ヨウ素吸着剤、及びヨウ素吸着剤を利用した水処理カラム
【課題】ヨウ素吸着性に優れた新規な構成の吸着剤を提供する。
【解決手段】実施形態のヨウ素吸着剤は、(1)式で表される官能基で修飾された担体と
【化1】
(R1は、ポリオール基)、
前記担体に担持された銀イオンと、を具えることを特徴とする。
【解決手段】実施形態のヨウ素吸着剤は、(1)式で表される官能基で修飾された担体と
【化1】
(R1は、ポリオール基)、
前記担体に担持された銀イオンと、を具えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ヨウ素吸着剤、及びヨウ素吸着剤を利用した水処理カラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工業の発達や人口の増加により水資源の有効利用が求められている。そのためには、廃水の再利用が非常に重要である。これらを達成するためには水の浄化、すなわち水中から他の物質を分離することが必要である。液体からほかの物質を分離する方法としては各種の方法が知られており、例えば膜分離、遠心分離、活性炭吸着、オゾン処理、凝集による浮遊物質の除去などが挙げられる。このような方法によって、水に含まれるヨウ素や窒素などの環境に影響の大きい化学物質を除去したり、水中に分散した油類、クレイなどを除去したりすることができる。
【0003】
一方、近年は、ヨウ素の回収、除去技術が注目を集めている。ヨウ素の利用範囲は広く、消毒薬などの医薬分野の他に、化学繊維、耐熱安定剤の化学分野など幅広い分野で利用されている。ヨウ素は数多くの同位体を有するが、ヨウ素131(131I)は放射性同位体であって、ウラン235(235U)が核分裂する際の娘核種として生成される。
【0004】
したがって、原子力発電所で不具合が発生した際に多量に放出される放射性物質中にも上記放射性ヨウ素が含まれる場合があり、このような放射性ヨウ素が大気中や排水中に混入する場合がある。したがって、大気中や排水中に放射性ヨウ素が混入した場合に、当該放射性ヨウ素を除去することが課題となっている。
【0005】
ヨウ素を除去する方法としては、例えば銀をゼオライトに担持させ、その辺縁部にカルシウムイオンを偏在させた吸着剤を用いて行う方法がある。この場合、吸着剤の表面にアパタイトコーティングを施すことができるため、ゼオライトに担持した銀が高温条件下に吸着剤から溶出するのを抑制できる。
【0006】
しかしながら、ゼオライトと銀とは強固に化学結合しているものではないため、例えば、処理溶液のpH値が酸性になると銀が溶出するという欠点がある。またゼオライトは数μmの粉末であり、結晶性であるために大粒径のゼオライトを生成することが困難であって、得られる吸着剤の大きさも数μmの粒径のものであり、ハンドリングが困難であるという欠点もある。後者の問題を解決するためには、バインダー等を用いて造粒することが考えられるが、吸着剤の製造工程が増大し、吸着剤の製造コストが壮大してしまうと新たな問題を生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−98083号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ヨウ素吸着性に優れた新規な構成の吸着剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態のヨウ素吸着剤は、(1)式で表される官能基で修飾された担体と
【化1】
(R1は、ポリオール基)、前記担体に担持された銀イオンと、を具える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態におけるヨウ素吸着システムの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(ヨウ素吸着剤)
実施形態のヨウ素吸着剤は、所定の担体が(1)式で表される官能基によって修飾されている
【化2】
(R1は、ポリオール基)。
【0012】
(1)式で示される官能基はチオエステルを形成し、そのカルボニル基の先にポリオール基が置換して結合した構造を有している。硫黄原子は金属イオンと配位結合を介して強固に結合することが知られており、またポリオール基も金属イオンと配位結合を介して強固に結合することが知られているので、担体が(1)式で示される官能基で修飾されることによって、以下に示す銀イオンを担体に対して強固に結合することができるようになる。
【0013】
なお、上記官能基を構成するR1(ポリオール基)は、炭素数5又は6のポリオール基であることが好ましい。さらには、上記官能基は、(2)式で表される官能基であることが好ましい。
【化3】
【0014】
これは、以下に説明するヨウ素吸着剤の製造法において、上記担体を上記官能基で修飾する際に使用する環状の糖類の種類に依存するものであって、安価で安全性に優れる環状の糖類(例えばグルコノラクトン)を使用した結果として得られる官能基である。すなわち、上記担体が(2)式で示される官能基で修飾されることによって、目的とする本実施形態のヨウ素吸着剤を安価かつ高い安全性の下に得ることができる。
【0015】
担体としては、それ自体が十分な強度を有し、ヨウ素吸着剤に対して実用に供することができるような強度を付与することができ、さらに表面に多くの水酸基を有しており、以下に説明する製造方法によって、(1)式あるいは(2)式で表される官能基による担体の修飾割合が高くなるようなものであることが好ましい。具体的にはシリカ(SiO2)又は金属酸化物等を挙げることができる。
【0016】
なお、金属酸化物としては、チタニア(TiO2)、アルミナ(Al2O3)、及びジルコニア(ZrO2)、三酸化コバルト(CoO3)、酸化コバルト(CoO)、酸化タングステン(WO3)、酸化モリブデン(MoO3)、インジウムスズオキサイド(ITO)、酸化インジウム(In2O3)、酸化鉛(PbO2)、PZT、酸化ニオビウム(Nb2O5)、酸化トリウム(ThO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、チタン酸カルシウム(CaTiO3)、コバルト酸ランタン(LaCoO3)、三酸化レニウム(ReO3)、酸化クロム(Cr2O3)、酸化鉄(Fe2O3)、クロム酸ランタン(LaCrO3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)などを形成するアルコキシドやハロゲン化物などを挙げることができる。
【0017】
但し、上述した担体の中でも、シリカ、チタニア、アルミナ、及びジルコニアは、表面における水酸基の割合が多く、(1)式あるいは(2)式で表される官能基による修飾割合が高くなるので好ましい。
【0018】
また、上記担体はアクリル樹脂とすることもできる。アクリル樹脂もそれ自体十分な強度を有し、ヨウ素吸着剤に対して実用に供することができるような強度を付与することができるとともに、エステル結合部位を有しているため、エステル交換反応によって(1)式又は(2)式で示される官能基を高い割合で置換して修飾することができる。また、アクリル樹脂はグリシジル骨格を有する担体の合成が可能であるため,例えばグリシジルメタクリレートなどをモノマーとして担体を合成し、そこへ(1)式又は(2)式で示される官能基を高い割合で修飾することができる。
