説明

ラムザンガムの新規用途

【課題】 ラムザンガムの特性に基づいた種々の新規用途を提供する。
【解決手段】ラムザンガムの可食性組成物用物性改良剤としての用途、詳細には、耐熱性
付与剤、冷凍組成物用増粘安定剤、酸性組成物用増粘剤、高濃度塩分含有組成物用増粘剤
、分散安定剤、澱粉組成物用品質改良剤、保水性改良剤、液状組成物の流動性改良剤、食
感改良剤としての用途。増粘剤組成物として、ラムザンガムとグルコマンナンを含有する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラムザンガムの特性に基づいた種々の新規用途に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品の品質改良、例えば、増粘性、ゲル化性、安定性、分散性、乳化性、起泡性などの物性を改良したり、食物繊維を強化したりする目的で、種々の食品ハイドロコロイドが使用されている。食品ハイドロコロイドとは、水を分散媒体として食品中に存在する、粒子径約1μm以下のたんぱく質および多糖類のことを指す。食品ハイドロコロイドは特異な物性を有し、それ自身が食品素材として有用なだけでなく、他の食品に少量添加することで食品の物性や機能性を改良する作用がある。食品のおいしさを支配する要因の一つである食感(テクスチャー)と食品物性の間には密接な関係があり、食品物性を制御することができる食品ハイドロコロイドはテクスチャーモディファイアーとも呼ばれている。最近では、咀嚼・嚥下困難者用食品のかたさや喉越しを改良する目的で食品ハイドロコロイドが汎用されており、その使用用途は拡大している。
【0003】
食品ハイドロコロイドのうち食品多糖類は、種々の起源のものがあり、その機能も多種多様である。食品多糖類の起源としては、種子、根茎、樹液、果実、海藻、微生物等があり、それぞれ代表的な物質として、種子ではグァーガム、タラガム、ローカストビーンガム、水溶性ヘミセルロース、タマリンドシードガム、およびサイリウムシードガムが、根茎ではコンニャク粉、グルコマンナン、およびでん粉が、樹液ではアラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、およびガティガムが、果実ではペクチンが、海藻では寒天、カラギナン、アルギン酸、およびアルギン酸塩が、微生物ではキサンタンガム、ジェランガム、プルラン、およびカードラン等を挙げることができる。
【0004】
また、多様化するニーズに応えるために、耐熱性、耐冷凍性、耐酸性、耐塩性などの機能性に優れた食品ハイドロコロイドが求められてきている。これらの要望に応えるための方法として、機能性が異なる複数の食品ハイドロコロイドを併用し、相補的・相乗的効果により解決する方法が考えられている。例えば、キサンタンガムとグァーガム、キサンタンガムとローカストビーンガム、キサンタンガムとグルコマンナン等の組み合わせによる、ゲル強度の上昇や離水の減少等の効果(非特許文献1)が知られている。しかしながら、多様化する市場のニーズに応えるために、更に高度な機能性を有する、新規な素材が求められている。
【0005】
ラムザンガムは、工業用増粘剤・懸濁化剤、飼料としての用途が知られており、例えば、石油二次・三次回収用増粘剤(特許文献1)、工業用途としての水性澱粉スラリー用懸濁剤(特許文献2)、釉薬にラムザンガムを添加することによる懸濁安定性の良好な釉薬組成物(特許文献3)、養殖鰻用配合飼料(特許文献4)などの用途が検討されている。しかし、ラムザンガムの食品や医薬品分野などの可食性組成物および経口組成物への使用検討はほとんどなされていない。
【0006】
【特許文献1】特開平2−104896号公報
【特許文献2】特許第2660269号公報
【特許文献3】特公平6−67795号公報
【特許文献4】特開平2−109948号公報
【0007】
【非特許文献1】食品多糖類 乳化・増粘・ゲル化の知識 岡崎直道、佐野征男、幸書房(2001)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、特に食品や医薬品などの可食性組成物における、ラムザンガムの新規な用途を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、主にラムザンガムの基礎的性質について鋭意研究を重ねていたところ、ラムザンガムが、従来の食品ハイドロコロイドに比べて下記の性質において優れていることを見いだした。
(1)耐熱性
(2)耐冷凍性
(3)耐酸性
(4)耐塩性
(5)分散安定性
(6)流動性改良(レオロジー的に固体的性質が強い)
(7)水への溶解性(特に常温域)
(8)粘度発現の安定性(液性によらず、一定の粘度を発現する)
【0010】
本発明者らは、これらの知見に基づき、ラムザンガムを利用することによって、多機能な増粘剤組成物を調製することができることや、従来の食品ハイドロコロイドでは実現できなかった機能を対象組成物に対して付与できること等を確認して本発明を開発するに至った。
【0011】
つまり、本発明は、ラムザンガムおよびラムザンガムを含む増粘剤組成物およびその可食性組成物での用途に関する。詳細には、ラムザンガムおよびラムザンガムを含む増粘剤組成物の各種組成物、特に可食性組成物の物性改良(主に耐熱性、耐冷凍性、耐酸性、耐塩性、分散安定性、耐老化性、保水性、流動性、食感)に関する。
【0012】
詳細には、以下に掲げるラムザンガムの可食性組成物や経口組成物に関する新規用途を提供するものである。
項1. ラムザンガムを含むことを特徴とする可食性組成物用物性改良剤。
項2. 耐熱性付与剤である、項1に記載の物性改良剤。
レトルト殺菌などの過酷な加熱処理を施す組成物に使用する増粘剤(物性改良剤)として有用である。
項3. 冷凍組成物用増粘安定剤である、項1に記載の物性改良剤。
冷凍組成物(冷凍食品)用増粘剤(物性改良剤)、更には、冷菓用安定剤として有用である。
