説明

ラベル装着装置

【課題】ラベル側を上昇または降下させることによって、被装着体にラベルを装着することができるように、ラベルの拡開機構及び保持機構を簡素化する。
【解決手段】開閉可能な一対の拡開爪34a、34b(34)によって所定状態に拡開された筒状のラベルLを、拡開爪34との間に挟み込むように、開閉可能な一対の把持アーム35a、35b(35)によって外方から把持した状態で、ラベルLをボトルに嵌挿した後、拡開爪34及び把持アーム35によるラベルLの拡開及び把持を解除してラベルLから拡開爪34を抜き取ることによって、ラベルLをボトルに装着するようになっている。拡開爪34と把持アーム35とが逆動作するように、拡開爪34と把持アーム35とが相互に連結されており、拡開爪34を開くことによってラベルLを所定状態に拡開した時点で、拡開爪34の開動作に伴って閉動作を行う把持アーム35が、拡開爪34によって拡開されたラベルLを把持するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、瓶、ボトル等の被装着体に筒状のストレッチラベルやシュリンクラベルを装着するためのラベル装着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、飲料容器であるPETボトル等のボトルの胴部外周面に筒状のストレッチラベルを装着するラベル装着装置としては、複数の装着ヘッドを備えたロータリ型のラベル装着装置があり、各装着ヘッドには、図12(a)に示すように、シート状に折り畳まれた状態で供給される筒状のストレッチラベルを予備的に開口する、先端に吸引部を有する開閉可能な一対の開口アーム61と、この開口アーム61によって開口されたストレッチラベルをボトルの外径より大きく拡開する開閉可能な一対の拡開爪62と、ボトルBを載置した状態で昇降する昇降台63とが設けられている。
【0003】こういったラベル装着装置では、以下のようにして、ボトルBに筒状のストレッチラベルLが装着される。まず、図12(a)に示すように、シート状に折り畳まれた状態で供給される筒状のストレッチラベルLを開口アーム61によって把持した後、その把持したストレッチラベルLを吸引部によってそれぞれ吸引保持した状態で、同図(b)に示すように、開口アーム61の把持面を相互に離間させることでシート状に折り畳まれたストレッチラベルLを予備的に開口させる。
【0004】次に、同図(c)に示すように、開口アーム61を降下させることによって、開口したストレッチラベルLを閉じた状態の拡開爪62に嵌挿した後、同図(d)に示すように、拡開爪62を開くことによってストレッチラベルLの下端部を拡開する。このとき、ストレッチラベルLの拡開部分を開口アーム61が把持することによって、ストレッチラベルLの下端部を拡開爪62に保持する。
【0005】続いて、同図(e)に示すように、ボトルBを載置した昇降台63が上昇することによって、拡開されたストレッチラベルLにボトルBが挿入された後、同図(f)に示すように、ストレッチラベルLの拡開部分を把持していた開口アーム61が、拡開されていないストレッチラベルLの上端部分を把持することによって、ストレッチラベルLの上端部をボトルBに保持する。
【0006】そして、同図(g)に示すように、昇降台63がさらに上昇することによって、拡開爪62がストレッチラベルLから抜き取られ、ストレッチラベルLがボトルBに完全に装着される。最後に、同図(h)に示すように、開口アーム61及び拡開爪62がさらに開いた状態で、昇降台63が降下することによって、ストレッチラベルLが装着されたボトルBがラベル装着レベルから退避し、所定のボトル排出位置から排出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したようなラベル装着装置では、昇降台63に載置されたボトルBがラベル装着レベルまで上昇していくことによって、ラベル装着レベルにおいて下端部が拡開されたストレッチラベルLにボトルBが挿入されるようになっているが、高速運転されるラベル装着装置では、昇降台63の昇降速度も速くなるので、ボトルBを載置した昇降台63を昇降させる際に、昇降台63上でボトルBが位置ずれを起こしたり、転倒したりするおそれがあり、ストレッチラベルLを安定した状態で確実にボトルBに装着することができないといった問題がある。従って、ボトルBを昇降させることなく、逆に、ストレッチラベルLを所定位置から上昇または降下させることによって、ストレッチラベルLをボトルBに装着することが望まれている。
