説明

ラベラー

【解決手段】 ラベラー2は、容器1を載置する支持テーブル16と、外面にシュリンクラベルを形成する筒状のマンドレル17と、ラベルまたはシュリンクラベルを供給するラベル供給手段6と、内面にシュリンクラベルを吸着保持するピッカー20と、該ピッカーの位置を第1ラベラー状態または上記第2ラベラー状態に合わせて切換える切換手段43とを備えている。
上記第1ラベラー状態では、上記ラベル供給手段が上記支持テーブルに載置された容器にラベルを貼付け、
上記第2ラベラー状態では、上記ラベル供給手段がマンドレルの外面にシュリンクラベルを供給し、上記ピッカーはその内面でマンドレルの外面に形成されたシュリンクラベルを受け取って、これを容器に装着する。
【効果】 ロールラベラーおよびシュリンクラベラーとして兼用可能なラベラーを提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラベラーに関し、詳しくは容器の側面にラベルを貼付する第1ラベラー状態と、容器に筒状のシュリンクラベルを装着する第2ラベラー状態とに切換可能なラベラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来容器にラベルを貼付するラベラーとして、容器の側面にラベルを貼付するラベラーのほか、筒状に形成したシュリンクラベルを容器に装着するシュリンクラベラーが知られている。
上記容器の側面にラベルを貼付するラベラーは、回転テーブルに載置された容器の高さにあわせてラベル供給手段を備えており、該ラベル供給手段が直接容器にラベルを貼付するようになっている(特許文献1)。
一方、上記シュリンクラベラーでは、容器に直接シュリンクラベルを貼付するものも存在するが、容器に直接ラベルを貼付せず、回転テーブルに回転可能に設けられたマンドレルの高さにあわせてシュリンクラベル供給手段を設け、マンドレルにシュリンクラベルを巻付けて筒状に形成し、その後このシュリンクラベルを容器の上方よりかぶせて装着するものも知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平3−9009
【特許文献2】特開2009−541155
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで近年、一つの生産ラインにおいて複数種類の商品を生産することが行われているが、容器の側面に直接ラベルを貼付するラベラーと、マンドレルを用いて容器にシュリンクラベルを装着するシュリンクラベラーとを使用する場合は、上記ラベラーと上記シュリンクラベラーとをそれぞれ設置しなければならず、大きな設置場所が必要となるとともにコストが高くなるという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明は容器の側面に直接ラベルを貼付するラベラーとマンドレルを用いたシュリンクラベラーとを兼用することが可能なラベラーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明のラベラーは、容器にラベルを貼付する第1ラベラー状態と、容器に筒状のシュリンクラベルを装着する第2ラベラー状態とに切換え可能なラベラーであって、
回転テーブルに回転可能に設けられて容器を載置する支持テーブルと、支持テーブルの上方に回転可能に設けられるとともにその外面で上記シュリンクラベルを形成するマンドレルと、貼付前のラベルまたは形成前のシュリンクラベルを供給するラベル供給手段と、内面にシュリンクラベルを吸着保持するピッカーと、該ピッカーの位置を上記第1ラベラー状態または上記第2ラベラー状態に合わせて切換える切換手段とを備え、
上記第1ラベラー状態では、上記ラベル供給手段が上記支持テーブルに載置された容器にラベルを貼付け、
上記第2ラベラー状態では、上記ラベル供給手段がマンドレルの外面にシュリンクラベルを供給してシュリンクラベルを形成し、上記ピッカーはその内面でマンドレルの外面のシュリンクラベルを受け取るとともに、該シュリンクラベルを容器に装着することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記ラベラーにおいて、上記第1ラベラー状態では、上記ラベル供給手段は容器の高さで容器に直接ラベルを貼付するようになっており、このとき上記ピッカーは上記ラベル供給手段と干渉しないように容器から退避している。
一方、上記第2ラベラー状態では、上記ラベル供給手段は上記マンドレルの高さでマンドレルにシュリンクラベルを供給し、このときピッカーはマンドレルより退避している。
