説明

ラマン分光法を用いる気相工程中間体の定量的測定

化学工程で気相物質を定量的に監視するための方法が提供され、その方法は、対象の1つ又は複数の反応気体を含む供給気流を提供する段階;ラマン分光装置からの干渉性放射に供給気流を曝露させる段階;供給流中の気体成分の各々からラマンスペクトル信号を得る段階;スペクトル信号を分析して気体成分の各々の存在及び濃度を判定する段階;並びに、分析の結果を提示する段階を含む。一実施形態では、本方法は高純度シリコンの製造法で気相物質を定量的に監視することに役立つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される対象は、ラマン分光法を用いる化学的生成工程での気相中間体の定量的測定に関する。一実施形態では、高純度多結晶シリコンの生成工程での気相反応体がリアルタイムで定量的に測定されて、プロセス平衡の動的評価を提供する。
【背景技術】
【0002】
高純度の半導体品位シリコンは、一般的にいわゆる「シーメンス法」を含むいくつかの公知の方法の1つによって調製される。シーメンス法では、水素及びシラン(SiH)を含む混合物又は水素及びトリクロロシラン(HSiCl)を含む混合物が、1000℃を超える温度に維持される基板ロッドを含む分解反応器に加えられる。以下の化学平衡及びカイネティクスが、以下の通りに反応を制御する:
【0003】
【化1】

【0004】
シリコンは基板の上に蒸着され、副産物の気体混合物がベント流で出る。水素及びトリクロロシランを含む混合物が用いられる場合、ベント流は水素、塩化水素、クロロシラン、シラン及びケイ素粉末を含むことができる。ベント流は、凝縮、洗浄、吸収及び吸着が、再利用のために供給物質トリクロロシラン及び水素の捕捉を促進するためにしばしば用いられる単位操作である、複合回収工程に流される。
【0005】
1つの代わりの方法は、水素及びシランを含む気体混合物又は水素及びトリクロロシランを含む混合物を、高温に維持されているシリコンビーズを含む流動層に加えることである。反応工程の間シリコンビーズはサイズが大きくなり、十分に大きくなったとき、生成物として流動層反応器の底から排出される。ベントガスは反応器の上から出て、シーメンス法で用いられるものに類似した回収工程を通して送られる。
【0006】
より最近、高純度シリコンの生成で向上した効率を提供するために、シーメンス法の態様が流動層法と組み合わせられている。シーメンス法の反応器からのベントガスが、高純度シリコンを生成するための方法の流動層反応器で供給ガスとして用いられた、Arvidsonら、米国特許出願公開第2008/0056979号を参照。
【0007】
シリコン生成物の収率及び純度は反応気体の供給速度及び濃度、温度及び圧力を含む多くの因子に依存するので、最適値からの逸脱は、小さな逸脱であっても生成物の収率の低下を引き起こすことがあり、及び/又は望ましくない混入物を生成物に導入することがある。したがって、最適値からの逸脱を検出して速やかに補正することができるように、実質的にリアルタイムで関与する反応体のすべてを監視できることが望ましいであろう。
【0008】
しかし、既存の試験方法は、多結晶シリコン生成法のために気相中間体を監視することにおいて欠点を有する。供給流又は生成流中の様々な気体の濃度を監視するために、過去にはガスクロマトグラフィーが用いられてきた。しかし、ガスクロマトグラフィーのサンプリングからの結果は比較的遅く、分析のために平均数分を要する。フーリエ変換赤外分光法(FTIR)もモニタリング法として利用されているが、水素ガスはFTIR機器に不可視である。したがって、既知の方法は、リアルタイム結果を生むことができないことなどのいくつかの欠点を抱えるか、必要な感度を欠いているか、必要とされる繰返し精度を欠いているか、又は対象の気体のすべてを同時に測定することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0056979号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、多結晶シリコン生成方法などの化学的製造法で用いられる気体のすべてを定量的及び同時に測定することができ、所望の感度及び繰返し精度により実質的にリアルタイムな結果を提供することができる、モニタリング及び制御の方法の必要性が残されている。
【0011】
それらの必要性は、高純度多結晶シリコンの生成などの化学的製造法で用いられる気体及び混合気体の定量的で、反復可能で、正確なリアルタイム測定を提供する本発明の実施形態によって対処される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態により、化学工程で気相物質を定量的に監視するための方法が提供され、その方法は、対象の1つ又は複数の反応気体を含む供給気流を提供する段階と、事前に較正されたラマン分光装置からの干渉性放射に供給気流を曝露させる段階とを含む。
【0013】
