説明

ユーロピアンコーンボーラー防除のためのCRY1AbおよびCRY2Aaを含む殺虫性タンパク質の組み合わせならびに昆虫抵抗性管理のための方法

本発明は、一部には、CryIAbタンパク質およびCry2Aaタンパク質をスタッキングして、より耐久的で、これら2種の毒素いずれかの活性に対し抵抗性の昆虫を発生させる傾向がより少ない植物(特にトウモロコシまたはメイズ)を作製することに関する。これらのスタックは、ユーロピアンコーンボーラーの特異的な標的化に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
人間は、トウモロコシを食料およびエネルギー用途のために栽培する。昆虫は、トウモロコシ植物を食害することによりこのような人間の努力を台無しにする。
【0002】
現在、これら有害生物の植物内(in-plant)トランスジェニック防除は、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来のCry1Faタンパク質をコードする結晶(Cry)デルタエンドトキシン遺伝子の植物における発現により達成される。Cry1Faは、現在、FAWおよびECB害虫に対し抵抗性の、Dow AgroSciences製トランスジェニックトウモロコシ種子のHerculex(商標)ブランド(Herculex、Herculex−ExtraおよびHerculex−RW)に含まれているタンパク質毒素である。このタンパク質は、昆虫の中腸に位置する特異的受容体(複数可)と結合することによって機能し、腸細胞内にポアを形成する。このようなポア形成は、昆虫の浸透圧バランス調節を妨げ、その結果昆虫に死をもたらす。
【0003】
しかし、その腸内のCry1Faと結合する受容体の遺伝子変異により、昆虫が、Cry1Faの作用に対する抵抗性を発達できるようになる可能性があることが懸念される。Cry1Fa結合能の低い受容体を産生する昆虫は、Cry1Faの活性に対し抵抗性となり、従ってこのタンパク質を発現する植物において生存することができる。
【0004】
成長条件の植物において持続的に存在する単一のCry毒素を用いると、昆虫の腸におけるCry1Fa毒素と結合する受容体の遺伝子変異により、昆虫が、このタンパク質の活性に対する抵抗性を発達し得るとの懸念がある。受容体のこのような変化による毒素結合の減少は、Cry1Faの毒性の低下をもたらしかねず、これは最終的には作物において発現した際のタンパク質の有効性の低下をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一部には、Cry1Abタンパク質およびCry2Aaタンパク質をスタッキング(stacking)して、より耐久的で、これら2種の毒素いずれかの活性に対し抵抗性の昆虫を発生させる傾向がより少ない植物(特にトウモロコシまたはメイズ)を作製することに関する。これらのスタック(stack)は、ユーロピアンコーンボーラー(ECB)の特異的な標的化に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】ECB由来のBBMVにおける125I Cry1Ab(0.5nM)のパーセント特異的結合対、非標識の相同Cry1Ab(◆)および異種Cry2Aa(□)による競合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、一部には、Cry1Ab殺虫性タンパク質およびCry2Aa殺虫性タンパク質をスタッキングして、より耐久的で、これら2種の毒素いずれかの活性に対し抵抗性の昆虫を発生させる傾向がより少ない植物(特にトウモロコシまたはメイズ)を作製することに関する。これらのスタックは、ユーロピアンコーンボーラー(ECB;オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis))の特異的な標的化に用いることができる。
【0008】
本発明はまた、一部には、Cry1Abタンパク質およびCry2Aaタンパク質を基本のペアとする3種(以上の)タンパク質毒素の三重スタックまたは「ピラミッド(pyramid)」に関する。(「別個の作用部位」とは、所定のタンパク質のいずれも互いに交差抵抗性を生じないことを意味する。)ECBを標的とする第三のタンパク質の追加は、ECBに対する第三の作用部位を有するタンパク質を提供することができる。一部の好ましい実施形態において、第三のタンパク質はDIG−3(米国特許出願公開第2010−00269223号明細書を参照)、Cry1I、Cry1Be、Cry2AaおよびCry1Faからなる群から選択することができる。例えば、2009年12月16日に出願されたUSSN61/284,278を参照されたし。米国特許出願公開第2008−0311096号明細書も参照されたし。
【0009】
従って、一部の好ましいピラミッド実施形態において、選択された毒素は、ECBに対し3種の別個の作用部位を有する。さらに、好ましいピラミッドの組み合わせは、対象タンパク質ペアと、第三のIRMタンパク質である。
【0010】
対象ペアおよび/または三重(tripe)スタック(ECBに対し活性)は、例えばフォールアーミーワーム(fall armyworm)(FAW)を標的化するための追加的なタンパク質と組み合わせてもよい。このようなタンパク質は、例えば、Vip3、Cry1C、Cry1Dおよび/またはCry1Eを含むことができる。Cry1Beおよび/またはCry1Faは、FAWおよびECBの標的化に用いることもできる。
