説明

ラベルプリンタ及び記憶媒体

【課題】レイアウトデータを保存するファイル数の削減を可能としたラベルプリンタを提供する。
【解決手段】ラベルプリンタ1Aは、それぞれが1枚のラベルに印刷可能な2種類のフォーマットのレイアウトデータで構成され、フォーマットの数に合わせた2枚のラベルに跨る複数枚出しレイアウトデータが、1つのファイルとして保存される不揮発性メモリ42と、不揮発性メモリ42から複数枚出しレイアウトデータを読み出してラベルに印刷を行う複数枚出しの処理では、2枚のラベルに連続して印刷する制御を行うCPU40を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルに印刷を行うラベルプリンタ及びラベルに印刷されるデータが記憶される記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ラベルプリンタは、例えば、商品の値段情報、商品の製造者情報、商品の期限情報等をラベルに印刷して発行する用途で用いられる。特に、商品の値段情報をラベルに印刷して発行する用途として、値下げ後の価格や値下げ率等で構成される値下げ表示ラベルを発行する用途がある。
【0003】
商品の値段情報が、バーコード等のコード情報で管理される場合、値下げ表示ラベルでは、消費者等が目視で認識できる数字等の文字情報と、レジスタ等で読み取られるコード情報の両方が印刷される必要がある。
【0004】
さて、商品を陳列したとき、見えにくい位置にバーコードが表記されている場合がある。このような場合、目視で認識できる値下げ表示ラベルとコード情報で構成されるバーコードラベルを1枚ずつ発行するラベルの2枚出しと称される発行方法が行われている。
【0005】
図30は、ラベルの2枚出しの概要を示す説明図である。ラベルの2枚出しでは、値下げ表示ラベル200Aは、例えば商品100を陳列した際に消費者が見やすい表面に貼り付けられ、バーコードラベル200Bは、商品100の背面等にある元のバーコード上に貼り付けられる。
【0006】
複数の商品に同じ内容の値下げ表示ラベル200Aとバーコードラベル200Bを貼り付ける際、作業を容易にするため、値下げ表示ラベル200Aとバーコードラベル200Bを交互に発行する必要がある。これは、複数の商品にまず値下げ表示ラベル200Aを貼り付け、次に、バーコードラベル200Bを貼り付けるという作業を行うより、1つの商品に値下げ表示ラベル200Aとバーコードラベル200Bを順番に貼り付ける作業を行う方が、貼り付け忘れ等の作業ミスが発生しにくくなるためである。
【0007】
ここで、スタンドアロンタイプと称される単体でラベルの発行が可能なラベルプリンタでは、パーソナルコンピュータ等でラベル作成アプリケーションを用いてラベルのレイアウトが作成され、作成されたレイアウトデータがラベルプリンタに装着されるメモリに保存されている。
【0008】
ラベルのレイアウトデータにはファイル番号またはファイル名が付けられており、ラベルの発行時には、ファイル番号またはファイル名を検索することで所望のファイルを読み出すことができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
従来、ラベルの2枚出しを行うためには、値下げ表示ラベルのレイアウトデータとバーコードラベルのレイアウトデータを、それぞれ1つのファイルとしてメモリに保存していた。また、通常の1枚のラベルを発行する際、2枚出しで用いられる値下げ表示ラベル等と内容が異なるラベルを発行できるようにするため、ラベルの1枚出しで用いられるレイアウトデータを1つのファイルとしてメモリに保存していた。このため、ラベルの2枚出しを行うためには、3つのファイルを持つ必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】2005−238524
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来のラベルプリンタは、ラベルの2枚出しを行うために、保存しておくレイアウトデータの数が増え、大きなメモリ容量が必要であった。大容量のメモリを備えることは、製品のコストアップに繋がる。
【0012】
また、従来のラベルプリンタは、ラベルの2枚出しを行う際、値下げ表示ラベルのレイアウトデータとバーコードラベルのレイアウトデータを交互に展開して印刷する処理が必要で、印刷処理の時間が増大していた。
【0013】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、レイアウトデータを保存するファイル数の削減が可能なラベルプリンタ及びラベルプリンタで用いられる記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するため、本発明は、それぞれが1枚のラベルに印刷可能な少なくとも2種類のフォーマットのレイアウトデータで構成され、フォーマットの数に合わせた複数枚のラベルに跨る複数枚出しレイアウトデータが、1つのファイルとして保存される記憶手段と、記憶手段から複数枚出しレイアウトデータを読み出してラベルに印刷を行う複数枚出しの処理では、複数枚出しレイアウトデータを構成するフォーマットの数に合わせた複数枚のラベルに連続して印刷する制御を行う制御手段とを備えたラベルプリンタである。
【0015】
また、本発明は、それぞれが1枚のラベルに印刷可能な少なくとも2種類のフォーマットのレイアウトデータで構成され、フォーマットの数に合わせた複数枚のラベルに跨る複数枚出しレイアウトデータが、1つのファイルとして保存される記憶媒体である。
【0016】
本発明では、1つのファイルに保存されたレイアウトデータを用いて、複数のラベルに異なるフォーマットで印刷が行われ、異なるフォーマットのラベルが交互に印刷される。これにより、内容に関連のある複数のラベルを連続した形態で印刷することができ、ラベルの貼り付け作業が容易になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、1つのファイルに保存されたレイアウトデータを用いて、複数のラベルに異なるフォーマットで印刷を行うことができる。これにより、保存するファイルの数を削減することができる。また、異なるフォーマットのラベルを交互に印刷する場合に、1つのレイアウトデータを展開して連続して印刷を行えばよく、2つのレイアウトデータを交互に展開して印刷する処理と比較して、印刷時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施の形態のラベルプリンタの一例を示す機能ブロック図である。
【図2】本実施の形態のラベルプリンタの一例を示す構成図である。
【図3】本実施の形態のラベルプリンタの操作表示部一例を示す外観図である。
【図4】本実施の形態のラベルプリンタで印刷されるラベルの一例を示す構成図である。
【図5】複数枚出しレイアウトデータの一例を示す構成図である。
【図6】1枚出しレイアウトデータの一例を示す構成図である。
【図7】複数枚出しレイアウトデータと1枚出しレイアウトデータで印刷されたラベルの一例を示す説明図である。
【図8】複数枚出しレイアウトデータと1枚出しレイアウトデータで印刷を行う際の印刷可能領域マークの検知原理例を示す説明図である。
【図9】ラベルの2枚出し時における印刷可能領域の検知処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】2枚出し時の印刷可能領域の検知処理における検知回数の遷移例を示す動作説明図である。
【図11】2枚出し時の印刷可能領域の検知処理における検知回数の遷移例を示す動作説明図である。
【図12】ラベルの複数枚出し時における印刷可能領域の検知処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】複数枚出し時の印刷可能領域の検知処理における検知回数の遷移例を示す動作説明図である。
【図14】複数枚出し時の印刷可能領域の検知処理における検知回数の遷移例を示す動作説明図である。