較正は、前記供給気流中の対象の各気体のためのラマンスペクトルで、各ピークは低振動点及び高振動点を含むピークを選択し、対象の各気体の既知の濃度のラマンスペクトルを収集することによって実施することができる。選択されたピークのピーク面積が次に計算される。ラマン分光装置での参照物質のラマンスペクトル中の参照ピークが選択され、参照ピークも低振動点及び高振動点を含む。参照物質のためのラマンスペクトルが収集され、参照物質の参照ピーク面積が計算される。選択されたピーク及び参照ピークからのピーク重なりによるあらゆるピーク面積調整が決定され、選択されたピークのピーク面積への参照ピークの寄与が除去される。対象の各気体の較正定数を確定するために、対象の各気体についての選択されたピーク面積の比が、参照ピーク面積で決定される。
【0014】
供給流中の気体成分の各々からのラマンスペクトル信号が得られ、前記気体成分の各々の存在及び濃度を決定するためにスペクトル信号が分析される。分析の結果を提示することができる。本発明の実施形態では、供給流の気体成分の相対量は、分光信号の分析に基づいて調整することができる。
【0015】
この実施形態では、ピーク面積の調整は、スペクトルの引き算、スペクトルのデコンボリューション又はスペクトルのピーク面積比で決定することができる。後者の技術については、ピーク面積の調整は、選択されたピークとの重なり部分を有さない参照物質のラマンスペクトルで第二のピーク面積を選択し、ピーク面積比調整係数を決定するために第二の参照ピークで参照ピークの面積の比を計算し;対象の気体の選択されたピーク面積にピーク面積調整係数を適用することで決定される。一実施形態では、対象の各気体の較正定数は、選択された参照ピーク面積で選択されたピーク面積の比を計算すること、そこにおいて
【0016】
【数1】

【0017】
であり、対象の選択された気体の既知の濃度値に対して計算された比をプロットして線形回帰モデルを作製することによって決定される。
【0018】
本発明の別の実施形態により、高純度シリコンの製造工程で気相物質を定量的に監視する方法が提供され、その方法は、H、HCl、SiH、HSiCl、HSiCl、HSiCl、SiCl又はNの1つ又は複数を含有する供給気流を提供する段階、ラマン分光装置からの放射に供給気流を曝露させる段階、供給流中の気体成分の各々からラマンスペクトル信号を得る段階、スペクトル信号を分析して気体成分の各々の存在及び濃度を決定する段階;並びに、分析の結果を提示する段階を含む。本方法は、分光信号の分析に基づいて供給流の気体成分の相対量を調整することを含むことができる。
【0019】
ラマン分光装置は、供給気流中の対象の各気体のラマンスペクトルで、各ピークは低振動点及び高振動点を含むピークを選択し、対象の各気体の既知の濃度のラマンスペクトルを収集し;選択されたピークのピーク面積を計算することによって較正することができる。前記ラマン分光装置での参照物質のラマンスペクトルで参照ピークが選択され、参照ピークは低振動点及び高振動点を含む。参照物質のためのラマンスペクトルが収集され、参照物質の参照ピーク面積が計算される。
【0020】
選択されたピーク及び参照ピークからのピーク重なりによるあらゆるピーク面積調整が特定され、選択されたピークのピーク面積への参照ピークの寄与が除去される。一実施形態では、このことは、対象の各気体の較正定数を確定するために、対象の各気体についての選択されたピーク面積の比を参照ピーク面積で計算することによって達成することができる。このピーク面積の調整は、スペクトルの引き算、スペクトルのデコンボリューション又はスペクトルのピーク面積比で決定することができる。
【0021】
一実施形態では、ピーク面積の調整は、選択されたピークとの重なり部分を有さない参照物質のラマンスペクトルで第二のピーク面積を選択し、ピーク面積比調整係数を決定するために第二の参照ピークで参照ピークの面積の比を計算することで決定される。対象の気体の選択されたピーク面積に、ピーク面積調整係数が適用される。
【0022】
この実施形態では、対象の各気体の較正定数は、選択された参照ピーク面積で選択されたピーク面積の比を計算すること、そこにおいて
【0023】
【数2】

【0024】
であり、対象の選択された気体の既知の濃度値に対して計算された比をプロットして線形回帰モデルを作製することによって決定される。
【0025】
別の実施形態では、高純度多結晶シリコンを生成するための方法が提供され、その方法は、H、及びSiH、HSiCl、HSiCl又はSiClから選択される少なくとも1つのシランを含有する供給気流を提供する段階と、供給気流の成分を反応させて高純度多結晶シリコンを形成する段階とを含む。反応と同時に、前記供給気流中の気体は、ラマン分光装置からの干渉性レーザー放射に供給気流を曝露させること;供給流中の気体成分の各々からラマンスペクトル信号を得ること;スペクトル信号を分析して気体成分の各々の存在及び濃度を決定すること、及び気体成分の各々の所定値からの逸脱を検出すること;並びに、そのような所定値から逸脱する気体成分のいずれかの供給速度を調整することによって監視される。
【0026】
