ラッピング装置
【課題】ロールベールを確実に起立させて荷降ろしするとともに、ロールベールを崩さずに積み込む。
【解決手段】ロールベールRの積込み時に、第1把持部材2Bと協働してロールベールRを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第2把持部材2Cと、ロールベールRの荷降ろし時に、第2把持部材2Cと協働してロールベールRを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第3把持部材2Dと、軸線をロールベールRの径方向に沿うように配置するとともに、基端側を圃場Bに置かれたロールベールRを保持する位置と、保持したロールベールRをロールベール支承部3に積み込む位置にわたる範囲で駆動回転するように支持し、且つ先端に第2把持部材2C及び第3把持部材2Dを、ロールベールRを保持する方向及び保持解除する方向に回転するように支持した積込みアーム2Aとを備える。
【解決手段】ロールベールRの積込み時に、第1把持部材2Bと協働してロールベールRを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第2把持部材2Cと、ロールベールRの荷降ろし時に、第2把持部材2Cと協働してロールベールRを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第3把持部材2Dと、軸線をロールベールRの径方向に沿うように配置するとともに、基端側を圃場Bに置かれたロールベールRを保持する位置と、保持したロールベールRをロールベール支承部3に積み込む位置にわたる範囲で駆動回転するように支持し、且つ先端に第2把持部材2C及び第3把持部材2Dを、ロールベールRを保持する方向及び保持解除する方向に回転するように支持した積込みアーム2Aとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面に置かれたロールベールを積み込むとともに、ラップし、ラップしたロールベールを起立させて降ろす機能を有するラッピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地面に置かれたロールベールを積み込むとともに、ラップし、ラップしたロールベールを起立させて降ろす機能を有するラッピング装置は、例えば、下記特許文献1に記載のものが知られている。このものは、積込みアームの回転・把持・把持解除によって、地面に置かれたロールベールを積み込むとともに、ラップしたロールベールを起立させて降ろすことができるようになっている。
【0003】
この積込みアームは、ラッピングマシンの機体に装架したベール支承台に一側の前端側の近傍位置に設ける支点軸により、略直立する姿勢からベール支承台の前方位置の一側において略水平な姿勢となる間を回転するよう装架されている。
【0004】
この積込みアームの先端側には、ベール支承台の前方位置に軸線方向を積込みアームの長手方向と直交させた姿勢として置かれるロールベールの周面を前方から抱える把持部材が設けられ、積込みアームの基端側には、ロールベールの周面を後方から抱える把持部材が設けられている。
【0005】
また、積込みアームの長手方向の中間部位には、ロールベールを立てた姿勢で降ろす際にロールベールの軸方向一端側の下周面を支える位置にある支え部材が、積込みの際にロールベールの下周面から外れる位置に切り換わるようにした立て降ろしユニットが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4036645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このようなラッピング装置によると、積込みアームのロールベール積込み動作時に、立て降ろしユニットが支え部材をロールベールの下周面から外れる位置に切り換えることによって、ロールベールを積み込むことができる。また、積込みアームのロールベール荷降ろし時には、立て降ろしユニットが支え部材をロールベールの軸方向一端側の下周面を支える位置に戻すことによって、ロールベールを起立させて降ろすことができる。
【0008】
しかしながら、このラッピング装置では、ロールベールを積み込んだりラップしたりするときにロールベールからこぼれ落ちる被成形材料や、移動時の土埃等が支え部材の軸支部分に入り込んで詰まった場合、支え部材のロールベールの下周面から外れる位置に切り換わる動作、ロールベールの下周面から外れる位置に切り換わった位置から元の位置に戻る動作が不能となる問題がある。
【0009】
前述の支え部材の動作が不能になると、ロールベール積込み動作時に、支え部材がロールベールの下周面から外れる位置に切り換わらないため、この支え部材がロールベールを削って崩してしまい、ロールベールをベール支承台に積み込むときの衝撃やラップするときの締め付け力等によって、崩れ部分からロールベールが壊れてしまう。
【0010】
また、ラップ後のロールベール降ろし時に、支え部材がロールベールの下周面を支える位置に戻らないため、把持部材によるロールベールの保持を解除したときの支えがなく、ロールベールがそのまま地面に落下してしまい、積込みアームを直立させてもロールベールを起立させることができなくなってしまう。
【0011】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、ロールベールを確実に起立させて荷降ろしすることができること、ロールベールを崩さずに積み込むことができること、ロールベールを崩さずに積み込むことで、ロールベールを確実にラップできること、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的を達成するために、本発明によるラッピング装置は、以下の構成を具備するものである。
【0013】
ロールベールを積み降ろす積み降ろし装置と、該積み降ろし装置によって積み込まれる前記ロールベールを支承するロールベール支承部と、ロールベール支承部に支承されたロールベールにラップフィルムを巻き付けるラップフィルム巻付け装置とを備え、前記積み降ろし装置は、前記ロールベール支承部側に設けられた第1把持部材と、前記ロールベールの積込み時に前記第1把持部材と協働して前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第2把持部材と、前記ロールベールの荷降ろし時にのみ、前記第2把持部材と協働して前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第3把持部材と、軸線を前記ロールベールの径方向に沿うように配置するとともに、基端側を圃場Bに置かれた前記ロールベールを保持する位置と、保持した前記ロールベールを前記ロールベール支承部に積み込む位置とにわたる範囲で駆動回転するように支持し、且つ先端に前記第2把持部材及び前記第3把持部材を、前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に回転するように支持した積込みアームとを備え、前記第2把持部材は、前記ロールベールの荷降し時に、前記ロールベールの軸方向一端側半部に位置した状態で、軸線が前記ロールベールの軸線と交差する方向となるように支持され、前記ロールベールを荷降ろしするときに、前記積込みアームを積込み方向に回転させることによって、前記第2把持部材が前記ロールベールの軸方向一端側半部を持ち上げて起立させるようにしていることを特徴とする。
【0014】
ロールベールを積み降ろす積み降ろし装置と、該積み降ろし装置によって積み込まれる前記ロールベールを支承するロールベール支承部と、ロールベール支承部に支承されたロールベールにラップフィルムを巻き付けるラップフィルム巻付け装置とを備え、前記積み降ろし装置は、前記ロールベール支承部側に設けられた第1把持部材と、前記ロールベールの積込み時に前記第1把持部材と協働して前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第2把持部材と、ロールベールの荷降ろし時にのみ、前記第2把持部材と協働して前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第3把持部材と、軸線を前記ロールベールの径方向に沿うように配置するとともに、基端側を圃場に置かれたロールベールを保持する位置と、保持した前記ロールベールを前記ロールベール支承部に積み込む位置とにわたる範囲で駆動回転するように支持し、且つ先端に前記第2把持部材及び前記第3把持部材を、前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に回転するように支持した積込みアームと、を備え、前記第2把持部材は、前記ロールベールの積み降ろし時に該ロールベールに接触する積み降ろし部材と、前記ロールベールの荷降ろし時にのみ該ロールベールに接触する支え部材とを備え、前記積み降ろし部材は、前記ロールベールの積込み時において、軸線を前記第1把持部材と平行とし、前記ロールベールの荷降ろし時において、前記第3把持部材が前記ロールベールを保持する位置に回転したときに、前記ロールベールの軸方向一端側半部の下方を支持する位置まで回転するように前記積込みアームの先端に支持され、前記支え部材は、前記ロールベールの積込み時において、該ロールベールに対して非接触状態とし、前記第3把持部材が前記ロールベールを保持する位置まで回転したときに、前記ロールベールの軸方向一端側半部の下方を支持するように接触し、且つ軸線が前記ロールベールの軸線と交差する位置となるように、前記積み降ろし部材に一体に支持され、前記ロールベールを荷降ろしするときに、前記積込みアームを積込み方向に回転させることによって、前記支え部材が前記ロールベールの軸方向一端側半部を持ち上げて起立させるようにしていることを特徴とする。
【0015】
前記第2把持部材と前記第3把持部材とが一体回転するように設けられていることを特徴とする。
【0016】
前記第2把持部材と前記第3把持部材とが夫々独立して回転するように設けられていることを特徴とする。
【0017】
前記第3把持部材は、荷降ろし時において前記ロールベールの周面を保持する保持部材を有し、該保持部材は、前記ロールベールの周面と対向する面の全面が該ロールベールの周面に接触状態となるように可動であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
このような特徴を有することで本発明は、ロールベールを確実に起立させて荷降ろしすることができるとともに、ロールベールを崩さずに積み込むことができる。ロールベールを崩さずに積み込むことで、ロールベールを確実にラップできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る第1実施形態のラッピング装置の斜視図で、積込み動作におけるロールベールの非保持状態を示す。
【図2】(a)は、図1の正面図、(b)は、図1の平面図、(c)は、図1の側面図。
【図3】同、ラッピング装置の斜視図で、積込み動作におけるロールベールの保持状態を示す。
【図4】(a)は図3の正面図、(b)は、図3の平面図、(c)は、図3の側面図。
【図5】同、ラッピング装置の斜視図で、ロールベールの積込み動作の中途を示す。
【図6】(a)は、図5の正面図、(b)は、図5の側面図。
【図7】(a)は、ロールベールをロールベール支承部に積み込んだ状態を示す正面図、(b)は、(a)の側面図。
【図8】同、ラッピング装置の斜視図で、ロールベールの荷降ろし動作においてロールベールを保持した状態を示す。
【図9】(a)は、図8の正面図、(b)は、図8の平面図、(c)は、図8の側面図。
【図10】同、ラッピング装置の斜視図で、ロールベールの荷降ろし動作の中途を示す。
【図11】(a)は、図10の正面図、(b)は、図10の平面図、(c)は、図10の側面図。
【図12】同、ラッピング装置の斜視図で、ロールベールを起立させる動作の中途を示す。
【図13】(a)は、図12の平面図、(b)は、図13の側面図。
【図14】同、ラッピング装置の斜視図で、ロールベールを起立させた状態を示す。
【図15】図14の側面図。
【図16】本発明に係る第2実施形態のラッピング装置の斜視図で、(a)は、積込み動作におけるロールベールの非保持状態を示し、(b)は、積込み動作におけるロールベールの保持状態を示す。
【図17】同、ラッピング装置の斜視図で、(a)は、ロールベールの積込み動作の中途を示し、(b)は、ロールベールをロールベール支承部に積み込んだ状態を示す。
