ラベル積層体及びラベル取出し装置
【課題】 複数枚のラベルが積層されたラベル積層体からラベル取出し装置によりラベルを取り出すにあたり、ラベル積層体からラベルを確実に一枚ずつに分離させて適切に取り出すことが簡単に行えるようにする。
【解決手段】 複数枚のラベル10A〜10Dが積層されたラベル積層体S1,S2からラベル取出し装置31,32によりラベルを取り出すにあたり、ラベル積層体における各ラベルの周辺部に分離用切欠11又は分離用凸部13を設け、積層された上下のラベルにおける分離用切欠又は分離用凸部の位置が異なるようにした。
【解決手段】 複数枚のラベル10A〜10Dが積層されたラベル積層体S1,S2からラベル取出し装置31,32によりラベルを取り出すにあたり、ラベル積層体における各ラベルの周辺部に分離用切欠11又は分離用凸部13を設け、積層された上下のラベルにおける分離用切欠又は分離用凸部の位置が異なるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数枚のラベルが積層されたラベル積層体及びこのように複数枚のラベルが積層されたラベル積層体からラベルを分離させて順々に取り出すラベル取出し装置に係り、複数枚のラベルが積層されたラベル積層体からラベル取出し装置によりラベルを取り出すにあたり、ラベル積層体からラベルを確実に一枚ずつに分離させて適切に取り出すことが簡単に行えるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種のプラスチック容器の外周面に、各種の表示を行ったラベルを貼付させることが行われている
【0003】
そして、このようにプラスチック容器の外周面にラベルを貼付させるにあたっては、粘着剤が設けられたラベルを剥離シートから順々に剥離させて成形されたプラスチック容器の外周面に貼付する他、近年においては、成形用金型内にラベルを保持させ、この成形用金型内にプラスチック容器の成形材料を注入し、プラスチック容器の成形時における熱により、上記のラベルに設けられた接着層を溶融させて、プラスチック容器の成形と同時にラベルをプラスチック容器の外周面に貼付させるようにしたインモールド成形用ラベルが用いられるようになった。
【0004】
ここで、このようなインモールド成形用ラベルを成形用金型内に保持させるにあたっては、一般に、このラベルを複数枚積層させたラベル積層体から吸引装置によりラベルを一枚ずつ吸引して分離させ、このように分離させたラベルを成形用金型内に導いて保持させるようにしている。
【0005】
しかし、上記のようにラベルが複数枚積層されたラベル積層体においては、ラベル相互が密着した状態になっており、このようなラベル積層体から吸引装置によりラベルを吸引して分離させる場合、密着した2枚以上のラベルが一緒に吸引されて取り出され、このように一緒に取り出されたラベルが成形用金型内の異なる位置に保持される等により不良品が発生するという問題があった。
【0006】
特に、上記のようなインモールド成形用ラベルにおいては、一般に、ラベル基材を複数枚積層させた状態で、所定のラベル形状に型抜きして、ラベルが複数枚積層された状態にあるラベル積層体を得るようにしているため、ラベル相互の周辺部が一緒に押されて強く密着しており、このように型抜きされてラベルが積層された状態にあるラベル積層体から吸引装置によりラベルを吸引して分離させる場合、密着した2枚以上のラベルが一緒に吸引されて取り出されることが多くなるという問題があった。
【0007】
また、従来においては、特許文献1に示されるように、上記のラベルの表面の一部にエンボスを設け、ラベル表面と成形用金型の成形面との接触面積を減少させ、ラベル表面が成形用金型の成形面に密着するのを防止し、またラベル相互が密着して、2枚以上のラベルが一緒に吸引されて取り出されるのを防止するようにしたものが提案されている。
【0008】
しかし、この特許文献1に示されるものにおいては、ラベルの表面の一部に設けるエンボスを、各ラベルにおいて同じ位置に設けるようにしているため、各ラベルにおけるエンボス相互が嵌り合って、ラベル相互がさらに密着されてしまい、2枚以上のラベルが一緒に吸引されて取り出されるという問題があった。
【特許文献1】特開2003−98968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は、複数枚のラベルが積層されたラベル積層体からラベルを取り出す場合における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0010】
すなわち、この発明においては、上記のように複数枚のラベルが積層されたラベル積層体からラベル取出し装置によりラベルを取り出すにあたり、ラベル積層体からラベルを確実に一枚ずつに分離させて適切に取り出すことが簡単に行えるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明における第1のラベル積層体においては、上記のような課題を解決するため、複数枚のラベルが積層されたラベル積層体において、各ラベルの周辺部に分離用切欠を設け、積層された上下のラベルにおける分離用切欠の位置が異なるようにした。
【0012】
また、この発明における第2のラベル積層体においては、上記のような課題を解決するため、複数枚のラベルが積層されたラベル積層体において、各ラベルの周辺部に分離用凸部を設け、積層された上下のラベルにおける分離用凸部の位置が異なるようにした。
【0013】
ここで、上記の第1及び第2のラベル積層体においては、上記のラベルを前記のインモールド成形用ラベルとして好適に用いることができる。
【0014】
また、この発明におけるラベル取出し装置においては、上記のような課題を解決するため、上記の第1及び第2のラベル積層体からラベルを分離させて順々に取り出すにあたり、分離用切欠又は分離用凸部が設けられたラベルの周辺部に向けてラベル積層体に気体を吹き付ける気体噴出装置と、ラベル積層体の最上面に位置するラベルを吸引して分離させる吸引装置とを備えるようにした。