他の実施形態では、プロセス平衡の動的評価を提供するために、他の化学工程のための供給気流成分を定量的に測定してもよい。例えば、四塩化ケイ素を水素化して、例えばトリクロロシラン(HSiCl)及びジクロロシラン(HSiCl)を形成する方法で用いられる、H及びSiClを含む供給気流成分を監視し、測定することができる。したがって、四塩化ケイ素を水素化する方法が提供され、その方法は、H及びSiClを含む供給気流を提供し、供給気流の成分を反応させてトリクロロシラン及びジクロロシランの少なくとも1つを形成する段階を含む。反応と同時に、前記供給気流中の気体は、ラマン分光装置からの干渉性放射に供給気流を曝露させること、供給流中の気体成分の各々からラマンスペクトル信号を得ること、スペクトル信号を分析して気体成分の各々の存在及び濃度を決定すること、及び気体成分の各々の所定値からの逸脱を検出すること、並びにそのような所定値から逸脱する気体成分のいずれかの供給速度を調整することによって監視される。
【0027】
したがって、本発明の特徴は、高純度多結晶シリコンの生成などの化学的製造法で用いられる気体及び混合気体の定量的で、反復可能で、正確なリアルタイム測定を提供することである。本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明、付属図及び添付される請求項から明らかとなる。
【0028】
本発明の具体的な実施形態の以下の詳細な説明は、類似の構造が類似の参照数字で示される以下の図と一緒に読むと、最もよく理解することができる:
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態の実施で用いられる定量的モニタリング装置の一実施形態の模式図である。
【図2】本発明の定量的モニタリング方法を利用することができる、高純度多結晶シリコンの製造のための1つの方法の模式的工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施形態は、化学的製造法で用いられる気体物質の定量的測定を提供する。本発明の一実施形態は多結晶シリコンの製造方法を目的にするが、本明細書に記載の技術は、その相対濃度を実質的にリアルタイムで監視及び制御する必要がある気相反応体を用いる、任意の化学的製造法に応用できることが理解されよう。
【0031】
本発明の実施形態は、ラマン分光分析を利用する。ラマン分光分析は、試料を照射するためにレーザーを利用し、反射又は後方散乱された放射を分析する振動分光分析の形である。ラマン分光分析用に、単一波長レーザーが市販されている。例には、785nm赤色レーザー及び532nm緑色レーザーが含まれるが、これらに限定されない。測定された反射放射とレーザー線、すなわちレーザーの波長の間のエネルギーシフトは、照射される分子中の結合の振動数に等しい。振動数は分子中の原子の質量、及び分子内の原子間結合の強度に依存し、異なる結合が特定の振動数によって特徴づけられる。振動数は、分子中の原子の幾何学的配置に依存することもできる。
【0032】
ラマンスペクトルは、散乱放射のエネルギーシフト、すなわちラマンシフトによる強度のプロットを一般に含む。詳細には、分子の振動及び回転構造の一般的な分光法の参照と一貫するように、本明細書で波数(cm−1で測定される)として参照される入射レーザー線からの波長シフトの各観察又はデータポイントは、その波長シフトでのカウントを含む。各波数での集合カウントのプロットは、測定時間中の試料のラマンスペクトルを与える。純粋な試料については、スペクトルを用いて試料を直接同定することができる。複合混合物又は溶液については、試料の組成を決定するための公知の技術を用いて、統計解析によって振動組成を分析することができる。実際上は、化学物質に関連するピークの分布は、混合物又は溶液中のその化学物質を認識するための公知のサイン又は指紋の役目を果たすことができる。これらの定量的及び定性的利点に加えて、ラマン分光分析は、空間的に分解される、すなわち試料中の深さで分解可能であるさらなる利点、及び、試料調製が一般に必要とされないので速やかな、ほぼ瞬間的な応答を提供する利点を有する。
【0033】
本明細書に記載の実施形態の実施で使用するために適するラマン分光系を、図1に表す。表すように、系10は、1つ又は複数の特定波長のレーザー放射を生成するレーザー源12、及び供給流15から転送される試料系統11の中を流れる反応気体からの反射波長を検出する検出器13を含むことができる。レーザー放射は、光ファイバーケーブル16によってラマンプローブ14に送られる。ケーブル16は、プローブの末端の光コネクタを通してプローブ14に連結することができるか、プローブに一体的に連結することができる。ケーブル16は、一般的に2つ以上の光ファイバーストランドを含み、ストランドの一部、例えばコアストランド14aは、レーザー源12からプローブ14にレーザー放射を運ぶように構成され、ストランドの残り、すなわち周辺ストランド14bは、散乱放射を検出器13に戻すように構成される。レーザー放射は、光の出入波長を実質的に透過させるプローブ14の先端にあるレンズ20を通して、試料へ及び試料から流れる。
【0034】
