ラベルプリンタ
【課題】ラベル剥離機構を搭載しながら、ラベル用紙の交換作業や紙詰まり除去作業等を少ない開閉スペースで簡単に行うことができる良好なラベルプリンタを提供する。
【解決手段】ラベルプリンタ1は、長尺状の台紙101上に複数のラベル102が剥離可能に貼り付けられたラベル用紙100を搬送しながら該ラベル100に印刷を行う印刷機構40と、印刷済のラベル用紙100を裏面側から鋭角に屈曲させることにより、屈曲状態で搬送される台紙101からラベル102を剥離させるピーラーユニット50と、を備える。ピーラーユニット50が、プリンタ本体2のラベル用紙装填部4に開閉自在に取り付けられるプリンタカバー3に対して開閉自在に搭載されると共に、プリンタカバー3を開くためのプリンタカバー開閉レバー60には、ピーラーユニット50に連動してプリンタカバー開閉レバー60の開操作を規制するシャッタ70が設けられる。
【解決手段】ラベルプリンタ1は、長尺状の台紙101上に複数のラベル102が剥離可能に貼り付けられたラベル用紙100を搬送しながら該ラベル100に印刷を行う印刷機構40と、印刷済のラベル用紙100を裏面側から鋭角に屈曲させることにより、屈曲状態で搬送される台紙101からラベル102を剥離させるピーラーユニット50と、を備える。ピーラーユニット50が、プリンタ本体2のラベル用紙装填部4に開閉自在に取り付けられるプリンタカバー3に対して開閉自在に搭載されると共に、プリンタカバー3を開くためのプリンタカバー開閉レバー60には、ピーラーユニット50に連動してプリンタカバー開閉レバー60の開操作を規制するシャッタ70が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷後のラベルを台紙から剥離するラベル剥離機構を搭載したラベルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
ラベルプリンタは、商品の名称や値段、商品コード(バーコード)などを印刷したラベルを商品に貼り付けることなどを目的に、使用される。
店舗のバックヤードなどでは、ラベルプリンタを作業台に置き、ラベルを印刷しながらその場で商品に貼り付けるような使用方法がある。一方、ラベルプリンタで複数枚のラベルを一度にまとめて印刷し、印刷したラベルを商品が保管してある倉庫など別の場所へ持って行き、商品の一つ一つに貼るような使用方法もある。
前者の使用方法の場合、ラベルを一枚ずつ印刷した後、台紙から剥がすことができるラベル剥離機構を用いると便利である。さらに、後者の使用方法も可能であれば、さらに好ましい。
このようなラベルプリンタとしては、長尺状の台紙の表面に一定間隔でラベルが貼り付けられたラベル用紙を、ラベル用紙装填部に能収納し、印字機構を経由させてラベルに印刷を行い、しかる後に、ラベル用紙剥離部で台紙の裏面側から鋭角的に曲がる方向に搬送することにより、台紙から印刷済のラベルの先端より徐々に剥離させていき、ラベル発行口から1枚ずつ発行させるラベル剥離機構を持つものが多い(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなラベルの発行モードは、通常、「ピーラーモード(剥離モード)」と称されている。
一方、同じラベルプリンタにおいて設定された枚数分のラベルを一度にまとめて連続的に印刷を行い、台紙からラベルを剥離せずに発行させる形態もある。このようなラベルの発行モードは、通常、「連続発行モード(非剥離モード)」と称されている。
【0004】
この連続発行モードの場合、ラベルを台紙から剥離させずに発行するため、印刷機構の下流側において、台紙の搬送経路がピーラーモード時とは異なる。よって、ラベル用紙をセットする場合、いずれのモードでラベルを発行させるかにより、いずれかの搬送経路を選択しなければならない。
また、ピーラーモードと連続発行モードでは、ラベル用紙に印刷し搬送するときの動作も異なる。連続発行モードの場合は、台紙にラベルが貼り付いた状態のまま、複数のラベルを、停止することなく印刷しながら搬送する、連続送りである。ピーラーモードの場合は、1枚のラベルを印刷した後一旦停止し、当該印刷済みのラベルがラベル発行口から取り出されたとき、次のラベルの印刷を開始するような動作となり、ラベル毎に印刷と搬送を行う間欠送りとなる。よって、単に用紙の搬送経路を変更するばかりでなく、それぞれに対応して、紙送り制御や印刷制御も切り換える必要がある。
【0005】
ところで、このようなラベルプリンタでは、ラベル用紙の交換のときや、用紙搬送経路での紙詰まりが起きたとき除去するため、プリンタ本体に開閉可能なプリンタカバーを設けている。
従って、プリンタカバーを開けてラベル用紙装填部を開放することで、ラベル用紙の交換ができる。また、プリンタカバーを開けて用紙搬送経路を開放することで、紙詰まり時の紙を除去することができる。
【0006】
【特許文献1】特開平4−272876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、例えば上記特許文献1に記載されたラベルプリンタは、プリンタ本体のシート収容部(ラベル用紙充填部)を開閉自在に被うシートカバーと、プリンタ本体の印刷機構及び剥離機構を開閉自在に被うプリンタカバーとが、それぞれプリンタ本体の背面側及び前面側に設けられている。
【0008】
そこで、ラベルプリンタのラベルシート(ラベル用紙)を交換する場合は、これらシートカバーとプリンタカバーを同時に開け、プリンタ本体の前面と背面から操作する必要があり煩わしい。特に、シート収容部を被うシートカバーは、ロール状のラベルシートが交換できる大きさが必要であり、そのため開閉スペースも大きくなる。商品が置かれた作業台など限られたスペースで、プリンタカバーの開閉動作を行わなければならない場合はいっそう操作がし難い。
更に、ラベル剥離機構がプリンタ本体内に収容されており、ラベル剥離機構の搬送経路に詰まった台紙やラベルの除去を行う際、非常に操作がやり難いという問題がある。
【0009】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、ラベル剥離機構を搭載しながら、ラベル用紙の交換作業や紙詰まり時の紙の除去作業等を、限られた開閉スペースで簡単に行うことができる良好なラベルプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的は、長尺状の台紙上に複数のラベルが貼り付けられたラベル用紙を搬送しながら該ラベルに印刷を行う印刷機構と、印刷済の前記ラベル用紙の前記台紙の裏面側から鋭角に屈曲させることにより、屈曲状態で搬送される前記台紙から前記ラベルを剥離させるラベル剥離機構と、を備えたラベルプリンタであって、前記ラベル剥離機構が、プリンタ本体のラベル用紙装填部に開閉自在に取り付けられるプリンタカバーに搭載されると共に、前記プリンタカバーを開くためのカバー開操作部材には、前記ラベル剥離機構が開いているときに前記カバー開操作部材の操作を可能とし、かつ前記ラベル剥離機構が閉じているときに前記カバー開操作部材の操作を不可とする操作規制機構が設けられることを特徴とするラベルプリンタにより達成される。
【0011】
上記構成のラベルプリンタによれば、ラベル剥離機構がプリンタカバーに搭載されているので、プリンタカバーを開くことで、プリンタ本体のラベル用紙装填部を開放すると同時に、ラベル剥離機構をプリンタ本体から露呈させることができる。
そこで、ラベルプリンタのラベル用紙を交換する際や、ラベル剥離機構の搬送経路に詰まった台紙やラベルを除去する際の作業性が向上する。特に、作業者が対面するプリンタカバーの面側から、全ての操作が可能となり、作業性が向上する。
【0012】
また、ピーラーモードと連続発行モードを途中で切り換える場合、プリンタカバーを閉めた状態で、ラベル剥離機構を開き、用紙搬送経路を選択してラベル用紙をセットし、ラベル剥離機構を閉めるだけで済む。店舗のバックヤードなどでは、ラベルを印刷しながらその場で商品に貼り付ける「ピーラーモード」で使用することが多い。一方、複数枚のラベルを印刷し、倉庫など別の場所へ持って行って、貼りたい場合もある。このときは、プリンタカバーを閉めたまま、ラベル剥離機構を開閉するだけで、「連続発行モード」に切り換えることができる。
【0013】
また、ラベル剥離機構を開かないと、プリンタカバーのカバー開操作部材を操作することができないので、ラベル剥離機構を開いてからプリンタカバーを開くという操作の順番を自動的に守らせることができる。「ピーラーモード」と「連続発行モード」を切り換えるときに、誤ってプリンタカバーを開けてしまうことがない。このため、ラベル用紙の位置がずれ、ラベル用紙を無駄にしてしまうことを防止できる。従って、ラベル剥離機構とプリンタカバーを開く順番の間違いをなくすことで、上述のように逆の順番で開いた場合に起こり得る問題の発生を未然に防ぐことができる。
【0014】
なお、上記構成のラベルプリンタにおいて、操作規制機構が、ラベル剥離機構の開閉動作に連動してカバー開操作部材の操作を可能とする位置又は不可とする位置に移動するシャッタを備えることが望ましい。
上記構成によれば、簡単な構造によりカバー開操作部材に対する確実な操作規制を行うことができる。また、作業者が指で力を直接加えるカバー開操作部材に、操作の許可・不許可を標示可能なシャッタが設けられるので、間違って操作してしまう間違いがなく、また、プリンタカバーに無用な力が加えられてしまう間違いもない。
【0015】
更に、上記構成のラベルプリンタにおいて、前記ラベル剥離機構を開くための剥離機構開操作部材とプリンタカバーを開くためのカバー開操作部材又はその近傍には、それぞれ開操作の操作方向を示すマークが設けられていることが望ましい。
この構成によれば、操作方向を示すマークが、剥離機構開操作部材及びカバー開操作部材にそれぞれ設けられるので、開操作部材が2箇所にあっても正しい方向で容易に操作でき、作業者の使い勝手を向上させることができる。
【0016】
また、上記構成のラベルプリンタにおいて、前記ラベル剥離機構を開くための剥離機構開操作部材と前記プリンタカバーを開くためのカバー開操作部材又はその近傍に、それぞれ開操作の操作順番を示すマークが設けられていることが望ましい。
この構成によれば、操作順番を示すマークが、剥離機構開操作部材及びカバー開操作部材にそれぞれ設けられるので、開操作部材が2箇所にあっても正しい順番で容易に操作でき、作業者の使い勝手を向上させることができる。
【0017】
また、上記構成のラベルプリンタにおいて、前記ラベル剥離機構を開くための剥離機構開操作部材の操作方向を示すマークが、前記剥離機構開操作部材又はその近傍に設けられ、前記カバー開操作部材の操作方向を示すために設けられたマークが、前記カバー開操作部材の操作を不可とする位置に移動した前記シャッタにより目視不能とされることが望ましい。
【0018】
この構成によれば、剥離機構開操作部材を操作する際には、当該剥離機構開操作部材の操作方向を示すマークのみ表示されており、カバー開操作部材の操作方向を示すマークは目視不能とされている。そして、剥離機構開操作部材の開操作に伴うラベル剥離機構の開動作に連動し、シャッタがカバー開操作部材の操作を可能とする位置に移動すると、カバー開操作部材の操作方向を示すマークが表れる。
そこで、作業者は剥離機構開操作部材及びカバー開操作部材を正しい順番で容易に操作でき、作業者の使い勝手を向上させることができる。
【0019】
また、上記構成のラベルプリンタにおいて、前記ラベル剥離機構は、台紙から剥離した後のラベルをラベル発行口に誘導して送り出すラベル誘導経路と、ラベル用紙の台紙の裏面側から鋭角に屈曲させる為に誘導すると共にラベルが剥離した後の台紙を台紙排出口から排出させる台紙誘導経路とを形成しており、これらラベル誘導経路及び台紙誘導経路を開放するべく、前記プリンタカバーに対して、ラベル剥離機構が開閉自在とされることが望ましい。
【0020】
