ライセンス管理装置及びプログラム
【課題】ある情報処理装置に対するライセンスの可否を他の情報処理装置に応じて変えられるようにする。
【解決手段】ライセンサーのライセンス管理装置100は、ライセンシーの情報処理装置200についてライセンス情報を管理する。ライセンス管理装置100は、あらかじめ決められた数の情報処理装置200毎にライセンス情報の有効・無効を管理する。情報処理装置200においては、ライセンスを要する機能を実行するためには、繰り返しアクティベートを行うことが必要である。アクティベートに際し、情報処理装置200は、ライセンス管理装置100に対して機能の使用を要求する通信を行う。ライセンス管理装置100は、ライセンス情報が割り当てられている情報処理装置200からあらかじめ決められた条件(日数や回数など)で要求が取得されなかった場合には、当該ライセンス情報の割り当てを、ライセンス情報が割り当てられていない他の情報処理装置200に変更する。
【解決手段】ライセンサーのライセンス管理装置100は、ライセンシーの情報処理装置200についてライセンス情報を管理する。ライセンス管理装置100は、あらかじめ決められた数の情報処理装置200毎にライセンス情報の有効・無効を管理する。情報処理装置200においては、ライセンスを要する機能を実行するためには、繰り返しアクティベートを行うことが必要である。アクティベートに際し、情報処理装置200は、ライセンス管理装置100に対して機能の使用を要求する通信を行う。ライセンス管理装置100は、ライセンス情報が割り当てられている情報処理装置200からあらかじめ決められた条件(日数や回数など)で要求が取得されなかった場合には、当該ライセンス情報の割り当てを、ライセンス情報が割り当てられていない他の情報処理装置200に変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライセンスを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトウェア等の使用に際しては、不正な使用を防止するためのライセンス管理が行われることがある。例えば、特許文献1には、あらかじめ決められたライセンス数を超える使用を制限する技術が記載されている。また、特許文献2には、インターネットを介して定期的にソフトウェアの認証を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−49435号公報
【特許文献2】特開2001−337732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1又は2に記載された技術によったのでは、不正の目的でない使用が制限され、使用者の利便性を損なう場合がある。
そこで、本発明は、ある情報処理装置に対するライセンスの可否を他の情報処理装置に応じて変えられるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るライセンス管理装置は、情報処理装置により所定の機能を使用する要求を取得する取得部と、前記機能の使用の可否を第1の情報処理装置について記述したライセンス情報を記憶部から読み出す読出部と、前記取得部により前記要求が取得された情報処理装置における前記機能の使用の可否を前記ライセンス情報に基づいて判定する判定部と、前記判定部による判定結果を通知する通知部とを備え、前記判定部が、前記第1の情報処理装置と異なる第2の情報処理装置から前記要求が取得された場合に、当該第2の情報処理装置における前記機能の使用の可否を、前記第1の情報処理装置に係る前記要求の取得状況に応じて判定する構成を有する。この構成によれば、ライセンス情報に記述されていない第2の情報処理装置であっても、第1の情報処理装置による要求の取得状況に応じて所定の機能の使用が許可される場合がある。
【0006】
本発明に係るライセンス管理装置は、前記判定部が、前記第1の情報処理装置に係る前記要求があらかじめ決められた条件を満たさない場合に、前記第1の情報処理装置に対する許可を取り消し、前記第2の情報処理装置に対して前記機能の使用を許可する構成であってもよい。この構成によれば、所定の機能の許可の対象を第1の情報処理装置から第2の情報処理装置に置き換えることができる。
また、本発明に係るライセンス管理装置は、前記判定部が、前記第1の情報処理装置に係る前記要求があらかじめ決められた条件を満たす場合に、前記第2の情報処理装置における前記機能の使用を一時的に許可する構成であってもよい。この構成によれば、ライセンス情報により決められるライセンス数を超える数の情報処理装置に、所定の機能の使用を一時的に許可させることができる。
また、本発明に係るライセンス管理装置は、前記判定部による判定結果に応じて前記記憶部に記憶されたライセンス情報を書き換える書換部を備える構成であってもよい。この構成によれば、ライセンス情報による管理対象を置き換え、その管理を容易にすることができる。
【0007】
本発明に係るプログラムは、コンピューターに、情報処理装置により所定の機能を使用する要求を取得する取得部と、所定の機能の使用の可否を第1の情報処理装置について記述したライセンス情報を記憶部から読み出す読出部と、前記取得部により前記要求が取得された情報処理装置における前記機能の使用の可否を前記ライセンス情報に基づいて判定する判定部であって、前記第1の情報処理装置と異なる第2の情報処理装置から前記要求が取得された場合に、当該第2の情報処理装置における前記機能の使用の可否を、前記第1の情報処理装置に係る前記要求の取得状況に応じて判定する判定部と、前記判定部による判定結果を通知する通知部とを実現させるための構成を有する。かかるプログラムは、本発明に係るライセンス管理装置と同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ライセンス管理システムの構成を示すブロック図
【図2】ライセンス管理装置及び情報処理装置の構成を示すブロック図
【図3】ライセンス管理装置が実現する機能を示す機能ブロック図
【図4】ライセンス情報を例示する図
【図5】情報処理装置が実現する機能を示す機能ブロック図
【図6】ライセンス管理システムにおける処理を示すシーケンスチャート
【図7】ライセンス情報の初期値を例示する図
【図8】判定処理を示すフローチャート
【図9】状況判定処理を示すフローチャート
【図10】入替判定処理を示すフローチャート
【図11】判断処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態であるライセンス管理システムの構成を示すブロック図である。本実施形態のライセンス管理システム10は、ライセンス管理装置100と、複数の情報処理装置200とを備え、各々をネットワークNW1及びNW2を介して通信可能に接続した構成である。ネットワークNW1は、例えばインターネットであり、ネットワークNW2は、例えば企業等の所定の組織(ライセンシー)単位で構築されたLAN(Local Area Network)である。
【0010】
本実施形態は、情報処理装置200及びネットワークNW2を有するライセンシーが所定数のライセンスを購入し、ライセンス管理装置100を有するライセンサーがライセンスを管理する形態を想定したものである。なお、ライセンサーは、複数のライセンシーのライセンスを管理するものであってもよい。この場合、ネットワークNW1には、各々のライセンシーに相当する情報処理装置200及びネットワークNW2が接続されるが、ここではかかる図示を省略する。また、情報処理装置200は、ネットワークNW2を経由せずに、ネットワークNW1に直接接続されてもよい。
【0011】
本発明において、「ライセンス」とは、所定の機能の使用を許可することをいい、当該許可に係る諸権利のことをさらに含むものである。本実施形態において、「所定の機能」は、情報処理装置200が特定のソフトウェアを実行することにより実現されるものとし、以下においては「要ライセンス機能」という。また、ライセンスは、情報処理装置200(又はその使用者)毎に設定されるものである。よって、例えば、ライセンシーが複数の情報処理装置200において要ライセンス機能を使用する場合であれば、ライセンシーが複数のライセンスを購入する必要がある。情報処理装置200は、必要に応じて要ライセンス機能を有効にするための処理(以下、「アクティベート」という。)を実行するとともに、要ライセンス機能の実行が許可された場合に当該機能を実行する。
【0012】