検出器13は、散乱放射を処理して試料に関連する1つ又は複数のスペクトルを形成することができる。一般的に、検出器13は、さらなる処理のために、散乱放射データ又はスペクトルをワークステーション22又はコンピュータに送る。ワークステーション又はコンピュータ22は、検出器13の活動を制御するように構成することができ、他のプロセッサーベースの系、例えば化学工程を制御するために利用される1つ又は複数のリモートコンピュータと通信することができる。好ましい形態では、ワークステーションは、Kaiser Optical Systems, Inc.から市販されているRamanRXN3(商標)アナライザーであってもよい。例示的なラマン分光系を示したが、様々な変更を加えることができることは当業技術者に明らかである。
【0035】
プローブ及びレンズは、供給気流中の潜在的に腐食性の環境からプローブを保護するように設計されている、様々な特徴を組み込むことができる。本明細書に記載の実施形態で用いるための適するプローブ設計は、Kaiser Optical Systems, Inc.からすべて市販されているPilot(商標)E及びPilot(商標)Sプローブ、並びにAirHead(商標)プローブである。そのようなプローブは、サファイアレンズを含む。そのようなプローブは、高温であることができ、及び/又は腐食性ガスを含むことができる気流に浸されるように設計されている。他の市販プローブを利用してもよい。
【0036】
分光系の較正
ラマン分光系のプローブ14及び関連機器は、任意の獲得スペクトルデータで一貫したラマンシフト及び強度応答を提供するために一般的に較正される。好ましい実施形態では、較正は、供給流で監視される気体反応体の所望のセットを選択し、既知の濃度で所与のバンド振動数のピーク面積カウントを測定し、線形回帰適合度を適用することによって達成される。系がそのような気体及びそれらのそれぞれの濃度を確実及び再現可能に同定することを担保するために、各気体のピーク面積カウントを、サファイヤ参照振動ピークに比率させる。サファイヤ面積カウントは、供給流に流れる気体と同時に測定される。この比率化技術は、測定検出限界(method detection limits)が約0.1%〜約0.8%で、繰返し精度が約0.05%〜約0.2%である方法を提供する。H、N、HCl、SiH、HSiCl、HSiCl、HSiCl及びSiClの測定検出限界は、これらの気体成分の不在下で実施された20個の測定値のセットの3つの標準の逸脱をとることによって推定された。異なる気体成分は、異なる検出限界を与えた。95%信頼区間を用いることにより、気体成分(H、N、HCl、HSiCl、HSiCl及びSiCl)のいくつかについて繰返し精度も推定した。「予想される」操作濃度での6つの気体成分ランについて、母平均の信頼区間を計算した。これらの信頼区間は、平均組成値割合の±0.05%から±0.2%の間の、ラマン機器からの所与の試験結果の繰返し精度を含意する。測定検出限界及び信頼区間結果は、監視される特定分子、監視される気流振動、機器操作条件、並びに関連する光ファイバー及び試料プローブアセンブリーなどの多くの因子に左右される。
【0037】
最初に、任意のピーク面積調整の必要性が特定され、定義されなければならない。第一に、対象の各分子成分を測定するために用いられる、ラマンスペクトルで用いられるピークが測定されなければならない。多結晶シリコンの製造方法における供給気流については、気体は、四塩化ケイ素、トリクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロロシラン、塩化水素、水素及び窒素の1つ又は複数を含む。参照ピークとして用いられるプローブ中のサファイヤウインドウからの振動ピークも、選択されなければならない。選択された各ピークは、所与のピーク波長ごとのピーク面積を計算するために定義される、低振動点及び高振動点を有する。
【0038】
選択されたピーク面積測定値に加える必要がある、あらゆるさらなるピーク面積調整を特定しなければならない。干渉バンドからのピーク重なりのために、ピーク面積調整が必要なこともある。例えば、多結晶シリコンの製造のための気体系では、416cm−1を中心とするサファイヤピークは、424cm−1を中心とする四塩化ケイ素ピークと部分的に重なる(高=435cm−1及び低=409cm−1と定義される)。四塩化ケイ素ピークだけの正確な測定が必要なので、409cm−1から435cm−1の間のラマン応答、416cm−1を中心とするサファイヤピークからのピーク面積への寄与を除かなければならない。それらに限定されないがスペクトルの引き算及びスペクトルのデコンボリューションを含む、この問題に対処するスペクトル操作のための複数の技術が存在する。
【0039】
好ましい技術は、424cm−1を同定するために用いるのと同じ高振動及び低振動点の416cm−1サファイヤバンド、及び749cm−1を中心とする異なるサファイヤ参照ピークの間のピーク面積比を定義することである。この比は、424cm−1領域のすべての将来の測定値から749cm−1ピーク面積のスケーリング値を引くために、次に適用される。