【図15】複数枚出しレイアウトデータと1枚出しレイアウトデータが同じ内容で印刷されたラベルの一例を示す説明図である。
【図16】複数枚出しレイアウトデータと1枚出しレイアウトデータが異なる内容で印刷されたラベルの一例を示す説明図である。
【図17】複数枚出しレイアウトデータの使用の有無によるメモリ使用量の比較例を示す説明図である。
【図18】ラベルのレイアウトデータの一例を示す構成図である。
【図19】ラベルのレイアウトデータの一例を示す構成図である。
【図20】ラベルのレイアウトデータの一例を示す構成図である。
【図21】ラベルのレイアウトデータの一例を示す構成図である。
【図22】ラベルのレイアウトデータの一例を示す構成図である。
【図23】ラベルのレイアウトデータの一例を示す構成図である。
【図24】ラベルのレイアウトデータの一例を示す構成図である。
【図25】ラベルのレイアウトデータの一例を示す構成図である。
【図26】レイアウト管理テーブルの一例を示す構成図である。
【図27】ラベルに印刷する項目を選択する処理の一例を示すフローチャートである。
【図28】ラベルに印刷する項目の選択が行われる選択画面の遷移の一例を示す動作説明図である。
【図29】値引き方法の選択に対応して表示される入力画面の一例を示す動作説明図である。
【図30】ラベルの2枚出しの概要を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明のラベルプリンタ及び記憶媒体の実施の形態について説明する。
【0020】
<本実施の形態のラベルプリンタの構成例>
図1は、本実施の形態のラベルプリンタの一例を示す機能ブロック図、図2は、本実施の形態のラベルプリンタの一例を示す構成図、図3は、本実施の形態のラベルプリンタの操作表示部の一例を示す外観図、図4は、本実施の形態のラベルプリンタで印刷されるラベルの一例を示す構成図である。
【0021】
本実施の形態のラベルプリンタ1Aの概要について説明すると、ラベルプリンタ1Aは、図4に示すように、長尺状の剥離紙20の長手方向に沿って一列に並ぶ形態で複数枚のラベル2が貼着されたラベル用紙21を、ラベル2が並ぶ方向に沿って搬送しながら、ラベル2に印刷を行う。
【0022】
ラベルプリンタ1Aは、1枚のラベル2に印刷可能なサイズで構成される少なくとも2種類のフォーマットのレイアウトデータが、フォーマットの数に合わせた複数枚のラベルに跨る1つのレイアウトデータとして構成され、1つのファイルに保存される。この複数枚のラベルに跨るレイアウトデータを、複数枚出しレイアウトデータと称す。
【0023】
そして、複数枚出しレイアウトデータを用いてラベル2に印刷を行う処理では、複数枚出しレイアウトデータを構成するフォーマットの数に合わせた複数枚のラベル2に連続して印刷する制御を行うことで、2種類以上の異なるフォーマットのレイアウトデータを、交互にラベル2に印刷して出力することができる。
【0024】
次に、本実施の形態のラベルプリンタ1Aでレイアウトデータが印刷されるラベル2の詳細について説明する。ラベル2は、図4に示すように、長尺状の剥離紙20の一の面である表面に剥離可能に貼着された形態で提供される。剥離紙20の表面には、同じ大きさの複数枚のラベル2が、例えば間隔を開けずに貼着される。また、剥離紙20の他の面である裏面には、ラベル2に合わせて印刷可能領域を示す印刷可能領域マーク22が印刷されて、長尺状のラベル用紙21が構成される。ラベルプリンタ1Aは、図2に示すように、ラベル用紙21がロール状に巻かれた形態のラベルロール23がセットされる。
【0025】
印刷可能領域マーク22は、ラベル2においてレイアウトデータが印刷される領域である印刷可能領域を特定する情報である。印刷可能領域マーク22は、反射型または透過型の光学センサで検知できるようにするため、各ラベル2が貼着されている部位に対応した剥離紙20の裏面において、印刷可能領域に応じた所定の範囲を、剥離紙20とは光の反射率または光の透過率を異ならせて構成される。印刷可能領域マーク22は、例えば、剥離紙20が白色系である場合、剥離紙20の白色に対して光の反射率が低い黒色の印刷により構成される。
【0026】
図4に示すように、ラベル2が間隔を開けずに剥離紙20に貼着される形態のラベル用紙21では、印刷可能領域マーク22をラベル2と同じ長さにすると、隣接する印刷可能領域マーク22が繋がって、印刷可能領域の識別が不可能になる。そこで、ラベル2が間隔を開けずに剥離紙20に貼着される形態のラベル用紙21で、ラベル2のほぼ全面を印刷可能領域に設定する場合を考慮して、ラベル2より印刷可能領域マーク22の長さが短く設定される。
【0027】
また、矢印で示すラベル用紙21の搬送方向Fに沿った印刷可能領域マーク22の先端を、ラベル2の先端より所定量内側に位置させると共に、印刷可能領域マーク22の後端を、ラベル2の後端より所定量内側に位置させる。
【0028】
これにより、ラベル用紙21では、剥離紙20の表面に間隔を開けずに貼着されたラベル2の切れ目となる部分に対応して、隣接する印刷可能領域マーク22の間に剥離紙20の白色の部分が存在するように、剥離紙20の裏面に所定の間隔を開けて印刷可能領域マーク22が印刷される。そして、ラベル用紙21の搬送方向Fに沿った印刷可能領域マーク22の先端が、ラベル2の先端位置を検知する開始基準位置22Sとなり、後端がラベル2の後端位置を検知する終了基準位置22Eとなる。
【0029】
次に、本実施の形態のラベルプリンタ1Aの詳細について説明する。ラベルプリンタ1Aは、ラベル2の搬送手段として、ラベルロール23から引き出されたラベル用紙21を搬送するプラテンローラ30と、プラテンローラ30を駆動する搬送モータ31と、搬送モータ31を駆動するモータドライバ32を備える。
【0030】
また、ラベルプリンタ1Aは、ラベル2への印刷手段として、ラベル2が感熱紙である構成では、サーマルヘッドで構成される印刷ヘッド33を備える。更に、ラベルプリンタ1Aは、ラベル2の検出手段として、印刷可能領域マーク22等を検出するラベル検出センサ34を備える。
【0031】
ラベルプリンタ1Aは、ラベル検出センサ34として、本例では発光素子と受光素子等で構成される反射型の光学センサを備える。プラテンローラ30で搬送されるラベル用紙21は、上述したように、剥離紙20の裏面に例えば黒色で印刷可能領域マーク22が印刷されており、ラベルプリンタ1Aは、図4に矢印で示す搬送方向Fにラベル用紙21を搬送しながら、ラベル検出センサ34で印刷可能領域マーク22を読み取る。そして、剥離紙20の白色の部分と、黒色の印刷可能領域マーク22との反射率の差から、開始基準位置22Sと終了基準位置22Eを検知して、開始基準位置22Sと終了基準位置22Eの間の印刷可能領域を検知する。
【0032】
このように、ラベルプリンタ1Aでは、ラベル用紙21に形成された印刷可能領域マーク22をラベル検出センサ34で読み取って、ラベル2に設定されている印刷可能領域を検知する。複数枚出しレイアウトデータをラベル2に印刷する処理では、開始基準位置22Sと終了基準位置22Eの検知を、複数枚出しレイアウトデータで印刷されるラベル2の枚数に応じた所定回数毎に行うことで、複数枚のラベル2に跨る印刷可能領域を設定する。そして、ラベル2の印刷可能領域に印刷ヘッド33で各種情報を印刷する制御が実行される。
【0033】
このため、ラベルプリンタ1Aは、所定のプログラムに従い各種情報を印刷する制御を実行する制御手段の一例であるCPU40と、CPU40が制御を実行する際の作業用メモリ等として用いられるRAM41と、書き換え可能な半導体メモリ等で構成される記憶媒体(記憶手段)の一例である不揮発性メモリ42を備える。
【0034】
また、ラベルプリンタ1Aは、表示手段の一例であるディスプレイ43a及びキーボード等の入力手段の一例である入力部43bで構成される操作表示部43と、入力手段の一例であるバーコードリーダ等のコードスキャナ44を備える。
【0035】
更に、ラベルプリンタ1Aは、パーソナルコンピュータやホストコンピュータ等の外部の情報処理装置45と公衆網や専用回線等の通信回線46aで接続され、情報処理装置45との間で通信を行って、データの授受を行う通信手段の一例である通信I/F46を備える。