【0019】
本実施形態における担体の大きさは、平均粒径が100μm以上5mm以下であることが好ましい。担体の平均粒径を100μm以上5mm以下とすると、例えば、ヨウ素吸着を行う際に、ヨウ素吸着剤のカラムへの充填率の高さと通水のしやすさとを両立させることができる。平均粒径が100μm未満であると、ヨウ素吸着剤のカラムへの充填率が高くなり過ぎて空隙の割合が減少するため、通水がしにくくなる。一方、平均粒径が5mmを超えると、ヨウ素吸着剤のカラムへの充填率が低くなり過ぎて空隙が増大し、通水はしやすくなるが、ヨウ素吸着剤とヨウ素を含む排水との接触面積が減少するので、ヨウ素吸着剤によるヨウ素の吸着割合が減少する。好ましい担体の平均粒径は100μm以上2mm以下であり、さらに好ましくは、300μm以上1mm以下である。
【0020】
なお、本実施形態のヨウ素吸着剤は、担体の大きさを変化させるのみで、吸着剤そのものの大きさを調整することができ、ハンドリングが容易な吸着剤を得るためには、担体の大きさを所定の大きさに設定すればよいことが分かる。すなわち、造粒等の操作を行うことなく、ハンドリングが容易なヨウ素吸着剤を得ることができる。また、造粒等を行う必要がないので、ハンドリング容易なヨウ素吸着剤を得るために必要な製造工程を簡略化することができ、コストの低減を図ることができる。
【0021】
平均粒径は、篩い分け法により測定することができる。具体的には、JISZ8901:2006「試験用粉体及び試験用粒子」に従い、目開きが100μmから5mmの間であるふるいを複数個用いて篩い分けることにより測定することができる。
【0022】
本実施形態のヨウ素吸着剤は、上述のように、担体に(1)式又は(2)式で示される官能基が付加あるいは置換されて修飾された後、当該担体に銀イオンが担持されている。銀イオンの担持は、上述したように(1)式又は(2)式で示される官能基のポリオール基及び硫黄に対して配位結合することによってなされる。
【0023】
なお、銀イオンがポリオール基の酸素原子及び硫黄原子に配位結合することによって何らかの錯体を形成していると推定されるが、現状では、当該錯体の種類については明確になっていない。
【0024】
本実施形態におけるヨウ素吸着剤は、これを構成する銀イオンが排水中のヨウ素を吸着すると考えられる。すなわち、排水中において、ヨウ素は、ヨウ素イオン(I−)、ヨウ化物アニオン(I−)又はヨウ素酸イオン(IO3−)のような陰イオンの形態で存在するが、このような陰イオンがヨウ素吸着剤中の銀イオンとイオン結合性の配位結合を介して結合することによって、排水中のヨウ素を吸着するものと考えられる。
【0025】
なお、本実施形態のヨウ素吸着剤の一例の概念図を(3)式に示すとともに、ヨウ素吸着剤によるヨウ素吸着の一例の概念図を(4)式に示す。
【化4】
【化5】
(3)式においては、担体に炭素数5のポリオール基を担持させた例であり、銀イオンはポリオール基の酸素原子及び硫黄原子に配位結合されているヨウ素吸着剤である。そして、(4)式においては、排水中において、陰イオンの形態で存在するヨウ素がヨウ素吸着剤中の銀イオンとイオン結合性の配位結合を介して吸着された状態を表している。
【0026】
(ヨウ素吸着剤の製造方法)
次に、本実施形態のヨウ素吸着剤の製造方法について説明する。但し、以下に説明する製造方法は一例であって、本実施形態のヨウ素吸着剤が得られる限りにおいて特に限定されるものではない。
【0027】
最初に、上述したシリカ、チタニア等の担体を準備し、この担体の表面を、チオール基を有するカップリング剤で処理し、担体の表面にチオール基を導入する。チオール基を含むカップリング剤としては、γ−スルファニルプロピルトリメトキシシランやγ−スルファニルプロピルトリエトキシシラン等のスルファニルシランやスルファニルチタネート、スルファニルアルミキレート、スルファニルジルコアルミネート等のカップリング剤が挙げられる。
【0028】
カップリング剤と担体と反応は、カップリング剤を気化させて担体と反応させる方法や、溶媒中にカップリング剤を混合し担体と混合することによって反応させる方法、溶媒を用いずに担体と直接接触させて反応する方法がある。それぞれ反応させる際に、加熱や減圧などを行うことにより、担体表面に導入するチオール基の量(割合)を調整できる。
【0029】
次いで、チオール基が導入された担体に対して環状の糖ラクトンを反応させる。具体的には、所定の溶媒中にチオール基が導入された環状の糖ラクトンを加え、加熱することによって、環状の糖ラクトンのエステル結合部分が開環し、チオール基と開環した糖ラクトンとが反応する。これにより、担体に(1)式又は(2)式で表される官能基が導入される。
【0030】
チオール基と環状の糖ラクトンとの反応は、使用する溶媒や加熱温度、反応時間等に依存する。最適な加熱温度及び反応時間等は、使用する溶媒に依存するので、使用する溶媒に合わせて適宜最適な条件を選択する。
【0031】
なお、環状の糖ラクトンとしては、グルコノラクトン、グルクロノラクトン、ガラクトノラクトン、ガラクトノロラクトン、マンノノラクトン、マンノラクトン、リキソノラクトン、グルクロン酸などを挙げることができる。このような環状のラクトンを用いることによって、チオール基との上述した反応をより確実に進行させることができる。
【0032】
また、溶媒としては、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン及びそれらの混合物を挙げることができる。また、必要に応じて触媒などを添加することができる。この場合もチオール基との上述した反応をより確実に進行させることができる。
【0033】
次いで、上述のようにして得た担体に対して銀イオンを担持させる。例えば、所定の試薬を用いて、銀の濃度が0.1質量%〜20質量%となるように水溶液を調整した後、この水溶液中に上記担体を浸漬して撹拌する手法、またはカラム中に上記担体を充填し、当該カラム中に上記水溶液を流す手法等が挙げられる。
【0034】
なお、上述した製造方法では、担体表面へのチオール基の導入に際して、カップリング剤を用いたが、カップリング剤を用いない方法としては、担体の表面に予め反応性の官能基を導入する、あるいは担体と反応する反応性基及びチオール基を有する2官能架橋剤を用い担体にチオール基を固定し、その後、上述と同じ操作を行うことにより、ヨウ素吸着剤を得ることが可能である。
【0035】
前者の例としては、担体表面にグリシジル基を導入し、このグリシジル基と反応する部位とチオール基を有する化合物とを反応させる、あるいは担体表面にエステル結合を導入し、エタンジチオールなどの化合物をエステル交換によって反応させる等により、担体表面にチオール基を導入することができる。後者の例としては、2−アミノエタンチオール、3−アミノプロパンチオール、4−アミノブタンチオール、2−スルファニルエタノール、3−スルファニルプロパノール、4−スルファニルブタノールなどを用いて、エステル交換反応もしくはアミノリシスにより導入する方法を挙げることができる。
【0036】
(ヨウ素吸着システム及びヨウ素吸着剤の使用方法)
次に、上述したヨウ素吸着剤を用いた吸着システム及びその使用方法について説明する。
