ラベル装着装置
【課題】 ラベルを適切に装着することが可能であるラベル装着装置を提供すること。
【解決手段】 筒状のラベルLbをボトルBtに装着するラベル装着装置1であって、ラベルLbを開口した状態で保持するラベルオープナ4と、ボトルBtの上方に位置しかつボトルBtの上端に相対しているとともに、外筒部301およびこの外筒部301に挿通された先端部302からなるヘッド30を有するマンドレル3と、を備えており、ラベルオープナ4に保持された開口状態のラベルLbをボトルBtの上方に配置し、先端部302が外筒部301よりも下方に突出した状態でラベルLbを通してヘッド30をボトルBt上端に接近させる第1動作と、外筒部301を先端部302およびボトルBtに対して相対的に下降させ、かつ外筒部301をボトルBt上端に相対的に接近させる第2動作と、ラベルLbをボトルBtに対して相対的に下降させることにより、ラベルLbにボトルBtを挿通する第3動作と、を行う。
【解決手段】 筒状のラベルLbをボトルBtに装着するラベル装着装置1であって、ラベルLbを開口した状態で保持するラベルオープナ4と、ボトルBtの上方に位置しかつボトルBtの上端に相対しているとともに、外筒部301およびこの外筒部301に挿通された先端部302からなるヘッド30を有するマンドレル3と、を備えており、ラベルオープナ4に保持された開口状態のラベルLbをボトルBtの上方に配置し、先端部302が外筒部301よりも下方に突出した状態でラベルLbを通してヘッド30をボトルBt上端に接近させる第1動作と、外筒部301を先端部302およびボトルBtに対して相対的に下降させ、かつ外筒部301をボトルBt上端に相対的に接近させる第2動作と、ラベルLbをボトルBtに対して相対的に下降させることにより、ラベルLbにボトルBtを挿通する第3動作と、を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばフィルム製のラベルをボトルに装着するラベル装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図14は、従来のラベル装着装置の一例を示している(たとえば、特許文献1参照)。同図に示されたラベル装着装置90は、ボトルBtに筒状のラベルLbを装着する。このラベルLbは、ボトルBtの上部に形成された飲み口から、くびれた首部分、さらに円筒形の胴部の一部を覆うように装着される。ラベルLbに対してたとえば図外の加熱手段によって加熱処理を施すことにより、ボトルBtに対してラベルLbが密着する。
【0003】
ラベル装着装置90は、マンドレル91およびラベルオープナ94を有している。マンドレル91は、ボトルBtの直上に配置されており、ヘッド92およびロッド93からなる。ヘッド92は、円筒形状の胴部と略コーン状の先端部とを有する。ロッド93は、ヘッド92を保持し、かつこれを昇降させる。ラベルオープナ94は、ラベルLbを筒状に開口した状態で保持する。図14(A)に示すように、ラベルオープナ94によって保持された開口状態のラベルLbがボトルBtの直上に配置される。このラベルLbを通してヘッド92がボトルBtに向けて下降する。次いで、図14(B)に示すように、ボトルBtとヘッド92とが近接した状態を保ちながら、上昇する。これにより、ボトルBtの飲み口、首部分、および胴部の一部がラベルLbに収容される。この状態で、ラベルオープナ94からラベルLbを離脱させ、ボトルBtをヘッド92およびラベルオープナ94に対して下降させることにより、ラベルLbをボトルBtに装着することができる。
【0004】
しかしながら、ラベルLbを構成するフィルムは、年々薄型化が図られる傾向にある。ラベルLbが薄くなると、ボトルBtに装着するときに、ラベルLbに意図しないしわやずれが発生することが懸念される。このようなしわやずれが生じたラベルLbは、加熱処理を施しても部分的にボトルBtに密着しない部分や、細いしわとなった部分が生じてしまう。ラベルLbにしわやずれが生じる一因として、図14(B)に示すように、ラベルLbを装着する際に、比較的小径であるヘッド92の先端、およびこれよりも大径であるボトルBtの飲み口と、ラベルLbのうちこれらを覆う部分との間に不可避的に存在する過大な隙間が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−212221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、ラベルを適切に装着することが可能であるラベル装着装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によって提供されるラベル装着装置は、筒状のラベルを容器に装着するラベル装着装置であって、ラベルを開口した状態で保持するラベル開口保持手段と、容器の上方に位置しているとともに、外筒部およびこの外筒部に挿通された先端部からなるヘッドを有するマンドレルと、を備えており、ラベル開口保持手段に保持された開口状態のラベルを容器の上方に配置し、ヘッドの先端部がヘッドの外筒部よりも下方に突出した状態でラベルを通してヘッドを容器上端に接近させる第1動作と、ヘッドの外筒部をヘッドの先端部および容器に対して相対的に下降させ、かつヘッドの外筒部を容器上端に相対的に接近させる第2動作と、ラベルを容器に対して相対的に下降させることにより、ラベルに容器を挿通する第3動作と、を行うことを特徴としている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、載置された容器を昇降させる容器昇降手段をさらに備えており、上記第2動作は、ヘッドの外筒部を固定させた状態で、ヘッドの先端部および容器を上昇させることにより行う。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ラベル開口保持手段が、昇降可能とされており、上記第2動作は、ヘッドの外筒部に対してヘッドの先端部を上昇させた後に、ヘッドおよびラベルを容器に向けて下降させる。
【0010】