【0036】
ラベルプリンタ1Aは、ラベル2に印刷される1つあるいは複数のレイアウトデータが、固有のファイル番号(ファイル名)が付けられて、不揮発性メモリ42に保存される。
【0037】
図5は、複数枚出しレイアウトデータの一例を示す構成図である。複数枚出しレイアウトデータDA1は、本例では値下げ表示ラベル2Aとバーコードラベル2Bで構成され、2枚分のラベルのレイアウトデータが、1つのファイルとして不揮発性メモリ42に保存される。
【0038】
複数枚出しレイアウトデータでラベル2に印刷される項目が、例えば、バーコード25Aと値引き率25Bと値引き後価格25Cと値引き前価格25Dである場合、値下げ表示ラベル2Aのフォーマットは、ラベル2に印刷される項目が、値引き率25Bと値引き後価格25Cと値引き前価格25Dである。これに対し、バーコードラベル2Bのフォーマットは、ラベル2に印刷される項目が、バーコード25Aと値引き率25Bと値引き後価格25Cと値引き前価格25Dである。
【0039】
値下げ表示ラベル2Aとバーコードラベル2Bは、それぞれ、1枚のラベル2に印刷可能なサイズで構成される。また、値下げ表示ラベル2Aとバーコードラベル2Bを2枚の連続したラベル2に印刷する際に、値下げ表示ラベル2Aの後端側が2枚目のラベル2に印刷されること、及び、バーコードラベル2Bの先端側が1枚目のラベル2に印刷されることを防ぐため、値下げ表示ラベル2Aとバーコードラベル2Bの間には所定の間隔が開けられる。値下げ表示ラベル2Aとバーコードラベル2Bの間隔は、例えば、図4に示すラベル用紙21において、先行する印刷可能領域マーク22の終了基準位置22Eと後続の開始基準位置22Sの間隔と同等程度に設定される。
【0040】
図6は、1枚出しレイアウトデータの一例を示す構成図である。1枚出しレイアウトデータDA2は、1枚のラベル2に印刷可能なサイズで構成されたレイアウトデータが、1つのファイルとして不揮発性メモリ42に保存される。図6に示すフォーマットは、ラベル2に印刷される項目が、バーコード25Aと値引き率25Bと値引き後価格25Cと値引き前価格25Dであるレイアウトデータである。
【0041】
ラベルのレイアウトデータでは、ラベル2に印刷される各項目をオブジェクトと称し、値引きに関するラベルである複数枚出しレイアウトデータDA1及び1枚出しレイアウトデータDA2では、ラベル2に印刷される項目が、バーコード等のコード情報や、価格等の数字と「円」等の漢字を組み合わせた文字情報で構成される。
【0042】
ラベルプリンタが漢字フォントを持つ構成では、数字、アルファベット、記号、漢字、ひらがな、カタカナ等は文字コードとして扱われる。一方、漢字フォントを持たないラベルプリンタ1Aでは、「円」等の漢字を印刷するため、レイアウトデータは、「表示価格」や「円」等の漢字が画像データで構成され、数字等のオブジェクトが挿入されている。
【0043】
レイアウトデータは、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置45で、所定のラベル作成アプリケーションを用いて作成される。ラベル作成アプリケーションでは、ラベルのサイズの設定、バーコード等のコード情報や、数字や漢字等の文字情報が入力される入力枠の設定、コード情報や文字情報の入力、文字のサイズの設定等が行われる。
【0044】
内容を変更可能とするオブジェクトについては、コード情報または文字情報が入力される入力枠について、ラベルプリンタでの編集を可能として、ラベル発行時にラベルプリンタでの内容の変更を可能に設定する。また、内容を変更可能とするオブジェクトに任意の名称、例えば、内容に関連する名称を表示名として設定する。
【0045】
ラベル作成アプリケーションで作成されたレイアウトデータは、例えば、情報処理装置45とラベルプリンタ1Aで通信を行うことで、ラベルプリンタ1Aの不揮発性メモリ42に保存される。ラベルプリンタ1Aの不揮発性メモリ42に保存されるレイアウトデータは、情報処理装置45との通信により、一部または全部が更新可能に設定される。
【0046】
また、情報処理装置45がホストコンピュータである場合、情報処理装置45と複数台のラベルプリンタ1Aとの間で通信を行うことで、複数台のラベルプリンタ1Aの不揮発性メモリ42に保存されるレイアウトデータの一部または全部が更新可能に設定される。このように、外部の情報処理装置45と通信回線46aを介して単数または複数のラベルプリンタ1Aを接続することで、ラベルプリンタ1Aで保存されるレイアウトデータを容易に更新することができる。
【0047】
なお、情報処理装置45で作成されたレイアウトデータを、着脱可能なメモリに保存し、このメモリをラベルプリンタ1Aに装着して不揮発性メモリ42として使用する構成でも良い。
【0048】
<本実施の形態のラベルプリンタの動作例>
図7は、複数枚出しレイアウトデータと1枚出しレイアウトデータで印刷されたラベルの一例を示す説明図で、図7(a)は、ラベル用紙を表面側から見た説明図、図7(b)は、ラベル用紙を裏面側から見た説明図である。また、図8は、複数枚出しレイアウトデータと1枚出しレイアウトデータで印刷を行う際の印刷可能領域マークの検知原理例を示す説明図である。次に、各図を参照して、本実施の形態のラベルプリンタ1Aで実行されるラベルの印刷処理について説明する。
【0049】
ラベルプリンタ1AのCPU40は、搬送モータ31を制御することでプラテンローラ30を駆動し、図7に矢印で示す搬送方向Fにラベル用紙21を搬送しながら、ラベル検出センサ34で印刷可能領域マーク22を読み取る。
【0050】
図5で説明した複数枚出しレイアウトデータDA1を不揮発性メモリ42から読み出してラベル2に印刷する制御では、CPU40は、図7(b)に示す印刷可能領域マーク22における開始基準位置22Sの検知を、複数枚出しレイアウトデータDA1で印刷されるラベル2の枚数に応じた所定回数毎に行う。本例では、複数枚出しレイアウトデータDA1で2枚のラベル2に印刷を行うので、開始基準位置22Sを2回検知する毎に、ラベル2の先端STと判断する。
【0051】
すなわち、CPU40は、1回目の開始基準位置22Sを検知すると、ラベル2の先端STと判断し、複数枚出しレイアウトデータDA1の印刷を開始する。CPU40は、1回目の終了基準位置22E及び2回目の開始基準位置22Sを検知しても、ラベル2の後端及び先端とは判断せず、複数枚出しレイアウトデータDA1の印刷を続行する。CPU40は、2回目の終了基準位置22Eを検知すると、ラベル2の終端と判断し、複数枚出しレイアウトデータDA1の印刷を終了する。
【0052】
図9は、ラベルの2枚出し時における印刷可能領域の検知処理の一例を示すフローチャート、図10及び図11は、2枚出し時の印刷可能領域の検知処理における検知回数の遷移例を示す動作説明図で、次に、図7(b)に示す印刷可能領域マーク22の検知処理の詳細について説明する。ここで、印刷を開始するのは、マークを認識したその時点から開始する方法と、認識したところを覚えておいて、所定の地点までラベル用紙を搬送してから印刷を開始させる方法がある。ラベル検出センサ34と印刷ヘッド33の距離が離れているような場合は、後者の制御方法を採用する。
【0053】
ラベルプリンタ1AのCPU40は、図2に示すラベル用紙21の初回搬送時は、図9のステップSA1で、印刷可能領域マーク22の先端及び後端の検知回数は0回に初期化しておく。CPU40は、図9のステップSA2でラベル用紙21を搬送すると、ラベル検出センサ34の出力を監視し、ステップSA3で、印刷可能領域マーク22の先端を検知したか判断する。
【0054】
図10に示すように、ラベル用紙21の搬送開始位置S1が印刷可能領域マーク22の間であり、図9のステップSA3で印刷可能領域マーク22の先端を検知したと判断すると、CPU40は、図9のステップSA4aで、印刷可能領域マーク22の先端の検知回数が、1回か2回か判断する。印刷可能領域マーク22の先端の検知回数が、1回であると判断すると、CPU40は、ステップSA5で印刷可能領域マーク22の先端と認識し、図4に示す開始基準位置22Sとして、レイアウトデータの印刷を開始する。
