説明

ラベル貼付装置

【課題】パッケージの外表面にラベルを連続的かつ効率よく、しかも確実に貼付できる装置を提案する。
【解決手段】ラベル貼付装置を、軸受け4を介して回転可能に支持され、搬送手段との挟持下にパッケージを送給ラインの下流に向けて送り出す送り出しローラ4と、この送り出しローラ4の入側近傍域で送給ラインに沿う向きにスイング可能で、かつ、パッケージに近接、離隔する向きへのスライドを可能としたアーム7とにて構成する。そして、前記アーム7に、その先端にて枢軸8bを介して揺動可能に弾性保持され、前記アーム7のスイング及びスライドの複合動作にしたがってコーナーを含むパッケージの少なくとも2面を連続的に滑動させる押圧体8を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラベル貼付装置に関するものであり、ベルトコンベヤなどの搬送手段で移送されるパッケージのコーナーを含む少なくとも2面に、移送ラインを停止することなしに連続的に効率よく、しかも確実にラベルを貼付しようとするものである。
【背景技術】
【0002】
商品を装填したパッケージは、その開け口にラベルを貼り付けて封印したり、また、商品の情報などを表示したラベルを貼付して出荷するのを通例としているが、品種の異なる他の商品との相互におけるパッケージの共用化によりその在庫の軽減を図るため、近年では成分表示や効能等の表示事項をパッケージ自体ではなくラベルに付するようになってきており、表示する情報量の多さからそのサイズも大きなものが使用される傾向にある。
【0003】
ラベルの貼付装置に関する先行技術としては、ベルトコンベア等の搬送手段によるパッケージの移送中に、ラベル送給装置から繰り出されるラベルの一部分をパッケージの側面(垂直面)に貼着し、その上を転動するローラにて該側面につながるコーナー部を経てパッケージの上面(水平面)に向けて折り曲げることにより貼り付けを完了するラベル貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−72725号公報
【0004】
ところで、パッケージに貼り付けられるラベルの貼付形態としては、ラベルの端部をベルトコンベアに置かれたパッケージの垂直面の末端(パッケージのフラップの最終端)に合わせて貼り付ける場合もあって、このような貼付形態に対応できる装置は今のところ存在せず、もっぱら人手(指によって押し付ける)に頼らざるを得ないのが現状であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、移送過程にあるパッケージにつき、そのコーナーを含む少なくとも2面に効率よく、しかも確実にラベルを貼り付けることができる新規なラベル貼付装置を提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、軸受けを介して回転可能に支持され、搬送手段との挟持下にパッケージをラインの下流に向けて送り出す送り出しローラと、
この送り出しローラの入側近傍域でラインに沿ってスイング可能で、かつ、パッケージに近接、離隔する向きにスライド可能なアームとを備え、
前記アームに、その先端にて枢軸を介して揺動可能に弾性保持され、前記アームのスイング及びスライドの複合動作にしたがってパッケージのコーナーを含む少なくとも2面を連続的に滑動する押圧体を配設してなることを特徴とするラベル貼付装置である。
【0007】
前記押圧体の滑動領域は、パッケージの平面からコーナーを経てフラップの最終端に至るまでの領域とするのが好ましい。
【0008】
上記の構成になる装置においては、前記アームに、そのスライドに際して前記押圧体を該パッケージに弾性的に接触させる弾性支持部材を配置することができる。
【0009】
また、前記アームには、パッケージのフラップに向かうスイングを誘導するアクチュエーターと、パッケージから離隔する向きにスライドさせるアクチュエーターを設けることができる。
【発明の効果】
【0010】
押圧体を備えたアームは、パッケージの搬送ラインに沿ってスイング可能で、かつ、該パッケージに近接、離隔する向きにスライド可能になっているため、該アームのスイングとスライドを複合的に動作させることで、その先端に備えた押圧体をパッケージの表面を、水平面、垂直面あるいはコーナーに係わりなくスムーズに滑動させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