このような構成によれば、上記第1動作においては、上記先端部から上記ラベル内へと上記ヘッドが進入する。このため、上記ラベルの開口度合が若干不足していても、上記ラベルをスムースに開口することができる。次いで、上記第2動作が完了すると、上記ヘッドは、上記先端部が上記外筒部となる。そして、上記第3動作においては、上記先端部が収容された上記ヘッドと上記ボトルとが近接し合う部分に上記ラベルが被せられる。これにより、たとえば図14(B)に示した状態と異なり、上記ヘッドおよび上記ボトルと上記ラベルとの間に過大な隙間が生じることを抑制することが可能である。したがって、装着動作中に上記ラベルに意図しないしわやずれが生じることを回避可能であり、上記ラベルを上記ボトルに適切に装着することができる。
【0011】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るラベル装着装置の一例が用いられたラベル装着システムを示す平面概略図である。
【図2】本発明に係るラベル装着装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】図2のラベル装着装置のヘッドを示す底面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う要部断面図である。
【図5】図3のIV−IV線に沿う要部断面図である。
【図6】図2のラベル装着装置の第1動作を示す概略構成図である。
【図7】図2のラベル装着装置の第2動作を示す概略構成図である。
【図8】図2のラベル装着装置の第3動作を示す概略構成図である。
【図9】図2のラベル装着装置によるラベル装着動作の完了状態を示す概略構成図である。
【図10】本発明に係るラベル装着装置の変形例の第1動作を示す概略構成図である。
【図11】本発明に係るラベル装着装置の変形例の第2動作を示す概略構成図である。
【図12】本発明に係るラベル装着装置の変形例の第3動作を示す概略構成図である。
【図13】本発明に係るラベル装着装置の変形例によるラベル装着動作の完了状態を示す概略構成図である。
【図14】従来のラベル装着装置の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0014】
図1および図2は、本発明に係るラベル装着装置の一例を示している。ラベル装着装置1は、たとえば図1に示すラベル装着システムAに組み込まれる。ラベル装着システムAは、順次送られてくるボトルBtに対してラベルシートLsから生成したラベルLbを装着するシステムである。
【0015】
図1に示すように、ラベル装着システムAは、ラベル装着装置1のほかに、スクリューコンベア72、ベルトコンベア73、入側スターホイール71、出側ボトルクランパホイール74、ベルトコンベア75、およびラベル供給装置6を備えている。
【0016】
スクリューコンベア72およびベルトコンベア73は、図中左方から順次送られてくる複数のボトルBtを直線状に軌道に沿って入側スターホイール71へと送り込む。入側スターホイール71は、スクリューコンベア72およびベルトコンベア73から送られてくる複数のボトルBtを、円形の軌道に沿って移動させ、ボトル受け取りポイントP2においてボトルBtをラベル装着装置1へと受け渡す。
【0017】
出側ボトルクランパホイール74は、複数のクランパが円形に配置されており、ボトル排出ポイントP3においてラベル装着装置1から排出された複数のボトルBtを円形の軌道に沿ってベルトコンベア75へと順次送り出す。ベルトコンベア75は、直線状の軌道に沿って複数のボトルBtを順次図中右方向へと送り出す。
【0018】
ラベル供給装置6は、たとえば図外に配置されたシートホイールから送られてくるラベルシートLsを所定間隔で切断することにより、複数のラベルLbを生成する。ラベル供給装置6は、ラベル受け取りポイントP1においてこれらのラベルLbを順次ラベル装着装置1に受け渡す。
【0019】
ラベル装着装置1は、ボトルクランパホイール2、複数のマンドレル3、複数のラベルオープナ4、および複数のボトル昇降手段5を備えている。複数のマンドレル3、複数のラベルオープナ4、および複数のボトル昇降手段5は、ボトルクランパホイール2の周方向において、それぞれが一定のピッチで配置されている。
【0020】
図1に示すようにボトルクランパホイール2は、複数のボトルBtを等ピッチで保持しつつ、これらのボトルBtを回転させることにより、ボトル受け取りポイントP2からボトル排出ポイントP3へと移動させる。図2に示すように、ボトルクランパホイール2は、支持円盤21,22,23,24,25を有している。ボトルクランパホイール2の周りには、円筒体33が設けられている。円筒体33には、カム溝331,332,333が形成されている。
【0021】
マンドレル3は、開口されたラベルLbをボトルBtに装着しやすくするためのものであり、ヘッド30、中空ロッド311、およびロッド321を有している。ヘッド30は、外筒部301および先端部302からなる。図3〜図5に示すように、外筒部301は、全体として円筒形状とされており、複数のスリット303が形成されている。複数のスリット303は、それぞれが外筒部301の下端から外筒部301の軸方向に延びており、外筒部301の周方向において等ピッチで配置されている。先端部302は、全体として下方ほど細くなった先細り状とされており、外筒部301内にその全体または一部が収容されている。先端部302には、複数のリブ304が形成されている。複数のリブ304は、それぞれが外筒部301の軸方向に延びており、外筒部301の径方向において等ピッチで配置されている。各リブ304は、各スリット303に嵌まり込んでいる。図4および図5に示すように、先端部302は、外筒部301に対して相対的に昇降可能となっている。図4は、先端部302が外筒部301から下方に最も突出した状態を示しており、先端部302のほとんどが外筒部301から露出している。図5は、先端部302が外筒部301内に最も入り込んだ状態を示しており、先端部302のほとんどすべてが外筒部301内に収容されている。
【0022】