図2は、ライセンス管理装置100及び情報処理装置200の構成を示すブロック図である。同図に示すように、ライセンス管理装置100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、操作部140と、表示部150とを備える。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置やメモリーを備え、あらかじめ記憶さ
れたプログラムを実行することによりライセンス管理装置100の動作を制御する。記憶部120は、書き換え可能な不揮発性メモリーを備え、ライセンスに関するデータであるライセンス情報を記憶する。通信部130は、ネットワークNW1及びNW2を介して情報処理装置200の通信部230と接続され、データの送受信を行う。通信部130による接続は、有線又は無線のいずれであってもよい。操作部140は、キーボード等の入力装置を備え、使用者による操作を受け付ける。操作部140は、使用者の操作を表す操作情報を生成し、制御部110に供給する。表示部150は、表示装置を備え、制御部110からの指示に応じた画像を表示する。なお、操作部140は、タッチスクリーンとして表示部150と一体に構成されていてもよい。
【0013】
図3は、ライセンス管理装置100の制御部110が実現する機能を示す機能ブロック図である。制御部110は、1又は複数のプログラムを実行することによって、読出部111、取得部112、判定部113、通知部114及び書換部115に相当する機能を実現する。読出部111は、記憶部120から必要なライセンス情報を読み出す機能を有する。取得部112は、通信部130を介して、アクティベートに際して情報処理装置200から送信される要求を取得する機能を有する。判定部113は、取得部112により要求が取得された場合に、当該要求を送信した情報処理装置200における要ライセンス機能の実行の可否を判定する機能を有する。判定部113は、記憶部120から読み出されたライセンス情報に基づいてこの判定を行う。通知部114は、判定部113による判定結果を、通信部130を介して情報処理装置200に通知する機能を有する。書換部115は、必要に応じて、記憶部120に記憶されたライセンス情報を書き換える機能を有する。
【0014】
図4は、ライセンス情報を示す図である。本実施形態のライセンス情報は、図4(a)に示すように、ライセンシー毎に管理されている。ライセンス管理装置100は、ライセンス情報の有効期限とライセンス数を、ライセンシーを識別する識別情報(ライセンシーID)に対応付けて記憶している。ここにおいて、ライセンス数が「3」であるということは、要ライセンス機能の使用が3台の情報処理装置200において許可されていることを示す。
【0015】
ライセンス情報は、図4(b)に示すように、ライセンスの使用状況と、当該ライセンスに係るアクティベートが最後に実行された日時(最終日時)と、当該ライセンスが割り当てられた情報処理装置200を識別する識別情報(装置ID)とを、各々のライセンスを識別する識別情報(ライセンス番号)に対応付けて記述したものである。本実施形態において、ライセンスの使用状況としては、「有効(使用可能)」、「無効(使用不可能)」及び「保留(条件付きで使用可能)」の3種類が設定されている。この使用状況は、アクティベートの実行状況に応じて切り替わる。なお、装置IDは、情報処理装置200に付与された名称や、情報処理装置200が備えるハードウェア(CPU等)又はソフトウェアに固有の情報であってもよいが、使用者が設定したIDやパスワードであってもよい。
【0016】
情報処理装置200は、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、操作部240と、表示部250とを備える。情報処理装置200は、制御部210による制御内容や記憶部220に記憶されたデータを除き、ライセンス管理装置100が有する同名の各部と同様の構成及び機能を有する。なお、情報処理装置200は、各々を区別する必要が
ある場合に限り、これを「情報処理装置200a」、「情報処理装置200b」というように表記する。
【0017】
図5は、情報処理装置200の制御部210が実現する機能を示す機能ブロック図である。制御部210は、1又は複数のプログラムを実行することによって、実行判断部211及び機能実行部212に相当する機能を実現する。実行判断部211は、要ライセンス機能の実行の可否を判断する機能を有する。機能実行部212は、要ライセンス機能を実行する機能を有する。実行判断部211は、所定のタイミングでアクティベートを実行することにより、要ライセンス機能の実行の可否を判断する。なお、実行判断部211による判断は、あらかじめ設定されたスケジュールに従って実行されてもよいし、使用者の操作に応じて実行されてもよい。
【0018】
本実施形態のライセンス管理システム10の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、ライセンス管理装置100は、ライセンスを管理し、情報処理装置200は、ライセンス管理装置100による管理に従って要ライセンス機能を実行する。使用者は、情報処理装置200が要ライセンス機能を実行することによって、当該機能を使用することができる。
【0019】
また、本実施形態の情報処理装置200は、要ライセンス機能を実行するためには、アクティベートを実行する必要がある。情報処理装置200によるアクティベートは、ライセンス管理装置100に接続し、ライセンス管理装置100による要ライセンス機能の実行の可否の判定を受ける処理であり、これに成功すると要ライセンス機能が実行可能になる処理である。なお、本実施形態のアクティベートは、1回行えば足りるものではなく、複数回必要なものである。アクティベートは、あらかじめ決められた頻度での実行が要求される処理であり、本実施形態においては、1日に1回必要な処理であるとする。
また、本実施形態の情報処理装置200は、アクティベートに失敗した場合であっても、一定の条件下において要ライセンス機能を実行可能である。
【0020】
図6は、ライセンス管理装置100及び情報処理装置200における処理の流れを概略的に示すシーケンスチャートである。ライセンス管理装置100においては、まず、ライセンスを設定する処理が行われる(ステップS1)。ライセンスの設定とは、ライセンシーがライセンスを購入した場合に、ライセンサーが購入されたライセンスに関するデータを登録する処理である。このとき、制御部110は、ライセンスの有効期限と、ライセンス数と、それぞれのライセンスに対応する装置IDの入力操作を受け付ける。つまり、ライセンスを最初に付与される情報処理装置200は、あらかじめ決められている。なお、以下の説明においては、便宜的に、装置IDとして情報処理装置200の符号を用いる。
【0021】
ライセンスの設定が行われると、それぞれのライセンス情報の使用状況には、初期値として「有効」が記述される。これにより、ライセンスが付与された情報処理装置200は、要ライセンス機能を使用することが許可された状態になる。
図7は、ライセンス情報の初期値を例示する図である。なお、ここにおいては、「ライセンス番号」及び「最終日時」の記載を省略する。同図に示す例は、情報処理装置200a、200b及び200cに対してライセンスが付与された場合のものである。この場合、情報処理装置200dには、ライセンスが付与されていない。つまり、この例においては、情報処理装置200a、200b及び200cが本発明の「第1の情報処理装置」に相当し、情報処理装置200dが本発明の「第2の情報処理装置」に相当する。
【0022】
情報処理装置200は、ライセンスの設定後、所定のタイミングでアクティベートを行う。このアクティベートにおいて、情報処理装置200は、要ライセンス機能を使用することの要求をライセンス管理装置100に対して送信する(ステップS2)。この要求に
は、情報処理装置200を識別可能な情報(装置ID)が含まれる。ライセンス管理装置100の制御部110は、通信部130を介してこの要求を取得すると、要ライセンス機能の使用の可否を判定する処理(以下、「判定処理」という。)を実行する(ステップS3)。
【0023】
図8は、判定処理を示すフローチャートである。判定処理において、制御部110は、まず、記憶部120からライセンス情報を読み出し(ステップS31)、ライセンスの使用状況を判定する処理(以下、「状況判定処理」という。)を実行する(ステップS32)。状況判定処理は、同一のライセンシー間におけるライセンスの使用状況を判定する処理である。
【0024】