図1は本発明にしたがうラベル貼付装置の実施の形態を模式的に示した外観斜視図であり、図における1は商品を装填したパッケージ、2はパッケージ1を移送する搬送手段としてのベルトコンベアである。
【0012】
また、3はフレーム、4はラインの上流から下流に向けてパッケージ1を送り出す送り出しローラである。この送り出しローラ4はフレーム3に軸受け4aを介して回転可能に支持されており、ベルトコンベア2との間でパッケージ1を一定圧(パッケージが潰れることのない程度の圧力)でもって挟持する。
【0013】
また、5は送り出しローラ4の入側近傍域でフレーム3に軸受け6を介して回転可能に支持される第1のベース、7はこの第1のベース5の貫通孔5a、5bにスライド可能に保持される2本で1組とするアームである。このアーム7は第1のベース5の貫通孔5a、5bにおけるスライド(矢印X)によってライン上に存在するパッケージ1に近接、離隔することができるようになっており、第1のベース5の回動にてラインに沿う向きにスイング(矢印Y)することができるようになっている。
【0014】
8はアーム7の先端に揺動可能に弾性保持された押圧体である。この押圧体8は、アーム7のスイング及びスライドの複合動作でもってパッケージ1のコーナー部を含めた少なくとも2面(平面1a(上面)からコーナー1bを経てフラップ1cの最終端eに至るまでの領域)を連続的に滑動するもので、アーム7の先端に固定保持される第2のベース8aと、この第2のベース8aに配置される枢軸8bと、この枢軸8bに揺動可能に支持される滑動板8cと、この滑動板8cを枢軸8bにおいて揺動可能に弾性保持する第1の弾性支持部材8dからなる。
【0015】
さらに、9はアーム7を移送ラインに向けて引っ張る第2の弾性支持部材(スプリング等)であり、この第2の弾性支持部材9は押圧体8をパッケージ1に弾性的に接触させる機能を有する。また、10はアーム7とフレーム3の相互間に配置され該アーム7を傾倒させる第3の弾性支持部材、11はアーム7の末端に配置された連結ピースであり、この連結ピース11の第1の突端11aにはアーム7をスライドさせるアクチュエーター(エアシリンダー等)が連結され(図示せず)、第2の突端11bにはアーム7をスイングさせるためのアクチュエーターが連結される(図示せず)。
【0016】
上記の構成になる装置は、図2に示す手順にしたがってラベルLを貼着するものであり、ラベルの貼付作業が開始される前におけるアーム7の姿勢は、図3に示す如く第2の弾性支持部材9の引っ張り力に抗してアーム7が最も上に引き上げられ(パッケージ1から最も離隔する向きに後退している)てロックされ、第3の弾性支持部材10の力により傾倒した状態(ほぼ50°の角度で傾倒)になっている。
【0017】
移送ラインに別途配置されるセンサー(図示せず)にて、例えば、パッケージ1が送り出しローラ4とベルトコンベア2との相互間で挟持されたことを検知すると、第1の突端11aにつながるアクチュエーターが作動してロックが解除されることとなり、アーム7は、図4、図5に示すように、第2の弾性支持部材9により傾倒状態を保ったまま該パッケージ1に向けてスライドする。この時、押圧体8はパッケージ1の水平面1aに当接し滑動板8cは水平状態に保たれることとなり、パッケージ1のコーナー1bに向けてラベルLを押圧しながら滑動する。
【0018】
該滑動板8cがパッケージ1のコーナー1bに達すると、該滑動板8cは図6〜8示す如く、枢軸8bを支点に該コーナー1bをなめるように回転するとともに第2の弾性支持部材9の力により押圧体8はさらにベルトコンベア2に向けて下降するようにスライドする。
【0019】
押圧体8がベルトコンベア2に向けてスライドし始めたことを別途設けたセンサーにて検知すると、第2の突端11bにつながるアクチュエーターが作動してアーム7を強制的にスイングさせる動作へと移行し(50°程度の傾倒状態から70°程度まで引き起こされる)、この時、該押圧体8は図9に示す如くパッケージ1のフラップ(側面)1cを押圧(アーム7のスイング速度はパッケージ1の移動速度よりもやや速く設定されるため押圧体8には押圧力が生じる)することとなり、該押圧体8の摺動板8cがフラップ1cの最終端eに達するまでその押圧は続く。
【0020】
上記の一連の動作にて、ラベルはパッケージ1の水平面1aからコーナー1bを経てフラップ1cの最終端まで確実に貼付されることとなる。ラベルの貼付が完了したことをセンサーにて検知すると、図10に示すように、第2の突端11bにつながるアクチュエーターの作動は停止され第3の弾性支持部材10の力によりアーム7が初期位置に復帰するようにスイング(傾倒)する一方、第1の突端11aにつながるアクチュエーターが作動して第2の弾性支持部材9の引っ張り力に抗してアーム7を上方に向けて引き上げるようにスライドさせて次に移送されてくるパッケージ1のラベルの貼付に備える。