【0055】
CPU40は、図9のステップSA6で、印刷可能領域マーク22の後端検知が0回であっても、1回目を既に検知していると見なす。CPU40は、図9のステップSA4aで、印刷可能領域マーク22の先端の検知回数が2回であると判断すると、ステップSA7で、印刷可能領域マーク22の先端検知を無視する。
【0056】
CPU40は、図11に示すように、ラベル用紙21の搬送開始位置S2が印刷可能領域マーク22の途中であり、図9のステップSA3で印刷可能領域マーク22の先端を検知しない判断すると、ステップSA8で、印刷可能領域マーク22の後端を検知したか判断する。
【0057】
印刷可能領域マーク22の後端を検知したと判断すると、CPU40は、図9のステップSA9aで、印刷可能領域マーク22の後端の検知回数が、1回または3回か、2回か判断する。印刷可能領域マーク22の後端の検知回数が、1回または3回であると判断すると、CPU40は、ステップSA10で印刷可能領域マーク22の後端と認識し、図4に示す終了基準位置22Eとする。
【0058】
CPU40は、図9のステップSA11aで、印刷可能領域マーク22の後端の検知回数が3回である場合、複数枚出し、本例では2枚出しのレイアウトデータの印刷を終了して、次のレイアウトデータの印刷に備え、印刷可能領域マーク22の後端検知を1回目と見なし、印刷可能領域マーク22の先端検知の回数は0回にリセットする。
【0059】
CPU40は、図9のステップSA9aで、印刷可能領域マーク22の後端の検知回数が2回であると判断すると、ステップSA12で、印刷可能領域マーク22の後端検知を無視する。
【0060】
このように、複数枚出しレイアウトデータDA1をラベル2に印刷する制御では、図8に示すように、擬似的に2つの印刷可能領域マーク22が繋がった形態として認識され、2枚のラベル2に跨る印刷可能領域が設定される。これにより、1つのファイルとして保存された複数枚出しレイアウトデータDA1で、2枚のラベル2に印刷が行われ、図7(a)に示すように、1枚目のラベル2には値下げ表示ラベル2Aが印刷され、2枚目のラベル2にはバーコードラベル2Bが印刷される。
【0061】
図12は、ラベルの複数枚出し時における印刷可能領域の検知処理の一例を示すフローチャート、図13及び図14は、複数枚出し時の印刷可能領域の検知処理における検知回数の遷移例を示す動作説明図で、次に、印刷する枚数が2枚より多い複数枚、例えば、3枚のときの印刷可能領域マーク22の検知処理の詳細について説明する。
【0062】
ラベルプリンタ1AのCPU40は、ラベル用紙21の初回搬送時は、図12のステップSA1で、印刷可能領域マーク22の先端及び後端の検知回数は0回に初期化しておく。CPU40は、図12のステップSA2でラベル用紙21を搬送すると、ラベル検出センサ34の出力を監視し、ステップSA3で、印刷可能領域マーク22の先端を検知したか判断する。
【0063】
図13に示すように、ラベル用紙21の搬送開始位置S1が印刷可能領域マーク22の間であり、図12のステップSA3で印刷可能領域マーク22の先端を検知したと判断すると、CPU40は、図12のステップSA4bで、印刷可能領域マーク22の先端の検知回数が、1回か2回目以降か判断する。印刷可能領域マーク22の先端の検知回数が、1回であると判断すると、CPU40は、ステップSA5で印刷可能領域マーク22の先端と認識し、図4に示す開始基準位置22Sとして、レイアウトデータの印刷を開始する。
【0064】
CPU40は、図12のステップSA6で、印刷可能領域マーク22の後端検知が0回であっても、1回目を既に検知していると見なす。CPU40は、図12のステップSA4bで、印刷可能領域マーク22の先端の検知回数が2回目以降であると判断すると、ステップSA7で、印刷可能領域マーク22の先端検知を無視する。
【0065】
CPU40は、図14に示すように、ラベル用紙21の搬送開始位置S2が印刷可能領域マーク22の途中であり、図12のステップSA3で印刷可能領域マーク22の先端を検知しない判断すると、ステップSA8で、印刷可能領域マーク22の後端を検知したか判断する。
【0066】
印刷可能領域マーク22の後端を検知したと判断すると、CPU40は、図12のステップSA9bで、印刷可能領域マーク22の後端の検知回数が、1回または(N+1)回か、2回〜N回か判断する。印刷可能領域マーク22の後端の検知回数が、1回または(N+1)回であると判断すると、CPU40は、ステップSA10で印刷可能領域マーク22の後端と認識し、図4に示す終了基準位置22Eとする。
【0067】
CPU40は、図12のステップSA11bで、印刷可能領域マーク22の後端の検知回数が(N+1)回である場合、複数枚出し、本例では3枚出しのレイアウトデータの印刷を終了して、次のレイアウトデータの印刷に備え、印刷可能領域マーク22の後端検知を1回目と見なし、印刷可能領域マーク22の先端検知の回数は0回にリセットする。
【0068】
CPU40は、図12のステップSA9bで、印刷可能領域マーク22の後端の検知回数が2回〜N回であると判断すると、ステップSA12で、印刷可能領域マーク22の後端検知を無視する。
【0069】
このように、複数枚出しレイアウトデータDA1をラベル2に印刷する制御では、例えば、図13及び図14に示すように、3枚のラベル2に跨る印刷可能領域が設定される。これにより、1つのファイルとして保存された複数枚出しレイアウトデータDA1で、3枚のラベル2に印刷が行われる。なお、3枚出し以上の場合も同様である。
【0070】
図6で説明した1枚出しレイアウトデータDA2を不揮発性メモリ42から読み出してラベル2に印刷する制御では、CPU40は、図7(b)に示す印刷可能領域マーク22における開始基準位置22Sの検知を1回毎に行って、ラベル2の先端STと判断する。
【0071】
すなわち、CPU40は、開始基準位置22Sを検知すると、ラベル2の先端STと判断し、1枚出しレイアウトデータDA2の印刷を開始し、終了基準位置22Eを検知すると、ラベル2の終端と判断し、1枚出しレイアウトデータDA2の印刷を終了する。
【0072】
このように、1枚出しレイアウトデータDA2をラベル2に印刷する制御では、図8に示すように、1つの印刷可能領域マーク22で印刷可能領域が設定される。これにより、図7(a)に示すように、1枚のラベル2に1枚出しレイアウトデータDA2が印刷される。
【0073】
複数枚出しレイアウトデータDA1と1枚出しレイアウトデータDA2のいずれか、あるいは両方が、オブジェクトの内容を変更可能とした項目を含むレイアウトデータである場合、CPU40は、選択されたラベルのレイアウトデータを不揮発性メモリ42から読み出し、内容の変更を可能とした項目が選択されると、ラベル作成時にオブジェクトに設定された表示名を操作表示部43のディスプレイ43aに表示する。
【0074】
そして、操作表示部43の入力部43b、または、コードスキャナ44が操作されて数字やコード記号等が入力されると、入力された内容に応じて画面を切り換えると共に、ラベルのレイアウトデータの選択された項目に、入力された値をセットする。これにより、ラベル2に印刷する内容を、ラベルプリンタ1Aの操作で変更することができる。
【0075】
図15は、複数枚出しレイアウトデータと1枚出しレイアウトデータが同じ内容で印刷されたラベルの一例を示す説明図、図16は、複数枚出しレイアウトデータと1枚出しレイアウトデータが異なる内容で印刷されたラベルの一例を示す説明図である。
【0076】
複数枚出しレイアウトデータDA1が用いられるラベルの発行形態では、複数枚出しレイアウトデータDA1で印刷されるラベルが、1枚出しレイアウトデータDA2で印刷されるラベルと同じ内容である場合と異なる内容である場合がある。
【0077】
図15では、図15(a)に示す複数枚出しレイアウトデータDA1で印刷される2枚のラベルのうちのバーコードラベル2Bと、図15(b)に示す1枚出しレイアウトデータDA2で印刷される値下げ表示ラベル2Caの表示が同じ場合である。