【図18】同、ラッピング装置の斜視図で、(a)は、ロールベールの荷降ろし動作の当初においてロールベールを保持した状態を示し、(b)は、ロールベールの荷降ろし動作の中途を示す。
【図19】同、ラッピング装置の斜視図で、(a)は、ロールベールを起立させる動作の中途を示し、(b)は、ロールベールを起立させた状態を示す。
【図20】本発明に係る第3実施形態のラッピング装置を示し、(a)は、起立荷降ろし動作直前状態の正面図、(b)は、(a)の側面図。
【図21】本発明に係る第4実施形態のラッピング装置を示し、(a)は、起立荷降ろし動作直前状態の正面図、(b)は、(a)の側面図。
【図22】本発明に係る第5実施形態のラッピング装置を示す斜視図。
【図23】図22における保持部材を拡大して示し、(a)は、正面図、(b)は、(a)の側面図で揺動状態を示し、(c)は、(a)の平面図で揺動状態を示す。
【図24】本発明に係る第6実施形態のラッピング装置を示す斜視図。
【図25】図23における保持部材を拡大して示し、(a)は、正面図、(b)は、(a)の平面図で揺動状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明でいうロールベールは、被成形材料をロールベーラ等のロールベール成形装置によって、円筒状に圧縮成型したものであり、且つ成型したロールベールにネット、トワイン(ロープ)、シート等の結束資材や梱包資材が巻回された状態のものである。
【0021】
このロールベールは、ロールベール成形装置から圃場に排出されると、倒れた状態で圃場に置かれ、本発明のラッピング装置によって起立した状態で圃場に置かれる。ここで、ロールベールの倒れた状態とは、ロールベールの軸線が圃場面と平行である状態であり、ロールベールの起立した状態とは、ロールベールの軸線が圃場面に対して鉛直である状態である。
【0022】
ここで、被成形材料は、青刈りトウモロコシや牧草等の飼料作物、食品加工後の食品残渣、粗飼料や濃厚飼料等を混合調整した混合飼料等の家畜用飼料に用いる各種材料、籾殻、麦殻、木屑、おがくず、敷料、家畜糞等の肥料に用いる各種材料等である。
【0023】
本発明でいうラッピング装置は、自走式及び牽引車(トラクタ等)によって牽引される牽引式のいずれのものも含まれる。牽引式のラッピング装置を駆動させるには、牽引車の駆動力を利用することが有効であり、例えば、動力伝達装置を介して牽引車のPTO(Power Take Off)軸に接続するか、或いは、牽引車のバッテリの電力で駆動モータを駆動させる等の手段を採用することができる。
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図15は、本発明の第1実施形態に係るラッピング装置を、図16〜図19は、本発明の第2実施形態に係るラッピング装置を、図20は、本発明の第3実施形態に係るラッピング装置を、図21は、本発明の第4実施形態に係るラッピング装置を、図22及び図23は、本発明の第5実施形態に係るラッピング装置を、図24及び図25は、本発明の第6実施形態に係るラッピング装置を、夫々示す。
【0025】
第1実施形態に係るラッピング装置Aは、走行装置1と、ロールベールRを積み降ろす積み降ろし装置2と、積み降ろし装置2によって積み込まれるロールベールRを支承するロールベール支承部3と、ロールベール支承部3に支承されたロールベールRにラップを巻き付けるラップフィルム巻付け装置4と、を備えている。
【0026】
走行装置1は、車体1Aに、積み降ろし装置2、ロールベール支承部3、ラップフィルム巻付け装置4、操縦席10、並列一対のクローラ11、原動機(図示せず)、動力伝達装置(図示せず)等を具備し、操縦席10に乗ったオペレータ(図示せず)が操縦することによって走行するようになっている。
【0027】
尚、本明細書では、走行装置1におけるロールベール支承部3側を前方、操縦席10側を後方、クローラ11の並列方向を左右方向、鉛直方向に沿うロールベール支承部3側を上方、クローラ側を下方とする。
【0028】
積み降ろし装置2は、操縦席10に乗ったオペレータ(図示せず)の操縦によって、ロールベールRの積み降ろし動作をするようになっている。この積み降ろし装置2は、倒れた状態で圃場Bに置かれたロールベールRをロールベール支承部3に積込み(図3〜図7参照)、ラップフィルム巻付け装置4によるラップ巻付け終了後に、ロールベールRを立たせた状態で圃場Bに荷降ろしするようになっている(図8〜図15参照)。
【0029】
ロールベール支承部3及びラップフィルム巻付け装置4に関する構成は、周知の構成であるので、具体的な構成及び動作については、下記の概略説明をすることで図示を省略する。
【0030】
ロールベール支承部3は、積み降ろし装置2の一部を構成するものであり、ロールベールRの積み降ろし動作時に傾倒するように支持されている。このロールベール支承部3は、ラップフィルム巻付け装置4の一部を構成するものであり、ラップフィルムFをロールベールRに巻き付けするためにロールベールRを支承して、ラップフィルムFの巻付け時に、鉛直方向を回転軸として回転するように支持されている。
【0031】
このロールベール支承部3は、駆動ローラ30と、回転ローラ31と、この駆動ローラ30と回転ローラ31にわたり巻掛けたベルト32とを備え、駆動ローラ30と回転ローラ31が前後方向で対面した状態と駆動ローラ30と回転ローラ31が上下方向で対面した状態とにわたり起立・傾倒可能に支持されている。
【0032】
駆動ローラ30と回転ローラ31が前後方向で対面した状態(以下「倒れた状態」という(図6及び図7参照))は、ベルト32上でロールベールRを支承可能な状態であり、支承したロールベールRを駆動ローラ30の駆動で回転するベルト32によって、軸線を回転中心として回転させることができるようになっている。駆動ローラ30と回転ローラ31が上下方向で対面した状態(以下「起立状態」という(図1〜図4、図9〜図15参照))は、ロールベールRを積み降ろしする動作の一部の状態である。
【0033】
ロールベール支承部3の起立・傾倒動作は、ロールベール支承部3と車体1Aとにわたって設けられたシリンダ1Bの伸縮によって行われるようになっており、シリンダ1Bの伸長によって起立し、収縮によって傾倒するようになっている。
【0034】
ラップフィルム巻付け装置4は、ロールベール支承部3と、このロールベール支承部3と一体となるように支持されたラップフィルム引出し部40と、車体1A上に支持され、ロール状に巻いたラップフィルムFを支持するラップフィルム支持部41とを備えている。
【0035】
このラップフィルム巻付け装置4は、ロールベール支承部3が回転することで、ラップフィルム引出し部40がラップフィルム支持部41からラップフィルムFを引出しながら、ロールベールRにラップフィルムFを巻き付けるようになっており、ロールベール支承部3の回転と同時に、ベルト32の回転でロールベールRを、その軸線を中心として回転させることによって、ロールベールRの全体にラップフィルムFを巻き付けるようになっている。
【0036】
更に、このラップフィルム巻付け装置4は、ラップフィルムFの巻付け後のロールベールRを積み降ろし装置2によって、ロールベールRを起立させながら荷降ろしする際に、ラップフィルム引出し部40がラップフィルムFを支持しながら切断するようになっている。
【0037】
次に、積み降ろし装置2の構成を具体的に説明する。積み降ろし装置2は、圃場面に置かれたロールベールRを保持する位置(図1及び図2参照)と、保持したロールベールRをロールベール支承部3に積み込む位置(図7参照)とにわたる範囲で起立・傾倒するように支持した積込みアーム2Aと、ロールベール支承部3と一体に設けられた第1把持部材2Bと、ロールベールRの積込み時に、第1把持部材2Bと協働してロールベールRを保持するように設けられた第2把持部材2Cと、ロールベールRの荷降ろし時に、第2把持部材2Cと協働してロールベールRを保持するように設けられた第3把持部材2Dとを備えている。
【0038】
積込みアーム2Aは、軸線を前後方向に沿わせて、車体1Aの外側に位置するように配した杆状のものであり、後方側がロールベール支承部3に一体に支持されており、ロールベール支承部3の前述の起立動作に伴って傾倒動作することで、軸線が平行方向(以下「平行状態」という)となり、ロールベール支承部3の前述の傾倒動作に伴って起立動作することで、軸線が上下方向(以下「起立状態」という)になるようにされている。この積込みアーム2Aの先端には、第2把持部材2Cと第3把持部材2Dが支持されている。
【0039】
第1把持部材2Bは、ローラ状のものであり、軸線を回転ローラ31の軸線と平行とするとともに、この回転ローラ31と対面するようにロールベール支承部3に支持されている。
【0040】
第2把持部材2Cと第3把持部材2Dとは、接続部材20Aを介して一体に接続されている。ここで接続部材20Aは、積込みアーム2Aに対して、この積込みアーム2Aが平行状態における鉛直軸を回転軸として回転するように軸支されており、この接続部材20Aの回転に伴って第2把持部材2Cと第3把持部材2Dを回転させるようになっている。
【0041】
接続部材20Aは、シリンダ21Aの伸縮動を動力とし、この動力を伝達するリンク部22Aによって駆動回転するようになっている。シリンダ21Aは、積込みアーム2Aとリンク部22Aにわたるように支持されており、シリンダ21Aの伸縮動がリンク部22Aに伝達されるようになっている。リンク部22Aは、積込みアーム2Aと接続部材20Aにわたり、折畳み自在に軸支され、積込みアーム2A側のリンク杆23Aにシリンダ21Aが軸支されている。
【0042】
第2把持部材2Cは、ロールベールRの積み降ろし時に使用される積み降ろし部材20Cと、ロールベールRの荷降ろし時にのみ使用される支え部材21Cとから構成されている。この第2把持部材2Cは、ロールベールRの積込み時において、積み降ろし部材20CがロールベールRに接触して保持しているとき、支え部材21Cがロールベールに対して非接触状態である(図3及び図4参照)。また、この第2把持部材2Cは、ロールベールRの荷降ろし時において、第3把持部材がロールベールRを保持する位置にあるとき、積み降ろし部材20Cと支え部材21Cとが、ロールベールRの軸方向一半部を保持する位置となるようにされている。
【0043】
積み降ろし部材20Cは、杆状のものであり、基端部が接続部材20Aを介して第3把持部材2Dと接続されている。支え部材21Cは、ローラ状のものであり、基端部が積み降ろし部材20Cの先端部に一体に設けられている。
【0044】
支え部材21Cは、ロールベールRに対する非保持状態において、基端部から先端部に向かって車体1Aから平行方向外側に離れる方向、且つ軸線が積み降ろし部材20Cの軸線と交差する方向として、平面視V形を呈するように設けられている(図1及び図2(b)参照)。
【0045】
第3把持部材2Dは、接続部材20Aを介して積み降ろし部材20Cと接続される接続杆部20Dと、接続杆部20Dと一体形成された保持部材21Dとから構成されている。この第3把持部材2Dは、積込み時において第2把持部材がロールベールRを保持している状態では、保持部材21DがロールベールRに対して接触しない方向を向き(図3及び図4(b)参照)、荷降ろし時においては、保持部材21DがロールベールRを保持する方向を向く(図8及び図9(b)参照)ように配置されている。
【0046】
接続杆部20Dは、ロールベールRに対する非保持状態(図2(c)参照)において、接続部材20Aに固定されている。
【0047】
保持部材21Dは、ロールベールRを保持するものであり、ロールベールRに対する非保持状態において、圃場面と平行となるようにされているとともに、先端部寄りの部位を曲げ加工してなる。このような曲げ加工により、ロールベールRを荷降ろしする状態において、ロールベールRを境に積込みアーム2Aと左右方向で対向する開放部2Eを拡げて、ロールベールRの荷降ろしをスムーズにできるようにしている(図10〜図15参照)。尚、保持部材21Dの曲げ加工した先端部寄りの部位を開放杆部とし、この開放杆部に符号21Eを付す。
【0048】
次に、積み降ろし装置2の積み降ろし工程を具体的に説明する。
【0049】
<ロールベール積込み工程>
第1工程(図1及び図2):ロールベール支承部3を起立状態として積込みアーム2Aを平行状態にし、且つ積み降ろし部材20Cの軸線を積込みアーム2Aの軸線と平行として走行装置1を走行させ、ロールベール支承部3がロールベールRの外周面と対面するとともに、第1把持部材Bの外周面がロールベールRの外周面に接触する位置で停止する。