【0011】
GENBANKを利用して、本明細書に開示または言及されている遺伝子およびタンパク質のいずれかの配列を得ることができる。付録Aを参照されたし。
【0012】
本発明はまた、単一の標的有害生物に対し活性を有するが互いに交差抵抗性を生じない3種の殺虫性タンパク質(一部の好ましい実施形態において、Cryタンパク質)に関する。
【0013】
これら3種の(少なくとも)毒素を産生する植物(およびこのような植物を植え付けた地所)は、本発明の範囲内に含まれる。追加的な毒素/遺伝子を付け加えてもよいが、これら特定の三重スタックは、本発明において、有利にかつ驚くほどにECBに対し3種の作用部位を提供するであろう。
【0014】
本発明のペアまたは三重スタック(および/または追加的なタンパク質の組み合わせ)は、緩衝帯(refuge)地所の要件の縮小または除外(例えば、40%未満、20%未満、10%未満、5%未満またはさらには0%の緩衝帯)に役立つ可能性がある。よって、このように植え付けられた10エーカーを超える圃場(field)は、本発明の範囲内に含まれる。対象ポリヌクレオチド(複数可)は、好ましくは、非バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)プロモーター(複数可)制御下の遺伝的構築物に置かれている。対象ポリヌクレオチドは、植物における発現増強のためのコドン使用を含むことができる。
【0015】
Cryタンパク質に対する抵抗性を発達させる昆虫の能力に対抗するため、本出願人らは、ECB腸におけるタンパク質受容体と非競合的に結合するCry毒素を同定した。Cry1Abが、ECB幼虫の昆虫腸に位置する受容体とCry2Aaの結合を置き換え(displace)ないことが発見された。
【0016】
本出願人らは、Cry2AaおよびCry1Abが、ECB幼虫にとって有毒であるが同一受容体部位(複数可)と完全には相互作用しないことを見出した。このことは、これらの毒性が、ECBにおいて交差抵抗性になりにくいであろうことを示す。
【0017】
よって、Cry1Abに対する抵抗性を発達させた昆虫は、依然として例えば別の受容体部位と結合するCry2Aaタンパク質の毒性に対して感受性である。本出願人らは、この説を支持する生化学的データを得た。これらタンパク質の組み合わせをトランスジェニック植物において発現することにより、圃場において昆虫の抵抗性が発達する確率の低下に有用で価値のあるメカニズムを提供し、退避地(refugia)要件の減少をもたらす。本明細書に後述するデータは、昆虫腸内のCry1Abとは別の標的部位(複数可)で相互作用するCry2Aaタンパク質を示し、よって、優れたスタッキングパートナーが得られるであろう。
【0018】
Cry毒素と結合する昆虫腸受容体の親和性の変化によって抵抗性が発生する場合、複数のタンパク質を発現する植物において昆虫が生存できるようになるには、変化は少なくとも2種の異なる受容体で同時に生じる必要がある。この事象が発生する確率は非常に低く、従って、タンパク質に対する耐性を発達できる昆虫の区画(ward)に対するトランスジェニック産物の耐久性を増加させる。
【0019】
本出願人らは、Cry1Abタンパク質を放射性ヨウ素化し、放射性受容体結合アッセイ技法を用いて、その昆虫腸膜内に位置する推定受容体タンパク質との結合相互作用を測定した。Wolfersbergerの方法により、腸膜を刷子縁膜小胞(BBMV)として調製した。Pierce Chemicals製のヨードビーズ(iodo beads)かヨードゲン(iodogen)処理したチューブのいずれかを用いて毒素のヨウ素化を行った。放射標識した毒素の特異活性は、およそ1〜4μCi/μgタンパク質であった。結合試験は、基本的にLiang(1995)の手順により行った。
【0020】
本明細書に提示しているデータは、昆虫腸内のCry1Abとは別の標的部位において相互作用する毒素を示し、従って優れたスタッキングパートナーが得られるであろう。
【0021】
本発明は、様々な植物に用いることができる。具体例として、トウモロコシ(メイズ)、ダイズおよびワタが挙げられる。
【0022】
本発明において有用な遺伝子および毒素は、開示されている全長配列のみならず、本明細書に特に例示されている毒素の特徴的な殺有害生物活性を保持するこれらの配列の断片、変種、変異体および融合タンパク質も含む。本明細書において、遺伝子の「変種」または「変異種」という用語は、同一毒素をコードする、あるいは殺有害生物活性を有する均等な毒素をコードするヌクレオチド配列を意味する。本明細書において、用語「均等な毒素」は、標的有害生物に対し請求されている毒素と同一または本質的に同一の生物活性を有する毒素を意味する。
【0023】
