説明

ヨモギ唐がらし香辛料とその製造方法

【課題】泡盛にヨモギと唐がらしを浸漬し抽出してなるヨモギ唐がらし香辛料とその製造方法に関し、脂肪燃焼に有効な唐がらし成分をおいしく抵抗無く摂取可能とするために、血糖上昇抑制などの効果があるヨモギを利用して、辛味を抑制して、容易に摂取可能とする。
【解決手段】泡盛に少なくともヨモギを浸漬してヨモギエキスを抽出してから、少なくとも唐がらしを浸漬することによって、ヨモギ唐がらし香辛料を製造する。抽出後のヨモギは取り出し、唐がらしは残しておいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡盛にヨモギ(沖縄の方言名は「フーチバー」)と唐がらしを浸漬してヨモギエキスと唐がらしエキスを抽出してなるヨモギ唐がらし香辛料とその製造方法に関し、体脂肪燃焼に有効な唐がらし成分をおいしく抵抗無く、日常的により頻繁に摂取可能とするために、血糖上昇抑制などの効果があるヨモギを利用して、辛味を抑制して、風味の向上を図る。
【背景技術】
【0002】
特開平6−303960号公報に記載のように、濾過されたヨモギ搾汁液に対して、糖、ステビア、甘草の1種以上およびワイン酵母並びに活性炭を2重量%添加し、14〜21℃で発酵させ、アルコール濃度が8〜13%に達した時点で発酵を止め、再び濾過するヨモギ酒の製造方法が提案されている。
【0003】
また、特開2001−161329号公報に記載のように、飲み易く、体に良いヨモギエキス飲料を提供すべく、ウコン10〜15重量%、あま茶づる10〜15重量%、残部がヨモギより成る配合原料1kgに対し、水10〜12lを加え、2〜5時間煎じた後、配合原料を取り出し、ヨモギエキス液を得る製法が提案されている。
【0004】
さらに、特開2004-67600号公報に記載のように、ヨモギ抽出成分を含む血糖上昇抑制作用を有する健康食品を実現すべく、ヨモギ抽出物又はヨモギ自体を含む血糖上昇抑制のための健康食品として、例えば菓子や飲料、冷菓、デザート食品、スープおよびサプリメント製剤として提供することが提案されている。
【特許文献1】特開平6−303960
【特許文献2】特開2001−161329
【特許文献3】特開2004-67600
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の製法で製造したヨモギ酒は、薬味酒のような用い方しかできず、飲酒の出来る人しか利用できず、用途が限られてしまう。しかも、製法が複雑であり、高価な製品となる。また、特許文献2のように、ウコン10〜15重量%、あま茶づる10〜15重量%、残部がヨモギより成る配合原料1kgに対し、水10〜12lを加え、2〜5時間煎じた後、配合原料を取り出し、ヨモギエキス液を得る製法の場合は、確かに飲み易く、体に良いヨモギエキス飲料を提供できるであろうが、健康を目的としている人にしか利用が望めない。
【0006】
また、特許文献3のように、ヨモギ抽出物又はヨモギ自体を含む血糖上昇抑制のための健康食品として、例えば菓子や飲料、冷菓、デザート食品、スープおよびサプリメント製剤として提供する技術の場合は、ヨモギ抽出成分を含む血糖上昇抑制作用を有する健康食品を実現できる利点はあるが、健康目的に摂取する場合に限られるため、香辛料のように常に自然に摂取するには不向きである。
【0007】
一方、沖縄地域では「コーレーグース」と称して、唐がらしを泡盛に漬け込んで、唐がらしの成分を泡盛中に抽出してなる香辛料が知られている。しかしながら、唐がらしによる刺激が強すぎるため、愛用者は限られており、一般的でない。
【0008】
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、前記のように血糖上昇抑制などの効能が知られているヨモギを原料とするが、脂肪燃焼に有効な唐がらし成分をおいしく抵抗無く摂取可能とすることにある。すなわち、コーレーグースより刺激が少なく、円やかさに富んだヨモギ唐がらし香辛料を実現する。このように、円やかさに富んだヨモギ唐がらし香辛料であるため、汎用性に富み、各種の料理に抵抗無く広く利用されることとなり、その結果、使用頻度も増えるので、血糖上昇抑制作用などの健康に良いヨモギ成分を自然においしく摂取できる。