上記構成によれば、ラベル発行モードを切り換える場合、プリンタカバーは閉じた状態のまま、ラベル剥離機構のみを開くことでラベル誘導経路と台紙誘導経路を開いて、ラベル用紙のセッティング位置を切り換えることができる。そこで、ラベル発行モードの切換え時には、大きく開放するプリンタカバーまで開く必要がないので、開閉スペースを小さく確保するだけでよい。従って、例えばラベル用紙の交換時にだけ、プリンタカバーを開けばよい。
【0021】
また、ラベル剥離機構を開いた状態でないと、プリンタカバーのカバー開操作部材を操作することができないので、ラベル剥離機構を開いてからプリンタカバーを開くという操作の順番を自動的に守らせることができる。
即ち、ラベル剥離機構をプリンタカバーよりも先に開いて、ラベル誘導経路及び台紙誘導経路を開放し、ラベル用紙の先端側の挟持を先に解除した状態になって初めて、プリンタカバーを開くことができる。このためプリンタカバーを開くのに伴って、ラベル用紙が無用に引き出されることがなくなり、またラベル用紙はサーマルヘッドとプラテンローラに狭持されたままであり、ラベルの位置がずれることがないため位置合わせのための紙送りが必要なく、ラベル用紙の無駄をなくすことができる。
【0022】
また、上記構成のラベルプリンタにおいて、前記印刷機構が、前記プリンタ本体に装備されて前記ラベル用紙に対向するサーマルヘッドと、前記プリンタカバーに装備されて前記ラベル用紙を前記サーマルヘッドに押し付けるプラテンローラとを有していることが望ましい。
この場合、ラベル用紙をサーマルヘッドに押し付ける印刷機構のプラテンローラが、プリンタカバーに装備されているので、プリンタカバーを開くことによってサーマルヘッドとプラテンローラ間の台紙搬送通路を開放することができる。
そこで、ラベル用紙の交換時にラベル用紙の先端を印刷機構に容易にセットすることができると共に、仮に台紙搬送通路にラベルが詰まった際、ラベル用紙を除去するときの作業性が向上する。
【発明の効果】
【0023】
本発明のラベルプリンタによれば、プリンタカバーを開くことで、プリンタ本体のラベル用紙装填部を開放すると同時に、ラベル剥離機構をプリンタ本体から露呈させることができる。
そこで、ラベルプリンタにラベル用紙をセットする際や、ラベル剥離機構の搬送経路に詰まった台紙やラベルを除去する際の作業性が向上する。
【0024】
また、ラベル剥離機構を開かないと、プリンタカバーのカバー開操作部材を操作することができないので、ラベル剥離機構を開いてからプリンタカバーを開くという操作の順番を自動的に守らせることができる。従って、ラベル剥離機構とプリンタカバーを開く順番の間違いをなくすことで、逆の順番で開いた場合に起こり得る問題の発生を未然に防ぐことができる。
従って、ラベル剥離機構を搭載しながら、ラベル用紙の交換作業や紙詰まり除去作業等を少ない開閉スペースで簡単に行うことができる良好なラベルプリンタを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係るラベルプリンタについて説明する。
図1から図5は本発明の一実施形態に係るラベルプリンタの外観斜視図及び側断面図であり、図6はラベルプリンタの主要内部構成を示す側断面図であり、図7〜図11はピーラーユニット(ラベル剥離機構)開閉レバーを動かした際のプリンタカバー開閉レバーとシャッタ(操作規制機構)の関係を示すための要部側断面図であり、図12(a),(b)はラベル発行モードの違いによる台紙の搬送経路の違いを示す概略図であり、図13はピーラーユニット開閉レバー及びプリンタカバー開閉レバーの要部拡大斜視図である。
【0026】
本実施形態のラベルプリンタ1は、図1から図5に示すように、全体として縦長の直方体形状をしたプリンタ本体2を備えている。プリンタ本体2の前面部分には、プリンタ本体2内のラベル用紙装填部であるロール紙装填部4(図4、図5参照)を大きく開放するプリンタカバー3が、開閉自在に取り付けられている。
プリンタカバー3は、下端の回動軸5を介してプリンタ本体2に回動自在に連結されている。プリンタカバー3の上側には、印刷済みのラベルを排出するラベル発行口8が形成され、その下側には「ピーラーモード」時、ラベルが取り除かれた後の台紙を排出する台紙排出口7が形成されている。
【0027】
プリンタ本体2及びプリンタカバー3よりなる筐体の内部には、図6に示すように、長尺状の台紙101上に複数のラベル102が剥離可能に張り付けられたラベル用紙100(図4参照)を搬送しながらラベル102に印刷を行う印刷機構40が設けられている。
本実施形態の印刷機構40は、プリンタ本体2に装備されてラベル用紙100に対向する印刷ヘッドであるサーマルヘッド13と、プリンタカバー3に装備されてラベル用紙100をサーマルヘッド13に押し付けて搬送するプラテンローラ12とから成る構成を、有している。プラテンローラ12を回転するとサーマルヘッド13とに挟持されているラベル用紙100が搬送される。このとき、サーマルヘッド13を駆動すると、ラベル102に印刷することができる。
【0028】
プリンタ本体2内の下半部分に形成されたロール紙装填部4(図4参照)には、ラベル印刷用のロール紙9が装填される。このラベル印刷用のロール紙9は、一定幅の長尺状の台紙101上に複数のラベル102が貼り付けられたラベル用紙100をロール状に巻いたものである。
【0029】
プリンタカバー3の上縁部には、ピーラーユニット(ラベル剥離機構)50が搭載されており、下端の回動軸6(図4参照)を介してプリンタカバー3に回動自在に連結されている。そして、ラベル発行口8は、ピーラーユニット50の上端縁とプリンタ本体2の上壁との間に確保されている。また、台紙排出口7は、プリンタカバー3とピーラーユニット50の下端縁との間に確保されている。なお、台紙排出口7には台紙カッタ27、ラベル発行口8にはマニュアルカッタ28が設けられている。
【0030】
「ピーラーモード」時、ピーラーユニット50は、ラベル用紙100を台紙屈曲用ガイド14(図6参照)に台紙の裏面側から押し当てて鋭角に屈曲させることにより、屈曲状態で搬送される台紙101から印刷済みのラベル102を、その先端より徐々に剥離させる。
このピーラーユニット50は、閉状態(使用時の定位置)にある時に、台紙101から剥離した後のラベル102をラベル発行口8(図1参照)に誘導して送り出すラベル誘導経路21と、ラベル用紙100を台紙屈曲用ガイド14に押し当てるために誘導すると共に、ラベル102が剥離した後の台紙101を台紙排出口7(図1参照)から排出させる台紙誘導経路22とを形成している。そして、ピーラーユニット50が開状態にある時には、ラベル誘導経路21及び台紙誘導経路22が外部に開放状態となる。
【0031】
これらのラベル誘導経路21及び台紙誘導経路22を形成するために、ピーラーユニット50のハウジング51には、台紙押さえローラ16、ラベル送り出しローラ17、ラベルガイドローラ18、ピーラーローラ19が回転自在に設けられている(図6参照)。
ピーラーローラ19は、台紙101を狭持しながらプラテンローラ12に押圧接触し、それによりプラテンローラ12の回転に追従回転し、プラテンローラ12と協働して台紙101を誘導経路21に沿って搬送する。
なお、ピーラーユニット50は、プラテンローラ12の外周面に対して回動軌跡が交差して係合するピーラーローラ19により、閉位置に保持されている。
【0032】
台紙押さえローラ16は、台紙屈曲用ガイド14の下流側ガイド面に近接配置されることで、台紙101を押さえながら追従回転する。
また、ラベル送り出しローラ17は、台紙屈曲用ガイド14の屈曲面の下流側近傍位置に、回転自在の状態で配置されている。図示しない歯車列などの動力伝達機構を介して連結されたピーラーローラ19の回転を受けて回転するようになっていてもよく、この場合、台紙101から剥離されたラベル102を搬送する。ラベルガイドローラ18は、ラベル送り出しローラ17におけるラベル発行口8の側に隣接した略同一高さの位置に、回転自在の状態で配置され、剥離されたラベル102を保持する。ラベル送り出しローラ17またはラベルガイドローラ18のいずれか一方だけで、剥離されたラベル102を保持するようにしてもよい。剥離されたラベル302は剥離ラベル検出器400で検出される。
【0033】
台紙屈曲用ガイド14の上方には、ラベル用紙100を上から押さえるリブ15が対向配置されている。ラベル送り出しローラ17の上側には「連続発行モード」時、印刷済みのラベル用紙100の台紙101の部分を必要に応じてカットするためのマニュアルカッタ28が配置されている。また、ピーラーローラ19と台紙押さえローラ16の間のハウジング51には、台紙誘導経路21を形成するリブ20が設けられている。リブ15およびリブ20は、ラベル用紙100やラベル102、台紙101との接触面積を小さくし、接着剤の付着を少なくしている。
【0034】
プラテンローラ12が定位置にあるとき、サーマルヘッド13とプラテンローラ12はラベル用紙100の搬送通路(用紙搬送通路)11を挟んで対向しており、プラテンローラ12はラベル用紙100をサーマルヘッド13に押し付けながら下流側へ搬送する役目を果たす。
このプラテンローラ12と台紙屈曲用ガイド14は、プリンタカバー3に装備されており、プリンタカバー3を開くことにより、搬送通路11が開放するようになっている。このとき、プラテンローラ12とサーマルヘッド13に挟持されていたラベル用紙100も外れる。
【0035】
本実施形態のラベルプリンタ1は、ラベル発行モードとして、ピーラーモード(剥離モード)と連続発行モード(非剥離モード)のいずれかを選択可能となっている。
剥離モードは、図12(a)に示すように、台紙101から印刷済のラベル102を剥離させ、ラベル誘導経路21及び台紙誘導経路22を通してラベル102及び台紙101をそれぞれラベル発行口8及び台紙排出口7から排出させるモードである。
また、非剥離モードは、図12(b)に示すように、台紙101から印刷済のラベル102を剥離させずに、そのままの状態のラベル用紙100(台紙101を含む)をラベル誘導経路21を通してラベル発行口8から排出させるモードである。これらのモードの機械的な設定は、誘導経路21,22を開放して、台紙101のセッティング経路を変えることにより行うことができる。
【0036】
更に、図1に示すように、プリンタカバー3の側部には、プリンタカバー3を開くためのカバー開操作部材であるプリンタカバー開閉レバー60が設けられている。このプリンタカバー開閉レバー60は、図4に示すロックアーム63と連結されており、作業者が上端に指を掛けてプリンタカバー開閉レバー60を手前に引くと、ロックアーム63が回動して、プリンタ本体2内部の係止部(図示略)とのロックが解除され、プリンタカバー3を開くことができるようになっている。また、プリンタカバー3を閉じると、自動的にロックアーム63がプリンタ本体2内部の係止部とロックするようになっている。
【0037】
このプリンタカバー開閉レバー60の上端の背後には、図8に示すように、プリンタカバー開閉レバー60の上端に指を掛けるための凹部61が設けられており、この凹部61には、作業者が不用意に指を掛けるのを予め防止するためのシャッタ(操作規制機構)70が配置されている。
このシャッタ70は、凹部61を閉鎖する位置(図1,図8の位置)と開放する位置(図2,図11の位置)との間で回動できるものである。またシャッタ70は、図7に示すピーラーユニット50の開閉を行うピーラーユニット開閉レバー52の操作と連動して、回動するように組み付けられている。
【0038】
図7に示すように、ピーラーユニット開閉レバー52は、ピーラーユニット50のハウジング51に、レバー回動軸53を中心に回動可能に取り付けられており、図2に示すように、ピーラーユニット50の側部に、プリンタカバー開閉レバー60と並ぶように配置されている。
そして、図9に示すように、このピーラーユニット開閉レバー52の上端52aに指を掛けて該レバー52を手前に倒すことにより、ピーラーユニット50を開くことができるようになっている。