【0040】
ピーク面積調整値は、以下の通りに生成される。ラマン分光機器は、参照サファイヤだけのラマンスペクトルを収集するための、提供されている機器ソフトウェアを用いて操作する。収集したスペクトルデータは、いくつかの入手可能なソフトウェアツールのいずれか、例えばGalactic Industries Corporationから市販されているGRAMS Spectroscopyソフトウェアを用いて次に分析、処理することができる。あらゆる必要なピーク面積調整係数が、公知の技術、例えばスペクトルの引き算、スペクトルのデコンボリューション又はピーク面積比を用いることによって計算される。すべての選択されたピークについて面積が積分され、ピーク面積調整係数を各機器プローブについて計算することができる。例えば、1つのピーク面積調整係数は、ピーク面積(416cm−1)÷ピーク面積(749cm−1)で計算される。
【0041】
あらゆるピーク面積調整が特定され、定義されると、ラマン分光系は以下の通りに較正される。ラマン分光機器は、対象の各分子成分について反応気体の既知の濃度のセットを用いて操作され、ラマンスペクトルの形で収集される。測定される各分子成分について、参照サファイヤバンドの積分面積に対するこの分子成分からの振動バンドの積分面積の比をプロットする線形回帰モデルが作製され、潜在的ピーク面積調整を可能にする。この計算は以下の通りである:
【0042】
【数3】

【0043】
測定された比を既知の濃度値に対してプロットし、生成試料の定量的測定のために保存され、用いられる線形回帰モデルを作製する。これらの領域の間の積分面積は、一般的に、対象の各分子成分の信号応答を最大にするように選択される。回帰曲線からの傾きの値は、その分子成分のための較正定数として保持、保存される。他の形の回帰が、等しく適用できる。他の分子成分のすべて、及び用いられる他のプローブについて、データ収集が繰り返される。
【0044】
対象の各物質の既知の濃度の試料セットを用いて、対象の成分が各Pilot(商標)Eプローブ(又は他のプローブ)について較正される。試料同一性又はセンサー(プローブ)同一性などの、機器の操作で用いることができる他のあらゆる同定パラメータも収集される。
【0045】
特定の機器設定のための較正定数を測定することは、望ましい気体成分の各々を所与のプローブ、光ファイバー及びラマン機器の設定圧及び温度で較正することを必要とする。確立された一手法は、望ましい濃度域にわたって線形回帰(又は他の適する回帰)適合度を用いることであろう。気体標準は、設定温度及び圧で、様々な成分の異なる、既知の濃度で調製された。各気体標準をラマンプローブに曝露させ、蒸発を維持するために加熱し、その間、認定圧力計で圧を測定した。得られたスペクトルは、適当な回帰適合を実施するために用いられた。各成分の選択された振動又は回転ピークを測定し、適当な回帰適合を実施するために用いた。
【0046】
例えば、Pilot−E(商標)プローブの一較正では、3m光ファイバーケーブルを備えた500mW、785nmダイオードレーザーを85psig及び120℃で用いた。Eプローブについて、これらの較正定数を求めた。
【0047】
【表1】

【0048】
化学物質濃度の測定
機器を較正すると、供給流中の気体のラマンスペクトルを収集するためにそれを用いることができる。ラマンスペクトルからの対象の各ピークのピーク面積比は、以下の方程式に従って計算される:ピーク面積比(i)=(物質バンド面積(i)−参照バンド面積×面積調整係数)÷参照バンド面積。各気体の組成割合は、導かれた較正定数に基づき、そこで、出力値(i)=100×ピーク面積比(i)×較正定数(i)である。結果の正規化が所望である場合、正規化係数は、(出力値(i)=出力値(i)÷正規化係数)であるように用いられる。
【0049】
所望により、定量化データを提示、収集及び保存する。各ピークの面積積分の計算は、利用可能な積分手法を用いて実行した。好ましい実施形態では、市販のGRAMSソフトウェア(Galactic Industries Corp.)が用いられ、積分のための台形法則及び線形ベースライン補正が用いられる。面積積分のための他の確立された技術を適用することもできる。較正及び生成ランのモニタリングの両方のために同じ積分手法を用いるべきである。
【0050】
本明細書に記載される定量的モニタリング技術は、いくつかの化学工程の供給流中の気体の濃度を監視するために用いることができる。一実施形態では、このモニタリング技術は、高純度多結晶シリコンの生成のための方法で用いられる気体を監視し、分析するために役立つ。そのような方法の例は、図2に例示され、Arvidsonら、米国特許出願公開第2008/0056979号でより詳細に記載されている。Arvidsonらの方法では、多結晶シリコンを生成するために、流動層反応器及びシーメンス反応器が用いられる。
【0051】