【0008】このように、ストレッチラベルLを上昇または降下させようとすると、ストレッチラベルLを拡開する拡開爪62や、ストレッチラベルLを予備的に開口すると共に拡開されたストレッチラベルLを拡開爪62に保持する開口アーム61を共に昇降させなければならないが、拡開爪62や開口アーム61は、それぞれ異なる開閉動作を行うものであるため、それぞれ個別に開閉機構等が付設されており、こういった開閉機構等を含めたラベル拡開手段やラベル開口手段全体を昇降させなければならないので、これらの昇降機構が大型化すると共に複雑化するので、構造的に拡開爪62や開口アーム61を昇降させにくいといった問題がある。
【0009】そこで、この発明の課題は、この種のラベル装着装置において、ラベル側を昇降させることによって被装着体にラベルを装着することができるように、ラベルの拡開機構及び保持機構を簡素化することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、開閉可能な一対の拡開爪によって所定状態に拡開された筒状のラベルを、前記拡開爪との間に挟み込むように、開閉可能な一対の把持アームによって外方から把持した状態で、前記ラベルを被装着体に嵌挿した後、前記拡開爪及び前記把持アームによる前記ラベルの拡開及び把持を解除して前記ラベルから前記拡開爪を抜き取ることによって、前記ラベルを前記被装着体に装着するようにしたラベル装着装置において、前記拡開爪と前記把持アームとが逆動作するように、前記拡開爪と前記把持アームとが相互に連結されており、前記拡開爪を開くことによって前記ラベルを所定状態に拡開した時点で、前記拡開爪の開動作に伴って閉動作を行う前記把持アームが、前記拡開爪によって拡開された前記ラベルを把持するようになっていることを特徴とするラベル装着装置を提供するものである。
【0011】以上のように、このラベル装着装置は、拡開爪と把持アームとが、相互に逆動作するように連結されており、しかも、拡開爪を開くことによってラベルを所定状態に拡開した時点で、把持アームがラベルを把持するようになっているので、拡開爪または把持アームのいずれか一方を開閉することによって、拡開爪及び把持アームによるラベルの拡開及び把持やその解除を行うことができる。
【0012】従って、拡開爪及び把持アームの開閉機構をそれぞれ個別に設ける必要がなく、共通の開閉機構によって拡開爪及び把持アームの双方の開閉動作を行うことができるので、拡開爪及び把持アームを昇降させる場合の昇降機構が、構造的に複雑になったり、大型化したりすることがなく、拡開爪や把持アームを容易に昇降させることができるようになる。これによって、所定の高さ位置に保持した状態の被装着体に、拡開されたラベルを嵌挿することが可能となり、被装着体に対するラベルの装着を安定した状態で確実に行うことができる。
【0013】また、請求項2に係る発明のラベル装着装置のように、シート状に折り畳まれた筒状の前記ラベルを把持すると共に前記ラベルの把持面をそれぞれ吸引した後、前記ラベルの把持を解除して相互に離間することによって前記ラベルを予備的に開口させる、先端に吸引部が設けられた開閉可能な一対の開口アームを設け、前記開口アームが、シート状に折り畳まれた状態の前記ラベルを予備的に開口した後、前記ラベルに導入された前記拡開爪が、前記開口アームとの間に前記ラベルを挟み込むまでの間、前記開口アームが前記ラベルに対する吸引動作を継続するようにしておくと、シート状に折り畳まれた状態から所定状態に拡開されるまでの間、少なくとも、開口アームまたは拡開爪によってラベルが確実に保持され、全くフリーな状態になることがないので、開口アームによる吸引を解除した時点でラベルが位置ずれを起こすことがなく、被装着体の所定位置に確実にラベルを装着することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、PETボトル(以下、ボトルという。)