【0039】
このピーラーユニット50には、図2に示すロック部(ロック機構)80が備えられており、プリンタカバー3に対し閉位置でロックする。ロック部80はピーラーユニット開閉レバー52に連結し、ピーラーユニット50に対するピーラーユニット開閉レバー52の回転と連動する機構になっている。作業者がピーラーユニット開閉レバー52を閉めると、その回転方向と連動して、ロック部80がピーラーユニット50内部の係止部(図示略)に突出する方向に移動しロックする。また、ピーラーユニット開閉レバー52を開くと、その回転方向と連動して、ロック部80がピーラーユニット内部に退避される方向に移動して、プリンタカバー3とのロックが外れるようになっている。
このように、ピーラーユニット50を確実に閉位置にロックしておくことができるので、「ピーラーモード」時にラベル発行口8から、又は「連続発行モード」時に台紙排出口7から、排出された台紙101を切り取る際、ピーラーユニット50に過大な引っ張り力が作用しても、ロックされていることで該ピーラーユニット50が不用意に開放されてしまうことがない。
【0040】
一方、図8に示すように、プリンタカバー開閉レバー60の背後の凹部61に配置されたシャッタ70は、概略半円筒形のもので、周壁部が直径方向に沿った直壁71と、プリンタカバー開閉レバー60の上端から凹部61の入口を連続して覆う円弧壁72と、で構成されている。また、半円状の端壁73の中心に配置した軸74によって凹部61内で回転できるようになっている。また、このシャッタ70は、プリンタカバー開閉レバー60と同じ回動面内で回動できるようになっており、図11に示すように、バネ部材(図示せず)によって凹部61を開放する位置に回転するように付勢されている。
【0041】
また、シャッタ70の端壁73の外面にはピン75が嵌合されている。このピン75は、図3に示すように、ピーラーユニット50のハウジング51の収納空間(プリンタカバー3の開口部)内に突出しており、ピーラーユニット50のハウジング51に形成したカム面59に沿って係合するようになっている(図7,図9参照)。
【0042】
そして、ピーラーユニット50をプリンタカバー3に対して開いた状態から閉じて、収納空間に収めるとき、図7に示すように、カム59がピン75をカム面に沿いながら持ち上げていく。ピン75の移動に伴い、軸74を中心にシャッタ70が図8中時計回り方向に回り、円弧壁72で凹部61の入口を閉鎖する。
また、ピーラーユニット50を開いたとき、図10に示すように、カム59による係合から外れていき、ピン75が自由になることに伴い、図11に示すようにシャッタ70が図中反時計回り方向に回って、直壁71が前面に出て、凹部61の入口を開放するようになっている。
【0043】
即ち、本実施形態のラベルプリンタ1においては、ピーラーユニット50を開くと凹部61の入口を開放する位置にシャッタ70を移動して、作業者がプリンタカバー開閉レバー60を操作することを可能とする。かつピーラーユニット50を閉じると凹部61の入口を閉じる位置にシャッタ70を移動して、作業者がプリンタカバー開閉レバー60の操作を不可とする操作規制機構が、シャッタ70、ピン75及びカム59等により構成されている。
【0044】
また、本実施形態のラベルプリンタ1においては、図3に示すように、ピーラーユニット50が開いているときだけ操作できる位置、つまり、ピーラーユニット50を開いたときに外に露出し、ピーラーユニット50を閉じたときに隠れるプリンタ本体2内部の内側面に、モード切換スイッチ202が設けられている。「ピーラーモード」と「連続発行モード」を切り換えるために、ピーラーユニット50を開いたときのみ、操作できるようになっている。このモード切換スイッチ202は、台紙101のセッティング経路の変更によりラベル発行モードを切り換えたときに、プリンタ本体2内部の制御部(図示略)が認識して紙送り制御や印刷制御を変更すると共に、その切り換えたこと(どのラベル発行モードであるか)をホストコンピュータに知らせるための手動のスイッチであり、この操作位置により、ラベル発行モードの切換内容に応じた信号をホストコンピュータに送信することができる。「ピーラーモード」と「連続発行モード」の切り換えを頻繁に行わない用途向けに、モード切換スイッチ202はプリンタ本体2側に設けられていてもよい。この場合、モード切換スイッチ202をプリンタ本体2の前面に設置し、どちらのモードかを示す印をプリンタ本体側2に施しておくと、モード切換スイッチ202の位置により、作業者が簡単に視認することができる。さらに、作業者が誤って触れないように、プリンタ本体2の奥側(凹部)を設け、設置することが好ましい。
【0045】
このモード切換スイッチ202の操作位置は、プリンタ本体2の前面等に設けたモード表示部(表示機構)205で確認できるようになっている。このモード表示部205を設ける位置は、ピーラーユニット50を閉じた状態でも外部から見える位置であればよく、表示の方式は機械的な表示であってもLED等の電気的な表示であってもよい。200はラベル送りスイッチである。
【0046】
次に、本実施形態のラベルプリンタ1の作用を説明する。
本実施形態のラベルプリンタ1では、ラベル発行モードが剥離モードとされている場合、図6、図12(a)に示すように、台紙101上に複数のラベル102が貼り付けられたラベル用紙100を後述のように間欠送り(ラベル102を一枚ずつ搬送)しながら、サーマルヘッド13でラベル102に所定の印刷を行う。
【0047】
次に、ラベル用紙100の台紙101を、ピーラーユニット50の台紙屈曲用ガイド14に押し当てて台紙101の裏面側から鋭角に屈曲させることにより、屈曲状態で搬送される台紙101からラベル102を剥離させる。
そして、台紙101から剥離した後の印刷済みのラベル102は、ラベル誘導経路21を通してラベル発行口8に送り出し、剥離ラベル検出器400により検出され、台紙101は、台紙誘導経路22を通して台紙排出口7から排出する。ここで、剥離ラベル検出器400の検出結果により、プリンタ本体2内部の制御部(図示略)が認識して紙送り制御や印刷制御をすると共に、検出結果(紙の有無)をホストコンピュータに送信することができる。具体的には次の通りである。ラベル発行口8に印刷済みのラベル102があることを剥離ラベル検出器400が検出している間は、待機している。作業者が当該ラベル102を取り去ると剥離ラベル検出器400が、取り去られたことを検出する。すると、プラテンローラ12を回転しながらサーマルヘッド13で次のラベル102を印刷し、再びラベル発行口8に送り出す。剥離ラベル検出器400の検出結果をホストコンピュータに送信することにより、作業者に印刷されたラベル102を取るように指示したり、次のラベル102の印刷データをプリンタ1に送信するタイミングを図ることができる。
なお、台紙排出口7から排出された台紙は、作業者がときどき台紙カッタ27で切断し、作業の邪魔にならないように捨てることができる。
【0048】
また、発行モードを非剥離モードとしている場合は、図12(b)に示すように、ラベル用紙100を連続送りしながら、ホストコンピュータの指示により、サーマルヘッド13で所定の数のラベル102に連続的に印刷を行う。次に、印刷済のラベル用紙100をそのままラベル誘導経路21を通してラベル発行口8から排出する。印刷済みのラベル用紙100の台紙101の部分を必要に応じ、マニュアルカッタ28でカットする。
【0049】
ラベル発行モードを切り換える場合は、プリンタカバー3は閉じた状態のまま、ピーラーユニット50のみを開く。図12(a)で、点線で示した部分は、ピーラーユニット50を閉めたときの状態を示している。ピーラーユニット50のみを開閉することで、ラベル誘導経路21と台紙誘導経路22を開くことができ、ラベル用紙100のセッティング経路を容易に切り換えることができる。つまり、剥離モードに設定するときは、ラベル用紙100の台紙101を台紙誘導経路22を通るようにセッティングし、非剥離モードに設定するときは、ラベル用紙100をラベル誘導経路21を通るようににセッティングする。
【0050】
このように、ラベル発行モードの切換時には、大きく開放するプリンタカバー3を開く必要がないので、開閉スペースを小さく確保するだけでよくなり、作業がやり易くなる。作業者は対面するプリンタカバーの面側から、全ての操作が可能となり、作業性が向上する。さらには、プリンタカバー3を開く必要がないことにより、ラベル用紙100はサーマルヘッド13とプラテンローラ12に狭持されたままであり、開放されてラベル102の位置がずれることがなく、発行モードを切り換えた後も引き続き印刷することができる。そして、プリンタ本体2内部を大きく開く必要のあるときだけ、例えばラベル用紙の交換作業等の場合だけ、プリンタカバー3を開くことができる。
【0051】
また、このラベルプリンタ1では、シャッタ70を設けることによって、ピーラーユニット50を開いた状態でないとプリンタカバー3の開閉レバー60を操作することができないので、ピーラーユニット50を開いてから、プリンタカバー3を開くという操作の順番を自動的に守らせることができる。
即ち、ピーラーユニット50をプリンタカバー3よりも先に開いて、ラベル誘導経路21及び台紙誘導経路22を開放し、ラベル用紙100の先端側の挟持を先に解除した状態になって初めて、プリンタカバー3を開くことが許される。このため、不用意にプリンタカバー3を開いたことで、先端側がピーラーユニット50に挟持されたラベル用紙100が無用に引き出されるようなことがなくなる。またラベル用紙100はサーマルヘッド13とプラテンローラ12に狭持されたままであり、ラベル102の位置がずれることがなく位置合わせのための紙送りが必要なく、ラベル102の無駄をなくすことができる。
【0052】
具体的には、サーマルヘッド13とプラテンローラ12から成る印刷機構より上流側にラベル位置を検出する検出器(不図示)を設け、ラベル用紙100を搬送しながらラベル102の位置を検出し、所定の位置に合わせることができる。通常、ラベル102の先端をサーマルヘッド13の位置に合わせ、ホストコンピュータから印刷データを受信すると、ラベル102の先端から印刷できる位置に搬送し待機している。ラベル102の位置がずれると、再度ラベル102の位置をサーマルヘッド13の位置に合わせるため、搬送することが必要となり、ラベル用紙100が無駄になってしまう。さらにピーラーモードの場合、ラベル用紙100をセットする際、図12(a)に示すように、台紙誘導経路22には台紙101のみにしてセットするため、予め数枚のラベル102を剥がす必要があり、実際に無駄になるラベル102はより多くなる。台紙誘導経路22には台紙101のみにしなければならない理由は、台紙屈曲用ガイド14での紙送り負荷が大きく、台紙誘導経路22のプラテンローラ12とピーラーローラ19では、ラベル用紙100のようなラベル102が貼り付いた厚い用紙を送る力が無くなるためである。また、台紙誘導経路22で、ラベル102が剥がれて貼り付き、紙ジャムの原因になり易い。
【0053】
操作時には、図8に示すように、シャッタ70が凹部61を閉じているときには、作業者が指を掛けてプリンタカバー開閉レバー60を操作することができず、図11のようにシャッタ70が開いているときだけ、プリンタカバー開閉レバー60を操作することができる。
【0054】
更に、図13に示すように、ピーラーユニット50の開閉を行うピーラーユニット開閉レバー52の先端側表面とプリンタカバー3を開くためのプリンタカバー開閉レバー60の表面には、それぞれ開操作の操作順番を示すマークM1,M2が設けられている。これらマークM1,M2は、例えばシールで形成したものが貼り付けられている。
即ち、ピーラーユニット50及びプリンタカバー開閉レバー60を開く時の操作に着目して、ピーラーユニット開閉レバー52の開閉を示すマークM1には「1」を、プリンタカバー開閉レバー60の開閉を示すマークM2には「2」を表示している。但し、操作の手順を紙セット時に着目すれば、その逆の順番を表示してもよい。