【発明の効果】
【0015】
この発明における第1のラベル積層体においては、上記のように各ラベルの周辺部に分離用切欠を設け、積層された上下のラベルにおける分離用切欠の位置が異なるようにしたため、上記のラベル取出し装置において、気体噴出装置から分離用切欠が設けられたラベルの周辺部に向けてラベル積層体に気体を吹き付けると、上のラベルと異なる位置に設けられた下のラベルにおける分離用切欠の部分に気体が入り込んで、上下のラベルがこの気体によって分離されるようになり、このように分離された上のラベルだけが上記の吸引装置によって吸引されて保持されるようになる。
【0016】
この結果、この第1のラベル積層体においては、ラベルが確実に一枚毎に分離されて適切に取り出されるようになり、成形用金型内にラベルを一枚ずつ適切に保持させて、プラスチック容器の成形と同時にラベルをプラスチック容器の外周面に貼付させることができ、インモールド成形用ラベルとして好適に利用できるようになる。
【0017】
また、この発明における第2のラベル積層体においては、上記のように各ラベルの周辺部に分離用凸部を設け、積層された上下のラベルにおける分離用凸部の位置が異なるようにしたため、上記のラベル取出し装置において、気体噴出装置から分離用凸部が設けられたラベルの周辺部に向けてラベル積層体に気体を吹き付けると、異なる位置に設けられた上のラベルと下のラベルとの間の分離用凸部の部分に気体が入り込んで、上下のラベルがこの気体によって分離されるようになり、このように分離された上のラベルだけが上記の吸引装置によって吸引されて保持されるようになる。
【0018】
この結果、この第2のラベル積層体においても、上記の第1のラベル積層体と同様に、ラベルが確実に一枚毎に分離されて適切に取り出されるようになり、成形用金型内にラベルを一枚ずつ適切に保持させて、プラスチック容器の成形と同時にラベルをプラスチック容器の外周面に貼付させることができ、インモールド成形用ラベルとして好適に利用できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、この発明の実施形態に係るラベル積層体及びこのラベル積層体からラベルを分離させて順々に取り出すラベル取出し装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明に係るラベル積層体及びラベル取出し装置は、特に下記の実施形態に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0020】
(実施形態1)
この実施形態1においては、インモールド成形用ラベルとして用いるために、ラベル基材1として、図1に示すように、ポリプロピレン等の樹脂で構成された表面層1aと、アルミニウム等の金属層1bと、上記の表面層1aよりも融点の低いポリプロピレン等の樹脂で構成された接着層1cとが一体に積層されたものを用いた。
【0021】
そして、この実施形態1においては、上記のラベル基材1を用いて、図2に示すようなカップ状のプラスチック容器2の外周面にインモールド成形によって貼付させるラベル10を作製するにあたり、図3(A),(B)に示すように、それぞれ平面が略扇形状で、円弧が長くなった上円孤の適当な位置にそれぞれ2つの凹状になった分離用切欠11が形成され、この2つの分離用切欠11の位置が異なる2種類のラベル10A,10Bを作製するようにした。なお、ラベル10A,10Bの形状は、このような平面が略扇形状のものに限定されず、これらのラベル10A,10Bを貼付させるプラスチック容器2の形状などに対応させて適宜変更することができる。
【0022】
ここで、上記の2種類のラベル10A,10Bを作製するにあたっては、図4に示すように、上記の2種類のラベル10A,10Bの形状に対応した2種類の切断用切刃21A,21Bがローラの外周面にその周方向に順々に設けられたカッターローラ20を用い、このカッターローラ20における上記の2種類の切断用切刃21A,21Bより、上記のラベル基材1から上記の2種類のラベル10A,10Bを順々に切り抜いて、上記の2種類のラベル10A,10Bを順々に積層させるようにした。
【0023】
そして、この実施形態のラベル積層体S1においては、図5に示すように、このように作製された2つの分離用切欠11の位置が異なる2種類のラベル10A,10Bを交互に積層させて、積層された上下のラベル10A,10Bにおける分離用切欠11の位置が異なるようにした。
【0024】
そして、このラベル積層体S1からラベル取出し装置により各ラベル10A,10Bを一枚ずつに分離させて順々に取り出すにあたっては、図6に示すように、気体噴出装置31から上記のラベル積層体S1に対して、分離用切欠11が設けられたラベル10A,10Bの周辺部に向けて気体を吹き付けると共に、ラベル積層体S1の最上面に位置するラベル10A(又は10B)を吸引装置32により吸引して保持させるようにした。
【0025】
ここで、上記のように気体噴出装置31から分離用切欠11が設けられた各ラベル10A,10Bの周辺部に向けてラベル積層体S1に気体を吹き付けると、前記のように上のラベル10A(又は10B)と異なる位置に設けられた下のラベル10B(又は10A)における分離用切欠11の部分に気体が入り込んで、上下のラベル10A,10Bがこの気体によって分離されるようになり、このように分離された上のラベル10A(又は10B)だけが上記の吸引装置32によって適切に吸引されて保持され、各ラベル10A,10Bを一枚ずつ適切に分離させて順々に取り出すことができるようになった。
【0026】