その後マンドレルでシュリンクラベルが形成されると、ピッカーはマンドレルまで上昇し、マンドレルからピッカーにシュリンクラベルが受け渡されると、再びピッカーは上記支持テーブルに載置された容器まで下降し、シュリンクラベルが容器に装着される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施例にかかるラベラーの平面図。
【図2】上記ラベラーの断面図。
【図3】支持テーブル付近の拡大断面図。
【図4】マンドレル付近の拡大断面図。
【図5】ピッカーの平面図。
【図6】第3カムについての説明図。
【図7】シュリンクラベラー状態における動作説明図。
【図8】ロールラベラー状態における動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施例について説明すると、図1はペットボトルなどの容器1にラベルを貼付するラベラー2の平面図を示し、容器1を供給する容器供給スターホイール3とラベルの付された容器1を後工程に排出する容器排出スターホイール4との間に設けられている。
上記ラベラー2は、容器供給スターホイール3から容器1を受け取るとともにラベルの貼付された容器1を容器排出スターホイール4に受け渡す回転テーブル5と、ラベルを供給するラベル供給手段6とから構成されている。
本実施例のラベラー2は、後に詳述するように容器1の側面に直接ラベルを貼着するいわゆるロールラベラーとして使用可能な第1ラベラー状態としてのロールラベラー状態と、筒状に形成したシュリンクラベルを容器1に装着するいわゆるシュリンクラベラーとして使用可能な第2ラベラー状態としてのシュリンクラベラー状態とに切換可能となっている。
上記容器供給スターホイール3の上流側には容器1を一列に搬送する供給コンベヤ7と、該供給コンベヤ7の下流側に設けられて容器1を所定間隔に広げた状態で容器供給スターホイール3に供給するスクリュー8とが設けられている。
また上記容器排出スターホイール4の下流側には、該容器排出スターホイール4より容器1を受け取って一列に搬送する排出コンベヤ9が設けられている。
そして上記容器供給スターホイール3および容器排出スターホイール4は、図示しないが、それぞれ外周に容器1を収容して保持するポケットを複数備えており、容器1を保持することで図1の受取位置Aおよび受渡位置Gのそれぞれで容器1の供給および容器1の排出を行っている。
【0009】
図2に示すように、上記回転テーブル5は、ベース11に固定された中心軸12と、該中心軸12に対して回転する下から順に3枚設けられた第1〜第3プレート13〜15と、第1プレート13に設けられて上記容器1を載置する支持テーブル16と、該支持テーブル16の上方に設けられて上記シュリンクラベルを筒状に形成するマンドレル17と、第2プレート14に設けられて支持テーブル16およびマンドレル17を回転させるサーボモータ18と、該支持テーブル16の上方に昇降かつ回転可能に設けられて上記容器1の口部に嵌合するトップロケーター19と、上記マンドレル17で形成されたシュリンクラベルを容器1に装着するピッカー20とを備えている。
上記第1〜第3プレート13〜15は上記中心軸12に対して一体的に回転するように連結されており、これら第1〜第3プレート13〜15の外周にはそれぞれ等間隔に上記支持テーブル16、マンドレル17、トップロケーター19、ピッカー20が設けられている。
また、第1〜第3プレート13〜15は図示しないモータの駆動力で回転するとともに、図示しない伝達手段によって上記容器供給スターホイール3および容器排出スターホイール4と同期して回転するようになっている。
【0010】
図3に示すように、上記支持テーブル16は、第1プレート13を上下に貫通するとともに第1プレート13に対して回転可能に設けられ、その上面は平坦に加工されて上記容器1が載置されるとともに、その下端部には第1歯車16aが設けられている。
また、この支持テーブル16を回転させる上記サーボモータ18は、図2に示すように第2プレート14の上面に設けられており、その駆動軸18aは第2プレート14を貫通して下方に突出するとともに、上記第1プレート13の下方に貫通しており、その下端には第2歯車18bが設けられている。
さらに、上記第1プレート13における上記支持テーブル16と駆動軸18aとの間には第1プレート13を上下に貫通する筒状のスリーブ21が設けられており、このスリーブ21の外周には上記第1歯車16aおよび第2歯車18bに噛合する第3歯車22が回転可能に設けられている。
このような構成により、上記サーボモータ18により駆動軸18aが回転すると、この先端に設けた第2歯車18bに連動して上記スリーブ21に設けた第3歯車22および第1歯車16aが駆動され、支持テーブル16が回転するようになっている。