図2に示すように、シーメンス供給気流101は、Uロッド103を含むシーメンス反応器102に加えられる。シーメンス供給気流は、トリクロロシラン又は他のハロゲン化シランを含むことができる。Uロッドは、多結晶シリコン架橋によって連結される2つの多結晶シリコンシードロッドを含むことができる。多結晶シリコンは、供給気流101からUロッドの上へ蒸着されて、ロッド形103の多結晶シリコン生成物を生成する。ロッド形103の生成物は、バッチの終わりにシーメンス反応器102から取り出される。シーメンス反応器からのベント気流104は、トリクロロシラン、四塩化ケイ素、水素、塩化水素及びケイ素粉末を含むことができる。
【0052】
ベント気流104は、シリコンシード粒子を含む流動層反応器105に加えられる。このベント気流104には、任意選択でさらなる供給気体、さらなる希ガス、又は両方とも、追加流106を補うことができる。追加流106は、さらなるクロロシランを含むことができる。さらなるクロロシランは、トリクロロシラン、四塩化ケイ素又はその組合せを含むことができる。多結晶シリコンは、シリコンシード粒子の上へ供給気流104、106から蒸着される。ビーズ形の多結晶シリコン生成物は、生成流107で流動層反応器105から取り出される。ベント気流108は、水素、塩化水素、及びクロロシラン、例えばトリクロロシランを含むことができ、四塩化ケイ素は、流動層反応器105から取り出されて、回収系109に送られる。水素を回収して、ライン110を通してシーメンス反応器102に送り返すことができる。クロロシランはライン111を通して回収し、再利用又は販売することができる。塩化水素を回収して、売ることができる。四塩化ケイ素は水素化するか、さもなければトリクロロシランに変換することができ、生じたトリクロロシランはシーメンス反応器102に再循環させることができる。
【0053】
本明細書に記載される定量的モニタリング方法は、気流101及び106の一方又は両方で気体を監視するために用いることができる。各気体成分は、高純度シリコン生成物を提供するために、所定濃度で存在するべきである。最適値からのあらゆる逸脱に対処し、補正することができるように、これらの供給流中の気体成分の量(供給速度)の調整を同時に行うことができる。
【0054】
本発明を詳細に、及びその具体的な実施形態を参照して記載したが、添付の請求項で定義される本発明の範囲を逸脱しない範囲で改変及び変形形態が可能であることは明らかとなる。より具体的には、本発明の一部の態様が好ましいか特に有利であると本明細書で特定されているが、本発明が本発明のこれらの好ましい態様に必ずしも限定されないことが企図される。
【符号の説明】
【0055】
10 系
11 試料系統
12 レーザー源
13 検出器
14 ラマンプローブ
14a コアストランド
14b 周辺ストランド
15 供給流
16 光ファイバーケーブル
20 レンズ
22 コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学工程で気相物質を定量的に監視する方法であって、
対象の1つ又は複数の反応気体を含む供給気流を提供する段階と、
前記供給気流を、
前記供給気流中の対象の各気体のラマンスペクトルで、各ピークは低振動点及び高振動点を含むピークを選択すること、
対象の各気体の既知の濃度のラマンスペクトルを収集すること、
選択されたピークのピーク面積を計算すること、
前記ラマン分光装置での参照物質のラマンスペクトルで、低振動点及び高振動点を含む参照ピークを選択すること、
前記参照物質のラマンスペクトルを収集すること、
前記参照物質の参照ピーク面積を計算すること、
選択されたピーク及び前記参照ピークからのピーク重なりによるあらゆるピーク面積調整を特定し、前記選択されたピークのピーク面積への前記参照ピークの寄与を除去すること、
対象の各気体の較正定数を確定するために、対象の各気体の選択されたピーク面積の比を参照ピーク面積で計算することによって事前に較正されているラマン分光装置からの干渉性放射に曝露させる段階と、
前記供給流中の気体成分の各々からラマンスペクトル信号を得る段階と、
前記スペクトル信号を分析して前記気体成分の各々の存在及び濃度を決定する段階と、
前記分析の結果を提示する段階とを含む方法。
【請求項2】
前記分光信号の分析に基づいて前記供給流の気体成分の相対量を調整することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ピーク面積調整が、スペクトルの引き算、スペクトルのデコンボリューション又はスペクトルのピーク面積比で決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ピーク面積調整が、
選択されたピークとの重なり部分を有さない前記参照物質のラマンスペクトルで第二のピーク面積を選択する段階と、
ピーク面積比調整係数を決定するために前記第二の参照ピークで前記参照ピークの面積の比を計算する段階と、
対象の気体の選択されたピーク面積に前記ピーク面積調整係数を適用する段階とによって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
対象の各気体の較正定数が、選択された参照ピーク面積で選択されたピーク面積の比を計算すること、そこで
