ライブラリ装置
【課題】アクセッサが移動する搬送路にマガジンから磁気テープカートリッジが飛び出した場合でもアクセッサが移動することができるライブラリ装置を提供する。
【解決手段】ライブラリ装置10は、スロット17を内部に設けたマガジン15と、マガジン15を収容する装置本体と、装置本体の一方の側に設けられたアクセッサ18と、カートリッジ16を搬送する磁気テープドライブと、を備え、スロット17の開口部前面に、スロット17内からカートリッジ16の全部が飛出すのを防止するカートリッジ飛び出し防止機構20を設け、この飛び出し防止機構20のカートリッジ用ストッパ部材21をアクセッサ18の移動方向Aに沿って往復回動可能とした。
【解決手段】ライブラリ装置10は、スロット17を内部に設けたマガジン15と、マガジン15を収容する装置本体と、装置本体の一方の側に設けられたアクセッサ18と、カートリッジ16を搬送する磁気テープドライブと、を備え、スロット17の開口部前面に、スロット17内からカートリッジ16の全部が飛出すのを防止するカートリッジ飛び出し防止機構20を設け、この飛び出し防止機構20のカートリッジ用ストッパ部材21をアクセッサ18の移動方向Aに沿って往復回動可能とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はライブラリ装置に係り、さらに詳しくは、アクセッサが移動する搬送路上へマガジンからカートリッジが飛び出してもアクセッサが移動できるライブラリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ライブラリ装置では、筐体となる装置本体内にマガジンが配置されており、このマガジン内には複数個の磁気テープカートリッジが収納されている。
そして、制御手段で指定されたマガジン内の磁気テープカートリッジを、装置本体内に配置されたアクセッサにより取り出すと共に磁気テープドライブまで搬送し、その磁気テープドライブで所定の処理が行われるようになっている。
また、ライブラリ装置においては、マガジン内には、その内部に収納されている磁気テープカートリッジが通常時にマガジン内から飛び出さないようにするためのカートリッジ用ロック機構が設けられている。
【0003】
以上のようなライブラリ装置に関連する技術として、マガジンにカートリッジを装填するときのカートリッジの方向と、マガジンを装置内に投入するときのマガジンの方向が正しい場合以外は、カートリッジをマガジンに装填されないようにするライブラリ装置用マガジンおよびカートリッジが知られている(例えば特許文献1参照)。
この特許文献1に開示されたライブラリ装置用マガジンおよびカートリッジでは、カートリッジがマガジンに正常に収納されている場合には、マガジンの板ばねがカートリッジの先つぼみ部によって生じる空間内に配置され、これにより、板ばねがマガジンから飛び出さないようになっている。
【0004】
また、カートリッジ等の収納物が、揺れによる落下や自由な持ち出しから収納物を防護する収納物の防護機構、その防護方法、その防護プログラム、及びライブラリ装置が知られている(例えば特許文献2参照)。
この特許文献2に開示された収納物の防護機構等では、扉開閉機構部が、コイルばねを支持軸に巻き付け、その復元力を扉と側板との間に作用させることにより、閉位置にその復元力によって自動復帰させるようになっている。
また、扉ロック機構部が、各扉の上縁および下縁から回動可能に支持された複数のストッパを備えており、1つのストッパを係止させるための係止穴が天板に形成され、他の1つのストッパを係止させるための係止穴が底板に形成された構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−14825号公報
【特許文献2】特開2008−210474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般的なライブラリ装置では、マガジンが装置本体内に配置されている状態で、その装置本体に不意の振動または衝撃が加わり、マガジンのカートリッジロック機構が解除された場合、マガジン内の磁気テープカートリッジが、アクセッサが移動する搬送路上へ飛び出してしまい、場合によってはマガジンから落下することもある。
そのため、飛び出した、あるいは落下した磁気テープカートリッジによりアクセッサが移動できなくなるといった問題が発生していた。
その結果、システムを停止せざるを得ず、システムを再開するためには、作業者が飛び出した磁気テープカートリッジをマガジン内に押し込み、カートリッジロック機構に係合させる等、人手を介入しなければならず、生産性に影響が及ぶという問題にも発展する。
【0007】
また、前記特許文献1に開示されたライブラリ装置用マガジンでは、マガジンにカートリッジを装填するときのカートリッジの方向と、マガジンを装置内に投入するときのマガジンの方向が正しい場合以外は、カートリッジをマガジンに装填されないようにする構成であり、マガジン内に収納されたカートリッジがアクセッサの搬送路に飛び出した場合、それに対応することはできず、前述のように、システムを停止せざるを得ないという問題がある。
【0008】
さらに、前記特許文献2に開示された収納物の防護機構等では、セル内に収納されたカートリッジを扉ロック機構でロックするものであり、前記特許文献1と同様、マガジン内に収納されたカートリッジがアクセッサの搬送路に飛び出した場合、それに対応することはできず、前述のように、システムを停止せざるを得ないという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、上述した各課題を解決するために、アクセッサが移動する搬送路にマガジンから磁気テープカートリッジが飛び出した場合でもアクセッサが移動することができるライブラリ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本願発明のライブラリ装置は、複数個の磁気テープカートリッジをそれぞれ収納する複数のスロットを内部に並設したマガジンと、
このマガジンを収容する装置本体と、
この装置本体の一方の側に設けられ前記スロットから取り出した前記磁気テープカートリッジを前記並設方向に沿って搬送する箱体状のアクセッサと、
前記装置本体に設けられ前記アクセッサにより搬送された前記磁気テープカートリッジを装填してデータの読み込みを行う磁気テープドライブと、を備えて構成し、
前記スロットの開口部前面に、当該スロット内から前記磁気テープカートリッジが前記搬送路内に飛出すのを防止するカートリッジ飛び出し防止機構を設け、
このカートリッジ飛び出し防止機構のカートリッジ用ストッパ部材を前記アクセッサの移動方向に沿って往復回動可能に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願発明のライブラリ装置によれば、スロットの開口部前面にカートリッジ飛び出し防止機構が設けられ、このカートリッジ飛び出し防止機構に設けられたカートリッジ用ストッパ部材が、アクセッサの移動方向に沿って往復回動可能に構成されているので、マガジン内の磁気テープカートリッジがアクセッサの搬送路に飛び出した場合でもアクセッサは移動することができる。その結果、システムを停止したりせずに済む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るライブラリ装置の第1実施形態を示す全体平面概略構成図である。
【図2】図1におけるII-II線に沿った縦断面図である。
【図3】前記実施形態のライブラリ装置を示す全体斜視図である。
【図4】前記実施形態のライブラリ装置の要部を示す斜視図である。
【図5】前記実施形態のライブラリ装置のカートリッジ飛び出し防止機構を示す正面図である。