【0050】
第2工程(図3及び図4):第2把持部材2Cをロールベール保持方向に回転させ、積み降ろし部材20Cの後方外周面をロールベールRの前方外周面に接触させて、第1把持部材2Bと積み降ろし部材20CとでロールベールRを保持する。
【0051】
第3工程(図5及び図6):ロールベール支承部3を傾倒させることで積込みアーム2Aを起立させて、保持したロールベールRを圃場から持ち上げ、ロールベール支承部3を倒れた状態にするとともに、積込みアーム2Aを起立状態にする。
【0052】
第4工程(図7): 第2把持部材2Cをロールベール保持解除方向に回転させて、積み降ろし部材20Cの後方外周面をロールベールRの前方外周面から離間させることで、ロールベールRの保持を解除して、このロールベールRをロールベール支承部3上に移動させる。
【0053】
ロールベールRがロールベール支承部3上で支承された状態において、ラップフィルム巻付け装置4によって、ロールベールRにフィルムFを巻き付ける(図示せず)。次のロールベール荷降ろし工程は、このラップフィルム巻付け工程後に行われる。
【0054】
<ロールベール荷降ろし工程>
第1工程(図8及び図9):ロールベール支承部3が倒れた状態で、第3把持部材2Dをロールベール保持方向に回転させて、保持部材21Dの下方外周面をロールベールRの上方外周面に接触させる。第3把持部材2Dの回転に伴って回転する第2把持部材2Cは、積み降ろし部材20Cの後方外周面及び支え部材21Cの後方外周面が、ロールベールRの前方外周面の軸方向一半部に接触して保持している。これにより、ロールベールRが第2把持部材2C、第3把持部材2D、ロールベール支承部3で保持された状態となる。このとき、積み降ろし部材20Cの軸線方向(長手方向)及び支え部材21Cの軸線方向(長手方向)が、ロールベールRの軸線に対して上下方向で交差する方向になっている。
【0055】
第2工程(図10及び図11):ロールベール支承部3を起立状態として積込みアーム2Aを平行状態にすることで、保持したロールベールRを圃場近くまで降ろす。この状態では、積み降ろし部材20Cの軸線方向(長手方向)及び支え部材21Cの軸線方向(長手方向)がロールベールRの軸線に対して前後方向で交差する方向になっている。また、ロールベールRの下方外周面の軸方向一半部が、積み降ろし部材20C及び支え部材21Cの上に載るように保持され、前方外周面が保持部材21Dの後方外周面で保持されている。また、この状態のロールベールRは、ロールベール支承部3に接触状態であり、このロールベール支承部3と第3把持部材2Dとで前後で挟むように保持されている。このように保持されたロールベールRは、軸線を平行として圃場から離れた状態になっている。
【0056】
第3工程(図12及び図13):第3把持部材2Dをロールベール保持解除方向に回転させることで、ロールベールRの保持を解除する。保持が解除されたロールベールRは、軸方向一半部が支え部材21Cで支えられ、この支え部材21Cを支点として反対側の端部が圃場Bに接触した状態になっている。
【0057】
第4工程(図14及び図15):ロールベール支承部3を傾倒させて積込みアーム2Aを起立させることによって、支え部材21CがロールベールRの軸方向一半部の下方を持ち上げながらこのロールベールRを起立させる。このとき、積込みアーム2Aの起立動作に伴って上方に移動する支え部材21Cは、ロールベールRの外周面を支えながらスライドすることで、ロールベールRを徐々に起立させることができる。支え部材21CによってロールベールRが一定の角度まで起立すると、この角度以降はロールベールRの自重によって、軸線が鉛直状態となるように起立する。
【0058】
以上の工程によって、圃場に置かれたロールベールRを積み込むとともに、ラップし、且つラップされたロールベールRを起立させて荷降ろしすることができる。
【0059】
このようなラッピング装置Aによると、ロールベールRの積込み時において、支え部材21CをロールベールRに対して接触させずに、第2把持部材2Cにおける積み降ろし部材20Cと第1把持部材2BとによるロールベールRの保持を行うことができるとともに、ロールベールRを崩さずに積み込むことができる、したがって、ロールベールRの円筒形状を保つことができるとともに、この円筒形状を保った状態で確実にラップすることができる。
【0060】
また、ロールベールRの荷降ろし時において、支え部材21CがロールベールRを支えるときには、シリンダ21Aの伸縮力によって回転する積み降ろし部材20Cと一体に回転して、ロールベールRを支える位置に移動するようになっているため、ロールベールRを確実に支えることができるとともに、このロールベールRを起立させながら荷降ろしすることができ、且つ支え部材21CをロールベールRに接触する位置(支える状態)と、支え部材21CをロールベールRに接触しない位置(支えてない状態)とに、任意に移動させることができる。
【0061】
また、第2把持部材2C及び第3把持部材2Dが、保持方向と非保持方向に回転することで、ロールベールRに対する保持及び保持解除をするようにしているので、保持方向の回転量をロールベールRの径に応じて変更することで、ロールベールRの径にかかわらず確実に保持することができる。
【0062】
また、第2把持部材2C及び第3把持部材2Dを、ロールベール支承部3と前後方向で重ならない位置まで非保持方向に回転させておくことによって、前述のロールベール積込み工程における第1工程を確実に行うことができ、この第1工程を確実に行えることによって、前述のロールベール積込み工程における第2工程を確実に行うことができる。
【0063】
図16〜図19は、本発明の第2実施形態に係るラッピング装置における積み降ろし装置5の構成図である。この積み降ろし装置5は、第2把持部材2Cと第3把持部材2Dを、夫々独立して保持方向及び非保持方向に回転するように設けたものである。尚、ラッピング装置Aにおける積み降ろし装置2と重複する部位についての説明は、同符号を付すことによって省略するとともに、積み降ろし装置5付近のみ図示する。
【0064】
積み降ろし装置5は、2本の積込みアーム2A,2A’を備えており、夫々、ロールベール支承部3に支持されている。積込みアーム2A,2A’は、上下方向で並列するように配置されており、下側の積込みアーム2Aの先端に第2把持部材2Cが支持され、上側の積込みアーム2A’の先端に第3把持部材2Dが支持されている。
【0065】
積込みアーム2Aに対する第2把持部材2Cの支持構造は、第1実施形態における構造と同様であり、積込みアーム2Aに回転可能に支持された接続部材20Aに第2把持部材2Cを支持し、シリンダ21A及びリンク部22Aによって接続部材20Aを回転させることで、第2把持部材2Cを回転させるようになっている。
【0066】
積込みアーム2A’に対する第3把持部材2Dの支持構造は、積込みアーム2Aに対する第2把持部材2Cの支持構造と同様であり、積込みアーム2A’に回転可能に支持された接続部材20Aに第3把持部材2Dを支持し、シリンダ21A及びリンク部22Aによって接続部材20Aを回転させることで、第2把持部材2Cを回転させるようになっている。
【0067】
次に、積み降ろし装置5の積み降ろし工程を具体的に説明する。
【0068】
<ロールベール積込み工程>
第1工程(図16(a)):ロールベール支承部3を起立状態として積込みアーム2A、2A’を平行状態にし、且つ積み降ろし部材20Cの軸線を積込みアーム2Aの軸線と平行にするとともに、第3把持部材2Dを最も開いた状態(非保持方向に回転した状態)にして走行装置1を走行させ、ロールベール支承部3がロールベールRの外周面と対面するとともに、第1把持部材Bの外周面がロールベールRの外周面に接触する位置で停止する。
【0069】
第2工程(図16(b)):第2把持部材2Cをロールベール保持方向に回転させ、積み降ろし部材20Cの後方外周面をロールベールRの前方外周面に接触させて、第1把持部材2Bと積み降ろし部材20CとでロールベールRを保持する。
【0070】
第3工程(図17(a)):ロールベール支承部3を傾倒させることで積込みアーム2A、2A’を起立動作させて、保持したロールベールRを圃場Bから持ち上げ、ロールベール支承部3を倒れた状態にするとともに、積込みアーム2A、2A’を起立状態にする。
【0071】
第4工程(図17(b)):第2把持部材2Cをロールベール保持解除方向に回転させて、積み降ろし部材20Cの後方外周面をロールベールRの前方外周面から離間させることで、ロールベールRの保持を解除して、このロールベールRをロールベール支承部3上に移動させる。
【0072】
ロールベールRがロールベール支承部3上で支承された状態において、ラップフィルム巻付け装置4によって、ロールベールRにフィルムFを巻き付ける(図示せず)。次のロールベール荷降ろし工程は、このフィルム巻付け工程後に行われる。
【0073】
<ロールベール荷降ろし工程>
第1工程(図18(a)):ロールベール支承部3が倒れた状態で、第3把持部材2Dをロールベール保持方向に回転させて、保持部材21Dの下方外周面をロールベールRの上方外周面に接触させる。更に、第3把持部材2Dの回転と同時に又は後に、第2把持部材2Cにおける積み降ろし部材20Cの後方外周面及び支え部材21Cの後方外周面がロールベールRの前方外周面の軸方向一半部に接触する方向に、接触するまで回転させる。これにより、ロールベールRが第2把持部材2C、第3把持部材2D、ロールベール支承部3で保持された状態となる。このとき、積み降ろし部材20Cの軸線方向(長手方向)及び支え部材21Cの軸線方向(長手方向)が、ロールベールRの軸線に対して上下方向で交差する方向になっている。
【0074】
第2工程(図18(b)):ロールベール支承部3を起立動作させて、積込みアーム2Aを平行状態にすることで、保持したロールベールRを圃場B近くまで降ろす。この状態では、積み降ろし部材20Cの軸線方向(長手方向)及び支え部材21Cの軸線方向(長手方向)がロールベールRの軸線に対して前後方向で交差する方向になっている。また、ロールベールRの下方外周面の軸方向一半部が、積み降ろし部材20C及び支え部材21Cの上に載るように保持され、前方外周面が保持部材21Dの後方外周面で保持されている。また、この状態のロールベールRは、ロールベール支承部3に接触状態であり、このロールベール支承部3と第3把持部材2Dとで前後で挟むように保持されている。このように保持されたロールベールRは、軸線を平行として圃場Bから離れた状態になっている。
【0075】
第3工程(図19(a)):第3把持部材2Dをロールベール保持解除方向に回転させることで、ロールベールRの保持を解除する。保持が解除されたロールベールRは、軸方向一半部が支え部材21Cで支えられ、この支え部材21Cを支点として反対側の端部が圃場Bに接触した状態になっている。
【0076】
第4工程(図19(b)):ロールベール支承部3を傾倒させて積込みアーム2Aを起立させることによって、支え部材21CがロールベールRの軸方向一半部の下方を持ち上げながらこのロールベールRを起立させる。このとき、積込みアーム2Aの起立動作に伴って上方に移動する支え部材21Cは、ロールベールRの外周面を支えながらスライドすることで、ロールベールRを徐々に起立させることができる。支え部材21CによってロールベールRが一定の角度まで起立すると、この角度以降はロールベールRの自重によって、軸線が鉛直状態となるように起立する。
【0077】
以上の工程によって、圃場に置かれたロールベールRを積み込むとともに、ラップし、且つラップされたロールベールRを起立させて荷降ろしすることができる。
【0078】
このような積み降ろし装置5を備えたラッピング装置によると、第1実施形態のラッピング装置と同様の作用効果を奏する。更に、第2把持部材2Cと第3把持部材2Dを夫々独立して回転させるようにしたので、ロールベールRを保持するときに、第2把持部材2C及び第3把持部材2Dの位置を最も安定のよい場所に夫々設定することができる。
【0079】
次に、本発明の第3実施形態に係るラッピング装置Aにおける積み降ろし装置6を説明する。尚、ラッピング装置Aにおける積み降ろし装置2と重複する部位についての説明は、同符号を付すことによって省略するとともに、積み降ろし装置6付近のみ図示する。
【0080】
この積み降ろし装置6は、第3把持部材2Dの保持部材21Dを、ロールベールRの起立動作直前の荷降ろし状態において、ロールベールRの軸線よりも下側に位置するように配置したものである。