【0037】
図1は、本実施形態におけるヨウ素吸着に使用する装置の概略構成を示す図である。
図1に示すように、本装置においては、上述したヨウ素吸着剤が充填された水処理用カラムT1及びT2が並列に配置されるとともに、水処理用カラムT1及びT2の外方には接触効率促進手段X1及びX2が設けられている。接触効率促進手段X1及びX2は、機械攪拌装置又は非接触の磁気攪拌装置とすることができるが、必須の構成要素ではなく省略してもよい。
【0038】
また、水処理用カラムT1及びT2には、排水供給ラインL1、L2及びL4を介して、ヨウ素を含む排水が貯留された排水貯留タンクW1が接続されており、排水排出ラインL3、L5及びL6を介して外部に接続されている。
【0039】
なお、供給ラインL1、L2、及びL4には、それぞれバルブV1、V2、及びV4が設けられており、排出ラインL3及びL5には、それぞれバルブV3及びV5が設けられている。また、供給ラインL1にはポンプP1が設けられている。さらに、排水貯留タンクW1、供給ラインL1及び排出ラインL6には、それぞれ濃度測定手段M1、M2及びM3が設けられている。
【0040】
また、上述したバルブ、ポンプの制御及び測定装置における測定値のモニタリングは、制御手段C1によって一括集中管理されている。
【0041】
次に、図1に示す装置を用いたヨウ素の吸着操作について説明する。
【0042】
最初に、水処理用カラムT1及びT2に対して、排水をタンクW1からポンプP1により排水供給ラインL1、L2及びL4を通じて水処理用カラムT1及びT2に供給する。このとき、排水中のヨウ素は水処理用カラムT1及びT2に吸着され、吸着後の排水は排水排出ラインL3、L5を通じて外部に排出される。
【0043】
この際、必要に応じて接触効率促進手段X1及びX2を駆動させ、水処理用カラムT1及びT2内に充填されたヨウ素吸着剤と排水との接触面積を増大させ、水処理用カラムT1及びT2によるヨウ素の吸着効率を向上させることができる。
【0044】
ここで、水処理用カラムT1及びT2の、供給側に設けた濃度測定手段M2と排出側に設けた濃度測定手段M3により水処理用カラムT1及びT2の吸着状態を観測する。吸着が順調に行われている場合、濃度測定手段M3により測定されるヨウ素の濃度は、濃度測定手段M2で測定されるヨウ素の濃度よりも低い値を示す。しかしながら、水処理用カラムT1及びT2におけるヨウ素の吸着が次第に進行するにつれ、供給側及び排出側に配置された濃度測定手段M2及びM3における前記ヨウ素の濃度差が減少する。
【0045】
したがって、濃度測定手段M3が予め設定した所定の値に達し、水処理用カラムT1及びT2によるヨウ素の吸着能が飽和に達したと判断した場合は、濃度測定手段M2、M3からの情報に基づき、制御手段C1がポンプP1を一旦停止し、バルブV2、V3及びV4を閉め、水処理用カラムT1及びT2への排水の供給を停止する。
【0046】
なお、図1には図示していないが、排水のpHが変動する場合、あるいはpHが強酸性あるいは強アルカリ性であって本実施形態に係る吸着材に適したpH領域を外れている場合には、濃度測定手段M1または/およびM2により排水のpHを測定し、制御手段C1を通じて排水のpHを調整してもよい。
【0047】
水処理用カラムT1及びT2が飽和に達した後は、適宜新規なヨウ素吸着剤が充填された水処理用カラムと交換し、ヨウ素吸着が飽和に達した水処理用カラムT1及びT2は、適宜必要な後処理に供される。例えば、水処理用カラムT1及びT2が放射性ヨウ素を含む場合は、水処理用カラムT1及びT2を粉砕した後、セメント固化等に供する。
【0048】
なお、上記例では、水処理用カラムを用いた排水中のヨウ素の吸着システム及び操作について説明したが、上述のようなカラム中にヨウ素を含む排ガスを通気することにより、排ガス中のヨウ素を吸着除去することもできる。
【実施例】
【0049】
[ヨウ素吸着剤の製造]
(実施例1)
シリカゲル(平均粒径210μm)5gにγ−スルファニルプロピルトリメトキシシラン8.7g及びトルエン20mlを加え、9時間環流を行った。その後、得られた溶液をろ過することにより、チオール基で修飾されたシリカ担体を得た。このシリカ担体を洗浄した後、シリカ担体の0.5gに対して、グルコノ-γ-ラクトン0.5g及びメタノール10mlを加え、6時間環流した。反応後、溶液をろ過し、得られたろ過物を水洗浄することにより、チオール基とグルコノ-γ-ラクトンとの反応物由来の硫黄及びポリオール基を含む官能基で修飾された白色〜黄色のシリカ担体を得た。
【0050】
次いで、上述のようにして得たシリカ担体の0.5gに対して、10質量%硝酸銀水溶液10mlを加え、室温で1時間浸漬させた。ろ過後、20mlの純水中で撹拌した後、ろ過し、水で洗浄することによってヨウ素吸着剤を得た。
【0051】
(実施例2)
グルコノ-γ-ラクトンからL-マンノノ-1,4-ラクトンに代えた以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。
【0052】
(実施例3)
グルコノ-γ-ラクトンからD-リキソノ-1,4-ラクトンに代えたこと以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。
【0053】
(実施例4)
カップリング剤をγ−スルファニルプロピルトリメトキシシランから、γ−スルファニルプロピルメチルジメトキシシランに代えたこと以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。
【0054】
(実施例5)
カップリング剤をγ−スルファニルプロピルトリメトキシシランから、γ−スルファニルプロピルトリエトキシシランに代えたこと以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。
【0055】
(実施例6)
担体をシリカゲルからアルミナに代えたこと以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。
【0056】
(実施例7)
担体をシリカゲルからジルコニアに代えたこと以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。
【0057】
(実施例8)
担体をシリカゲルからチタニアに代えたこと以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。
【0058】
(実施例9)
担体をシリカゲルからアクリル樹脂に代え、γ−スルファニルプロピルトリメトキシシランから2−アミノエタンチオールに代えたこと以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。アクリル樹脂の合成およびチオール修飾は次のように合成した。アクリル酸メチル(モノマー)とジビニルベンゼン(架橋剤)とを、塩化ナトリウム及びポリビニルアルコール(分散剤)の存在下でアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として水中で懸濁重合を行った。これにより、平均粒径300μmの球状粒子を得た。なお、懸濁重合は水中において、80℃で8時間実施した。反応終了後、エタノール:水=80:20の混合溶媒を用いて24時間室温で洗浄した。テトラヒドロフランに得られた樹脂と2−アミノエタンチオールおよびトリエチルアミンを加え、環流下6時間反応させ、表面にチオール基を有する担体を得た。