【0011】
図4に示すように、上記マンドレル17は中空の円筒状の部材となっており、第2プレート14を上下に貫通するとともに第2プレート14に対して回転可能に設けられた筒状部材23の外周面に着脱可能に設けられ、その中心は上記支持テーブル16の中心軸と一致するようになっている。
上記筒状部材23の中央には上記トップロケーター19の上部に連結された中空管状のバキューム通路24が上下に移動可能に設けられており、このバキューム通路24は図示しない吸引手段に接続されている。
上記マンドレル17の長さは処理するシュリンクラベルの上下方向の長さに合わせて製造されるとともに、その外径は上記容器1と同等ないし若干大径に製造されており、容器1に装着するシュリンクラベルに応じて交換可能となっている。
上記マンドレル17の外面には複数の吸着孔17aが形成されており、筒状部材23よりも下方に形成されたマンドレル17の内面とバキューム通路24の外面との間に形成された空間Sと連通するようになっている。
また、上記バキューム通路24には上記空間Sを介して上記吸着孔17aと連通する連通孔24aが形成されており、上記吸引手段が作動することでマンドレル17の外面で吸着孔17aがシュリンクラベルを吸着保持するようになっている。
一方、上記筒状部材23の上端部には第4歯車23aが設けられており、上記サーボモータ18の駆動軸18aには第5歯車18cが設けられている。そしてこれら第4、第5歯車23a、18cの間には第2プレート14に回転可能に第6歯車25が設けられている。
このような構成により、上記サーボモータ18により駆動軸18aが回転すると、上記第5歯車18cに連動して上記第6歯車25および第4歯車23aが駆動され、上記筒状部材23と一体的にマンドレル17が回転するようになっている。
なお、上記マンドレル17の外面の断面形状については、円形に限らず四角形や六角形などの多角形であってもよい。
【0012】
図4に示すように、トップロケーター19は上記筒状部材23を貫通する上記バキューム通路24の下端に回転可能に設けられており、該トップロケーター19の下端部は上記容器1の口部と嵌合するように形成されている。
また図2に示すように、上記バキューム通路24の上部には第3プレート15に設けたスライドレール26に沿って昇降するスライド部材27が設けられ、該スライド部材27には第1カムフォロア27aが設けられている。
そして上記第3プレート15に隣接した位置には回転テーブル5を囲繞するように第1カム28が設けられており、上記第1カムフォロア27aが係合することによりスライド部材27を上下に移動させるようになっている。
【0013】
図5に示すように、ピッカー20は容器1の径にあわせて形成された2つの断面半円状の部材によって構成され、この2つのピッカー20は図3に示す開閉機構29によって開閉するとともに、図2に示す昇降機構30によって第1プレート13と第2プレート14との間で昇降するようになっている。なお図5はピッカー20が開閉機構29により開放状態となっている図を示す。
上記2つのピッカー20を付き合わせることによって形成される内面の径は、上記マンドレル17の外径よりも若干大径となっており、つまり容器1の外径よりも若干大径となっている。
また各ピッカー20の内面には複数の吸着孔20a(図3、図4では省略)が形成され、これら吸着孔20aはピッカー20の外側に接続された図示しないチューブを介して吸引手段に連通している。上記吸引手段が作動することでピッカー20の内面にある吸着孔20aがシュリンクラベルを吸着保持するようになっている。
なお、ピッカー20が閉鎖状態となった際の内面の断面形状は円形に限らず、四角形や六角形などの多角形であってもよく、また閉鎖状態において内面の一部に隙間が形成されていてもよい。
【0014】
上記開閉機構29は、上記昇降機構30によって昇降する保持プレート31と、該保持プレート31に上記2つのピッカー20を開閉可能に保持する2つのステー32と、いずれか一方のステー32の基部に設けられるとともに上記第1プレート13に設けたスリーブ21を貫通する開閉ロッド33と、該開閉ロッド33を回転させるレバー34と、該レバー34の先端に設けられた第2カムフォロア35と、上記ベース11に固定されて上記第2カムフォロア35が係合する第2カム36とから構成されている。
上記2つのステー32の基部にはそれぞれギア32aが形成されており、一方のステー32が上記開閉ロッド33によって回転すると、これに連動して他方のステー32が回転し、これによりピッカー20が開閉するようになっている。