【0081】
本実施形態では、第1実施形態における接続杆部20Dから保持部材21Dまでの範囲に相当する部分を接続杆部20Dとし、本実施形態の保持部材21Dは、第1実施形態における開放杆部21Eに相当する部分に設定されている。
【0082】
このように配置された保持部材21Dによると、起立動作直前の荷降ろし時におけるロールベールRを下側から受けて支えるため、ロールベールRに接触して保持する際に、ロールベールRをラップしたラップフィルムを破いたりロールベールRをへこませたりすることを防止でき、しかも、ロールベールRの抜け落ちを防止することができる。
【0083】
したがって、この積み降ろし装置6によると、荷降ろし時において、ロールベールRに対して保持による影響を与えずに、ロールベールRを確実に保持できる。
【0084】
次に、本発明の第4実施形態に係るラッピング装置Aにおける積み降ろし装置7を説明する。尚、ラッピング装置Aにおける積み降ろし装置2と重複する部位についての説明は、同符号を付すことによって省略するとともに、積み降ろし装置7付近のみ図示する。
【0085】
この積み降ろし装置7は、第3把持部材2Dの保持部材21Dをローラとしたものである。このような保持部材21Dは、接続杆部20Dの先端に、軸線をロールベールRの軸線と平行とするとともに、ロールベールRの起立動作直前の荷降ろし状態において、ロールベールRの軸線よりも下側に位置するように配置したものである。
【0086】
本実施形態では、第1実施形態における接続杆部20Dから保持部材21Dまでの範囲に相当する部分を接続杆部20Dとしている。
【0087】
このように配置された保持部材21Dによると、起立動作直前の荷降ろし時におけるロールベールRを下側から受けて支えるため、ロールベールRに接触して保持する際に、ロールベールRをラップしたラップフィルムを破いたりロールベールRをへこませたりすることを防止でき、しかも、ロールベールRの抜け落ちを防止することができる。また、ロールベールRの起立時における保持部材21DとロールベールRの接触摩擦を保持部材21Dの転がりによって低減することができる。
【0088】
したがって、この積み降ろし装置7によると、荷降ろし時において、ロールベールRに対して保持による影響を与えずに、ロールベールRを確実に保持できる。
【0089】
次に、本発明の第5実施形態に係るラッピング装置における積み降ろし装置8を説明する。尚、ラッピング装置Aにおける積み降ろし装置2と重複する部位についての説明は、同符号を付すことによって省略するとともに、積み降ろし装置8付近のみ図示する。
【0090】
この積み降ろし装置8は、第3把持部材2Dの保持部材21Dを、荷降ろし時においてロールベールRの周面と対向する面の全面がロールベールRの周面に接触状態となるように可動に設けたものである。
【0091】
本実施形態では、第1実施形態における接続杆部20Dから保持部材21Dまでの範囲に相当する部分を接続杆部20Dとしている。
【0092】
保持部材21Dは、図23(a)においてロールベールRの周面と対向する面が長円環状に形成され、且つ長手方向の中央部をわずかに折り曲げて図23(b)において「くの字状」となるように形成され、接続杆部20Dの先端に、図23(b)において上下方向及び図23(c)において左右方向に回転する継手21Fを介して揺動するように支持されている。
【0093】
このような継手21Fを介して支持された保持部材21Dは、ロールベールRを保持する際に、ロールベールRの周面の円弧及びロールベールRの軸方向の角度にならって搖動することによって、ロールベールRの周面に対向して接触する面(以下、保持面21Gという)の全面を、ロールベールRの周面に接触させることができるため、常に広い面積でロールベールRの周面を保持することができる。そのため、ロールベールRを確実に保持することができるとともに、ロールベールRに接触して保持する際に、ロールベールRをラップしたラップフィルムを破いたりロールベールRをへこませたりすることを防止でき、しかも、ロールベールRの抜け落ちを防止することができる。
【0094】
また、ロールベールRを斜め前方に起立させて荷降ろしする際に、ロールベールRの荷降ろし方向の角度に対応して、保持部材21Dが搖動することで、ロールベールRをスムーズに起立荷降ろしすることができる。そのため、起立荷降ろし時においても、ロールベールRをラップしたラップフィルムを破いたりロールベールRをへこませたりすることを防止できる。
【0095】
したがって、この積み降ろし装置8によると、荷降ろし時及び起立荷降ろし時において、ロールベールRに対して保持及び起立動作による影響を与えずに、ロールベールRを確実に保持できる。
【0096】
次に、本発明の第6実施形態に係るラッピング装置Aにおける積み降ろし装置9を説明する。尚、ラッピング装置Aにおける積み降ろし装置2と重複する部位についての説明は、同符号を付すことによって省略するとともに、積み降ろし装置9付近のみ図示する。
【0097】
積み降ろし装置9は、第3把持部材2Dの保持部材21Dをローラ状とし、荷降ろし時においてロールベールRの周面と対向する保持面21Gが、ロールベールRの周面に接触状態となるように可動に設けたものである。
【0098】
本実施形態では、第1実施形態における接続杆部20Dから保持部材21Dまでの範囲に相当する部分を接続杆部20Dとしている。
【0099】
保持部材21Dは、接続杆部20Dの先端に、図において左右方向に回転する継手21Hを介して揺動するように支持されている。
【0100】
このような継手21Fを介して支持された保持部材21Dは、ロールベールRを保持する際に、ロールベールRの軸方向の角度にならって搖動することによって、ロールベールRの周面に対向して接触する保持面21Gの全面を、ロールベールRの周面に接触させることができるので、ロールベールRを確実に保持することができる。また、保持部材21Dがローラ状であるため、ロールベールRを保持したり起立させたりする際に生じる保持部材21DとロールベールRとの接触摩擦を、この保持部材21Dの転がりによって低減することができる。この接触摩擦を低減することによって、ロールベールRをラップしたラップフィルムを破いたりロールベールRをへこませたりすることを防止できる。
【0101】
また、ロールベールRを斜め前方に起立させて荷降ろしする際に、ロールベールRの荷降ろし方向の角度に対応して、保持部材21Dが搖動することで、ロールベールRをスムーズに起立荷降ろしすることができる。そのため、起立荷降ろし時においても、ロールベールRをラップしたラップフィルムを破いたりロールベールRをへこませたりすることを防止できる。
【0102】
したがって、この積み降ろし装置9によると、荷降ろし時及び起立荷降ろし時において、ロールベールRに対して保持及び起立動作による影響を与えずに、ロールベールRを確実に保持できる。
【0103】
尚、本発明は、例示した実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。
【0104】
例えば、第1実施形態及び第2実施形態の第2把持部材2Cの構成を、積み降ろし部材20Cと支え部材21Cとの2部材からなるもので例示したが、第2把持部材2Cを直杆状の1本物とした構成としてもよい(図示せず)。この構成の場合、積込み時においては、積み降ろし部材20Cと同様に第1把持部材2BとでロールベールRを保持することができる。荷降し時においては、積み降ろし部材20Cと支え部材21Cと同様に、第3把持部材2D及びロールベール支承部3とでロールベールRを保持することができる。ロールベールRを起立させる状態においては、支え部材21Cと同様に、ロールベールRの軸方向一端側半部の下方を支持し、積込みアーム2Aの積込み方向の回転によって、ロールベールRの軸方向一端側半部の下方を持ち上げることによって起立させることができる。
【符号の説明】
【0105】
A:ラッピング装置
B:圃場
R:ロールベール
F:ラップフィルム
2:積み降ろし装置
3:ロールベール支承部
4:ラップフィルム巻付け装置
2A:積込みアーム
2B:第1把持部材
2C:第2把持部材
2D:第3把持部材
20C:積み降ろし部材
21C:支え部材
21D:保持部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面に置かれたロールベールを積み込むとともに、ラップし、ラップしたロールベールを起立させて降ろす機能を有するラッピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地面に置かれたロールベールを積み込むとともに、ラップし、ラップしたロールベールを起立させて降ろす機能を有するラッピング装置は、例えば、下記特許文献1に記載のものが知られている。このものは、積込みアームの回転・把持・把持解除によって、地面に置かれたロールベールを積み込むとともに、ラップしたロールベールを起立させて降ろすことができるようになっている。
【0003】
この積込みアームは、ラッピングマシンの機体に装架したベール支承台に一側の前端側の近傍位置に設ける支点軸により、略直立する姿勢からベール支承台の前方位置の一側において略水平な姿勢となる間を回転するよう装架されている。
【0004】
この積込みアームの先端側には、ベール支承台の前方位置に軸線方向を積込みアームの長手方向と直交させた姿勢として置かれるロールベールの周面を前方から抱える把持部材が設けられ、積込みアームの基端側には、ロールベールの周面を後方から抱える把持部材が設けられている。
【0005】
また、積込みアームの長手方向の中間部位には、ロールベールを立てた姿勢で降ろす際にロールベールの軸方向一端側の下周面を支える位置にある支え部材が、積込みの際にロールベールの下周面から外れる位置に切り換わるようにした立て降ろしユニットが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4036645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このようなラッピング装置によると、積込みアームのロールベール積込み動作時に、立て降ろしユニットが支え部材をロールベールの下周面から外れる位置に切り換えることによって、ロールベールを積み込むことができる。また、積込みアームのロールベール荷降ろし時には、立て降ろしユニットが支え部材をロールベールの軸方向一端側の下周面を支える位置に戻すことによって、ロールベールを起立させて降ろすことができる。
【0008】
しかしながら、このラッピング装置では、ロールベールを積み込んだりラップしたりするときにロールベールからこぼれ落ちる被成形材料や、移動時の土埃等が支え部材の軸支部分に入り込んで詰まった場合、支え部材のロールベールの下周面から外れる位置に切り換わる動作、ロールベールの下周面から外れる位置に切り換わった位置から元の位置に戻る動作が不能となる問題がある。
【0009】
前述の支え部材の動作が不能になると、ロールベール積込み動作時に、支え部材がロールベールの下周面から外れる位置に切り換わらないため、この支え部材がロールベールを削って崩してしまい、ロールベールをベール支承台に積み込むときの衝撃やラップするときの締め付け力等によって、崩れ部分からロールベールが壊れてしまう。
【0010】
また、ラップ後のロールベール降ろし時に、支え部材がロールベールの下周面を支える位置に戻らないため、把持部材によるロールベールの保持を解除したときの支えがなく、ロールベールがそのまま地面に落下してしまい、積込みアームを直立させてもロールベールを起立させることができなくなってしまう。
【0011】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、ロールベールを確実に起立させて荷降ろしすることができること、ロールベールを崩さずに積み込むことができること、ロールベールを崩さずに積み込むことで、ロールベールを確実にラップできること、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような目的を達成するために、本発明によるラッピング装置は、以下の構成を具備するものである。
【0013】