【0059】
(実施例10)
担体をシリカゲルからグリシジル基含有アクリル樹脂に代え、γ−スルファニルプロピルトリメトキシシランから2−アミノエタンチオールに代えたこと以外は、実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。アクリル樹脂の合成およびチオール修飾は次のように合成した。グリシジルメタクリレート(モノマー)とジビニルベンゼン(架橋剤)とを、塩化ナトリウム及びポリビニルアルコール(分散剤)の存在下でアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として水中で懸濁重合を行った。これにより、平均粒径300μmの球状粒子を得た。なお、懸濁重合は水中において、80℃で6時間実施した。反応終了後、エタノール:水=80:20の混合溶媒を用いて24時間室温で洗浄した。
【0060】
次いで、テトラヒドロフランに得られた樹脂と2−アミノエタンチオールとを加え、環流下で6時間反応させ、表面にチオール基を有する担体を得た。
【0061】
(実施例11)
シリカゲルの平均粒径を12μmに代えたこと以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。
【0062】
(比較例1)
ゼオライト(モルデナイト,新東北化学工業)1gに対して、10質量%硝酸銀水溶液20mlを加え、室温で1時間浸漬させた。ろ過後、20mlの純水中で撹拌し、ろ過した後、ろ過物を水で洗浄することによってゼオライトヨウ素吸着剤を得た。
【0063】
(比較例2)
市販の強塩基性イオン交換樹脂であるIRA−458(オルガノ社製)を用いた。
【0064】
[吸着試験]
上述のようにして得たヨウ素吸着剤を用いて、吸着性能の試験を行った。
ヨウ化カリウム580mgを1Lメスフラスコに入れ、純水でメスアップして600ppmヨウ化カリウム水溶液を調製した。さらに上記溶液一部に濃度が3.5質量%になるよう塩化ナトリウムを加え、3.5質量%塩化ナトリウム含有600ppmヨウ化カリウム水溶液を調製した。
【0065】
次いで、10ml遠沈管に600ppmヨウ素試験溶液10 mlと吸着剤10mgを加え、MIX ROTERにおいて室温下、60rpmの条件で所定時間撹拌した。反応終了後、溶液を0.2μmのセルロースメンブレンフィルター(RC-50)でろ過した。
【0066】
ろ液のヨウ素濃度はJISによるヨウ素定量方法に則って濃度を定量した。具体的には、ろ液200μlに対し、30質量%過酸化水素溶液を2ml加え撹拌した後、1質量%でんぷん溶液を200μl加えた。撹拌した後、トルエン2mlを加えて撹拌し、有機層に着色が移ることを確認した。有機層を取り出し、石英ガラスのセルに入れ,吸光光度計(日立製作所製,U-2100)を用いて800nmでゼロあわせを行い、300nmの吸光度から濃度を算出した。特に記載がない場合は、吸着開始から1時間経過後の吸着量とする。
【0067】
[銀イオン脱離試験]
担持した銀イオンが担体から溶出しないか確認をするため、酸および高塩濃度の水溶液中にヨウ素吸着剤を浸漬し、銀イオンの濃度を測定した。酸には硫酸を用い、塩には飽和硫酸ナトリウムを用いた。また、それぞれのpH値は11及び2とした。それぞれの溶液5mlの中で吸着剤50mgを添加し、撹拌後の水溶液中の銀の有無をTBF比色法により測定した。
【0068】
[カラム通水試験]
ヨウ素吸着剤を100mlのガラス製カラムに充填し、20ppmのヨウ素を含有する試験液を一時間当たり600ml通水した。通水状態は、通水が良好であれば○、不良であれば×で示した。
【0069】
以上、実施例1〜11及び比較例1〜2で得た吸着剤に対して上述の試験を行った結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
表1から明らかなように、実施例で得たヨウ素吸着剤では、硫酸水溶液及び飽和硫酸ナトリウム溶液のいずれにおいても、吸着剤からの銀の溶出は認められなかった。一方、比較例1で得たヨウ素吸着剤では、吸着剤からの銀の溶出が認められた。これは、実施例で得たヨウ素吸着剤では、銀が担体を修飾している官能基の硫黄及びポリオール基と配位結合して担体に強固に結合している一方で、比較例1のヨウ素吸着剤は担体にゼオライトを用いているため、銀の担体に対する結合力が弱いことが分かる。
【0072】
また、実施例及び比較例1を参照すると、実施例の方が残存ヨウ素濃度が低く、ヨウ素吸着性に優れることが分かる。これは、上述のように、比較例1では、吸着剤から銀が溶出していることが原因の一つと考えることができる。
【0073】
さらに、実施例及び比較例2を参照すると、比較例2のイオン交換樹脂は、ヨウ素単独の吸着性には優れるものの、水溶液中に他の成分(本実施例では塩化ナトリウム)が含まれているとヨウ素吸着性が劣化することが分かる。したがって、実施例で得たヨウ素吸着剤は、種々の物質を含有した排水からヨウ素を高い吸着能で吸着できることが分かる。
【0074】
また、実施例1と実施例11を比較すると、実施例11も残存ヨウ素濃度が低く、ヨウ素吸着性に優れるが、平均粒径が小さいためにカラム通水状態に影響を与えていることが分かる。このため、カラムに充填などの具体的使用に際しては、そのヨウ素吸着剤の平均粒径も考慮が必要であることが分かる。
【0075】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
T1、T2 水処理用カラム
P1 ポンプ
M1、M2、M3 濃度測定手段
C1 制御手段
W1 排水貯留タンク
L1、L2、L4 排水供給ライン
L3、L5、L6 排水排出ライン
V1、V2、V3、V4、V5 バルブ
X1、X2 接触効率促進手段
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ヨウ素吸着剤、及びヨウ素吸着剤を利用した水処理カラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工業の発達や人口の増加により水資源の有効利用が求められている。そのためには、廃水の再利用が非常に重要である。これらを達成するためには水の浄化、すなわち水中から他の物質を分離することが必要である。液体からほかの物質を分離する方法としては各種の方法が知られており、例えば膜分離、遠心分離、活性炭吸着、オゾン処理、凝集による浮遊物質の除去などが挙げられる。このような方法によって、水に含まれるヨウ素や窒素などの環境に影響の大きい化学物質を除去したり、水中に分散した油類、クレイなどを除去したりすることができる。
【0003】
一方、近年は、ヨウ素の回収、除去技術が注目を集めている。ヨウ素の利用範囲は広く、消毒薬などの医薬分野の他に、化学繊維、耐熱安定剤の化学分野など幅広い分野で利用されている。ヨウ素は数多くの同位体を有するが、ヨウ素131(131I)は放射性同位体であって、ウラン235(235U)が核分裂する際の娘核種として生成される。
【0004】