【0055】
また、ピーラーユニット開閉レバー52の先端側表面とプリンタカバー開閉レバー60の表面には、それぞれ開操作の操作方向のみを示すマークを設けることもできる。即ち、開操作の操作順番を示す為に上記マークM1,M2にそれぞれ表示した「1」,「2」を省略し、開操作の操作方向のみを表示しても良い。
そこで、本実施形態のラベルプリンタ1によれば、開操作部材が2箇所にあっても正しい順番及び方向で容易に操作でき、作業者の使い勝手を向上させることができる。
【0056】
従って、簡単な構造により確実な操作規制を行うことができる。また、作業者が指で力を直接加えるプリンタカバー開閉レバー60に、操作の許可・不許可を標示可能なシャッタ70が設けられているので、間違って操作してしまう間違いがなく、また、プリンタカバー3に無用な力が加えられてしまう間違いもない。
【0057】
また、本実施形態のラベルプリンタ1では、ピーラーユニット50がプリンタカバー3に搭載されているので、プリンタカバー3を開くことで、プリンタ本体2のロール紙装填部4を開放すると同時に、ピーラーユニット50をプリンタ本体2から露呈させることができる。
そこで、ラベルプリンタ1にラベル用紙100をセットする際や、ピーラーユニット50のラベル誘導経路21や台紙誘導経路22に詰まった台紙101やラベル102を除去する際の作業性が向上する。
【0058】
更に、プリンタカバー3側に印刷機構40のプラテンローラ12を搭載しているので、プリンタカバー3を開くと、サーマルヘッド13とプラテンローラ12の間のラベル用紙100の搬送通路11を開放することができ、ラベル用紙100の先端を印刷機構に容易に通すことができると共に、仮に紙ジャムが発生した際も、搬送通路11に詰まったラベル用紙100を除去する際の作業性が向上する。
【0059】
また、上記実施形態のラベルプリンタ1では、ピーラーユニット50のピーラーローラ19がプラテンローラ12の外周面に係合することで、該ピーラーユニット50を閉位置に保持することもできる。
【0060】
図14から図20は、本発明の他の実施形態に係るラベルプリンタの外観斜視図及び要部側断面図である。尚、本実施形態に係るラベルプリンタ201は、上記実施形態のラベルプリンタ1においてピーラーユニット開閉レバー52及びプリンタカバー開閉レバー60に設けた開操作の操作順番を示すマークM1,M2に代えて、ピーラーユニット開閉レバー52及びプリンタカバー開閉レバー60の操作方向を示すマークM3,M4を設けた以外は同様の構成であるので、同様の構成部材については同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0061】
本実施形態に係るラベルプリンタ201では、図14から図16に示すように、ピーラーユニット50の開閉を行うピーラーユニット開閉レバー52の操作方向のみを示すマークM3が、ピーラーユニット開閉レバー52の先端側表面に設けられている。また、図17から図20に示すように、プリンタカバー3を開くためのプリンタカバー開閉レバー60の操作方向のみを示すマークM4が、シャッタ70の内側面に設けられている。
シャッタ70の内側面に設けられたマークM4は、凹部61を閉鎖してプリンタカバー開閉レバー60の操作を不可とする位置(図14,15及び図20の位置)に移動したシャッタ70により目視不能とされ、該シャッタ70が凹部61を開放する位置(図17から図19の位置)に移動した際に目視可能とされる。
【0062】
即ち、ピーラーユニット開閉レバー52を操作する際には、図14及び図15に示すように、当該ピーラーユニット開閉レバー52の操作方向を示すマークM3のみ表示されており、プリンタカバー開閉レバー60の操作方向を示すマークM4は目視不能とされている。そして、ピーラーユニット開閉レバー52の開操作に伴うピーラーユニット50の開動作に連動し、シャッタ70がプリンタカバー開閉レバー60の操作を可能とする位置に移動すると、図17及び図18に示すように、該シャッタ70の内側面に設けられたマークM4が表れる。
そこで、作業者はピーラーユニット開閉レバー52及びプリンタカバー開閉レバー60を正しい順番で容易に操作でき、作業者の使い勝手を向上させることができる。
【0063】
尚、本実施形態におけるマークM3,M4は、それぞれピーラーユニット開閉レバー52及びシャッタ70に刻印されており、成型時に一体成形することで容易に設けることができる。もちろん、シールで形成されたマークM3,M4を、それぞれピーラーユニット開閉レバー52及びシャッタ70の所定箇所に貼り付けることで設けることもできる。
また、本実施形態におけるマークM3,M4は、それぞれ開操作の操作方向のみを示すマークであるが、例えばピーラーユニット開閉レバー52の開閉を示すマークM3には「1」を、プリンタカバー開閉レバー60の開閉を示すマークM4には「2」を表示して、開操作の操作順番を示すこともできる。
【0064】
尚、本発明のラベルプリンタにおける印刷機構、ラベル剥離機構、プリンタ本体、プリンタカバー及び操作規制機構等の構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることはもちろんである。
例えば、上記実施形態のラベルプリンタ1では、プリンタカバー開閉レバー60の開操作を規制する操作規制機構としてシャッタ70を設けた場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ラベル剥離機構の開閉動作に連動してカバー開操作部材の操作を可能とする位置又は不可とする位置に移動するロック部材等を設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係るラベルプリンタにおいて、プリンタカバー及びピーラーユニットを閉じた状態を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示したラベルプリンタにおいて、ピーラーユニットを開いた状態を示す外観斜視図である。
【図3】図2に示したラベルプリンタを別の角度から見た外観斜視図である。
【図4】図1に示したラベルプリンタにおいて、プリンタカバーを開いた状態を示す外観斜視図である。
【図5】図4に示したラベルプリンタの側断面図である。
【図6】図1に示したラベルプリンタの主要内部構成を示す側断面図である。
【図7】図1に示したラベルプリンタにおいて、ピーラーユニット開閉レバーを動かした際のプリンタカバー開閉レバーとシャッタの関係を示すための要部側断面図である。
【図8】図1に示したラベルプリンタにおいて、ピーラーユニット開閉レバーを動かした際のプリンタカバー開閉レバーとシャッタの関係を示すための要部側断面図である。
【図9】図1に示したラベルプリンタにおいて、ピーラーユニット開閉レバーを動かした際のプリンタカバー開閉レバーとシャッタの関係を示すための要部側断面図である。
【図10】図1に示したラベルプリンタにおいて、ピーラーユニット開閉レバーを動かした際のプリンタカバー開閉レバーとシャッタの関係を示すための要部側断面図である。
【図11】図1に示したラベルプリンタにおいて、ピーラーユニット開閉レバーを動かした際のプリンタカバー開閉レバーとシャッタの関係を示すための要部側断面図である。
【図12】図1に示したラベルプリンタにおけるラベル発行モードの違いによる用紙の搬送経路の違いを示す概略図であり、(a)は剥離モード時の用紙の搬送経路を示し、(b)は非剥離モード時の用紙の搬送経路を示す。
【図13】図1に示したラベルプリンタにおけるピーラーユニット開閉レバー及びプリンタカバー開閉レバーの要部拡大斜視図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係るラベルプリンタにおいて、プリンタカバー及びピーラーユニットを閉じた状態を示す外観斜視図である。
【図15】図14に示したラベルプリンタにおけるピーラーユニット開閉レバーの要部拡大斜視図である。
【図16】図14に示したラベルプリンタにおけるピーラーユニット開閉レバーの要部側断面図である。
【図17】図14に示したラベルプリンタにおいて、ピーラーユニットを開いた状態を示す外観斜視図である。
【図18】図17に示したラベルプリンタにおいて、シャッタの開いた状態を示す要部拡大斜視図である。
【図19】図14に示したラベルプリンタにおいて、シャッタの開いた状態を示す要部側断面図である。
【図20】図14に示したラベルプリンタにおいて、シャッタの閉じた状態を示す要部側断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1…ラベルプリンタ、2…プリンタ本体、3…プリンタカバー、4…ロール紙装填部(ラベル用紙装填部)、7…台紙排出口、8…ラベル発行口、11…搬送通路(台紙搬送通路)、12…プラテンローラ(印刷機構)、13…サーマルヘッド(印刷機構)、14…台紙屈曲用ガイド、21…ラベル誘導経路、22…台紙誘導経路、50…ピーラーユニット(ラベル剥離機構)、52…ピーラーユニット開閉レバー(剥離機構開操作部材)、60…プリンタカバー開閉レバー(カバー開操作部材)、70…シャッタ(操作規制機構)、80…ロック部(ロック機構)、100…ラベル用紙、101…台紙、102…ラベル
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷後のラベルを台紙から剥離するラベル剥離機構を搭載したラベルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
ラベルプリンタは、商品の名称や値段、商品コード(バーコード)などを印刷したラベルを商品に貼り付けることなどを目的に、使用される。
店舗のバックヤードなどでは、ラベルプリンタを作業台に置き、ラベルを印刷しながらその場で商品に貼り付けるような使用方法がある。一方、ラベルプリンタで複数枚のラベルを一度にまとめて印刷し、印刷したラベルを商品が保管してある倉庫など別の場所へ持って行き、商品の一つ一つに貼るような使用方法もある。
前者の使用方法の場合、ラベルを一枚ずつ印刷した後、台紙から剥がすことができるラベル剥離機構を用いると便利である。さらに、後者の使用方法も可能であれば、さらに好ましい。
このようなラベルプリンタとしては、長尺状の台紙の表面に一定間隔でラベルが貼り付けられたラベル用紙を、ラベル用紙装填部に能収納し、印字機構を経由させてラベルに印刷を行い、しかる後に、ラベル用紙剥離部で台紙の裏面側から鋭角的に曲がる方向に搬送することにより、台紙から印刷済のラベルの先端より徐々に剥離させていき、ラベル発行口から1枚ずつ発行させるラベル剥離機構を持つものが多い(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなラベルの発行モードは、通常、「ピーラーモード(剥離モード)」と称されている。
一方、同じラベルプリンタにおいて設定された枚数分のラベルを一度にまとめて連続的に印刷を行い、台紙からラベルを剥離せずに発行させる形態もある。このようなラベルの発行モードは、通常、「連続発行モード(非剥離モード)」と称されている。
【0004】
この連続発行モードの場合、ラベルを台紙から剥離させずに発行するため、印刷機構の下流側において、台紙の搬送経路がピーラーモード時とは異なる。よって、ラベル用紙をセットする場合、いずれのモードでラベルを発行させるかにより、いずれかの搬送経路を選択しなければならない。
また、ピーラーモードと連続発行モードでは、ラベル用紙に印刷し搬送するときの動作も異なる。連続発行モードの場合は、台紙にラベルが貼り付いた状態のまま、複数のラベルを、停止することなく印刷しながら搬送する、連続送りである。ピーラーモードの場合は、1枚のラベルを印刷した後一旦停止し、当該印刷済みのラベルがラベル発行口から取り出されたとき、次のラベルの印刷を開始するような動作となり、ラベル毎に印刷と搬送を行う間欠送りとなる。よって、単に用紙の搬送経路を変更するばかりでなく、それぞれに対応して、紙送り制御や印刷制御も切り換える必要がある。