Bにポリエチレン系樹脂製の弾性伸縮性フィルムによって形成された筒状のストレッチラベル(以下、ラベルという。)Lを装着するためのラベル装着システム1を示しており、このラベル装着システム1は、ベルトコンベア7、スターホイール2a、スクリューコンベア2b及びスターホイール2cからなるボトル供給装置2と、基材繰出部3aによって基材ロールから繰り出された長尺のラベル形成基材Mを順次切断しながらラベルLを形成し、そのラベルLを第1のラベル受渡位置αに順次供給するラベル供給装置3と、このラベル供給装置3によって第1のラベル受渡位置αに供給されたラベルLを受け取って第2のラベル受渡位置βに搬送するラベル受渡装置4と、ボトル供給位置γにおいて前記ボトル供給装置2から供給されたボトルBを受け取り、ボトル送出位置δまで搬送すると共に、前記ラベル受渡装置4によって搬送されてきたラベルLを第2のラベル受渡位置βにおいて受け取り、ボトルBをボトル供給位置γからボトル送出位置δまで搬送する間に、ラベルLをボトルBに装着するロータリ型のラベル装着装置5と、このラベル装着装置5によってラベルLが装着されたボトルBを搬出する、スターホイール6a、スクリューコンベア6b及びベルトコンベア7からなるボトル搬送装置6とから構成されている。
【0015】なお、前記ラベル形成基材Mは、ボトルBに装着する筒状のラベルLが連続的に繋がったものであり、前記基材繰出部3aにおいてはシート状に折り畳んだ状態でドラムに巻回されている。また、基材繰出部3aから繰り出されたシート状のラベル形成基材Mは、ボトルBにラベルLを装着する際に再び筒状に開きやすくするために、その供給途中において折り返すことで折り畳み位置を変化させるようにしている(図1参照)。
【0016】前記ラベル装着装置5は、図1及び図2に示すように、回転軸(図示せず)から放射状に張り出した複数の支持アーム11、12、13を介して、回転軸を中心とした同心円上に一定間隔で取り付けられた多数のラベル装着ヘッド10を備えており、各ラベル装着ヘッド10によって、第2のラベル受渡位置βにおいて受け取ったシート状に折り畳まれた筒状のラベルLがボトルBの外径より大きく拡開され、この拡開されたラベルLが、ボトル供給位置γにおいて受け取ったボトルBがボトル送出位置δまで搬送される途中で、ボトルBの胴部に装着されるようになっている。
【0017】前記ラベル装着ヘッド10は、第2のラベル受渡位置βにおいて受け取ったシート状に折り畳まれた筒状のラベルLを、予備的に開口するラベル開口手段20と、ラベル開口手段20によって予備的に開口されたラベルLの下端開口部をボトルBの外径より大きく拡開するラベル拡開手段30と、ボトル供給位置γにおいて受け取ったボトルBをラベル装着レベルに保持するボトル保持手段50とから構成されている。
【0018】前記ラベル開口手段20は、図2ないし図4R>4に示すように、開閉可能な一対の開口アーム21と、この開口アーム21の把持部21aに形成された吸引口から吸引することで開口アーム21に把持されたラベルLの両面をそれぞれ把持部21aに吸引保持させる図示しない吸引手段と、開口アーム21を開閉させる開閉駆動手段22とから構成されており、このラベル開口手段20は、ラベル受渡装置4によって搬送されてきたシート状に折り畳まれた状態のラベルLを、第2のラベル受渡位置βにおいて、開口アーム21が把持することによって受け取った後、ラベルLの両面を把持部21aがそれぞれ吸引保持した状態で、その開口アーム21を開いてラベルLの両面を相互に離間させることにより、ラベルLを筒状に開口するようになっている。
【0019】なお、ラベル受渡装置4は、図1〜図3に示すように、第1のラベル受渡位置αと第2のラベル受渡位置βとを通るように回転するアームの先端にシート状のラベルLの片面を吸着する「コ」字状のラベル吸着部4aを有しており、このラベル吸着部4aに吸着されているラベルLを開口アーム21の把持部21aが挟み込んでラベル吸着部4aから離間させることによって、ラベルLの受け渡しが行われる。
【0020】前記開閉駆動手段22は、図2ないし図4に示すように、開口アーム21を常時閉方向に付勢するコイルバネ23と、相互に交差した状態で、開口アーム21が取り付けられた回動軸に一端側がそれぞれ固定された一対の操作アーム24と、この操作アーム24を介して開口アーム21を開閉させるカム機構25、27とを備えている。