【図6】前記実施形態のライブラリ装置のカートリッジ飛び出し防止機構を示す斜視図である。
【図7】前記実施形態のライブラリ装置のカートリッジ飛び出し防止機構とマガジン内のカートリッジとの関連を表しカートリッジが飛び出していない状態を示す縦断面図である。
【図8】前記実施形態のライブラリ装置のカートリッジ飛び出し防止機構とマガジン内のカートリッジとの関連を表しカートリッジが飛び出した状態を示す縦断面図である。
【図9】前記実施形態のライブラリ装置のカートリッジ飛び出し防止機構とアクセッサとの関連を示す縦断面図である。
【図10】前記実施形態のライブラリ装置のカートリッジ飛び出し防止機構とマガジン内から飛び出したカートリッジとアクセッサとの関係を示す縦断面図である。
【図11】前記実施形態のライブラリ装置においてマガジン内から飛び出したカートリッジと逃げ用の凹溝が形成されていない場合のアクセッサとが衝突した状態を示す平面図である。
【図12】前記実施形態のライブラリ装置のアクセッサの移動とカートリッジ飛び出し防止機構との関連を示し、図12(A)は両者が接触する前の状態であり、同図(B)は両者が接触した直後の状態を示す正面図である。
【図13】前記実施形態のライブラリ装置のアクセッサの移動とカートリッジ飛び出し防止機構との関連を示し、図13(A)はカートリッジ飛び出し防止機構が回動しストッパ部材がアクセッサの上面に乗り上げた状態であり、同図(B)はアクセッサが通過しカートリッジ飛び出し防止機構が初期状態(原位置)に戻った状態を示す正面図である。
【図14】本発明に係るライブラリ装置の第2実施形態を示す全体平面概略構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、図1〜図12を参照して、本発明に係るライブラリ装置の一実施形態を説明する。
【0014】
まず、図1〜図4に基づいて上記実施形態のライブラリ装置10の全体を説明する。
本願発明のライブラリ装置10は、箱状の装置本体11を備えている。
この装置本体11には、当該装置本体11と略同様の形状の蓋部材12が被せられるようになっている。
また、装置本体11にはマガジン15が設けられており、このマガジン15の内部には、複数巻の磁気テープカートリッジ(以下、単にカートリッジという)16をそれぞれ収納する複数個のスロット17が装置本体11の長手方向Xに沿って並設されている。
【0015】
なお、ライブラリ装置10の全体を示す図1および図3において、装置本体11の長手方向をX方向とし、装置本体11の短辺方向(X方向と直交する方向)をY方向とする。
また、矢印Aは次に述べるアクセッサ18の移動方向を示し、上記X方向と実質同じ方向である。
【0016】
装置本体11の長手方向に沿った一方の側には、上記スロット17から取り出したカートリッジ16を装置本体11の長手方向X、つまりスロット17の並設方向に沿って移動する箱体状のアクセッサ18が設けられている。
さらに、装置本体11には、アクセッサ18の移動方向先方側に配置され、当該アクセッサ18により搬送されたカートリッジ16を取込んでデータの読み込みを行う磁気テープドライブ19が設けられている。
【0017】
ここで、アクセッサ18は、装置本体11の長手方向Xに沿った一方の側に敷設されたレール11Aにガイドされて移動するようになっている。
また、アクセッサ18によりスロット17内のカートリッジ16を取り出すには、スロット17内からアクセッサ18に設けられている図示しない公知のカートリッジ取出し機構により行われるようになっている。
【0018】
なお、本実施形態のライブラリ装置10では、図1、図3に示すように、マガジン15内に4個のスロット17が並設されており、それぞれのスロット17には、カートリッジ16が各1個ずつ収容されている。
また、図3には、次に述べる防止機構20は記載されていない。
【0019】
本願発明では、以上のような構成のライブラリ装置10において、各スロット17の開口部前面に、カートリッジ飛び出し防止機構(以下、単に防止機構という)20が設けられている。この防止機構20は、各スロット17内に収容されているカートリッジ16の全体が飛出すのを防止するものである。
【0020】
防止機構20は、図1、図4に示すように、各スロット17のそれぞれの開口部前面に設けられ、前記蓋部材12に設けられている。
防止機構20は、図5、図6に詳細を示すように、カートリッジ16の開口部側の側面と当接してカートリッジ16の全体が飛び出しを防止する板状のストッパ部材21を備えて構成されている。
【0021】
このストッパ部材21は、水平に配置された例えば丸棒状の支持部材である軸22に、ストッパ部材21の幅方向を軸22の軸線に沿わせた状態で取り付けられており、通常時は垂直状態となっている。そして、ストッパ部材21の幅方向の一端部が、スロット17内から飛び出したカートリッジ16の開口部側の側面と当接するようになっており、これにより、それ以上の飛び出しを防止できるようになっている(図7参照)。
ストッパ部材21は、上記のように設けられているので、アクセッサ18の搬送路Sに対して直交した状態で配置されていることになる。つまり、ストッパ部材21はアクセッサ18の搬送路S上の移動を阻むように配置されている。
【0022】
軸22の両端には留め具23が固着されている。この留め具23は、図6に詳細を示すように、略U字状の軸押え部23Aとその両端にそれぞれ外方に延びた平面状のフランジ部23Bを有する形状に形成されており、軸押え部23Aで軸22を押さえた状態でフランジ部23Bが前記蓋部材12に固着されている。
【0023】
また、軸22の中央部寄りの2箇所位置には、それぞれ巻きの向きが異なる2個の原位置復帰バネである線状のコイルバネ24,25が装備されている。
これらのコイルバネ24,25は、図6に示すように、軸22の外周部に径方向に沿って形成された所定幅寸法の溝22Aに、例えば2回巻いて、それぞれの一端24A,25Aがストッパ部材21の平面部に当接され、それぞれの他端24B,25Bが蓋部材12の裏面に当接されるように装着されている。
【0024】
すなわち、2個のコイルバネ24,25の取付けの向きは、図6において左側のコイルバネ24の一端24Aをストッパ部材21の表面(右側の面)に当接させると共に、コイルバネ24の他端24Bを蓋部材12の裏面側に延ばし(図6で左方向)かつ当接させた状態で取付けられている。
これに対して、図6において右側のコイルバネ25の一端25Aをストッパ部材21の裏面(左側の面)に当接させると共に、コイルバネ25の他端25Bを蓋部材12の裏面側に延ばし(図6で右方向)かつ当接させた状態で取付けられている。
その結果、ストッパ部材21および軸22は往復回動可能となっている。
【0025】
そして、前記ストッパ部材21、軸22、留め具23および2個のコイルバネ24,25により前記防止機構20が構成されている。
【0026】
前記ストッパ部材21および軸22は一体化され、この軸22が留め具23によって回動自在に支持され、さらに、軸回りにコイルバネ24,25が装着されているので、図12(A)、(B)に示すように、アクセッサ18が搬送路S上を移動しその移動方向先端面がストッパ部材21に当設したとき、ストッパ部材21がコイルバネ24,25の付勢力に抗してアクセッサ18の先端面に押され、さらに移動することで、ストッパ部材21はアクセッサ18の先端面に当設されることになる。
【0027】
図12(A)、(B)の状態からアクセッサ18がさらに移動したら、図13(A)に示すように、ストッパ部材21がアクセッサ18の上面に乗り上げた後、ストッパ部材21は、アクセッサ18の移動に連れて、図13(B)に示すように、コイルバネ24,25の付勢力により初期状態(初期の姿勢)に戻るようになっている。