【0005】
ところで、このようなラベルプリンタでは、ラベル用紙の交換のときや、用紙搬送経路での紙詰まりが起きたとき除去するため、プリンタ本体に開閉可能なプリンタカバーを設けている。
従って、プリンタカバーを開けてラベル用紙装填部を開放することで、ラベル用紙の交換ができる。また、プリンタカバーを開けて用紙搬送経路を開放することで、紙詰まり時の紙を除去することができる。
【0006】
【特許文献1】特開平4−272876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、例えば上記特許文献1に記載されたラベルプリンタは、プリンタ本体のシート収容部(ラベル用紙充填部)を開閉自在に被うシートカバーと、プリンタ本体の印刷機構及び剥離機構を開閉自在に被うプリンタカバーとが、それぞれプリンタ本体の背面側及び前面側に設けられている。
【0008】
そこで、ラベルプリンタのラベルシート(ラベル用紙)を交換する場合は、これらシートカバーとプリンタカバーを同時に開け、プリンタ本体の前面と背面から操作する必要があり煩わしい。特に、シート収容部を被うシートカバーは、ロール状のラベルシートが交換できる大きさが必要であり、そのため開閉スペースも大きくなる。商品が置かれた作業台など限られたスペースで、プリンタカバーの開閉動作を行わなければならない場合はいっそう操作がし難い。
更に、ラベル剥離機構がプリンタ本体内に収容されており、ラベル剥離機構の搬送経路に詰まった台紙やラベルの除去を行う際、非常に操作がやり難いという問題がある。
【0009】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、ラベル剥離機構を搭載しながら、ラベル用紙の交換作業や紙詰まり時の紙の除去作業等を、限られた開閉スペースで簡単に行うことができる良好なラベルプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的は、長尺状の台紙上に複数のラベルが貼り付けられたラベル用紙を搬送しながら該ラベルに印刷を行う印刷機構と、印刷済の前記ラベル用紙の前記台紙の裏面側から鋭角に屈曲させることにより、屈曲状態で搬送される前記台紙から前記ラベルを剥離させるラベル剥離機構と、を備えたラベルプリンタであって、前記ラベル剥離機構が、プリンタ本体のラベル用紙装填部に開閉自在に取り付けられるプリンタカバーに搭載されると共に、前記プリンタカバーを開くためのカバー開操作部材には、前記ラベル剥離機構が開いているときに前記カバー開操作部材の操作を可能とし、かつ前記ラベル剥離機構が閉じているときに前記カバー開操作部材の操作を不可とする操作規制機構が設けられることを特徴とするラベルプリンタにより達成される。
【0011】
上記構成のラベルプリンタによれば、ラベル剥離機構がプリンタカバーに搭載されているので、プリンタカバーを開くことで、プリンタ本体のラベル用紙装填部を開放すると同時に、ラベル剥離機構をプリンタ本体から露呈させることができる。
そこで、ラベルプリンタのラベル用紙を交換する際や、ラベル剥離機構の搬送経路に詰まった台紙やラベルを除去する際の作業性が向上する。特に、作業者が対面するプリンタカバーの面側から、全ての操作が可能となり、作業性が向上する。
【0012】
また、ピーラーモードと連続発行モードを途中で切り換える場合、プリンタカバーを閉めた状態で、ラベル剥離機構を開き、用紙搬送経路を選択してラベル用紙をセットし、ラベル剥離機構を閉めるだけで済む。店舗のバックヤードなどでは、ラベルを印刷しながらその場で商品に貼り付ける「ピーラーモード」で使用することが多い。一方、複数枚のラベルを印刷し、倉庫など別の場所へ持って行って、貼りたい場合もある。このときは、プリンタカバーを閉めたまま、ラベル剥離機構を開閉するだけで、「連続発行モード」に切り換えることができる。
【0013】
また、ラベル剥離機構を開かないと、プリンタカバーのカバー開操作部材を操作することができないので、ラベル剥離機構を開いてからプリンタカバーを開くという操作の順番を自動的に守らせることができる。「ピーラーモード」と「連続発行モード」を切り換えるときに、誤ってプリンタカバーを開けてしまうことがない。このため、ラベル用紙の位置がずれ、ラベル用紙を無駄にしてしまうことを防止できる。従って、ラベル剥離機構とプリンタカバーを開く順番の間違いをなくすことで、上述のように逆の順番で開いた場合に起こり得る問題の発生を未然に防ぐことができる。
【0014】
なお、上記構成のラベルプリンタにおいて、操作規制機構が、ラベル剥離機構の開閉動作に連動してカバー開操作部材の操作を可能とする位置又は不可とする位置に移動するシャッタを備えることが望ましい。
上記構成によれば、簡単な構造によりカバー開操作部材に対する確実な操作規制を行うことができる。また、作業者が指で力を直接加えるカバー開操作部材に、操作の許可・不許可を標示可能なシャッタが設けられるので、間違って操作してしまう間違いがなく、また、プリンタカバーに無用な力が加えられてしまう間違いもない。
【0015】
更に、上記構成のラベルプリンタにおいて、前記ラベル剥離機構を開くための剥離機構開操作部材とプリンタカバーを開くためのカバー開操作部材又はその近傍には、それぞれ開操作の操作方向を示すマークが設けられていることが望ましい。
この構成によれば、操作方向を示すマークが、剥離機構開操作部材及びカバー開操作部材にそれぞれ設けられるので、開操作部材が2箇所にあっても正しい方向で容易に操作でき、作業者の使い勝手を向上させることができる。
【0016】
また、上記構成のラベルプリンタにおいて、前記ラベル剥離機構を開くための剥離機構開操作部材と前記プリンタカバーを開くためのカバー開操作部材又はその近傍に、それぞれ開操作の操作順番を示すマークが設けられていることが望ましい。
この構成によれば、操作順番を示すマークが、剥離機構開操作部材及びカバー開操作部材にそれぞれ設けられるので、開操作部材が2箇所にあっても正しい順番で容易に操作でき、作業者の使い勝手を向上させることができる。
【0017】
また、上記構成のラベルプリンタにおいて、前記ラベル剥離機構を開くための剥離機構開操作部材の操作方向を示すマークが、前記剥離機構開操作部材又はその近傍に設けられ、前記カバー開操作部材の操作方向を示すために設けられたマークが、前記カバー開操作部材の操作を不可とする位置に移動した前記シャッタにより目視不能とされることが望ましい。
【0018】
この構成によれば、剥離機構開操作部材を操作する際には、当該剥離機構開操作部材の操作方向を示すマークのみ表示されており、カバー開操作部材の操作方向を示すマークは目視不能とされている。そして、剥離機構開操作部材の開操作に伴うラベル剥離機構の開動作に連動し、シャッタがカバー開操作部材の操作を可能とする位置に移動すると、カバー開操作部材の操作方向を示すマークが表れる。
そこで、作業者は剥離機構開操作部材及びカバー開操作部材を正しい順番で容易に操作でき、作業者の使い勝手を向上させることができる。
【0019】
また、上記構成のラベルプリンタにおいて、前記ラベル剥離機構は、台紙から剥離した後のラベルをラベル発行口に誘導して送り出すラベル誘導経路と、ラベル用紙の台紙の裏面側から鋭角に屈曲させる為に誘導すると共にラベルが剥離した後の台紙を台紙排出口から排出させる台紙誘導経路とを形成しており、これらラベル誘導経路及び台紙誘導経路を開放するべく、前記プリンタカバーに対して、ラベル剥離機構が開閉自在とされることが望ましい。
【0020】
上記構成によれば、ラベル発行モードを切り換える場合、プリンタカバーは閉じた状態のまま、ラベル剥離機構のみを開くことでラベル誘導経路と台紙誘導経路を開いて、ラベル用紙のセッティング位置を切り換えることができる。そこで、ラベル発行モードの切換え時には、大きく開放するプリンタカバーまで開く必要がないので、開閉スペースを小さく確保するだけでよい。従って、例えばラベル用紙の交換時にだけ、プリンタカバーを開けばよい。
【0021】
また、ラベル剥離機構を開いた状態でないと、プリンタカバーのカバー開操作部材を操作することができないので、ラベル剥離機構を開いてからプリンタカバーを開くという操作の順番を自動的に守らせることができる。
即ち、ラベル剥離機構をプリンタカバーよりも先に開いて、ラベル誘導経路及び台紙誘導経路を開放し、ラベル用紙の先端側の挟持を先に解除した状態になって初めて、プリンタカバーを開くことができる。このためプリンタカバーを開くのに伴って、ラベル用紙が無用に引き出されることがなくなり、またラベル用紙はサーマルヘッドとプラテンローラに狭持されたままであり、ラベルの位置がずれることがないため位置合わせのための紙送りが必要なく、ラベル用紙の無駄をなくすことができる。
【0022】
また、上記構成のラベルプリンタにおいて、前記印刷機構が、前記プリンタ本体に装備されて前記ラベル用紙に対向するサーマルヘッドと、前記プリンタカバーに装備されて前記ラベル用紙を前記サーマルヘッドに押し付けるプラテンローラとを有していることが望ましい。
この場合、ラベル用紙をサーマルヘッドに押し付ける印刷機構のプラテンローラが、プリンタカバーに装備されているので、プリンタカバーを開くことによってサーマルヘッドとプラテンローラ間の台紙搬送通路を開放することができる。
そこで、ラベル用紙の交換時にラベル用紙の先端を印刷機構に容易にセットすることができると共に、仮に台紙搬送通路にラベルが詰まった際、ラベル用紙を除去するときの作業性が向上する。
【発明の効果】
【0023】
本発明のラベルプリンタによれば、プリンタカバーを開くことで、プリンタ本体のラベル用紙装填部を開放すると同時に、ラベル剥離機構をプリンタ本体から露呈させることができる。
そこで、ラベルプリンタにラベル用紙をセットする際や、ラベル剥離機構の搬送経路に詰まった台紙やラベルを除去する際の作業性が向上する。
【0024】
また、ラベル剥離機構を開かないと、プリンタカバーのカバー開操作部材を操作することができないので、ラベル剥離機構を開いてからプリンタカバーを開くという操作の順番を自動的に守らせることができる。従って、ラベル剥離機構とプリンタカバーを開く順番の間違いをなくすことで、逆の順番で開いた場合に起こり得る問題の発生を未然に防ぐことができる。
従って、ラベル剥離機構を搭載しながら、ラベル用紙の交換作業や紙詰まり除去作業等を少ない開閉スペースで簡単に行うことができる良好なラベルプリンタを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係るラベルプリンタについて説明する。
図1から図5は本発明の一実施形態に係るラベルプリンタの外観斜視図及び側断面図であり、図6はラベルプリンタの主要内部構成を示す側断面図であり、図7〜図11はピーラーユニット(ラベル剥離機構)開閉レバーを動かした際のプリンタカバー開閉レバーとシャッタ(操作規制機構)の関係を示すための要部側断面図であり、図12(a),(b)はラベル発行モードの違いによる台紙の搬送経路の違いを示す概略図であり、図13はピーラーユニット開閉レバー及びプリンタカバー開閉レバーの要部拡大斜視図である。
【0026】
本実施形態のラベルプリンタ1は、図1から図5に示すように、全体として縦長の直方体形状をしたプリンタ本体2を備えている。プリンタ本体2の前面部分には、プリンタ本体2内のラベル用紙装填部であるロール紙装填部4(図4、図5参照)を大きく開放するプリンタカバー3が、開閉自在に取り付けられている。
プリンタカバー3は、下端の回動軸5を介してプリンタ本体2に回動自在に連結されている。プリンタカバー3の上側には、印刷済みのラベルを排出するラベル発行口8が形成され、その下側には「ピーラーモード」時、ラベルが取り除かれた後の台紙を排出する台紙排出口7が形成されている。
【0027】
