説明

ライセンス管理システム

【課題】 1つのソフトウェアのライセンス認証要求で複数のソフトウェアのライセンスを一括で認証することができるライセンス管理システムを提供する。
【解決手段】 複数のソフトウェアのライセンスを管理するライセンス管理システムであって、統合商品をグループ化して統合商品の商品構成を追加する手段と、統合商品に1つのライセンスアクセス番号を割り当てて発行する手段と、ライセンスアクセス番号をチェックする手段と、1つのソフトウェアの認証要求があると、このソフトウェアと同じグループに属するすべてのソフトウェアを検索する手段と、グループ内のソフトウェアのライセンスをすべて発行する手段とを有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のソフトウェアのライセンスを認証するためのライセンス認証技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来は、統合商品では複数のソフトウェアのライセンスを1つずつ認証していた。また、統合商品は様々なソフトウェアの組合せをとり、ライセンス管理システムではソフトウェアを個別に管理しているので、1つの統合商品を仕立てるには1つのCDに対して商品構成ごとのソフトウェアを入れて複数のライセンスアクセス番号を発行していた。
【0003】
なお、複数のコンテンツのライセンスを発行する手間を軽減するために、複数のコンテンツをグループ化する。次に、グループの中で1つのライセンスが既に発行されていれば、同じグループ内のコンテンツを視聴するとき、このライセンスを発行しなくても視聴できるようにする技術が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−327194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、統合商品では複数のソフトウェアのライセンスを1つずつ認証するには手間がかかるという問題があった。また、統合商品は複数のライセンスアクセス番号が必要であり、ライセンスアクセス番号の管理や発行が煩雑であった。さらに、統合商品の商品構成ごとに統合商品のマスタCDを作成する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係わるシステムは、複数のソフトウェアのライセンスを管理するライセンス管理システムであって、
統合商品をグループ化して統合商品の商品構成を追加する手段と、
統合商品に1つのライセンスアクセス番号を割り当てて発行する手段と、
ライセンスアクセス番号をチェックする手段と、
1つのソフトウェアの認証要求があると、このソフトウェアと同じグループに属するすべてのソフトウェアを検索する手段と、
グループ内のソフトウェアのライセンスをすべて発行する手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、1つのソフトウェアのライセンス認証要求で複数のソフトウェアのライセンスを一括で認証することができる。また、統合商品を1つのライセンスアクセス番号で管理でき、1つの統合商品に対して1つのライセンスアクセス番号を発行するだけでよい。さらに、統合商品の商品構成ごとに統合商品のマスタCDを作成する必要がなくなり、1枚のマスタCDで統合商品の商品構成を複数提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【実施例1】
【0008】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
なお、本発明において、統合商品とは複数のソフトウェアを統合化した商品のことであり、ライセンスアクセス番号とはライセンスごとに割り当てられる番号のことである。クライアント個体識別子とはクライアントを一意に識別するための識別子のことであり、デバイスシリアル番号とは複合機を一意に識別するための番号のことである。ソフトウェア種類としては、クライアント上で動作する「クライアントソフトウェア」と、複合機上で動作する「デバイスソフトウェア」がある。グループ種類としては、ソフトウェア種類がクライアントソフトウェアであることを示す「クライアント」と、ソフトウェア種類がデバイスソフトウェアであることを示す「デバイス」がある。
【0010】
図1は、ライセンス管理システムの全体構成を示すブロック図である。ライセンス管理システムは、管理サーバ101、クライアント102、103、及び複合機104を含み、これらはネットワーク105を介して相互に接続されている。
【0011】