図2および図4に示すように、中空ロッド311は、その下端に外筒部301が取り付けられている。中空ロッド311は、支持円盤23に対して上下方向に摺動可能に支持されている。中空ロッド311の軸方向中央寄り部分には、連結部材312が取り付けられている。連結部材312は、中空ロッド311とローラ313とを連結している。ローラ313は、円筒体33のカム溝331に嵌まり込んでいる。ボトルクランパホイール2が回転すると、ローラ313がカム溝331の軌跡に応じて昇降する。これにより、中空ロッド311および外筒部301が昇降する。
【0023】
図2および図4に示すように、ロッド321は、中空ロッド311に挿通されており、その下端に先端部302が取り付けられている。ロッド321は、支持円盤22に対して上下方向に摺動可能に支持されている。ロッド321の上端には、連結部材322が取り付けられている。連結部材322は、ロッド321とローラ323とを連結している。ローラ323は、円筒体33のカム溝332に嵌まり込んでいる。ボトルクランパホイール2が回転すると、ローラ323がカム溝332の軌跡に応じて昇降する。これにより、ロッド321および先端部302が昇降する。
【0024】
ラベルオープナ4は、ラベル受け取りポイントP1においてラベル供給装置6から受け取ったラベルLbを吸着保持し、かつ開口する機能を果たすものであり、1対の揺動アーム41および開閉駆動手段42を有する。1対の揺動アーム41には、互いの対向面に吸引孔(図示略)が形成されている。図外のポンプを吸引源としてこの吸引孔から吸引することにより、1対の揺動アーム41は、ラベルLbを吸着保持し、あるいは離脱させることが可能とされている。また、1対の揺動アーム41は、開閉駆動手段42によって開閉動される。ラベルLbを保持した状態の1対の揺動アーム41を開閉駆動手段42によって開くと、ラベルLbをおおよそ筒状に開口することができる。
【0025】
ボトル昇降手段5は、ボトルBtを支持し、かつボトルBtを昇降可能に構成されており、ボトルステージ51、ロッド52、連結部材53、およびローラ54を備えている。ボトルステージ51は、ボトルBtが置かれる部位である。ロッド52は、ボトルステージ51を支持している。連結部材53は、ロッド52の下端と支持円盤25およびローラ54とを連結している。連結部材53は、支持円盤25に対して上下方向に摺動可能である。ローラ54は、円筒体33のカム溝333に嵌まり込んでいる。ボトルクランパホイール2が回転すると、ローラ54がカム溝333の軌跡に応じて昇降する。これにより、ロッド52、ボトルステージ51、ボトルステージ51に置かれたボトルBtが昇降する。
【0026】
次に、ラベル装着装置1の動作について、図6〜図9を参照しつつ以下に説明する。これらの図において想像線で示された円は、ローラ313,323,54の上下方向位置を示している。
【0027】
図6は、本発明でいう第1動作を示している。まず、図6(A)に示すように、1対の揺動アーム41には、ラベル供給装置6から受け取ったラベルLbが開口した状態で保持されている。ヘッド30は、ラベルLbに対して上方にあり、図4に示した、先端部302のほとんどが外筒部301から露出した状態となっている。ボトルBtは、ラベルLbに対して下方にある。ボトルクランパホイール2の回転に伴い、ローラ313,323がカム溝331,332の軌跡にしたがって下降する。これにより、図6(A)に示す状態から図6(B)および図6(C)に示す状態に移行する。本実施形態の第1動作においては、ローラ313,323が相対的な位置関係を保ちつつ、下降する。このため、外筒部301および先端部302は、一体となって下降する。この第1動作により、ヘッド30は、ラベルLbを通して、先端部302の下端がボトルBtの上端に近接しかつ正対する位置まで下降する。
【0028】
図6(C)に示した状態からさらにボトルクランパホイール2が回転すると、図7に示す状態に移行する。図7は、本発明でいう第2動作を示している。まず、図6(C)から図7(D)にかけては、ローラ313が昇降せず、ローラ323とローラ54とが上昇している。これにより、先端部302の下端とボトルBtの上端との距離が変わることなく、先端部302とボトルBtとがラベルLbおよび外筒部301に対して上昇する。
【0029】
図7(D)から図7(E)にかけては、ローラ323のみが上昇している。これにより、先端部302のみが、ラベルLb、外筒部301、およびボトルBtに対して上昇する。この上昇により、先端部302とボトルBtとの距離は長くなる。また、ヘッド30は、図5に示した、先端部302が外筒部301に収容された状態となっている。
【0030】
図7(E)から図7(F)にかけては、ローラ54のみが上昇している。これにより、ボトルBtのみがラベルLb、外筒部301および先端部302に対して上昇する。この上昇により、ボトルBtと先端部302との距離は、図7(D)に示す距離と同程度となる。このとき、ラベルLb内には、ヘッド30の一部が収容されているだけであり、ボトルBtは、いまだラベルLbには収容されていない。なお、図7(D)〜図7(F)にかけては、先端部302とボトルBtとを一括して上昇させてもよい。
【0031】
図7(F)に示す状態からさらにボトルクランパホイール2が回転すると、図8に示す状態に移行する。図8は、本発明でいう第3動作を示している。図8(G)から図8(I)にかけては、ローラ313,323,54がともに上昇している。これにより、ヘッド30とボトルBtとが互いに近接した状態を保ちながら、ラベルLbに対して上昇する。この上昇により、ラベルLbに収容されていたヘッド30がラベルLbから徐々に退避し、これに代えてボトルBtがラベルLbに収容される。本実施形態においては、図8(I)に示すように、ボトルBtの上側部分がラベルLbに収容されている。ボトルBtが牛乳や乳飲料を収容するものである場合、ボトルBtの上端には、比較的大径の飲み口が形成されており、この飲み口の下側にはくびれた首部分があり、さらにこの首部分の下側には円筒形状の胴部がある。
【0032】