【0078】
一方、図16では、図16(a)に示す複数枚出しレイアウトデータDA1で印刷される2枚のラベルのうちのバーコードラベル2Bと、図16(b)に示す1枚出しレイアウトデータDA2で印刷される値下げ表示ラベル2Cbの表示が異なる場合である。
【0079】
図15に示すような発行形態の場合、図5に示す複数枚出しレイアウトデータDA1の値下げ表示ラベル2Aとバーコードラベル2Bをそれぞれ独立したレイアウトデータとして持つことでも対応できる。すなわち、2枚出しの場合には、2つのレイアウトデータを画像展開して、図7(b)に示す印刷可能領域マーク22における開始基準位置22Sの検知を1回毎に行い、ラベル2の先端を検知する毎に、印刷画像を切り換える。1枚出しの場合には、バーコードラベル2Bに対応したレイアウトデータのみを画像展開して印刷する。
【0080】
但し、この方法では、図16に示すように2枚出し時と1枚出し時で内容が異なるラベルを印刷することができない。そこで、複数枚出しレイアウトデータDA1と1枚出しレイアウトデータDA2の両方を持つことで、図15に示すように2枚出し時と1枚出し時で内容が同じラベルと、図16に示すように2枚出し時と1枚出し時で内容が異なるラベルの両方に適用可能となる。
【0081】
図17は、複数枚出しレイアウトデータの使用の有無によるメモリ使用量の比較例を示す説明図で、図17(a)は、複数枚出しレイアウトデータを使用した場合のメモリ使用量の概念を示し、図17(b)は、比較例として、複数枚出しレイアウトデータを使用せずにラベルの2枚出しを行えるようにした場合のメモリ使用量の概念を示す。
【0082】
複数枚出しレイアウトデータを使用せずにラベルの2枚出しを行えるようにするため、従来は、ラベルの2枚出し用に2つのレイアウトデータDD1,DD2が必要である。また、2枚出し時と1枚出し時で内容が異なるラベルを印刷できるようにするため、ラベルの1枚出し用に1つのレイアウトデータDD3が必要で、図17(b)に示すように、3つのファイルFB1〜FB3を持つ必要があった。
【0083】
これに対して、本発明では、図5に示すような複数枚出しレイアウトデータDA1を使用することで、ラベルの2枚出し用と1枚出し用でそれぞれ1つのレイアウトデータDC1,DC2を持てば良く、ラベルの2枚出しを1つのファイルで行えると共に、2枚出し時と1枚出し時で内容が異なるラベルを印刷できる。これにより、従来3つのファイルで実現していた機能を、図17(a)に示すように、2つのファイルFA1,FA2に削減して実現できる。
【0084】
ラベルプリンタでは、1つのファイルにつき不揮発性メモリ42等のメモリのセクタ42aが1つ必要である。図17では、メモリに保存される実際のデータ量42bを模式的に網掛け表示で行っているが、従来は、図17(b)に示すように、3つのファイルを保存するため3セクタが必要で、メモリ使用量が多くなる。これに対して、本発明では、図17(a)に示すように、2つのファイルを保存するため2セクタを使用すれば良く、データの総量はほぼ同じでも、メモリ使用量を削減することができる。
【0085】
<本実施の形態のラベルプリンタの変形例>
値引きに関するラベルを発行するラベルプリンタ1Aでは、発行するラベルの内容はある程度限定される。このため、ラベルプリンタ1Aは、想定される複数種類のフォーマットのラベルのレイアウトデータが、それぞれ固有のファイル番号(ファイル名)が付けられて、不揮発性メモリ42に保存される。但し、ファイルの数が多くなると、ファイル番号で所望のレイアウトデータを検索する作業が困難になる。
【0086】
そこで、本実施の形態のラベルプリンタ1Aでは、予め保存されているラベルのレイアウトデータのファイル番号が判らなくても、ラベルに印刷する項目を選択する操作で、所望のフォーマットのレイアウトデータを読み出すことができるようにする。
【0087】
このため、ラベルに印刷可能とする項目に対応して所定のオフセット値が設定され、ラベルに印刷すると選択された項目に対応したオフセット値が読み出されるレイアウト管理テーブルが不揮発性メモリ42に保存される。レイアウトデータにつけられるファイル番号は、ラベルに印刷可能とする項目に対応したオフセット値に関連付けられる情報で、オフセット値を用いて所定の演算規則により求められる値である。ここで、不揮発性メモリ42は、ラベルプリンタ1Aに内蔵されたメモリでも良いし、ラベルプリンタ1Aに着脱可能なカード状等のメモリでも良い。
【0088】
図18〜図25は、ラベルのレイアウトデータの一例を示す構成図である。本実施の形態では、値引き方法、半額表示を印刷するか否か、値引き前の元価格を印刷するか否か、値引き後の後価格を印刷するか否か、ラベルの1枚出しか2枚出しかの組み合わせにより、例えば28種類のラベルのレイアウトデータが保存される。
【0089】
図18(a)〜図18(d)は、ラベルの1枚出しで、値引き方法の表示を「%引き」で行い、かつ、値引き率が50%の場合を示す。図18(a)に示すフォーマットは、ラベル2に印刷される項目が、バーコード25Aと値引き率25BであるレイアウトデータDB1であり、レイアウトデータDB1のファイル番号を、十進数の表記で「901」とする。
【0090】
図18(b)に示すフォーマットは、ラベル2に印刷される項目が、バーコード25Aと値引き率25Bと値引き後価格25CであるレイアウトデータDB2であり、レイアウトデータDB2のファイル番号を「902」とする。
【0091】
図18(c)に示すフォーマットは、ラベル2に印刷される項目が、バーコード25Aと値引き率25Bと値引き前価格25DであるレイアウトデータDB3であり、レイアウトデータDB3のファイル番号を「903」とする。
【0092】
図18(d)に示すフォーマットは、ラベル2に印刷される項目が、バーコード25Aと値引き率25Bと値引き後価格25Cと値引き前価格25DであるレイアウトデータDB4であり、レイアウトデータDB4のファイル番号を「904」とする。
【0093】
図19(a)〜図19(d)は、ラベルの1枚出しで、値引き方法の表示を「%引き」で行い、かつ、値引き率が50%で半額表示を印刷する場合を示す。図19(a)に示すフォーマットは、ラベル2に印刷される項目が、バーコード25Aと半額表示25EであるレイアウトデータDB5であり、レイアウトデータDB5のファイル番号を「905」とする。
【0094】
図19(b)に示すフォーマットは、ラベル2に印刷される項目が、バーコード25Aと値引き後価格25Cと半額表示25EであるレイアウトデータDB6であり、レイアウトデータDB6のファイル番号を「906」とする。
【0095】
図19(c)に示すフォーマットは、ラベル2に印刷される項目が、バーコード25Aと値引き前価格25Dと半額表示25EであるレイアウトデータDB7であり、レイアウトデータDB7のファイル番号を「907」とする。
【0096】
図19(d)に示すフォーマットは、ラベル2に印刷される項目が、バーコード25Aと値引き後価格25Cと値引き前価格25Dと半額表示25EであるレイアウトデータDB8であり、レイアウトデータDB8のファイル番号を「908」とする。
【0097】
図20(a)〜図20(d)は、ラベルの1枚出しで、値引き方法の表示を「円引き」で行う場合を示す。図20(a)に示すフォーマットは、ラベル2に印刷される項目が、バーコード25Aと値引き額25FであるレイアウトデータDB9であり、レイアウトデータDB9のファイル番号を「909」とする。
【0098】
図20(b)に示すフォーマットは、ラベル2に印刷される項目が、バーコード25Aと値引き後価格25Cと値引き額25FであるレイアウトデータDB10であり、レイアウトデータDB10のファイル番号を「910」とする。
【0099】
図20(c)に示すフォーマットは、ラベル2に印刷される項目が、バーコード25Aと値引き前価格25Dと値引き額25FであるレイアウトデータDB11であり、レイアウトデータDB11のファイル番号を「911」とする。
【0100】