したがって、原子力発電所で不具合が発生した際に多量に放出される放射性物質中にも上記放射性ヨウ素が含まれる場合があり、このような放射性ヨウ素が大気中や排水中に混入する場合がある。したがって、大気中や排水中に放射性ヨウ素が混入した場合に、当該放射性ヨウ素を除去することが課題となっている。
【0005】
ヨウ素を除去する方法としては、例えば銀をゼオライトに担持させ、その辺縁部にカルシウムイオンを偏在させた吸着剤を用いて行う方法がある。この場合、吸着剤の表面にアパタイトコーティングを施すことができるため、ゼオライトに担持した銀が高温条件下に吸着剤から溶出するのを抑制できる。
【0006】
しかしながら、ゼオライトと銀とは強固に化学結合しているものではないため、例えば、処理溶液のpH値が酸性になると銀が溶出するという欠点がある。またゼオライトは数μmの粉末であり、結晶性であるために大粒径のゼオライトを生成することが困難であって、得られる吸着剤の大きさも数μmの粒径のものであり、ハンドリングが困難であるという欠点もある。後者の問題を解決するためには、バインダー等を用いて造粒することが考えられるが、吸着剤の製造工程が増大し、吸着剤の製造コストが壮大してしまうと新たな問題を生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−98083号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ヨウ素吸着性に優れた新規な構成の吸着剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態のヨウ素吸着剤は、(1)式で表される官能基で修飾された担体と
【化1】
(R1は、ポリオール基)、前記担体に担持された銀イオンと、を具える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態におけるヨウ素吸着システムの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(ヨウ素吸着剤)
実施形態のヨウ素吸着剤は、所定の担体が(1)式で表される官能基によって修飾されている
【化2】
(R1は、ポリオール基)。
【0012】
(1)式で示される官能基はチオエステルを形成し、そのカルボニル基の先にポリオール基が置換して結合した構造を有している。硫黄原子は金属イオンと配位結合を介して強固に結合することが知られており、またポリオール基も金属イオンと配位結合を介して強固に結合することが知られているので、担体が(1)式で示される官能基で修飾されることによって、以下に示す銀イオンを担体に対して強固に結合することができるようになる。
【0013】
なお、上記官能基を構成するR1(ポリオール基)は、炭素数5又は6のポリオール基であることが好ましい。さらには、上記官能基は、(2)式で表される官能基であることが好ましい。
【化3】
【0014】
これは、以下に説明するヨウ素吸着剤の製造法において、上記担体を上記官能基で修飾する際に使用する環状の糖類の種類に依存するものであって、安価で安全性に優れる環状の糖類(例えばグルコノラクトン)を使用した結果として得られる官能基である。すなわち、上記担体が(2)式で示される官能基で修飾されることによって、目的とする本実施形態のヨウ素吸着剤を安価かつ高い安全性の下に得ることができる。
【0015】
担体としては、それ自体が十分な強度を有し、ヨウ素吸着剤に対して実用に供することができるような強度を付与することができ、さらに表面に多くの水酸基を有しており、以下に説明する製造方法によって、(1)式あるいは(2)式で表される官能基による担体の修飾割合が高くなるようなものであることが好ましい。具体的にはシリカ(SiO2)又は金属酸化物等を挙げることができる。
【0016】
なお、金属酸化物としては、チタニア(TiO2)、アルミナ(Al2O3)、及びジルコニア(ZrO2)、三酸化コバルト(CoO3)、酸化コバルト(CoO)、酸化タングステン(WO3)、酸化モリブデン(MoO3)、インジウムスズオキサイド(ITO)、酸化インジウム(In2O3)、酸化鉛(PbO2)、PZT、酸化ニオビウム(Nb2O5)、酸化トリウム(ThO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、チタン酸カルシウム(CaTiO3)、コバルト酸ランタン(LaCoO3)、三酸化レニウム(ReO3)、酸化クロム(Cr2O3)、酸化鉄(Fe2O3)、クロム酸ランタン(LaCrO3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)などを形成するアルコキシドやハロゲン化物などを挙げることができる。
【0017】
但し、上述した担体の中でも、シリカ、チタニア、アルミナ、及びジルコニアは、表面における水酸基の割合が多く、(1)式あるいは(2)式で表される官能基による修飾割合が高くなるので好ましい。
【0018】
また、上記担体はアクリル樹脂とすることもできる。アクリル樹脂もそれ自体十分な強度を有し、ヨウ素吸着剤に対して実用に供することができるような強度を付与することができるとともに、エステル結合部位を有しているため、エステル交換反応によって(1)式又は(2)式で示される官能基を高い割合で置換して修飾することができる。また、アクリル樹脂はグリシジル骨格を有する担体の合成が可能であるため,例えばグリシジルメタクリレートなどをモノマーとして担体を合成し、そこへ(1)式又は(2)式で示される官能基を高い割合で修飾することができる。
【0019】
本実施形態における担体の大きさは、平均粒径が100μm以上5mm以下であることが好ましい。担体の平均粒径を100μm以上5mm以下とすると、例えば、ヨウ素吸着を行う際に、ヨウ素吸着剤のカラムへの充填率の高さと通水のしやすさとを両立させることができる。平均粒径が100μm未満であると、ヨウ素吸着剤のカラムへの充填率が高くなり過ぎて空隙の割合が減少するため、通水がしにくくなる。一方、平均粒径が5mmを超えると、ヨウ素吸着剤のカラムへの充填率が低くなり過ぎて空隙が増大し、通水はしやすくなるが、ヨウ素吸着剤とヨウ素を含む排水との接触面積が減少するので、ヨウ素吸着剤によるヨウ素の吸着割合が減少する。好ましい担体の平均粒径は100μm以上2mm以下であり、さらに好ましくは、300μm以上1mm以下である。
【0020】
なお、本実施形態のヨウ素吸着剤は、担体の大きさを変化させるのみで、吸着剤そのものの大きさを調整することができ、ハンドリングが容易な吸着剤を得るためには、担体の大きさを所定の大きさに設定すればよいことが分かる。すなわち、造粒等の操作を行うことなく、ハンドリングが容易なヨウ素吸着剤を得ることができる。また、造粒等を行う必要がないので、ハンドリング容易なヨウ素吸着剤を得るために必要な製造工程を簡略化することができ、コストの低減を図ることができる。
【0021】
平均粒径は、篩い分け法により測定することができる。具体的には、JISZ8901:2006「試験用粉体及び試験用粒子」に従い、目開きが100μmから5mmの間であるふるいを複数個用いて篩い分けることにより測定することができる。
【0022】