図8(I)においてラベルLbにボトルBtが収容されると、ラベルオープナ4がラベルLbの保持を解除する。そして、さらにボトルクランパホイール2が回転すると、図8(I)に示す状態から図9に示す状態に移行する。図9(J)〜図9(L)にかけては、ローラ54のみが下降する。これにより、ラベルLbが装着されたボトルBtが、ラベルオープナ4およびヘッド30に対して下降する。図9(L)に示す状態においては、ラベルLbがラベルオープナ4から完全に離脱している。こののちは、図1に示すボトル排出ポイントP3においてラベルLbが装着されたボトルBtが出側ボトルクランパホイール74へと排出される。また、ローラ313,323がカム溝331,332の軌跡にしたがって移動することにより、図6(A)に示す状態に復帰する。図6(A)から図9(L)に示した動作を繰り返すことにより、複数のボトルBtのそれぞれにラベルLbが装着される。
【0033】
次に、ラベル装着装置1の作用について説明する。
【0034】
本実施形態によれば、図6に示す第1動作において、ヘッド30は先端がいわゆる先細り状となった状態で、ラベルLb内に進入する。このため、ラベルオープナ4に保持されたラベルLbの開口度合が若干不足していても、ラベルLbをスムースに開口することができる。次いで、図7に示す第2動作が完了すると、ヘッド30は、先端部302が外筒部301に収容された状態となっており、ほぼ円筒形状となっている。そして、図8に示す第3動作においては、円筒形状となったヘッド30とボトルBtとが近接し合う部分にラベルLbが被せられる。これにより、ヘッド30およびボトルBtとラベルLbとの間に過大な隙間が生じることを抑制することが可能である。したがって、装着動作中にラベルLbに意図しないしわやずれが生じることを回避可能であり、ラベルLbをボトルBtに適切に装着することができる。
【0035】
本実施形態においては、第1動作から第3動作を実現するために、ヘッド30およびボトルステージ51が昇降し、ラベルオープナ4は昇降しない。ラベルオープナ4は、1対の揺動アーム41およびこれを開閉するための開閉駆動手段42を備えている。このような構成のラベルオープナ4を昇降させないことにより、ラベル装着装置1全体の構成が複雑化することを回避することができる。
【0036】
図10〜図13は、ラベル装着装置1の変形例を示している。これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0037】
本変形例のラベル装着装置1は、上述したローラ54に代えてローラ43を備えている。ローラ43は、ラベルオープナ4に連結されており、円筒体33に形成された専用のカム溝(図示略)に嵌まり込んでいる。このような構成により、本変形例においては、ボトルクランパホイール2の回転に伴い、ラベルオープナ4が適宜昇降し、ボトルステージ51は、昇降しない。
【0038】
図10は、本変形例における第1動作を示している。図10(A)〜図10(C)に示すように、ボトルクランパホイール2の回転により、ヘッド30がラベルLbを通して、ボトルBtに接近する。
【0039】
図11は、本変形例における第2動作を示している。ボトルクランパホイール2の回転により、図10(C)から図11(D)にかけて、先端部302が外筒部301、ラベルLbおよびボトルBtに対して上昇する。図11(D)に示されたヘッド30は、図5に示された先端部302が外筒301にそのほとんどが収容された状態になっている。図11(D)から図11(E)にかけては、ヘッド30全体とラベルオープナ4とがボトルBtに対して下降する。これにより、ラベルLbに収容されたままのヘッド30の下端がボトルBtの上端に近接した状態となる。
【0040】
図12は、本変形例における第3動作を示している。図11(E)から図12(F)および図12(G)にかけては、ヘッド30は昇降せず、ラベルオープナ4のみがボトルBtに対して下降する。これにより、ヘッド30を収容していたラベルLbが図12(G)に示すようにボトルBtの上側部分を収容する状態となる。
【0041】
そして、図12(G)から図13(H)および図13(I)にかけては、ヘッド30とラベルオープナ4とがボトルBtに対して上昇する。これらの動作を経ることにより、ボトルBtへのラベルLbの装着が完了する。
【0042】
このような変形例によっても、ラベルLbをボトルBtに適切に装着することができる。本変形例においては、ボトルBtを昇降させるための機構が不要である。このため、ボトルステージ51より下の領域に設置することが必須とされる機構を削減することができる。これは、たとえば、低温の飲料が収容されたボトルBtにラベルLbを装着する場合、ボトルBtに結露した水分が下方に垂れても、機器故障を起こしにくいという利点がある。
【0043】
本発明に係るラベル装着装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るラベル装着装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0044】
Bt ボトル(容器)
Lb ラベル
Ls ラベルシート
P1 ラベル受け取りポイント
P2 ボトル受け取りポイント
P3 ボトル排出ポイント
A ラベル装着システム
1 ラベル装着装置
2 ボトルクランパホイール
21,22,23,24,25 支持円盤
3 マンドレル
30 ヘッド
301 外筒部
302 先端部
303 スリット
304 リブ
311 中空ロッド
312 連結部材
313 ローラ
321 ロッド
322 連結部材
323 ローラ
33 円筒体
331,332,333 カム溝
4 ラベルオープナ(ラベル開口保持手段)
41 揺動アーム
42 開閉駆動手段
43 ローラ
5 ボトル昇降手段(容器昇降手段)
51 ボトルステージ
52 ロッド
53 連結部材
54 ローラ
6 ラベル供給装置
71 入側スターホイール
72 スクリューコンベア
73 ベルトコンベア
74 出側ボトルクランパホイール
75 ベルトコンベア
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばフィルム製のラベルをボトルに装着するラベル装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図14は、従来のラベル装着装置の一例を示している(たとえば、特許文献1参照)。同図に示されたラベル装着装置90は、ボトルBtに筒状のラベルLbを装着する。このラベルLbは、ボトルBtの上部に形成された飲み口から、くびれた首部分、さらに円筒形の胴部の一部を覆うように装着される。ラベルLbに対してたとえば図外の加熱手段によって加熱処理を施すことにより、ボトルBtに対してラベルLbが密着する。