本明細書において、境界は、「Revision of the Nomenclature for the Bacillus thuringiensis Pesticidal Crystal Proteins」、N. Crickmore, D.R. Zeigler, J. Feitelson, E. Schnepf, J. Van Rie, D. Lereclus, J. Baum, and D.H. Dean. Microbiology and Molecular Biology Reviews(1998)62巻:807〜813により、およそ95%(例えば、Cry1AbおよびCry2Aa)、78%(例えば、Cry1AおよびCry2A)ならびに45%(Cry1およびCry2)の配列同一性を表す。これらのカットオフは、コアタンパク質のみに適用してもよい。
【0024】
例示されている毒素の殺有害生物活性を保持する断片および均等物は、本発明の範囲内となるであろう。また、遺伝暗号の重複性のため、様々な異なるDNA配列が、本明細書に開示されているアミノ酸配列をコードし得る。同一または本質的に同一の毒素をコードするこのような代替的なDNA配列を作製することは、十分に当業者の技能範囲内のものである。これら変種のDNA配列は、本発明の範囲内である。本明細書において、「本質的に同一」の配列の言及は、殺有害生物活性に実質的な影響を与えないアミノ酸置換、欠失、付加または挿入を有する配列を意味する。殺有害生物活性を保持するタンパク質をコードする遺伝子断片もこの定義に含まれる。
【0025】
毒素をコードする遺伝子および本発明において有用な遺伝子部分を同定するためのさらに別の方法は、オリゴヌクレオチドプローブの使用によるものである。これらのプローブは、検出可能なヌクレオチド配列である。これらの配列は、適切な標識に基づいて検出可能となり得る、あるいは、国際公開第93/16094号パンフレットに記載されている通り蛍光が内在するよう作製することができる。本技術分野でよく知られている通り、プローブ分子と核酸試料が、2分子間で強固な結合を形成することによりハイブリダイズするのであれば、プローブと試料が実質的に相同であると合理的に推測することができる。好ましくは、ハイブリダイゼーションは、例えば、Keller, G. H., M. M. Manak(1987)DNA Probes、Stockton Press、ニューヨーク州ニューヨーク、169〜170頁に記載されている、本技術分野でよく知られている技法によるストリンジェントな条件下で行われる。塩濃度および温度の組み合わせを数例次に示す(ストリンジェンシー増加順)。2×SSPEまたはSSC、室温;1×SSPEまたはSSC、42℃;0.1×SSPEまたはSSC、42℃;0.1×SSPEまたはSSC、65℃。プローブの検出は、ハイブリダイゼーションが行われたか公知の様式において決定するための手段を提供する。このようなプローブ解析は、本発明の毒素コード遺伝子を同定するための迅速な方法を提供する。本発明に係るプローブとして用いられるヌクレオチドセグメントは、DNA合成装置および標準手順を用いて合成することができる。これらのヌクレオチド配列は、本発明の遺伝子を増幅するためのPCRプライマーとして用いることもできる。
【0026】
本明細書において、本発明の特定のタンパク質を特に例示してきた。これらタンパク質は本発明のタンパク質の単なる具体例であるため、本発明が、例示されているタンパク質と同一または同様の殺有害生物活性を有する変種または均等なタンパク質(および均等なタンパク質をコードするヌクレオチド配列)を含むことが容易に明らかとなるべきである。均等なタンパク質は、例示されているタンパク質とアミノ酸相同性を有するであろう。このアミノ酸同一性は、通常75%を超え、90%を超え、また、91、92、93、94、95、96、97、98または99%を超えることができる。アミノ酸同一性は、生物活性の原因となる、あるいは最終的に生物活性の原因となる三次元配置の決定に関与する、タンパク質の重要領域において最も高くなる。この点において、これらの置換が、活性に重要ではない領域において起こる場合、あるいは分子の三次元配置に影響を及ぼさない保存的アミノ酸置換である場合、特定のアミノ酸置換が許容でき、これを予想することができる。例えば、アミノ酸は、次のクラス、無極性、無電荷極性、塩基性および酸性に分類することができる。あるクラスのアミノ酸を同じ種類の別のアミノ酸に置き換える保存的置換は、置換が化合物の生物活性を実質的に変化させない限り本発明の範囲内に収まる。次に、各クラスに属すアミノ酸の具体例のリストを示す。場合によっては、非保存的置換が行われてもよい。重要な要素は、これらの置換が、タンパク質の生物活性を有意に損なってはならないことである。
【0027】
【表1】

【0028】
植物の形質転換。本発明の殺虫性タンパク質の産生のための好ましい組換え宿主は、形質転換植物である。本明細書に開示されている通り、Bt毒素タンパク質をコードする遺伝子は、本技術分野でよく知られた様々な技法を用いて植物細胞へと挿入することができる。例えば、大腸菌(Escherichia coli)における複製システムおよび形質転換細胞の選択を可能にするマーカーを含む多数のクローニングベクターが、外来遺伝子の高等植物への挿入の準備に利用できる。ベクターは、例えば、pBR322、pUCシリーズ、M13mpシリーズ、pACYC184をとりわけ含む。従って、Bt毒素タンパク質をコードする配列を有するDNA断片は、ベクターの適切な制限部位に挿入することができる。その結果生じたプラスミドを大腸菌(E. coli)の形質転換に用いた。