図20(d)に示すフォーマットは、ラベル2に印刷される項目が、バーコード25Aと値引き後価格25Cと値引き前価格25Dと値引き額25FであるレイアウトデータDB12であり、レイアウトデータDB12のファイル番号を「912」とする。
【0101】
図21(a)〜図21(b)は、ラベルの1枚出しで、値引き方法の表示を値引き後の価格である「ズバリ価格」と称す項目で行う場合を示す。図21(a)に示すフォーマットは、ラベル2に印刷される項目が、バーコード25Aと値引き後価格25CであるレイアウトデータDB13であり、レイアウトデータDB13のファイル番号を「913」とする。
【0102】
図21(b)に示すフォーマットは、ラベル2に印刷される項目が、バーコード25Aと値引き後価格25Cと値引き前価格25DであるレイアウトデータDB14であり、レイアウトデータDB14のファイル番号を「914」とする。
【0103】
図22(a)〜図22(d)は、ラベルの2枚出しで、値引き方法の表示を「%引き」で行い、かつ、値引き率が50%の場合を示す。図22(a)に示すフォーマットは、値下げ表示ラベル2Aに印刷される項目が値引き率25Bで、バーコードラベル2Bに印刷される項目が、バーコード25Aと値引き率25BであるレイアウトデータDB15であり、レイアウトデータDB15のファイル番号を「915」とする。
【0104】
図22(b)に示すフォーマットは、値下げ表示ラベル2Aに印刷される項目が、値引き率25Bと値引き後価格25Cで、バーコードラベル2Bに印刷される項目が、バーコード25Aと値引き率25Bと値引き後価格25CであるレイアウトデータDB16であり、レイアウトデータDB16のファイル番号を「916」とする。
【0105】
図22(c)に示すフォーマットは、値下げ表示ラベル2Aに印刷される項目が、値引き率25Bと値引き前価格25Dで、バーコードラベル2Bに印刷される項目が、バーコード25Aと値引き率25Bと値引き前価格25DであるレイアウトデータDB17であり、レイアウトデータDB17のファイル番号を「917」とする。
【0106】
図22(d)に示すフォーマットは、値下げ表示ラベル2Aに印刷される項目が、値引き率25Bと値引き後価格25Cと値引き前価格25Dで、バーコードラベル2Bに印刷される項目が、バーコード25Aと値引き率25Bと値引き後価格25Cと値引き前価格25DであるレイアウトデータDB18であり、レイアウトデータDB18のファイル番号を「918」とする。
【0107】
図23(a)〜図23(d)は、ラベルの2枚出しで、値引き方法の表示を「%引き」で行い、かつ、値引き率が50%で半額表示を印刷する場合を示す。図23(a)に示すフォーマットは、値下げ表示ラベル2Aに印刷される項目が半額表示25Eで、バーコードラベル2Bに印刷される項目が、バーコード25Aと半額表示25EであるレイアウトデータDB19であり、レイアウトデータDB19のファイル番号を「919」とする。
【0108】
図23(b)に示すフォーマットは、値下げ表示ラベル2Aに印刷される項目が、値引き後価格25Cと半額表示25Eで、バーコードラベル2Bに印刷される項目が、バーコード25Aと値引き後価格25Cと半額表示25EであるレイアウトデータDB20であり、レイアウトデータDB20のファイル番号を「920」とする。
【0109】
図23(c)に示すフォーマットは、値下げ表示ラベル2Aに印刷される項目が、値引き前価格25Dと半額表示25Eで、バーコードラベル2Bに印刷される項目が、バーコード25Aと値引き前価格25Dと半額表示25EであるレイアウトデータDB21であり、レイアウトデータDB21のファイル番号を「921」とする。
【0110】
図23(d)に示すフォーマットは、値下げ表示ラベル2Aに印刷される項目が、値引き後価格25Cと値引き前価格25Dと半額表示25Eで、バーコードラベル2Bに印刷される項目が、バーコード25Aと値引き後価格25Cと値引き前価格25Dと半額表示25EであるレイアウトデータDB22であり、レイアウトデータDB22のファイル番号を「922」とする。
【0111】
図24(a)〜図24(d)は、ラベルの2枚出しで、値引き方法の表示を「円引き」で行う場合を示す。図24(a)に示すフォーマットは、値下げ表示ラベル2Aに印刷される項目が値引き額25Fで、バーコードラベル2Bに印刷される項目が、バーコード25Aと値引き額25FであるレイアウトデータDB23であり、レイアウトデータDB23のファイル番号を「923」とする。
【0112】
図24(b)に示すフォーマットは、値下げ表示ラベル2Aに印刷される項目が、値引き後価格25Cと値引き額25Fで、バーコードラベル2Bに印刷される項目が、バーコード25Aと値引き後価格25Cと値引き額25FであるレイアウトデータDB24であり、レイアウトデータDB24のファイル番号を「924」とする。
【0113】
図24(c)に示すフォーマットは、値下げ表示ラベル2Aに印刷される項目が、値引き前価格25Dと値引き額25Fで、バーコードラベル2Bに印刷される項目が、バーコード25Aと値引き前価格25Dと値引き額25FであるレイアウトデータDB25であり、レイアウトデータDB25のファイル番号を「925」とする。
【0114】
図24(d)に示すフォーマットは、値下げ表示ラベル2Aに印刷される項目が、値引き後価格25Cと値引き前価格25Dと値引き額25Fで、バーコードラベル2Bに印刷される項目が、バーコード25Aと値引き後価格25Cと値引き前価格25Dと値引き額25FであるレイアウトデータDB26であり、レイアウトデータDB26のファイル番号を「926」とする。
【0115】
図25(a)〜図25(b)は、ラベルの2枚出しで、値引き方法の表示を値引き後の価格である「ズバリ価格」と称す項目で行う場合を示す。図25(a)に示すフォーマットは、値下げ表示ラベル2Aに印刷される項目が値引き後価格25Cで、バーコードラベル2Bに印刷される項目が、バーコード25Aと値引き後価格25CであるレイアウトデータDB27であり、レイアウトデータDB27のファイル番号を「927」とする。
【0116】
図25(b)に示すフォーマットは、値下げ表示ラベル2Aに印刷される項目が、値引き後価格25Cと値引き前価格25Dで、バーコードラベル2Bに印刷される項目が、バーコード25Aと値引き後価格25Cと値引き前価格25DであるレイアウトデータDB28であり、レイアウトデータDB28のファイル番号を「928」とする。
【0117】
図26は、レイアウト管理テーブルの一例を示す構成図である。図18〜図25で説明したレイアウトデータDB1〜DB28のファイル番号「901」〜「928」を生成できるようにするため、レイアウト管理テーブルTBは、ラベルに印刷可能とする項目として、ラベルの1枚出しか2枚出しかに対応してオフセット値A1が設定される。なお、ラベルに印刷するバーコードの種別として、code128とJANコードを選択可能とするような場合は、オフセット値A1で設定する。
【0118】
また、レイアウト管理テーブルTBは、ラベルに印刷可能とする項目として、値引き方法の選択に対応してオフセット値A2が設定され、半額表示を印刷するか否かの選択に対応してオフセット値A3が設定され、元価格を印刷するか否かの選択に対応してオフセット値A4が設定され、後価格を印刷するか否かの選択に対応してオフセット値A5が設定される。
【0119】
レイアウト管理テーブルTBでは、ラベルに印刷するバーコードの種別、値引き方法、半額表示を印刷するか否か、値引き前の元価格を表示するか否か、値引き後の後価格を表示するか否かの組み合わせにより、各項目で選択されるオフセット値の組合せが一意に決まる。
【0120】
このため、ファイル番号Fnの生成は、ファイル番号を演算するための変数をNとすると、以下の(1)式により求められる。
【0121】
Fn=N+A1+A2+A3+A4+A5 ・・・(1)
【0122】
レイアウト管理テーブルTBでは、ファイル番号の基底番号を「901」とし、基底番号を変数Nとすることで、ラベルの1枚出しか2枚出しか、値引き方法、半額表示を印刷するか否か、値引き前の元価格を表示するか否か、値引き後の後価格を表示するか否かに応じて選択されたオフセット値A1〜A5を、変数Nに加算する演算を行うと、図26の左欄に示すファイル番号が生成される。