【0003】
ラベル装着装置90は、マンドレル91およびラベルオープナ94を有している。マンドレル91は、ボトルBtの直上に配置されており、ヘッド92およびロッド93からなる。ヘッド92は、円筒形状の胴部と略コーン状の先端部とを有する。ロッド93は、ヘッド92を保持し、かつこれを昇降させる。ラベルオープナ94は、ラベルLbを筒状に開口した状態で保持する。図14(A)に示すように、ラベルオープナ94によって保持された開口状態のラベルLbがボトルBtの直上に配置される。このラベルLbを通してヘッド92がボトルBtに向けて下降する。次いで、図14(B)に示すように、ボトルBtとヘッド92とが近接した状態を保ちながら、上昇する。これにより、ボトルBtの飲み口、首部分、および胴部の一部がラベルLbに収容される。この状態で、ラベルオープナ94からラベルLbを離脱させ、ボトルBtをヘッド92およびラベルオープナ94に対して下降させることにより、ラベルLbをボトルBtに装着することができる。
【0004】
しかしながら、ラベルLbを構成するフィルムは、年々薄型化が図られる傾向にある。ラベルLbが薄くなると、ボトルBtに装着するときに、ラベルLbに意図しないしわやずれが発生することが懸念される。このようなしわやずれが生じたラベルLbは、加熱処理を施しても部分的にボトルBtに密着しない部分や、細いしわとなった部分が生じてしまう。ラベルLbにしわやずれが生じる一因として、図14(B)に示すように、ラベルLbを装着する際に、比較的小径であるヘッド92の先端、およびこれよりも大径であるボトルBtの飲み口と、ラベルLbのうちこれらを覆う部分との間に不可避的に存在する過大な隙間が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−212221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、ラベルを適切に装着することが可能であるラベル装着装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によって提供されるラベル装着装置は、筒状のラベルを容器に装着するラベル装着装置であって、ラベルを開口した状態で保持するラベル開口保持手段と、容器の上方に位置しているとともに、外筒部およびこの外筒部に挿通された先端部からなるヘッドを有するマンドレルと、を備えており、ラベル開口保持手段に保持された開口状態のラベルを容器の上方に配置し、ヘッドの先端部がヘッドの外筒部よりも下方に突出した状態でラベルを通してヘッドを容器上端に接近させる第1動作と、ヘッドの外筒部をヘッドの先端部および容器に対して相対的に下降させ、かつヘッドの外筒部を容器上端に相対的に接近させる第2動作と、ラベルを容器に対して相対的に下降させることにより、ラベルに容器を挿通する第3動作と、を行うことを特徴としている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、載置された容器を昇降させる容器昇降手段をさらに備えており、上記第2動作は、ヘッドの外筒部を固定させた状態で、ヘッドの先端部および容器を上昇させることにより行う。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ラベル開口保持手段が、昇降可能とされており、上記第2動作は、ヘッドの外筒部に対してヘッドの先端部を上昇させた後に、ヘッドおよびラベルを容器に向けて下降させる。
【0010】
このような構成によれば、上記第1動作においては、上記先端部から上記ラベル内へと上記ヘッドが進入する。このため、上記ラベルの開口度合が若干不足していても、上記ラベルをスムースに開口することができる。次いで、上記第2動作が完了すると、上記ヘッドは、上記先端部が上記外筒部となる。そして、上記第3動作においては、上記先端部が収容された上記ヘッドと上記ボトルとが近接し合う部分に上記ラベルが被せられる。これにより、たとえば図14(B)に示した状態と異なり、上記ヘッドおよび上記ボトルと上記ラベルとの間に過大な隙間が生じることを抑制することが可能である。したがって、装着動作中に上記ラベルに意図しないしわやずれが生じることを回避可能であり、上記ラベルを上記ボトルに適切に装着することができる。
【0011】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るラベル装着装置の一例が用いられたラベル装着システムを示す平面概略図である。
【図2】本発明に係るラベル装着装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】図2のラベル装着装置のヘッドを示す底面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う要部断面図である。
【図5】図3のIV−IV線に沿う要部断面図である。
【図6】図2のラベル装着装置の第1動作を示す概略構成図である。
【図7】図2のラベル装着装置の第2動作を示す概略構成図である。
【図8】図2のラベル装着装置の第3動作を示す概略構成図である。
【図9】図2のラベル装着装置によるラベル装着動作の完了状態を示す概略構成図である。
【図10】本発明に係るラベル装着装置の変形例の第1動作を示す概略構成図である。
【図11】本発明に係るラベル装着装置の変形例の第2動作を示す概略構成図である。
【図12】本発明に係るラベル装着装置の変形例の第3動作を示す概略構成図である。
【図13】本発明に係るラベル装着装置の変形例によるラベル装着動作の完了状態を示す概略構成図である。
【図14】従来のラベル装着装置の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0014】
図1および図2は、本発明に係るラベル装着装置の一例を示している。ラベル装着装置1は、たとえば図1に示すラベル装着システムAに組み込まれる。ラベル装着システムAは、順次送られてくるボトルBtに対してラベルシートLsから生成したラベルLbを装着するシステムである。
【0015】