【0028】
防止機構20のストッパ部材21は、その幅方向一端部が、図1、図7に示すように、マガジン15の幅方向の一端からL1寸法離れた位置になるように設けられている。
また、マガジン15に対して各スロット17の配置は、図1、図7に示すように、マガジン15の幅方向の一端からL2寸法だけ離れた位置に各スロット17の幅方向の一端が配置されるように、相互の位置関係が予め設定されている。
【0029】
これに対して、マガジン15とアクセッサ18との位置関係は、マガジン15の幅方向の一端とアクセッサ18の幅方向の一端とがわずかな隙間、つまりアクセッサ18がスムーズに移動できるような隙間となっている。
【0030】
ここで、仮に、アクセッサ18が箱状の形状で、かつカートリッジ16側の側面が平面状である場合、所定のスロット17内からカートリッジ16が飛び出していて、その一側面がストッパ部材21に当接しているとき、カートリッジ16がアクセッサ18の搬送路Sを塞いだ状態である。
すなわち、図11のa部に示すように、矢印B方向に飛び出したカートリッジ16のアクセッサ18側の側面の先端と、アクセッサ18の移動方向前面の一端部とが衝突するため、アクセッサ18がそれ以上移動できない。
【0031】
そこで、本実施形態では、上記のように所定のスロット17内からカートリッジ16が飛び出していてその一側面がストッパ部材21に当接し、その位置でストップしている場合でも、アクセッサ18が移動できるように、アクセッサ18のマガジン15側の側面にマガジン15から離れる方向に凹んだ逃げ溝となる凹状溝18Aが形成されている。
すなわち、図4、図9に詳細を示すように、凹状溝18Aはスロット17内から飛び出したカートリッジ16の先端部を回避できるように切欠かれており、その結果、アクセッサ18が移動する搬送路S内にカートリッジ16が飛び出していても、アクセッサ18は移動することができる。
【0032】
また、飛び出したカートリッジ16が図示しない制御手段により指定されたカートリッジ16であり、そのカートリッジ16を取り出す場合でも、アクセッサ18は当該カートリッジ16の位置まで移動することができるので、アクセッサ18はその位置で停止して、アクセッサ18に装備されている取り出し機構によりカートリッジ16をスロット17内から取り出すことができる。
【0033】
次に、図7〜図10に基づいて、マガジン15とアクセッサ18と防止機構20との相互の関連を説明する。
まず、図7の状態、つまり正常な状態で、不意の振動または衝撃がマガジン15に加わってカートリッジ16のロック機構が外れた場合、図8に示すように、カートリッジ16が飛び出し、そのカートリッジ16がストッパ部材21に当たり、カートリッジ16はそれ以上飛び出せなくなる。
【0034】
一方、図10に示すように、アクセッサ18が図10の直交方向、つまりX方向に移動したとき、カートリッジ16の先端部が矢印B方向に移動して飛び出していても、アクセッサ18に凹状溝18Aが形成されているので、その凹状溝18Aがカートリッジ16の先端部に当たることなく、アクセッサ18が移動することができる。
【0035】
次に、図12(A)、(B)および図13(A)、(B)に基づいて、アクセッサ18の移動と防止機構20におけるストッパ部材21との動作について説明する。
【0036】
図12(A)に示すようにアクセッサ18が矢印Aの移動方向に沿って移動するとき、アクセッサ18が、まず、図12(B)に示すようにストッパ部材21に接触する。
アクセッサ18がさらに進むと、ストッパ部材21はアクセッサ18の移動方向前面の傾斜面に押され、かつその傾斜面に沿って、軸22を基点にしてアクセッサ18の移動方向先側に回動する。
【0037】
図13(A)に示すように、アクセッサ18がさらに移動すると、ストッパ部材21はアクセッサ18の傾斜面を乗り越えた後、アクセッサ18の上面に乗り上げる。
図13(B)に示すようにアクセッサ18がさらに移動すると、そのアクセッサ18とストッパ部材21とが非接触となり、ストッパ部材21はバネ24,25の付勢力により原位置、つまり初期の姿勢に戻る。
【0038】
ここで、図13(A)において、アクセッサ18が位置している場所のスロット17からカートリッジ16が飛出している場合で、かつそのカートリッジ16が取り出すべき指定されたものである場合、アクセッサ18はその位置で停止して、アクセッサ18に装備されているカートリッジ取り出し機構により、飛出しているカートリッジ16を取り出せばよい。
【0039】
以上のように構成された本実施形態のライブラリ装置10によれば、次のような効果が得られる。
(1)防止機構20がストッパ部材21を備えており、このストッパ部材21が複数個のスロット17のそれぞれの開口部前面に設けられているので、マガジン15に不意の振動または衝撃が加わってマガジン15のロック機構が解除され、カートリッジ16が搬送路Sに飛び出した場合でも、そのカートリッジ16がストッパ部材21に突き当たりそれ以上の飛び出しを抑えることができる。そして、さらに、その場合でもアクセッサ18は移動することができるので、カートリッジ16の飛び出し/落下によるシステムの停止、およびシステムの再稼動のための人手介入を避けることができる。
【0040】
(2)防止機構20のストッパ部材21がスロット17の開口部前面に設けられ、アクセッサ18の移動時に当該アクセッサ18と接触するが、ストッパ部材21が軸22を基点にして回動自在に構成されているので、そのストッパ部材21はアクセッサ18に乗り上げる。その結果、カートリッジ16が搬送路Sに飛び出した場合でも、ストッパ部材21がアクセッサ18の移動を妨げることがなく、アクセッサ18は通常通りに移動することができる。
【0041】
(3)アクセッサ18のマガジン15側の側面に凹状溝18Aが形成されており、この凹状溝18Aが、スロット17内から飛び出したカートリッジ16の先端部を回避できるように形成されているので、カートリッジ16が飛び出していても、アクセッサ18はどこにも邪魔されずに移動することができる。
【0042】
(4)アクセッサ18のマガジン15側の側面に凹状溝18Aが形成されており、この凹状溝18Aが、スロット17内から飛び出したカートリッジ16の先端部を回避できるように形成されているので、飛び出したカートリッジ16が指定されたカートリッジ16であり、そのカートリッジ16を取り出す場合でも、アクセッサ18は当該カートリッジ16の位置まで移動することができる。その結果、アクセッサ18はその位置で停止してカートリッジ16をスロット17内から取り出すことができる。
【0043】
(5)防止機構20のストッパ部材21が軸22に装着されたバネ部材24,25の付勢力により、通常時には垂直状態(原位置状態)を維持しているので、アクセッサ18の移動方向からの衝撃・振動による揺れを吸収する。その結果、スロット17内から飛び出したカートリッジ16をその位置に、迅速かつ確実に保持することができる。
【0044】
(6)アクセッサ18の移動方向の前後面が、それぞれ下面に対して上面が狭くなるような傾斜面18Bに形成されているので、アクセッサ18の移動時に接触するストッパ部材21が容易に傾斜面18Bに沿って回動できるので、ストッパ部材21に無理な力が掛からずストッパ部材21の損傷を防止することができる。
【0045】
次に、図14に基づいて、本願発明に係るライブラリ装置の第2実施形態を説明する。
なお、この第2実施形態において、前記第1実施形態と同様の構成および使用部材には同一符号を付し、異なる部材等のみを説明する。
【0046】
本第2実施形態のライブラリ装置30は、装置本体31を備え、この装置本体31内にマガジン35内が収容されている。マガジン35にはスロット37がアクセッサ18の移動方向Aに沿って5列設けられ、かつそれぞれのスロット37内の手前側と奥側とに1個ずつカートリッジ16を収容した構成となっている。