項4. 酸性組成物用増粘剤である、項1に記載の物性改良剤。
項5. 高濃度塩分含有組成物用増粘剤である、項1に記載の物性改良剤。
項6. 分散安定剤である、項1に記載の物性改良剤。
項7. 澱粉含有組成物用品質改良剤である、項1に記載の物性改良剤。
項8. 保水性改良剤である、項1に記載の物性改良剤。
項9. 液状組成物の流動性改良剤である、項1に記載の物性改良剤。
液状組成物(食品)に対し、レオロジー的に固体的性質を付与する流動性改良剤として有用である。
項10. 食感改良剤である、項1に記載の物性改良剤。
【0013】
項11. ラムザンガムを含むことを特徴とする可食性組成物。
項12. ラムザンガムを0.01〜10重量%の割合で含む項11記載の可食性組成物。
項13. ラムザンガムを配合することを特徴とする、可食性組成物の物性の改質もしくは改良方法。
項14. 改質もしくは改良される可食性組成物の物性が、耐熱性、耐冷凍性、耐酸性、耐塩性、分散安定性、耐老化性、保水性、流動性または食感である項13記載の物性の改質もしくは改良方法。
項15. ラムザンガムとグルコマンナンを含有することを特徴とする増粘剤組成物。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、可食性組成物の物性改良効果を有する、多様な増粘剤組成物を提供することができる。詳細には、可食性組成物にラムザンガムを含む増粘剤組成物を配合することにより、可食性組成物に耐熱性、耐冷凍性、耐酸性、耐塩性、分散安定性、および耐老化性を付与し、可食性組成物の保水性、流動性、および食感を改良することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、ラムザンガムを含むことを特徴とする可食性組成物用物性改良剤に関する。 ラムザンガムは微生物スフィンゴモナス(Sphingomonas)が菌体外に産生する多糖類であり、(1→3)β-D-グルコース、(1→4)β-D-グルクロン酸、(1→4)β-D-グルコース、(1→4)α-L-ラムノース(1→)からなる構成単位(モノマー)が直鎖状に結合した主鎖骨格を有し、側鎖としてグルコース2分子が、1→3結合したグルコースのC6の位置に1→6結合している。
【0016】
本発明の物性改良剤は、ラムザンガムが可食性組成物中0.01〜10重量%含有されるように添加することが望ましい。含有濃度が0.01重量%より低いと十分な改質および改良効果が発揮されず、一方、10重量%以上添加してもそれ以上の効果は見込めず、更には粘度等の上昇により製造・作業効率が低下するからである。また、本発明の物性改良剤には、ラムザンガムの効果を妨げない範囲において、他の多糖類等を併用することができる。
【0017】
本発明の物性改良剤の形態は、錠剤、顆粒、粉末状、液状、ペースト状等何れの形態で使用しても良い。
以下、本発明の物性改良剤の機能毎に述べる。
【0018】
(1)耐熱性付与剤(レトルト殺菌等の過酷な加熱処理を施す可食性組成物に使用する増粘剤)
本発明は、前記ラムザンガムを含有することを特徴とする耐熱性付与剤に関する。
本発明は、ラムザンガムを含有する耐熱性付与剤を組成物、特に可食性組成物に添加することにより、特にレトルト殺菌やUHT(超高温短時間殺菌)などの過酷な殺菌条件や加熱処理を含む工程で製造しても、粘度の変動が少なく、また、内容成分の凝集や分離などが起こらない、物性や食感の安定性が高い可食組成物品が得られることが特徴である。
【0019】
即ち、本発明は、ラムザンガムの耐熱性付与剤としての用途、並びに該耐熱性付与剤を含有することにより耐熱性が向上してなる組成物、特に可食性組成物を提供するものである。
【0020】
レトルト殺菌(加熱加圧殺菌)は、加熱時に蒸気や加圧熱水を使用して行う殺菌であり、装置はバッチ式と連続式に大別でき、バッチ式が多用されている。バッチ式も加熱媒体の種類により、加熱蒸気を利用する蒸気式と、加圧加熱水を利用する熱水式がある。現在の主流は熱水式である。可食性組成物を充填した密封容器がレトルト釜の中で固定されている静置式と、時間短縮と熱ムラを少なくするために回転させる回転式など、生産性や内容品に応じて種々のタイプが使用される。本発明では、汎用されるレトルト殺菌条件として、例えば、120〜130℃、20〜40分間を挙げることができる。
【0021】
UHT(超高温;ultra high temperature)殺菌とは超高温殺菌のことであり、120℃以上、120〜150℃程度の高温温度で行う殺菌である。UHT殺菌機を用いた殺菌には、間接加熱方法と直接加熱方法がある。間接加熱方法は、プレート式熱交換、チューブラー式熱交換、かき取り式熱交換などがあり、直接加熱方法には、製品のなかに加圧蒸気を吹き込む方式(injection type)と蒸気の充満した容器のなかに製品を噴射する方式(infusion type)がある。本発明では、汎用されるUHT殺菌条件として、例えば、140℃、30〜60秒間を挙げることができる。
【0022】
本発明の増粘剤(物性改良剤)を被検組成物に添加することで、レトルト殺菌やUHT殺菌を行っても、粘度の変動が少なく、また、内容成分の凝集や分離などが起こらない、物性や食感の安定性が高い組成物が得られる。よって、特に当該加熱殺菌のような過酷な加熱処理を施す組成物に有用である。かかる組成物、特に可食性組成物として、例えばレトルトカレー、レトルトシチュー、缶詰入りスープなどを挙げることができる。
【0023】
かかる耐熱性付与剤は、組成物全重量(100重量%)に対して、ラムザンガムを0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%配合するのが好ましい。
【0024】
(2)冷凍組成物用増粘剤