【0021】前記カム機構25は、操作アーム24の他端側にそれぞれ取り付けられた一対のカムフォロア25aと、この一対のカムフォロア25aにそれぞれ当接するカム面を有するカム板25bとから構成されており、このカム板25bは、支持アーム11に取り付けられたベース部分20aにスライド自在に支持された駆動杆26に連結されている。
【0022】前記カム機構27は、駆動杆26の後端部に取り付けられたカムフォロア27aと、このカムフォロア27aが嵌り込むカム溝を有する環状のカム板27bとから構成されており、図4(a)〜(d)に示すように、このカム機構27によって、駆動杆26を介してカム板25bを一対のカムフォロア25a間で進退させることによって、開口アーム21を開閉させるようになっている。
【0023】前記カム板25bは、一対のカムフォロア25aが当接するカム面がそれぞれ異なる形状を有しており、同図(a)に示すように、シート状に折り畳まれた状態のラベルLを吸引把持した状態で、同図(b)に示すように、カム板25bを一旦後退させると、一方の開口アーム21が僅かに開きながら他方の開口アーム21が僅かに閉じることで、ラベルLを吸引把持している把持部21aが相互に位置ずれを起こし、これによって、ラベルLに捻りが加えられるので、長尺のラベル形成基材Mを順次切断することによって形成されたラベルLの両端開口部に生じている融着(擬似接着)状態が解除される。
【0024】続いて、同図(c)に示すように、カム板25bを所定位置まで前進させると、開口アーム21が基準位置まで開いてラベルLが容易に開口し、ラベル拡開手段30に引き渡すことができる状態となる。また、ラベルLをラベル拡開手段30に引き渡した後は、同図(d)に示すように、カム板25bをさらに前進させることによって開口アーム21を大きく開き、ラベル拡開手段30がラベルLを所定状態に拡開した時点で、ラベルLが開口アーム21から引き離される。
【0025】前記ラベル拡開手段30は、図2、図5〜図7に示すように、支持アーム12、12に上下方向にスライド自在に支持された操作杆31と、この操作杆31の下端部に取り付けられた支持部材32に開閉可能に支持された、先端に拡開爪34を有する一対の開閉アーム33と、この一対の開閉アーム33にそれぞれ連結された一対の把持アーム35と、開閉アーム33を開閉させる開閉駆動手段37と、開閉アーム33及びその開閉駆動手段37を共に昇降させる昇降駆動手段47とから構成されている。
【0026】前記把持アーム35は、図7(a)〜(c)に示すように、拡開爪34によって拡開されたラベルLを、拡開爪34との間に挟み込むように、外方から把持するものであり、それぞれの把持アーム35は、先端部に拡開爪34の外面に沿うような把持面を有する把持部材36が取り付けられている。
【0027】また、一方の開閉アーム33aの拡開爪34aとの間にラベルLを挟み込む一方の把持アーム35aは、その基端部が他方の開閉アーム33bの中間部分に回動可能に軸支されており、他方の開閉アーム33bの拡開爪34bとの間にラベルLを挟み込む他方の把持アーム35bは、その基端部が一方の開閉アーム33aの中間部分に回動可能に軸支されている。
【0028】また、それぞれの把持アーム35(35a、35b)には、その基端部にガイド穴35A、35Bが形成されており、一方の把持アーム35aに形成されたガイド穴35Aには、一方の開閉アーム33aの中間部分に取り付けられたボルト33Aの軸部が挿通されており、他方の把持アーム35bに形成されたガイド穴35Bには、他方の開閉アーム33bの中間部分に取り付けられたボルト33Bの軸部が挿通されている。
【0029】従って、同図(a)、(b)に示すように、拡開爪34(34a、34b)を有する開閉アーム33(33a、33b)が開くと把持アーム35(35a、35b)が閉じ、拡開爪34を有する開閉アーム33が閉じると把持アーム35が開くといった具合に、拡開爪34と把持アーム35とは相互に逆動作するようになっており、同図(a)に示すように、閉じた状態の拡開爪34に筒状のラベルLを嵌挿した後、同図(b)に示すように、開閉アーム33を開くことで、拡開爪34によってラベルLをボトルBの外径より大きく拡開すると、把持アーム35に取り付けられた把持部材36の把持面が、拡開爪34との間にラベルLを挟み込むような状態で、ラベルLを外方から把持するようになっている。