【0047】
このようなライブラリ装置30においては、いずれかの列の例えば手前側のスロット37をカートリッジ入れ替え用の空室としておき、その空室を利用して、各スロット37の手前側と奥側とのカートリッジ16を前記磁気テープドライブ19に搬送することができるように構成されている。
また、前記防止機構20は、装置本体31に被せられる蓋部材32の裏面に設けられている。
【0048】
そして、このような第2実施形態のライブラリ装置30では、前記アクセッサ18と防止機構20のストッパ部材21と同様の作用と、前記(1)〜(6)と同様の効果を得ることができる。
【0049】
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【0050】
例えば、前記各実施形態では、防止機構20が、蓋部材12に固着された軸22と、この軸22に設けられたストッパ部材21とを備え、軸22にストッパ部材21を付勢する2個のコイルバネ24,25を装備した構成となっているが、これに限らない。
ストッパ部材の厚さを前記各実施形態のストッパ部材21の厚さより厚く形成して、ストッパ部材の自重により当該ストッパ部材が回動するようにし、これにより、コイルバネ24,25を使用しない構成としてもよい。
【0051】
また、前記各実施形態では、防止機構20が、軸22と、板状のストッパ部材21と、コイルバネ24,25とを備え、軸22が留め具23により蓋部材12に固着された構成とされているが、これに限らない。
例えば、丸棒部材をL字状に折り曲げると共に、折り曲げた先端部を、前記各実施形態のストッパ部材21と同様の役割を持たせるために同様の位置に配置し、丸棒部材の他端部をマガジンの上面に留め具を介して回動自在に支持する構成の防止機構としてもよい。この際、丸棒部材の他端部は留め具から抜けないようにすればよい。
このようにすれば、防止機構の構造が簡単であり、制作費等も安価になる、という効果が得られる。
【0052】
(付記1)
複数個の磁気テープカートリッジをそれぞれ収納する複数のスロットを内部に並設したマガジンと、
このマガジンを収容する装置本体と、
この装置本体の一方の側に設けられ前記スロットから取り出した前記磁気テープカートリッジを前記並設方向に沿って搬送する箱体状のアクセッサと、
前記装置本体に設けられ前記アクセッサにより搬送された前記磁気テープカートリッジを装填してデータの読み込みを行う磁気テープドライブと、を備えて構成し、
前記スロットの開口部前面に、当該スロット内から前記磁気テープカートリッジが前記搬送路内に飛出すのを防止するカートリッジ飛び出し防止機構を設け、
このカートリッジ飛び出し防止機構のカートリッジ用ストッパ部材を前記アクセッサの移動方向に沿って往復回動可能に構成したことを特徴とするライブラリ装置。
【0053】
(付記2)
付記1に記載したライブラリ装置において、
前記装置本体が当該装置本体を覆う蓋部材を備え、
前記カートリッジ飛び出し防止機構を、前記ストッパ部材を支持する支持部材と、この支持部材を前記蓋部材の裏面に取り付ける留め具とを備えて構成したことを特徴とするライブラリ装置。
【0054】
〔付記3〕
付記1または付記2に記載したライブラリ装置において、
前記ストッパ部材を板状部材で形成すると共に前記アクセッサの移動方向に直交した状態で配置したことを特徴とするライブラリ装置。
【0055】
(付記4)
付記3に記載したライブラリ装置において、
前記支持部材に前記板状のストッパ部材を垂下状態に設定する原位置復帰バネを設けたことを特徴とするライブラリ装置。
【0056】
(付記5)
付記4に記載したライブラリ装置において、
前記原位置復帰バネを2個のコイルバネで構成すると共にこれらのコイルバネを前記板状のストッパ部材の幅方向両端寄りに配置し、前記それぞれのコイルバネを当該各コイルバネの向きが異なる向きとなるように取付けたことを特徴とするライブラリ装置。
【0057】
(付記6)
付記2ないし付記5のいずれか一つに記載したライブラリ装置において、
前記アクセッサの前記開口部側の側面に、前記スロット内から飛出すと共に前記ストッパ部材と当接した前記磁気テープカートリッジの飛び出し部を通過可能とする凹状溝部を形成したことを特徴とするライブラリ装置。
【0058】
(付記7)
付記1ないし付記6のいずれか一つに記載したライブラリ装置において、
前記アクセッサの移動方向の前後面をそれぞれ下面に対して上面が狭くなるような傾斜面に形成したことを特徴とするライブラリ装置。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本願発明は、マガジンに収納された複数の磁気テープカートリッジのうちいずれかをアクセッサで搬送するライブラリ装置において、アクセッサの搬送路に磁気テープカートリッジが飛び出した場合に利用できる。
【符号の説明】
【0060】
10 ライブラリ装置(第1実施形態)
11 装置本体
12 蓋部材
15 マガジン
17 スロット
18 アクセッサ
18A 凹状溝
20 カートリッジ飛び出し防止機構
21 ストッパ部材
22 軸
23 留め具
24 バネ部材であるコイルバネ
25 バネ部材であるコイルバネ
30 ライブラリ装置(第2実施形態)
32 蓋部材
35 マガジン
37 スロット
A アクセッサの移動方向
B マガジンの飛び出し方向
S アクセッサの移動空間
X ライブラリ装置の長手方向
Y ライブラリ装置の幅方向
【技術分野】
【0001】
本発明はライブラリ装置に係り、さらに詳しくは、アクセッサが移動する搬送路上へマガジンからカートリッジが飛び出してもアクセッサが移動できるライブラリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ライブラリ装置では、筐体となる装置本体内にマガジンが配置されており、このマガジン内には複数個の磁気テープカートリッジが収納されている。
そして、制御手段で指定されたマガジン内の磁気テープカートリッジを、装置本体内に配置されたアクセッサにより取り出すと共に磁気テープドライブまで搬送し、その磁気テープドライブで所定の処理が行われるようになっている。
また、ライブラリ装置においては、マガジン内には、その内部に収納されている磁気テープカートリッジが通常時にマガジン内から飛び出さないようにするためのカートリッジ用ロック機構が設けられている。
【0003】
以上のようなライブラリ装置に関連する技術として、マガジンにカートリッジを装填するときのカートリッジの方向と、マガジンを装置内に投入するときのマガジンの方向が正しい場合以外は、カートリッジをマガジンに装填されないようにするライブラリ装置用マガジンおよびカートリッジが知られている(例えば特許文献1参照)。
この特許文献1に開示されたライブラリ装置用マガジンおよびカートリッジでは、カートリッジがマガジンに正常に収納されている場合には、マガジンの板ばねがカートリッジの先つぼみ部によって生じる空間内に配置され、これにより、板ばねがマガジンから飛び出さないようになっている。
【0004】
また、カートリッジ等の収納物が、揺れによる落下や自由な持ち出しから収納物を防護する収納物の防護機構、その防護方法、その防護プログラム、及びライブラリ装置が知られている(例えば特許文献2参照)。
この特許文献2に開示された収納物の防護機構等では、扉開閉機構部が、コイルばねを支持軸に巻き付け、その復元力を扉と側板との間に作用させることにより、閉位置にその復元力によって自動復帰させるようになっている。