本発明は、前記ラムザンガムを含有することを特徴とする冷凍組成物用増粘剤に関する。本発明は、ラムザンガムを含有する冷凍組成物用増粘剤を組成物、特に可食性組成物に添加することにより、冷凍解凍しても冷凍前の食感や保形性が維持され、離水が発生しない、物性や食感の安定性が高い可食性組成物が得られることが特徴である。即ち、本発明は、ラムザンガムの耐冷凍性付与剤としての用途、並びに該耐冷凍性付与剤を含有することにより耐冷凍性が向上してなる冷凍組成物、特に冷凍可食性組成物を提供するものである。
【0025】
かかる組成物、特に可食性組成物として、例えば冷凍惣菜類(餃子、コロッケ、ハンバーグ、エビフライ、とんかつ等)および冷凍ソース類等を挙げることができる。
【0026】
本発明の冷凍組成物用増粘剤は、組成物全重量(100重量%)に対して、ラムザンガムが0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜5重量%、より好ましくは0.05〜3重量%配合されるように配合するのが好ましい。
【0027】
なお、本発明により調製された冷凍組成物は、凍結・解凍によって内部に包含される水分含量はほとんど変わらない。このため、内部に含まれる成分の濃度(例えば、糖濃度)も変化せず、凍結・解凍によってそれらの成分が溶けきれなくなくなり、析出するということがほとんどなくなる。
【0028】
更には、凍結方法及び解凍方法には特に限定されず、かかる組成物を−18℃のフリーザーに入れて凍結させる方法、室温放置や電子レンジで急速解凍する方法など、通常の方法を広く使用することができる。
【0029】
(3)酸性組成物用増粘剤
本発明は、前記ラムザンガムを含有することを特徴とする酸性組成物用増粘剤に関する。粘度付与の目的で食品ハイドロコロイドを酸性溶液に添加すると、経時的な粘度低下や内容成分の凝集、分離などが起こるなどの問題がある。本発明の増粘剤を組成物、特に可食性組成物に添加することにより、酸性領域下でも経時的な粘度低下や内容成分の凝集・分離が起こらない、物性や食感の安定性が高い組成物を調製することができる。
【0030】
即ち、本発明は、ラムザンガムの耐酸性付与剤としての用途、並びに該耐酸性付与剤を含有することにより耐酸性が向上してなる酸性組成物、特に酸性可食性組成物を提供するものである。
【0031】
pH2.5〜5、好ましくは3〜4程度の液性を示す酸性の可食性組成物に対して、良好な改質および改良効果を発揮する。
【0032】
かかる組成物、特に可食性組成物として、例えば、ラムネ飲料、スパークリングワイン等の炭酸・微炭酸飲料、オレンジジュース、グレープフルーツジュース等の果汁飲料等を挙げることができる。
【0033】
本発明の酸性組成物用増粘剤は、組成物全重量(100重量%)に対して、ラムザンガムが0.001〜10重量%、好ましくは0.005〜5重量%、より好ましくは0.01〜3重量%配合するのが好ましい。
【0034】
(4)高濃度塩分含有組成物用増粘剤
本発明は、前記ラムザンガムを含有することを特徴とする高濃度塩分含有組成物用増粘剤に関する。従来、粘度付与の目的で食品ハイドロコロイドを食塩などの塩を高濃度含有する溶液に添加すると、塩析効果による粘度低下や内容成分の凝集、分離などが起こるなどの問題があった。本発明の増粘剤を被検組成物、特に可食性組成物に添加することにより、粘度低下や内容成分の凝集・分離が起こらない、物性や食感の安定性が高い組成物を調製することができる。
【0035】
即ち、本発明は、ラムザンガムの耐塩性付与剤としての用途、並びに該耐塩性付与剤を含有することにより耐塩性が向上してなる高濃度塩分含有組成物、特に高濃度塩分含有可食性組成物を提供するものである。
【0036】
本発明の高濃度塩分含有組成物用増粘剤は、組成物全重量(100%)に対して、1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%の塩(食塩相当)を含有する組成物に対して、良好な効果を発揮する。かかる組成物、特に可食性組成物として、例えば、蒲焼きのタレ、みたらし団子のタレ、焼き肉のタレ等のタレ類、海苔の佃煮、イカナゴ佃煮等の佃煮類、キムチ、福神漬け等の漬け物類等を挙げることができる。
【0037】
本発明の高濃度塩分含有組成物用増粘剤は、組成物全重量(100重量%)に対して、ラムザンガムを0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜5重量%、より好ましくは0.05〜3重量%配合するのが好ましい。
【0038】
(5)分散安定剤
本発明は、前記ラムザンガムを含有することを特徴とする分散安定剤に関する。本発明は、ラムザンガムによる、固相成分(分散質)の液相(分散媒)への分散性の向上及び安定化作用、並びに油相と水相が混在する非混和性溶液の混和性の向上及び安定化作用に基づく。即ち、ラムザンガムを添加することにより、液状組成物中に存在する固形分の分散性および均質性を維持することができるとともに、非混和性の液体が混在する液状組成物の分離を抑えて該液体成分の均質性を保持することができる。即ち、本発明はラムザンガムの分散安定性としての用途、並びに該分散安定性を含有することにより分散性が向上、安定化してなる組成物、特に可食性組成物を提供するものである。
【0039】
本発明の分散安定剤は、例えば、ココア粉、抹茶粉末、カルシウム、野菜・果実等の繊維分、ゼリー粒、ゼリー片、蛋白成分、ゴマ、プラスティックビーズ、顔料、塗料などの固形分が水性媒体もしくはこれに水混和性の有機溶媒を混ぜた媒体に速やかに分散することを助け、かつそれらの凝集、沈降を防ぐ作用を有するものである。
【0040】
また、一般に水性成分と油性成分とは混和せず、振とう若しくは攪拌して両者を懸濁しても直ちに分離してしまう。これに対して、本発明の分散安定剤によれば、水性成分に含まれる各成分の分散性・均質性を安定に維持すると共に、該水性成分に例えば、サラダオイル、オリーブオイル、ゴマ油などの油性成分を配合した場合であっても、ホモミキサー等での攪拌又はホモジナイザーなどでの乳化等により両者を均一に混和せしめ、且つその状態を安定に維持することが可能となる。従って、本発明の分散安定性付与剤は、油性成分が水性成分に容易に混和・懸濁することを助け、さらに分散・懸濁状態を安定化することにより、両成分が速やかに分離してしまうことを防ぐ作用を有するものである。