【0030】前記開閉駆動手段37は、図2、図5〜図7R>7に示すように、開閉アーム33を常時閉方向に付勢するバネ38と、開閉アーム33の基端部側にそれぞれ取り付けられた一対のローラ39と、両ローラ39間に挿入されることで両ローラ39に当接するカム面を備えたカム部材40が下端部に取り付けられた操作ロッド41と、この操作ロッド41を2段階で降下させるエアシリンダ42とを備えており、操作ロッド41は、上下動可能に操作杆31に挿通された状態で、操作杆31の上部に固定設置されたエアシリンダ42のロッドに連結されている。
【0031】また、エアシリンダ42は、図2に示すように、エアホース43及びメカニカルバルブ44を介してエア供給源(図示せず)に接続されており、このメカニカルバルブ44に設けられた開閉スイッチ45がカム板46に当接することによって、メカニカルバルブ44が開いてエアが供給され、エアシリンダ42が作動するようになっている。
【0032】従って、図6(a)に示すように、操作ロッド41が最上位にある状態では、カム部材40の小径部分にローラ39が当接しているので、図7(a)に示すように、開閉アーム33が閉じた状態、即ち、ラベル開口手段20によって予備的に開口されたラベルLを拡開爪34に嵌挿できる状態になっているが、エアシリンダ42が作動して、図6(b)に示すように、操作ロッド41が最下位まで降下すると、カム部材40の最大径部分にローラ39が当接することになるので、カム部材40によってローラ39が外側に押し広げられ、これに伴って、図7(b)に示すように、開閉アーム33が最大限に開いた状態、即ち、拡開爪34がラベルLをボトルBの外径より大きく拡開した状態となる。なお、この状態では、上述したように、逆動作する把持アーム35が拡開爪34との間にラベルLを挟み込んだ状態となっている。
【0033】続いて、エアシリンダ42が作動して、図6R>6(c)に示すように、操作ロッド41が僅かに上昇すると、最大径より僅かに小さいカム部材40の大径部分にローラ39が当接することになるので、ローラ39が僅かに内側に接近し、これに伴って、図7(c)に示すように、開閉アーム33が僅かに閉じると共に把持アーム35が僅かに開いた状態、即ち、拡開爪34をラベルLから抜き取ることができる状態となる。
【0034】前記昇降駆動手段47は、図2に示すように、操作杆31の上端部に取付アームを介して取り付けられたカムフォロア48と、このカムフォロア48が嵌り込むカム溝を有するカム板49とによって構成されており、このカムフォロア48及びカム板49からなるカム機構によって、操作杆31を上下動させることで、開閉アーム34及びその開閉駆動手段37を共に昇降させるようになっている。
【0035】前記ボトル保持手段50は、図8及び図9(a)、(b)に示すように、支持アーム13に固定設置されたボトル載置台51と、このボトル載置台51に載置されたボトルBの胴部を把持する一対のボトル把持アーム52と、このボトル把持アーム52の開閉駆動手段54とを備えており、一対のボトル把持アーム52は、支持アーム13にそれぞれ回転可能に支持された2本の支軸53a、53bの上端部にそれぞれ固定されている。
【0036】前記開閉駆動手段54は、同図に示すように、一端側が2本の支軸53a、53bの下端部にそれぞれ固定され、相互に逆方向に回動するように他端側が連結された一対の回動アーム55a、55bと、一方の回動アーム55aを所定方向に付勢することで一対のボトル把持アーム52を常時閉方向に付勢するコイルバネ56と、他方の支軸53bの下端部に固定されたアーム57の先端部に取り付けられたカムフォロア58と、このカムフォロア58が当接するカム面を有するカム板59とから構成されており、カムフォロア58及びカム板59からなるカム機構によって、他方の支軸53bを適宜回転させることで、一対のボトル把持アーム52を開閉させるようになっている。なお、回動アーム55aは、図9(b)に示すように、支持アーム13に取り付けられたストッパSに当接することによってその動きが規制されており、ボトル把持アーム52が必要以上に閉じないようになっている。