そして、従来のインモールド成形用ラベルの場合と同様に、上記のように一枚ずつ適切に分離させて取り出された各ラベル10A,10Bを順々に成形用金型(図示せず)内に保持させて、上記のようなカップ状のプラスチック容器2の成形と同時に、ラベル10A(又は10B)をプラスチック容器2の外周面2aに貼付させるようにすると、これらの各ラベル10A,10Bが一枚ずつ適切に各プラスチック容器2の外周面2aに適切に貼付されるようになり、従来のように密着した2枚以上のラベルが一緒に成形用金型内に導かれて不良品が発生するということがなくなった。
【0027】
なお、この実施形態においては、2つの分離用切欠11の位置が異なる2種類のラベル10A,10Bを用い、この2種類のラベル10A,10Bを交互に積層させて、上下のラベル10A,10Bにおける分離用切欠11の位置が異なるラベル積層体S1を得るようにしたが、分離用切欠の位置が異なる3種類以上のラベルを用いるようにしたり、また各ラベルに設ける分離用切欠の数を1つ或いは3つ以上にしたりすることも可能である。
【0028】
また、この実施形態においては、2種類のラベル10A,10Bに凹状になった分離用切欠11を設けるようにしたが、この分離用切欠11の形状は特に限定されず、三角等の様々な形状にすることができる。
【0029】
ここで、上記のようにプラスチック容器2の外周面2aにラベル10A,10Bを貼付させた場合に、ラベル10A,10Bに形成された分離用切欠11が目立たないようにするため、図7に示すように、上記のラベル10A,10Bにおける円弧が長くなった上円孤の一部を直線状に切断させて、直線状になった僅かな分離用切欠11を設けるようにすることも可能である。なお、このような直線状になった僅かな分離用切欠11であっても、上記のように気体噴出装置31から分離用切欠11が設けられた各ラベル10A,10Bの周辺部に向けてラベル積層体S1に気体を吹き付けると、この僅かな分離用切欠11の部分に気体が入り込んで、上下のラベル10A,10Bがこの気体によって適切に分離されるようになる。また、上記の上円孤の一部を直線状に切断させる他、上円孤の円弧よりも更に半径が大きな緩やかな円弧状等に切断させることも可能である。
【0030】
(実施形態2)
この実施形態2においても、ラベル基材1としては、上記の実施形態1と同様に、ポリプロピレン等の樹脂で構成された表面層1aと、アルミニウム等の金属層1bと、上記の表面層1aよりも融点の低いポリプロピレン等の樹脂で構成された接着層1cとが一体に積層されたものを用いた。
【0031】
そして、上記のラベル基材1を用いて、前記の図2に示すようなカップ状のプラスチック容器2の外周面にインモールド成形によって貼付させるラベル10を作製するにあたり、図8(A),(B)に示すように、それぞれ平面が略扇形状で、円弧が長くなった上円孤の周辺部から上円孤に伸びた3本が1セットとなった切込み12を適当な位置にそれぞれ2つ設け、図9(A),(B)に示すように、上記の各切込み12によって下方に突出される分離用凸部13の位置が異なる2種類のラベル10C,10Dを作製するようにした。なお、このラベル10C,10Dの形状も、上記の実施形態1の場合と同様に、これらのラベル10C,10Dを貼付させるプラスチック容器2の形状などに対応させて適宜変更することができ、また切込み12によって形成する分離用凸部13の数も適宜変更することができる。
【0032】
ここで、上記の2種類のラベル10C,10Dを作製するにあたっては、図10に示すように、各ラベル10C,10Dの切込み12の位置に対応した切込み用切刃22が設けられた扇形状になった2種類の切断用切刃21C,21Dがローラの外周面にその周方向に順々に設けられたカッターローラ20を用い、このカッターローラ20における上記の2種類の切断用切刃21C,21Dより、上記のラベル基材1から上記の2種類のラベル10C,10Dを順々に切り抜いて、上記の2種類のラベル10C,10Dを順々に積層させるようにした。なお、上記の各切込み用切刃22はラベル10C,10Dを切断しないように、上記の切断用切刃21C,21Dよりも刃の高さを低くした。
【0033】
そして、この実施形態のラベル積層体S2においては、図11に示すように、このように作製された分離用凸部13の位置が異なる2種類のラベル10C,10Dを交互に積層させて、積層された上下のラベル10C,10Dにおける分離用凸部13の位置が重ならないようにし、積層された上下のラベル10C,10Dの周辺部に、上記の分離用凸部13による隙間が形成されるようにした。
【0034】
そして、このラベル積層体S2からラベル取出し装置により各ラベル10C,10Dを一枚ずつに分離させて順々に取り出すにあたっては、上記の実施形態1の場合と同様に、気体噴出装置31から上記のラベル積層体S2に対して、分離用凸部13が設けられたラベル10C,10Dの周辺部に向けて気体を吹き付けると共に、ラベル積層体S1の最上面に位置するラベル10C(又は10D)を吸引装置32により吸引して保持させるようにした。
【0035】
ここで、上記のように気体噴出装置31から分離用凸部13が設けられた各ラベル10C,10Dの周辺部に向けてラベル積層体S2に気体を吹き付けると、積層された上下のラベル10C,10Dの周辺部において、前記のように分離用凸部13によって形成された隙間に気体が入り込み、上下のラベル10C,10Dがこの気体によって分離されるようになり、このように分離された上のラベル10C(又は10D)だけが上記の吸引装置32によって適切に吸引されて保持され、各ラベル10C,10Dを一枚ずつ適切に分離させて順々に取り出すことができるようになった。
【0036】
この結果、この実施形態2におけるラベル積層体S2においても、上記の実施形態1のラベル積層体S1と同様に、上記のように一枚ずつ適切に分離させて取り出された各ラベル10C,10Dが順々に成形用金型(図示せず)内に適切に保持されるようになり、プラスチック容器2の成形と同時に、各ラベル10C,10Dが一枚ずつ適切に各プラスチック容器2の外周面2aに適切に貼付されるようになり、従来のように密着した2枚以上のラベルが一緒に成形用金型内に導かれて不良品が発生するということがなくなった。