大腸菌(E. coli)細胞を適切な栄養培地中で培養し、続いて収集し溶解する。プラスミドを回収する。解析方法として一般に、配列解析、制限酵素解析(restriction analysis)、電気泳動その他の生化学的・分子生物学的方法が行われる。各操作の後、用いたDNA配列を切断し、次のDNA配列と連結することができる。各プラスミド配列は、同一または他のプラスミドにクローニングすることができる。所望の遺伝子の植物への挿入方法に応じて、他のDNA配列が必要となり得る。例えば、TiまたはRiプラスミドが植物細胞の形質転換に用いられる場合、TiまたはRiプラスミドT−DNAの少なくとも右側境界、多くの場合右および左側境界は、挿入される遺伝子のフランキング領域として連結している必要がある。植物細胞の形質転換のためのT−DNAの使用は、集中的に研究されてきており、欧州特許第120516号明細書、Lee and Gelvin(2008)、Hoekema(1985)、Fraleyら(1986)およびAnら(1985)に十分に記載されており、本技術分野において十分に確立されている。
【0029】
挿入DNAは、植物ゲノムに組込まれると比較的安定的になる。形質転換ベクターは通常、とりわけビアラホス、カナマイシン、G418、ブレオマイシンまたはハイグロマイシン等、殺生物剤または抗生物質に対する抵抗性を形質転換植物細胞に付与する選択マーカーを含有する。従って、個々に用いたマーカーは、挿入DNAを含有しない細胞よりも形質転換細胞の選択を可能にする。
【0030】
DNAを植物宿主細胞に挿入するために多数の技法を利用できる。これらの技法は、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)またはアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)を形質転換の媒体として用いたT−DNAによる形質転換、融合、インジェクション、遺伝子銃(微粒子銃)またはエレクトロポレーションと、他の可能な方法を含む。アグロバクテリウム細菌が形質転換に用いられる場合、挿入されるDNAは、特殊なプラスミド、すなわち中間型ベクター(intermediate vector)またはバイナリーベクターのいずれかにクローニングする必要がある。中間型ベクターは、T−DNA内の配列と相同的な配列による相同組換えによりTiまたはRiプラスミドに組込むことができる。TiまたはRiプラスミドは、T−DNAの伝達に必要とされるvir領域も含む。中間型ベクターは、アグロバクテリウム細菌において自己複製できない。中間型ベクターは、ヘルパープラスミド(接合)によりアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)に伝達することができる。バイナリーベクターは、大腸菌(E. coli)とアグロバクテリウム細菌の両方において自己複製できる。これは、右および左側のT−DNA境界領域によって画定される選択マーカー遺伝子およびリンカーまたはポリリンカーを含む。これは、アグロバクテリウム細菌へと直接的に形質転換することができる(Holstersら、1978)。宿主細胞として用いたアグロバクテリウム(Agrobacterium)属は、vir領域を有するプラスミドを含む必要がある。vir領域は、T−DNAの植物細胞への伝達に必要である。追加的なT−DNAを含有してよい。このように形質転換された細菌は、植物細胞の形質転換に用いられる。植物外植片は、DNAの植物細胞への伝達のためにアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)またはアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)と共に有利に培養することができる。次に、選択用の抗生物質または殺生物剤を含有し得る適切な培地において、感染した植物材料(例えば、葉片、茎のセグメント、根、さらにはプロトプラストまたは懸濁培養細胞)から植物体全体を再生させることができる。次に、このようにして得られた植物体を挿入DNAの存在に関して試験することができる。インジェクションおよびエレクトロポレーションの場合、プラスミドに関して特段の定めはない。例えばpUC派生体等、通常のプラスミドを用いることが可能である。
【0031】
形質転換細胞は、通常の様式で植物内において増殖する。これは、生殖細胞を形成し、形質転換された形質(複数可)を後代植物に伝達することができる。このような植物は、通常の様式で育成し、同一の形質転換された遺伝要素または他の遺伝要素を有する植物と交雑することができる。その結果生じた雑種個体は、対応する表現型上の性質を有する。
【0032】
本発明の好ましい一実施形態において、植物は、コドン使用が植物に最適化された遺伝子で形質転換される。例えば、これにより本明細書の一部を構成するものとして援用する米国特許第5,380,831号明細書を参照されたし。本明細書において数例の切断型毒素が例示されているが、Bt技術分野においてよく知られていることに、130kDa型(全長)毒素は、コア毒素であるN末端側半分およびプロトキシン「テール部(tail)」であるC末端側半分を有する。よって、適切な「テール部」は、本発明の切断型/コア毒素と共に用いることができる。例えば、米国特許第6,218,188号明細書および米国特許第6,673,990号明細書を参照されたし。さらに、植物において用いるための合成Bt遺伝子を作製するための方法は、本技術分野において公知のものである(Stewart and Burgin、2007)。好ましい形質転換植物の非限定的な一例として、Cry1Daタンパク質をコードする植物発現可能遺伝子を含み、Cry1Beタンパク質をコードする第二の植物発現可能遺伝子をさらに含む稔性を有するトウモロコシ植物が挙げられる。