【0037】以上のように構成されたラベル装着装置5は、まず、図10(a)に示すように、ラベル受渡装置4によってラベル受渡位置βに搬送されてきたシート状に折り畳まれた状態の筒状のラベルLを、開口アーム21が吸引把持することにより受け取る。このとき、ボトル載置台51には、前工程において既にラベルLが装着されたボトルBがボトル把持アーム52に把持された状態で載置されており、拡開爪34及び把持アーム35は、ボトルBよりも下方側に位置している。
【0038】次に、同図(b)に示すように、ラベルLを吸引把持している開口アーム21が徐々に開きながら、シート状に折り畳まれたラベルLを徐々に開口していくが、このとき、ボトル送出位置δでは、ボトル把持アーム52によるボトルBの把持が解除され、ラベルLが装着されたボトルBがボトル搬送装置6に引き渡された後、拡開爪34及び把持アーム35が上昇する。
【0039】そして、ラベル装着ヘッド10がボトル供給位置γに到達した時点では、同図(c)に示すように、ラベルLは、その直下に位置している拡開爪34を挿入することができる状態まで開口されており(図4(c)参照)、ボトル供給装置2から引き渡された新たなボトルBがボトル載置台51に載置された後、このボトルBの胴部がボトル把持アーム52によって把持される。なお、この時点で、拡開爪34は全閉状態となっており、逆動作する把持アームは全開状態となっている(図7(a)参照)。
【0040】続いて、同図(d)に示すように、所定状態に開口されたラベルLに挿入された拡開爪34は徐々に開いていき、同図(e)に示すように、ラベルLの下端部が、開口アーム21と拡開爪34との間に挟み込まれた後、同図(f)(図11(f))に示すように、ラベルLの下端部を挟み込んでいる開口アーム21と拡開爪34とがさらに開いて、拡開爪34が全開状態となる。この時点で、ラベルLの下端部は、拡開爪34によってボトルBの外径よりも大きく拡開されており、その拡開されたラベルLの下端部を、全開状態である拡開爪34との間に挟み込むように、全閉状態である把持アーム35が外方から把持しているので、ラベルLが拡開爪34に保持された状態となっている(図7(b)参照)。
【0041】また、開口アーム21は、拡開爪34が全開状態になった後も引き続き開いて、図4(d)に示すような全開状態になることによって、開口アーム21がラベルLを吸引保持することができなくなり、ラベルLが拡開爪34に引き渡される。このように、開口アーム21は、拡開爪34が挿入された時点で直ちにラベルLの吸引を解除することはなく、ラベルLの下端部が拡開爪34との間に挟み込まれるまでの間は吸引動作を継続しているので、ラベルLが開口アーム21から拡開爪34に引き渡される際にラベルLがフリーな状態になることがない。従って、ラベルLは、位置ずれを起こすことなく、開口アーム21から拡開爪34に確実に引き渡される。
【0042】続いて、図11(g)に示すように、ラベルLの下端部を拡開した状態で保持している拡開爪34及び把持アーム35が降下することによって、拡開されたラベルLの下端部がボトルBの頭部に嵌挿され、同図(h)に示すように、ボトル把持アーム52が大きく開くことによって、拡開爪34及び把持アーム35の移動経路から退避した後、ラベルLを保持している拡開爪34及び把持アーム35がさらに降下することによってラベルLがボトルBの胴部に完全に嵌挿される。なお、ボトル把持アーム52が大きく開くことによって、一時的にボトルBの把持が解除されることになるが、ボトル把持アーム52がボトルBの把持を解除した時点では、ラベルLと共に拡開爪34がボトルBに嵌挿されているので、ボトルBが位置ずれを起こしたり、転倒したりすることはない。
【0043】このようにして、ボトルBの胴部にラベルLが嵌挿されると、同図(i)に示すように、ラベルLが嵌挿されたボトルBの胴部をボトル把持アーム52が再び把持し、拡開爪34が僅かに閉じると共に把持アーム35が僅かに開くことによってラベルLの保持を解除した後(図7(c)参照)、同図(j)に示すように、拡開爪34及び把持アーム35が降下することによって、ラベルLから拡開爪34が抜き取られ、ラベルLがボトルBの胴部に完全に装着される。なお、ラベルLから拡開爪34を抜き取る時点では、上述したように、ボトル把持アーム52がボトルBの胴部を把持することによって、ラベルLがボトルBに保持されているので、ラベルLから拡開爪34を抜き取る際に、ラベルLが下方側にずれ下がることがない。
