説明

ラドン検出装置

【課題】 大掛かりな装置設備を用いることなく既存の井戸等の削孔や河川等での地下水のラドンの状況を容易に検出して地震の予知を実施する。
【解決手段】
耐圧容器13に検出器本体11を収容し、検出器本体11は、ヨウ化ナトリウムの結晶が混入されたプラスチックからなり、地下水からのγ線を第1柱部21の前面から入射して光を発するようにし、光電子増倍管12により発せられた光を電気信号に変換してγ線を検知してラドンを検出し、装置を大掛かりにすることなく取り扱いが容易で、既存の井戸等の削孔や河川等での地下水のラドンの状況を容易に検出することができるラドン検出装置1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラドンに由来するγ線を地下水から検出して地殻の状況を把握するためのラドン検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラドンは地中のラジウムを基にして生じるので、地下の深い場所で起こっている地殻変動等と深いかかわりがある。このため、地震や火山噴火の前兆現象の観測の一つとして地下水中のラドンの観測が行われている。これは、地殻変動の前には岩盤中に歪が蓄積し、これに伴い岩石中に新しい亀裂が発生するなど、地下水と岩石が接する表面積が増加・減少し、地下水中のラドンの濃度が変化するためと考えられている。
【0003】
このため、所定の地域に多数のポイントで井戸等を削孔し、各場所で、ヘリウムや水素の状況、水圧の状況、水質の状況(pH)等とともにラドンの濃度を観測し、地下水の挙動と地殻変動との関係を把握して地殻変動の観測が行われている。地下水の挙動を把握するために、従来から、井戸等から地下水を汲み上げて、汲み上げられた地下水からラドンの濃度を計測することが実施されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
従来の計測装置では、観測区間まで掘削を行い、ケーシングパイプ及び遮水材で観測区間を区画し、ストレーナ管を介して空間に地下水を流入させてガスを放出させ、ガスをポンプで濃度計まで圧送することでラドンの濃度を計測している。また、地下水をポンプ等で地上に汲み上げて、地上の検出器に地下水を循環させることによりラドンの濃度を計測することも行われている。
【0005】
従来の技術では、大掛かりな掘削を行って地下水を遮水したり、ガスを圧送したり地下水を汲み上げるポンプを備える必要があり、一つの測定箇所での装置が大掛かりになってしまう。このため、多数のポイントで地下水の挙動を計測するためには、大掛かりな装置が多数必要となり、地殻変動の観測のためのコストが過大になりすぎてしまう。地殻変動の観測を的確に行うには、観測のポイントは広範囲にわたり多数箇所であることが理想である。
【0006】
また、河川等で大掛かりな掘削を行わずにラドンの濃度を計測する要望もあるのが実情であり、現状とは異なった視点から地下水のラドンの計測を行う技術が望まれている。例えば、河川等では観測ポイントを逐一変更してラドンの計測が可能になれば、地震の予測だけでなく、様々な地殻変動、例えば、温泉の源泉の把握等にも適用範囲が広がっていく可能性がある。
【0007】
【特許文献1】特開平9−136083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、大掛かりな設備を要さずに、既存の井戸等の削孔や河川等での地下水のラドンを容易に計測することができるラドン検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明のラドン検出装置は、発光物質が混入された透明なプラスチックからなる検出器本体を備え、検出器本体は、ラドンに由来する放射線を入射面から入射して発光物質に衝突させて光を発するようにすると共に発した光を出射面から出射するようにし、出射面を除く検出器本体の外周に遮光部材を設け、光を電気信号に変換する光電子増倍管を検出器本体の出射面に接続し、検出器本体の電気信号に応じたラドンの状況に基づいて地殻活動を導出する導出手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項1に係る本発明では、入射面から入射したラドンに由来する放射線は発光物質に衝突して感度を維持した状態で光を発し、発せられた光が出射面に集められ、光電子増倍管で電気信号に変換されてラドンが測定され、測定されたラドンの状況に基づいて導出手段により地殻活動が導出される。検出器本体は発光物質が混入されたプラスチックからなるので、シンチレータを収容する容器等が必要なく取り扱いが容易である。入射面と出射面との間の検出器本体は、漸次径が小さくなるテーパ筒部を備えると、発光した光がより集光されやすくなる。