【0041】
このように、本発明の分散安定剤が対象とする分散系は、分散媒が液相でありまた分散質が固相もしくは液相であれば特に制限されず、例えば、可食性組成物や香粧品などを挙げることができる。
【0042】
可食性組成物として、具体的には、ココア飲料,カルシウム強化飲料、抹茶入り飲料、野菜又は果汁入り飲料,豆乳飲料,ゼリー入り飲料及びしるこドリンク等の飲料、コーンスープ、ポタージュスープ及び卵入りスープ等のスープ、味噌汁、ドレッシング,たれ及びソース等の液体調味料、アイスキャンデー及びソフトクリーム等の冷菓や冷菓ミックス等を例示できる。
【0043】
また、香粧品としては、毛髪化粧料、洗顔料、化粧水、ローションなどの液体化粧料であって、内容成分として固形分または油性成分を含有するものなどが例示される。例えば、パール粉又は金粉等の入ったローション、カラミンパウダーを含むカラミンローション等は、固形分の沈降により使用時に振盪することが必要であり、また使用によって製品が少なくなると固形分の含有量が多くなるなど、成分組成が使用開始時と終わり頃とでは異なる等といった問題がある。しかし、本発明の分散安定剤の使用によれば、かかる固形分を液相中に長期にわたり均質に分散させることができ、均一な成分組成でもって最後まで使い切ることが可能となる。
【0044】
これらの分散系に用いられるラムザンガムの添加量は、対象の分散系がゲル化しない範囲内であれば特に制限されず、対象となる分散系の種類及び内容成分に応じて適宜選択することができる。液相中に存在する固形分の沈殿防止及び液状成分同士の混和性の安定化にはいずれも、分散系100重量%に対してラムザンガムを0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%配合するのが好ましい。
【0045】
(6)澱粉含有組成物用品質改良剤(老化抑制剤)
本発明は、前記ラムザンガムを含有することを特徴とする澱粉含有組成物用品質改良剤(老化抑制剤)に関する。本発明の物性改良剤を澱粉含有組成物、特に澱粉含有食品組成物に添加することにより、釜落ち現象や割れを抑制し、しかも、パサパサとした食感とならずに、しっとりとした食感を保つことができる。即ち、本発明は、ラムザンガムの耐老化性付与剤としての用途、並びに該耐老化付与剤を含有することにより耐老化性が向上してなる澱粉含有組成物、特に可食性澱粉含有組成物を提供するものである。
【0046】
本発明でいう、澱粉含有組成物、特に澱粉含有可食性組成物は、小麦粉、糖類、油脂、全卵等からなる主原料を混合後、焼成、蒸し、揚げなどの加熱処理工程を経て製造される食品である。具体的には、スポンジケーキ、シフォンケーキ、カステラ、チーズケーキ、ホットケーキ、どらやきの皮、クッキー、ドーナツ等を挙げることができる。
【0047】
かかる物性改良効果を得るためには、澱粉含有組成物に使用する穀粉100重量%に対して、ラムザンガムが0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜5重量%、より好ましくは0.05〜3重量%配合するのが好ましい。
【0048】
(7)保水性改良剤
本発明は、前記ラムザンガムを含有することを特徴とする保水性改良剤に関する。本発明の保水性改良剤を組成物、特に可食性組成物に添加することにより、冷蔵もしくは常温保存中に可食性組成物から経時的に水分が流出する、いわゆる「離水」を抑制し、水分含量が減少して食感が損なわれたり、味が変化する等の問題を抑制することができる。即ち、本発明は、ラムザンガムの保水性改良剤としての用途、並びに該保水性改良剤を含有することにより保水性が向上してなる組成物、特に可食性組成物を提供するものである。
【0049】
本発明の保水性向上剤は、例えば、ソーセージ、ハム、豚カツ、ハンバーグ等の畜肉加工品、肉まん、サンドイッチ等に使用するフィリング類、練りわさび・練りカラシ・練りショウガ等の練り調味料、ヨーグルト等の乳製品、キムチ、浅漬け等の漬物類、佃煮、イチゴジャム、マーマレード等のジャム類、ワインゼリー、コーヒーゼリー、フルーツゼリー等のゼリー類等に利用することができる。
【0050】
また、本発明の保水性改良剤は、組成物全重量(100重量%)に対して、ラムザンガムが0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%配合するのが好ましい。
【0051】
(8)液状組成物の流動性改良剤
本発明は、前記ラムザンガムを含有することを特徴とする、液状組成物の流動性改良剤に関する。
本発明の流動性改良剤を、液状組成物、特に液状の可食性組成物に添加することにより、該可食性組成物の流動性を液状から弱いゲル状に改質することができる。
即ち、本発明は、ラムザンガムの流動性改良剤としての用途、並びに該流動性改良剤を含有することにより流動性を改質してなる液状組成物、特に液状可食性組成物を提供するものである。
【0052】
液状の可食性組成物として、例えば、タレ、ドレッシング等を挙げることができ、具材剤へののり(流れない、たれない)を改良し、ショートなテクスチャーを付与することができる。かかる保形性改良のためには、液状組成物全重量(100重量%)に対して、ラムザンガムが0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%配合するのが好ましい。
【0053】
(9)食感改良剤