ロールベールを積み降ろす積み降ろし装置と、該積み降ろし装置によって積み込まれる前記ロールベールを支承するロールベール支承部と、ロールベール支承部に支承されたロールベールにラップフィルムを巻き付けるラップフィルム巻付け装置とを備え、前記積み降ろし装置は、前記ロールベール支承部側に設けられた第1把持部材と、前記ロールベールの積込み時に前記第1把持部材と協働して前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第2把持部材と、前記ロールベールの荷降ろし時にのみ、前記第2把持部材と協働して前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第3把持部材と、軸線を前記ロールベールの径方向に沿うように配置するとともに、基端側を圃場Bに置かれた前記ロールベールを保持する位置と、保持した前記ロールベールを前記ロールベール支承部に積み込む位置とにわたる範囲で駆動回転するように支持し、且つ先端に前記第2把持部材及び前記第3把持部材を、前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に回転するように支持した積込みアームとを備え、前記第2把持部材は、前記ロールベールの荷降し時に、前記ロールベールの軸方向一端側半部に位置した状態で、軸線が前記ロールベールの軸線と交差する方向となるように支持され、前記ロールベールを荷降ろしするときに、前記積込みアームを積込み方向に回転させることによって、前記第2把持部材が前記ロールベールの軸方向一端側半部を持ち上げて起立させるようにしていることを特徴とする。
【0014】
ロールベールを積み降ろす積み降ろし装置と、該積み降ろし装置によって積み込まれる前記ロールベールを支承するロールベール支承部と、ロールベール支承部に支承されたロールベールにラップフィルムを巻き付けるラップフィルム巻付け装置とを備え、前記積み降ろし装置は、前記ロールベール支承部側に設けられた第1把持部材と、前記ロールベールの積込み時に前記第1把持部材と協働して前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第2把持部材と、ロールベールの荷降ろし時にのみ、前記第2把持部材と協働して前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第3把持部材と、軸線を前記ロールベールの径方向に沿うように配置するとともに、基端側を圃場に置かれたロールベールを保持する位置と、保持した前記ロールベールを前記ロールベール支承部に積み込む位置とにわたる範囲で駆動回転するように支持し、且つ先端に前記第2把持部材及び前記第3把持部材を、前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に回転するように支持した積込みアームと、を備え、前記第2把持部材は、前記ロールベールの積み降ろし時に該ロールベールに接触する積み降ろし部材と、前記ロールベールの荷降ろし時にのみ該ロールベールに接触する支え部材とを備え、前記積み降ろし部材は、前記ロールベールの積込み時において、軸線を前記第1把持部材と平行とし、前記ロールベールの荷降ろし時において、前記第3把持部材が前記ロールベールを保持する位置に回転したときに、前記ロールベールの軸方向一端側半部の下方を支持する位置まで回転するように前記積込みアームの先端に支持され、前記支え部材は、前記ロールベールの積込み時において、該ロールベールに対して非接触状態とし、前記第3把持部材が前記ロールベールを保持する位置まで回転したときに、前記ロールベールの軸方向一端側半部の下方を支持するように接触し、且つ軸線が前記ロールベールの軸線と交差する位置となるように、前記積み降ろし部材に一体に支持され、前記ロールベールを荷降ろしするときに、前記積込みアームを積込み方向に回転させることによって、前記支え部材が前記ロールベールの軸方向一端側半部を持ち上げて起立させるようにしていることを特徴とする。
【0015】
前記第2把持部材と前記第3把持部材とが一体回転するように設けられていることを特徴とする。
【0016】
前記第2把持部材と前記第3把持部材とが夫々独立して回転するように設けられていることを特徴とする。
【0017】
前記第3把持部材は、荷降ろし時において前記ロールベールの周面を保持する保持部材を有し、該保持部材は、前記ロールベールの周面と対向する面の全面が該ロールベールの周面に接触状態となるように可動であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
このような特徴を有することで本発明は、ロールベールを確実に起立させて荷降ろしすることができるとともに、ロールベールを崩さずに積み込むことができる。ロールベールを崩さずに積み込むことで、ロールベールを確実にラップできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る第1実施形態のラッピング装置の斜視図で、積込み動作におけるロールベールの非保持状態を示す。
【図2】(a)は、図1の正面図、(b)は、図1の平面図、(c)は、図1の側面図。
【図3】同、ラッピング装置の斜視図で、積込み動作におけるロールベールの保持状態を示す。
【図4】(a)は図3の正面図、(b)は、図3の平面図、(c)は、図3の側面図。
【図5】同、ラッピング装置の斜視図で、ロールベールの積込み動作の中途を示す。
【図6】(a)は、図5の正面図、(b)は、図5の側面図。
【図7】(a)は、ロールベールをロールベール支承部に積み込んだ状態を示す正面図、(b)は、(a)の側面図。
【図8】同、ラッピング装置の斜視図で、ロールベールの荷降ろし動作においてロールベールを保持した状態を示す。
【図9】(a)は、図8の正面図、(b)は、図8の平面図、(c)は、図8の側面図。
【図10】同、ラッピング装置の斜視図で、ロールベールの荷降ろし動作の中途を示す。
【図11】(a)は、図10の正面図、(b)は、図10の平面図、(c)は、図10の側面図。
【図12】同、ラッピング装置の斜視図で、ロールベールを起立させる動作の中途を示す。
【図13】(a)は、図12の平面図、(b)は、図13の側面図。
【図14】同、ラッピング装置の斜視図で、ロールベールを起立させた状態を示す。
【図15】図14の側面図。
【図16】本発明に係る第2実施形態のラッピング装置の斜視図で、(a)は、積込み動作におけるロールベールの非保持状態を示し、(b)は、積込み動作におけるロールベールの保持状態を示す。
【図17】同、ラッピング装置の斜視図で、(a)は、ロールベールの積込み動作の中途を示し、(b)は、ロールベールをロールベール支承部に積み込んだ状態を示す。
【図18】同、ラッピング装置の斜視図で、(a)は、ロールベールの荷降ろし動作の当初においてロールベールを保持した状態を示し、(b)は、ロールベールの荷降ろし動作の中途を示す。
【図19】同、ラッピング装置の斜視図で、(a)は、ロールベールを起立させる動作の中途を示し、(b)は、ロールベールを起立させた状態を示す。
【図20】本発明に係る第3実施形態のラッピング装置を示し、(a)は、起立荷降ろし動作直前状態の正面図、(b)は、(a)の側面図。
【図21】本発明に係る第4実施形態のラッピング装置を示し、(a)は、起立荷降ろし動作直前状態の正面図、(b)は、(a)の側面図。
【図22】本発明に係る第5実施形態のラッピング装置を示す斜視図。
【図23】図22における保持部材を拡大して示し、(a)は、正面図、(b)は、(a)の側面図で揺動状態を示し、(c)は、(a)の平面図で揺動状態を示す。
【図24】本発明に係る第6実施形態のラッピング装置を示す斜視図。
【図25】図23における保持部材を拡大して示し、(a)は、正面図、(b)は、(a)の平面図で揺動状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明でいうロールベールは、被成形材料をロールベーラ等のロールベール成形装置によって、円筒状に圧縮成型したものであり、且つ成型したロールベールにネット、トワイン(ロープ)、シート等の結束資材や梱包資材が巻回された状態のものである。
【0021】
このロールベールは、ロールベール成形装置から圃場に排出されると、倒れた状態で圃場に置かれ、本発明のラッピング装置によって起立した状態で圃場に置かれる。ここで、ロールベールの倒れた状態とは、ロールベールの軸線が圃場面と平行である状態であり、ロールベールの起立した状態とは、ロールベールの軸線が圃場面に対して鉛直である状態である。
【0022】
ここで、被成形材料は、青刈りトウモロコシや牧草等の飼料作物、食品加工後の食品残渣、粗飼料や濃厚飼料等を混合調整した混合飼料等の家畜用飼料に用いる各種材料、籾殻、麦殻、木屑、おがくず、敷料、家畜糞等の肥料に用いる各種材料等である。
【0023】
本発明でいうラッピング装置は、自走式及び牽引車(トラクタ等)によって牽引される牽引式のいずれのものも含まれる。牽引式のラッピング装置を駆動させるには、牽引車の駆動力を利用することが有効であり、例えば、動力伝達装置を介して牽引車のPTO(Power Take Off)軸に接続するか、或いは、牽引車のバッテリの電力で駆動モータを駆動させる等の手段を採用することができる。
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図15は、本発明の第1実施形態に係るラッピング装置を、図16〜図19は、本発明の第2実施形態に係るラッピング装置を、図20は、本発明の第3実施形態に係るラッピング装置を、図21は、本発明の第4実施形態に係るラッピング装置を、図22及び図23は、本発明の第5実施形態に係るラッピング装置を、図24及び図25は、本発明の第6実施形態に係るラッピング装置を、夫々示す。
【0025】
第1実施形態に係るラッピング装置Aは、走行装置1と、ロールベールRを積み降ろす積み降ろし装置2と、積み降ろし装置2によって積み込まれるロールベールRを支承するロールベール支承部3と、ロールベール支承部3に支承されたロールベールRにラップを巻き付けるラップフィルム巻付け装置4と、を備えている。
【0026】
走行装置1は、車体1Aに、積み降ろし装置2、ロールベール支承部3、ラップフィルム巻付け装置4、操縦席10、並列一対のクローラ11、原動機(図示せず)、動力伝達装置(図示せず)等を具備し、操縦席10に乗ったオペレータ(図示せず)が操縦することによって走行するようになっている。
【0027】
尚、本明細書では、走行装置1におけるロールベール支承部3側を前方、操縦席10側を後方、クローラ11の並列方向を左右方向、鉛直方向に沿うロールベール支承部3側を上方、クローラ側を下方とする。
【0028】
積み降ろし装置2は、操縦席10に乗ったオペレータ(図示せず)の操縦によって、ロールベールRの積み降ろし動作をするようになっている。この積み降ろし装置2は、倒れた状態で圃場Bに置かれたロールベールRをロールベール支承部3に積込み(図3〜図7参照)、ラップフィルム巻付け装置4によるラップ巻付け終了後に、ロールベールRを立たせた状態で圃場Bに荷降ろしするようになっている(図8〜図15参照)。
【0029】
ロールベール支承部3及びラップフィルム巻付け装置4に関する構成は、周知の構成であるので、具体的な構成及び動作については、下記の概略説明をすることで図示を省略する。
【0030】
ロールベール支承部3は、積み降ろし装置2の一部を構成するものであり、ロールベールRの積み降ろし動作時に傾倒するように支持されている。このロールベール支承部3は、ラップフィルム巻付け装置4の一部を構成するものであり、ラップフィルムFをロールベールRに巻き付けするためにロールベールRを支承して、ラップフィルムFの巻付け時に、鉛直方向を回転軸として回転するように支持されている。
【0031】
このロールベール支承部3は、駆動ローラ30と、回転ローラ31と、この駆動ローラ30と回転ローラ31にわたり巻掛けたベルト32とを備え、駆動ローラ30と回転ローラ31が前後方向で対面した状態と駆動ローラ30と回転ローラ31が上下方向で対面した状態とにわたり起立・傾倒可能に支持されている。
【0032】
駆動ローラ30と回転ローラ31が前後方向で対面した状態(以下「倒れた状態」という(図6及び図7参照))は、ベルト32上でロールベールRを支承可能な状態であり、支承したロールベールRを駆動ローラ30の駆動で回転するベルト32によって、軸線を回転中心として回転させることができるようになっている。駆動ローラ30と回転ローラ31が上下方向で対面した状態(以下「起立状態」という(図1〜図4、図9〜図15参照))は、ロールベールRを積み降ろしする動作の一部の状態である。
【0033】
ロールベール支承部3の起立・傾倒動作は、ロールベール支承部3と車体1Aとにわたって設けられたシリンダ1Bの伸縮によって行われるようになっており、シリンダ1Bの伸長によって起立し、収縮によって傾倒するようになっている。