また、扉ロック機構部が、各扉の上縁および下縁から回動可能に支持された複数のストッパを備えており、1つのストッパを係止させるための係止穴が天板に形成され、他の1つのストッパを係止させるための係止穴が底板に形成された構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−14825号公報
【特許文献2】特開2008−210474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般的なライブラリ装置では、マガジンが装置本体内に配置されている状態で、その装置本体に不意の振動または衝撃が加わり、マガジンのカートリッジロック機構が解除された場合、マガジン内の磁気テープカートリッジが、アクセッサが移動する搬送路上へ飛び出してしまい、場合によってはマガジンから落下することもある。
そのため、飛び出した、あるいは落下した磁気テープカートリッジによりアクセッサが移動できなくなるといった問題が発生していた。
その結果、システムを停止せざるを得ず、システムを再開するためには、作業者が飛び出した磁気テープカートリッジをマガジン内に押し込み、カートリッジロック機構に係合させる等、人手を介入しなければならず、生産性に影響が及ぶという問題にも発展する。
【0007】
また、前記特許文献1に開示されたライブラリ装置用マガジンでは、マガジンにカートリッジを装填するときのカートリッジの方向と、マガジンを装置内に投入するときのマガジンの方向が正しい場合以外は、カートリッジをマガジンに装填されないようにする構成であり、マガジン内に収納されたカートリッジがアクセッサの搬送路に飛び出した場合、それに対応することはできず、前述のように、システムを停止せざるを得ないという問題がある。
【0008】
さらに、前記特許文献2に開示された収納物の防護機構等では、セル内に収納されたカートリッジを扉ロック機構でロックするものであり、前記特許文献1と同様、マガジン内に収納されたカートリッジがアクセッサの搬送路に飛び出した場合、それに対応することはできず、前述のように、システムを停止せざるを得ないという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、上述した各課題を解決するために、アクセッサが移動する搬送路にマガジンから磁気テープカートリッジが飛び出した場合でもアクセッサが移動することができるライブラリ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本願発明のライブラリ装置は、複数個の磁気テープカートリッジをそれぞれ収納する複数のスロットを内部に並設したマガジンと、
このマガジンを収容する装置本体と、
この装置本体の一方の側に設けられ前記スロットから取り出した前記磁気テープカートリッジを前記並設方向に沿って搬送する箱体状のアクセッサと、
前記装置本体に設けられ前記アクセッサにより搬送された前記磁気テープカートリッジを装填してデータの読み込みを行う磁気テープドライブと、を備えて構成し、
前記スロットの開口部前面に、当該スロット内から前記磁気テープカートリッジが前記搬送路内に飛出すのを防止するカートリッジ飛び出し防止機構を設け、
このカートリッジ飛び出し防止機構のカートリッジ用ストッパ部材を前記アクセッサの移動方向に沿って往復回動可能に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願発明のライブラリ装置によれば、スロットの開口部前面にカートリッジ飛び出し防止機構が設けられ、このカートリッジ飛び出し防止機構に設けられたカートリッジ用ストッパ部材が、アクセッサの移動方向に沿って往復回動可能に構成されているので、マガジン内の磁気テープカートリッジがアクセッサの搬送路に飛び出した場合でもアクセッサは移動することができる。その結果、システムを停止したりせずに済む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るライブラリ装置の第1実施形態を示す全体平面概略構成図である。
【図2】図1におけるII-II線に沿った縦断面図である。
【図3】前記実施形態のライブラリ装置を示す全体斜視図である。
【図4】前記実施形態のライブラリ装置の要部を示す斜視図である。
【図5】前記実施形態のライブラリ装置のカートリッジ飛び出し防止機構を示す正面図である。
【図6】前記実施形態のライブラリ装置のカートリッジ飛び出し防止機構を示す斜視図である。
【図7】前記実施形態のライブラリ装置のカートリッジ飛び出し防止機構とマガジン内のカートリッジとの関連を表しカートリッジが飛び出していない状態を示す縦断面図である。
【図8】前記実施形態のライブラリ装置のカートリッジ飛び出し防止機構とマガジン内のカートリッジとの関連を表しカートリッジが飛び出した状態を示す縦断面図である。
【図9】前記実施形態のライブラリ装置のカートリッジ飛び出し防止機構とアクセッサとの関連を示す縦断面図である。
【図10】前記実施形態のライブラリ装置のカートリッジ飛び出し防止機構とマガジン内から飛び出したカートリッジとアクセッサとの関係を示す縦断面図である。
【図11】前記実施形態のライブラリ装置においてマガジン内から飛び出したカートリッジと逃げ用の凹溝が形成されていない場合のアクセッサとが衝突した状態を示す平面図である。
【図12】前記実施形態のライブラリ装置のアクセッサの移動とカートリッジ飛び出し防止機構との関連を示し、図12(A)は両者が接触する前の状態であり、同図(B)は両者が接触した直後の状態を示す正面図である。
【図13】前記実施形態のライブラリ装置のアクセッサの移動とカートリッジ飛び出し防止機構との関連を示し、図13(A)はカートリッジ飛び出し防止機構が回動しストッパ部材がアクセッサの上面に乗り上げた状態であり、同図(B)はアクセッサが通過しカートリッジ飛び出し防止機構が初期状態(原位置)に戻った状態を示す正面図である。
【図14】本発明に係るライブラリ装置の第2実施形態を示す全体平面概略構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、図1〜図12を参照して、本発明に係るライブラリ装置の一実施形態を説明する。
【0014】
まず、図1〜図4に基づいて上記実施形態のライブラリ装置10の全体を説明する。
本願発明のライブラリ装置10は、箱状の装置本体11を備えている。
この装置本体11には、当該装置本体11と略同様の形状の蓋部材12が被せられるようになっている。
また、装置本体11にはマガジン15が設けられており、このマガジン15の内部には、複数巻の磁気テープカートリッジ(以下、単にカートリッジという)16をそれぞれ収納する複数個のスロット17が装置本体11の長手方向Xに沿って並設されている。
【0015】
なお、ライブラリ装置10の全体を示す図1および図3において、装置本体11の長手方向をX方向とし、装置本体11の短辺方向(X方向と直交する方向)をY方向とする。
また、矢印Aは次に述べるアクセッサ18の移動方向を示し、上記X方向と実質同じ方向である。
【0016】
装置本体11の長手方向に沿った一方の側には、上記スロット17から取り出したカートリッジ16を装置本体11の長手方向X、つまりスロット17の並設方向に沿って移動する箱体状のアクセッサ18が設けられている。
さらに、装置本体11には、アクセッサ18の移動方向先方側に配置され、当該アクセッサ18により搬送されたカートリッジ16を取込んでデータの読み込みを行う磁気テープドライブ19が設けられている。
【0017】
ここで、アクセッサ18は、装置本体11の長手方向Xに沿った一方の側に敷設されたレール11Aにガイドされて移動するようになっている。
また、アクセッサ18によりスロット17内のカートリッジ16を取り出すには、スロット17内からアクセッサ18に設けられている図示しない公知のカートリッジ取出し機構により行われるようになっている。