【0011】
そして、請求項2に係る本発明のラドン検出装置は、請求項1に記載のラドン検出装置において、発光物質は、タリウムをドープしたヨウ化ナトリウムの結晶であることを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る本発明では、結晶の主成分であるヨウ素の原子番号が高いので、放射線に対する発光効果の確率を高くすることができ、ラドンの検出を適切に行うことができる。
【0013】
また、請求項3に係る本発明のラドン検出装置は、請求項1もしくは請求項2に記載のラドン検出装置において、検出する放射線は、地下水に含まれるラドンに由来するγ線であることを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る本発明では、γ線の発光を検出してラドンの検出を適切に行うことができる。
【0015】
また、請求項4に係る本発明のラドン検出装置は、請求項3に記載のラドン検出装置において、地下水は、地上からの削孔で得られることを特徴とする。
【0016】
請求項4に係る本発明では、井戸等のように地上から削孔された孔の中に装置を投入することにより削孔内の地下水のラドンを検出することができる。
【0017】
また、請求項5に係る本発明のラドン検出装置は、請求項3に記載のラドン検出装置において、地下水は、河川の底からの湧出で得られることを特徴とする。
【0018】
請求項5に係る本発明では、河川の底に装置を移動させることにより底からの湧出で得られるラドンを検出することができる。
【0019】
また、請求項6に係る本発明のラドン検出装置は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のラドン検出装置において、導出手段で導出される地殻活動は、地震の前兆であることを特徴とする。
【0020】
請求項6に係る本発明では、ラドンを検出して地震予知を含めた地震の状況を導出することができる。
【0021】
また、請求項7に係る本発明のラドン検出装置は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のラドン検出装置において、導出手段で導出される地殻活動は、火山活動であることを特徴とする。
【0022】
請求項7に係る本発明では、ラドンを検出して火山活動の状況を導出することができる。
【0023】
また、請求項8に係る本発明のラドン検出装置は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のラドン検出装置において、導出手段で導出される地殻活動は、温泉に由来する活動であることを特徴とする。
【0024】
請求項8に係る本発明では、ラドンを検出して温泉の源泉の状況を導出することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のラドン検出装置は、大掛かりな設備を要さずに、既存の井戸等の削孔や河川等での地下水のラドンを容易に計測することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1には本発明の一実施形態例に係るラドン検出装置の設置例を表す概念、図2には本発明の一実施形態例に係るラドン検出装置を使用している状態の全体状況、図3には本発明の一実施形態例に係るラドン検出装置の要部構成、図4には検出器本体の側面、図5には検出器本体の正面を示してある。また、図6にはラドンを測定している状況の説明、図7にはラドンの測定状況を表すグラフを示してある。
【0027】
図1に示すように、本実施形態例のラドン検出装置は、所定の範囲における多数の箇所における地上から削孔された孔、例えば、井戸のポイントPに設置され、地下水に含まれるγ線を検知してラドンを検出する。地下水のラドンを検出することによりラドンの湧出分布やラドンの濃度等の状況が把握でき、地殻活動である地震の状況を導出することができる。
【0028】
即ち、図2に示すように、例えば、ラドン検出装置1は、井戸2の底面近傍に吊り下げられ、地下水3に含まれるラドンが検出される。ラドン検出装置1には、水位や水温、性状等を検出するセンサが備えられ、ラドン検出装置1は地上に設置された導出手段4に接続されている。導出手段4には、データロガー5、データ処理装置6、水位計7、水温計9等が備えられ、処理されたデータは通信手段8によりネットワーク網に載せられて集中管理される。