図9は、状況判定処理を示すフローチャートである。状況判定処理において、制御部110は、ライセンスが付与された情報処理装置200のうちに、アクティベートをm日間実行していない情報処理装置200があるか否かを判断する(ステップS321)。ここにおいて、mの値は、あらかじめ決められた任意の値であるが、本実施形態においては「8」であるとする。制御部110は、図4(b)に示す「最終日時」を参照することにより、最後にアクティベートが実行された日時を特定し、ステップS321の判断を行う。制御部110は、アクティベートがm日間実行されてない情報処理装置200があれば、当該装置の「使用状況」を「保留」に変更する(ステップS322)。
【0025】
また、制御部110は、ライセンスが付与された情報処理装置200のうちに、アクティベートをn日間実行していない情報処理装置200があるか否かを判断する(ステップS323)。ここにおいて、nの値は、あらかじめ決められた任意の値(ただし、mより大)であるが、本実施形態においては「10」であるとする。制御部110は、ステップS321と同様の要領でこの判断を行い、アクティベートがn日間実行されてない情報処理装置200があれば、当該装置の「使用状況」を「無効」に変更する(ステップS324)。
【0026】
制御部110は、以上の状況判定処理を終えると、図8の判定処理に戻り、判定処理を続行する。
このように、ライセンスの使用状況は、アクティベートの有無(すなわちステップS2の要求の有無)に基づいて決定されるものである。そのため、状況判定処理は、ライセンスが付与された情報処理装置200からの要求の取得状況を判定する処理であるともいえる。
【0027】
なお、状況判定処理は、図8の判定処理とは独立に実行されてもよい。すなわち、制御部110は、アクティベートの要求があるか否かによらず、適当なタイミングで状況判定処理を実行してもよい。状況判定処理は、1日に1回や、数時間おきなど、定期的に実行されるのが望ましい。
【0028】
制御部110は、状況判定処理の後に、ステップS2において要求を取得した情報処理装置200の使用状況を判断する。すなわち、制御部110は、要求を取得した情報処理装置200の使用状況が「有効」か(ステップS33)、「保留」か(ステップS34)、あるいは「無効」か(ステップS35)を判断する。
【0029】
制御部110は、要求を取得した情報処理装置200の使用状況が「有効」又は「保留」である場合は、要ライセンス機能の実行を許可する判定を行う(ステップS36)。このとき、制御部110は、ライセンス情報を書き換え、「最終日時」を最新のものに更新する(ステップS37)。なお、制御部110は、使用状況が「保留」である場合には、これを「有効」に書き換える。
【0030】
また、制御部110は、要求を取得した情報処理装置200の使用状況が「無効」である場合は、要ライセンス機能の実行を許可しない判定を行う(ステップS38)。このとき、制御部110は、(そもそも当該装置の使用ができないため、)「最終日時」を書き換えない。
【0031】
さらに、制御部110は、要求を取得した情報処理装置200の使用状況が「有効」、「保留」又は「無効」のいずれでもない場合、すなわち使用状況がまだ記録されていない情報処理装置200から要求を取得した場合には、ライセンスの入れ替えを判定する処理(以下、「入替判定処理」という。)を行い(ステップS39)、入れ替え可能なライセンスがあれば、当該装置による要ライセンス機能の実行を許可する。
【0032】
図10は、入替判定処理を示すフローチャートである。入替判定処理において、制御部110は、使用状況が「保留」又は「無効」であるライセンス情報があるか否かを判断する(ステップS391)。制御部110は、使用状況が「保留」又は「無効」であるライセンス情報があれば、これを“空きライセンス”とみなし、当該ライセンス情報の装置IDを入れ替える。すなわち、制御部110は、この場合、要求を取得した情報処理装置200による要ライセンス機能の実行を許可する判定を行い(ステップS392)、ライセンス情報を書き換える(ステップS393)。このとき、制御部110は、ライセンス情報の最終日時と装置IDを書き換え、さらに、使用状況を「有効」に変更する。
【0033】
一方、制御部110は、いずれのライセンス情報も「有効」である場合には、空きライセンスが存在しないとみなし、ライセンスの入れ替えを行わない。ただし、制御部110は、この場合において、要求を取得した情報処理装置200による要ライセンス機能の実行を一時的に許可(一時許可)する判定を行う(ステップS394)。ここにおいて、「一時的」とは、要ライセンス機能の実行を所定期間又は所定回数に限るものをいう。この判定が行われた情報処理装置200は、ライセンス情報に書き込まれないが、ライセンスを仮に付与された状態となる。情報処理装置200のかかる状態のことを、以下においては「仮ライセンス」という。
【0034】
以上より、本実施形態において、ライセンスの入れ替えが発生するのは、使用状況が「保留」又は「無効」であるライセンス情報がある場合である。すなわち、ライセンスの入れ替えが発生するのは、ライセンスを付与された情報処理装置200のいずれかについて、アクティベートの要求が8日以上取得されなかった場合である。換言すれば、この場合、情報処理装置200がライセンスを維持するための条件は、“アクティベートの要求を少なくとも8日に1回は送信する”ということである。情報処理装置200は、この条件を満たさない場合に、ライセンスの入れ替えの対象となる。
【0035】
判定処理を終えると、制御部110は、図6に示すように、判定結果を情報処理装置200に通知する(ステップS4)。このとき、制御部110は、判定結果が「許可」、「不可」又は「一時許可」のいずれであるかを通知し、判定結果が「許可」又は「一時許可」である場合には、要ライセンス機能を実行するためのライセンスファイルをあわせて送信する。ライセンスファイルは、要ライセンス機能の実行態様を記述したファイルであり、要ライセンス機能の実行が許可された情報処理装置200の装置IDや、その有効期間(本実施形態においては、1日)が記述されている。情報処理装置200は、ライセンスファイルに記述された内容に従って要ライセンス機能を実行できるように構成されている。
【0036】
なお、制御部110は、判定結果が「許可」である場合と「一時許可」である場合とでライセンスファイルの記述内容を異ならせてもよい。例えば、制御部110は、判定結果
が「許可」である場合には要ライセンス機能の全部の実行を許可し、判定結果が「一時許可」である場合には要ライセンス機能の一部の機能を制限してもよい。
【0037】
情報処理装置200は、ライセンス管理装置100からの通知を受信すると、この通知に基づいて要ライセンス機能の実行の可否を判断する処理(以下、「判断処理」という。)を実行する(ステップS5)。なお、本実施形態の判断処理には、要ライセンス機能が実行可能である場合に、これを実行する処理をも含む。
【0038】
図11は、判断処理を示すフローチャートである。判断処理において、情報処理装置200の制御部210は、判定結果が「許可」又は「不可」のいずれであるかを判断し(ステップS51、S53)、「許可」であれば要ライセンス機能を実行し(ステップS52)、「不可」であれば要ライセンス機能の実行を禁止する(ステップS54)。
【0039】
また、制御部210は、判定結果が「許可」又は「不可」のいずれでもない場合、すなわち「一時許可」である場合には、あらかじめ設定されたカウント値を増加させ(ステップS55)、これが所定の閾値未満であるか否かを判断する(ステップS56)。制御部210は、カウント値が閾値未満である場合に要ライセンス機能を実行し(ステップS57)、カウント値が閾値以上である場合に要ライセンス機能の実行を禁止する(ステップS58)。
【0040】
カウント値は、情報処理装置200が仮ライセンスを付与された状態で要ライセンス機能を実行している期間を示す値であり、本実施形態においては日数を示している。この場合、カウント値の閾値は、上述したmやnの値を考慮して適宜に設定することが望ましいが、本実施形態においては「10」とする。カウント値の閾値が「10」である場合、情報処理装置200は、仮ライセンスを付与された状態であっても、「10」日間であれば要ライセンス機能を実行可能である。情報処理装置200は、この期間内に空きライセンスが発生し、入替処理が行われれば、仮ライセンスでない正式のライセンスを付与され、要ライセンス機能を制限なく実行することができるようになる。
【0041】
図6に示す処理は、以上のとおりである。以下の具体例は、かかる処理を図7に示す初期値に従って実行した場合について説明したものである。
例えば、情報処理装置200aが要求を送信した場合、ライセンス管理装置100は、要ライセンス機能の実行を許可する。一方、情報処理装置200dが要求を送信した場合、ライセンス管理装置100は、要ライセンス機能の実行を許可しない。
【0042】