【0037】
なお、この実施形態においては、切込み12によって下方に突出される分離用凸部13の位置が異なる2種類のラベル10C,10Dを交互に積層させて、上下のラベル10C,10Dにおける分離用凸部13の位置が異なるラベル積層体S2を得るようにしたが、分離用凸部の位置が異なる3種類以上のラベルを用いるようにしたり、また各ラベルに切込みによって形成する分離用凸部の位置を1つ或いは3つ以上にしたりすることも可能である。
【0038】
また、この実施形態においては、図11に示すように、各ラベル10C,10Dにおける分離用凸部13が下方に突出するようにして、各ラベル10C,10Dを交互に積層させたが、各ラベル10C,10Dにおける分離用凸部13が上方に突出するようにして、各ラベル10C,10Dを交互に積層させるようにすることもできる。
【0039】
さらに、この実施形態においては、上記のように各ラベル10C,10Dに切込み12によって下方に突出された分離用凸部13を形成するにあたり、円弧が長くなった上円孤の周辺部から上円孤に伸びた切込み12を設けるようにしたが、図12に示すように、上記の切込み12を、上円孤の周辺部においてこの円弧に沿って設けるようにすることも可能である。
【0040】
また、この実施形態においては、ラベル10C,10Dに切込み12を設けて分離用凸部13を形成するにあたり、切込み12がラベル10C,10Dを切断しないようにしたが、上記のような分離用凸部13が形成されるのであれば、上記の切込み12の少なくとも一部がラベル10C,10Dを切断するようになっていてもよい。
【0041】
なお、上記の実施形態1,2においては、ラベルがインモールド成形用ラベルの場合について説明したが、常温において粘着性を有していない通常のラベルにおいても、上記の場合と同様に構成することにより、このようなラベルを積層させたラベル積層体から、各ラベルを一枚ずつ適切に分離させて取り出すことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の実施形態において使用したラベル基材の断面説明図である。
【図2】この発明の実施形態において、カップ状のプラスチック容器の外周面にインモールド成形によってラベルを貼付させた状態を示した概略斜視図である。
【図3】(A),(B)は、この発明の実施形態1において使用する2種類のラベルを示し、平面が略扇形状で、円弧が長くなった上円孤の異なった位置にそれぞれ2つの分離用切欠が形成された状態を示した概略平面図である。
【図4】上記の実施形態1において使用する2種類のラベルを作製するのに使用するカッターローラを示し、2種類のラベルの形状に対応した2種類の切断用切刃が形成されたカッターローラの外周面の展開図である。
【図5】上記の実施形態1におけるラベル積層体を示し、分離用切欠の位置が異なる2種類のラベルを交互に積層させた状態を示した概略側面図である。
【図6】上記の実施形態1におけるラベル積層体から、ラベル取出し装置によってラベルを一枚ずつ分離させて取り出す状態を示した概略説明図である。
【図7】上記の実施形態1において、ラベルに設ける分離用切欠の変更例を示した部分拡大説明図である。
【図8】(A),(B)は、この発明の実施形態2において使用する2種類のラベルを示し、平面が略扇形状で、円弧が長くなった上円孤の異なった位置にそれぞれ切込みを形成した状態を示した概略平面図である。
【図9】(A),(B)は、上記の実施形態2において使用する2種類のラベルにおいて、上記の切込みにより円弧が長くなった上円孤の異なった位置にそれぞれ分離用凸部が形成された状態を示した概略側面図である。
【図10】上記の実施形態2において使用する2種類のラベルを作製するのに使用するカッターローラを示し、2種類のラベルの切込みの位置に対応した切込み用切刃が設けられた2種類の切断用切刃が形成されたカッターローラの外周面の展開図である。
【図11】上記の実施形態2におけるラベル積層体を示し、分離用凸部の位置が異なる2種類のラベルを交互に積層させた状態を示した概略側面図である。
【図12】上記の実施形態2において、ラベルに設ける切込みの方向を変更させた変更例を示した部分拡大説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1 ラベル基材
1a 表面層
1b 金属層
1c 接着層
2 プラスチック容器
2a 外周面
10,10A〜10D ラベル
11 分離用切欠
12 切込み
13 分離用凸部
20 カッターローラ
21A〜21D 切断用切刃
22 切込み用切刃
31 気体噴出装置
32 吸引装置
S1,S2 ラベル積層体
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数枚のラベルが積層されたラベル積層体及びこのように複数枚のラベルが積層されたラベル積層体からラベルを分離させて順々に取り出すラベル取出し装置に係り、複数枚のラベルが積層されたラベル積層体からラベル取出し装置によりラベルを取り出すにあたり、ラベル積層体からラベルを確実に一枚ずつに分離させて適切に取り出すことが簡単に行えるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種のプラスチック容器の外周面に、各種の表示を行ったラベルを貼付させることが行われている
【0003】
そして、このようにプラスチック容器の外周面にラベルを貼付させるにあたっては、粘着剤が設けられたラベルを剥離シートから順々に剥離させて成形されたプラスチック容器の外周面に貼付する他、近年においては、成形用金型内にラベルを保持させ、この成形用金型内にプラスチック容器の成形材料を注入し、プラスチック容器の成形時における熱により、上記のラベルに設けられた接着層を溶融させて、プラスチック容器の成形と同時にラベルをプラスチック容器の外周面に貼付させるようにしたインモールド成形用ラベルが用いられるようになった。