本発明は、前記ラムザンガムを含有することを特徴とする食感改良剤に関する。本発明の食感改良剤を組成物、特に可食性組成物に添加することより、例えばスープ類やソース類等の液状食品および冷菓等には滑らかな食感を付与することができ、ハンバーグ、餃子の具等の畜肉加工食品にはジューシーな食感を付与することができ、更には、ケーキやドーナツのような澱粉含有食品にはしっとりとした食感を付与することができる。即ち、本発明は、ラムザンガムの食感改良剤としての用途、並びに該食感改良剤を含有することにより食感が改良してなる組成物、特に可食性組成物を提供するものである。
【0054】
かかる食感改良効果を得るためには、組成物全重量(100重量%)に対して、ラムザンガムが0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜5重量%、より好ましくは0.05〜3重量%配合するのが好ましい。
【0055】
本発明の物性改良剤の可食性組成物への添加方法は特に制限されず、例えば、他の粉体原料と予め混合する方法、練りこみ、噴霧あるいは浸漬する方法等、従来公知の方法を使用することができる。
【0056】
本発明の物性改良剤が対象とする可食性組成物は、前述のものに限定されるわけでなく、例えば、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、菜汁飲料、茶飲料、イオン飲料、スポーツ飲料、機能性飲料、ビタミン補給飲料、栄養補給バランス飲料、ゼリー飲料、および粉末飲料等の飲料類;カスタードプリン,ミルクプリン、および果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、ババロア、および等のデザート類;チューインガムや風船ガム等のガム類(板ガム、糖衣状粒ガム);マーブルチョコレート等のコーティングチョコレートの他、イチゴチョコレート、ブルーベリーチョコレート、およびメロンチョコレート等の風味を付加したチョコレート等のチョコレート類;ソフトキャンディー(キャラメル、ヌガー、グミキャンディー、マシュマロ等を含む)やタフィ等のキャラメル類;ソフトビスケットやソフトクッキー等の菓子類;乳化タイプドレッシング、セパレートドレッシング、およびノンオイルドレッシング等のドレッシング類、ケチャップ、たれ、およびソース等のソース類;ストロベリージャム、ブルーベリージャム、マーマレード、リンゴジャム、杏ジャム、およびプレザーブ等のジャム類;赤ワイン等の果実酒;シロップ漬のチェリー、アンズ、リンゴ、イチゴ等の加工用果実;ハム、ソーセージ、および焼き豚等の畜肉加工品;魚肉ハム、魚肉ソーセージ、魚肉すり身、蒲鉾、竹輪、はんぺん、薩摩揚げ、伊達巻き、および鯨ベーコン等の水産練り製品;食パン、菓子パン、および惣菜パン等のパン類、コーヒークリーム、生クリーム、カスタードクリーム、ホイップクリーム、発酵クリーム、およびサワークリーム等のクリーム類、コンソメスープ、ポタージュスープ、クリームスープ、中華スープ等の各種スープ、味噌汁、清汁、シチュウ、カレー、およびグラタン等のスープ類;その他、各種総菜及び加工食品等を挙げることができる。
また、このような一般食品に加えて、蛋白質・リン・カリウム調整食品、塩分調整食品、油脂調整食品、整腸作用食品、カルシウム・鉄・ビタミン強化食品、低アレルギー食品、濃厚流動食、ミキサー食、およびキザミ食等の特殊食品や治療食及びいわゆるトロミ剤と呼ばれる咀嚼・嚥下補助食品等を挙げることができる。
【0057】
(10)ラムザンガムとグルコマンナンを含有する増粘剤組成物
更に、本発明は、ラムザンガムとグルコマンナンを含有することを特徴とする増粘剤組成物に関する。本発明は、ラムザンガムにグルコマンナンを併用することで、ゲル化することなく相乗的に粘度が上昇するという現象に基づく。組成物、特に可食性組成物に、ラムザンガムとグルコマンナンからなる組成物を添加して増粘させることが可能であり、更にグルコマンナンを含有する原材料を使用する可食性組成物であれば、ラムザンガムのみを添加して増粘させることもできる。即ち、本発明は、ラムザンガムとグルコマンナンを含有する増粘剤組成物、並びに該増粘剤組成物を含有することを特徴とする組成物、特に可食性組成物を提供するものである。
【0058】
本発明で得られる増粘剤組成物は、例えば、飲料、菓子、デザート、タレ等の可食性組成物を、ゲル化させることなく高度に増粘させる場合に有用である。
【0059】
ラムザンガムとグルコマンナンの配合割合としては、ラムザンガム1重量部に対して、グルコマンナンを1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部を挙げることができる。
【0060】
一方、ラムザンガムをグルコマンナン以外の多糖類と併用する場合、相乗的に増粘したり、ゲル化したりすることがない。従って、ラムザンガムは可食性組成物の配合処方に影響されず、幅広い用途で使用することができる。
【実施例】
【0061】
以下、本発明の内容を以下の実験例および実施例で具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、処方中、特に記載のない限り単位は重量部とし、文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標を示す。
【0062】
実験例1:ラムザンガムの基礎物性(粘度および溶解性)
20、40、60、80℃の各温度に調整した脱イオン水に、濃度0.5%(固形物換算)になるようにラムザンガム(あるいは対照としてキサンタンガム)を添加し、プロペラ式攪拌機を用いて2,000rpmで10分間攪拌した。溶解温度が20℃の場合は、20℃で1時間以上静置して、溶解温度が40〜80℃の場合は、8℃で10分間静置後、20℃で1時間以上静置して粘度測定に供した。粘度測定にはB型回転粘度計を用いた。結果を表1および図1に示す。なお、表中記載のずり流動化指数は、6rpmの粘度に対する60rpmの粘度の割合を指し、値が小さいほどずり流動化が大きい、即ち、レオロジー的に固体的な性質が強く、逆に、値が1に近いほどニュートン粘性体に近い粘性挙動であることを示す。
【0063】
【表1】