【0033】
Cry1DaおよびCry1Beにより決定される形質(複数可)の自殖(inbred)トウモロコシ系統への伝達(または遺伝子移入)は、反復(recurrent)選択育種、例えば戻し交雑により達成することができる。この場合、先ず、所望の反復親を、Cry1DおよびCry1Cにより決定される形質の適切な遺伝子(複数可)を有するドナー自殖系(非反復親)と交雑する。次に、この交雑の後代を反復親と戻し交配し、続いてその結果生じた後代において、非反復親から伝達される所望の形質(複数可)を選択する。所望の形質(複数可)を選択しつつ反復親と戻し交雑してから3世代、好ましくは4世代、より好ましくは5世代以上の後、後代は、伝達された形質(複数可)を制御する遺伝子座に関してヘテロ接合型となるが、他の遺伝子に関しては大部分またはほぼ全てが反復親と同様のものとなる(例えば、Poehlman & Sleper (1995) Breeding Field Crops、第4版、172〜175; Fehr (1987) Principles of Cultivar Development、1巻: Theory and Technique、360〜376を参照)。
【0034】
昆虫抵抗性管理(IRM)戦略。例えば、Roushらは、殺虫性トランスジェニック作物の管理のための、「ピラミッド化(pyramiding)」または「スタッキング」とも称される2毒素戦略について概要を述べる(The Royal Society、Phil. Trans. R. Soc. Lond. B. (1998) 353、1777〜1786)。
【0035】
米国環境保護局(the United States Environmental Protection Agency)は、そのウェブサイト(epa.gov/oppbppd1/biopesticides/pips/bt_corn_refuge_2006.htm)において、標的有害生物に対し活性を有する単一のBtタンパク質を産生するトランスジェニック作物と共に用いるための、非トランスジェニック(すなわち、非B.t.)緩衝帯(非Bt作物/トウモロコシの区画)を設置するための次の要件を公開する。
「コーンボーラーから保護されたBt(Cry1AbまたはCry1F)トウモロコシ製品のための特定の構造化された要件は次の通りである。
構造化された緩衝帯:コーンベルトにおける非鱗翅目(lepidopteran)Btトウモロコシ緩衝帯、20%
コットンベルトにおける非鱗翅目(lepidopteran)Bt緩衝帯、50%
ブロック
内部(すなわち、Bt圃場内)
外部(すなわち、任意交配を最大限に高めるための、Bt圃場の1/2マイル(可能であれば1/4マイル)以内にある別の圃場)
圃場内帯状地(strip)
帯状地は、幼生移動の効果を低減するために少なくとも4列幅(好ましくは6列)である必要がある」
【0036】
さらに、全米トウモロコシ生産者協会(National Corn Growers Association)も、そのウェブサイト:
(ncga.com/insect-resistance-management-fact-sheet-bt-corn)
において、緩衝帯要件に関する同様の指針、例えば次の事項を提示する。
「コーンボーラーIRMの要件:
− 緩衝帯雑種をトウモロコシ畑の少なくとも20%に植えること
− ワタ生産区域において、緩衝帯は50%でなければならない
− 緩衝帯雑種の1/2マイル以内に植えなければならない
− 緩衝帯はBt圃場内に帯状地として設置することができる;緩衝帯は、少なくとも4列幅でなければならない
− 標的昆虫に対して経済的許容限界に達した場合のみ、緩衝帯を従来の殺有害生物剤で処理してよい
− Btベースの噴霧可能な殺虫剤は、緩衝帯トウモロコシに用いることができない
− Btトウモロコシの農場毎に適切な緩衝帯を設置しなければならない」
【0037】
Roushらによって記述された通り(例えば、1780および1784頁右段)、それぞれ標的有害生物に対して有効であり、交差抵抗性がほとんどないまたは全くない2種の異なるタンパク質のスタッキングまたはピラミッド化は、より小規模の緩衝帯の使用を可能にする。Roushは、成功したスタックにおける10%未満の緩衝帯の緩衝帯サイズは、単一(非ピラミッド化)形質における約50%の緩衝帯に匹敵する抵抗性管理をもたらし得ることを示唆する。現在利用できるピラミッド化したBtトウモロコシ製品に対し、米国環境保護局は、単一形質の製品(概して20%)よりも有意に少ない(概して5%)非Btトウモロコシの構造化された緩衝帯の植え付けを要求する。
【0038】
Roushら(上記参照)および米国特許第6,551,962号明細書にさらに記載されている通り、圃場における様々な幾何級数的栽植パターン(上述)や種子同梱袋(in-bag seed mixture)等、緩衝帯のIRM効果を提供する様々な仕方が存在する。