【0004】
ここで、このようなインモールド成形用ラベルを成形用金型内に保持させるにあたっては、一般に、このラベルを複数枚積層させたラベル積層体から吸引装置によりラベルを一枚ずつ吸引して分離させ、このように分離させたラベルを成形用金型内に導いて保持させるようにしている。
【0005】
しかし、上記のようにラベルが複数枚積層されたラベル積層体においては、ラベル相互が密着した状態になっており、このようなラベル積層体から吸引装置によりラベルを吸引して分離させる場合、密着した2枚以上のラベルが一緒に吸引されて取り出され、このように一緒に取り出されたラベルが成形用金型内の異なる位置に保持される等により不良品が発生するという問題があった。
【0006】
特に、上記のようなインモールド成形用ラベルにおいては、一般に、ラベル基材を複数枚積層させた状態で、所定のラベル形状に型抜きして、ラベルが複数枚積層された状態にあるラベル積層体を得るようにしているため、ラベル相互の周辺部が一緒に押されて強く密着しており、このように型抜きされてラベルが積層された状態にあるラベル積層体から吸引装置によりラベルを吸引して分離させる場合、密着した2枚以上のラベルが一緒に吸引されて取り出されることが多くなるという問題があった。
【0007】
また、従来においては、特許文献1に示されるように、上記のラベルの表面の一部にエンボスを設け、ラベル表面と成形用金型の成形面との接触面積を減少させ、ラベル表面が成形用金型の成形面に密着するのを防止し、またラベル相互が密着して、2枚以上のラベルが一緒に吸引されて取り出されるのを防止するようにしたものが提案されている。
【0008】
しかし、この特許文献1に示されるものにおいては、ラベルの表面の一部に設けるエンボスを、各ラベルにおいて同じ位置に設けるようにしているため、各ラベルにおけるエンボス相互が嵌り合って、ラベル相互がさらに密着されてしまい、2枚以上のラベルが一緒に吸引されて取り出されるという問題があった。
【特許文献1】特開2003−98968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は、複数枚のラベルが積層されたラベル積層体からラベルを取り出す場合における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0010】
すなわち、この発明においては、上記のように複数枚のラベルが積層されたラベル積層体からラベル取出し装置によりラベルを取り出すにあたり、ラベル積層体からラベルを確実に一枚ずつに分離させて適切に取り出すことが簡単に行えるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明における第1のラベル積層体においては、上記のような課題を解決するため、複数枚のラベルが積層されたラベル積層体において、各ラベルの周辺部に分離用切欠を設け、積層された上下のラベルにおける分離用切欠の位置が異なるようにした。
【0012】
また、この発明における第2のラベル積層体においては、上記のような課題を解決するため、複数枚のラベルが積層されたラベル積層体において、各ラベルの周辺部に分離用凸部を設け、積層された上下のラベルにおける分離用凸部の位置が異なるようにした。
【0013】
ここで、上記の第1及び第2のラベル積層体においては、上記のラベルを前記のインモールド成形用ラベルとして好適に用いることができる。
【0014】
また、この発明におけるラベル取出し装置においては、上記のような課題を解決するため、上記の第1及び第2のラベル積層体からラベルを分離させて順々に取り出すにあたり、分離用切欠又は分離用凸部が設けられたラベルの周辺部に向けてラベル積層体に気体を吹き付ける気体噴出装置と、ラベル積層体の最上面に位置するラベルを吸引して分離させる吸引装置とを備えるようにした。
【発明の効果】
【0015】
この発明における第1のラベル積層体においては、上記のように各ラベルの周辺部に分離用切欠を設け、積層された上下のラベルにおける分離用切欠の位置が異なるようにしたため、上記のラベル取出し装置において、気体噴出装置から分離用切欠が設けられたラベルの周辺部に向けてラベル積層体に気体を吹き付けると、上のラベルと異なる位置に設けられた下のラベルにおける分離用切欠の部分に気体が入り込んで、上下のラベルがこの気体によって分離されるようになり、このように分離された上のラベルだけが上記の吸引装置によって吸引されて保持されるようになる。
【0016】
この結果、この第1のラベル積層体においては、ラベルが確実に一枚毎に分離されて適切に取り出されるようになり、成形用金型内にラベルを一枚ずつ適切に保持させて、プラスチック容器の成形と同時にラベルをプラスチック容器の外周面に貼付させることができ、インモールド成形用ラベルとして好適に利用できるようになる。
【0017】
また、この発明における第2のラベル積層体においては、上記のように各ラベルの周辺部に分離用凸部を設け、積層された上下のラベルにおける分離用凸部の位置が異なるようにしたため、上記のラベル取出し装置において、気体噴出装置から分離用凸部が設けられたラベルの周辺部に向けてラベル積層体に気体を吹き付けると、異なる位置に設けられた上のラベルと下のラベルとの間の分離用凸部の部分に気体が入り込んで、上下のラベルがこの気体によって分離されるようになり、このように分離された上のラベルだけが上記の吸引装置によって吸引されて保持されるようになる。
【0018】