上記開閉ロッド33は上記第1プレート13に固定されたスリーブ21のさらに内側に回転可能に設けられたホルダー37のさらに内側に設けられている。
そして、開閉ロッド33とホルダー37とはスプライン結合されており、相互に上下に相対移動するものの回転しないようにされ、さらに上記レバー34は上記ホルダー37の下端に固定されている。
このような構成により、ホルダー37の先端に設けた第2カムフォロア35が上記第2カム36に係合すると、上記レバー34が揺動して上記ホルダー37ごと開閉ロッド33を回転させ、これによりギア32aが回転し、上記2つのステー32に連結されたピッカー20が開閉するようになっている。
【0015】
上記昇降機構30は、上記保持プレート31の下方に設けられて第1プレート13を下方に貫通する昇降ロッド38と、昇降ロッド38の下端に設けられたスライド部材39と、第1プレート13の下方に固定されて上記スライド部材39をガイドするスライドレール40と、上記スライド部材39に設けられた第3カムフォロア41に係合する第3カム42とから構成されている。
上記スライド部材39は上記スライドレール40に沿って上下に昇降するようになっており、スライド部材39が下方に位置した際には、上記ピッカー20は上記容器1を囲繞した状態となり、スライド部材39が上方に位置した際には、上記ピッカー20はマンドレル17を囲繞した状態となる。
【0016】
上記第3カム42は、ラベラー2をロールラベラー状態およびシュリンクラベラー状態のそれぞれについて異なる2つの経路を有しており、該異なる経路の分岐する位置には切換手段43が設けられている。
図6は上記第3カム42および切換手段43の該略図を示したものであり、第3カム42のうち、ロールラベラー状態およびシュリンクラベラー状態でピッカー20の高さが同じ区間については、第3カム42は1つの経路となっている。
一方、ロールラベラー状態とシュリンクラベラー状態とでピッカー20の高さが異なる区間において、第3カム42は上側の経路42aと下側の経路42bとの2つの経路に分岐し、上記切換手段43はこの2つの経路が分岐する位置と合流する位置とに設けられている。
切換手段43は、分岐または合流するカムが形成されたカムプレート44と、該カムプレート44を昇降させるエアシリンダ45とから構成されている。
このエアシリンダ45によりカムプレート44を昇降させることにより、上記第3カムフォロア41が第3カム42におけるロールラベラー状態の経路か、シュリンクラベラー状態の経路にガイドされるようになっている。
なお図6に示す切換手段43は、カムプレート44を下降させて第3カムフォロア41を下側の経路42bに案内するシュリンクラベラー状態を示しており、ロールラベラー状態では、カムプレート44を上昇させて第3カムフォロア41を上側の経路42aに案内する。
また、切換手段43としては、上記カムに限るものではなく、例えば各ピッカー20にサーボモータなどの駆動手段を配置して各ピッカー20を独立して制御するようにしてもよい。
【0017】
上記ラベル供給手段6は、ロール状に巻かれたラベルを引き出して供給するフィードローラー51と、ラベルを所定の長さに切断するロータリーカッター52と、図1における貼付位置C1においてラベルを上記容器1または上記マンドレル17に貼り付ける貼付ドラム53とを備え、これらは図2に示すモーター54によって同期しながら回転するようになっている。
またラベル供給手段6は、上記ロールラベラー状態において使用される加熱手段55と、シュリンクラベラー状態において使用されるUV硬化糊塗布ローラー56とを備えている。これら加熱手段55およびUV硬化糊塗布ローラー56はともに前進位置と後退位置とに移動可能に配置されており、作動時には前進位置、非作動時には後退位置にそれぞれ位置するようになっている。
そして、このような構成を有するラベル供給手段6は、図2に示す昇降手段57によって昇降するようになっており、該昇降手段57は、上記貼付ドラム53等の設置された昇降ベース58と、上記ベース11に設けたモーター59とを備えている。
具体的には、上記昇降ベース58の下方に設けたブラケット58aを、モーター59が回転させるボールねじ60に螺合されているナット60aに取り付け、モーター59を回転させることでブラケット58aを上下に移動させて、ラベル供給手段6を昇降させるものとなっている。
また、上記シュリンクラベルを形成するため、上記回転テーブル5に隣接した位置には、上記貼付位置C1よりも回転方向下流のワイピング位置C2にシュリンクラベルの重合部分を押圧する複数のワイピングローラー61が設けられ、さらに回転方向下流の硬化位置C3にシュリンクラベルの重合部分に紫外光を照射するUV照射手段62が設けられている。