図1に示すように、ラベル装着システムAは、ラベル装着装置1のほかに、スクリューコンベア72、ベルトコンベア73、入側スターホイール71、出側ボトルクランパホイール74、ベルトコンベア75、およびラベル供給装置6を備えている。
【0016】
スクリューコンベア72およびベルトコンベア73は、図中左方から順次送られてくる複数のボトルBtを直線状に軌道に沿って入側スターホイール71へと送り込む。入側スターホイール71は、スクリューコンベア72およびベルトコンベア73から送られてくる複数のボトルBtを、円形の軌道に沿って移動させ、ボトル受け取りポイントP2においてボトルBtをラベル装着装置1へと受け渡す。
【0017】
出側ボトルクランパホイール74は、複数のクランパが円形に配置されており、ボトル排出ポイントP3においてラベル装着装置1から排出された複数のボトルBtを円形の軌道に沿ってベルトコンベア75へと順次送り出す。ベルトコンベア75は、直線状の軌道に沿って複数のボトルBtを順次図中右方向へと送り出す。
【0018】
ラベル供給装置6は、たとえば図外に配置されたシートホイールから送られてくるラベルシートLsを所定間隔で切断することにより、複数のラベルLbを生成する。ラベル供給装置6は、ラベル受け取りポイントP1においてこれらのラベルLbを順次ラベル装着装置1に受け渡す。
【0019】
ラベル装着装置1は、ボトルクランパホイール2、複数のマンドレル3、複数のラベルオープナ4、および複数のボトル昇降手段5を備えている。複数のマンドレル3、複数のラベルオープナ4、および複数のボトル昇降手段5は、ボトルクランパホイール2の周方向において、それぞれが一定のピッチで配置されている。
【0020】
図1に示すようにボトルクランパホイール2は、複数のボトルBtを等ピッチで保持しつつ、これらのボトルBtを回転させることにより、ボトル受け取りポイントP2からボトル排出ポイントP3へと移動させる。図2に示すように、ボトルクランパホイール2は、支持円盤21,22,23,24,25を有している。ボトルクランパホイール2の周りには、円筒体33が設けられている。円筒体33には、カム溝331,332,333が形成されている。
【0021】
マンドレル3は、開口されたラベルLbをボトルBtに装着しやすくするためのものであり、ヘッド30、中空ロッド311、およびロッド321を有している。ヘッド30は、外筒部301および先端部302からなる。図3〜図5に示すように、外筒部301は、全体として円筒形状とされており、複数のスリット303が形成されている。複数のスリット303は、それぞれが外筒部301の下端から外筒部301の軸方向に延びており、外筒部301の周方向において等ピッチで配置されている。先端部302は、全体として下方ほど細くなった先細り状とされており、外筒部301内にその全体または一部が収容されている。先端部302には、複数のリブ304が形成されている。複数のリブ304は、それぞれが外筒部301の軸方向に延びており、外筒部301の径方向において等ピッチで配置されている。各リブ304は、各スリット303に嵌まり込んでいる。図4および図5に示すように、先端部302は、外筒部301に対して相対的に昇降可能となっている。図4は、先端部302が外筒部301から下方に最も突出した状態を示しており、先端部302のほとんどが外筒部301から露出している。図5は、先端部302が外筒部301内に最も入り込んだ状態を示しており、先端部302のほとんどすべてが外筒部301内に収容されている。
【0022】
図2および図4に示すように、中空ロッド311は、その下端に外筒部301が取り付けられている。中空ロッド311は、支持円盤23に対して上下方向に摺動可能に支持されている。中空ロッド311の軸方向中央寄り部分には、連結部材312が取り付けられている。連結部材312は、中空ロッド311とローラ313とを連結している。ローラ313は、円筒体33のカム溝331に嵌まり込んでいる。ボトルクランパホイール2が回転すると、ローラ313がカム溝331の軌跡に応じて昇降する。これにより、中空ロッド311および外筒部301が昇降する。
【0023】
図2および図4に示すように、ロッド321は、中空ロッド311に挿通されており、その下端に先端部302が取り付けられている。ロッド321は、支持円盤22に対して上下方向に摺動可能に支持されている。ロッド321の上端には、連結部材322が取り付けられている。連結部材322は、ロッド321とローラ323とを連結している。ローラ323は、円筒体33のカム溝332に嵌まり込んでいる。ボトルクランパホイール2が回転すると、ローラ323がカム溝332の軌跡に応じて昇降する。これにより、ロッド321および先端部302が昇降する。
【0024】
ラベルオープナ4は、ラベル受け取りポイントP1においてラベル供給装置6から受け取ったラベルLbを吸着保持し、かつ開口する機能を果たすものであり、1対の揺動アーム41および開閉駆動手段42を有する。1対の揺動アーム41には、互いの対向面に吸引孔(図示略)が形成されている。図外のポンプを吸引源としてこの吸引孔から吸引することにより、1対の揺動アーム41は、ラベルLbを吸着保持し、あるいは離脱させることが可能とされている。また、1対の揺動アーム41は、開閉駆動手段42によって開閉動される。ラベルLbを保持した状態の1対の揺動アーム41を開閉駆動手段42によって開くと、ラベルLbをおおよそ筒状に開口することができる。
【0025】
ボトル昇降手段5は、ボトルBtを支持し、かつボトルBtを昇降可能に構成されており、ボトルステージ51、ロッド52、連結部材53、およびローラ54を備えている。ボトルステージ51は、ボトルBtが置かれる部位である。ロッド52は、ボトルステージ51を支持している。連結部材53は、ロッド52の下端と支持円盤25およびローラ54とを連結している。連結部材53は、支持円盤25に対して上下方向に摺動可能である。ローラ54は、円筒体33のカム溝333に嵌まり込んでいる。ボトルクランパホイール2が回転すると、ローラ54がカム溝333の軌跡に応じて昇降する。これにより、ロッド52、ボトルステージ51、ボトルステージ51に置かれたボトルBtが昇降する。
【0026】