【0034】
ラップフィルム巻付け装置4は、ロールベール支承部3と、このロールベール支承部3と一体となるように支持されたラップフィルム引出し部40と、車体1A上に支持され、ロール状に巻いたラップフィルムFを支持するラップフィルム支持部41とを備えている。
【0035】
このラップフィルム巻付け装置4は、ロールベール支承部3が回転することで、ラップフィルム引出し部40がラップフィルム支持部41からラップフィルムFを引出しながら、ロールベールRにラップフィルムFを巻き付けるようになっており、ロールベール支承部3の回転と同時に、ベルト32の回転でロールベールRを、その軸線を中心として回転させることによって、ロールベールRの全体にラップフィルムFを巻き付けるようになっている。
【0036】
更に、このラップフィルム巻付け装置4は、ラップフィルムFの巻付け後のロールベールRを積み降ろし装置2によって、ロールベールRを起立させながら荷降ろしする際に、ラップフィルム引出し部40がラップフィルムFを支持しながら切断するようになっている。
【0037】
次に、積み降ろし装置2の構成を具体的に説明する。積み降ろし装置2は、圃場面に置かれたロールベールRを保持する位置(図1及び図2参照)と、保持したロールベールRをロールベール支承部3に積み込む位置(図7参照)とにわたる範囲で起立・傾倒するように支持した積込みアーム2Aと、ロールベール支承部3と一体に設けられた第1把持部材2Bと、ロールベールRの積込み時に、第1把持部材2Bと協働してロールベールRを保持するように設けられた第2把持部材2Cと、ロールベールRの荷降ろし時に、第2把持部材2Cと協働してロールベールRを保持するように設けられた第3把持部材2Dとを備えている。
【0038】
積込みアーム2Aは、軸線を前後方向に沿わせて、車体1Aの外側に位置するように配した杆状のものであり、後方側がロールベール支承部3に一体に支持されており、ロールベール支承部3の前述の起立動作に伴って傾倒動作することで、軸線が平行方向(以下「平行状態」という)となり、ロールベール支承部3の前述の傾倒動作に伴って起立動作することで、軸線が上下方向(以下「起立状態」という)になるようにされている。この積込みアーム2Aの先端には、第2把持部材2Cと第3把持部材2Dが支持されている。
【0039】
第1把持部材2Bは、ローラ状のものであり、軸線を回転ローラ31の軸線と平行とするとともに、この回転ローラ31と対面するようにロールベール支承部3に支持されている。
【0040】
第2把持部材2Cと第3把持部材2Dとは、接続部材20Aを介して一体に接続されている。ここで接続部材20Aは、積込みアーム2Aに対して、この積込みアーム2Aが平行状態における鉛直軸を回転軸として回転するように軸支されており、この接続部材20Aの回転に伴って第2把持部材2Cと第3把持部材2Dを回転させるようになっている。
【0041】
接続部材20Aは、シリンダ21Aの伸縮動を動力とし、この動力を伝達するリンク部22Aによって駆動回転するようになっている。シリンダ21Aは、積込みアーム2Aとリンク部22Aにわたるように支持されており、シリンダ21Aの伸縮動がリンク部22Aに伝達されるようになっている。リンク部22Aは、積込みアーム2Aと接続部材20Aにわたり、折畳み自在に軸支され、積込みアーム2A側のリンク杆23Aにシリンダ21Aが軸支されている。
【0042】
第2把持部材2Cは、ロールベールRの積み降ろし時に使用される積み降ろし部材20Cと、ロールベールRの荷降ろし時にのみ使用される支え部材21Cとから構成されている。この第2把持部材2Cは、ロールベールRの積込み時において、積み降ろし部材20CがロールベールRに接触して保持しているとき、支え部材21Cがロールベールに対して非接触状態である(図3及び図4参照)。また、この第2把持部材2Cは、ロールベールRの荷降ろし時において、第3把持部材がロールベールRを保持する位置にあるとき、積み降ろし部材20Cと支え部材21Cとが、ロールベールRの軸方向一半部を保持する位置となるようにされている。
【0043】
積み降ろし部材20Cは、杆状のものであり、基端部が接続部材20Aを介して第3把持部材2Dと接続されている。支え部材21Cは、ローラ状のものであり、基端部が積み降ろし部材20Cの先端部に一体に設けられている。
【0044】
支え部材21Cは、ロールベールRに対する非保持状態において、基端部から先端部に向かって車体1Aから平行方向外側に離れる方向、且つ軸線が積み降ろし部材20Cの軸線と交差する方向として、平面視V形を呈するように設けられている(図1及び図2(b)参照)。
【0045】
第3把持部材2Dは、接続部材20Aを介して積み降ろし部材20Cと接続される接続杆部20Dと、接続杆部20Dと一体形成された保持部材21Dとから構成されている。この第3把持部材2Dは、積込み時において第2把持部材がロールベールRを保持している状態では、保持部材21DがロールベールRに対して接触しない方向を向き(図3及び図4(b)参照)、荷降ろし時においては、保持部材21DがロールベールRを保持する方向を向く(図8及び図9(b)参照)ように配置されている。
【0046】
接続杆部20Dは、ロールベールRに対する非保持状態(図2(c)参照)において、接続部材20Aに固定されている。
【0047】
保持部材21Dは、ロールベールRを保持するものであり、ロールベールRに対する非保持状態において、圃場面と平行となるようにされているとともに、先端部寄りの部位を曲げ加工してなる。このような曲げ加工により、ロールベールRを荷降ろしする状態において、ロールベールRを境に積込みアーム2Aと左右方向で対向する開放部2Eを拡げて、ロールベールRの荷降ろしをスムーズにできるようにしている(図10〜図15参照)。尚、保持部材21Dの曲げ加工した先端部寄りの部位を開放杆部とし、この開放杆部に符号21Eを付す。
【0048】
次に、積み降ろし装置2の積み降ろし工程を具体的に説明する。
【0049】
<ロールベール積込み工程>
第1工程(図1及び図2):ロールベール支承部3を起立状態として積込みアーム2Aを平行状態にし、且つ積み降ろし部材20Cの軸線を積込みアーム2Aの軸線と平行として走行装置1を走行させ、ロールベール支承部3がロールベールRの外周面と対面するとともに、第1把持部材Bの外周面がロールベールRの外周面に接触する位置で停止する。
【0050】
第2工程(図3及び図4):第2把持部材2Cをロールベール保持方向に回転させ、積み降ろし部材20Cの後方外周面をロールベールRの前方外周面に接触させて、第1把持部材2Bと積み降ろし部材20CとでロールベールRを保持する。
【0051】
第3工程(図5及び図6):ロールベール支承部3を傾倒させることで積込みアーム2Aを起立させて、保持したロールベールRを圃場から持ち上げ、ロールベール支承部3を倒れた状態にするとともに、積込みアーム2Aを起立状態にする。
【0052】
第4工程(図7): 第2把持部材2Cをロールベール保持解除方向に回転させて、積み降ろし部材20Cの後方外周面をロールベールRの前方外周面から離間させることで、ロールベールRの保持を解除して、このロールベールRをロールベール支承部3上に移動させる。
【0053】
ロールベールRがロールベール支承部3上で支承された状態において、ラップフィルム巻付け装置4によって、ロールベールRにフィルムFを巻き付ける(図示せず)。次のロールベール荷降ろし工程は、このラップフィルム巻付け工程後に行われる。
【0054】
<ロールベール荷降ろし工程>
第1工程(図8及び図9):ロールベール支承部3が倒れた状態で、第3把持部材2Dをロールベール保持方向に回転させて、保持部材21Dの下方外周面をロールベールRの上方外周面に接触させる。第3把持部材2Dの回転に伴って回転する第2把持部材2Cは、積み降ろし部材20Cの後方外周面及び支え部材21Cの後方外周面が、ロールベールRの前方外周面の軸方向一半部に接触して保持している。これにより、ロールベールRが第2把持部材2C、第3把持部材2D、ロールベール支承部3で保持された状態となる。このとき、積み降ろし部材20Cの軸線方向(長手方向)及び支え部材21Cの軸線方向(長手方向)が、ロールベールRの軸線に対して上下方向で交差する方向になっている。
【0055】
第2工程(図10及び図11):ロールベール支承部3を起立状態として積込みアーム2Aを平行状態にすることで、保持したロールベールRを圃場近くまで降ろす。この状態では、積み降ろし部材20Cの軸線方向(長手方向)及び支え部材21Cの軸線方向(長手方向)がロールベールRの軸線に対して前後方向で交差する方向になっている。また、ロールベールRの下方外周面の軸方向一半部が、積み降ろし部材20C及び支え部材21Cの上に載るように保持され、前方外周面が保持部材21Dの後方外周面で保持されている。また、この状態のロールベールRは、ロールベール支承部3に接触状態であり、このロールベール支承部3と第3把持部材2Dとで前後で挟むように保持されている。このように保持されたロールベールRは、軸線を平行として圃場から離れた状態になっている。
【0056】
第3工程(図12及び図13):第3把持部材2Dをロールベール保持解除方向に回転させることで、ロールベールRの保持を解除する。保持が解除されたロールベールRは、軸方向一半部が支え部材21Cで支えられ、この支え部材21Cを支点として反対側の端部が圃場Bに接触した状態になっている。
【0057】
第4工程(図14及び図15):ロールベール支承部3を傾倒させて積込みアーム2Aを起立させることによって、支え部材21CがロールベールRの軸方向一半部の下方を持ち上げながらこのロールベールRを起立させる。このとき、積込みアーム2Aの起立動作に伴って上方に移動する支え部材21Cは、ロールベールRの外周面を支えながらスライドすることで、ロールベールRを徐々に起立させることができる。支え部材21CによってロールベールRが一定の角度まで起立すると、この角度以降はロールベールRの自重によって、軸線が鉛直状態となるように起立する。
【0058】
以上の工程によって、圃場に置かれたロールベールRを積み込むとともに、ラップし、且つラップされたロールベールRを起立させて荷降ろしすることができる。
【0059】
このようなラッピング装置Aによると、ロールベールRの積込み時において、支え部材21CをロールベールRに対して接触させずに、第2把持部材2Cにおける積み降ろし部材20Cと第1把持部材2BとによるロールベールRの保持を行うことができるとともに、ロールベールRを崩さずに積み込むことができる、したがって、ロールベールRの円筒形状を保つことができるとともに、この円筒形状を保った状態で確実にラップすることができる。
【0060】
また、ロールベールRの荷降ろし時において、支え部材21CがロールベールRを支えるときには、シリンダ21Aの伸縮力によって回転する積み降ろし部材20Cと一体に回転して、ロールベールRを支える位置に移動するようになっているため、ロールベールRを確実に支えることができるとともに、このロールベールRを起立させながら荷降ろしすることができ、且つ支え部材21CをロールベールRに接触する位置(支える状態)と、支え部材21CをロールベールRに接触しない位置(支えてない状態)とに、任意に移動させることができる。
【0061】
また、第2把持部材2C及び第3把持部材2Dが、保持方向と非保持方向に回転することで、ロールベールRに対する保持及び保持解除をするようにしているので、保持方向の回転量をロールベールRの径に応じて変更することで、ロールベールRの径にかかわらず確実に保持することができる。
【0062】
また、第2把持部材2C及び第3把持部材2Dを、ロールベール支承部3と前後方向で重ならない位置まで非保持方向に回転させておくことによって、前述のロールベール積込み工程における第1工程を確実に行うことができ、この第1工程を確実に行えることによって、前述のロールベール積込み工程における第2工程を確実に行うことができる。
【0063】
図16〜図19は、本発明の第2実施形態に係るラッピング装置における積み降ろし装置5の構成図である。この積み降ろし装置5は、第2把持部材2Cと第3把持部材2Dを、夫々独立して保持方向及び非保持方向に回転するように設けたものである。尚、ラッピング装置Aにおける積み降ろし装置2と重複する部位についての説明は、同符号を付すことによって省略するとともに、積み降ろし装置5付近のみ図示する。
【0064】