【0039】
上述のパーセンテージまたは類似の緩衝帯比率は、対象の二重もしくは三重スタックまたはピラミッドに用いることができる。単一の標的有害生物に対し3種の作用機序を備える三重スタックに関して、目標はゼロ緩衝帯(または例えば5%未満の緩衝帯)である。これは、商業的地所、例えば10エーカーを超えるものに特に当てはまる。
【0040】
本明細書に参照または引用されているあらゆる特許、特許出願、仮出願および刊行物は、本明細書に明示されている教示と不一致とならない範囲まで、ここに本明細書の一部を構成するものとしてそれらの全体を援用する。
【0041】
特に示唆または暗示されていなければ、単数形の用語は、本明細書において「少なくとも1個」を示す。
【0042】
次に、本発明の実施のための手順を説明する実施例を示す。これらの実施例は、限定的なものとして解釈するべきではない。他に断りがなければ、あらゆるパーセンテージは重量で表し、あらゆる溶媒混合物の割合は容量で表す。あらゆる温度はセ氏で表す。
【実施例】
【0043】
〔実施例1〕
Cryタンパク質の125I標識
Cry毒素のヨウ素化。精製した切断型Cry毒素を、ヨードビーズまたはヨードゲン(Pierce)を用いてヨウ素化した。すなわち、2種のヨードビーズを500μlのリン酸緩衝食塩水、PBS(20mMリン酸ナトリウム、0.15M NaCl、pH7.5)で2回洗浄し、鉛の遮蔽物の背後の1.5ml遠心分離チューブ内に置いた。そこに100μlのPBSを加えた。ドラフト(hood)内で適切な放射性取り扱い技法を用いて、0.5mCi Na125I(17.4Ci/mg、ロット0114、Amersham)をヨードビーズの入ったPBS溶液に添加した。成分を5分間室温にて反応させ、次に2〜25μgの高純度切断型Cryタンパク質を溶液に添加し、さらに3〜5分間反応させた。ヨードビーズから溶液を除去し、それをPBSで平衡化した0.5ml脱塩Zebaスピンカラム(InVitrogen)へとアプライすることによって反応を終結させた。ヨードビーズを各10μlのPBSで2回洗浄し、この洗浄液も脱塩カラムにアプライした。1,000×gで2分間の遠心分離によって、脱塩カラムから放射性溶液を溶出した。この手順を用いて、先ず、小容量の0.5mlポリミキシンカラムに複数回通すことによって100mMリン酸バッファー(pH8)中のcry毒素からリポ多糖(LPS)を取り除いた。ヨードゲンチューブ(Pierce Chem.Co.)に、LPS不含Cry1Da毒素を20μg添加し、次に0.5mCiのNa125Iを添加した。反応混合物を15分間25℃で振盪した。チューブから溶液を除去し、50μlの0.2M非放射標識NaIを添加して反応を停止した。タンパク質をPBSに対しバッファーを3回交換しつつ透析し、非結合125Iを完全に除去した。
【0044】
SDS−PAGE、ホスホロイメージング(phosphorimaging)およびガンマカウントにより、ヨウ素化Cryタンパク質の放射性純度を決定した。すなわち、2μlの放射性タンパク質をSDS−PAGEによって分離した。分離後、メーカーの説明書に従ってBioRadゲル乾燥装置を用いてゲルを乾燥した。乾燥したゲルをMylarフィルム(12μm厚)に包み、Molecular Dynamicsストレージホスホロスクリーン(storage phosphor screen)(35cm×43cm)下に1時間曝露することによって撮像した。Molecular Dynamics Storm820ホスホロイメージャー(phosphorimager)を用いてプレートを現像し、ImageQuant(商標)ソフトウェアを用いて撮像解析した。放射性バンドをバンドの直ぐ上および下の部分と共にかみそりの刃を用いてゲルから切り出し、ガンマカウンターにおいてカウントした。放射活性は、Cryタンパク質バンドと、バンドの下部分のみから検出された。バンドの上方からは放射活性は検出されず、この結果は、全放射性混入物が、切断型Cryタンパク質よりも小分子のタンパク質成分からなることを示唆した。これらの成分は、ほぼ確実に分解産物を表す。
【0045】
〔実施例2〕
BBMV調製プロトコール
可溶化BBMVの調製および分画。終齢スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)、オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)またはアメリカタバコガ(Heleothis. zea)幼虫を一晩絶食させ、次に、朝に氷上で15分間冷却した後に解剖した。外皮に付着した後腸を残して、中腸組織を体腔から取り出した。サプライヤーの推奨通り希釈したプロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma P−2714)を補充した9×容量の氷冷ホモジナイゼーションバッファー(300mMマンニトール、5mM EGTA、17mM tris塩基、pH7.5)に中腸を置いた。ガラス組織ホモジナイザーを15往復(stroke)させることにより組織をホモジナイズした。Wolfersberger(1993)のMgCl沈殿法によりBBMVを調製した。