【0018】
なお、本実施形態のライブラリ装置10では、図1、図3に示すように、マガジン15内に4個のスロット17が並設されており、それぞれのスロット17には、カートリッジ16が各1個ずつ収容されている。
また、図3には、次に述べる防止機構20は記載されていない。
【0019】
本願発明では、以上のような構成のライブラリ装置10において、各スロット17の開口部前面に、カートリッジ飛び出し防止機構(以下、単に防止機構という)20が設けられている。この防止機構20は、各スロット17内に収容されているカートリッジ16の全体が飛出すのを防止するものである。
【0020】
防止機構20は、図1、図4に示すように、各スロット17のそれぞれの開口部前面に設けられ、前記蓋部材12に設けられている。
防止機構20は、図5、図6に詳細を示すように、カートリッジ16の開口部側の側面と当接してカートリッジ16の全体が飛び出しを防止する板状のストッパ部材21を備えて構成されている。
【0021】
このストッパ部材21は、水平に配置された例えば丸棒状の支持部材である軸22に、ストッパ部材21の幅方向を軸22の軸線に沿わせた状態で取り付けられており、通常時は垂直状態となっている。そして、ストッパ部材21の幅方向の一端部が、スロット17内から飛び出したカートリッジ16の開口部側の側面と当接するようになっており、これにより、それ以上の飛び出しを防止できるようになっている(図7参照)。
ストッパ部材21は、上記のように設けられているので、アクセッサ18の搬送路Sに対して直交した状態で配置されていることになる。つまり、ストッパ部材21はアクセッサ18の搬送路S上の移動を阻むように配置されている。
【0022】
軸22の両端には留め具23が固着されている。この留め具23は、図6に詳細を示すように、略U字状の軸押え部23Aとその両端にそれぞれ外方に延びた平面状のフランジ部23Bを有する形状に形成されており、軸押え部23Aで軸22を押さえた状態でフランジ部23Bが前記蓋部材12に固着されている。
【0023】
また、軸22の中央部寄りの2箇所位置には、それぞれ巻きの向きが異なる2個の原位置復帰バネである線状のコイルバネ24,25が装備されている。
これらのコイルバネ24,25は、図6に示すように、軸22の外周部に径方向に沿って形成された所定幅寸法の溝22Aに、例えば2回巻いて、それぞれの一端24A,25Aがストッパ部材21の平面部に当接され、それぞれの他端24B,25Bが蓋部材12の裏面に当接されるように装着されている。
【0024】
すなわち、2個のコイルバネ24,25の取付けの向きは、図6において左側のコイルバネ24の一端24Aをストッパ部材21の表面(右側の面)に当接させると共に、コイルバネ24の他端24Bを蓋部材12の裏面側に延ばし(図6で左方向)かつ当接させた状態で取付けられている。
これに対して、図6において右側のコイルバネ25の一端25Aをストッパ部材21の裏面(左側の面)に当接させると共に、コイルバネ25の他端25Bを蓋部材12の裏面側に延ばし(図6で右方向)かつ当接させた状態で取付けられている。
その結果、ストッパ部材21および軸22は往復回動可能となっている。
【0025】
そして、前記ストッパ部材21、軸22、留め具23および2個のコイルバネ24,25により前記防止機構20が構成されている。
【0026】
前記ストッパ部材21および軸22は一体化され、この軸22が留め具23によって回動自在に支持され、さらに、軸回りにコイルバネ24,25が装着されているので、図12(A)、(B)に示すように、アクセッサ18が搬送路S上を移動しその移動方向先端面がストッパ部材21に当設したとき、ストッパ部材21がコイルバネ24,25の付勢力に抗してアクセッサ18の先端面に押され、さらに移動することで、ストッパ部材21はアクセッサ18の先端面に当設されることになる。
【0027】
図12(A)、(B)の状態からアクセッサ18がさらに移動したら、図13(A)に示すように、ストッパ部材21がアクセッサ18の上面に乗り上げた後、ストッパ部材21は、アクセッサ18の移動に連れて、図13(B)に示すように、コイルバネ24,25の付勢力により初期状態(初期の姿勢)に戻るようになっている。
【0028】
防止機構20のストッパ部材21は、その幅方向一端部が、図1、図7に示すように、マガジン15の幅方向の一端からL1寸法離れた位置になるように設けられている。
また、マガジン15に対して各スロット17の配置は、図1、図7に示すように、マガジン15の幅方向の一端からL2寸法だけ離れた位置に各スロット17の幅方向の一端が配置されるように、相互の位置関係が予め設定されている。
【0029】
これに対して、マガジン15とアクセッサ18との位置関係は、マガジン15の幅方向の一端とアクセッサ18の幅方向の一端とがわずかな隙間、つまりアクセッサ18がスムーズに移動できるような隙間となっている。
【0030】
ここで、仮に、アクセッサ18が箱状の形状で、かつカートリッジ16側の側面が平面状である場合、所定のスロット17内からカートリッジ16が飛び出していて、その一側面がストッパ部材21に当接しているとき、カートリッジ16がアクセッサ18の搬送路Sを塞いだ状態である。
すなわち、図11のa部に示すように、矢印B方向に飛び出したカートリッジ16のアクセッサ18側の側面の先端と、アクセッサ18の移動方向前面の一端部とが衝突するため、アクセッサ18がそれ以上移動できない。
【0031】
そこで、本実施形態では、上記のように所定のスロット17内からカートリッジ16が飛び出していてその一側面がストッパ部材21に当接し、その位置でストップしている場合でも、アクセッサ18が移動できるように、アクセッサ18のマガジン15側の側面にマガジン15から離れる方向に凹んだ逃げ溝となる凹状溝18Aが形成されている。
すなわち、図4、図9に詳細を示すように、凹状溝18Aはスロット17内から飛び出したカートリッジ16の先端部を回避できるように切欠かれており、その結果、アクセッサ18が移動する搬送路S内にカートリッジ16が飛び出していても、アクセッサ18は移動することができる。
【0032】
また、飛び出したカートリッジ16が図示しない制御手段により指定されたカートリッジ16であり、そのカートリッジ16を取り出す場合でも、アクセッサ18は当該カートリッジ16の位置まで移動することができるので、アクセッサ18はその位置で停止して、アクセッサ18に装備されている取り出し機構によりカートリッジ16をスロット17内から取り出すことができる。
【0033】
次に、図7〜図10に基づいて、マガジン15とアクセッサ18と防止機構20との相互の関連を説明する。
まず、図7の状態、つまり正常な状態で、不意の振動または衝撃がマガジン15に加わってカートリッジ16のロック機構が外れた場合、図8に示すように、カートリッジ16が飛び出し、そのカートリッジ16がストッパ部材21に当たり、カートリッジ16はそれ以上飛び出せなくなる。
【0034】
一方、図10に示すように、アクセッサ18が図10の直交方向、つまりX方向に移動したとき、カートリッジ16の先端部が矢印B方向に移動して飛び出していても、アクセッサ18に凹状溝18Aが形成されているので、その凹状溝18Aがカートリッジ16の先端部に当たることなく、アクセッサ18が移動することができる。
【0035】
次に、図12(A)、(B)および図13(A)、(B)に基づいて、アクセッサ18の移動と防止機構20におけるストッパ部材21との動作について説明する。
【0036】
図12(A)に示すようにアクセッサ18が矢印Aの移動方向に沿って移動するとき、アクセッサ18が、まず、図12(B)に示すようにストッパ部材21に接触する。