【0123】
パーソナルコンピュータ等の情報処理装置45で、所定のラベル作成アプリケーションを用いて作成されるレイアウトデータは、ラベルに印刷する項目に対応して、図26で説明したレイアウト管理テーブルTBの規則に従い設定されたオフセット値を用いて求められるファイル番号を付与して保存される。
【0124】
図1に示すCPU40は、ラベル2に印刷する項目等の選択が行われる選択画面を、操作表示部43のディスプレイ43aに表示する。また、操作表示部43の入力部43bの入力を監視し、選択された項目に応じて画面を切り換えると共に、選択された項目に対応したオフセット値を選択してレイアウト管理テーブルTBから読み出す。そして、読み出したオフセット値A1〜A5を用いて、上述した(1)式による演算を行い、ファイル番号Fnを生成し、ファイル番号Fnで特定されるレイアウトデータを不揮発性メモリ42から読み出す。
【0125】
また、CPU40は、ラベル2に印刷する項目の中で、内容が変更可能に設定された項目について、項目の内容の変更が行われる入力画面を、操作表示部43のディスプレイ43aに表示する。そして、操作表示部43の入力部43b、または、コードスキャナ44が操作されて数字やコード記号等が入力されると、入力された内容に応じて画面を切り換えると共に、ラベルのレイアウトデータの選択された項目に、入力された値をセットする。
【0126】
<本実施の形態の変形例のラベルプリンタの動作例>
図27は、ラベルに印刷する項目を選択する処理の一例を示すフローチャート、図28は、ラベルに印刷する項目の選択が行われる選択画面の遷移の一例を示す動作説明図で、次に、各図を参照して、本実施の形態の変形例のラベルプリンタ1Aで実行されるレイアウトデータの読み出し処理について説明する。
【0127】
ラベルプリンタ1AのCPU40は、図27のステップSB1で、ファイル番号を演算するための変数Nを用意し、ステップSB2で、変数Nにファイル番号の基底番号、本例では「901」をセットする。
【0128】
CPU40は、図27のステップSB3で、ラベルに印刷する項目として、図28(a)に示すラベルの1枚出しか2枚出しかを選択させる選択画面SE1を表示し、ラベルの1枚出しか2枚出しかを選択させる。
【0129】
選択画面SE1で「1枚出し」が選択されると、CPU40は、図27のステップSB4で、図26に示すレイアウト管理テーブルTBから、「1枚出し」に対応したオフセット値A1を読み出す。「1枚出し」に対応したオフセット値は、A1=0である。
【0130】
選択画面SE1で「2枚出し」が選択されると、CPU40は、図27のステップSB5で、図26に示すレイアウト管理テーブルTBから、「2枚出し」に対応したオフセット値A1を読み出す。「2枚出し」に対応したオフセット値は、A1=14である。
【0131】
CPU40は、図27のステップSB6で、ラベルに印刷する項目として、図28(b)に示す値引き方法を選択させる選択画面SE2を表示し、値引き方法を選択させる。
【0132】
選択画面SE2で値引き方法として「%引き」が選択されると、CPU40は、図27のステップSB7で、図26に示すレイアウト管理テーブルTBから、「%引き」に対応したオフセット値A2を読み出す。「%引き」に対応したオフセット値は、A2=0である。
【0133】
選択画面SE2で値引き方法として「円引き」が選択されると、CPU40は、図27のステップSB8で、図26に示すレイアウト管理テーブルTBから、「円引き」に対応したオフセット値A2を読み出す。「円引き」に対応したオフセット値は、A2=8である。
【0134】
選択画面SE2で値引き方法として「ズバリ価格」が選択されると、CPU40は、図27のステップSB9で、図26に示すレイアウト管理テーブルTBから、「ズバリ価格」に対応したオフセット値A2を読み出す。「ズバリ価格」に対応したオフセット値は、A2=12である。
【0135】
図29は、値引き方法の選択に対応して表示される入力画面の一例を示す動作説明図である。図29では、値引き方法として「%引き」が選択された場合に、値引率を入力可能とした入力画面E1を示す。
【0136】
例えば、図18(a)〜図18(d)及び図22(a)〜図22(d)で説明したように、値引き方法が「%引き」であるレイアウトデータでは、任意の値引率に設定できるようにするため、値引率の項目について、内容が変更可能に設定されている。
【0137】
このため、値引き方法として「%引き」が選択されると、図29に示すように、ラベル作成時に変更可能に設定された値引率の項目のオブジェクトに対して入力された表示名、本例では「値引率変更」で特定される入力画面E1を操作表示部43のディスプレイ43aに表示して、値引率の入力を可能にする。
【0138】
なお、値引き方法として「円引き」または「ズバリ価格」が選択された場合、または、元価格や後価格を表示すると選択された場合、価格の入力が必要となるので、同様にして価格の内容が変更可能に設定されている。
【0139】
CPU40は、値引き方法が選択される共に、値引き方法の選択に対応して値引率等が入力されると、図27のステップSB10で、ラベルに印刷する項目として、図28(c)に示す半額表示を印刷するか否かを選択させる選択画面SE3を表示し、半額表示を印刷するか否かを選択させる。ここで、半額表示を印刷するか否かの選択は、値引き方法として「%引き」が選択され、かつ、値引き率が50%に設定された場合に選択可能な項目である。
【0140】
選択画面SE3で半額表示を印刷しないと選択されると、CPU40は、図27のステップSB11で、図26に示すレイアウト管理テーブルTBから、「半額表示を印刷しない」に対応したオフセット値A3を読み出す。「半額表示を印刷しない」に対応したオフセット値は、A3=0である。
【0141】
選択画面SE3で半額表示を印刷すると選択されると、CPU40は、図27のステップSB12で、図26に示すレイアウト管理テーブルTBから、「半額表示を印刷する」に対応したオフセット値A3を読み出す。「半額表示を印刷する」に対応したオフセット値は、A3=4である。
【0142】
CPU40は、半額表示を印刷するか否かが選択されると、図27のステップSB13で、ラベルに印刷する項目として、図28(d)に示す元価格を印刷するか否かを選択させる選択画面SE4を表示し、元価格を印刷するか否かを選択させる。
【0143】
選択画面SE4で元価格を印刷しないと選択されると、CPU40は、図27のステップSB14で、図26に示すレイアウト管理テーブルTBから、「元価格を印刷しない」に対応したオフセット値A4を読み出す。「元価格を印刷しない」に対応したオフセット値は、A4=0である。
【0144】
選択画面SE2で値引き方法として「%引き」または「円引き」が選択され、選択画面SE4で元価格を印刷すると選択されると、CPU40は、図27のステップSB15で、図26に示すレイアウト管理テーブルTBから、値引き方法が「%引き」または「円引き」で、「元価格を印刷する」に対応したオフセット値A4を読み出す。値引き方法が「%引き」または「円引き」で、「元価格を印刷する」に対応したオフセット値は、A4=2である。
【0145】
選択画面SE2で値引き方法として「ズバリ価格」が選択され、選択画面SE4で元価格を印刷すると選択されると、CPU40は、図27のステップSB16で、図26に示すレイアウト管理テーブルTBから、値引き方法が「ズバリ価格」で、「元価格を印刷する」に対応したオフセット値A4を読み出す。値引き方法が「ズバリ価格」で、「元価格を印刷する」に対応したオフセット値は、A4=1である。
【0146】
CPU40は、元価格を印刷するか否かが選択されると、図27のステップSB17で、ラベルに印刷する項目として、図28(e)に示す値引後価格を印刷するか否かを選択させる選択画面SE5を表示し、値引後価格を印刷するか否かを選択させる。
【0147】