本実施形態のヨウ素吸着剤は、上述のように、担体に(1)式又は(2)式で示される官能基が付加あるいは置換されて修飾された後、当該担体に銀イオンが担持されている。銀イオンの担持は、上述したように(1)式又は(2)式で示される官能基のポリオール基及び硫黄に対して配位結合することによってなされる。
【0023】
なお、銀イオンがポリオール基の酸素原子及び硫黄原子に配位結合することによって何らかの錯体を形成していると推定されるが、現状では、当該錯体の種類については明確になっていない。
【0024】
本実施形態におけるヨウ素吸着剤は、これを構成する銀イオンが排水中のヨウ素を吸着すると考えられる。すなわち、排水中において、ヨウ素は、ヨウ素イオン(I−)、ヨウ化物アニオン(I−)又はヨウ素酸イオン(IO3−)のような陰イオンの形態で存在するが、このような陰イオンがヨウ素吸着剤中の銀イオンとイオン結合性の配位結合を介して結合することによって、排水中のヨウ素を吸着するものと考えられる。
【0025】
なお、本実施形態のヨウ素吸着剤の一例の概念図を(3)式に示すとともに、ヨウ素吸着剤によるヨウ素吸着の一例の概念図を(4)式に示す。
【化4】
【化5】
(3)式においては、担体に炭素数5のポリオール基を担持させた例であり、銀イオンはポリオール基の酸素原子及び硫黄原子に配位結合されているヨウ素吸着剤である。そして、(4)式においては、排水中において、陰イオンの形態で存在するヨウ素がヨウ素吸着剤中の銀イオンとイオン結合性の配位結合を介して吸着された状態を表している。
【0026】
(ヨウ素吸着剤の製造方法)
次に、本実施形態のヨウ素吸着剤の製造方法について説明する。但し、以下に説明する製造方法は一例であって、本実施形態のヨウ素吸着剤が得られる限りにおいて特に限定されるものではない。
【0027】
最初に、上述したシリカ、チタニア等の担体を準備し、この担体の表面を、チオール基を有するカップリング剤で処理し、担体の表面にチオール基を導入する。チオール基を含むカップリング剤としては、γ−スルファニルプロピルトリメトキシシランやγ−スルファニルプロピルトリエトキシシラン等のスルファニルシランやスルファニルチタネート、スルファニルアルミキレート、スルファニルジルコアルミネート等のカップリング剤が挙げられる。
【0028】
カップリング剤と担体と反応は、カップリング剤を気化させて担体と反応させる方法や、溶媒中にカップリング剤を混合し担体と混合することによって反応させる方法、溶媒を用いずに担体と直接接触させて反応する方法がある。それぞれ反応させる際に、加熱や減圧などを行うことにより、担体表面に導入するチオール基の量(割合)を調整できる。
【0029】
次いで、チオール基が導入された担体に対して環状の糖ラクトンを反応させる。具体的には、所定の溶媒中にチオール基が導入された環状の糖ラクトンを加え、加熱することによって、環状の糖ラクトンのエステル結合部分が開環し、チオール基と開環した糖ラクトンとが反応する。これにより、担体に(1)式又は(2)式で表される官能基が導入される。
【0030】
チオール基と環状の糖ラクトンとの反応は、使用する溶媒や加熱温度、反応時間等に依存する。最適な加熱温度及び反応時間等は、使用する溶媒に依存するので、使用する溶媒に合わせて適宜最適な条件を選択する。
【0031】
なお、環状の糖ラクトンとしては、グルコノラクトン、グルクロノラクトン、ガラクトノラクトン、ガラクトノロラクトン、マンノノラクトン、マンノラクトン、リキソノラクトン、グルクロン酸などを挙げることができる。このような環状のラクトンを用いることによって、チオール基との上述した反応をより確実に進行させることができる。
【0032】
また、溶媒としては、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン及びそれらの混合物を挙げることができる。また、必要に応じて触媒などを添加することができる。この場合もチオール基との上述した反応をより確実に進行させることができる。
【0033】
次いで、上述のようにして得た担体に対して銀イオンを担持させる。例えば、所定の試薬を用いて、銀の濃度が0.1質量%〜20質量%となるように水溶液を調整した後、この水溶液中に上記担体を浸漬して撹拌する手法、またはカラム中に上記担体を充填し、当該カラム中に上記水溶液を流す手法等が挙げられる。
【0034】
なお、上述した製造方法では、担体表面へのチオール基の導入に際して、カップリング剤を用いたが、カップリング剤を用いない方法としては、担体の表面に予め反応性の官能基を導入する、あるいは担体と反応する反応性基及びチオール基を有する2官能架橋剤を用い担体にチオール基を固定し、その後、上述と同じ操作を行うことにより、ヨウ素吸着剤を得ることが可能である。
【0035】
前者の例としては、担体表面にグリシジル基を導入し、このグリシジル基と反応する部位とチオール基を有する化合物とを反応させる、あるいは担体表面にエステル結合を導入し、エタンジチオールなどの化合物をエステル交換によって反応させる等により、担体表面にチオール基を導入することができる。後者の例としては、2−アミノエタンチオール、3−アミノプロパンチオール、4−アミノブタンチオール、2−スルファニルエタノール、3−スルファニルプロパノール、4−スルファニルブタノールなどを用いて、エステル交換反応もしくはアミノリシスにより導入する方法を挙げることができる。
【0036】
(ヨウ素吸着システム及びヨウ素吸着剤の使用方法)
次に、上述したヨウ素吸着剤を用いた吸着システム及びその使用方法について説明する。
【0037】
図1は、本実施形態におけるヨウ素吸着に使用する装置の概略構成を示す図である。
図1に示すように、本装置においては、上述したヨウ素吸着剤が充填された水処理用カラムT1及びT2が並列に配置されるとともに、水処理用カラムT1及びT2の外方には接触効率促進手段X1及びX2が設けられている。接触効率促進手段X1及びX2は、機械攪拌装置又は非接触の磁気攪拌装置とすることができるが、必須の構成要素ではなく省略してもよい。
【0038】
また、水処理用カラムT1及びT2には、排水供給ラインL1、L2及びL4を介して、ヨウ素を含む排水が貯留された排水貯留タンクW1が接続されており、排水排出ラインL3、L5及びL6を介して外部に接続されている。
【0039】
なお、供給ラインL1、L2、及びL4には、それぞれバルブV1、V2、及びV4が設けられており、排出ラインL3及びL5には、それぞれバルブV3及びV5が設けられている。また、供給ラインL1にはポンプP1が設けられている。さらに、排水貯留タンクW1、供給ラインL1及び排出ラインL6には、それぞれ濃度測定手段M1、M2及びM3が設けられている。
【0040】
また、上述したバルブ、ポンプの制御及び測定装置における測定値のモニタリングは、制御手段C1によって一括集中管理されている。
【0041】
次に、図1に示す装置を用いたヨウ素の吸着操作について説明する。
【0042】
最初に、水処理用カラムT1及びT2に対して、排水をタンクW1からポンプP1により排水供給ラインL1、L2及びL4を通じて水処理用カラムT1及びT2に供給する。このとき、排水中のヨウ素は水処理用カラムT1及びT2に吸着され、吸着後の排水は排水排出ラインL3、L5を通じて外部に排出される。
【0043】