【0009】
最近、唐がらしに含まれる「カプサイシン」と呼ばれる辛味成分には、脂肪を燃焼させる効果があることが知られてきたが、辛すぎて大量には摂取できないという問題が指摘されている。したがって、本発明のように、広範な料理に常に愛用可能な円やかさに富んだヨモギエキス入りのコーレーグースが出現すると、糖尿病予防や美容目的の肥満対策にも貢献できる。
【0010】
また、内蔵にたまった脂肪は、体に有害な活性酸素を増加させ、高血圧や糖尿病などを引き起こすことを下村伊一郎大阪大学教授(内分泌代謝学)らが突き止め、米医学雑誌に平成16年12月16日発表した、という新聞報道がある。唐がらし成分は、前記のように脂肪を燃焼させるから、体に有害な活性酸素を抑制する上でも効果的である。したがって、ヨモギエキスと唐がらしエキスを焼酎の中に抽出して、おいしく頻繁に摂取できると、活性酸素の抑制の上でも極めて有望な香辛料となる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、焼酎に少なくともヨモギと唐がらしを浸漬して、ヨモギエキスと唐がらしエキスを抽出することを特徴とするヨモギ唐がらし香辛料の製造方法である。ヨモギと唐がらしは、それぞれの抽出のタイミングを完全にずらしてもよいし、同時に浸漬し抽出してもよい。すなわち、ヨモギと唐がらしの浸漬開始は、ほぼ同時でもよいが、先にヨモギを浸漬して、ヨモギが十分に抽出されてから、唐がらしを浸漬し始めてもよい。エキスを抽出した後は、ヨモギや唐がらしは取り出してもよいが、唐がらしは残しておいてもよい。
【0012】
このように、脂肪を燃焼させる唐がらしだけでなく、ヨモギも焼酎に浸漬してそれぞれのエキスを抽出してあるため、従来のように、唐がらしだけを浸漬してある唐がらし香辛料(コーレーグース)と違って、ヨモギの香ばしさも加わって味が円やかになり、刺すような鋭さが解消されるので、老若男女を問わず、普及が期待できる。また、従来の唐がらしのみの香辛料は、沖縄そばや豚足料理に用途が限定されているが、本発明のような方法で製造されたヨモギ唐がらし香辛料は、通常のみそ汁などにも汎用的に利用でき、利用領域が格段と広がる。その結果、一人当たりの消費量も自然と増えることになり、体脂肪の燃焼作用による活性酸素の抑制といった効果を奏する。
【0013】
請求項2は、焼酎に少なくともヨモギを浸漬してヨモギエキスを抽出してから、少なくとも唐がらしを浸漬することを特徴とする請求項1に記載のヨモギ唐がらし香辛料の製造方法である。このように、ヨモギを浸漬して、ヨモギエキスをある程度抽出してから、唐がらしを浸漬する方法によると、先にヨモギだけを浸漬してヨモギエキスを十分に又はある程度抽出してから、唐がらしを浸漬するので、唐がらしの風味が強すぎて、ヨモギの風味が弱すぎるのを解消して、ヨモギの風味を存分に増強できる。その結果、辛味の強い唐がらしが入っているにも係わらす、ヨモギエキスの作用によって、円やかな風味を効果的に引き出すことができ、脂肪を燃焼させる唐がらし成分の摂取が容易になる。
【0014】
請求項3は、泡盛に生の又は乾燥したヨモギを浸漬してヨモギエキスを抽出してから、生の又は乾燥した唐がらしを浸漬し、かつ浸漬したまま残置し、該ヨモギは取り出すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヨモギ唐がらし香辛料の製造方法である。ヨモギや唐がらしのエキスを抽出するには、焼酎の中でも泡盛が適しており、それぞれの風味が融合して、円やかな風味を出すのに適している。また、ヨモギは、生のまま浸漬してもよいが、乾燥したヨモギを浸漬してもよい。このときの乾燥の程度は任意であり、陰干し程度でもよいし、乾燥機などによって十分に乾燥させてもよい。唐がらしも、生のままでもよいが、乾燥させた唐がらしを浸漬してもよい。なお、唐がらしは抽出した後も残したままでもよいが、商品価値を高める上では、抽出後のヨモギは取り出し、残さない方がよい。なお、抽出後のヨモギを取り出すタイミングは、出荷前であれば、どの時点でもよい。
【0015】