【0021】
本発明にしたがう装置は、上記の要領にてラベルを貼付するものであって、移送ラインを停止したり人手を要することなく、フラップの最終端まで連続的に効率よく、しかも確実にラベルを貼付することができる。
【0022】
上記の構成になる装置は、パッケージ1の水平面1aからフラップ1cに至るまでの領域にラベルを貼付する場合について例示したが、アーム7を配置する位置は任意に変更することが可能であり、図示のものには限定されない。
【0023】
パッケージ1のフラップ1cを押圧する力は、上述の如く、アーム7をアクチュエーターにて強制的にスイングさせることで発生させるが、その力はパッケージ1が損傷しない程度の力に設定される。また、アーム7のスイングは、アクチュエーターを使用せず、スプリングの如き弾性支持部材を適用してスイングさせてもよい。
【0024】
アーム7のスイング量やスライド量は、パッケージ1のサイズに合わせて適宜に調整される。第2の弾性支持部材9、第3の弾性支持部材10については、10〜50g程度の弱い力を有するスプリングを使用することができ、これにより押圧体8がパッケージに当接しても該パッケージが破損するのを回避することが可能となる。アクチュエーターを使用してアーム7をスイングさせる場合(パッケージのフラップを押圧する向きへのスイング)には、該アーム7の過大なスイングにてパッケージ1が破損しないように、スイングを規制するストッパーを設けるのがよい。
【産業上の利用可能性】
【0025】
移送ラインを停止したり人手を介在させることなしに連続的に効率よく、しかも確実にラベルを貼付できるラベル貼付装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明にしたがうラベル貼付装置の実施の形態を示した図である。
【図2】ラベルの貼着手順を示した図である。
【図3】本発明にしたがう装置の作動要領の説明図である。
【図4】本発明にしたがう装置の作動要領の説明図である。
【図5】本発明にしたがう装置の作動要領の説明図である。
【図6】本発明にしたがう装置の作動要領の説明図である。
【図7】本発明にしたがう装置の作動要領の説明図である。
【図8】本発明にしたがう装置の作動要領の説明図である。
【図9】本発明にしたがう装置の作動要領の説明図である。
【図10】本発明にしたがう装置の作動要領の説明図である。
【符号の説明】
【0027】
1 パッケージ
2 ベルトコンベア
3 フレーム
4 送り出しローラ
4a 軸受け
5 第1のベース
5a 貫通孔
5b 貫通孔
6 軸受け
7 アーム
8 押圧体
8a 第2のベース
8b 枢軸
8c 滑動板
8d 第1の弾性支持部材
9 第2の弾性支持部材
10 第3の弾性支持部材
11 連結ピース
11a 第1の突端
11b 第2の突端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受けを介して回転可能に支持され、搬送手段との挟持下にパッケージを送給ラインの下流に向けて送り出す送り出しローラと、
この送り出しローラの入側近傍域で送給ラインに沿ってスイング可能で、かつ、パッケージに近接、離隔する向きにスライド可能なアームとを備え、
前記アームに、その先端にて枢軸を介して揺動可能に弾性保持され、前記アームのスイング及びスライドの複合動作にしたがってパッケージのコーナーを含む少なくとも2面を連続的に滑動する押圧体を配設してなることを特徴とするラベル貼付装置。
【請求項2】
前記押圧体の滑動領域が、パッケージの平面からコーナーを経てフラップの最終端に至るまでの領域である、請求項1記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
前記アームは、そのスライドに際して前記押圧体を該パッケージに弾性的に接触させる弾性支持部材を有する請求項1又は2記載のラベル貼付装置。
【請求項4】
前記アームは、パッケージのフラップへ向かうスイングを誘導するアクチュエーターと、パッケージから離隔する向きへのスライドを誘導するアクチュエーターとを備える請求項1〜3の何れかに記載のラベル貼付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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