また、情報処理装置200aが要ライセンス機能を実行した後に、要求を送信しない日(すなわち、要ライセンス機能を実行しない日)が8日以上連続した場合、ライセンス管理装置100は、情報処理装置200aのライセンス情報を書き換え、使用状況を「有効」から「保留」に変更する。
【0043】
情報処理装置200aは、使用状況が「保留」である期間内にアクティベートを実行すれば、使用状況を再び「有効」に変更することができる。なお、このように「保留」から「有効」に切り替わる場合には、ライセンス管理装置100がその旨をあわせて通知するようにし、これを使用者に警告して使用者の注意を喚起してもよい。情報処理装置200aは、使用状況が「保留」になった後でも、2日未満は「有効」に切り替わることができる。しかし、情報処理装置200aは、使用状況が「保留」のまま2日以上アクティベートを実行しなかった場合、使用状況が「無効」に切り替わり、ライセンスが付与されていない状態(要ライセンス機能を実行できない状態)になる。
【0044】
一方、情報処理装置200dは、図7に示す初期値の状態にあっては、ライセンスが付
与されていない状態にある。しかし、情報処理装置200dは、この状態にあっても、ライセンス管理装置100に要求を送信すれば、仮ライセンスが付与された状態となり、要ライセンス機能を実行できる状態になることができる。情報処理装置200dは、仮ライセンスが付与された状態を、上述した閾値に応じた期間、すなわち10日間維持することができる。
【0045】
情報処理装置200dが仮ライセンスを付与されている期間に、他の情報処理装置200の使用状況が「保留」又は「無効」に切り替わった場合、ライセンス管理装置100は、ライセンス情報の入れ替えを行い、情報処理装置200dに対して正式なライセンスを付与する。例えば、情報処理装置200dが仮ライセンスを付与されている期間に、情報処理装置200aの使用状況が「保留」又は「無効」に切り替われば、ライセンス管理装置100は、情報処理装置200aに対して割り当てられていたライセンス情報を情報処理装置200dに対して割り当てる。このとき、ライセンス管理装置100は、装置IDに「200a」が記述されていたライセンス情報の装置IDを「200d」に書き換え、その使用状況を「有効」に変更する。すなわち、ライセンス管理装置100は、情報処理装置200aに対して与えられていたライセンスを取り消し、代わりに情報処理装置200dに対してライセンスを付与する。
【0046】
以上のとおり、本実施形態のライセンス管理システム10によれば、あらかじめライセンスを有するライセンシーにあっては、ライセンス数を超える数のライセンスが一時的に付与される状態が得られる。このとき、仮ライセンスを付与された情報処理装置200は、使用状況が「保留」又は「無効」の他の情報処理装置200が生じた場合に、使用者が特別の操作を行わなくても、ライセンスを仮ライセンスから正式なものに移行させることができる。
【0047】
これにより、使用者は、情報処理装置200を買い換えるなどして新たなものに置き換える場合に、その置き換えを容易に行うことが可能となる。本実施形態は、例えば、情報処理装置200がサーバー装置であり、要ライセンス機能が連続的な稼働を要求される機能である場合などに、特に有利な効果を奏するものである。
【0048】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態での実施が可能である。以下に示す変形例は、本発明に適用可能な変形の一例である。上述した実施形態及び以下の変形例は、必要に応じて、これらを組み合わせて適用してもよい。
【0049】
(変形例1)
情報処理装置200における判断処理は、ライセンス管理装置100から通知が得られた場合に限らず、ライセンス管理装置100から通知が得られなかった場合に実行してもよい。ここにおいて、通知が得られない場合とは、例えば、ネットワーク障害やライセンス管理装置100の異常などにより、情報処理装置200から要求を送信してもその応答が到達しない場合が該当する。かかる場合、判定結果が「許可」又は「不可」のいずれであるとも判断できないため、制御部210は、図11のステップS55〜S58の処理を実行する。このようにすれば、ライセンス管理装置100による判定結果が不明な場合においても、一定の期間は要ライセンス機能を使用することが可能となる。
【0050】
また、この判断処理においては、カウント値の大小に応じて実行可能な機能が増減する態様を採用することができる。例えば、カウント値が「3」未満であれば、要ライセンス機能の全部を実行可能にし、カウント値が「3」以上になれば、要ライセンス機能の一部の機能の実行が禁止される、といった具合である。また、カウント値が小さいほど機能が制限される態様を採用してもよい。
【0051】
なお、カウント値は、情報処理装置が算出するのではなく、ライセンス管理装置が算出するものであってもよい。この場合、カウント値は、ライセンス管理装置が情報処理装置に対して通知すればよい。
【0052】
(変形例2)
本発明において、上述した「有効」、「保留」及び「無効」に相当するそれぞれの状態の期間は、適宜に定めてよい。また、「有効」に相当する状態から、「保留」に相当する状態を経ずに「無効」に相当する状態に切り替わる態様を採用することも可能である。
【0053】
(変形例3)
本発明における「所定の機能」は、情報処理装置により実行されるものに限らず、例えば、情報処理装置に接続される他の情報処理装置により実行されるものや、かかる他の情報処理装置との協働により実行されるものを含む概念である。
【0054】
(変形例4)
本発明における記憶部は、ライセンス管理装置が備えるものでなくてもよい。例えば、本発明に係るライセンス管理装置は、ライセンス情報が記憶された外部のデータベースに接続し、当該データベースからライセンス情報を読み出す構成であってもよい。また、本発明に係るライセンス管理装置は、いわゆるメモリーカード等の着脱可能な記憶媒体を読み取るリーダーを備え、ライセンス情報が記憶されたメモリーカードからライセンス情報を読み出すものであってもよい。
【0055】
(変形例5)
本発明は、コンピューターに上述した制御部110や制御部210の機能を実現させるためのプログラムとしても提供され得る。かかるプログラムは、光ディスクやフラッシュメモリー等の記録媒体に記録された形態や、インターネット等のネットワークを介してデータ検索装置にダウンロードされる形態で提供されてもよい。
また、本発明は、ライセンス管理装置及び情報処理装置を備えるライセンス管理システムや、当該システムに対応するライセンス管理方法としても提供され得る。
【符号の説明】
【0056】
10…ライセンス管理システム、100…ライセンス管理装置、200、200a、200b、200c、200d…情報処理装置、110、210…制御部、120、220…記憶部、130、230…通信部、140、240…操作部、150、250…表示部、111…読出部、112…取得部、113…判定部、114…通知部、115…書換部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライセンスを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトウェア等の使用に際しては、不正な使用を防止するためのライセンス管理が行われることがある。例えば、特許文献1には、あらかじめ決められたライセンス数を超える使用を制限する技術が記載されている。また、特許文献2には、インターネットを介して定期的にソフトウェアの認証を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−49435号公報
【特許文献2】特開2001−337732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1又は2に記載された技術によったのでは、不正の目的でない使用が制限され、使用者の利便性を損なう場合がある。
そこで、本発明は、ある情報処理装置に対するライセンスの可否を他の情報処理装置に応じて変えられるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るライセンス管理装置は、情報処理装置により所定の機能を使用する要求を取得する取得部と、前記機能の使用の可否を第1の情報処理装置について記述したライセンス情報を記憶部から読み出す読出部と、前記取得部により前記要求が取得された情報処理装置における前記機能の使用の可否を前記ライセンス情報に基づいて判定する判定部と、前記判定部による判定結果を通知する通知部とを備え、前記判定部が、前記第1の情報処理装置と異なる第2の情報処理装置から前記要求が取得された場合に、当該第2の情報処理装置における前記機能の使用の可否を、前記第1の情報処理装置に係る前記要求の取得状況に応じて判定する構成を有する。この構成によれば、ライセンス情報に記述されていない第2の情報処理装置であっても、第1の情報処理装置による要求の取得状況に応じて所定の機能の使用が許可される場合がある。