この結果、この第2のラベル積層体においても、上記の第1のラベル積層体と同様に、ラベルが確実に一枚毎に分離されて適切に取り出されるようになり、成形用金型内にラベルを一枚ずつ適切に保持させて、プラスチック容器の成形と同時にラベルをプラスチック容器の外周面に貼付させることができ、インモールド成形用ラベルとして好適に利用できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、この発明の実施形態に係るラベル積層体及びこのラベル積層体からラベルを分離させて順々に取り出すラベル取出し装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明に係るラベル積層体及びラベル取出し装置は、特に下記の実施形態に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0020】
(実施形態1)
この実施形態1においては、インモールド成形用ラベルとして用いるために、ラベル基材1として、図1に示すように、ポリプロピレン等の樹脂で構成された表面層1aと、アルミニウム等の金属層1bと、上記の表面層1aよりも融点の低いポリプロピレン等の樹脂で構成された接着層1cとが一体に積層されたものを用いた。
【0021】
そして、この実施形態1においては、上記のラベル基材1を用いて、図2に示すようなカップ状のプラスチック容器2の外周面にインモールド成形によって貼付させるラベル10を作製するにあたり、図3(A),(B)に示すように、それぞれ平面が略扇形状で、円弧が長くなった上円孤の適当な位置にそれぞれ2つの凹状になった分離用切欠11が形成され、この2つの分離用切欠11の位置が異なる2種類のラベル10A,10Bを作製するようにした。なお、ラベル10A,10Bの形状は、このような平面が略扇形状のものに限定されず、これらのラベル10A,10Bを貼付させるプラスチック容器2の形状などに対応させて適宜変更することができる。
【0022】
ここで、上記の2種類のラベル10A,10Bを作製するにあたっては、図4に示すように、上記の2種類のラベル10A,10Bの形状に対応した2種類の切断用切刃21A,21Bがローラの外周面にその周方向に順々に設けられたカッターローラ20を用い、このカッターローラ20における上記の2種類の切断用切刃21A,21Bより、上記のラベル基材1から上記の2種類のラベル10A,10Bを順々に切り抜いて、上記の2種類のラベル10A,10Bを順々に積層させるようにした。
【0023】
そして、この実施形態のラベル積層体S1においては、図5に示すように、このように作製された2つの分離用切欠11の位置が異なる2種類のラベル10A,10Bを交互に積層させて、積層された上下のラベル10A,10Bにおける分離用切欠11の位置が異なるようにした。
【0024】
そして、このラベル積層体S1からラベル取出し装置により各ラベル10A,10Bを一枚ずつに分離させて順々に取り出すにあたっては、図6に示すように、気体噴出装置31から上記のラベル積層体S1に対して、分離用切欠11が設けられたラベル10A,10Bの周辺部に向けて気体を吹き付けると共に、ラベル積層体S1の最上面に位置するラベル10A(又は10B)を吸引装置32により吸引して保持させるようにした。
【0025】
ここで、上記のように気体噴出装置31から分離用切欠11が設けられた各ラベル10A,10Bの周辺部に向けてラベル積層体S1に気体を吹き付けると、前記のように上のラベル10A(又は10B)と異なる位置に設けられた下のラベル10B(又は10A)における分離用切欠11の部分に気体が入り込んで、上下のラベル10A,10Bがこの気体によって分離されるようになり、このように分離された上のラベル10A(又は10B)だけが上記の吸引装置32によって適切に吸引されて保持され、各ラベル10A,10Bを一枚ずつ適切に分離させて順々に取り出すことができるようになった。
【0026】
そして、従来のインモールド成形用ラベルの場合と同様に、上記のように一枚ずつ適切に分離させて取り出された各ラベル10A,10Bを順々に成形用金型(図示せず)内に保持させて、上記のようなカップ状のプラスチック容器2の成形と同時に、ラベル10A(又は10B)をプラスチック容器2の外周面2aに貼付させるようにすると、これらの各ラベル10A,10Bが一枚ずつ適切に各プラスチック容器2の外周面2aに適切に貼付されるようになり、従来のように密着した2枚以上のラベルが一緒に成形用金型内に導かれて不良品が発生するということがなくなった。
【0027】
なお、この実施形態においては、2つの分離用切欠11の位置が異なる2種類のラベル10A,10Bを用い、この2種類のラベル10A,10Bを交互に積層させて、上下のラベル10A,10Bにおける分離用切欠11の位置が異なるラベル積層体S1を得るようにしたが、分離用切欠の位置が異なる3種類以上のラベルを用いるようにしたり、また各ラベルに設ける分離用切欠の数を1つ或いは3つ以上にしたりすることも可能である。
【0028】
また、この実施形態においては、2種類のラベル10A,10Bに凹状になった分離用切欠11を設けるようにしたが、この分離用切欠11の形状は特に限定されず、三角等の様々な形状にすることができる。
【0029】
ここで、上記のようにプラスチック容器2の外周面2aにラベル10A,10Bを貼付させた場合に、ラベル10A,10Bに形成された分離用切欠11が目立たないようにするため、図7に示すように、上記のラベル10A,10Bにおける円弧が長くなった上円孤の一部を直線状に切断させて、直線状になった僅かな分離用切欠11を設けるようにすることも可能である。なお、このような直線状になった僅かな分離用切欠11であっても、上記のように気体噴出装置31から分離用切欠11が設けられた各ラベル10A,10Bの周辺部に向けてラベル積層体S1に気体を吹き付けると、この僅かな分離用切欠11の部分に気体が入り込んで、上下のラベル10A,10Bがこの気体によって適切に分離されるようになる。また、上記の上円孤の一部を直線状に切断させる他、上円孤の円弧よりも更に半径が大きな緩やかな円弧状等に切断させることも可能である。