【0064】
ラムザンガムは溶解温度によって粘度がほとんど変化しなかった。また、いずれの溶解温度でも、ずり流動化指数は同濃度のキサンタンガムに比べて小さかった。
以上の結果から、ラムザンガムは常温でも(加熱なしでも)良好に水に溶解し、溶液はキサンタンガムに比べて固体的な性質が強く、保形性が高い(流動性が低い)ことがわかった。
【0065】
実験例2:耐熱性(レトルト加熱耐性)
80℃に加熱した脱イオン水に、濃度0.5%となるようにラムザンガム(あるいは対照としてキサンタンガム)を添加し、プロペラ式攪拌機を用いて2,000rpm、10分間攪拌した。食塩濃度は0、1、3および5%とした。8℃で10分間静置後、20℃で1時間以上静置して粘度測定に供した。レトルト加熱は120℃、20分間とし、8℃で10分間静置後、20℃で1時間以上静置して粘度測定に供した。粘度測定にはB型回転粘度計を用いた。結果を表2、3および図2に示す。
【0066】
【表2】

【0067】
注1)脱イオン水中で80℃、15分間攪拌溶解
注2)脱イオン水中で80℃、10分間攪拌溶解後、食塩を添加し、更に5分間攪拌。
【0068】
【表3】

【0069】
注1)脱イオン水中で80℃、15分間攪拌溶解
注2)脱イオン水中で80℃、10分間攪拌溶解後、食塩を添加し、更に5分間攪拌。
【0070】
ラムザンガムでは、食塩無添加区および食塩添加区(5%を除く)において、レトルト加熱により粘度が上昇した。食塩添加区の方が無添加区に比べ、レトルト加熱前後での粘度上昇が顕著に小さかった。一方、対照のキサンタンガムでは、食塩無添加区および食塩添加区(5%を除く)において、レトルト加熱により粘度が大きく低下した(レトルト加熱前の約50%に低下)。総じて、レトルト加熱による粘度変化はラムザンガムの方が小さかった。以上の結果から、レトルト殺菌のような過酷な加熱条件で、ラムザンガムが高い耐熱性を有することがわかった。
【0071】
実験例3:耐冷凍性
80℃に加熱した脱イオン水に、濃度0.5%となるようにラムザンガム(あるいは対照としてキサンタンガム)を添加し、プロペラ式攪拌機を用いて2,000rpm、10分間攪拌した。8℃で10分間静置後、20℃で1時間以上静置して粘度測定に供した。その後、溶液を−18℃で約16時間冷凍、20℃で自然解凍(約5時間)して粘度測定に供した。冷凍解凍処理は4回繰り返した。粘度測定にはB型回転粘度計を用いた。結果を表4、5および図3に示す。
【0072】
【表4】

【0073】
【表5】

【0074】
ラムザンガムはキサンタンガムに比べ、冷凍解凍による粘度変化が小さく、冷凍解凍処理を繰り返しても処理前の粘度を維持した。冷凍解凍処理により、キサンタンガムでは分子凝集による相分離が起こったのに対し、ラムザンガムではそのような現象は認められなかった。以上の結果から、ラムザンガムが高い耐冷凍性を有することがわかった。
【0075】
実験例4:耐酸性
80℃に加熱した脱イオン水に、濃度0.5%になるようにラムザンガム(あるいは対照としてキサンタンガム)を添加し、プロペラ式攪拌機を用いて2,000rpm、10分間攪拌した。8℃で10分間静置後、20℃で1時間以上静置して粘度測定に供した。溶液のpH調整には0.1N 塩酸を用いた。粘度測定にはB型回転粘度計を用いた。結果を表6、7および図4に示す。
【0076】
【表6】