【0006】
本発明に係るライセンス管理装置は、前記判定部が、前記第1の情報処理装置に係る前記要求があらかじめ決められた条件を満たさない場合に、前記第1の情報処理装置に対する許可を取り消し、前記第2の情報処理装置に対して前記機能の使用を許可する構成であってもよい。この構成によれば、所定の機能の許可の対象を第1の情報処理装置から第2の情報処理装置に置き換えることができる。
また、本発明に係るライセンス管理装置は、前記判定部が、前記第1の情報処理装置に係る前記要求があらかじめ決められた条件を満たす場合に、前記第2の情報処理装置における前記機能の使用を一時的に許可する構成であってもよい。この構成によれば、ライセンス情報により決められるライセンス数を超える数の情報処理装置に、所定の機能の使用を一時的に許可させることができる。
また、本発明に係るライセンス管理装置は、前記判定部による判定結果に応じて前記記憶部に記憶されたライセンス情報を書き換える書換部を備える構成であってもよい。この構成によれば、ライセンス情報による管理対象を置き換え、その管理を容易にすることができる。
【0007】
本発明に係るプログラムは、コンピューターに、情報処理装置により所定の機能を使用する要求を取得する取得部と、所定の機能の使用の可否を第1の情報処理装置について記述したライセンス情報を記憶部から読み出す読出部と、前記取得部により前記要求が取得された情報処理装置における前記機能の使用の可否を前記ライセンス情報に基づいて判定する判定部であって、前記第1の情報処理装置と異なる第2の情報処理装置から前記要求が取得された場合に、当該第2の情報処理装置における前記機能の使用の可否を、前記第1の情報処理装置に係る前記要求の取得状況に応じて判定する判定部と、前記判定部による判定結果を通知する通知部とを実現させるための構成を有する。かかるプログラムは、本発明に係るライセンス管理装置と同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ライセンス管理システムの構成を示すブロック図
【図2】ライセンス管理装置及び情報処理装置の構成を示すブロック図
【図3】ライセンス管理装置が実現する機能を示す機能ブロック図
【図4】ライセンス情報を例示する図
【図5】情報処理装置が実現する機能を示す機能ブロック図
【図6】ライセンス管理システムにおける処理を示すシーケンスチャート
【図7】ライセンス情報の初期値を例示する図
【図8】判定処理を示すフローチャート
【図9】状況判定処理を示すフローチャート
【図10】入替判定処理を示すフローチャート
【図11】判断処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態であるライセンス管理システムの構成を示すブロック図である。本実施形態のライセンス管理システム10は、ライセンス管理装置100と、複数の情報処理装置200とを備え、各々をネットワークNW1及びNW2を介して通信可能に接続した構成である。ネットワークNW1は、例えばインターネットであり、ネットワークNW2は、例えば企業等の所定の組織(ライセンシー)単位で構築されたLAN(Local Area Network)である。
【0010】
本実施形態は、情報処理装置200及びネットワークNW2を有するライセンシーが所定数のライセンスを購入し、ライセンス管理装置100を有するライセンサーがライセンスを管理する形態を想定したものである。なお、ライセンサーは、複数のライセンシーのライセンスを管理するものであってもよい。この場合、ネットワークNW1には、各々のライセンシーに相当する情報処理装置200及びネットワークNW2が接続されるが、ここではかかる図示を省略する。また、情報処理装置200は、ネットワークNW2を経由せずに、ネットワークNW1に直接接続されてもよい。
【0011】
本発明において、「ライセンス」とは、所定の機能の使用を許可することをいい、当該許可に係る諸権利のことをさらに含むものである。本実施形態において、「所定の機能」は、情報処理装置200が特定のソフトウェアを実行することにより実現されるものとし、以下においては「要ライセンス機能」という。また、ライセンスは、情報処理装置200(又はその使用者)毎に設定されるものである。よって、例えば、ライセンシーが複数の情報処理装置200において要ライセンス機能を使用する場合であれば、ライセンシーが複数のライセンスを購入する必要がある。情報処理装置200は、必要に応じて要ライセンス機能を有効にするための処理(以下、「アクティベート」という。)を実行するとともに、要ライセンス機能の実行が許可された場合に当該機能を実行する。
【0012】
図2は、ライセンス管理装置100及び情報処理装置200の構成を示すブロック図である。同図に示すように、ライセンス管理装置100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、操作部140と、表示部150とを備える。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置やメモリーを備え、あらかじめ記憶さ
れたプログラムを実行することによりライセンス管理装置100の動作を制御する。記憶部120は、書き換え可能な不揮発性メモリーを備え、ライセンスに関するデータであるライセンス情報を記憶する。通信部130は、ネットワークNW1及びNW2を介して情報処理装置200の通信部230と接続され、データの送受信を行う。通信部130による接続は、有線又は無線のいずれであってもよい。操作部140は、キーボード等の入力装置を備え、使用者による操作を受け付ける。操作部140は、使用者の操作を表す操作情報を生成し、制御部110に供給する。表示部150は、表示装置を備え、制御部110からの指示に応じた画像を表示する。なお、操作部140は、タッチスクリーンとして表示部150と一体に構成されていてもよい。
【0013】
図3は、ライセンス管理装置100の制御部110が実現する機能を示す機能ブロック図である。制御部110は、1又は複数のプログラムを実行することによって、読出部111、取得部112、判定部113、通知部114及び書換部115に相当する機能を実現する。読出部111は、記憶部120から必要なライセンス情報を読み出す機能を有する。取得部112は、通信部130を介して、アクティベートに際して情報処理装置200から送信される要求を取得する機能を有する。判定部113は、取得部112により要求が取得された場合に、当該要求を送信した情報処理装置200における要ライセンス機能の実行の可否を判定する機能を有する。判定部113は、記憶部120から読み出されたライセンス情報に基づいてこの判定を行う。通知部114は、判定部113による判定結果を、通信部130を介して情報処理装置200に通知する機能を有する。書換部115は、必要に応じて、記憶部120に記憶されたライセンス情報を書き換える機能を有する。
【0014】
図4は、ライセンス情報を示す図である。本実施形態のライセンス情報は、図4(a)に示すように、ライセンシー毎に管理されている。ライセンス管理装置100は、ライセンス情報の有効期限とライセンス数を、ライセンシーを識別する識別情報(ライセンシーID)に対応付けて記憶している。ここにおいて、ライセンス数が「3」であるということは、要ライセンス機能の使用が3台の情報処理装置200において許可されていることを示す。
【0015】
ライセンス情報は、図4(b)に示すように、ライセンスの使用状況と、当該ライセンスに係るアクティベートが最後に実行された日時(最終日時)と、当該ライセンスが割り当てられた情報処理装置200を識別する識別情報(装置ID)とを、各々のライセンスを識別する識別情報(ライセンス番号)に対応付けて記述したものである。本実施形態において、ライセンスの使用状況としては、「有効(使用可能)」、「無効(使用不可能)」及び「保留(条件付きで使用可能)」の3種類が設定されている。この使用状況は、アクティベートの実行状況に応じて切り替わる。なお、装置IDは、情報処理装置200に付与された名称や、情報処理装置200が備えるハードウェア(CPU等)又はソフトウェアに固有の情報であってもよいが、使用者が設定したIDやパスワードであってもよい。
【0016】