アクセッサ18がさらに進むと、ストッパ部材21はアクセッサ18の移動方向前面の傾斜面に押され、かつその傾斜面に沿って、軸22を基点にしてアクセッサ18の移動方向先側に回動する。
【0037】
図13(A)に示すように、アクセッサ18がさらに移動すると、ストッパ部材21はアクセッサ18の傾斜面を乗り越えた後、アクセッサ18の上面に乗り上げる。
図13(B)に示すようにアクセッサ18がさらに移動すると、そのアクセッサ18とストッパ部材21とが非接触となり、ストッパ部材21はバネ24,25の付勢力により原位置、つまり初期の姿勢に戻る。
【0038】
ここで、図13(A)において、アクセッサ18が位置している場所のスロット17からカートリッジ16が飛出している場合で、かつそのカートリッジ16が取り出すべき指定されたものである場合、アクセッサ18はその位置で停止して、アクセッサ18に装備されているカートリッジ取り出し機構により、飛出しているカートリッジ16を取り出せばよい。
【0039】
以上のように構成された本実施形態のライブラリ装置10によれば、次のような効果が得られる。
(1)防止機構20がストッパ部材21を備えており、このストッパ部材21が複数個のスロット17のそれぞれの開口部前面に設けられているので、マガジン15に不意の振動または衝撃が加わってマガジン15のロック機構が解除され、カートリッジ16が搬送路Sに飛び出した場合でも、そのカートリッジ16がストッパ部材21に突き当たりそれ以上の飛び出しを抑えることができる。そして、さらに、その場合でもアクセッサ18は移動することができるので、カートリッジ16の飛び出し/落下によるシステムの停止、およびシステムの再稼動のための人手介入を避けることができる。
【0040】
(2)防止機構20のストッパ部材21がスロット17の開口部前面に設けられ、アクセッサ18の移動時に当該アクセッサ18と接触するが、ストッパ部材21が軸22を基点にして回動自在に構成されているので、そのストッパ部材21はアクセッサ18に乗り上げる。その結果、カートリッジ16が搬送路Sに飛び出した場合でも、ストッパ部材21がアクセッサ18の移動を妨げることがなく、アクセッサ18は通常通りに移動することができる。
【0041】
(3)アクセッサ18のマガジン15側の側面に凹状溝18Aが形成されており、この凹状溝18Aが、スロット17内から飛び出したカートリッジ16の先端部を回避できるように形成されているので、カートリッジ16が飛び出していても、アクセッサ18はどこにも邪魔されずに移動することができる。
【0042】
(4)アクセッサ18のマガジン15側の側面に凹状溝18Aが形成されており、この凹状溝18Aが、スロット17内から飛び出したカートリッジ16の先端部を回避できるように形成されているので、飛び出したカートリッジ16が指定されたカートリッジ16であり、そのカートリッジ16を取り出す場合でも、アクセッサ18は当該カートリッジ16の位置まで移動することができる。その結果、アクセッサ18はその位置で停止してカートリッジ16をスロット17内から取り出すことができる。
【0043】
(5)防止機構20のストッパ部材21が軸22に装着されたバネ部材24,25の付勢力により、通常時には垂直状態(原位置状態)を維持しているので、アクセッサ18の移動方向からの衝撃・振動による揺れを吸収する。その結果、スロット17内から飛び出したカートリッジ16をその位置に、迅速かつ確実に保持することができる。
【0044】
(6)アクセッサ18の移動方向の前後面が、それぞれ下面に対して上面が狭くなるような傾斜面18Bに形成されているので、アクセッサ18の移動時に接触するストッパ部材21が容易に傾斜面18Bに沿って回動できるので、ストッパ部材21に無理な力が掛からずストッパ部材21の損傷を防止することができる。
【0045】
次に、図14に基づいて、本願発明に係るライブラリ装置の第2実施形態を説明する。
なお、この第2実施形態において、前記第1実施形態と同様の構成および使用部材には同一符号を付し、異なる部材等のみを説明する。
【0046】
本第2実施形態のライブラリ装置30は、装置本体31を備え、この装置本体31内にマガジン35内が収容されている。マガジン35にはスロット37がアクセッサ18の移動方向Aに沿って5列設けられ、かつそれぞれのスロット37内の手前側と奥側とに1個ずつカートリッジ16を収容した構成となっている。
【0047】
このようなライブラリ装置30においては、いずれかの列の例えば手前側のスロット37をカートリッジ入れ替え用の空室としておき、その空室を利用して、各スロット37の手前側と奥側とのカートリッジ16を前記磁気テープドライブ19に搬送することができるように構成されている。
また、前記防止機構20は、装置本体31に被せられる蓋部材32の裏面に設けられている。
【0048】
そして、このような第2実施形態のライブラリ装置30では、前記アクセッサ18と防止機構20のストッパ部材21と同様の作用と、前記(1)〜(6)と同様の効果を得ることができる。
【0049】
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【0050】
例えば、前記各実施形態では、防止機構20が、蓋部材12に固着された軸22と、この軸22に設けられたストッパ部材21とを備え、軸22にストッパ部材21を付勢する2個のコイルバネ24,25を装備した構成となっているが、これに限らない。
ストッパ部材の厚さを前記各実施形態のストッパ部材21の厚さより厚く形成して、ストッパ部材の自重により当該ストッパ部材が回動するようにし、これにより、コイルバネ24,25を使用しない構成としてもよい。
【0051】
また、前記各実施形態では、防止機構20が、軸22と、板状のストッパ部材21と、コイルバネ24,25とを備え、軸22が留め具23により蓋部材12に固着された構成とされているが、これに限らない。
例えば、丸棒部材をL字状に折り曲げると共に、折り曲げた先端部を、前記各実施形態のストッパ部材21と同様の役割を持たせるために同様の位置に配置し、丸棒部材の他端部をマガジンの上面に留め具を介して回動自在に支持する構成の防止機構としてもよい。この際、丸棒部材の他端部は留め具から抜けないようにすればよい。
このようにすれば、防止機構の構造が簡単であり、制作費等も安価になる、という効果が得られる。
【0052】
(付記1)
複数個の磁気テープカートリッジをそれぞれ収納する複数のスロットを内部に並設したマガジンと、
このマガジンを収容する装置本体と、
この装置本体の一方の側に設けられ前記スロットから取り出した前記磁気テープカートリッジを前記並設方向に沿って搬送する箱体状のアクセッサと、
前記装置本体に設けられ前記アクセッサにより搬送された前記磁気テープカートリッジを装填してデータの読み込みを行う磁気テープドライブと、を備えて構成し、
前記スロットの開口部前面に、当該スロット内から前記磁気テープカートリッジが前記搬送路内に飛出すのを防止するカートリッジ飛び出し防止機構を設け、
このカートリッジ飛び出し防止機構のカートリッジ用ストッパ部材を前記アクセッサの移動方向に沿って往復回動可能に構成したことを特徴とするライブラリ装置。
【0053】
(付記2)
付記1に記載したライブラリ装置において、
前記装置本体が当該装置本体を覆う蓋部材を備え、
前記カートリッジ飛び出し防止機構を、前記ストッパ部材を支持する支持部材と、この支持部材を前記蓋部材の裏面に取り付ける留め具とを備えて構成したことを特徴とするライブラリ装置。
【0054】
〔付記3〕
付記1または付記2に記載したライブラリ装置において、
前記ストッパ部材を板状部材で形成すると共に前記アクセッサの移動方向に直交した状態で配置したことを特徴とするライブラリ装置。