【0077】
【表7】

【0078】
ラムザンガムは低pH領域でも粘度がほとんど低下せず、キサンタンガムと同等以上に、酸性溶液中で安定して粘度を発現することがわかった。
【0079】
実験例5:耐塩性
ラムザンガム(あるいは対照としてキサンタンガム)を、2種類の方法で食塩水(食塩濃度1〜5%)中に分散・溶解させた。
【0080】
調製法(1)
80℃に加熱した食塩水に、濃度0.5%となるようにラムザンガム(あるいは対照としてキサンタンガム)を添加し、プロペラ式攪拌機を用いて2,000rpm、15分間攪拌した(食塩水中にガムを溶解する方法)。
【0081】
調製法(2)
80℃に加熱した脱イオン水に、濃度0.5%となるようにラムザンガム(あるいは対照としてキサンタンガム)を添加し、プロペラ式攪拌機を用いて2,000rpm、10分間攪拌した。その後、食塩を添加し、2,000rpm、5分間攪拌した。(脱イオン水にガムを溶解後、食塩を添加する方法)。
いずれの溶液調製方法でも、8℃で10分間静置後、20℃で1時間以上静置して、粘度測定に供した。粘度測定にはB型回転粘度計を用いた。結果を表8、9および図5に示す。
【0082】
【表8】

【0083】
【表9】

【0084】
いずれの溶液調製法でも、食塩添加によりラムザンガムの粘度が上昇した。ガム溶解後に食塩を添加する方(調製法(2))が、特に食塩濃度が2%以上の場合、粘度の上昇がやや大きかった。食塩添加による粘度上昇はキサンタンガムよりも小さく、またいずれの溶液調製法でも食塩添加区の粘度はほぼ等しく、粘度の食塩濃度依存性も認められなかった。以上の結果から、ラムザンガムが高い耐塩性を有することがわかった。
【0085】
実験例6:分散安定性(不溶性固形分の分散安定性)
80℃に加熱した脱イオン水に、濃度0.5%となるようにラムザンガム(あるいは対照としてキサンタンガム)を添加し、プロペラ式攪拌機を用いて2,000rpm、10分間攪拌した。8℃で10分間静置後、20℃で1時間以上静置して、溶液を調製した。溶液約100mL中にビーズ(6,6ナイロン製、直径3.2mm球形、比重1.14g/mL)20粒を添加、20℃で一晩放置後、ビーズの分散性を目視で観察した。結果を図6に示す。
【0086】
図10より、20℃で一晩放置後、キサンタンガムでは全てのビーズが沈降したのに対し、ラムザンガムでは分散状態を保っていた。
以上の結果から、ラムザンガムが不溶性固形分の分散性安定性に優れることがわかった。
【0087】
実験例7:レオロジー的性質(流動性)
20℃および80℃に調整した脱イオン水に、濃度0.5%となるようにラムザンガム(あるいは対照としてキサンタンガム)を添加し、プロペラ式攪拌機を用いて2,000rpm、10分間攪拌した。20℃溶解の場合は、20℃で1時間以上静置して動的粘弾性測定に供した。80℃溶解の場合は、8℃で10分間静置後、20℃で1時間以上静置して動的粘弾性測定に供した。ARES(Rheometric Scientific社)を用い、測定温度:20℃、冶具:直径50mm コーンプレート型、ギャップ0.05mmの条件で、動的粘弾性のひずみ依存性(周波数6.28 rad/s、歪み0.1〜500%)および周波数依存性(周波数0.1〜100 rad/s、歪み1%)を測定した。結果を図7に示す。
【0088】
ラムザンガムはキサンタンガムに比べて貯蔵弾性率G'および損失弾性率G”の周波数依存性が小さく、線形歪み領域におけるtanδが小さかった。また、溶液の調製温度の違いにより、動的粘弾性値はほとんど変化しなかった。
【0089】
以上の結果から、ラムザンガムは溶液の調製温度によらず、同濃度のキサンタンガムに比べてレオロジー的に固体的な性質が強いことが確認できた。これらの結果は、実験例6に示した不溶性固形分の分散安定化効果を支持するものであった。即ち、溶液中でラムザンガム分子が糸まり状に絡み合い、擬似的な網目構造を形成することで弾性が発現し、液体でありながら固体的に振舞うものと考えられた。弾性の発現により系の保形性が高まるとともに、この擬似的な網目構造中に不溶性固形分が保持されることで分散安定性が高まるものと考えられた。
【0090】
実験例8:グルコマンナンとの相乗効果
ラムザンガムと他の多糖類(グルコマンナン、グァーガム、ローカストビーンガム)を所定の比率(10:0、9:1、7:3、5:5、3:7、1:9、0:10)で予め粉体混合した。80℃に加熱した脱イオン水に、濃度0.5%となるように上記粉体混合物を添加し、プロペラ攪拌機を用いて2,000rpm、10分間攪拌した。8℃で10分間静置後、20℃で1時間以上静置して、粘度測定に供した。粘度測定にはB型回転粘度計を用いた。結果を図8に示す。
【0091】
ラムザンガムは他の多糖類と併用してもゲルを形成しなかった。また、ラムザンガム:グルコマンナン=3:7および1:9併用で相乗的な増粘効果が認められた。
【0092】
以上の結果から、ラムザンガムとグルコマンナンを併用することにより、低添加量でも効果的な増粘効果が得られ、実用的にはコストダウンが図れることが確認できた。また、食品成分によって用途が限定されてしまうキサンタンガム(例えば、食品成分中にローカストビーンガムが存在している場合、キサンタンガムを添加するとゲル化をしてしまい、食感が劇的に変化する場合がある)とは異なり、幅広い食品群で増粘効果を期待できることが示唆された。
【0093】
実施例1:レトルトカレーソース(耐熱性付与;食感改良目的)
表10に処方を示す。水に全原料を加え、80℃で10分間攪拌した。これをアルミパウチに充填し、レトルト殺菌(121℃、20分間)した。
【0094】
【表10】