情報処理装置200は、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、操作部240と、表示部250とを備える。情報処理装置200は、制御部210による制御内容や記憶部220に記憶されたデータを除き、ライセンス管理装置100が有する同名の各部と同様の構成及び機能を有する。なお、情報処理装置200は、各々を区別する必要が
ある場合に限り、これを「情報処理装置200a」、「情報処理装置200b」というように表記する。
【0017】
図5は、情報処理装置200の制御部210が実現する機能を示す機能ブロック図である。制御部210は、1又は複数のプログラムを実行することによって、実行判断部211及び機能実行部212に相当する機能を実現する。実行判断部211は、要ライセンス機能の実行の可否を判断する機能を有する。機能実行部212は、要ライセンス機能を実行する機能を有する。実行判断部211は、所定のタイミングでアクティベートを実行することにより、要ライセンス機能の実行の可否を判断する。なお、実行判断部211による判断は、あらかじめ設定されたスケジュールに従って実行されてもよいし、使用者の操作に応じて実行されてもよい。
【0018】
本実施形態のライセンス管理システム10の構成は、以上のとおりである。この構成のもと、ライセンス管理装置100は、ライセンスを管理し、情報処理装置200は、ライセンス管理装置100による管理に従って要ライセンス機能を実行する。使用者は、情報処理装置200が要ライセンス機能を実行することによって、当該機能を使用することができる。
【0019】
また、本実施形態の情報処理装置200は、要ライセンス機能を実行するためには、アクティベートを実行する必要がある。情報処理装置200によるアクティベートは、ライセンス管理装置100に接続し、ライセンス管理装置100による要ライセンス機能の実行の可否の判定を受ける処理であり、これに成功すると要ライセンス機能が実行可能になる処理である。なお、本実施形態のアクティベートは、1回行えば足りるものではなく、複数回必要なものである。アクティベートは、あらかじめ決められた頻度での実行が要求される処理であり、本実施形態においては、1日に1回必要な処理であるとする。
また、本実施形態の情報処理装置200は、アクティベートに失敗した場合であっても、一定の条件下において要ライセンス機能を実行可能である。
【0020】
図6は、ライセンス管理装置100及び情報処理装置200における処理の流れを概略的に示すシーケンスチャートである。ライセンス管理装置100においては、まず、ライセンスを設定する処理が行われる(ステップS1)。ライセンスの設定とは、ライセンシーがライセンスを購入した場合に、ライセンサーが購入されたライセンスに関するデータを登録する処理である。このとき、制御部110は、ライセンスの有効期限と、ライセンス数と、それぞれのライセンスに対応する装置IDの入力操作を受け付ける。つまり、ライセンスを最初に付与される情報処理装置200は、あらかじめ決められている。なお、以下の説明においては、便宜的に、装置IDとして情報処理装置200の符号を用いる。
【0021】
ライセンスの設定が行われると、それぞれのライセンス情報の使用状況には、初期値として「有効」が記述される。これにより、ライセンスが付与された情報処理装置200は、要ライセンス機能を使用することが許可された状態になる。
図7は、ライセンス情報の初期値を例示する図である。なお、ここにおいては、「ライセンス番号」及び「最終日時」の記載を省略する。同図に示す例は、情報処理装置200a、200b及び200cに対してライセンスが付与された場合のものである。この場合、情報処理装置200dには、ライセンスが付与されていない。つまり、この例においては、情報処理装置200a、200b及び200cが本発明の「第1の情報処理装置」に相当し、情報処理装置200dが本発明の「第2の情報処理装置」に相当する。
【0022】
情報処理装置200は、ライセンスの設定後、所定のタイミングでアクティベートを行う。このアクティベートにおいて、情報処理装置200は、要ライセンス機能を使用することの要求をライセンス管理装置100に対して送信する(ステップS2)。この要求に
は、情報処理装置200を識別可能な情報(装置ID)が含まれる。ライセンス管理装置100の制御部110は、通信部130を介してこの要求を取得すると、要ライセンス機能の使用の可否を判定する処理(以下、「判定処理」という。)を実行する(ステップS3)。
【0023】
図8は、判定処理を示すフローチャートである。判定処理において、制御部110は、まず、記憶部120からライセンス情報を読み出し(ステップS31)、ライセンスの使用状況を判定する処理(以下、「状況判定処理」という。)を実行する(ステップS32)。状況判定処理は、同一のライセンシー間におけるライセンスの使用状況を判定する処理である。
【0024】
図9は、状況判定処理を示すフローチャートである。状況判定処理において、制御部110は、ライセンスが付与された情報処理装置200のうちに、アクティベートをm日間実行していない情報処理装置200があるか否かを判断する(ステップS321)。ここにおいて、mの値は、あらかじめ決められた任意の値であるが、本実施形態においては「8」であるとする。制御部110は、図4(b)に示す「最終日時」を参照することにより、最後にアクティベートが実行された日時を特定し、ステップS321の判断を行う。制御部110は、アクティベートがm日間実行されてない情報処理装置200があれば、当該装置の「使用状況」を「保留」に変更する(ステップS322)。
【0025】
また、制御部110は、ライセンスが付与された情報処理装置200のうちに、アクティベートをn日間実行していない情報処理装置200があるか否かを判断する(ステップS323)。ここにおいて、nの値は、あらかじめ決められた任意の値(ただし、mより大)であるが、本実施形態においては「10」であるとする。制御部110は、ステップS321と同様の要領でこの判断を行い、アクティベートがn日間実行されてない情報処理装置200があれば、当該装置の「使用状況」を「無効」に変更する(ステップS324)。
【0026】
制御部110は、以上の状況判定処理を終えると、図8の判定処理に戻り、判定処理を続行する。
このように、ライセンスの使用状況は、アクティベートの有無(すなわちステップS2の要求の有無)に基づいて決定されるものである。そのため、状況判定処理は、ライセンスが付与された情報処理装置200からの要求の取得状況を判定する処理であるともいえる。
【0027】
なお、状況判定処理は、図8の判定処理とは独立に実行されてもよい。すなわち、制御部110は、アクティベートの要求があるか否かによらず、適当なタイミングで状況判定処理を実行してもよい。状況判定処理は、1日に1回や、数時間おきなど、定期的に実行されるのが望ましい。
【0028】
制御部110は、状況判定処理の後に、ステップS2において要求を取得した情報処理装置200の使用状況を判断する。すなわち、制御部110は、要求を取得した情報処理装置200の使用状況が「有効」か(ステップS33)、「保留」か(ステップS34)、あるいは「無効」か(ステップS35)を判断する。
【0029】
制御部110は、要求を取得した情報処理装置200の使用状況が「有効」又は「保留」である場合は、要ライセンス機能の実行を許可する判定を行う(ステップS36)。このとき、制御部110は、ライセンス情報を書き換え、「最終日時」を最新のものに更新する(ステップS37)。なお、制御部110は、使用状況が「保留」である場合には、これを「有効」に書き換える。
【0030】
また、制御部110は、要求を取得した情報処理装置200の使用状況が「無効」である場合は、要ライセンス機能の実行を許可しない判定を行う(ステップS38)。このとき、制御部110は、(そもそも当該装置の使用ができないため、)「最終日時」を書き換えない。
【0031】
さらに、制御部110は、要求を取得した情報処理装置200の使用状況が「有効」、「保留」又は「無効」のいずれでもない場合、すなわち使用状況がまだ記録されていない情報処理装置200から要求を取得した場合には、ライセンスの入れ替えを判定する処理(以下、「入替判定処理」という。)を行い(ステップS39)、入れ替え可能なライセンスがあれば、当該装置による要ライセンス機能の実行を許可する。
【0032】
図10は、入替判定処理を示すフローチャートである。入替判定処理において、制御部110は、使用状況が「保留」又は「無効」であるライセンス情報があるか否かを判断する(ステップS391)。制御部110は、使用状況が「保留」又は「無効」であるライセンス情報があれば、これを“空きライセンス”とみなし、当該ライセンス情報の装置IDを入れ替える。すなわち、制御部110は、この場合、要求を取得した情報処理装置200による要ライセンス機能の実行を許可する判定を行い(ステップS392)、ライセンス情報を書き換える(ステップS393)。このとき、制御部110は、ライセンス情報の最終日時と装置IDを書き換え、さらに、使用状況を「有効」に変更する。