比=(選択された気体のピーク面積−参照物質のピーク面積×面積調整係数)÷参照物質のピーク面積であり、
対象の選択された気体の既知の濃度値に対して計算された比をプロットして線形回帰モデルを作製することによって決定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
高純度シリコンの製造工程で気相物質を定量的に監視する方法であって、
、SiH、HSiCl、HSiCl、HSiCl、HCl、SiCl又はNの1つ又は複数を含有する供給気流を提供する段階と、
ラマン分光装置からの放射に前記供給気流を曝露させる段階と、
前記供給流中の気体成分の各々からラマンスペクトル信号を得る段階と、
前記スペクトル信号を分析して前記気体成分の各々の存在及び濃度を決定する段階と、
前記分析の結果を提示する段階とを含む方法。
【請求項7】
前記分光信号の分析に基づいて前記供給流の気体成分の相対量を調整することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ラマン分光装置を、
前記供給気流中の対象の各気体のラマンスペクトルで、各ピークは低振動点及び高振動点を含むピークを選択する段階と、
対象の各気体の既知の濃度のラマンスペクトルを収集する段階と、
選択されたピークのピーク面積を計算する段階と、
前記ラマン分光装置での参照物質のラマンスペクトルで、低振動点及び高振動点を含む参照ピークを選択する段階と、
前記参照物質のラマンスペクトルを収集する段階と、
前記参照物質の参照ピーク面積を計算する段階と、
選択されたピーク及び前記参照ピークからのピーク重なりによるあらゆるピーク面積調整を特定し、前記選択されたピークのピーク面積への前記参照ピークの寄与を除去する段階と、
対象の各気体の較正定数を確定するために、対象の各気体の選択されたピーク面積の比を参照ピーク面積で計算する段階とによって較正することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ピーク面積調整が、スペクトルの引き算、スペクトルのデコンボリューション又はスペクトルのピーク面積比で決定される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ピーク面積調整が、
選択されたピークとの重なり部分を有さない前記参照物質のラマンスペクトルで第二のピーク面積を選択する段階と、
ピーク面積比調整係数を決定するために前記第二の参照ピークで前記参照ピークの面積の比を計算する段階と、
対象の気体の選択されたピーク面積に前記ピーク面積調整係数を適用する段階とによって決定される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
対象の各気体の較正定数が、選択された参照ピーク面積で選択されたピーク面積の比を計算すること、そこで、
比=(選択された気体のピーク面積−参照物質のピーク面積×面積調整係数)÷参照物質のピーク面積であり、
対象の選択された気体の既知の濃度値に対して計算された比をプロットして線形回帰モデルを作製することによって決定される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
高純度多結晶シリコンを生成するための方法であって、
、及びSiH、HSiCl、HSiCl、HSiCl又はSiClから選択される少なくとも1つのシランを含有する供給気流を提供する段階と、
前記供給気流の成分を反応させて高純度多結晶シリコンを形成する段階と、
反応と同時に、前記供給気流中の気体を、
ラマン分光装置からの放射に前記供給気流を曝露させること、
前記供給流中の気体成分の各々からラマンスペクトル信号を得ること、
前記スペクトル信号を分析して前記気体成分の各々の存在及び濃度を決定すること、及び前記気体成分の各々の所定値からのあらゆる逸脱を検出すること、並びに
前記所定値から逸脱する前記気体成分のいずれかの供給速度を調整することによって監視する段階とを含む方法。
【請求項13】
前記分光信号の分析に基づいて前記供給流の気体成分の相対量を調整することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ラマン分光装置を、
前記供給気流中の対象の各気体のラマンスペクトルで、各ピークは低振動点及び高振動点を含むピークを選択する段階と、
対象の各気体の既知の濃度のラマンスペクトルを収集する段階と、
選択されたピークのピーク面積を計算する段階と、
前記ラマン分光装置での参照物質のラマンスペクトルで、低振動点及び高振動点を含む参照ピークを選択する段階と、
前記参照物質のラマンスペクトルを収集する段階と、
前記参照物質の参照ピーク面積を計算する段階と、
選択されたピーク及び前記参照ピークからのピーク重なりによるあらゆるピーク面積調整を特定し、前記選択されたピークのピーク面積への前記参照ピークの寄与を除去する段階と、