次に、ラベル装着装置1の動作について、図6〜図9を参照しつつ以下に説明する。これらの図において想像線で示された円は、ローラ313,323,54の上下方向位置を示している。
【0027】
図6は、本発明でいう第1動作を示している。まず、図6(A)に示すように、1対の揺動アーム41には、ラベル供給装置6から受け取ったラベルLbが開口した状態で保持されている。ヘッド30は、ラベルLbに対して上方にあり、図4に示した、先端部302のほとんどが外筒部301から露出した状態となっている。ボトルBtは、ラベルLbに対して下方にある。ボトルクランパホイール2の回転に伴い、ローラ313,323がカム溝331,332の軌跡にしたがって下降する。これにより、図6(A)に示す状態から図6(B)および図6(C)に示す状態に移行する。本実施形態の第1動作においては、ローラ313,323が相対的な位置関係を保ちつつ、下降する。このため、外筒部301および先端部302は、一体となって下降する。この第1動作により、ヘッド30は、ラベルLbを通して、先端部302の下端がボトルBtの上端に近接しかつ正対する位置まで下降する。
【0028】
図6(C)に示した状態からさらにボトルクランパホイール2が回転すると、図7に示す状態に移行する。図7は、本発明でいう第2動作を示している。まず、図6(C)から図7(D)にかけては、ローラ313が昇降せず、ローラ323とローラ54とが上昇している。これにより、先端部302の下端とボトルBtの上端との距離が変わることなく、先端部302とボトルBtとがラベルLbおよび外筒部301に対して上昇する。
【0029】
図7(D)から図7(E)にかけては、ローラ323のみが上昇している。これにより、先端部302のみが、ラベルLb、外筒部301、およびボトルBtに対して上昇する。この上昇により、先端部302とボトルBtとの距離は長くなる。また、ヘッド30は、図5に示した、先端部302が外筒部301に収容された状態となっている。
【0030】
図7(E)から図7(F)にかけては、ローラ54のみが上昇している。これにより、ボトルBtのみがラベルLb、外筒部301および先端部302に対して上昇する。この上昇により、ボトルBtと先端部302との距離は、図7(D)に示す距離と同程度となる。このとき、ラベルLb内には、ヘッド30の一部が収容されているだけであり、ボトルBtは、いまだラベルLbには収容されていない。なお、図7(D)〜図7(F)にかけては、先端部302とボトルBtとを一括して上昇させてもよい。
【0031】
図7(F)に示す状態からさらにボトルクランパホイール2が回転すると、図8に示す状態に移行する。図8は、本発明でいう第3動作を示している。図8(G)から図8(I)にかけては、ローラ313,323,54がともに上昇している。これにより、ヘッド30とボトルBtとが互いに近接した状態を保ちながら、ラベルLbに対して上昇する。この上昇により、ラベルLbに収容されていたヘッド30がラベルLbから徐々に退避し、これに代えてボトルBtがラベルLbに収容される。本実施形態においては、図8(I)に示すように、ボトルBtの上側部分がラベルLbに収容されている。ボトルBtが牛乳や乳飲料を収容するものである場合、ボトルBtの上端には、比較的大径の飲み口が形成されており、この飲み口の下側にはくびれた首部分があり、さらにこの首部分の下側には円筒形状の胴部がある。
【0032】
図8(I)においてラベルLbにボトルBtが収容されると、ラベルオープナ4がラベルLbの保持を解除する。そして、さらにボトルクランパホイール2が回転すると、図8(I)に示す状態から図9に示す状態に移行する。図9(J)〜図9(L)にかけては、ローラ54のみが下降する。これにより、ラベルLbが装着されたボトルBtが、ラベルオープナ4およびヘッド30に対して下降する。図9(L)に示す状態においては、ラベルLbがラベルオープナ4から完全に離脱している。こののちは、図1に示すボトル排出ポイントP3においてラベルLbが装着されたボトルBtが出側ボトルクランパホイール74へと排出される。また、ローラ313,323がカム溝331,332の軌跡にしたがって移動することにより、図6(A)に示す状態に復帰する。図6(A)から図9(L)に示した動作を繰り返すことにより、複数のボトルBtのそれぞれにラベルLbが装着される。
【0033】
次に、ラベル装着装置1の作用について説明する。
【0034】
本実施形態によれば、図6に示す第1動作において、ヘッド30は先端がいわゆる先細り状となった状態で、ラベルLb内に進入する。このため、ラベルオープナ4に保持されたラベルLbの開口度合が若干不足していても、ラベルLbをスムースに開口することができる。次いで、図7に示す第2動作が完了すると、ヘッド30は、先端部302が外筒部301に収容された状態となっており、ほぼ円筒形状となっている。そして、図8に示す第3動作においては、円筒形状となったヘッド30とボトルBtとが近接し合う部分にラベルLbが被せられる。これにより、ヘッド30およびボトルBtとラベルLbとの間に過大な隙間が生じることを抑制することが可能である。したがって、装着動作中にラベルLbに意図しないしわやずれが生じることを回避可能であり、ラベルLbをボトルBtに適切に装着することができる。
【0035】
本実施形態においては、第1動作から第3動作を実現するために、ヘッド30およびボトルステージ51が昇降し、ラベルオープナ4は昇降しない。ラベルオープナ4は、1対の揺動アーム41およびこれを開閉するための開閉駆動手段42を備えている。このような構成のラベルオープナ4を昇降させないことにより、ラベル装着装置1全体の構成が複雑化することを回避することができる。
【0036】
図10〜図13は、ラベル装着装置1の変形例を示している。これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0037】
本変形例のラベル装着装置1は、上述したローラ54に代えてローラ43を備えている。ローラ43は、ラベルオープナ4に連結されており、円筒体33に形成された専用のカム溝(図示略)に嵌まり込んでいる。このような構成により、本変形例においては、ボトルクランパホイール2の回転に伴い、ラベルオープナ4が適宜昇降し、ボトルステージ51は、昇降しない。
