説明

ラミネートされた床用製品

【課題】摩滅に対する耐久性を備え、自然物(セラミック、木等)の良好な模倣が得られる床用製品を提供する。
【解決手段】床用製品が、高分子化し得る樹脂を含浸されたセルロースシート5を表面に直接ラミネートされたボード部品4をセルロースシート5とともにホットプレスして形成した床用製品6であって、セルロースシート5は、その表面にデザインされた特徴付けを印刷されており、ホットプレスにより、セルロースシート5及びボード部品4の双方が周縁領域1と周縁領域1の残りの部分である内部領域Sとを設けられ、周縁領域1は内部領域Sより低くなるように加工されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木製ボード又はパネル等のボード部品とともに、フェノール樹脂又はメラミン樹脂等を含浸されたセルロースシート(紙)が使用され、この樹脂を含浸されたセルロースシートが、木製ボード等のボード部品とともにホットプレスされた床用製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来知られているように、木製ボード又はパネル等のボード部品とともに、フェノール樹脂又はメラミン樹脂等を含浸されたセルロースシート(紙)が使用され、この樹脂を含浸されたセルロースシートが、木製ボード等のボード部品とともにホットプレスされた製品がある。その製品は、例えば、ボード又はパネル等のボード部品にセルロースシートが直接ラミネートされた床用製品であり、これらは、主として床のために、木、セラミック、自然岩石による被覆を模倣するためのものである。
【0003】
メラミン樹脂が使用され、床用製品が、(例えば床のように)1枚の加工表面を有する場合、ホットプレス成形されるメラミン樹脂含浸セルロースシートを有する床用製品の表面は、一般的に3〜8平方メートルであり、ホットプレス成形後に機械加工される。すなわち1200×200mm程度の断片(例えば細長片)に切断される。各断片は目違い継ぎされ、木、セラミック、自然岩石を模倣して、装飾的な及び耐久性を高めるため、敷き詰められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような製品は2つの欠点を有する:
1.摩滅に対する耐久性がない。
2.自然物(セラミック、木等)の良好な模倣が得られない。
【0005】
そこで、本出願人は、このようにして製造され敷き詰められて使用されるタイル、細長片、ボード等の部品が非常に摩滅しやすい理由について検討した結果、これらの部品の周辺のエッジのまわりで、部品の目違い継ぎ線に沿って、摩滅が始まることを見いだした。
【0006】
現在知られている床用製品は、平らな表面を有しており、そのため、使用者、歩行者は、タイル等の中心も周辺のエッジも等しく踏みつける(靴底が接触する)。そして、この周辺のエッジは、その実際の構造に由来して、最も弱い領域であり、最初に劣化する領域である。
【0007】
本発明は、上記の欠点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明は、上記の第1の欠点を克服するため、多角形、通常長方形又は正方形の床用製品(タイル、細長片、ボード等の形状)がその周縁領域で低くなっているようにすること、さらに、周縁領域のエッジの高さをそれ以外の表面である内部領域より1mmの数十分の1だけ低くすることである。これによって、ユーザが、例えばタイルを踏みつける時に靴底がタイルの周縁領域のエッジに乗らないため、タイルの周縁領域のエッジと靴底は接触しない。同様に、他のいかなるものとも接触しないため、周縁領域のエッジにおける摩擦や摩耗も回避される。
【0009】
さらに、本出願人は、従来製品における上記の第2の欠点について検討した結果、模倣が適切になされないのは、製品の表面の視覚的観点及び触感的観点から見て誤ったデザインによるテクスチャ(レリーフないしは起伏)に起因するという結論に達した。
【0010】
すなわち、現状の製品においては、表面の装飾的効果は、樹脂含浸セルロースシート上に印刷されたデザイン(特徴付け)によって表現され、また、なにを模倣するにせよ、ホットプレス成形により表面全体を覆う単調なテクスチャ(レリーフないしは起伏)によっても表現されている。
【0011】
デザインは、多様な起伏を有する自然物の多様な特徴(線、色)を同定するものである。しかし、現状の製品のホットプレス成形によるテクスチャ(レリーフないしは起伏)は、表面全体に均一に分布している。そのため、自然物における起伏の違いを表現する特徴付け領域の表面テクスチャは、視覚的にも触感的にも現状の製品では自然物とは異なる。
【0012】
従って、本発明のもう一つの目的は、この問題を克服するため、平坦でも単調でもない表面を有する床用製品(タイル、細長片、ボード等の形状)のテクスチャ(レリーフないしは起伏)が、紙の上に印刷されかつ自然物の特徴を同定するものとして定義される特徴付け領域に対応し適合するようにすることである。
【0013】
すなわち、木の節をデザインとして特徴付けする場合には、最終製品においてレリーフのある領域がその特徴付けに適合する(体積的、概念的、物理的に対応する)ようになされる。木の気孔、自然岩石のざらざら、又はセラミックの表面の泡をデザインする場合も、同様である。
【0014】
このことは、樹脂含浸セルロースシート上に印刷された特徴付けと、ホットプレス成形のレリーフとの間の正確な対応、すなわち一致によって達成される。
【0015】
このようにして得られるものは、例えば:
a)地面用セラミックスタイルで舗装する場合に、セラミックタイル間の連結部が低くなっているセラミックタイルのデザイン、あるいは、
b)樹脂含浸セルロースシート上に印刷された木目、木の気孔、木の節、木の脈が、表面のレリーフと一致する木のデザイン、である。
【0016】
要するに、本発明による床用製品の新規性は、樹脂含浸セルロースシート上の特徴付けに適合し対応する非常に顕著な表面のレリーフにあり、これによって、表面のレリーフが樹脂含浸セルロースシート上の特徴付けに適合していない場合に比べて、よりリアルな効果を達成することができる。すなわち、視覚的効果があるばかりでなく、多様なレリーフが正しい場所に顕れ、加えて、それに触ることもできる触感的効果もある。
【0017】