請求項4は、焼酎に少なくともヨモギを浸漬してヨモギエキスを抽出してなるヨモギ抽出液と、焼酎に少なくとも唐がらしを浸漬して唐がらしエキスを抽出してなる唐がらし抽出液とを混ぜることを特徴とするヨモギ唐がらし香辛料の製造方法である。このように、焼酎にヨモギを浸漬してヨモギエキスを抽出してなるヨモギ抽出液と、焼酎に唐がらしを浸漬して唐がらしエキスを抽出してなる唐がらし抽出液とを混ぜる製法によっても、ヨモギエキスと唐がらしエキスが抽出されたヨモギ唐がらし香辛料を製造可能である。このように、予め別々に抽出したヨモギ抽出液と唐がらし抽出液とを混ぜる製法の場合は、それぞれの配合割合を容易に選択設定でき、その結果、ヨモギ成分と唐がらし成分との比率を好みに応じて自由に設定できるという利点がある。また、それぞれ独立に抽出するので、抽出濃度の設定も大雑把で足り、配合によって濃度調整もできる。なお、抽出済みのあるいは新たな唐がらしを製品中に入れておくこともできる。
【0016】
請求項5は、請求項3の製法で泡盛に生の又は乾燥したヨモギを浸漬してヨモギエキスを抽出してから、生の又は乾燥した唐がらしを浸漬し、かつ浸漬したまま残置し、該ヨモギは取り出してなることを特徴とするヨモギ唐がらし香辛料である。このように、請求項3の製法で泡盛に生の又は乾燥したヨモギを浸漬してヨモギエキスを抽出してから、生の又は乾燥した唐がらしを浸漬し、かつ浸漬したまま残置し、該ヨモギは取り出してなるヨモギ唐がらし香辛料は、ヨモギエキスの作用によって、唐がらしの辛味が緩和されて、風味の円やかな香辛料となる。その結果、脂肪を燃焼させる唐がらし成分を含む香辛料を、老若男女を問わず、抵抗無く日常的に愛用できる。また、各種の料理に普遍的に適用できる。その結果、唐がらし成分の摂取が容易になり、体脂肪の燃焼による肥満対策に寄与できる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1のように、脂肪を燃焼させる唐がらしだけでなく、ヨモギも焼酎に浸漬してそれぞれのエキスを抽出してあるため、従来のように、唐がらしだけを浸漬してある唐がらし香辛料と違って、味が円やかになり、刺すような鋭さが解消されるので、老若男女を問わず、普及が期待できる。また、従来の唐がらしのみの香辛料は、沖縄そばや豚足料理に用途が限定されているが、本発明のような方法で製造されたヨモギ唐がらし香辛料は、通常のみそ汁などにも汎用的に利用でき、利用領域が格段と広がる。その結果、一人当たりの消費量も自然と増えることになり、体脂肪の燃焼作用による活性酸素の抑制といった効果を奏する。
【0018】
請求項2のように、ヨモギを浸漬して、ヨモギエキスをある程度抽出してから、唐がらしを浸漬する方法によると、先にヨモギだけを浸漬してヨモギエキスを十分に又はある程度抽出してから、唐がらしを浸漬するので、唐がらしの風味が強すぎて、ヨモギの風味が弱すぎるのを解消して、ヨモギの風味を存分に増強できる。その結果、辛味の強い唐がらしが入っているにも係わらす、ヨモギエキスの作用によって、円やかな風味を効果的に引き出すことができ、脂肪を燃焼させる唐がらし成分の摂取が容易になる。
【0019】
請求項3のように、ヨモギや唐がらしのエキスを抽出するには、焼酎の中でも泡盛が適しており、それぞれの風味が融合して、円やかな風味を出すのに適している。また、ヨモギは、生のまま浸漬してもよいが、乾燥したヨモギを浸漬してもよい。このときの乾燥の程度は任意であり、陰干し程度でもよいし、乾燥機などによって十分に乾燥させてもよい。唐がらしも、生のままでもよいが、乾燥させた唐がらしを浸漬してもよい。なお、唐がらしは抽出した後も残したままでもよいが、商品価値を高める上では、抽出後のヨモギは取り出し、残さない方がよい。
【0020】
請求項4のように、焼酎にヨモギを浸漬してヨモギエキスを抽出してなるヨモギ抽出液と、焼酎に唐がらしを浸漬して唐がらしエキスを抽出してなる唐がらし抽出液とを混ぜる製法によっても、ヨモギエキスと唐がらしエキスが抽出されたヨモギ唐がらし香辛料を製造可能である。このように、予め別々に抽出したヨモギ抽出液と唐がらし抽出液とを混ぜる製法の場合は、それぞれの配合割合を容易に選択設定でき、その結果、ヨモギ成分と唐がらし成分との比率を好みに応じて自由に設定できるという利点がある。また、それぞれ独立に抽出するので、抽出濃度の設定も大雑把で足り、配合によって濃度調整もできる。