【0044】以上のように、このラベル装着装置5は、ラベルLを拡開する拡開爪34を有する開閉アーム33と、ラベルLを拡開爪34との間に挟み込むように把持する把持アーム35とを、相互に逆動作するように連結し、拡開爪34を開くことによってラベルLを所定状態に拡開した時点で、把持アーム35がラベルLを把持する構成を採用したので、拡開爪34を有する開閉アーム33と把持アーム35の開閉機構をそれぞれ個別に設ける必要がなく、上述したような共通の開閉駆動手段37によって拡開爪34及び把持アーム35の双方の開閉動作を行うことができる。
【0045】従って、拡開爪34及び把持アーム35を昇降させる昇降機構が、構造的に複雑になったり、大型化することがなく、上述したような簡単なカム機構によって構成された昇降駆動手段47によって拡開爪34や把持アーム35を容易に昇降させることができるので、ラベルLを拡開した状態で保持している拡開爪34及び把持アーム35を降下させることによって、所定の高さ位置に固定設置されたボトル載置台51に載置した状態のボトルBにラベルLを装着することが可能となり、ボトルBに対するラベルLの装着を安定した状態で確実に行うことができる。
【0046】なお、上述した実施形態では、ストレッチラベルLをボトルBに装着する場合について説明したが、このラベル装着装置5は、ストレッチラベルLをボトルBに装着する場合だけでなく、筒状のシュリンクラベルをボトルに装着する場合にも使用することができる。
【0047】また、このラベル装着装置5は、上述したように、拡開爪34がラベルLを拡開する際、シート状に折り畳まれた状態のラベルLを開口している開口アーム21が、ラベルLの下端部を拡開爪34との間に挟み込むようになっており、しかも、ラベルLが拡開爪34と開口アーム21との間に挟み込まれるまで、開口アーム21による吸引動作を継続するようになっているので、ラベルLがシート状に折り畳まれた状態から所定状態に拡開されるまでの間、少なくとも、開口アーム21または拡開爪34によってラベルLが確実に保持され、ラベルLが位置ずれを起こすことがない。従って、筒状のラベルLをボトルBの所定位置に確実に装着することができ、角型のボトルに筒状のシュリンクラベルを装着する場合のように、ボトルの周方向に対するラベル(印刷・デザイン)の装着位置がある程度定められている場合に特に効果的である。
【0048】また、従来のラベル装着装置では、拡開爪によって拡開されたラベルLを開口アームによって外方から把持することでラベルを拡開爪に保持するといった具合に、シート状に折り畳まれたラベルを開口する開口アームが、ラベルを拡開爪に保持する機能をも兼ね備えていたが、開口アームは、シート状に折り畳まれた状態のラベルを吸引把持しなければならないので、拡開爪の外面に沿わすように湾曲した形状を有する大きな把持面を確保することができず、十分な保持機能が得られなかった。このため、ボトルに装着する際に大きな力が加わるストレッチラベルについては、開口アームによって把持されていない部分がずれ上がってしまい、綺麗に装着することができないといった問題があった。
【0049】これに対して、このラベル装着装置5では、開口アーム21とは個別にラベルLを拡開爪34に保持するための把持アーム35を設ける構成を採用したので、拡開爪34の外面に沿うような湾曲した大きな把持面を有する把持部材36を取り付けることが可能となり、ラベルの保持力を十分に確保することができるので、ボトルに装着する際に大きな力が加わるストレッチラベルについても、一部分がずれ上がることなく、ボトルに綺麗に装着することができる。
【0050】なお、上述した実施形態では、拡開爪34を有する開閉アーム33を開閉駆動手段37によって開閉することで、把持アーム35を逆動作させるようにしているが、これに限定されるものではなく、把持アーム35側を開閉させることによって、拡開爪34を逆動作させることも可能である。