プリンタ本体2及びプリンタカバー3よりなる筐体の内部には、図6に示すように、長尺状の台紙101上に複数のラベル102が剥離可能に張り付けられたラベル用紙100(図4参照)を搬送しながらラベル102に印刷を行う印刷機構40が設けられている。
本実施形態の印刷機構40は、プリンタ本体2に装備されてラベル用紙100に対向する印刷ヘッドであるサーマルヘッド13と、プリンタカバー3に装備されてラベル用紙100をサーマルヘッド13に押し付けて搬送するプラテンローラ12とから成る構成を、有している。プラテンローラ12を回転するとサーマルヘッド13とに挟持されているラベル用紙100が搬送される。このとき、サーマルヘッド13を駆動すると、ラベル102に印刷することができる。
【0028】
プリンタ本体2内の下半部分に形成されたロール紙装填部4(図4参照)には、ラベル印刷用のロール紙9が装填される。このラベル印刷用のロール紙9は、一定幅の長尺状の台紙101上に複数のラベル102が貼り付けられたラベル用紙100をロール状に巻いたものである。
【0029】
プリンタカバー3の上縁部には、ピーラーユニット(ラベル剥離機構)50が搭載されており、下端の回動軸6(図4参照)を介してプリンタカバー3に回動自在に連結されている。そして、ラベル発行口8は、ピーラーユニット50の上端縁とプリンタ本体2の上壁との間に確保されている。また、台紙排出口7は、プリンタカバー3とピーラーユニット50の下端縁との間に確保されている。なお、台紙排出口7には台紙カッタ27、ラベル発行口8にはマニュアルカッタ28が設けられている。
【0030】
「ピーラーモード」時、ピーラーユニット50は、ラベル用紙100を台紙屈曲用ガイド14(図6参照)に台紙の裏面側から押し当てて鋭角に屈曲させることにより、屈曲状態で搬送される台紙101から印刷済みのラベル102を、その先端より徐々に剥離させる。
このピーラーユニット50は、閉状態(使用時の定位置)にある時に、台紙101から剥離した後のラベル102をラベル発行口8(図1参照)に誘導して送り出すラベル誘導経路21と、ラベル用紙100を台紙屈曲用ガイド14に押し当てるために誘導すると共に、ラベル102が剥離した後の台紙101を台紙排出口7(図1参照)から排出させる台紙誘導経路22とを形成している。そして、ピーラーユニット50が開状態にある時には、ラベル誘導経路21及び台紙誘導経路22が外部に開放状態となる。
【0031】
これらのラベル誘導経路21及び台紙誘導経路22を形成するために、ピーラーユニット50のハウジング51には、台紙押さえローラ16、ラベル送り出しローラ17、ラベルガイドローラ18、ピーラーローラ19が回転自在に設けられている(図6参照)。
ピーラーローラ19は、台紙101を狭持しながらプラテンローラ12に押圧接触し、それによりプラテンローラ12の回転に追従回転し、プラテンローラ12と協働して台紙101を誘導経路21に沿って搬送する。
なお、ピーラーユニット50は、プラテンローラ12の外周面に対して回動軌跡が交差して係合するピーラーローラ19により、閉位置に保持されている。
【0032】
台紙押さえローラ16は、台紙屈曲用ガイド14の下流側ガイド面に近接配置されることで、台紙101を押さえながら追従回転する。
また、ラベル送り出しローラ17は、台紙屈曲用ガイド14の屈曲面の下流側近傍位置に、回転自在の状態で配置されている。図示しない歯車列などの動力伝達機構を介して連結されたピーラーローラ19の回転を受けて回転するようになっていてもよく、この場合、台紙101から剥離されたラベル102を搬送する。ラベルガイドローラ18は、ラベル送り出しローラ17におけるラベル発行口8の側に隣接した略同一高さの位置に、回転自在の状態で配置され、剥離されたラベル102を保持する。ラベル送り出しローラ17またはラベルガイドローラ18のいずれか一方だけで、剥離されたラベル102を保持するようにしてもよい。剥離されたラベル302は剥離ラベル検出器400で検出される。
【0033】
台紙屈曲用ガイド14の上方には、ラベル用紙100を上から押さえるリブ15が対向配置されている。ラベル送り出しローラ17の上側には「連続発行モード」時、印刷済みのラベル用紙100の台紙101の部分を必要に応じてカットするためのマニュアルカッタ28が配置されている。また、ピーラーローラ19と台紙押さえローラ16の間のハウジング51には、台紙誘導経路21を形成するリブ20が設けられている。リブ15およびリブ20は、ラベル用紙100やラベル102、台紙101との接触面積を小さくし、接着剤の付着を少なくしている。
【0034】
プラテンローラ12が定位置にあるとき、サーマルヘッド13とプラテンローラ12はラベル用紙100の搬送通路(用紙搬送通路)11を挟んで対向しており、プラテンローラ12はラベル用紙100をサーマルヘッド13に押し付けながら下流側へ搬送する役目を果たす。
このプラテンローラ12と台紙屈曲用ガイド14は、プリンタカバー3に装備されており、プリンタカバー3を開くことにより、搬送通路11が開放するようになっている。このとき、プラテンローラ12とサーマルヘッド13に挟持されていたラベル用紙100も外れる。
【0035】
本実施形態のラベルプリンタ1は、ラベル発行モードとして、ピーラーモード(剥離モード)と連続発行モード(非剥離モード)のいずれかを選択可能となっている。
剥離モードは、図12(a)に示すように、台紙101から印刷済のラベル102を剥離させ、ラベル誘導経路21及び台紙誘導経路22を通してラベル102及び台紙101をそれぞれラベル発行口8及び台紙排出口7から排出させるモードである。
また、非剥離モードは、図12(b)に示すように、台紙101から印刷済のラベル102を剥離させずに、そのままの状態のラベル用紙100(台紙101を含む)をラベル誘導経路21を通してラベル発行口8から排出させるモードである。これらのモードの機械的な設定は、誘導経路21,22を開放して、台紙101のセッティング経路を変えることにより行うことができる。
【0036】
更に、図1に示すように、プリンタカバー3の側部には、プリンタカバー3を開くためのカバー開操作部材であるプリンタカバー開閉レバー60が設けられている。このプリンタカバー開閉レバー60は、図4に示すロックアーム63と連結されており、作業者が上端に指を掛けてプリンタカバー開閉レバー60を手前に引くと、ロックアーム63が回動して、プリンタ本体2内部の係止部(図示略)とのロックが解除され、プリンタカバー3を開くことができるようになっている。また、プリンタカバー3を閉じると、自動的にロックアーム63がプリンタ本体2内部の係止部とロックするようになっている。
【0037】
このプリンタカバー開閉レバー60の上端の背後には、図8に示すように、プリンタカバー開閉レバー60の上端に指を掛けるための凹部61が設けられており、この凹部61には、作業者が不用意に指を掛けるのを予め防止するためのシャッタ(操作規制機構)70が配置されている。
このシャッタ70は、凹部61を閉鎖する位置(図1,図8の位置)と開放する位置(図2,図11の位置)との間で回動できるものである。またシャッタ70は、図7に示すピーラーユニット50の開閉を行うピーラーユニット開閉レバー52の操作と連動して、回動するように組み付けられている。
【0038】
図7に示すように、ピーラーユニット開閉レバー52は、ピーラーユニット50のハウジング51に、レバー回動軸53を中心に回動可能に取り付けられており、図2に示すように、ピーラーユニット50の側部に、プリンタカバー開閉レバー60と並ぶように配置されている。
そして、図9に示すように、このピーラーユニット開閉レバー52の上端52aに指を掛けて該レバー52を手前に倒すことにより、ピーラーユニット50を開くことができるようになっている。
【0039】
このピーラーユニット50には、図2に示すロック部(ロック機構)80が備えられており、プリンタカバー3に対し閉位置でロックする。ロック部80はピーラーユニット開閉レバー52に連結し、ピーラーユニット50に対するピーラーユニット開閉レバー52の回転と連動する機構になっている。作業者がピーラーユニット開閉レバー52を閉めると、その回転方向と連動して、ロック部80がピーラーユニット50内部の係止部(図示略)に突出する方向に移動しロックする。また、ピーラーユニット開閉レバー52を開くと、その回転方向と連動して、ロック部80がピーラーユニット内部に退避される方向に移動して、プリンタカバー3とのロックが外れるようになっている。
このように、ピーラーユニット50を確実に閉位置にロックしておくことができるので、「ピーラーモード」時にラベル発行口8から、又は「連続発行モード」時に台紙排出口7から、排出された台紙101を切り取る際、ピーラーユニット50に過大な引っ張り力が作用しても、ロックされていることで該ピーラーユニット50が不用意に開放されてしまうことがない。
【0040】
一方、図8に示すように、プリンタカバー開閉レバー60の背後の凹部61に配置されたシャッタ70は、概略半円筒形のもので、周壁部が直径方向に沿った直壁71と、プリンタカバー開閉レバー60の上端から凹部61の入口を連続して覆う円弧壁72と、で構成されている。また、半円状の端壁73の中心に配置した軸74によって凹部61内で回転できるようになっている。また、このシャッタ70は、プリンタカバー開閉レバー60と同じ回動面内で回動できるようになっており、図11に示すように、バネ部材(図示せず)によって凹部61を開放する位置に回転するように付勢されている。
【0041】
また、シャッタ70の端壁73の外面にはピン75が嵌合されている。このピン75は、図3に示すように、ピーラーユニット50のハウジング51の収納空間(プリンタカバー3の開口部)内に突出しており、ピーラーユニット50のハウジング51に形成したカム面59に沿って係合するようになっている(図7,図9参照)。
【0042】
そして、ピーラーユニット50をプリンタカバー3に対して開いた状態から閉じて、収納空間に収めるとき、図7に示すように、カム59がピン75をカム面に沿いながら持ち上げていく。ピン75の移動に伴い、軸74を中心にシャッタ70が図8中時計回り方向に回り、円弧壁72で凹部61の入口を閉鎖する。
また、ピーラーユニット50を開いたとき、図10に示すように、カム59による係合から外れていき、ピン75が自由になることに伴い、図11に示すようにシャッタ70が図中反時計回り方向に回って、直壁71が前面に出て、凹部61の入口を開放するようになっている。
【0043】
即ち、本実施形態のラベルプリンタ1においては、ピーラーユニット50を開くと凹部61の入口を開放する位置にシャッタ70を移動して、作業者がプリンタカバー開閉レバー60を操作することを可能とする。かつピーラーユニット50を閉じると凹部61の入口を閉じる位置にシャッタ70を移動して、作業者がプリンタカバー開閉レバー60の操作を不可とする操作規制機構が、シャッタ70、ピン75及びカム59等により構成されている。
【0044】
また、本実施形態のラベルプリンタ1においては、図3に示すように、ピーラーユニット50が開いているときだけ操作できる位置、つまり、ピーラーユニット50を開いたときに外に露出し、ピーラーユニット50を閉じたときに隠れるプリンタ本体2内部の内側面に、モード切換スイッチ202が設けられている。「ピーラーモード」と「連続発行モード」を切り換えるために、ピーラーユニット50を開いたときのみ、操作できるようになっている。このモード切換スイッチ202は、台紙101のセッティング経路の変更によりラベル発行モードを切り換えたときに、プリンタ本体2内部の制御部(図示略)が認識して紙送り制御や印刷制御を変更すると共に、その切り換えたこと(どのラベル発行モードであるか)をホストコンピュータに知らせるための手動のスイッチであり、この操作位置により、ラベル発行モードの切換内容に応じた信号をホストコンピュータに送信することができる。「ピーラーモード」と「連続発行モード」の切り換えを頻繁に行わない用途向けに、モード切換スイッチ202はプリンタ本体2側に設けられていてもよい。この場合、モード切換スイッチ202をプリンタ本体2の前面に設置し、どちらのモードかを示す印をプリンタ本体側2に施しておくと、モード切換スイッチ202の位置により、作業者が簡単に視認することができる。さらに、作業者が誤って触れないように、プリンタ本体2の奥側(凹部)を設け、設置することが好ましい。