【0033】
一方、制御部110は、いずれのライセンス情報も「有効」である場合には、空きライセンスが存在しないとみなし、ライセンスの入れ替えを行わない。ただし、制御部110は、この場合において、要求を取得した情報処理装置200による要ライセンス機能の実行を一時的に許可(一時許可)する判定を行う(ステップS394)。ここにおいて、「一時的」とは、要ライセンス機能の実行を所定期間又は所定回数に限るものをいう。この判定が行われた情報処理装置200は、ライセンス情報に書き込まれないが、ライセンスを仮に付与された状態となる。情報処理装置200のかかる状態のことを、以下においては「仮ライセンス」という。
【0034】
以上より、本実施形態において、ライセンスの入れ替えが発生するのは、使用状況が「保留」又は「無効」であるライセンス情報がある場合である。すなわち、ライセンスの入れ替えが発生するのは、ライセンスを付与された情報処理装置200のいずれかについて、アクティベートの要求が8日以上取得されなかった場合である。換言すれば、この場合、情報処理装置200がライセンスを維持するための条件は、“アクティベートの要求を少なくとも8日に1回は送信する”ということである。情報処理装置200は、この条件を満たさない場合に、ライセンスの入れ替えの対象となる。
【0035】
判定処理を終えると、制御部110は、図6に示すように、判定結果を情報処理装置200に通知する(ステップS4)。このとき、制御部110は、判定結果が「許可」、「不可」又は「一時許可」のいずれであるかを通知し、判定結果が「許可」又は「一時許可」である場合には、要ライセンス機能を実行するためのライセンスファイルをあわせて送信する。ライセンスファイルは、要ライセンス機能の実行態様を記述したファイルであり、要ライセンス機能の実行が許可された情報処理装置200の装置IDや、その有効期間(本実施形態においては、1日)が記述されている。情報処理装置200は、ライセンスファイルに記述された内容に従って要ライセンス機能を実行できるように構成されている。
【0036】
なお、制御部110は、判定結果が「許可」である場合と「一時許可」である場合とでライセンスファイルの記述内容を異ならせてもよい。例えば、制御部110は、判定結果
が「許可」である場合には要ライセンス機能の全部の実行を許可し、判定結果が「一時許可」である場合には要ライセンス機能の一部の機能を制限してもよい。
【0037】
情報処理装置200は、ライセンス管理装置100からの通知を受信すると、この通知に基づいて要ライセンス機能の実行の可否を判断する処理(以下、「判断処理」という。)を実行する(ステップS5)。なお、本実施形態の判断処理には、要ライセンス機能が実行可能である場合に、これを実行する処理をも含む。
【0038】
図11は、判断処理を示すフローチャートである。判断処理において、情報処理装置200の制御部210は、判定結果が「許可」又は「不可」のいずれであるかを判断し(ステップS51、S53)、「許可」であれば要ライセンス機能を実行し(ステップS52)、「不可」であれば要ライセンス機能の実行を禁止する(ステップS54)。
【0039】
また、制御部210は、判定結果が「許可」又は「不可」のいずれでもない場合、すなわち「一時許可」である場合には、あらかじめ設定されたカウント値を増加させ(ステップS55)、これが所定の閾値未満であるか否かを判断する(ステップS56)。制御部210は、カウント値が閾値未満である場合に要ライセンス機能を実行し(ステップS57)、カウント値が閾値以上である場合に要ライセンス機能の実行を禁止する(ステップS58)。
【0040】
カウント値は、情報処理装置200が仮ライセンスを付与された状態で要ライセンス機能を実行している期間を示す値であり、本実施形態においては日数を示している。この場合、カウント値の閾値は、上述したmやnの値を考慮して適宜に設定することが望ましいが、本実施形態においては「10」とする。カウント値の閾値が「10」である場合、情報処理装置200は、仮ライセンスを付与された状態であっても、「10」日間であれば要ライセンス機能を実行可能である。情報処理装置200は、この期間内に空きライセンスが発生し、入替処理が行われれば、仮ライセンスでない正式のライセンスを付与され、要ライセンス機能を制限なく実行することができるようになる。
【0041】
図6に示す処理は、以上のとおりである。以下の具体例は、かかる処理を図7に示す初期値に従って実行した場合について説明したものである。
例えば、情報処理装置200aが要求を送信した場合、ライセンス管理装置100は、要ライセンス機能の実行を許可する。一方、情報処理装置200dが要求を送信した場合、ライセンス管理装置100は、要ライセンス機能の実行を許可しない。
【0042】
また、情報処理装置200aが要ライセンス機能を実行した後に、要求を送信しない日(すなわち、要ライセンス機能を実行しない日)が8日以上連続した場合、ライセンス管理装置100は、情報処理装置200aのライセンス情報を書き換え、使用状況を「有効」から「保留」に変更する。
【0043】
情報処理装置200aは、使用状況が「保留」である期間内にアクティベートを実行すれば、使用状況を再び「有効」に変更することができる。なお、このように「保留」から「有効」に切り替わる場合には、ライセンス管理装置100がその旨をあわせて通知するようにし、これを使用者に警告して使用者の注意を喚起してもよい。情報処理装置200aは、使用状況が「保留」になった後でも、2日未満は「有効」に切り替わることができる。しかし、情報処理装置200aは、使用状況が「保留」のまま2日以上アクティベートを実行しなかった場合、使用状況が「無効」に切り替わり、ライセンスが付与されていない状態(要ライセンス機能を実行できない状態)になる。
【0044】
一方、情報処理装置200dは、図7に示す初期値の状態にあっては、ライセンスが付
与されていない状態にある。しかし、情報処理装置200dは、この状態にあっても、ライセンス管理装置100に要求を送信すれば、仮ライセンスが付与された状態となり、要ライセンス機能を実行できる状態になることができる。情報処理装置200dは、仮ライセンスが付与された状態を、上述した閾値に応じた期間、すなわち10日間維持することができる。
【0045】
情報処理装置200dが仮ライセンスを付与されている期間に、他の情報処理装置200の使用状況が「保留」又は「無効」に切り替わった場合、ライセンス管理装置100は、ライセンス情報の入れ替えを行い、情報処理装置200dに対して正式なライセンスを付与する。例えば、情報処理装置200dが仮ライセンスを付与されている期間に、情報処理装置200aの使用状況が「保留」又は「無効」に切り替われば、ライセンス管理装置100は、情報処理装置200aに対して割り当てられていたライセンス情報を情報処理装置200dに対して割り当てる。このとき、ライセンス管理装置100は、装置IDに「200a」が記述されていたライセンス情報の装置IDを「200d」に書き換え、その使用状況を「有効」に変更する。すなわち、ライセンス管理装置100は、情報処理装置200aに対して与えられていたライセンスを取り消し、代わりに情報処理装置200dに対してライセンスを付与する。
【0046】
以上のとおり、本実施形態のライセンス管理システム10によれば、あらかじめライセンスを有するライセンシーにあっては、ライセンス数を超える数のライセンスが一時的に付与される状態が得られる。このとき、仮ライセンスを付与された情報処理装置200は、使用状況が「保留」又は「無効」の他の情報処理装置200が生じた場合に、使用者が特別の操作を行わなくても、ライセンスを仮ライセンスから正式なものに移行させることができる。
【0047】
これにより、使用者は、情報処理装置200を買い換えるなどして新たなものに置き換える場合に、その置き換えを容易に行うことが可能となる。本実施形態は、例えば、情報処理装置200がサーバー装置であり、要ライセンス機能が連続的な稼働を要求される機能である場合などに、特に有利な効果を奏するものである。
【0048】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態での実施が可能である。以下に示す変形例は、本発明に適用可能な変形の一例である。上述した実施形態及び以下の変形例は、必要に応じて、これらを組み合わせて適用してもよい。
【0049】
(変形例1)