【0055】
(付記4)
付記3に記載したライブラリ装置において、
前記支持部材に前記板状のストッパ部材を垂下状態に設定する原位置復帰バネを設けたことを特徴とするライブラリ装置。
【0056】
(付記5)
付記4に記載したライブラリ装置において、
前記原位置復帰バネを2個のコイルバネで構成すると共にこれらのコイルバネを前記板状のストッパ部材の幅方向両端寄りに配置し、前記それぞれのコイルバネを当該各コイルバネの向きが異なる向きとなるように取付けたことを特徴とするライブラリ装置。
【0057】
(付記6)
付記2ないし付記5のいずれか一つに記載したライブラリ装置において、
前記アクセッサの前記開口部側の側面に、前記スロット内から飛出すと共に前記ストッパ部材と当接した前記磁気テープカートリッジの飛び出し部を通過可能とする凹状溝部を形成したことを特徴とするライブラリ装置。
【0058】
(付記7)
付記1ないし付記6のいずれか一つに記載したライブラリ装置において、
前記アクセッサの移動方向の前後面をそれぞれ下面に対して上面が狭くなるような傾斜面に形成したことを特徴とするライブラリ装置。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本願発明は、マガジンに収納された複数の磁気テープカートリッジのうちいずれかをアクセッサで搬送するライブラリ装置において、アクセッサの搬送路に磁気テープカートリッジが飛び出した場合に利用できる。
【符号の説明】
【0060】
10 ライブラリ装置(第1実施形態)
11 装置本体
12 蓋部材
15 マガジン
17 スロット
18 アクセッサ
18A 凹状溝
20 カートリッジ飛び出し防止機構
21 ストッパ部材
22 軸
23 留め具
24 バネ部材であるコイルバネ
25 バネ部材であるコイルバネ
30 ライブラリ装置(第2実施形態)
32 蓋部材
35 マガジン
37 スロット
A アクセッサの移動方向
B マガジンの飛び出し方向
S アクセッサの移動空間
X ライブラリ装置の長手方向
Y ライブラリ装置の幅方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の磁気テープカートリッジをそれぞれ収納する複数のスロットを内部に並設したマガジンと、
このマガジンを収容する装置本体と、
この装置本体の一方の側に設けられ前記スロットから取り出した前記磁気テープカートリッジを前記並設方向に沿って搬送する箱体状のアクセッサと、
前記装置本体に設けられ前記アクセッサにより搬送された前記磁気テープカートリッジを装填してデータの読み込みを行う磁気テープドライブと、を備えて構成し、
前記スロットの開口部前面に、当該スロット内から前記磁気テープカートリッジが前記搬送路内に飛出すのを防止するカートリッジ飛び出し防止機構を設け、
このカートリッジ飛び出し防止機構のカートリッジ用ストッパ部材を前記アクセッサの移動方向に沿って往復回動可能に構成したことを特徴とするライブラリ装置。
【請求項2】
請求項1に記載したライブラリ装置において、
前記装置本体が当該装置本体を覆う蓋部材を備え、
前記カートリッジ飛び出し防止機構を、前記ストッパ部材を支持する支持部材と、この支持部材を前記蓋部材の裏面に取り付ける留め具とを備えて構成したことを特徴とするライブラリ装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載したライブラリ装置において、
前記ストッパ部材を板状部材で形成すると共に前記アクセッサの移動方向に直交した状態で配置したことを特徴とするライブラリ装置。
【請求項4】
請求項3に記載したライブラリ装置において、
前記支持部材に前記板状のストッパ部材を垂下状態に設定する原位置復帰バネを設けたことを特徴とするライブラリ装置。
【請求項5】
請求項4に記載したライブラリ装置において、
前記原位置復帰バネを2個のコイルバネで構成すると共にこれらのコイルバネを前記板状のストッパ部材の幅方向両端寄りに配置し、前記それぞれのコイルバネを当該各コイルバネの向きが異なる向きとなるように取付けたことを特徴とするライブラリ装置。
【請求項6】
請求項2ないし請求項5のいずれか一つに記載したライブラリ装置において、
前記アクセッサの前記開口部側の側面に、前記スロット内から飛出すと共に前記ストッパ部材と当接した前記磁気テープカートリッジの飛び出し部を通過可能とする凹状溝部を形成したことを特徴とするライブラリ装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載したライブラリ装置において、
前記アクセッサの移動方向の前後面をそれぞれ下面に対して上面が狭くなるような傾斜面に形成したことを特徴とするライブラリ装置。
【請求項1】
複数個の磁気テープカートリッジをそれぞれ収納する複数のスロットを内部に並設したマガジンと、
このマガジンを収容する装置本体と、
この装置本体の一方の側に設けられ前記スロットから取り出した前記磁気テープカートリッジを前記並設方向に沿って搬送する箱体状のアクセッサと、
前記装置本体に設けられ前記アクセッサにより搬送された前記磁気テープカートリッジを装填してデータの読み込みを行う磁気テープドライブと、を備えて構成し、
前記スロットの開口部前面に、当該スロット内から前記磁気テープカートリッジが前記搬送路内に飛出すのを防止するカートリッジ飛び出し防止機構を設け、
このカートリッジ飛び出し防止機構のカートリッジ用ストッパ部材を前記アクセッサの移動方向に沿って往復回動可能に構成したことを特徴とするライブラリ装置。
【請求項2】
請求項1に記載したライブラリ装置において、
前記装置本体が当該装置本体を覆う蓋部材を備え、
前記カートリッジ飛び出し防止機構を、前記ストッパ部材を支持する支持部材と、この支持部材を前記蓋部材の裏面に取り付ける留め具とを備えて構成したことを特徴とするライブラリ装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載したライブラリ装置において、
前記ストッパ部材を板状部材で形成すると共に前記アクセッサの移動方向に直交した状態で配置したことを特徴とするライブラリ装置。
【請求項4】
請求項3に記載したライブラリ装置において、
前記支持部材に前記板状のストッパ部材を垂下状態に設定する原位置復帰バネを設けたことを特徴とするライブラリ装置。
【請求項5】
請求項4に記載したライブラリ装置において、
前記原位置復帰バネを2個のコイルバネで構成すると共にこれらのコイルバネを前記板状のストッパ部材の幅方向両端寄りに配置し、前記それぞれのコイルバネを当該各コイルバネの向きが異なる向きとなるように取付けたことを特徴とするライブラリ装置。
【請求項6】
請求項2ないし請求項5のいずれか一つに記載したライブラリ装置において、
前記アクセッサの前記開口部側の側面に、前記スロット内から飛出すと共に前記ストッパ部材と当接した前記磁気テープカートリッジの飛び出し部を通過可能とする凹状溝部を形成したことを特徴とするライブラリ装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載したライブラリ装置において、
前記アクセッサの移動方向の前後面をそれぞれ下面に対して上面が狭くなるような傾斜面に形成したことを特徴とするライブラリ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−216258(P2012−216258A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79682(P2011−79682)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]