積み降ろし装置5は、2本の積込みアーム2A,2A’を備えており、夫々、ロールベール支承部3に支持されている。積込みアーム2A,2A’は、上下方向で並列するように配置されており、下側の積込みアーム2Aの先端に第2把持部材2Cが支持され、上側の積込みアーム2A’の先端に第3把持部材2Dが支持されている。
【0065】
積込みアーム2Aに対する第2把持部材2Cの支持構造は、第1実施形態における構造と同様であり、積込みアーム2Aに回転可能に支持された接続部材20Aに第2把持部材2Cを支持し、シリンダ21A及びリンク部22Aによって接続部材20Aを回転させることで、第2把持部材2Cを回転させるようになっている。
【0066】
積込みアーム2A’に対する第3把持部材2Dの支持構造は、積込みアーム2Aに対する第2把持部材2Cの支持構造と同様であり、積込みアーム2A’に回転可能に支持された接続部材20Aに第3把持部材2Dを支持し、シリンダ21A及びリンク部22Aによって接続部材20Aを回転させることで、第2把持部材2Cを回転させるようになっている。
【0067】
次に、積み降ろし装置5の積み降ろし工程を具体的に説明する。
【0068】
<ロールベール積込み工程>
第1工程(図16(a)):ロールベール支承部3を起立状態として積込みアーム2A、2A’を平行状態にし、且つ積み降ろし部材20Cの軸線を積込みアーム2Aの軸線と平行にするとともに、第3把持部材2Dを最も開いた状態(非保持方向に回転した状態)にして走行装置1を走行させ、ロールベール支承部3がロールベールRの外周面と対面するとともに、第1把持部材Bの外周面がロールベールRの外周面に接触する位置で停止する。
【0069】
第2工程(図16(b)):第2把持部材2Cをロールベール保持方向に回転させ、積み降ろし部材20Cの後方外周面をロールベールRの前方外周面に接触させて、第1把持部材2Bと積み降ろし部材20CとでロールベールRを保持する。
【0070】
第3工程(図17(a)):ロールベール支承部3を傾倒させることで積込みアーム2A、2A’を起立動作させて、保持したロールベールRを圃場Bから持ち上げ、ロールベール支承部3を倒れた状態にするとともに、積込みアーム2A、2A’を起立状態にする。
【0071】
第4工程(図17(b)):第2把持部材2Cをロールベール保持解除方向に回転させて、積み降ろし部材20Cの後方外周面をロールベールRの前方外周面から離間させることで、ロールベールRの保持を解除して、このロールベールRをロールベール支承部3上に移動させる。
【0072】
ロールベールRがロールベール支承部3上で支承された状態において、ラップフィルム巻付け装置4によって、ロールベールRにフィルムFを巻き付ける(図示せず)。次のロールベール荷降ろし工程は、このフィルム巻付け工程後に行われる。
【0073】
<ロールベール荷降ろし工程>
第1工程(図18(a)):ロールベール支承部3が倒れた状態で、第3把持部材2Dをロールベール保持方向に回転させて、保持部材21Dの下方外周面をロールベールRの上方外周面に接触させる。更に、第3把持部材2Dの回転と同時に又は後に、第2把持部材2Cにおける積み降ろし部材20Cの後方外周面及び支え部材21Cの後方外周面がロールベールRの前方外周面の軸方向一半部に接触する方向に、接触するまで回転させる。これにより、ロールベールRが第2把持部材2C、第3把持部材2D、ロールベール支承部3で保持された状態となる。このとき、積み降ろし部材20Cの軸線方向(長手方向)及び支え部材21Cの軸線方向(長手方向)が、ロールベールRの軸線に対して上下方向で交差する方向になっている。
【0074】
第2工程(図18(b)):ロールベール支承部3を起立動作させて、積込みアーム2Aを平行状態にすることで、保持したロールベールRを圃場B近くまで降ろす。この状態では、積み降ろし部材20Cの軸線方向(長手方向)及び支え部材21Cの軸線方向(長手方向)がロールベールRの軸線に対して前後方向で交差する方向になっている。また、ロールベールRの下方外周面の軸方向一半部が、積み降ろし部材20C及び支え部材21Cの上に載るように保持され、前方外周面が保持部材21Dの後方外周面で保持されている。また、この状態のロールベールRは、ロールベール支承部3に接触状態であり、このロールベール支承部3と第3把持部材2Dとで前後で挟むように保持されている。このように保持されたロールベールRは、軸線を平行として圃場Bから離れた状態になっている。
【0075】
第3工程(図19(a)):第3把持部材2Dをロールベール保持解除方向に回転させることで、ロールベールRの保持を解除する。保持が解除されたロールベールRは、軸方向一半部が支え部材21Cで支えられ、この支え部材21Cを支点として反対側の端部が圃場Bに接触した状態になっている。
【0076】
第4工程(図19(b)):ロールベール支承部3を傾倒させて積込みアーム2Aを起立させることによって、支え部材21CがロールベールRの軸方向一半部の下方を持ち上げながらこのロールベールRを起立させる。このとき、積込みアーム2Aの起立動作に伴って上方に移動する支え部材21Cは、ロールベールRの外周面を支えながらスライドすることで、ロールベールRを徐々に起立させることができる。支え部材21CによってロールベールRが一定の角度まで起立すると、この角度以降はロールベールRの自重によって、軸線が鉛直状態となるように起立する。
【0077】
以上の工程によって、圃場に置かれたロールベールRを積み込むとともに、ラップし、且つラップされたロールベールRを起立させて荷降ろしすることができる。
【0078】
このような積み降ろし装置5を備えたラッピング装置によると、第1実施形態のラッピング装置と同様の作用効果を奏する。更に、第2把持部材2Cと第3把持部材2Dを夫々独立して回転させるようにしたので、ロールベールRを保持するときに、第2把持部材2C及び第3把持部材2Dの位置を最も安定のよい場所に夫々設定することができる。
【0079】
次に、本発明の第3実施形態に係るラッピング装置Aにおける積み降ろし装置6を説明する。尚、ラッピング装置Aにおける積み降ろし装置2と重複する部位についての説明は、同符号を付すことによって省略するとともに、積み降ろし装置6付近のみ図示する。
【0080】
この積み降ろし装置6は、第3把持部材2Dの保持部材21Dを、ロールベールRの起立動作直前の荷降ろし状態において、ロールベールRの軸線よりも下側に位置するように配置したものである。
【0081】
本実施形態では、第1実施形態における接続杆部20Dから保持部材21Dまでの範囲に相当する部分を接続杆部20Dとし、本実施形態の保持部材21Dは、第1実施形態における開放杆部21Eに相当する部分に設定されている。
【0082】
このように配置された保持部材21Dによると、起立動作直前の荷降ろし時におけるロールベールRを下側から受けて支えるため、ロールベールRに接触して保持する際に、ロールベールRをラップしたラップフィルムを破いたりロールベールRをへこませたりすることを防止でき、しかも、ロールベールRの抜け落ちを防止することができる。
【0083】
したがって、この積み降ろし装置6によると、荷降ろし時において、ロールベールRに対して保持による影響を与えずに、ロールベールRを確実に保持できる。
【0084】
次に、本発明の第4実施形態に係るラッピング装置Aにおける積み降ろし装置7を説明する。尚、ラッピング装置Aにおける積み降ろし装置2と重複する部位についての説明は、同符号を付すことによって省略するとともに、積み降ろし装置7付近のみ図示する。
【0085】
この積み降ろし装置7は、第3把持部材2Dの保持部材21Dをローラとしたものである。このような保持部材21Dは、接続杆部20Dの先端に、軸線をロールベールRの軸線と平行とするとともに、ロールベールRの起立動作直前の荷降ろし状態において、ロールベールRの軸線よりも下側に位置するように配置したものである。
【0086】
本実施形態では、第1実施形態における接続杆部20Dから保持部材21Dまでの範囲に相当する部分を接続杆部20Dとしている。
【0087】
このように配置された保持部材21Dによると、起立動作直前の荷降ろし時におけるロールベールRを下側から受けて支えるため、ロールベールRに接触して保持する際に、ロールベールRをラップしたラップフィルムを破いたりロールベールRをへこませたりすることを防止でき、しかも、ロールベールRの抜け落ちを防止することができる。また、ロールベールRの起立時における保持部材21DとロールベールRの接触摩擦を保持部材21Dの転がりによって低減することができる。
【0088】
したがって、この積み降ろし装置7によると、荷降ろし時において、ロールベールRに対して保持による影響を与えずに、ロールベールRを確実に保持できる。
【0089】
次に、本発明の第5実施形態に係るラッピング装置における積み降ろし装置8を説明する。尚、ラッピング装置Aにおける積み降ろし装置2と重複する部位についての説明は、同符号を付すことによって省略するとともに、積み降ろし装置8付近のみ図示する。
【0090】
この積み降ろし装置8は、第3把持部材2Dの保持部材21Dを、荷降ろし時においてロールベールRの周面と対向する面の全面がロールベールRの周面に接触状態となるように可動に設けたものである。
【0091】
本実施形態では、第1実施形態における接続杆部20Dから保持部材21Dまでの範囲に相当する部分を接続杆部20Dとしている。
【0092】
保持部材21Dは、図23(a)においてロールベールRの周面と対向する面が長円環状に形成され、且つ長手方向の中央部をわずかに折り曲げて図23(b)において「くの字状」となるように形成され、接続杆部20Dの先端に、図23(b)において上下方向及び図23(c)において左右方向に回転する継手21Fを介して揺動するように支持されている。
【0093】
このような継手21Fを介して支持された保持部材21Dは、ロールベールRを保持する際に、ロールベールRの周面の円弧及びロールベールRの軸方向の角度にならって搖動することによって、ロールベールRの周面に対向して接触する面(以下、保持面21Gという)の全面を、ロールベールRの周面に接触させることができるため、常に広い面積でロールベールRの周面を保持することができる。そのため、ロールベールRを確実に保持することができるとともに、ロールベールRに接触して保持する際に、ロールベールRをラップしたラップフィルムを破いたりロールベールRをへこませたりすることを防止でき、しかも、ロールベールRの抜け落ちを防止することができる。
【0094】
また、ロールベールRを斜め前方に起立させて荷降ろしする際に、ロールベールRの荷降ろし方向の角度に対応して、保持部材21Dが搖動することで、ロールベールRをスムーズに起立荷降ろしすることができる。そのため、起立荷降ろし時においても、ロールベールRをラップしたラップフィルムを破いたりロールベールRをへこませたりすることを防止できる。
【0095】
したがって、この積み降ろし装置8によると、荷降ろし時及び起立荷降ろし時において、ロールベールRに対して保持及び起立動作による影響を与えずに、ロールベールRを確実に保持できる。
【0096】
次に、本発明の第6実施形態に係るラッピング装置Aにおける積み降ろし装置9を説明する。尚、ラッピング装置Aにおける積み降ろし装置2と重複する部位についての説明は、同符号を付すことによって省略するとともに、積み降ろし装置9付近のみ図示する。
【0097】
積み降ろし装置9は、第3把持部材2Dの保持部材21Dをローラ状とし、荷降ろし時においてロールベールRの周面と対向する保持面21Gが、ロールベールRの周面に接触状態となるように可動に設けたものである。
【0098】
本実施形態では、第1実施形態における接続杆部20Dから保持部材21Dまでの範囲に相当する部分を接続杆部20Dとしている。
【0099】
保持部材21Dは、接続杆部20Dの先端に、図において左右方向に回転する継手21Hを介して揺動するように支持されている。
【0100】
このような継手21Fを介して支持された保持部材21Dは、ロールベールRを保持する際に、ロールベールRの軸方向の角度にならって搖動することによって、ロールベールRの周面に対向して接触する保持面21Gの全面を、ロールベールRの周面に接触させることができるので、ロールベールRを確実に保持することができる。また、保持部材21Dがローラ状であるため、ロールベールRを保持したり起立させたりする際に生じる保持部材21DとロールベールRとの接触摩擦を、この保持部材21Dの転がりによって低減することができる。この接触摩擦を低減することによって、ロールベールRをラップしたラップフィルムを破いたりロールベールRをへこませたりすることを防止できる。