【0021】
請求項5のように、請求項3の製法で泡盛に生の又は乾燥したヨモギを浸漬してヨモギエキスを抽出してから、生の又は乾燥した唐がらしを浸漬し、かつ浸漬したまま残置し、該ヨモギは取り出してなるヨモギ唐がらし香辛料は、ヨモギエキスの作用によって、唐がらしの辛味が緩和されて、風味の円やかな香辛料となる。その結果、脂肪を燃焼させる唐がらし成分を含む香辛料を、老若男女を問わず、万人が抵抗無く愛用できる。また、各種の料理に普遍的に適用できる。その結果、唐がらし成分の摂取が容易になり、体脂肪の燃焼による肥満対策に寄与できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に本発明によるヨモギ唐がらし香辛料とその製造方法が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は、本発明によるヨモギ唐がらし香辛料の製造方法を示すフローチャートである。本発明のヨモギ唐がらし香辛料を製造するには、原料として焼酎とヨモギと唐がらしを用いる。ヨモギは葉のみを採取して用いてもよいし、茎のついたまま用いてもよい。また、採取したヨモギをそのまま、泡盛などの焼酎に浸漬してもよいが、予め乾燥してから用いてもよい。乾燥の程度や乾燥方法は任意であるが、乾燥機などで充分に乾燥してもよいし、陰干しする程度でもよい。なお、予め洗浄したり、異物を除去したりすることは言うまでもない。唐がらしも、予め選別したり洗浄するなどの前処理をした後、生のままで焼酎に浸漬してもよいが、乾燥させてから用いてもよい。この場合の乾燥程度や乾燥方法も任意であり、乾燥機で乾燥してもよいし、陰干し程度でもよい。
【0023】
ステップS1のように、前記のように前処理したヨモギと泡盛などの焼酎を原料として用意し、ステップS2において、焼酎の中にヨモギを浸漬する。2週間程度浸漬すると、ステップS3のように、ヨモギの成分が焼酎の中に抽出される。次に、ステップS5のように唐がらしを浸漬するが、ヨモギを焼酎の中に残したままで、唐がらしを追加して、浸漬してもよいし、ステップS4のようにヨモギは取り出してから、唐がらしのみを浸漬してもよい。ヨモギを取り出した後、フィルターで濾過すると、ヨモギの細かい葉切れや屑などを排除でき、商品価値の低下を防げる。
【0024】
なお、泡盛などの焼酎のアルコール度数は、30度程度が適しているが、市販の20〜43度のどれを使用してもよい。アルコール度数はさらに高い方が抽出効果は高いが、後で希釈する工程が必要となる。唐がらしは、沖縄で産出する島唐がらしが適しているが、これに限定されるものではない。タイでは辛くない種類の唐がらしも産出するというので、唐がらしの辛味を受け付けない人のために、このような唐がらしも使用可能である。
【0025】
ヨモギや唐がらしを焼酎に浸漬するタイミングは、同時でもよいし、ずらして浸漬してもよい。図2は、ヨモギや唐がらしを焼酎に浸漬するタイミングの違いを示すタイムチャートであり、(1)は前記のように、ヨモギを焼酎の中に残したままで、唐がらしを追加して、浸漬した例である。そして、唐がらしを浸漬している途中でヨモギを取り出してから、出荷する。これに対し、(2)の場合は、ヨモギを取り出してから、唐がらしのみを投入し浸漬している。
【0026】
唐がらしも、2週間程度浸漬すると、唐がらし成分が大体抽出完了するので、香辛料として使用に適した状態となる。したがって、製品として出荷可能となる。出荷から、消費者に届くまで時間を要する場合は、その期間を予測して、早めに出荷することもできる。つまり、出荷から消費者の下に届くまでの間にも、唐がらしエキスの抽出が進行する。
【0027】
前記のように、唐がらしは焼酎の中に残したまま、製品として出荷してもよいが、抽出後の唐がらしは取り出してから出荷してもよい。このとき、予めフィルターで濾過してから、出荷してもよい。赤く熟した唐がらしは残しておくと、見た目に美しいし、唐がらしのエキスが入っていることが一目で分かるという利点がある。これに対し、ヨモギの場合は、残しておく利点はあまり考えられない。見た目にも特に美しいものでもないので、取り出すのが望ましい。ただ、取り出すタイミングであるが、(2)のように、唐がらしを投入し浸漬する前に取り出してもよいし、(1)のように、唐がらしを投入してある程度浸漬してから、ヨモギだけを取り出すこともできる。ヨモギのくずが残っている場合もあるので、ヨモギを取り出した後にフィルターで濾過するのがよい。