【0045】
このモード切換スイッチ202の操作位置は、プリンタ本体2の前面等に設けたモード表示部(表示機構)205で確認できるようになっている。このモード表示部205を設ける位置は、ピーラーユニット50を閉じた状態でも外部から見える位置であればよく、表示の方式は機械的な表示であってもLED等の電気的な表示であってもよい。200はラベル送りスイッチである。
【0046】
次に、本実施形態のラベルプリンタ1の作用を説明する。
本実施形態のラベルプリンタ1では、ラベル発行モードが剥離モードとされている場合、図6、図12(a)に示すように、台紙101上に複数のラベル102が貼り付けられたラベル用紙100を後述のように間欠送り(ラベル102を一枚ずつ搬送)しながら、サーマルヘッド13でラベル102に所定の印刷を行う。
【0047】
次に、ラベル用紙100の台紙101を、ピーラーユニット50の台紙屈曲用ガイド14に押し当てて台紙101の裏面側から鋭角に屈曲させることにより、屈曲状態で搬送される台紙101からラベル102を剥離させる。
そして、台紙101から剥離した後の印刷済みのラベル102は、ラベル誘導経路21を通してラベル発行口8に送り出し、剥離ラベル検出器400により検出され、台紙101は、台紙誘導経路22を通して台紙排出口7から排出する。ここで、剥離ラベル検出器400の検出結果により、プリンタ本体2内部の制御部(図示略)が認識して紙送り制御や印刷制御をすると共に、検出結果(紙の有無)をホストコンピュータに送信することができる。具体的には次の通りである。ラベル発行口8に印刷済みのラベル102があることを剥離ラベル検出器400が検出している間は、待機している。作業者が当該ラベル102を取り去ると剥離ラベル検出器400が、取り去られたことを検出する。すると、プラテンローラ12を回転しながらサーマルヘッド13で次のラベル102を印刷し、再びラベル発行口8に送り出す。剥離ラベル検出器400の検出結果をホストコンピュータに送信することにより、作業者に印刷されたラベル102を取るように指示したり、次のラベル102の印刷データをプリンタ1に送信するタイミングを図ることができる。
なお、台紙排出口7から排出された台紙は、作業者がときどき台紙カッタ27で切断し、作業の邪魔にならないように捨てることができる。
【0048】
また、発行モードを非剥離モードとしている場合は、図12(b)に示すように、ラベル用紙100を連続送りしながら、ホストコンピュータの指示により、サーマルヘッド13で所定の数のラベル102に連続的に印刷を行う。次に、印刷済のラベル用紙100をそのままラベル誘導経路21を通してラベル発行口8から排出する。印刷済みのラベル用紙100の台紙101の部分を必要に応じ、マニュアルカッタ28でカットする。
【0049】
ラベル発行モードを切り換える場合は、プリンタカバー3は閉じた状態のまま、ピーラーユニット50のみを開く。図12(a)で、点線で示した部分は、ピーラーユニット50を閉めたときの状態を示している。ピーラーユニット50のみを開閉することで、ラベル誘導経路21と台紙誘導経路22を開くことができ、ラベル用紙100のセッティング経路を容易に切り換えることができる。つまり、剥離モードに設定するときは、ラベル用紙100の台紙101を台紙誘導経路22を通るようにセッティングし、非剥離モードに設定するときは、ラベル用紙100をラベル誘導経路21を通るようににセッティングする。
【0050】
このように、ラベル発行モードの切換時には、大きく開放するプリンタカバー3を開く必要がないので、開閉スペースを小さく確保するだけでよくなり、作業がやり易くなる。作業者は対面するプリンタカバーの面側から、全ての操作が可能となり、作業性が向上する。さらには、プリンタカバー3を開く必要がないことにより、ラベル用紙100はサーマルヘッド13とプラテンローラ12に狭持されたままであり、開放されてラベル102の位置がずれることがなく、発行モードを切り換えた後も引き続き印刷することができる。そして、プリンタ本体2内部を大きく開く必要のあるときだけ、例えばラベル用紙の交換作業等の場合だけ、プリンタカバー3を開くことができる。
【0051】
また、このラベルプリンタ1では、シャッタ70を設けることによって、ピーラーユニット50を開いた状態でないとプリンタカバー3の開閉レバー60を操作することができないので、ピーラーユニット50を開いてから、プリンタカバー3を開くという操作の順番を自動的に守らせることができる。
即ち、ピーラーユニット50をプリンタカバー3よりも先に開いて、ラベル誘導経路21及び台紙誘導経路22を開放し、ラベル用紙100の先端側の挟持を先に解除した状態になって初めて、プリンタカバー3を開くことが許される。このため、不用意にプリンタカバー3を開いたことで、先端側がピーラーユニット50に挟持されたラベル用紙100が無用に引き出されるようなことがなくなる。またラベル用紙100はサーマルヘッド13とプラテンローラ12に狭持されたままであり、ラベル102の位置がずれることがなく位置合わせのための紙送りが必要なく、ラベル102の無駄をなくすことができる。
【0052】
具体的には、サーマルヘッド13とプラテンローラ12から成る印刷機構より上流側にラベル位置を検出する検出器(不図示)を設け、ラベル用紙100を搬送しながらラベル102の位置を検出し、所定の位置に合わせることができる。通常、ラベル102の先端をサーマルヘッド13の位置に合わせ、ホストコンピュータから印刷データを受信すると、ラベル102の先端から印刷できる位置に搬送し待機している。ラベル102の位置がずれると、再度ラベル102の位置をサーマルヘッド13の位置に合わせるため、搬送することが必要となり、ラベル用紙100が無駄になってしまう。さらにピーラーモードの場合、ラベル用紙100をセットする際、図12(a)に示すように、台紙誘導経路22には台紙101のみにしてセットするため、予め数枚のラベル102を剥がす必要があり、実際に無駄になるラベル102はより多くなる。台紙誘導経路22には台紙101のみにしなければならない理由は、台紙屈曲用ガイド14での紙送り負荷が大きく、台紙誘導経路22のプラテンローラ12とピーラーローラ19では、ラベル用紙100のようなラベル102が貼り付いた厚い用紙を送る力が無くなるためである。また、台紙誘導経路22で、ラベル102が剥がれて貼り付き、紙ジャムの原因になり易い。
【0053】
操作時には、図8に示すように、シャッタ70が凹部61を閉じているときには、作業者が指を掛けてプリンタカバー開閉レバー60を操作することができず、図11のようにシャッタ70が開いているときだけ、プリンタカバー開閉レバー60を操作することができる。
【0054】
更に、図13に示すように、ピーラーユニット50の開閉を行うピーラーユニット開閉レバー52の先端側表面とプリンタカバー3を開くためのプリンタカバー開閉レバー60の表面には、それぞれ開操作の操作順番を示すマークM1,M2が設けられている。これらマークM1,M2は、例えばシールで形成したものが貼り付けられている。
即ち、ピーラーユニット50及びプリンタカバー開閉レバー60を開く時の操作に着目して、ピーラーユニット開閉レバー52の開閉を示すマークM1には「1」を、プリンタカバー開閉レバー60の開閉を示すマークM2には「2」を表示している。但し、操作の手順を紙セット時に着目すれば、その逆の順番を表示してもよい。
【0055】
また、ピーラーユニット開閉レバー52の先端側表面とプリンタカバー開閉レバー60の表面には、それぞれ開操作の操作方向のみを示すマークを設けることもできる。即ち、開操作の操作順番を示す為に上記マークM1,M2にそれぞれ表示した「1」,「2」を省略し、開操作の操作方向のみを表示しても良い。
そこで、本実施形態のラベルプリンタ1によれば、開操作部材が2箇所にあっても正しい順番及び方向で容易に操作でき、作業者の使い勝手を向上させることができる。
【0056】
従って、簡単な構造により確実な操作規制を行うことができる。また、作業者が指で力を直接加えるプリンタカバー開閉レバー60に、操作の許可・不許可を標示可能なシャッタ70が設けられているので、間違って操作してしまう間違いがなく、また、プリンタカバー3に無用な力が加えられてしまう間違いもない。
【0057】
また、本実施形態のラベルプリンタ1では、ピーラーユニット50がプリンタカバー3に搭載されているので、プリンタカバー3を開くことで、プリンタ本体2のロール紙装填部4を開放すると同時に、ピーラーユニット50をプリンタ本体2から露呈させることができる。
そこで、ラベルプリンタ1にラベル用紙100をセットする際や、ピーラーユニット50のラベル誘導経路21や台紙誘導経路22に詰まった台紙101やラベル102を除去する際の作業性が向上する。
【0058】
更に、プリンタカバー3側に印刷機構40のプラテンローラ12を搭載しているので、プリンタカバー3を開くと、サーマルヘッド13とプラテンローラ12の間のラベル用紙100の搬送通路11を開放することができ、ラベル用紙100の先端を印刷機構に容易に通すことができると共に、仮に紙ジャムが発生した際も、搬送通路11に詰まったラベル用紙100を除去する際の作業性が向上する。
【0059】
また、上記実施形態のラベルプリンタ1では、ピーラーユニット50のピーラーローラ19がプラテンローラ12の外周面に係合することで、該ピーラーユニット50を閉位置に保持することもできる。
【0060】
図14から図20は、本発明の他の実施形態に係るラベルプリンタの外観斜視図及び要部側断面図である。尚、本実施形態に係るラベルプリンタ201は、上記実施形態のラベルプリンタ1においてピーラーユニット開閉レバー52及びプリンタカバー開閉レバー60に設けた開操作の操作順番を示すマークM1,M2に代えて、ピーラーユニット開閉レバー52及びプリンタカバー開閉レバー60の操作方向を示すマークM3,M4を設けた以外は同様の構成であるので、同様の構成部材については同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0061】
本実施形態に係るラベルプリンタ201では、図14から図16に示すように、ピーラーユニット50の開閉を行うピーラーユニット開閉レバー52の操作方向のみを示すマークM3が、ピーラーユニット開閉レバー52の先端側表面に設けられている。また、図17から図20に示すように、プリンタカバー3を開くためのプリンタカバー開閉レバー60の操作方向のみを示すマークM4が、シャッタ70の内側面に設けられている。
シャッタ70の内側面に設けられたマークM4は、凹部61を閉鎖してプリンタカバー開閉レバー60の操作を不可とする位置(図14,15及び図20の位置)に移動したシャッタ70により目視不能とされ、該シャッタ70が凹部61を開放する位置(図17から図19の位置)に移動した際に目視可能とされる。
【0062】
即ち、ピーラーユニット開閉レバー52を操作する際には、図14及び図15に示すように、当該ピーラーユニット開閉レバー52の操作方向を示すマークM3のみ表示されており、プリンタカバー開閉レバー60の操作方向を示すマークM4は目視不能とされている。そして、ピーラーユニット開閉レバー52の開操作に伴うピーラーユニット50の開動作に連動し、シャッタ70がプリンタカバー開閉レバー60の操作を可能とする位置に移動すると、図17及び図18に示すように、該シャッタ70の内側面に設けられたマークM4が表れる。
そこで、作業者はピーラーユニット開閉レバー52及びプリンタカバー開閉レバー60を正しい順番で容易に操作でき、作業者の使い勝手を向上させることができる。