【0029】
例えば、各ポイントPでの地下水3のラドン濃度を初めとして、水質やヘリウム、水素、その他の化学成分や、水圧、水温等が統合的に管理され、地下水3の性状の変化等により、データベース等を基にして広域的に地殻変動の分析を行い、地震の予知の指標として使用される。
【0030】
本発明のラドン検出装置1は、広域的に地殻変動の分析を行うことで、火山活動の状況の指標として使用したり、温泉に由来する活動の指標として使用することが可能である。
【0031】
また、地上から削孔された孔に設置するだけでなく、河川の適宜箇所に移動させることで、河川の底からの湧出で得られるラドンを複数地点で検出することができ、ラドンの状況変化の大きさ等を把握することができる。この場合、限られた地域で温泉に由来する活動の指標として使用することが好適である。
【0032】
ラドン検出装置1の構成を具体的に説明する。
【0033】
図3に示すように、ラドン検出装置1は、検出器本体11及び光を電気信号に変換する光電子増倍管12が筒状の耐圧容器13に収容されている。耐圧容器13は、両端が開口されたチタン製の筒状容器14の一端側の開口にテーパ面を有するハウジング15が装着され、筒状容器14の他端側の開口に蓋部材16が装着され、筒状容器14の内部が密閉されるようになっている。
【0034】
尚、筒状容器14の材質はチタンに限らず、アルミニウムやステンレス等の金属や強度が保たれた樹脂等、種々の材質を用いることが可能である。
【0035】
筒状容器14の一端側(図中下端側)の開口にはOリング17を介してハウジング15が装着され、ハウジング15は筒状容器14の端部に固定された状態になっている。ハウジング15は基端から先端に向かい内径が漸次広がる状態に形成され、内径が漸次広がる開口に検出器本体11のテーパ柱部(後述する)が嵌合して検出器本体11が筒状容器14に保持される。検出器本体11は固定カバー20を筒状容器14の外周に螺合させることにより筒状容器14の一端側の開口にテーパ柱部を介して固定される。
【0036】
筒状容器14の他端側(図中上端側)の開口にはOリング18を介して蓋部材16が嵌めこまれ、蓋部材16は円環状のねじカバー19を筒状容器14の外周に螺合させることにより筒状容器14の他端側の開口に固定される。
【0037】
検出器本体11は発光物質が混入されたプラスチックからなり、γ線が発光物質に衝突して発する光が光電子増倍管12により電気信号に変えられる。変換された電気信号はアンプ10等を介して制御装置に送られ、γ線の状況を把握してラドンを検出するようになっている。
【0038】
検出器本体11のプラスチックに混入される発光物質は、微量のタリウムをドープしたヨウ化ナトリウムの結晶である。発光物質としてヨウ化ナトリウムの結晶を適用したことで、結晶の主成分であるヨウ素の原子番号が高く、γ線に対する発光効果の確率を高くすることができ、γ線の検出を適切に行うことができる。
【0039】
発光物質としては、ヨウ化セシウム、ヨウ化リチウム等、他の結晶を用いることが可能である。
【0040】
検出器本体11を説明する。
【0041】
図3〜図5に示すように、検出器本体11は、円柱状の第1柱部21及び第1柱部21よりも径が小さい第2柱部22を有すると共に、第1柱部21の後面と第2柱部22の前面を連結するテーパ柱部23を有している。図3に示すように、ハウジング15の開口にテーパ柱部23の外周面が嵌合し、第1柱部21が筒状容器14の一端に保持されると共に第2柱部22が筒状容器14の内部に保持される。第2柱部22の後面には光電子増倍管12が接続されている。
【0042】
ハウジング15の内径が漸次広がる開口にテーパ柱部23の外周面が嵌合していることにより、外部の圧力が高くなった場合にテーパ柱部23には嵌合力が働く力が加わる。このため、深い井戸2(図2参照)の地下水3(図2参照)の底部近傍の高圧下で使用した場合でも、検出器本体11を確実に筒状容器14に保持させることができる。
【0043】
尚、井戸2(図2参照)が深くなく高圧下で使用しない場合や、高圧にはならない河川等で使用する場合には、耐圧容器13に検出器本体11を保持する必要はなく、検出器本体11の形状も入射面と光電子増倍管12につながる出射面を備えた形状であれば、図示例の形状に限定されるものではない。例えば、柱状や断面台形状の裁頭円錐形状の検出器本体を適用することも可能である。
【0044】