【0028】
あるいは、(3)(4)のように、最初から、ヨモギと唐がらしを焼酎に投入して浸漬してもよい。そして、(3)のように、ヨモギだけを取り出してから出荷してもよいし、(4)のように、唐がらしも取り出してもよい。前記と逆に、唐がらしを先に浸漬して、唐がらしのエキスが抽出されてから、ヨモギを投入して浸漬することも不可能ではないが、ヨモギの抽出効率が低下するため、唐がらしの辛味が強すぎるという問題が生じる。しかし、辛い方を好む人向きや、脂肪の燃焼効果を上げるには、この製法も可能である。
【0029】
ヨモギと唐がらしを別々に抽出してから配合することも可能である。すなわち、焼酎に少なくともヨモギを浸漬してヨモギエキスを抽出してヨモギ抽出液を製造する。また、焼酎に少なくとも唐がらしを浸漬して唐がらし抽出液を製造する。そしてヨモギ抽出液と唐がらし抽出液とを適当な割合で配合する。このように、別々に抽出してから配合する場合は、それぞれの配合割合を容易に選択し設定できるので、ヨモギ成分と唐がらし成分との比率を好みに応じて自由に設定できる。それぞれ独立に抽出するので、抽出濃度の調整は容易であり、配合によっても濃度調整できる。なお、出荷する製品中に、抽出済みの又は新たな唐がらしを入れておくこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上のように、焼酎に少なくともヨモギを浸漬してヨモギエキスを抽出してから、少なくとも唐がらしを浸漬して、唐がらしエキスを抽出する製法によると、ヨモギの風味が引き立ち、脂肪を燃焼させる唐がらしのエキスが抽出されているにも係わらず、刺激的な辛味が抑えられて、円やかさが強調される。その結果、誰でも抵抗無くかつおいしく、日常的に各種の料理に利用でき、自ずと使用頻度も増えるので、糖尿病予防や肥満対策にも良いと言われているヨモギと唐がらしの成分を自然に常に摂取でき、健康増進に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明によるヨモギ唐がらし香辛料の製造方法の実施形態を示すフローチャートである。
【図2】ヨモギや唐がらしを焼酎に浸漬するタイミングの違いを示すタイムチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼酎に少なくともヨモギと唐がらしを浸漬して、ヨモギエキスと唐がらしエキスを抽出することを特徴とするヨモギ唐がらし香辛料の製造方法。
【請求項2】
焼酎に少なくともヨモギを浸漬してヨモギエキスを抽出してから、少なくとも唐がらしを浸漬することを特徴とする請求項1に記載のヨモギ唐がらし香辛料の製造方法。
【請求項3】
泡盛に生の又は乾燥したヨモギを浸漬してヨモギエキスを抽出してから、生の又は乾燥した唐がらしを浸漬し、かつ浸漬したまま残置し、該ヨモギは取り出すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヨモギ唐がらし香辛料の製造方法。
【請求項4】
焼酎に少なくともヨモギを浸漬してヨモギエキスを抽出してなるヨモギ抽出液と、焼酎に少なくとも唐がらしを浸漬して唐がらしエキスを抽出してなる唐がらし抽出液とを混ぜることを特徴とするヨモギ唐がらし香辛料の製造方法。
【請求項5】
請求項3のように、泡盛に生の又は乾燥したヨモギを浸漬してヨモギエキスを抽出してから、生の又は乾燥した唐がらしを浸漬し、かつ浸漬したまま残置し、該ヨモギは取り出してなることを特徴とするヨモギ唐がらし香辛料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−166851(P2006−166851A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−366894(P2004−366894)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(504465099)
【Fターム(参考)】