【0063】
尚、本実施形態におけるマークM3,M4は、それぞれピーラーユニット開閉レバー52及びシャッタ70に刻印されており、成型時に一体成形することで容易に設けることができる。もちろん、シールで形成されたマークM3,M4を、それぞれピーラーユニット開閉レバー52及びシャッタ70の所定箇所に貼り付けることで設けることもできる。
また、本実施形態におけるマークM3,M4は、それぞれ開操作の操作方向のみを示すマークであるが、例えばピーラーユニット開閉レバー52の開閉を示すマークM3には「1」を、プリンタカバー開閉レバー60の開閉を示すマークM4には「2」を表示して、開操作の操作順番を示すこともできる。
【0064】
尚、本発明のラベルプリンタにおける印刷機構、ラベル剥離機構、プリンタ本体、プリンタカバー及び操作規制機構等の構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることはもちろんである。
例えば、上記実施形態のラベルプリンタ1では、プリンタカバー開閉レバー60の開操作を規制する操作規制機構としてシャッタ70を設けた場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ラベル剥離機構の開閉動作に連動してカバー開操作部材の操作を可能とする位置又は不可とする位置に移動するロック部材等を設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係るラベルプリンタにおいて、プリンタカバー及びピーラーユニットを閉じた状態を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示したラベルプリンタにおいて、ピーラーユニットを開いた状態を示す外観斜視図である。
【図3】図2に示したラベルプリンタを別の角度から見た外観斜視図である。
【図4】図1に示したラベルプリンタにおいて、プリンタカバーを開いた状態を示す外観斜視図である。
【図5】図4に示したラベルプリンタの側断面図である。
【図6】図1に示したラベルプリンタの主要内部構成を示す側断面図である。
【図7】図1に示したラベルプリンタにおいて、ピーラーユニット開閉レバーを動かした際のプリンタカバー開閉レバーとシャッタの関係を示すための要部側断面図である。
【図8】図1に示したラベルプリンタにおいて、ピーラーユニット開閉レバーを動かした際のプリンタカバー開閉レバーとシャッタの関係を示すための要部側断面図である。
【図9】図1に示したラベルプリンタにおいて、ピーラーユニット開閉レバーを動かした際のプリンタカバー開閉レバーとシャッタの関係を示すための要部側断面図である。
【図10】図1に示したラベルプリンタにおいて、ピーラーユニット開閉レバーを動かした際のプリンタカバー開閉レバーとシャッタの関係を示すための要部側断面図である。
【図11】図1に示したラベルプリンタにおいて、ピーラーユニット開閉レバーを動かした際のプリンタカバー開閉レバーとシャッタの関係を示すための要部側断面図である。
【図12】図1に示したラベルプリンタにおけるラベル発行モードの違いによる用紙の搬送経路の違いを示す概略図であり、(a)は剥離モード時の用紙の搬送経路を示し、(b)は非剥離モード時の用紙の搬送経路を示す。
【図13】図1に示したラベルプリンタにおけるピーラーユニット開閉レバー及びプリンタカバー開閉レバーの要部拡大斜視図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係るラベルプリンタにおいて、プリンタカバー及びピーラーユニットを閉じた状態を示す外観斜視図である。
【図15】図14に示したラベルプリンタにおけるピーラーユニット開閉レバーの要部拡大斜視図である。
【図16】図14に示したラベルプリンタにおけるピーラーユニット開閉レバーの要部側断面図である。
【図17】図14に示したラベルプリンタにおいて、ピーラーユニットを開いた状態を示す外観斜視図である。
【図18】図17に示したラベルプリンタにおいて、シャッタの開いた状態を示す要部拡大斜視図である。
【図19】図14に示したラベルプリンタにおいて、シャッタの開いた状態を示す要部側断面図である。
【図20】図14に示したラベルプリンタにおいて、シャッタの閉じた状態を示す要部側断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1…ラベルプリンタ、2…プリンタ本体、3…プリンタカバー、4…ロール紙装填部(ラベル用紙装填部)、7…台紙排出口、8…ラベル発行口、11…搬送通路(台紙搬送通路)、12…プラテンローラ(印刷機構)、13…サーマルヘッド(印刷機構)、14…台紙屈曲用ガイド、21…ラベル誘導経路、22…台紙誘導経路、50…ピーラーユニット(ラベル剥離機構)、52…ピーラーユニット開閉レバー(剥離機構開操作部材)、60…プリンタカバー開閉レバー(カバー開操作部材)、70…シャッタ(操作規制機構)、80…ロック部(ロック機構)、100…ラベル用紙、101…台紙、102…ラベル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の台紙上に複数のラベルが貼り付けられたラベル用紙を搬送しながら該ラベルに印刷を行う印刷機構と、
印刷済の前記ラベル用紙の前記台紙の裏面側から鋭角に屈曲させることにより、屈曲状態で搬送される前記台紙から前記ラベルを剥離させるラベル剥離機構と、を備えたラベルプリンタであって、
前記ラベル剥離機構が、プリンタ本体のラベル用紙装填部に開閉自在に取り付けられるプリンタカバーに搭載されると共に、
前記プリンタカバーを開くためのカバー開操作部材には、前記ラベル剥離機構が開いているときに前記カバー開操作部材の操作を可能とし、かつ前記ラベル剥離機構が閉じているときに前記カバー開操作部材の操作を不可とする操作規制機構が設けられることを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項2】
前記操作規制機構が、前記ラベル剥離機構の開閉動作に連動して前記カバー開操作部材の操作を可能とする位置又は不可とする位置に移動するシャッタを備えることを特徴とする請求項1に記載のラベルプリンタ。
【請求項3】
前記ラベル剥離機構を開くための剥離機構開操作部材と前記プリンタカバーを開くためのカバー開操作部材又はその近傍に、それぞれ開操作の操作方向を示すマークが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のラベルプリンタ。
【請求項4】
前記ラベル剥離機構を開くための剥離機構開操作部材と前記プリンタカバーを開くためのカバー開操作部材又はその近傍に、それぞれ開操作の操作順番を示すマークが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のラベルプリンタ。
【請求項5】
前記ラベル剥離機構を開くための剥離機構開操作部材の操作方向を示すマークが、前記剥離機構開操作部材又はその近傍に設けられ、
前記カバー開操作部材の操作方向を示すために設けられたマークが、前記カバー開操作部材の操作を不可とする位置に移動した前記シャッタにより目視不能とされることを特徴とする請求項2に記載のラベルプリンタ。
【請求項6】
前記ラベル剥離機構は、前記台紙から剥離した後の前記ラベルをラベル発行口に誘導して送り出すラベル誘導経路と、前記ラベル用紙の前記台紙の裏面側から鋭角に屈曲させる為に誘導すると共に前記ラベルが剥離した後の前記台紙を台紙排出口から排出させる台紙誘導経路とを形成しており、
これら前記ラベル誘導経路及び前記台紙誘導経路を開放するべく、前記プリンタカバーに対して、前記ラベル剥離機構が開閉自在とされることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のラベルプリンタ。
【請求項7】
前記印刷機構が、前記プリンタ本体に装備されて前記ラベル用紙に対向するサーマルヘッドと、前記プリンタカバーに装備されて前記ラベル用紙を前記サーマルヘッドに押し付けるプラテンローラとを有していることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のラベルプリンタ。
【請求項1】
長尺状の台紙上に複数のラベルが貼り付けられたラベル用紙を搬送しながら該ラベルに印刷を行う印刷機構と、
印刷済の前記ラベル用紙の前記台紙の裏面側から鋭角に屈曲させることにより、屈曲状態で搬送される前記台紙から前記ラベルを剥離させるラベル剥離機構と、を備えたラベルプリンタであって、
前記ラベル剥離機構が、プリンタ本体のラベル用紙装填部に開閉自在に取り付けられるプリンタカバーに搭載されると共に、
前記プリンタカバーを開くためのカバー開操作部材には、前記ラベル剥離機構が開いているときに前記カバー開操作部材の操作を可能とし、かつ前記ラベル剥離機構が閉じているときに前記カバー開操作部材の操作を不可とする操作規制機構が設けられることを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項2】
前記操作規制機構が、前記ラベル剥離機構の開閉動作に連動して前記カバー開操作部材の操作を可能とする位置又は不可とする位置に移動するシャッタを備えることを特徴とする請求項1に記載のラベルプリンタ。
【請求項3】
前記ラベル剥離機構を開くための剥離機構開操作部材と前記プリンタカバーを開くためのカバー開操作部材又はその近傍に、それぞれ開操作の操作方向を示すマークが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のラベルプリンタ。
【請求項4】
前記ラベル剥離機構を開くための剥離機構開操作部材と前記プリンタカバーを開くためのカバー開操作部材又はその近傍に、それぞれ開操作の操作順番を示すマークが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のラベルプリンタ。
【請求項5】
前記ラベル剥離機構を開くための剥離機構開操作部材の操作方向を示すマークが、前記剥離機構開操作部材又はその近傍に設けられ、
前記カバー開操作部材の操作方向を示すために設けられたマークが、前記カバー開操作部材の操作を不可とする位置に移動した前記シャッタにより目視不能とされることを特徴とする請求項2に記載のラベルプリンタ。
【請求項6】
前記ラベル剥離機構は、前記台紙から剥離した後の前記ラベルをラベル発行口に誘導して送り出すラベル誘導経路と、前記ラベル用紙の前記台紙の裏面側から鋭角に屈曲させる為に誘導すると共に前記ラベルが剥離した後の前記台紙を台紙排出口から排出させる台紙誘導経路とを形成しており、
これら前記ラベル誘導経路及び前記台紙誘導経路を開放するべく、前記プリンタカバーに対して、前記ラベル剥離機構が開閉自在とされることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のラベルプリンタ。
【請求項7】
前記印刷機構が、前記プリンタ本体に装備されて前記ラベル用紙に対向するサーマルヘッドと、前記プリンタカバーに装備されて前記ラベル用紙を前記サーマルヘッドに押し付けるプラテンローラとを有していることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のラベルプリンタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2006−76287(P2006−76287A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−221574(P2005−221574)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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