図2は、図1に示した管理サーバ101及びクライアント102、103のハードウェア構成を示すブロック図である。管理サーバ101及びクライアント102、103は、ハードウェア構成上、特別な差異がないため、ここでは、管理サーバの構成について説明する。管理サーバ101には、CPU201、RAM202、ROM203、HD(ハードディスク)204、表示部205、キーボード206、ポインティングデバイス207、及び通信I/F(インタフェース)208などがある。それらは、システムバス209を介して相互に接続されている。
【0012】
管理サーバ101を制御する各種のプログラムは、ROM203もしくはHD204に格納されており、必要に応じてRAM202に読み出されてCPU201によって実行される。CPU201は、キーボード206又はポインティングデバイス207からの指示に応じてプログラムをRAM202に展開したり、RAM202に展開したプログラムに基づいて処理を実行したりする。
【0013】
上記の各種のプログラムには、通信I/F208を介してクライアント102、103、及び複合機104との間で統合商品の商品構成などの情報を送受信するプログラムも含まれている。
【0014】
図3は、統合商品の商品構成の入力からライセンスの発行までのライセンス一括認証のフローを示す図である。
【0015】
ベンダは統合商品の商品構成の入力からライセンスアクセス番号の発行までを行うことによって、統合商品の商品構成を設定し、統合商品のライセンス番号を発行する。統合商品のマスタCDを作成し、マスタCDとライセンスアクセス番号をパッケージにして統合商品を販売する。
【0016】
ユーザは統合商品(マスタCD&ライセンスアクセス番号)の購入からライセンスの発行までを行うことによって、複数のソフトウェアのライセンスを発行する。
【0017】
デバイスソフトウェアのライセンス一括認証を行う場合、ユーザはデバイスソフトウェアの対象となる複合機のデバイスシリアル番号を調べて取得する。
【0018】
図4は、統合商品の商品構成を示す図である。統合商品には複数のグループがあり、さらに各グループには複数のソフトウェアが属している。グループごとにソフトウェアのライセンス権利数を定めることができる。
【0019】
図5は、1枚のマスタCDで複数の商品構成を提供できることを示す図である。統合商品の商品構成は管理サーバ上で管理されており、複数の商品構成を設定できるので、1枚のマスタCDで複数の商品構成を提供することができる。また、統合商品(マスタCD)の販売後であっても、管理サーバに新規の商品構成を追加でき、新規の商品構成を販売後のマスタCDで提供することもできる。
【0020】
図5にあるように、統合商品「PP01」の商品構成は管理サーバ上に設定されているとする。統合商品「PP01」の販売後に、新規に統合商品「QQ01」の商品構成を管理サーバに追加すれば、統合商品「PP01」と同じマスタCDで新規の統合商品「QQ01」の商品構成を提供することができる。
【0021】
図6は、ライセンス一括認証の処理で使用される管理テーブルを示す図である。
【0022】
統合商品テーブルは統合商品の商品構成を管理するために使用され、統合商品、グループ番号、グループ種類、ライセンス権利数、及びソフトウェアの情報を保有している。
【0023】
ライセンスアクセス番号テーブルは統合商品とライセンスアクセス番号の対応付けを管理するために使用される。
【0024】
ライセンステーブルはライセンスを管理するために使用され、ライセンス、ソフトウェア、クライアント個体識別子、デバイスシリアル番号、ライセンスアクセス番号の情報を保有している。
【0025】
図7は、ライセンス一括認証の処理を示すフローチャートである。
【0026】
以下に、本フローチャートを用いてライセンス一括認証の処理を説明する。
【0027】
ステップS701において、クライアントは統合商品の商品構成を入力する。ここでは、図6の統合商品テーブルにあるように、統合商品「PP01」の商品構成を入力したこととする。
【0028】
ステップS702において、管理サーバは入力された統合商品の商品構成を統合商品テーブルに追加する。ここでは、図6の統合商品テーブルにあるように、統合商品「PP01」の商品構成を追加したこととする。
【0029】
ステップS703において、クライアントは統合商品を選択し、統合商品のライセンスアクセス番号を管理サーバに要求する。ここでは、統合商品「PP01」を選択したこととする。
【0030】
ステップS704において、管理サーバは選択された統合商品のライセンスアクセス番号を発番する。ここでは、ライセンスアクセス番号「LA01」を発番したこととする。
【0031】
ステップS705において、管理サーバはライセンスアクセス番号と統合商品の対応付けをライセンスアクセス番号テーブルに追加する。ここでは、ライセンスアクセス番号「LA01」と統合商品「PP01」をライセンスアクセス番号テーブルに追加したこととする。