【0018】
以下、上記構成を有するラベラー2におけるシュリンクラベラー状態の動作について説明する。図7はシュリンクラベラー状態で作動させた際における、支持テーブル16、マンドレル17、ピッカー20、トップロケーター19の動作を示した動作説明図を示し、またその下には上記第3カム42および切換手段43におけるカムプレート44によるカム経路を示している。
まず、上記ピッカー20を昇降させる昇降機構30において、上記カムプレート44を下降させて第3カムフォロア41が第3カム42における下方のカム経路42bを通過するようにしている。
また上記ラベル供給手段6は上記昇降手段57によって上昇した状態となっており、これにより上記貼付ドラム53は上記マンドレル17の高さに位置している。さらに上記UV硬化糊塗布ローラー56は前進して作動位置にあり、上記加熱手段55は後退して非作動状態となっている。
なお、図7の各図におけるA〜Gはそれぞれ図1におけるA〜Gに示す位置または区間に対応している。
【0019】
まず上記容器供給スターホイール3に上記供給コンベヤ7およびスクリュー8を介して容器1が供給されると、図1の受取位置Aにて容器供給スターホイール3のポケットに保持された容器1が回転テーブル5の支持テーブル16上に載置される。
この際、上記トップロケーター19は第1カム28によって容器1より上方に退避しており、上記ピッカー20も第3カム42によってマンドレル17と同じ高さに退避している。
続いて、回転テーブル5が回転して容器1がBの区間に到達すると、第1カム28によりトップロケーター19が下降して容器1の口部に嵌合し、容器1は支持テーブル16およびトップロケーター19によって挟持される。
さらに回転テーブル5が回転してCの区間の開始位置、すなわち上記ラベル供給手段6による貼付位置C1よりも回転方向上流側の位置で、上記切換手段43によって下方の経路42bに経路が設定されている第3カム42によりピッカー20が容器1の高さまで下降する。
このとき、上記ピッカー20を開閉する開閉機構29の第2カム36は、上記ピッカー20を開放状態とするように配置され、これにより容器1とピッカー20との間には隙間が形成されている。
【0020】
一方、上記ラベル供給手段6において、上記フィードローラー51によって供給されたシュリンクラベルは、上記ロータリーカッター52により容器1の外周を囲繞してその先端部分および後端部分が重合するような長さに切断され、さらに貼付ドラム53の表面に張り付いたシュリンクラベルの裏面の後端部分には、上記UV硬化糊塗布ローラー56によって上下方向にUV硬化糊が塗布される。
そして容器1がラベル供給手段6との貼付位置C1に到達すると、上記サーボモータ18およびモーター54とにより、上記マンドレル17と貼付ドラム53とが反対方向に回転する。
このとき、マンドレル17の吸着孔17aは上記バキューム通路24を介して吸引手段と連通することにより上記シュリンクラベルを吸引するとともに、貼付ドラム53はシュリンクラベルの吸引を解除して、シュリンクラベルが貼付ドラム53からマンドレル17に受け渡される。
シュリンクラベルはマンドレル17を1周して、その先端部分と後端部分とが重合するようになっており、その際後端部分に塗布されたUV硬化糊が先端部分に付着するようになっている。
【0021】
続いて、回転テーブル5が回転して容器1がワイピング位置C2まで移動すると、上記サーボモータ18によりマンドレル17が回転されて、上記シュリンクラベルの重合部分が該ワイピングローラー61に向くようになっている。
その状態で上記ワイピングローラー61がマンドレル17に接近してシュリンクラベルの重合部分を外側より押圧し、シュリンクラベルの重合部分が密着するようになっている。
さらに回転テーブル5が回転して容器1が硬化位置C3に移動するまで、上記マンドレル17は回転せず、これにより上記シュリンクラベルの重合部分はUV照射手段62を向くようになっている。
この状態で上記UV照射手段62が紫外光をシュリンクラベルの重合部分に照射すると、これによりUV硬化糊が硬化して、シュリンクラベルの先端部分と後端部分とが接着され、マンドレル17の外面にシュリンクラベルが形成されることとなる。
【0022】
そして回転テーブル5が回転して容器1がDの区間に到達すると、上記第3カム42によって上記ピッカー20がマンドレル17の位置まで上昇し、またピッカー20はそれまで開放状態であったのが、このDの区間で上記第2カム36により閉鎖状態とされる。