この際、必要に応じて接触効率促進手段X1及びX2を駆動させ、水処理用カラムT1及びT2内に充填されたヨウ素吸着剤と排水との接触面積を増大させ、水処理用カラムT1及びT2によるヨウ素の吸着効率を向上させることができる。
【0044】
ここで、水処理用カラムT1及びT2の、供給側に設けた濃度測定手段M2と排出側に設けた濃度測定手段M3により水処理用カラムT1及びT2の吸着状態を観測する。吸着が順調に行われている場合、濃度測定手段M3により測定されるヨウ素の濃度は、濃度測定手段M2で測定されるヨウ素の濃度よりも低い値を示す。しかしながら、水処理用カラムT1及びT2におけるヨウ素の吸着が次第に進行するにつれ、供給側及び排出側に配置された濃度測定手段M2及びM3における前記ヨウ素の濃度差が減少する。
【0045】
したがって、濃度測定手段M3が予め設定した所定の値に達し、水処理用カラムT1及びT2によるヨウ素の吸着能が飽和に達したと判断した場合は、濃度測定手段M2、M3からの情報に基づき、制御手段C1がポンプP1を一旦停止し、バルブV2、V3及びV4を閉め、水処理用カラムT1及びT2への排水の供給を停止する。
【0046】
なお、図1には図示していないが、排水のpHが変動する場合、あるいはpHが強酸性あるいは強アルカリ性であって本実施形態に係る吸着材に適したpH領域を外れている場合には、濃度測定手段M1または/およびM2により排水のpHを測定し、制御手段C1を通じて排水のpHを調整してもよい。
【0047】
水処理用カラムT1及びT2が飽和に達した後は、適宜新規なヨウ素吸着剤が充填された水処理用カラムと交換し、ヨウ素吸着が飽和に達した水処理用カラムT1及びT2は、適宜必要な後処理に供される。例えば、水処理用カラムT1及びT2が放射性ヨウ素を含む場合は、水処理用カラムT1及びT2を粉砕した後、セメント固化等に供する。
【0048】
なお、上記例では、水処理用カラムを用いた排水中のヨウ素の吸着システム及び操作について説明したが、上述のようなカラム中にヨウ素を含む排ガスを通気することにより、排ガス中のヨウ素を吸着除去することもできる。
【実施例】
【0049】
[ヨウ素吸着剤の製造]
(実施例1)
シリカゲル(平均粒径210μm)5gにγ−スルファニルプロピルトリメトキシシラン8.7g及びトルエン20mlを加え、9時間環流を行った。その後、得られた溶液をろ過することにより、チオール基で修飾されたシリカ担体を得た。このシリカ担体を洗浄した後、シリカ担体の0.5gに対して、グルコノ-γ-ラクトン0.5g及びメタノール10mlを加え、6時間環流した。反応後、溶液をろ過し、得られたろ過物を水洗浄することにより、チオール基とグルコノ-γ-ラクトンとの反応物由来の硫黄及びポリオール基を含む官能基で修飾された白色〜黄色のシリカ担体を得た。
【0050】
次いで、上述のようにして得たシリカ担体の0.5gに対して、10質量%硝酸銀水溶液10mlを加え、室温で1時間浸漬させた。ろ過後、20mlの純水中で撹拌した後、ろ過し、水で洗浄することによってヨウ素吸着剤を得た。
【0051】
(実施例2)
グルコノ-γ-ラクトンからL-マンノノ-1,4-ラクトンに代えた以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。
【0052】
(実施例3)
グルコノ-γ-ラクトンからD-リキソノ-1,4-ラクトンに代えたこと以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。
【0053】
(実施例4)
カップリング剤をγ−スルファニルプロピルトリメトキシシランから、γ−スルファニルプロピルメチルジメトキシシランに代えたこと以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。
【0054】
(実施例5)
カップリング剤をγ−スルファニルプロピルトリメトキシシランから、γ−スルファニルプロピルトリエトキシシランに代えたこと以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。
【0055】
(実施例6)
担体をシリカゲルからアルミナに代えたこと以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。
【0056】
(実施例7)
担体をシリカゲルからジルコニアに代えたこと以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。
【0057】
(実施例8)
担体をシリカゲルからチタニアに代えたこと以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。
【0058】
(実施例9)
担体をシリカゲルからアクリル樹脂に代え、γ−スルファニルプロピルトリメトキシシランから2−アミノエタンチオールに代えたこと以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。アクリル樹脂の合成およびチオール修飾は次のように合成した。アクリル酸メチル(モノマー)とジビニルベンゼン(架橋剤)とを、塩化ナトリウム及びポリビニルアルコール(分散剤)の存在下でアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として水中で懸濁重合を行った。これにより、平均粒径300μmの球状粒子を得た。なお、懸濁重合は水中において、80℃で8時間実施した。反応終了後、エタノール:水=80:20の混合溶媒を用いて24時間室温で洗浄した。テトラヒドロフランに得られた樹脂と2−アミノエタンチオールおよびトリエチルアミンを加え、環流下6時間反応させ、表面にチオール基を有する担体を得た。
【0059】
(実施例10)
担体をシリカゲルからグリシジル基含有アクリル樹脂に代え、γ−スルファニルプロピルトリメトキシシランから2−アミノエタンチオールに代えたこと以外は、実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。アクリル樹脂の合成およびチオール修飾は次のように合成した。グリシジルメタクリレート(モノマー)とジビニルベンゼン(架橋剤)とを、塩化ナトリウム及びポリビニルアルコール(分散剤)の存在下でアゾビスイソブチロニトリルを反応開始剤として水中で懸濁重合を行った。これにより、平均粒径300μmの球状粒子を得た。なお、懸濁重合は水中において、80℃で6時間実施した。反応終了後、エタノール:水=80:20の混合溶媒を用いて24時間室温で洗浄した。
【0060】
次いで、テトラヒドロフランに得られた樹脂と2−アミノエタンチオールとを加え、環流下で6時間反応させ、表面にチオール基を有する担体を得た。
【0061】
(実施例11)
シリカゲルの平均粒径を12μmに代えたこと以外は実施例1と同様にしてヨウ素吸着剤を得た。
【0062】
(比較例1)
ゼオライト(モルデナイト,新東北化学工業)1gに対して、10質量%硝酸銀水溶液20mlを加え、室温で1時間浸漬させた。ろ過後、20mlの純水中で撹拌し、ろ過した後、ろ過物を水で洗浄することによってゼオライトヨウ素吸着剤を得た。
【0063】
(比較例2)
市販の強塩基性イオン交換樹脂であるIRA−458(オルガノ社製)を用いた。
【0064】