【0038】
図10は、本変形例における第1動作を示している。図10(A)〜図10(C)に示すように、ボトルクランパホイール2の回転により、ヘッド30がラベルLbを通して、ボトルBtに接近する。
【0039】
図11は、本変形例における第2動作を示している。ボトルクランパホイール2の回転により、図10(C)から図11(D)にかけて、先端部302が外筒部301、ラベルLbおよびボトルBtに対して上昇する。図11(D)に示されたヘッド30は、図5に示された先端部302が外筒301にそのほとんどが収容された状態になっている。図11(D)から図11(E)にかけては、ヘッド30全体とラベルオープナ4とがボトルBtに対して下降する。これにより、ラベルLbに収容されたままのヘッド30の下端がボトルBtの上端に近接した状態となる。
【0040】
図12は、本変形例における第3動作を示している。図11(E)から図12(F)および図12(G)にかけては、ヘッド30は昇降せず、ラベルオープナ4のみがボトルBtに対して下降する。これにより、ヘッド30を収容していたラベルLbが図12(G)に示すようにボトルBtの上側部分を収容する状態となる。
【0041】
そして、図12(G)から図13(H)および図13(I)にかけては、ヘッド30とラベルオープナ4とがボトルBtに対して上昇する。これらの動作を経ることにより、ボトルBtへのラベルLbの装着が完了する。
【0042】
このような変形例によっても、ラベルLbをボトルBtに適切に装着することができる。本変形例においては、ボトルBtを昇降させるための機構が不要である。このため、ボトルステージ51より下の領域に設置することが必須とされる機構を削減することができる。これは、たとえば、低温の飲料が収容されたボトルBtにラベルLbを装着する場合、ボトルBtに結露した水分が下方に垂れても、機器故障を起こしにくいという利点がある。
【0043】
本発明に係るラベル装着装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るラベル装着装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0044】
Bt ボトル(容器)
Lb ラベル
Ls ラベルシート
P1 ラベル受け取りポイント
P2 ボトル受け取りポイント
P3 ボトル排出ポイント
A ラベル装着システム
1 ラベル装着装置
2 ボトルクランパホイール
21,22,23,24,25 支持円盤
3 マンドレル
30 ヘッド
301 外筒部
302 先端部
303 スリット
304 リブ
311 中空ロッド
312 連結部材
313 ローラ
321 ロッド
322 連結部材
323 ローラ
33 円筒体
331,332,333 カム溝
4 ラベルオープナ(ラベル開口保持手段)
41 揺動アーム
42 開閉駆動手段
43 ローラ
5 ボトル昇降手段(容器昇降手段)
51 ボトルステージ
52 ロッド
53 連結部材
54 ローラ
6 ラベル供給装置
71 入側スターホイール
72 スクリューコンベア
73 ベルトコンベア
74 出側ボトルクランパホイール
75 ベルトコンベア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のラベルを容器に装着するラベル装着装置であって、
ラベルを開口した状態で保持するラベル開口保持手段と、
容器の上方に位置しているとともに、外筒部およびこの外筒部に挿通された先端部からなるヘッドを有するマンドレルと、を備えており、
ラベル開口保持手段に保持された開口状態のラベルを容器の上方に配置し、ヘッドの先端部がヘッドの外筒部よりも下方に突出した状態でラベルを通してヘッドを容器上端に接近させる第1動作と、
ヘッドの外筒部をヘッドの先端部および容器に対して相対的に下降させ、かつヘッドの外筒部を容器上端に相対的に接近させる第2動作と、
ラベルを容器に対して相対的に下降させることにより、ラベルに容器を挿通する第3動作と、
を行うことを特徴とする、ラベル装着装置。
【請求項2】
載置された容器を昇降させる容器昇降手段をさらに備えており、
上記第2動作は、ヘッドの外筒部を固定させた状態で、ヘッドの先端部および容器を上昇させることにより行う、請求項1に記載のラベル装着装置。
【請求項3】
上記ラベル開口保持手段が、昇降可能とされており、
上記第2動作は、ヘッドの外筒部に対してヘッドの先端部を上昇させた後に、ヘッドおよびラベルを容器に向けて下降させる、請求項1に記載のラベル装着装置。
【請求項1】
筒状のラベルを容器に装着するラベル装着装置であって、
ラベルを開口した状態で保持するラベル開口保持手段と、
容器の上方に位置しているとともに、外筒部およびこの外筒部に挿通された先端部からなるヘッドを有するマンドレルと、を備えており、
ラベル開口保持手段に保持された開口状態のラベルを容器の上方に配置し、ヘッドの先端部がヘッドの外筒部よりも下方に突出した状態でラベルを通してヘッドを容器上端に接近させる第1動作と、
ヘッドの外筒部をヘッドの先端部および容器に対して相対的に下降させ、かつヘッドの外筒部を容器上端に相対的に接近させる第2動作と、
ラベルを容器に対して相対的に下降させることにより、ラベルに容器を挿通する第3動作と、
を行うことを特徴とする、ラベル装着装置。
【請求項2】
載置された容器を昇降させる容器昇降手段をさらに備えており、
上記第2動作は、ヘッドの外筒部を固定させた状態で、ヘッドの先端部および容器を上昇させることにより行う、請求項1に記載のラベル装着装置。
【請求項3】
上記ラベル開口保持手段が、昇降可能とされており、
上記第2動作は、ヘッドの外筒部に対してヘッドの先端部を上昇させた後に、ヘッドおよびラベルを容器に向けて下降させる、請求項1に記載のラベル装着装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−121623(P2012−121623A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275793(P2010−275793)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]