情報処理装置200における判断処理は、ライセンス管理装置100から通知が得られた場合に限らず、ライセンス管理装置100から通知が得られなかった場合に実行してもよい。ここにおいて、通知が得られない場合とは、例えば、ネットワーク障害やライセンス管理装置100の異常などにより、情報処理装置200から要求を送信してもその応答が到達しない場合が該当する。かかる場合、判定結果が「許可」又は「不可」のいずれであるとも判断できないため、制御部210は、図11のステップS55〜S58の処理を実行する。このようにすれば、ライセンス管理装置100による判定結果が不明な場合においても、一定の期間は要ライセンス機能を使用することが可能となる。
【0050】
また、この判断処理においては、カウント値の大小に応じて実行可能な機能が増減する態様を採用することができる。例えば、カウント値が「3」未満であれば、要ライセンス機能の全部を実行可能にし、カウント値が「3」以上になれば、要ライセンス機能の一部の機能の実行が禁止される、といった具合である。また、カウント値が小さいほど機能が制限される態様を採用してもよい。
【0051】
なお、カウント値は、情報処理装置が算出するのではなく、ライセンス管理装置が算出するものであってもよい。この場合、カウント値は、ライセンス管理装置が情報処理装置に対して通知すればよい。
【0052】
(変形例2)
本発明において、上述した「有効」、「保留」及び「無効」に相当するそれぞれの状態の期間は、適宜に定めてよい。また、「有効」に相当する状態から、「保留」に相当する状態を経ずに「無効」に相当する状態に切り替わる態様を採用することも可能である。
【0053】
(変形例3)
本発明における「所定の機能」は、情報処理装置により実行されるものに限らず、例えば、情報処理装置に接続される他の情報処理装置により実行されるものや、かかる他の情報処理装置との協働により実行されるものを含む概念である。
【0054】
(変形例4)
本発明における記憶部は、ライセンス管理装置が備えるものでなくてもよい。例えば、本発明に係るライセンス管理装置は、ライセンス情報が記憶された外部のデータベースに接続し、当該データベースからライセンス情報を読み出す構成であってもよい。また、本発明に係るライセンス管理装置は、いわゆるメモリーカード等の着脱可能な記憶媒体を読み取るリーダーを備え、ライセンス情報が記憶されたメモリーカードからライセンス情報を読み出すものであってもよい。
【0055】
(変形例5)
本発明は、コンピューターに上述した制御部110や制御部210の機能を実現させるためのプログラムとしても提供され得る。かかるプログラムは、光ディスクやフラッシュメモリー等の記録媒体に記録された形態や、インターネット等のネットワークを介してデータ検索装置にダウンロードされる形態で提供されてもよい。
また、本発明は、ライセンス管理装置及び情報処理装置を備えるライセンス管理システムや、当該システムに対応するライセンス管理方法としても提供され得る。
【符号の説明】
【0056】
10…ライセンス管理システム、100…ライセンス管理装置、200、200a、200b、200c、200d…情報処理装置、110、210…制御部、120、220…記憶部、130、230…通信部、140、240…操作部、150、250…表示部、111…読出部、112…取得部、113…判定部、114…通知部、115…書換部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置により所定の機能を使用する要求を取得する取得部と、
前記機能の使用の可否を第1の情報処理装置について記述したライセンス情報を記憶部から読み出す読出部と、
前記取得部により前記要求が取得された情報処理装置における前記機能の使用の可否を前記ライセンス情報に基づいて判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を通知する通知部とを備え、
前記判定部が、
前記第1の情報処理装置と異なる第2の情報処理装置から前記要求が取得された場合に、当該第2の情報処理装置における前記機能の使用の可否を、前記第1の情報処理装置に係る前記要求の取得状況に応じて判定する
ことを特徴とするライセンス管理装置。
【請求項2】
前記判定部が、
前記第1の情報処理装置に係る前記要求があらかじめ決められた条件を満たさない場合に、前記第1の情報処理装置に対する許可を取り消し、前記第2の情報処理装置に対して前記機能の使用を許可する
ことを特徴とする請求項1に記載のライセンス管理装置。
【請求項3】
前記判定部が、
前記第1の情報処理装置に係る前記要求があらかじめ決められた条件を満たす場合に、前記第2の情報処理装置における前記機能の使用を一時的に許可する
ことを特徴とする請求項1に記載のライセンス管理装置。
【請求項4】
前記判定部による判定結果に応じて前記記憶部に記憶されたライセンス情報を書き換える書換部を備える
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のライセンス管理装置。
【請求項5】
コンピューターに、
情報処理装置により所定の機能を使用する要求を取得する取得部と、
所定の機能の使用の可否を第1の情報処理装置について記述したライセンス情報を記憶部から読み出す読出部と、
前記取得部により前記要求が取得された情報処理装置における前記機能の使用の可否を前記ライセンス情報に基づいて判定する判定部であって、前記第1の情報処理装置と異なる第2の情報処理装置から前記要求が取得された場合に、当該第2の情報処理装置における前記機能の使用の可否を、前記第1の情報処理装置に係る前記要求の取得状況に応じて判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を通知する通知部と
を実現させるためのプログラム。
【請求項1】
情報処理装置により所定の機能を使用する要求を取得する取得部と、
前記機能の使用の可否を第1の情報処理装置について記述したライセンス情報を記憶部から読み出す読出部と、
前記取得部により前記要求が取得された情報処理装置における前記機能の使用の可否を前記ライセンス情報に基づいて判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を通知する通知部とを備え、
前記判定部が、
前記第1の情報処理装置と異なる第2の情報処理装置から前記要求が取得された場合に、当該第2の情報処理装置における前記機能の使用の可否を、前記第1の情報処理装置に係る前記要求の取得状況に応じて判定する
ことを特徴とするライセンス管理装置。
【請求項2】
前記判定部が、
前記第1の情報処理装置に係る前記要求があらかじめ決められた条件を満たさない場合に、前記第1の情報処理装置に対する許可を取り消し、前記第2の情報処理装置に対して前記機能の使用を許可する
ことを特徴とする請求項1に記載のライセンス管理装置。
【請求項3】
前記判定部が、
前記第1の情報処理装置に係る前記要求があらかじめ決められた条件を満たす場合に、前記第2の情報処理装置における前記機能の使用を一時的に許可する
ことを特徴とする請求項1に記載のライセンス管理装置。
【請求項4】
前記判定部による判定結果に応じて前記記憶部に記憶されたライセンス情報を書き換える書換部を備える
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のライセンス管理装置。
【請求項5】
コンピューターに、
情報処理装置により所定の機能を使用する要求を取得する取得部と、
所定の機能の使用の可否を第1の情報処理装置について記述したライセンス情報を記憶部から読み出す読出部と、
前記取得部により前記要求が取得された情報処理装置における前記機能の使用の可否を前記ライセンス情報に基づいて判定する判定部であって、前記第1の情報処理装置と異なる第2の情報処理装置から前記要求が取得された場合に、当該第2の情報処理装置における前記機能の使用の可否を、前記第1の情報処理装置に係る前記要求の取得状況に応じて判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を通知する通知部と
を実現させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−204886(P2010−204886A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48917(P2009−48917)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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