【0032】
ステップS706において、管理サーバはライセンスアクセス番号をクライアントに発行する。
【0033】
ステップS711において、クライアントは1つのソフトウェアをインストールする。ここでは、ソフトウェア「AA03」をインストールしたこととする。
【0034】
ステップS712において、インストールされたソフトウェアの種類がクライアントソフトウェアであるか、デバイスソフトウェアであるかを調べる。クライアントソフトウェアであれば、ステップS713へ進み、デバイスソフトウェアであれば、ステップS715へ進む。ここでは、ソフトウェアの種類は「クライアントソフトウェア」であったこととする。
【0035】
ステップS713において、クライアントはインストールされたソフトウェアのライセンスアクセス番号を入力する。ここでは、ライセンスアクセス番号「LA01」を入力したこととする。
【0036】
ステップS714において、クライアントは自身のクライアント個体識別子を調べ、クライアント個体識別子とインストールされたソフトウェアの名称を管理サーバに送信し、ステップS717へ進む。ここでは、ソフトウェア名称「AA03」とクライアント個体識別子「CI03」を送信したこととする。
【0037】
ステップS715において、クライアントはインストールされたソフトウェアのライセンスアクセス番号と複合機のデバイスシリアル番号を入力し、管理サーバに送信する。
【0038】
ステップS716において、クライアントはインストールされたソフトウェアの名称を管理サーバに送信する。
【0039】
ステップS717において、管理サーバは「ライセンスアクセス番号が発行済みであるか」、「該当のライセンスがまだ発行されていないか」、「ライセンスの権利数がまだ残っているか」を調べて、ライセンスアクセス番号の正否を判定する。OKであれば、ステップS718へ進み、NGであれば、本処理を終了する。ここでは、「OK」であったこととする。
【0040】
ステップS718において、管理サーバはインストールされたソフトウェア「AA03」と同じグループに属するすべてのソフトウェアを検索する。ここでは、ソフトウェア「AA03、AA04、AA05」を検索したこととする。
【0041】
ステップS719において、管理サーバは検索されたソフトウェアのライセンスを作成し、ライセンスの情報をライセンステーブルに追加する。ここでは、ライセンス「L04AA03、L04AA04、L04AA05」を作成したこととする。また、図6のライセンステーブルにあるように、作成されたライセンス「L04AA03、L04AA04、L04AA05」の情報をライセンステーブルに追加したこととする。
【0042】
ステップS720において、管理サーバは作成されたライセンスをクライアントに発行する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のライセンス管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】管理サーバ及びクライアントのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】ライセンス一括認証の一連のフローを示す図である。
【図4】統合商品の商品構成を示す図である。
【図5】1枚のマスタCDで複数の商品構成を提供できることを示す図である。
【図6】ライセンス一括認証の処理で使用される管理テーブルを示す図である。
【図7】ライセンス一括認証の処理を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のソフトウェアのライセンスを管理するライセンス管理システムであって、
統合商品をグループ化して統合商品の商品構成を追加する手段と、
統合商品に1つのライセンスアクセス番号を割り当てて発行する手段と、
ライセンスアクセス番号をチェックする手段と、
1つのソフトウェアの認証要求があると、このソフトウェアと同じグループに属するすべてのソフトウェアを検索する手段と、
グループ内のソフトウェアのライセンスをすべて発行する手段と、
を有することを特徴とするライセンス管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−48466(P2009−48466A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−214851(P2007−214851)
【出願日】平成19年8月21日(2007.8.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】