【0030】
(実施形態2)
この実施形態2においても、ラベル基材1としては、上記の実施形態1と同様に、ポリプロピレン等の樹脂で構成された表面層1aと、アルミニウム等の金属層1bと、上記の表面層1aよりも融点の低いポリプロピレン等の樹脂で構成された接着層1cとが一体に積層されたものを用いた。
【0031】
そして、上記のラベル基材1を用いて、前記の図2に示すようなカップ状のプラスチック容器2の外周面にインモールド成形によって貼付させるラベル10を作製するにあたり、図8(A),(B)に示すように、それぞれ平面が略扇形状で、円弧が長くなった上円孤の周辺部から上円孤に伸びた3本が1セットとなった切込み12を適当な位置にそれぞれ2つ設け、図9(A),(B)に示すように、上記の各切込み12によって下方に突出される分離用凸部13の位置が異なる2種類のラベル10C,10Dを作製するようにした。なお、このラベル10C,10Dの形状も、上記の実施形態1の場合と同様に、これらのラベル10C,10Dを貼付させるプラスチック容器2の形状などに対応させて適宜変更することができ、また切込み12によって形成する分離用凸部13の数も適宜変更することができる。
【0032】
ここで、上記の2種類のラベル10C,10Dを作製するにあたっては、図10に示すように、各ラベル10C,10Dの切込み12の位置に対応した切込み用切刃22が設けられた扇形状になった2種類の切断用切刃21C,21Dがローラの外周面にその周方向に順々に設けられたカッターローラ20を用い、このカッターローラ20における上記の2種類の切断用切刃21C,21Dより、上記のラベル基材1から上記の2種類のラベル10C,10Dを順々に切り抜いて、上記の2種類のラベル10C,10Dを順々に積層させるようにした。なお、上記の各切込み用切刃22はラベル10C,10Dを切断しないように、上記の切断用切刃21C,21Dよりも刃の高さを低くした。
【0033】
そして、この実施形態のラベル積層体S2においては、図11に示すように、このように作製された分離用凸部13の位置が異なる2種類のラベル10C,10Dを交互に積層させて、積層された上下のラベル10C,10Dにおける分離用凸部13の位置が重ならないようにし、積層された上下のラベル10C,10Dの周辺部に、上記の分離用凸部13による隙間が形成されるようにした。
【0034】
そして、このラベル積層体S2からラベル取出し装置により各ラベル10C,10Dを一枚ずつに分離させて順々に取り出すにあたっては、上記の実施形態1の場合と同様に、気体噴出装置31から上記のラベル積層体S2に対して、分離用凸部13が設けられたラベル10C,10Dの周辺部に向けて気体を吹き付けると共に、ラベル積層体S1の最上面に位置するラベル10C(又は10D)を吸引装置32により吸引して保持させるようにした。
【0035】
ここで、上記のように気体噴出装置31から分離用凸部13が設けられた各ラベル10C,10Dの周辺部に向けてラベル積層体S2に気体を吹き付けると、積層された上下のラベル10C,10Dの周辺部において、前記のように分離用凸部13によって形成された隙間に気体が入り込み、上下のラベル10C,10Dがこの気体によって分離されるようになり、このように分離された上のラベル10C(又は10D)だけが上記の吸引装置32によって適切に吸引されて保持され、各ラベル10C,10Dを一枚ずつ適切に分離させて順々に取り出すことができるようになった。
【0036】
この結果、この実施形態2におけるラベル積層体S2においても、上記の実施形態1のラベル積層体S1と同様に、上記のように一枚ずつ適切に分離させて取り出された各ラベル10C,10Dが順々に成形用金型(図示せず)内に適切に保持されるようになり、プラスチック容器2の成形と同時に、各ラベル10C,10Dが一枚ずつ適切に各プラスチック容器2の外周面2aに適切に貼付されるようになり、従来のように密着した2枚以上のラベルが一緒に成形用金型内に導かれて不良品が発生するということがなくなった。
【0037】
なお、この実施形態においては、切込み12によって下方に突出される分離用凸部13の位置が異なる2種類のラベル10C,10Dを交互に積層させて、上下のラベル10C,10Dにおける分離用凸部13の位置が異なるラベル積層体S2を得るようにしたが、分離用凸部の位置が異なる3種類以上のラベルを用いるようにしたり、また各ラベルに切込みによって形成する分離用凸部の位置を1つ或いは3つ以上にしたりすることも可能である。
【0038】
また、この実施形態においては、図11に示すように、各ラベル10C,10Dにおける分離用凸部13が下方に突出するようにして、各ラベル10C,10Dを交互に積層させたが、各ラベル10C,10Dにおける分離用凸部13が上方に突出するようにして、各ラベル10C,10Dを交互に積層させるようにすることもできる。
【0039】
さらに、この実施形態においては、上記のように各ラベル10C,10Dに切込み12によって下方に突出された分離用凸部13を形成するにあたり、円弧が長くなった上円孤の周辺部から上円孤に伸びた切込み12を設けるようにしたが、図12に示すように、上記の切込み12を、上円孤の周辺部においてこの円弧に沿って設けるようにすることも可能である。
【0040】
また、この実施形態においては、ラベル10C,10Dに切込み12を設けて分離用凸部13を形成するにあたり、切込み12がラベル10C,10Dを切断しないようにしたが、上記のような分離用凸部13が形成されるのであれば、上記の切込み12の少なくとも一部がラベル10C,10Dを切断するようになっていてもよい。
【0041】