すなわち、等容量の300mMマンニトール中24mM MgCl溶液を中腸ホモジネートと混合し、5分間攪拌し、氷上で15分間静置した。溶液を2,500×gで15分間、4℃にて遠心分離した。上清を取り分け、元の容量の0.5×希釈したホモジナイゼーションバッファーにペレットを懸濁し、再度遠心分離した。2つの上清を組み合わせ、27,000×gで30分間、4℃にて遠心分離してBBMV画分を生成した。ペレットを10mlのホモジナイゼーションバッファーに懸濁し、プロテアーゼ阻害剤を補充し、27,000×gで30分間、4℃にて再度遠心分離してBBMVを洗浄した。その結果得られたペレットを約3mg/mlタンパク質の濃度となるようBBMV保存バッファー(10mM HEPES、130mM KCl、10%グリセロール、pH7.4)に懸濁した。ウシ血清アルブミン(BSA)を標準物質としたBradford法(1976)を用いてタンパク質濃度を決定した。試料を凍結する前に、Sigmaアッセイを用いてメーカーの説明書に従ってアルカリホスファターゼ決定を行った。BBMV画分におけるこのマーカー酵素の特異活性は、通常、中腸ホモジネート画分に観察されるものと比べて7倍増加した。BBMVを250μl試料のアリコートに分注し、液体N中で手早く凍結し、−80℃で保存した。
カクテル成分の終濃度(μM表記)は、AEBSF(500)、EDTA(250mM)、ベスタチン(32)、E−64(0.35)、ロイペプチン(0.25)およびアプロチニン(0.075)である。)
【0046】
〔実施例3〕
125I Cryタンパク質のBBMVタンパク質との結合を測定する方法
125I Cryタンパク質のBBMVとの結合。結合アッセイにおいて用いるBBMVタンパク質の最適量を決定するため、飽和曲線を作成した。125I放射標識Cryタンパク質(0.5nM)を、結合バッファー(8mM NaHPO、2mM KHPO、150mM NaCl、0.1%ウシ血清アルブミン、pH7.4)中で0〜500μg/ml範囲の様々な量のBBMVタンパク質と1時間、28℃でインキュベートした。総容量は0.5mlであった。1.5ml遠心分離チューブから500μl遠心分離チューブへと、150μlの反応混合液を3回複製して試料採取し、試料を14,000×gで6分間、室温にて遠心分離することによって、結合型125I Cryタンパク質を非結合型から分離した。上清を穏やかに除去し、ペレットを氷冷した結合バッファーで穏やかに3回洗浄した。ペレットの入った遠心分離チューブの底を切り出し、13×75mmガラス培養管内に置いた。試料をガンマカウンターにおいて各5分間カウントした。試料に含まれるカウントは、バックグラウンドカウント(タンパク質なしの反応)から差し引かれ、BBMVタンパク質濃度に対してプロットした。用いるタンパク質の最適量を0.15mg/mlのBBMVタンパク質と決定した。
【0047】
結合反応速度を決定するため、飽和曲線を作成した。すなわち、BBMV(150μg/ml)を、0.01から10nM範囲の増加濃度の125I Cry毒素と1時間、28℃でインキュベートした。150μlの各濃度を3回複製して試料採取し、上述通りに試料を遠心分離してカウントすることにより、合計結合を決定した。1,000nMの相同のトリプシン処理非放射活性Cry毒素を反応混合物に添加してあらゆる非特異的受容体結合部位を飽和させつつ、同じ仕方で非特異的結合を決定した。合計結合と非特異的結合との間の差異として、特異的結合を算出した。
【0048】
150μg/mlのBBMVタンパク質および0.5nMの125I放射標識Cryタンパク質を用いて相同および異種競合結合アッセイを行った。反応混合物に添加した競合的非放射標識Cry毒素の濃度は、0.045から1,000nMの範囲であり、真の結合競合を確実にするため、放射活性リガンドと同時に添加した。インキュベーションは1時間、28℃で行い、その受容体毒素と結合した125I Cryタンパク質の量は、非特異的結合を差し引いて上述通りに測定した。100パーセント合計結合は、競合相手のリガンドなしで決定した。結果は、片対数プロットにおいてパーセント合計特異的結合対、添加した競合的リガンド濃度としてプロットした。
【0049】
〔実施例4〕
結果の概要
図1は、ECB由来のBBMVにおける125I Cry1Ab(0.5nM)のパーセント特異的結合対、非標識の相同Cry1Ab(◆)および異種Cry2Aa(□)による競合を示す。Cry1Abによる相同的競合の置き換え曲線は、約3nMのCry1Abにおいて放射性リガンドの50%置き換えを示すS字形曲線を形作った。1,000nM(置き換えられる125I Cry1Abより2,000倍高濃度)の濃度のCry2Aaは、50%未満の置き換えをもたらした。エラーバーは、3回複製による決定から得られた数値範囲を表す。
【0050】
(参考文献)
Wolfersberger, M.G., (1993), Preparation and Partial Characterization of Amino Acid Transporting Brush Border Membrane Vesicles from the Larval Midgut ofthe Gypsy Moth (Lyniantria Dispar). Arch. Insect Biochem. Physiol. 24: 139-147.