密閉された筒状容器14に検出器本体11を保持させることにより、第1柱部21の前面と第2柱部22の後面を除く検出器本体11の外周に遮光部材が設けられた状態にされる。図4、図5に示すように、第1柱部21の前面と第2柱部22の後面を除く検出器本体11の外周面には反射処理として白い色が塗られている。
【0045】
検出器本体11の第1柱部21は、直径が192mm(190mm〜200mmの範囲)で、軸方向の長さが40mmであり、テーパ柱部23の軸方向の長さが50mmであり、第2柱部22の軸方向の長さが50mmであり、テーパ柱部23の傾斜度が45度(40度乃至65度の範囲)にされている。検出器本体11の第1柱部21、テーパ柱部23、第2柱部22の軸方向の長さ及びテーパ柱部23の角度を規定することにより、耐圧強度と集光性を両立させることができる。
【0046】
テーパ柱部23の傾斜角度を大きくすると、第1柱部21の径と第2柱部22の径の差が大きくなって光電子増倍管12に光が集まりやすくなるが、傾斜角度が65度を超えると耐圧強度を保つことができなくなる。テーパ柱部23の傾斜角度を小さくすると、ハウジング15の開口に対して大きな傾斜で嵌合して耐圧強度を高く保つことができるが、第1柱部21の径と第2柱部22の径の差が小さくなって光電子増倍管12に光が集まり難くなる。このため、検出器本体11の軸方向の長さ及びテーパ柱部23の角度を規定することにより、耐圧強度と集光性を両立させることができる。
【0047】
第1柱部21の前面から入射されたγ線は発光物質であるヨウ化ナトリウムの結晶に衝突して光を発し、発せられた光は、密閉された筒状容器14に遮光された状態の周面で反射しながら光電子増倍管12に集められて電気信号(電流値)に変換される。光電子増倍管12に集められた光の状況(電流値)により湧出する地下水のラドンが測定される。
【0048】
検出器本体11はヨウ化ナトリウムの結晶が混入されたプラスチックからなるので、取り扱いが極めて容易で持ち運びも簡単に行える。また、耐圧容器13に収められているので、地下水3の深度に拘わらずラドンを検出することができる。
【0049】
検出器本体11を河川等でそのまま使用する場合、図6に示すように、第2柱部22の後面を除く検出器本体11の外周に遮光部材としての遮光フィルム25を巻き付ける。また、第1柱部21の前面に入射面遮光部材としての遮光フィルム26を貼り付ける。この遮光フィルム26は、検出器本体11を耐圧容器13に収容する場合も設けることが可能である。
【0050】
遮光フィルム25を外周に巻きつけて検出器本体11を使用することにより、人が持ち運ぶことができる河川等で地下水のラドンを測定することができる。
【0051】
第1柱部21の前面に遮光フィルム26を設けることにより、γ線の入射面から光が放出されることがなく、光電子増倍管12への集光をより確実に行うことができる。また、外部の光を完全に遮断することによって光刺激による発光でなく、放射線(γ線)のみのエネルギー吸収で検出器本体11(シンチレーター)を発光させることができるようになる。
【0052】
尚、遮光部材として遮光フィルム25及び遮光フィルム26を例に挙げて説明したが、遮光部材としては遮光塗料を塗布することも可能である。
【0053】
図2に示すように、ラドン検出装置1は、井戸2の内部に吊り下げられて地下水3の底面近傍に配され、湧出する地下水のγ線を測定する。即ち、湧出する地下水のγ線が検出器本体11に入射すると、入射されたγ線がヨウ化ナトリウムの結晶に衝突して光を発し、発せられた光は、密閉された筒状容器14に遮光された状態の周面で反射しながら光電子増倍管12に集められて電気信号(電流値)に変換される。光電子増倍管12に集められた光の状況(電流値)により湧出する地下水のラドンが測定される。図1に示すように、多数の測定箇所で適宜ラドンの測定を行い、水位や水温、水質等と共に通信手段8により処理されたデータが集中管理される。
【0054】
図7に示すように、電流値の状況及び水温の状況と時刻との関係を分析することにより、地震との相関状況を把握することができる。例えば、A地区で地震が発生した時刻に関連して電流値が急変すると共に水温が上昇し、時刻が経過してB地区で地震が発生した時刻に関連して電流値が急変すると共に水温が下降することがわかる。このようなデータに基づいてラドンの湧出分布等を集中管理することにより、地震の発生状況や発生場所等の解析・評価を行う。そして、地震の発生状況や発生場所等の解析・評価のデータをデータベース化し、蓄積されたデータに基づいて地震の前兆を把握し、地震の発生場所の予測や地震の規模の予測、発生の確率等、地震予知を行う。
【0055】