上記ピッカー20が閉鎖状態となると、ピッカー20の吸着孔20aに上記吸引手段が連通することにより上記シュリンクラベルを吸引し、上記マンドレル17の吸着孔17aと吸着手段との連通が遮断されことにより、それまでマンドレル17の吸着孔17aに吸着保持されていたシュリンクラベルはピッカー20の吸着孔20aに吸着保持されることとなる。
続いて、容器1がEの区間に到達すると、上記サーボモータ18は所定の速度で支持テーブル16を回転させ、その状態で上記ピッカー20が第3カム42によって下降し、容器1にシュリンクラベルが装着されることとなる。
ここで、容器1は支持テーブル16によって回転していることから、上記ピッカー20に吸着保持されたシュリンクラベルには容器1が回転しながら挿入されることとなり、これにより容器1によるシュリンクラベルのまくれが防止されるようになっている。
なお、容器1を回転させずに停止した状態でシュリンクラベルを装着してもよい。
【0023】
そして容器1がFの区間に到達すると、上記ピッカー20の吸着孔20aと上記吸引手段との連通が遮断されるとともに、ピッカー20が第2カム36によって閉鎖状態から開放状態となる。
このようにしてシュリンクラベルからピッカー20が離脱すると、続いて上記第3カム42によってピッカー20はマンドレル17の高さまで上昇し、容器1の上方に退避する。
その後容器排出スターホイール4に隣接する受渡位置Gに達すると、上記第1カム28によりトップロケーター19が上昇して容器1より離脱し、この容器1は上記容器排出スターホイール4のポケットに保持され、その後上記排出コンベヤ9へと排出される。
そして、上記シュリンクラベルの装着された容器1は、その後図示しないシュリンクトンネルに供給され、熱収縮されることにより容器1に密着するようになっている。
【0024】
次に、上記ラベラー2をロールラベラー状態として使用する場合について説明する。図8はロールラベラー状態で作動させた際における、支持テーブル16、マンドレル17、ピッカー20、トップロケーター19の動作を示した動作説明図を示し、またその下には上記第3カム42および切換手段43のカムプレート44によるカム経路を示している。
まず、上記ピッカー20を昇降させる昇降機構30において、上記カムプレート44を上昇させて第3カムフォロア41が第3カム42の上方の経路42aを通過するようにする。
またロールラベラー状態として使用する場合、上記ラベル供給手段6は上記昇降手段57によって下降し、上記貼付ドラム53は支持テーブル16に載置される容器1の高さに位置している。
さらに、上記加熱手段55を前進させて作動位置に位置させるとともに、上記UV硬化糊塗布ローラー56および上記ワイピングローラー61を後退させて非作動位置に位置させ、UV照射手段62も非作動状態とする。
【0025】
ラベラー2をロールラベラー状態とした場合も、上記シュリンクラベラー状態と同様、受取位置Aでは容器供給スターホイール3のポケットに保持された容器1が回転テーブル5の支持テーブル16上に載置され、またBの位置で第1カム28によりトップロケーター19が下降して、容器1が支持テーブル16およびトップロケーター19によって挟持されるようになっている。
そしてロールラベラー状態とした場合、その後のC区間以降においても、ピッカー20はマンドレル17の位置から下降せず、容器1より上方に退避した状態を維持している。
一方、上記ラベル供給手段6では、上記貼付ドラム53に隣接した加熱手段55が予めラベルの裏面に塗布された熱活性糊を加熱して、ラベルの裏面に粘着力を発生させている。
そして容器1がラベル供給手段6との貼付位置C1に到達すると、上記サーボモータ18とモーター54とが回転し、上記マンドレル17と貼付ドラム53とが反対方向に回転する。
これにより、容器1には活性化された熱活性糊によってラベルが接着され、このとき貼着されるラベルは、容器1の全周に巻きつくものでも、容器1の外周面の一部に貼付されるものであってもよい。
その後、サーボモータ18は支持テーブル16の回転を停止させ、容器1が受渡位置Gに達すると、上記第1カム28によりトップロケーター19が上昇して容器1より離脱し、容器1は上記容器排出スターホイール4のポケットに保持されて、上記排出コンベヤ9へと排出される。
【0026】
以上のように、本実施例のラベラー2によれば、容器1に直接ラベルを貼付するロールラベラーと、筒状に形成されたシュリンクラベルをマンドレル17から容器1へ装着するシュリンクラベラーとを兼用することができ、ロールラベラーおよびシュリンクラベラーの2台のラベラーを設置する場合に比べて設置場所およびコストを大幅に減少させることができる。