なお、上記の実施形態1,2においては、ラベルがインモールド成形用ラベルの場合について説明したが、常温において粘着性を有していない通常のラベルにおいても、上記の場合と同様に構成することにより、このようなラベルを積層させたラベル積層体から、各ラベルを一枚ずつ適切に分離させて取り出すことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の実施形態において使用したラベル基材の断面説明図である。
【図2】この発明の実施形態において、カップ状のプラスチック容器の外周面にインモールド成形によってラベルを貼付させた状態を示した概略斜視図である。
【図3】(A),(B)は、この発明の実施形態1において使用する2種類のラベルを示し、平面が略扇形状で、円弧が長くなった上円孤の異なった位置にそれぞれ2つの分離用切欠が形成された状態を示した概略平面図である。
【図4】上記の実施形態1において使用する2種類のラベルを作製するのに使用するカッターローラを示し、2種類のラベルの形状に対応した2種類の切断用切刃が形成されたカッターローラの外周面の展開図である。
【図5】上記の実施形態1におけるラベル積層体を示し、分離用切欠の位置が異なる2種類のラベルを交互に積層させた状態を示した概略側面図である。
【図6】上記の実施形態1におけるラベル積層体から、ラベル取出し装置によってラベルを一枚ずつ分離させて取り出す状態を示した概略説明図である。
【図7】上記の実施形態1において、ラベルに設ける分離用切欠の変更例を示した部分拡大説明図である。
【図8】(A),(B)は、この発明の実施形態2において使用する2種類のラベルを示し、平面が略扇形状で、円弧が長くなった上円孤の異なった位置にそれぞれ切込みを形成した状態を示した概略平面図である。
【図9】(A),(B)は、上記の実施形態2において使用する2種類のラベルにおいて、上記の切込みにより円弧が長くなった上円孤の異なった位置にそれぞれ分離用凸部が形成された状態を示した概略側面図である。
【図10】上記の実施形態2において使用する2種類のラベルを作製するのに使用するカッターローラを示し、2種類のラベルの切込みの位置に対応した切込み用切刃が設けられた2種類の切断用切刃が形成されたカッターローラの外周面の展開図である。
【図11】上記の実施形態2におけるラベル積層体を示し、分離用凸部の位置が異なる2種類のラベルを交互に積層させた状態を示した概略側面図である。
【図12】上記の実施形態2において、ラベルに設ける切込みの方向を変更させた変更例を示した部分拡大説明図である。
【符号の説明】
【0043】
1 ラベル基材
1a 表面層
1b 金属層
1c 接着層
2 プラスチック容器
2a 外周面
10,10A〜10D ラベル
11 分離用切欠
12 切込み
13 分離用凸部
20 カッターローラ
21A〜21D 切断用切刃
22 切込み用切刃
31 気体噴出装置
32 吸引装置
S1,S2 ラベル積層体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のラベルが積層されたラベル積層体において、各ラベルの周辺部に分離用切欠が設けられ、積層された上下のラベルにおける分離用切欠の位置が異なることを特徴とするラベル積層体。
【請求項2】
複数枚のラベルが積層されたラベル積層体において、各ラベルの周辺部に分離用凸部が設けられ、積層された上下のラベルにおける分離用凸部の位置が異なることを特徴とするラベル積層体。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載されたラベル積層体において、上記のラベルがインモールド成形用ラベルであることを特徴とするラベル積層体。
【請求項4】
請求項1〜請求項2の何れか1項に記載されたラベル積層体からラベルを分離させて順々に取り出すラベル取出し装置において、分離用切欠又は分離用凸部が設けられたラベルの周辺部に向けてラベル積層体に気体を吹き付ける気体噴出装置と、ラベル積層体の最上面に位置するラベルを吸引して分離させる吸引装置とを備えることを特徴とするラベル取出し装置。
【請求項1】
複数枚のラベルが積層されたラベル積層体において、各ラベルの周辺部に分離用切欠が設けられ、積層された上下のラベルにおける分離用切欠の位置が異なることを特徴とするラベル積層体。
【請求項2】
複数枚のラベルが積層されたラベル積層体において、各ラベルの周辺部に分離用凸部が設けられ、積層された上下のラベルにおける分離用凸部の位置が異なることを特徴とするラベル積層体。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載されたラベル積層体において、上記のラベルがインモールド成形用ラベルであることを特徴とするラベル積層体。
【請求項4】
請求項1〜請求項2の何れか1項に記載されたラベル積層体からラベルを分離させて順々に取り出すラベル取出し装置において、分離用切欠又は分離用凸部が設けられたラベルの周辺部に向けてラベル積層体に気体を吹き付ける気体噴出装置と、ラベル積層体の最上面に位置するラベルを吸引して分離させる吸引装置とを備えることを特徴とするラベル取出し装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−72301(P2010−72301A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−239240(P2008−239240)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(000205306)大阪シーリング印刷株式会社 (90)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(000205306)大阪シーリング印刷株式会社 (90)
【Fターム(参考)】
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