尚、上述した実施形態例では、ラドン検出装置1によってラドンの測定を行うことで、地震の予知を行う例を説明したが、単に、地震の発生状況や発生場所等の解析・評価を行うことも可能である。
【0056】
従って、大掛かりな装置設備を用いることなく既存の井戸等の削孔や河川等での地下水のラドンの状況を容易に検出して地殻変動である地震の予知を行うことが可能になる。このため、地殻変動である地震の予知の観測に要する費用を大幅に削減することができ、また、コストを高くすることなく多数の観測ポイントに測定装置を設置して地震の予知を実施することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、ラドンに由来するγ線を地下水から検出して地殻の状況を把握するためのラドン検出装置の産業分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施形態例に係るラドン検出装置の設置例を表す概念図である。
【図2】本発明の一実施形態例に係るラドン検出装置を使用している状態の全体状況説明図である。
【図3】本発明の一実施形態例に係るラドン検出装置の要部構成図である。
【図4】検出器本体の側面図である。
【図5】検出器本体の正面図である。
【図6】ラドンを測定している状況の説明図である。
【図7】ラドンの測定状況を表すグラフである。
【符号の説明】
【0059】
1 ラドン検出装置
2 井戸
3 地下水
4 導出手段
5 データロガー
6 データ処理装置
7 水位計
8 データ処理装置
9 水温計
10 アンプ
11 検出器本体
12 光電子増倍管
13 耐圧容器
14 筒状容器
15 ハウジング
16 蓋部材
17、18 Oリング
19 ねじカバー
20 固定カバー
21 第1柱部
22 第2柱部
23 テーパ部
25、26 遮光フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光物質が混入された透明なプラスチックからなる検出器本体を備え、
検出器本体は、ラドンに由来する放射線を入射面から入射して発光物質に衝突させて光を発するようにすると共に発した光を出射面から出射するようにし、
出射面を除く検出器本体の外周に遮光部材を設け、
光を電気信号に変換する光電子増倍管を検出器本体の出射面に接続し、
検出器本体の電気信号に応じたラドンの状況に基づいて地殻活動を導出する導出手段を備えた
ことを特徴とするラドン検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のラドン検出装置において、
発光物質は、タリウムをドープしたヨウ化ナトリウムの結晶であることを特徴とするラドン検出装置。
【請求項3】
請求項1もしくは請求項2に記載のラドン検出装置において、
検出する放射線は、地下水に含まれるラドンに由来するγ線であることを特徴とするラドン検出装置。
【請求項4】
請求項3に記載のラドン検出装置において、
地下水は、地上からの削孔で得られることを特徴とするラドン検出装置。
【請求項5】
請求項3に記載のラドン検出装置において、
地下水は、河川の底からの湧出で得られることを特徴とするラドン検出装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のラドン検出装置において、
導出手段で導出される地殻活動は、地震の前兆であることを特徴とするラドン検出装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のラドン検出装置において、
導出手段で導出される地殻活動は、火山活動であることを特徴とするラドン検出装置
【請求項8】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のラドン検出装置において、
導出手段で導出される地殻活動は、温泉に由来する活動であることを特徴とするラドン検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−139114(P2008−139114A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−324381(P2006−324381)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年9月13〜15日 日本地球化学会主催の「2006年度 地球化学会第53回年会」において文書をもって発表
【出願人】(000173809)財団法人電力中央研究所 (1,040)
【Fターム(参考)】