対象の各気体の較正定数を確定するために、対象の各気体の選択されたピーク面積の比を参照ピーク面積で計算する段階とによって較正することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ピーク面積調整が、スペクトルの引き算、スペクトルのデコンボリューション又はスペクトルのピーク面積比で決定される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ピーク面積調整が、
選択されたピークとの重なり部分を有さない前記参照物質のラマンスペクトルで第二のピーク面積を選択する段階と、
ピーク面積比調整係数を決定するために前記第二の参照ピークで前記参照ピークの面積の比を計算する段階と、
対象の気体の選択されたピーク面積に前記ピーク面積調整係数を適用する段階とによって決定される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
対象の各気体の較正定数が、選択された参照ピーク面積で選択されたピーク面積の比を計算すること、そこで、
比=(選択された気体のピーク面積−参照物質のピーク面積×面積調整係数)÷参照物質のピーク面積であり、
対象の選択された気体の既知の濃度値に対して計算された比をプロットして線形回帰モデルを作製することによって決定される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
四塩化ケイ素を水素化してトリクロロシラン及びジクロロシランの少なくとも1つを形成するための工程で気相物質を定量的に監視するための方法であって、
及びSiClを含有する供給気流を提供する段階と、
ラマン分光装置からの放射に前記供給気流を曝露させる段階と、
前記供給流中の気体成分の各々からラマンスペクトル信号を得る段階と、
前記スペクトル信号を分析して前記気体成分の各々の存在及び濃度を決定する段階と、
前記分析の結果を提示する段階とを含む方法。
【請求項19】
前記分光信号の分析に基づいて前記供給流の気体成分の相対量を調整することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ラマン分光装置を、
前記供給気流中の対象の各気体のラマンスペクトルで、各ピークは低振動点及び高振動点を含むピークを選択する段階と、
対象の各気体の既知の濃度のラマンスペクトルを収集する段階と、
選択されたピークのピーク面積を計算する段階と、
前記ラマン分光装置での参照物質のラマンスペクトルで、低振動点及び高振動点を含む参照ピークを選択する段階と、
前記参照物質のラマンスペクトルを収集する段階と、
前記参照物質の参照ピーク面積を計算する段階と、
選択されたピーク及び前記参照ピークからのピーク重なりによるあらゆるピーク面積調整を特定し、前記選択されたピークのピーク面積への前記参照ピークの寄与を除去する段階と、
対象の各気体の較正定数を確定するために、対象の各気体の選択されたピーク面積の比を参照ピーク面積で計算する段階とによって較正することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記ピーク面積調整が、スペクトルの引き算、スペクトルのデコンボリューション又はスペクトルのピーク面積比で決定される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ピーク面積調整が、
選択されたピークとの重なり部分を有さない前記参照物質のラマンスペクトルで第二のピーク面積を選択する段階と、
ピーク面積比調整係数を決定するために前記第二の参照ピークで前記参照ピークの面積の比を計算する段階と、
対象の気体の選択されたピーク面積に前記ピーク面積調整係数を適用する段階とによって決定される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
対象の各気体の較正定数が、選択された参照ピーク面積で選択されたピーク面積の比を計算すること、そこで、
比=(選択された気体のピーク面積−参照物質のピーク面積×面積調整係数)÷参照物質のピーク面積であり、
対象の選択された気体の既知の濃度値に対して計算された比をプロットして線形回帰モデルを作製することによって決定される、請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−527615(P2012−527615A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511887(P2012−511887)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/034352
【国際公開番号】WO2010/135105
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(590001418)ダウ コーニング コーポレーション (166)
【氏名又は名称原語表記】DOW CORNING CORPORATION
【出願人】(503060684)ヘムロック・セミコンダクター・コーポレーション (17)
【Fターム(参考)】