一方では、製品間の連結部が、踏まれても靴底と接触せず、摩耗しないため、製品の寿命は著しく延びる。
【0018】
本発明による床用製品は、ボード部品の表面に高分子化し得る樹脂を含浸されたセルロースのシートを直接ラミネートされており、セルロースシートとともにボード部品がホットプレスされ機械加工された床用製品の周縁領域を内部領域よりも低い所又は窪んだ所とする点において特徴がある。
【0019】
本発明による床用製品は、上記セルロースシートに特徴付けが印刷されており、ホットプレスされ機械加工された床用製品の表面のレリーフが、セルロースシート上に印刷された特徴付けと視覚的又は触感的に対応し適応するという点においても特徴がある。
【0020】
本発明をより良く理解するために、好適な実施形態が図面に示される。この好適な実施形態は、本質から逸脱しない範囲で副次的な変更を受け得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の床用製品のホットプレス前の平面図であり、樹脂に含浸されたセルロースシートの模様を示す。
【図2】図2は、図1の床用製品のホットプレス後の平面図である。
【図3】図3は、図2のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一つの実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】
このタイプの床用製品は、通常、フェノール樹脂やメラミン樹脂を含浸されるセルロースシート(5)と、セルロースシートをラミネートされたボード部品(4)とを有する。このセルロースシート(5)は、木のシート又は耐摩耗性のシリカのような他の積層構造を含んでもよい。製品の化学的性質及び積層構造は、本発明の目的とは関係ない。
【0024】
図1において、周縁領域の色は、残りの部分である内部領域に対して異なっていてもよい。特徴付けのデザイン上の縁は、ホットプレスによって高さの低い周縁領域(1)となる(図2参照)。
【0025】
図2に示すように、舗装上に設置される床用製品の単位片(6)は、周縁領域(1)が残りの表面である内部領域(S)に比べて窪んでおり、連結部(2)又は例えば隣との目違い継ぎのようにいかなる手順による連結にも対応する。
【0026】
樹脂含浸セラミックシートをラミネートしたボード部品をホットプレスした最初の大きさの床用製品を、挽き割り又は切断することにより、例えば300×300mm又は400×400mmの単位片(6)(例えば細長片)としての床用製品が得られ、又は、幾つかの単位片を維持したまま例えば1200×300mm(4単位片を維持して)又は1200×400mm(3単位片を維持して)のブロックとしての床用製品が得られる。
【0027】
図示の場合、この単位片(6)の表面上に、通常存在するような2つの変形(a1)、(b1)を与えることによって、この単位片(6)のボードでセラミックを模倣しようとしている。
【0028】
実際のセラミックタイルは、土台であるセメントの床に設置されることを考慮すると、セルロースシートの特徴付けに由来する周縁領域(1)の窪みとセメントカラーによって、周縁領域(1)は触感も見た目も良く、この単位片(6)のボードは、実際のセラミックタイルをうまく模倣していることが分かる。
【0029】
もしユーザが単位片(6)のボードないしはタイルの間を踏んでも、靴(3)の底は決して単位片(6)における周縁領域(1)のエッジ(a)に届かない(図3参照)。
【0030】
セラミックタイルを模倣する製品の特徴付け(a1)、(b1)が形成されたならば、最終製品におけるレリーフ(この場合は、図2の変形(a1)、(b1))は、位置、概念、物理、体積に関して、模倣すべき製品すなわちセラミックタイルを同定するべく特徴付けられた図1のデザイン(a)、(b)と完全な対応を保持している。
【0031】
このように、周縁領域(1)の具体的な場合において、たとえばセラミックタイルの一つの具体的な特徴付けを実現することができる。
【0032】
ホットプレスによる床用製品の設置方法は、通常、床に置くべき単位片(タイル、細長片、ボード等の形状をもつ)へ分割することと、例えば目違い継ぎのような単位片間の連結手段を(必要な場合に)準備することとからなる。しかし、床用製品の設置方法は、本発明の目的とは関係ない。
【符号の説明】
【0033】
1 周縁領域
2 連結部
3 靴
4 ボード部品
5 セルロースシート
6 (床用製品の)単位片
a,b 特徴付け(デザイン)
a1,b1 レリーフ(変形)
S 内部領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子化し得る樹脂を含浸されたセルロースシート(5)を表面に直接ラミネートされたボード部品(4)を前記セルロースシート(5)とともにホットプレスして形成した床用製品(6)であって、前記セルロースシート(5)は、その表面にデザインされた特徴付けを印刷されており、前記ホットプレスにより、前記セルロースシート(5)及び前記ボード部品(4)の双方が周縁領域(1)と前記周縁領域(1)の残りの部分である内部領域(S)とを設けられ、前記周縁領域(1)は前記内部領域(S)より低くなるように加工されている、床用製品。
【請求項2】
前記内部領域(S)において、前記ホットプレスにより、前記セルロースシート(5)及び前記ボード部品(4)の双方が、前記セルロースシート(5)に印刷された特徴付けに対応したレリーフを有するように加工されている、ことを特徴とする請求項1に記載の床用製品。
【請求項3】
前記デザインされた特徴付けが、模倣すべき自然物を表現していることを特徴とする請求項2に記載の床用製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−149273(P2011−149273A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71288(P2011−71288)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【分割の表示】特願2001−535680(P2001−535680)の分割
【原出願日】平成11年11月25日(1999.11.25)
【出願人】(502143951)インダストリアス アウクシリアレス ファウス、エセ.エレ.ウ. (1)
【Fターム(参考)】