【0101】
また、ロールベールRを斜め前方に起立させて荷降ろしする際に、ロールベールRの荷降ろし方向の角度に対応して、保持部材21Dが搖動することで、ロールベールRをスムーズに起立荷降ろしすることができる。そのため、起立荷降ろし時においても、ロールベールRをラップしたラップフィルムを破いたりロールベールRをへこませたりすることを防止できる。
【0102】
したがって、この積み降ろし装置9によると、荷降ろし時及び起立荷降ろし時において、ロールベールRに対して保持及び起立動作による影響を与えずに、ロールベールRを確実に保持できる。
【0103】
尚、本発明は、例示した実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。
【0104】
例えば、第1実施形態及び第2実施形態の第2把持部材2Cの構成を、積み降ろし部材20Cと支え部材21Cとの2部材からなるもので例示したが、第2把持部材2Cを直杆状の1本物とした構成としてもよい(図示せず)。この構成の場合、積込み時においては、積み降ろし部材20Cと同様に第1把持部材2BとでロールベールRを保持することができる。荷降し時においては、積み降ろし部材20Cと支え部材21Cと同様に、第3把持部材2D及びロールベール支承部3とでロールベールRを保持することができる。ロールベールRを起立させる状態においては、支え部材21Cと同様に、ロールベールRの軸方向一端側半部の下方を支持し、積込みアーム2Aの積込み方向の回転によって、ロールベールRの軸方向一端側半部の下方を持ち上げることによって起立させることができる。
【符号の説明】
【0105】
A:ラッピング装置
B:圃場
R:ロールベール
F:ラップフィルム
2:積み降ろし装置
3:ロールベール支承部
4:ラップフィルム巻付け装置
2A:積込みアーム
2B:第1把持部材
2C:第2把持部材
2D:第3把持部材
20C:積み降ろし部材
21C:支え部材
21D:保持部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールベールを積み降ろす積み降ろし装置と、該積み降ろし装置によって積み込まれる前記ロールベールを支承するロールベール支承部と、ロールベール支承部に支承されたロールベールにラップフィルムを巻き付けるラップフィルム巻付け装置とを備え、
前記積み降ろし装置は、前記ロールベール支承部側に設けられた第1把持部材と、
前記ロールベールの積込み時に前記第1把持部材と協働して前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第2把持部材と、
前記ロールベールの荷降ろし時にのみ、前記第2把持部材と協働して前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第3把持部材と、
軸線を前記ロールベールの径方向に沿うように配置するとともに、基端側を圃場に置かれた前記ロールベールを保持する位置と、保持した前記ロールベールを前記ロールベール支承部に積み込む位置とにわたる範囲で駆動回転するように支持し、且つ先端に前記第2把持部材及び前記第3把持部材を、前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に回転するように支持した積込みアームとを備え、
前記第2把持部材は、前記ロールベールの荷降し時に、前記ロールベールの軸方向一端側半部に位置した状態で、軸線が前記ロールベールの軸線と交差する方向となるように支持され、前記ロールベールを荷降ろしするときに、前記積込みアームを積込み方向に回転させることによって、前記第2把持部材が前記ロールベールの軸方向一端側半部を持ち上げて起立させるようにしていることを特徴とするラッピング装置。
【請求項2】
ロールベールを積み降ろす積み降ろし装置と、該積み降ろし装置によって積み込まれる前記ロールベールを支承するロールベール支承部と、ロールベール支承部に支承されたロールベールにラップフィルムを巻き付けるラップフィルム巻付け装置と、を備え、
前記積み降ろし装置は、前記ロールベール支承部側に設けられた第1把持部材と、
前記ロールベールの積込み時に前記第1把持部材と協働して前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第2把持部材と、
前記ロールベールの荷降ろし時にのみ、前記第2把持部材と協働して前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第3把持部材と、
軸線を前記ロールベールの径方向に沿うように配置するとともに、基端側を圃場に置かれた前記ロールベールを保持する位置と、保持した前記ロールベールを前記ロールベール支承部に積み込む位置とにわたる範囲で駆動回転するように支持し、且つ先端に前記第2把持部材及び前記第3把持部材を、前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に回転するように支持した積込みアームと、
を備え、
前記第2把持部材は、前記ロールベールの積み降ろし時に該ロールベールに接触する積み降ろし部材と、前記ロールベールの荷降ろし時にのみ該ロールベールに接触する支え部材とを備え、
前記積み降ろし部材は、前記ロールベールの荷降ろし時において、前記第3把持部材が前記ロールベールを保持する位置に回転したときに、前記ロールベールの軸方向一端側半部の下方を支持する位置まで回転するように前記積込みアームの先端に支持され、
前記支え部材は、前記ロールベールの積込み時において、該ロールベールに対して非接触状態とし、前記第3把持部材が前記ロールベールを保持する位置まで回転したときに、前記ロールベールの軸方向一端側半部の下方を支持するように接触し、且つ軸線が前記ロールベールの軸線と交差する位置となるように、前記積み降ろし部材に一体に支持され、前記ロールベールを荷降ろしするときに、前記積込みアームを積込み方向に回転させることによって、前記支え部材が前記ロールベールの軸方向一端側半部を持ち上げて起立させるようにしていることを特徴とするラッピング装置。
【請求項3】
前記第2把持部材と前記第3把持部材とが一体回転するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のラッピング装置。
【請求項4】
前記第2把持部材と前記第3把持部材とが夫々独立して回転するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のラッピング装置。
【請求項5】
前記第3把持部材は、荷降ろし時において前記ロールベールの周面を保持する保持部材を有し、該保持部材は、前記ロールベールの周面と対向する面の全面が該ロールベールの周面に接触状態となるように可動であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のラッピング装置。
【請求項1】
ロールベールを積み降ろす積み降ろし装置と、該積み降ろし装置によって積み込まれる前記ロールベールを支承するロールベール支承部と、ロールベール支承部に支承されたロールベールにラップフィルムを巻き付けるラップフィルム巻付け装置とを備え、
前記積み降ろし装置は、前記ロールベール支承部側に設けられた第1把持部材と、
前記ロールベールの積込み時に前記第1把持部材と協働して前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第2把持部材と、
前記ロールベールの荷降ろし時にのみ、前記第2把持部材と協働して前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第3把持部材と、
軸線を前記ロールベールの径方向に沿うように配置するとともに、基端側を圃場に置かれた前記ロールベールを保持する位置と、保持した前記ロールベールを前記ロールベール支承部に積み込む位置とにわたる範囲で駆動回転するように支持し、且つ先端に前記第2把持部材及び前記第3把持部材を、前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に回転するように支持した積込みアームとを備え、
前記第2把持部材は、前記ロールベールの荷降し時に、前記ロールベールの軸方向一端側半部に位置した状態で、軸線が前記ロールベールの軸線と交差する方向となるように支持され、前記ロールベールを荷降ろしするときに、前記積込みアームを積込み方向に回転させることによって、前記第2把持部材が前記ロールベールの軸方向一端側半部を持ち上げて起立させるようにしていることを特徴とするラッピング装置。
【請求項2】
ロールベールを積み降ろす積み降ろし装置と、該積み降ろし装置によって積み込まれる前記ロールベールを支承するロールベール支承部と、ロールベール支承部に支承されたロールベールにラップフィルムを巻き付けるラップフィルム巻付け装置と、を備え、
前記積み降ろし装置は、前記ロールベール支承部側に設けられた第1把持部材と、
前記ロールベールの積込み時に前記第1把持部材と協働して前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第2把持部材と、
前記ロールベールの荷降ろし時にのみ、前記第2把持部材と協働して前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に駆動回転するように設けられた第3把持部材と、
軸線を前記ロールベールの径方向に沿うように配置するとともに、基端側を圃場に置かれた前記ロールベールを保持する位置と、保持した前記ロールベールを前記ロールベール支承部に積み込む位置とにわたる範囲で駆動回転するように支持し、且つ先端に前記第2把持部材及び前記第3把持部材を、前記ロールベールを保持する方向及び保持解除する方向に回転するように支持した積込みアームと、
を備え、
前記第2把持部材は、前記ロールベールの積み降ろし時に該ロールベールに接触する積み降ろし部材と、前記ロールベールの荷降ろし時にのみ該ロールベールに接触する支え部材とを備え、
前記積み降ろし部材は、前記ロールベールの荷降ろし時において、前記第3把持部材が前記ロールベールを保持する位置に回転したときに、前記ロールベールの軸方向一端側半部の下方を支持する位置まで回転するように前記積込みアームの先端に支持され、
前記支え部材は、前記ロールベールの積込み時において、該ロールベールに対して非接触状態とし、前記第3把持部材が前記ロールベールを保持する位置まで回転したときに、前記ロールベールの軸方向一端側半部の下方を支持するように接触し、且つ軸線が前記ロールベールの軸線と交差する位置となるように、前記積み降ろし部材に一体に支持され、前記ロールベールを荷降ろしするときに、前記積込みアームを積込み方向に回転させることによって、前記支え部材が前記ロールベールの軸方向一端側半部を持ち上げて起立させるようにしていることを特徴とするラッピング装置。
【請求項3】
前記第2把持部材と前記第3把持部材とが一体回転するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のラッピング装置。
【請求項4】
前記第2把持部材と前記第3把持部材とが夫々独立して回転するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のラッピング装置。
【請求項5】
前記第3把持部材は、荷降ろし時において前記ロールベールの周面を保持する保持部材を有し、該保持部材は、前記ロールベールの周面と対向する面の全面が該ロールベールの周面に接触状態となるように可動であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のラッピング装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2013−5723(P2013−5723A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129640(P2011−129640)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000107653)株式会社IHIスター (36)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(000107653)株式会社IHIスター (36)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]