Liang, Y., Patel, S.S., and Dean, D.H., (1995), Irreversible Binding Kinetics of Bacillus thuringiensis Cry lA Delta-Endotoxins to Gypsy Moth Brush Border Membrane Vesicles is Directly Correlated to Toxicity. J. Bioi. Chern., 270, 24719-24724.
【0051】
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【表2−4】

【表2−5】

【表2−6】

【表2−7】

【表2−8】

【表2−9】

【表2−10】

【表2−11】

【表3−1】

【表3−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cry1Ab殺虫性タンパク質をコードするDNAおよびCry2Aa殺虫性タンパク質をコードするDNAを含むトランスジェニック植物。
【請求項2】
Cry1Fa、Cry1Be、Cry1IおよびDIG−3からなる群から選択される第三の殺虫性タンパク質をコードするDNAをさらに含む、請求項1に記載のトランスジェニック植物。
【請求項3】
前記第三のタンパク質が、Cry1FaおよびCry1Beからなる群から選択され、前記植物が、Cry1Ca、Cry1Da、Cry1EおよびVip3Abからなる群から選択される第四および第五の殺虫性タンパク質をコードするDNAをさらに含む、請求項2に記載のトランスジェニック植物。
【請求項4】
前記DNAを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の植物の種子。
【請求項5】
非Bt緩衝帯植物および請求項1〜3のいずれかに記載の複数の植物を含む植物の圃場であって、前記緩衝帯植物は圃場の全ての作物植物の40%未満を構成する、圃場。
【請求項6】
前記緩衝帯植物が前記圃場の全ての作物植物の30%未満を構成する、請求項5に記載の植物圃場。
【請求項7】
前記緩衝帯植物が前記圃場の全ての作物植物の20%未満を構成する、請求項5に記載の植物圃場。
【請求項8】
前記緩衝帯植物が前記圃場の全ての作物植物の10%未満を構成する、請求項5に記載の植物圃場。
【請求項9】
前記緩衝帯植物が前記圃場の全ての作物植物の5%未満を構成する、請求項5に記載の植物圃場。
【請求項10】
前記緩衝帯植物がブロックまたは帯状地にある、請求項5に記載の植物圃場。
【請求項11】
非Bt緩衝帯植物由来の緩衝帯種子および請求項4に記載の複数の種子を含む種子混合物であって、前記緩衝帯種子は混合物の全ての種子の40%未満を構成する、種子混合物。
【請求項12】
前記緩衝帯種子が混合物の全ての種子の30%未満を構成する、請求項11に記載の種子混合物。
【請求項13】
前記緩衝帯種子が混合物の全ての種子の20%未満を構成する、請求項11に記載の種子混合物。
【請求項14】
前記緩衝帯種子が混合物の全ての種子の10%未満を構成する、請求項11に記載の種子混合物。
【請求項15】
前記緩衝帯種子が混合物の全ての種子の5%未満を構成する、請求項11に記載の種子混合物。
【請求項16】
種子を播いて請求項5に記載の植物の圃場を作製するステップを含む、昆虫によるCryタンパク質に対する抵抗性の発達を管理する方法。
【請求項17】
前記植物が10エーカーよりも多くを占める、請求項5〜10のいずれかに記載の圃場。
【請求項18】
トウモロコシ、ダイズおよびワタからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の植物。
【請求項19】
トウモロコシ植物である、請求項18に記載の植物。
【請求項20】
請求項1〜3のいずれかに記載の植物の植物細胞であって、前記植物細胞が、前記Cry1Ab殺虫性タンパク質をコードする前記DNAおよび前記Cry2Aa殺虫性タンパク質をコードする前記DNAを含み、前記Cry1Ab殺虫性タンパク質が、配列番号1と少なくとも99%同一であり、前記Cry2Aa殺虫性タンパク質が、配列番号2と少なくとも99%同一である、植物細胞。
【請求項21】
前記Cry1Ab殺虫性タンパク質が、配列番号1を含み、前記Cry2Aa殺虫性タンパク質が、配列番号2を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の植物。
【請求項22】
請求項20に記載の植物細胞を作製する方法。
【請求項23】
ユーロピアンコーンボーラー昆虫をCry1Ab殺虫性タンパク質およびCry2Aa殺虫性タンパク質と接触させることによって、ユーロピアンコーンボーラー昆虫を防除する方法。


【図1】
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【公表番号】特表2013−514776(P2013−514776A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544847(P2012−544847)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/060831
【国際公開番号】WO2011/075590
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】