクチャ発展型一時的モバイル加入者識別情報(SAE−TMSI)を受信するように構成されたeNodeBであって、SAE−TMSIは、資源プール用の識別子(プールID)とモビリティ管理エンティティ用の識別子(MME−ID)とを少なくとも含む、eNodeBを具備し、
eNodeBは、SAE−TMSI内のプールIDとMME−IDとに従ってMMEを選択または再選択するようにさらに構成され、
プールIDは、公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN)内で固有であり、MME−IDは、資源プール内で固有であることを特徴とする装置。
【請求項7】
SAE−TMSIは、無線資源制御(RRC)メッセージで運ばれることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
システムアーキテクチャ発展型(SAE)ネットワーク内でモビリティ管理エンティティ(MME)を選択するための方法であって、
MMEからSAE一時的モバイル加入者識別情報(SAE−TMSI)をユーザ機器(UE)によって受信するステップであって、SAE−TMSIは、資源プール用の識別子(プールID)とモビリティ管理エンティティ用の識別子(MME−ID)とを少なくとも含む、ステップと、
eNodeBにSAE−TMSIをUEによって送信し、SAE−TMSI内のプールIDとMME−IDとに従ってeNodeBがMMEを選択または再選択できるようにするステップと、を具備し、
プールIDは、公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN)内で固有であり、MME−IDは、資源プール内で固有であることを特徴とする方法。
【請求項9】
eNodeBにSAE−TMSIを送信するステップは、eNodeBにSAE−TMSIを運ぶ無線資源制御(RRC)メッセージをUEによって送信するステップをさらに具備することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
モビリティ管理エンティティ(MME)からシステムアーキテクチャ発展型(SAE)一時的モバイル加入者識別情報(SAE−TMSI)を受信するように構成されたUE(ユーザ機器)であって、SAE−TMSIは、資源プール用の識別子(プールID)とモビリティ管理エンティティ用の識別子(MME−ID)とを少なくとも含む、UEを具備し、
UEは、eNodeBにSAE−TMSIを送信し、SAE−TMSI内のプールIDとMME−IDとに従ってeNodeBがMMEを選択または再選択できるようにするようにさらに構成され、
プールIDは、公衆陸上モバイルネットワーク(PLMN)内で固有であり、MME−IDは、資源プール内で固有であることを特徴とするUE。
【請求項11】
SAE−TMSIは、無線資源制御(RRC)メッセージで運ばれることを特徴とする請求項10に記載のUE。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−142991(P2012−142991A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−86168(P2012−86168)
【出願日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【分割の表示】特願2010−517260(P2010−517260)の分割
【原出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(504277388)▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司 (220)
【Fターム(参考)】