選択画面SE5で値引後価格を印刷しないと選択されると、CPU40は、図27のステップSB18で、図26に示すレイアウト管理テーブルTBから、「値引後価格を印刷しない」に対応したオフセット値A5を読み出す。「値引後価格を印刷しない」に対応したオフセット値は、A5=0である。ここで、選択画面SE2で値引き方法として「ズバリ価格」が選択された場合、「値引後価格を印刷する」と選択される。選択画面SE2で値引き方法として「ズバリ価格」が選択されると、値引き方法が「ズバリ価格」で、「値引後価格を印刷する」に対応したオフセット値A5を読み出す。値引き方法が「ズバリ価格」で、「値引後価格を印刷する」に対応したオフセット値は、A5=0である。
【0148】
選択画面SE2で値引き方法として「ズバリ価格」が選択されておらず、選択画面SE5で値引後価格を印刷すると選択されると、CPU40は、図27のステップSB19で、図26に示すレイアウト管理テーブルTBから、「値引後価格を印刷する」に対応したオフセット値A5を読み出す。「値引後価格を印刷する」に対応したオフセット値は、A5=1である。
【0149】
CPU40は、選択画面SE1〜SE5でラベルに印刷する項目が選択され、選択された項目に対応したオフセット値をレイアウト管理テーブルTBから読み出すと、読み出したオフセット値A1〜A5を用いて、上述した(1)式による演算を行ってファイル番号Fnを生成し、ファイル番号Fnで特定されるレイアウトデータを不揮発性メモリ42から読み出す。
【0150】
例えば、ラベルに印刷されるバーコードの種別が「code128の2枚出し」、値引き方法が「%引き」、半額表示を「印刷しない」、元価格を「印刷する」、後価格を「印刷する」と選択されると、それぞれオフセット値はA1=14、A2=0、A3=0、A4=2、A5=1となり、上述した(1)式による演算を行うと、Fn=918となる。
【0151】
ファイル番号Fnが「918」で特定されるレイアウトデータは、図22(d)に示すように2枚出しのラベルで、値下げ表示ラベル2Aに印刷される項目が、値引き率25Bと値引き後価格25Cと値引き前価格25Dで、バーコードラベル2Bに印刷される項目が、バーコード25Aと値引き率25Bと値引き後価格25Cと値引き前価格25DであるレイアウトデータDB18であり、ラベルに印刷すると選択された項目に合致したフォーマットであることが判る。ラベルに印刷すると選択した項目が他の組み合わせであっても、同様にファイル番号が生成される。
【0152】
これにより、本実施の形態の変形例のラベルプリンタ1Aでは、不揮発性メモリ42に予め保存されているラベルのレイアウトデータのファイル番号が判らなくても、ラベルに印刷する項目を選択する操作で、複数のファイルの中から所望のフォーマットのレイアウトデータを読み出すことができ、ラベルの発行者であるユーザが印刷したい項目を含むフォーマットでラベルを印刷することができる。また、値引率情報や元価格情報等は、ラベルプリンタ1Aでの発行時に変更可能なオブジェクトに設定することで、ユーザが任意に入力した値を印刷できる。
【0153】
更に、図26に示すような予め決められたレイアウト管理テーブルに従ってファイル番号を付けることにすれば、従来からのラベル作成アプリケーション及びラベルプリンタで用いられている同じファイル形式を利用でき、レイアウトデータは従来と同様の方法で作成できるので、既存のラベル作成アプリケーション及びラベルプリンタとの互換性を確保できる。また、ラベルレイアウトの変更や置き換えが容易に行なえる。
【0154】
なお、ファイル番号の生成は、上述した(1)式を用いた演算以外の方法でも良い。例えば、ラベルに印刷する項目に対応したオフセット値を、ファイル番号の桁に対応させても良い。上述した例で、ラベルに印刷されるバーコードの種別が「code128の2枚出し」、値引き方法が「%引き」、半額表示を「印刷しない」、元価格を「印刷する」、後価格を「印刷する」と選択された場合、それぞれオフセット値はA1=14、A2=0、A3=0、A4=2、A5=1となり、ファイル番号が「140021」となる。但し、この方法では、項目数が増えると、ファイル番号の桁数が増加する。また、項目毎にフォルダを作成する方法も考えられるが、項目数が増えると、階層が深くなる上、フォルダを指定する必要があるので、ファイル更新時の手順が煩雑になる。
【産業上の利用可能性】
【0155】
本発明は、予め複数のフォーマットが用意されているラベルプリンタに適用される。
【符号の説明】
【0156】
1A・・・ラベルプリンタ、2・・・ラベル、40・・・CPU、42・・・不揮発性メモリ、43・・・操作表示部、TB・・・レイアウト管理テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが1枚のラベルに印刷可能な少なくとも2種類のフォーマットのレイアウトデータで構成され、フォーマットの数に合わせた複数枚のラベルに跨る複数枚出しレイアウトデータが、1つのファイルとして保存される記憶手段と、
前記記憶手段から前記複数枚出しレイアウトデータを読み出してラベルに印刷を行う複数枚出しの処理では、前記複数枚出しレイアウトデータを構成するフォーマットの数に合わせた複数枚のラベルに連続して印刷する制御を行う制御手段と
を備えたことを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項2】
前記記憶手段は、1枚のラベルに印刷可能なレイアウトデータで構成される1枚出しレイアウトデータが保存され、
前記制御手段は、前記記憶手段から前記1枚出しレイアウトデータを読み出してラベルに印刷を行う1枚出しの処理では、1枚のラベルに印刷する制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載のラベルプリンタ。
【請求項3】
前記制御手段は、前記ラベルの端部位置または印刷開始位置を光学センサにより検知すると共に、ラベルの複数枚出しの処理では、前記複数枚出しレイアウトデータで印刷されるラベルの枚数に応じた所定回数毎にラベルの端部位置または印刷開始位置の検知を行う
ことを特徴とする請求項1または2記載のラベルプリンタ。
【請求項4】
前記ラベルが一の面に剥離可能に貼着される剥離紙の他の面に、前記ラベルの端部位置を検知する印刷可能領域マークが形成され、
前記制御手段は、前記印刷可能領域マークを読み取って前記ラベルの端部位置を検知すると共に、ラベルの複数枚出しの処理では、前記複数枚出しレイアウトデータで印刷されるラベルの枚数に応じた所定回数毎にラベルの先端検知を行う
ことを特徴とする請求項1または2記載のラベルプリンタ。
【請求項5】
前記制御手段は、ラベルの複数枚出しの処理では、ラベルの先端を検知した後、前記複数枚出しレイアウトデータで印刷されるラベルの枚数に応じた所定回数分のラベルの先端検知を無視する
ことを特徴とする請求項3または4記載のラベルプリンタ。
【請求項6】
前記制御手段は、前記印刷可能領域マークを読み取って前記ラベルの先端と後端を検知して、印刷可能領域を設定すると共に、ラベルの複数枚出しの処理では、前記複数枚出しレイアウトデータで印刷される複数枚のラベルに亘る印刷可能領域を設定する
ことを特徴とする請求項4または5記載のラベルプリンタ。
【請求項7】
前記制御手段は、前記複数枚出しレイアウトデータの内の所定の1枚分のレイアウトデータに対応して印刷可能領域を設定する
ことを特徴とする請求項6記載のラベルプリンタ。
【請求項8】
それぞれが1枚のラベルに印刷可能な少なくとも2種類のフォーマットのレイアウトデータで構成され、フォーマットの数に合わせた複数枚のラベルに跨る複数枚出しレイアウトデータが、1つのファイルとして保存される
ことを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2011−136514(P2011−136514A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298998(P2009−298998)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】