また、ラベル供給手段6を昇降可能として容器1とマンドレル17との両方にラベルを貼付または受渡しを行うことができるため、1つのラベル供給手段6によってロールラベルとシュリンクラベルとを兼用することができる。
【0027】
なお、上記ラベル供給手段6については、ロールラベル用およびシュリンクラベル用の異なる2つのラベル供給手段6を設け、それぞれ異なる高さに設置すれば上記昇降手段57は不要となる。
この場合、上記ロールラベル用のラベル供給手段6を、ラベルが予め所定の形状や長さに切断されたいわゆる枚葉ラベルを供給するラベル供給手段とすれば、本実施例のラベラーを枚葉ラベラーおよびシュリンクラベラーとして使用することも可能である。
また上記実施例では上記支持テーブル16およびマンドレル17を一つのサーボモータ18により駆動しているが、これをそれぞれ第1プレート13および第2プレート14に設けて個別に駆動するようにしてもよい。
さらに、上記実施例ではシュリンクラベルを形成する際にUV硬化糊を塗布してラベルの重合部分にUVを照射することで接着しているが、例えばホットメルトやレーザなどを用いて接着してもよい。
併せて、上記ロールラベルを接着させる糊も色々考えられ、例えばロールラベルの前端および後端にホットメルトを塗布することや、前端にホットメルトを後端にUV硬化糊をそれぞれ塗布することが可能である。
そして、上記実施例ではシュリンクラベルを容器1に装着して、図示しない後工程でシュリンクラベルを収縮させるようになっているが、上記ピッカー20にヒーターを設けて、例えば図1のEの区間でシュリンクラベルを加熱収縮させることも可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 容器 2 ラベラー
5 回転テーブル 6 ラベル供給手段
16 支持テーブル 17 マンドレル
19 トップロケーター 20 ピッカー
42 第3カム 43 切換手段
53 貼付ドラム 57 昇降手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器にラベルを貼付する第1ラベラー状態と、容器に筒状のシュリンクラベルを装着する第2ラベラー状態とに切換え可能なラベラーであって、
回転テーブルに回転可能に設けられて容器を載置する支持テーブルと、支持テーブルの上方に回転可能に設けられるとともにその外面で上記シュリンクラベルを形成するマンドレルと、貼付前のラベルまたは形成前のシュリンクラベルを供給するラベル供給手段と、内面にシュリンクラベルを吸着保持するピッカーと、該ピッカーの位置を上記第1ラベラー状態または上記第2ラベラー状態に合わせて切換える切換手段とを備え、
上記第1ラベラー状態では、上記ラベル供給手段が上記支持テーブルに載置された容器にラベルを貼付け、
上記第2ラベラー状態では、上記ラベル供給手段がマンドレルの外面にシュリンクラベルを供給してシュリンクラベルを形成し、上記ピッカーはその内面でマンドレルの外面のシュリンクラベルを受け取るとともに、該シュリンクラベルを容器に装着することを特徴とするラベラー。
【請求項2】
上記ピッカーはカムフォロアを備え、回転テーブルに沿って設けたカムに従って上下動するとともに、上記カムは上記第1ラベラー状態および上記第2ラベラー状態のそれぞれに対応する2つの経路を備え、
上記ピッカーを上記第1ラベラー状態および上記第2ラベラー状態に切換える切換手段は、上記カムの経路を切換えて上記ピッカーのカムフォロアを所要の経路に移動させることを特徴とする請求項1に記載のラベラー。
【請求項3】
上記ラベル供給手段を昇降させる昇降手段を備え、
上記第1ラベラー状態では、上記昇降手段はラベル供給手段を上記支持テーブルに載置された容器の高さに位置させ、
上記第2ラベラー状態では、上記昇降手段は上記ラベル供給手段をマンドレルの高さに位置させることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のラベラー。
【請求項4】
上記第1ラベラー状態では、容器にロールラベルを貼付することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のラベラー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−213377(P2011−213377A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82729(P2010−82729)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(393028357)シブヤマシナリー株式会社 (77)
【Fターム(参考)】