[吸着試験]
上述のようにして得たヨウ素吸着剤を用いて、吸着性能の試験を行った。
ヨウ化カリウム580mgを1Lメスフラスコに入れ、純水でメスアップして600ppmヨウ化カリウム水溶液を調製した。さらに上記溶液一部に濃度が3.5質量%になるよう塩化ナトリウムを加え、3.5質量%塩化ナトリウム含有600ppmヨウ化カリウム水溶液を調製した。
【0065】
次いで、10ml遠沈管に600ppmヨウ素試験溶液10 mlと吸着剤10mgを加え、MIX ROTERにおいて室温下、60rpmの条件で所定時間撹拌した。反応終了後、溶液を0.2μmのセルロースメンブレンフィルター(RC-50)でろ過した。
【0066】
ろ液のヨウ素濃度はJISによるヨウ素定量方法に則って濃度を定量した。具体的には、ろ液200μlに対し、30質量%過酸化水素溶液を2ml加え撹拌した後、1質量%でんぷん溶液を200μl加えた。撹拌した後、トルエン2mlを加えて撹拌し、有機層に着色が移ることを確認した。有機層を取り出し、石英ガラスのセルに入れ,吸光光度計(日立製作所製,U-2100)を用いて800nmでゼロあわせを行い、300nmの吸光度から濃度を算出した。特に記載がない場合は、吸着開始から1時間経過後の吸着量とする。
【0067】
[銀イオン脱離試験]
担持した銀イオンが担体から溶出しないか確認をするため、酸および高塩濃度の水溶液中にヨウ素吸着剤を浸漬し、銀イオンの濃度を測定した。酸には硫酸を用い、塩には飽和硫酸ナトリウムを用いた。また、それぞれのpH値は11及び2とした。それぞれの溶液5mlの中で吸着剤50mgを添加し、撹拌後の水溶液中の銀の有無をTBF比色法により測定した。
【0068】
[カラム通水試験]
ヨウ素吸着剤を100mlのガラス製カラムに充填し、20ppmのヨウ素を含有する試験液を一時間当たり600ml通水した。通水状態は、通水が良好であれば○、不良であれば×で示した。
【0069】
以上、実施例1〜11及び比較例1〜2で得た吸着剤に対して上述の試験を行った結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
表1から明らかなように、実施例で得たヨウ素吸着剤では、硫酸水溶液及び飽和硫酸ナトリウム溶液のいずれにおいても、吸着剤からの銀の溶出は認められなかった。一方、比較例1で得たヨウ素吸着剤では、吸着剤からの銀の溶出が認められた。これは、実施例で得たヨウ素吸着剤では、銀が担体を修飾している官能基の硫黄及びポリオール基と配位結合して担体に強固に結合している一方で、比較例1のヨウ素吸着剤は担体にゼオライトを用いているため、銀の担体に対する結合力が弱いことが分かる。
【0072】
また、実施例及び比較例1を参照すると、実施例の方が残存ヨウ素濃度が低く、ヨウ素吸着性に優れることが分かる。これは、上述のように、比較例1では、吸着剤から銀が溶出していることが原因の一つと考えることができる。
【0073】
さらに、実施例及び比較例2を参照すると、比較例2のイオン交換樹脂は、ヨウ素単独の吸着性には優れるものの、水溶液中に他の成分(本実施例では塩化ナトリウム)が含まれているとヨウ素吸着性が劣化することが分かる。したがって、実施例で得たヨウ素吸着剤は、種々の物質を含有した排水からヨウ素を高い吸着能で吸着できることが分かる。
【0074】
また、実施例1と実施例11を比較すると、実施例11も残存ヨウ素濃度が低く、ヨウ素吸着性に優れるが、平均粒径が小さいためにカラム通水状態に影響を与えていることが分かる。このため、カラムに充填などの具体的使用に際しては、そのヨウ素吸着剤の平均粒径も考慮が必要であることが分かる。
【0075】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
T1、T2 水処理用カラム
P1 ポンプ
M1、M2、M3 濃度測定手段
C1 制御手段
W1 排水貯留タンク
L1、L2、L4 排水供給ライン
L3、L5、L6 排水排出ライン
V1、V2、V3、V4、V5 バルブ
X1、X2 接触効率促進手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)式で表される官能基で修飾された担体と
【化1】
(R1は、ポリオール基)、
前記担体に担持された銀イオンと、
を具えることを特徴とする、ヨウ素吸着剤。
【請求項2】
前記官能基は(2)式で表されることを特徴とする、請求項1に記載のヨウ素吸着剤。
【化2】
。
【請求項3】
前記担体はシリカであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のヨウ素吸着剤。
【請求項4】
前記担体は、チタニア、アルミナ、及びジルコニアからなる群より選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のヨウ素吸着剤。
【請求項5】
前記担体はアクリル樹脂であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のヨウ素吸着剤。
【請求項6】
前記担体の大きさは、平均粒径が100μm以上5mm以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載のヨウ素吸着剤。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一に記載のヨウ素吸着剤を充填したことを特徴とする、水処理用カラム。
【請求項1】
(1)式で表される官能基で修飾された担体と
【化1】
(R1は、ポリオール基)、
前記担体に担持された銀イオンと、
を具えることを特徴とする、ヨウ素吸着剤。
【請求項2】
前記官能基は(2)式で表されることを特徴とする、請求項1に記載のヨウ素吸着剤。
【化2】
。
【請求項3】
前記担体はシリカであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のヨウ素吸着剤。
【請求項4】
前記担体は、チタニア、アルミナ、及びジルコニアからなる群より選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のヨウ素吸着剤。
【請求項5】
前記担体はアクリル樹脂であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のヨウ素吸着剤。
【請求項6】
前記担体の大きさは、平均粒径が100μm以上5mm以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載のヨウ素吸着剤。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一に記載のヨウ素吸着剤を充填したことを特徴とする、水処理用カラム。
【図1】
【公開番号】特開2013−103213(P2013−103213A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250858(P2011−250858)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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