【0051】また、この実施形態では、PETボトルにストレッチラベルを装着する場合について説明したが、被装着体は上述したようなPETボトルに限定されるものではなく、本発明のラベル装着装置は、瓶、缶等の種々の容器や筒状体にストレッチラベルやシュリンクラベルを装着する場合に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるラベル装着装置の一実施形態を備えたラベル装着システムを示す概略平面図である。
【図2】同上のラベル装着装置におけるラベル装着ヘッドを示す概略図である。
【図3】同上のラベル装着ヘッドにおけるラベル開口手段を示す側面図である。
【図4】(a)〜(d)は同上のラベル開口手段によるラベルの開口動作を説明するための動作説明図である。
【図5】同上のラベル装着ヘッドにおけるラベル拡開手段を示す側面図である。
【図6】(a)〜(c)は同上のラベル拡開手段における開閉駆動手段の動作を説明するための動作説明図である。
【図7】(a)〜(c)は同上のラベル拡開手段によるラベルの拡開動作を説明するための動作説明図である。
【図8】同上のラベル装着ヘッドにおけるボトル保持手段を示す側面図である。
【図9】(a)、(b)は同上のボトル保持手段を示す平面図である。
【図10】(a)〜(f)は同上のラベル装着装置によるラベルの装着動作を説明するための動作説明図である。
【図11】(f)〜(j)は同上のラベル装着装置によるラベルの装着動作を説明するための動作説明図である。
【図12】従来のラベル装着装置によるラベルの装着動作を説明するための動作説明図である。
【符号の説明】
1 ラベル装着システム
5 ラベル装着装置
10 ラベル装着ヘッド
20 ラベル開口手段
21 開口アーム
21a 把持部
22 開閉駆動手段
30 ラベル拡開手段
33 開閉アーム
34 拡開爪
35 把持アーム
36 把持部材
37 開閉駆動手段
47 昇降駆動手段
50 ボトル保持手段
51 ボトル載置台
52 ボトル把持アーム
54 開閉駆動手段
B PETボトル
L ストレッチラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】 開閉可能な一対の拡開爪によって所定状態に拡開された筒状のラベルを、前記拡開爪との間に挟み込むように、開閉可能な一対の把持アームによって外方から把持した状態で、前記ラベルを被装着体に嵌挿した後、前記拡開爪及び前記把持アームによる前記ラベルの拡開及び把持を解除して前記ラベルから前記拡開爪を抜き取ることによって、前記ラベルを前記被装着体に装着するようにしたラベル装着装置において、前記拡開爪と前記把持アームとが逆動作するように、前記拡開爪と前記把持アームとが相互に連結されており、前記拡開爪を開くことによって前記ラベルを所定状態に拡開した時点で、前記拡開爪の開動作に伴って閉動作を行う前記把持アームが、前記拡開爪によって拡開された前記ラベルを把持するようになっていることを特徴とするラベル装着装置。
【請求項2】 シート状に折り畳まれた筒状の前記ラベルを把持すると共に前記ラベルの把持面をそれぞれ吸引した後、前記ラベルの把持を解除して相互に離間することによって前記ラベルを予備的に開口させる、先端に吸引部が設けられた開閉可能な一対の開口アームを有し、前記開口アームが、シート状に折り畳まれた状態の前記ラベルを予備的に開口した後、前記ラベルに導入された前記拡開爪が、前記開口アームとの間に前記ラベルを挟み込むまでの間、前記開口アームが前記ラベルに対する吸引動作を継続するようにした請求項1に記載のラベル装着装置。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2002−284130(P2002−284130A)
【公開日】平成14年10月3日(2002.10.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−85168(P2001−85168)
【出願日】平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願人】(000238005)株式会社フジシール (641)
【Fターム(参考)】