【0095】
ラムザンガムを添加したカレーソースは、レトルト処理による粘度変化が小さく、加工澱粉を添加したカレーソースに比べて食感が重くなく(食感が糊的ではなく)、フレーバーリリースも良好であった。
【0096】
実施例2:レトルトホワイトソース(耐熱性付与;食感改良目的)
表11に処方を示す。牛乳および水に残りの全原料を加え、80℃で10分間攪拌した。これをアルミパウチに充填し、レトルト殺菌(121℃、20分間)した。
【0097】
【表11】

【0098】
ラムザンガムを添加したホワイトソースは、レトルト処理による粘度変化が小さく、加工でん粉を添加したホワイトソースに比べて食感が重くなく(食感が糊的ではなく)、フレーバーリリースも良好であった。
【0099】
実施例3:コーンスープ缶詰(耐熱性付与;食感改良目的)
表12に処方を示す。水に焙焼小麦粉およびラムザンガムあるいはタピオカ加工でん粉の粉体混合物を添加し、プロペラ式攪拌機を用いて80℃で10分間攪拌した。残りの全原料を加え、80℃で更に5分間攪拌した。水で重量補正し、均質化(14.7MPa)後、缶容器に充填し、レトルト殺菌(121℃、20分間)した。
【0100】
【表12】

【0101】
ラムザンガムを添加したコーンスープは、レトルト処理による粘度変化が小さく、加工でん粉を添加したコーンスープに比べて食感が重くなく(食感が糊的ではなく)、フレーバーリリースも良好であった。
【0102】
実施例4:冷凍お好み焼きソース(耐冷凍性付与、食感改良目的)
表13に処方を示す。予め果糖ぶどう糖液糖に分散したラムザンガムあるいはキサンタンガムを、80℃まで加温した水に添加し、プロペラ式攪拌機を用いて10分間攪拌した。残りの全原料を添加し、80℃で更に5分間攪拌した。水で重量補正した後、90℃まで加熱し、容器に充填した。これを急速凍結(−40℃、3時間)して試料を調製し、流水中で常温に戻して評価した。
【0103】
【表13】

【0104】
ラムザンガムを添加したお好み焼きソースは、キサンタンガムを添加したお好み焼きソースに比べて冷凍解凍処理による粘度変化が小さく、更に食感も滑らかであった。
【0105】
実施例5:冷凍餃子(耐冷凍性付与、食感改良目的)
表14に処方を示す。全原料を混合し、成形(10g/個)した。これを市販の餃子の皮に包み、餃子を調製した。ホットプレートを用いて底面を焼成(180℃、90秒間)し、蒸煮(85℃、5分間)後、急速凍結(−40℃、3時間)した。電子レンジで再加熱して評価した。
【0106】
【表14】

【0107】
ラムザンガムおよびキサンタンガムの添加により、歩留りが上昇し、具材の縮みが抑制され、食感がジューシーでソフトになった。ラムザンガムは同濃度のキサンタンガムよりも効果が大きかった。
【0108】
実施例6:ラムネ飲料(酸性組成物における増粘、食感改良目的)
表15に処方を示す。水にキサンタンガムあるいはラムザンガムを添加し、プロペラ式攪拌機を用いて80℃で10分間攪拌した。クエン酸、クエン酸三ナトリウム、スクラロース(1%水溶液として使用)、およびフレーバーを添加後、水を加えて全量を調整した。8℃の水浴中で冷却し、炭酸水と混合後、瓶に充填した。70℃で20分間加熱し、8℃の水浴中で冷却後、5℃で保存した。なお、飲料の最終pHは3.1であった。
【0109】
【表15】

【0110】
ノン/ローシュガータイプの炭酸飲料にラムザンガムを添加すると、ボディ感が増し、口当たりがリッチになった。ラムザンガムはキサンタンガムよりも同一濃度で粘度が高く、低添加量で効果があった。ラムザンガムは酸性領域でも良好に粘度発現し、粘度の経時変化も小さいため、保存による品質(物性および食感)の低下は認められなかった。
【0111】
実施例7:果汁飲料(酸性組成物における増粘、分散安定目的)
表16に処方を示す。水にHMペクチンあるいはラムザンガムを添加し、プロペラ式攪拌機を用いて20℃で10分間攪拌した。砂糖および果汁を添加後、50%クエン酸溶液を加えて、pH3.5に調整した。93℃達温まで加熱後、瓶に充填した。8℃の水浴中で冷却後、5℃で保存した。なお、飲料の最終pHは3.8であった。
【0112】
【表16】

【0113】
果汁飲料にラムザンガムを添加することで、パルプ質などの不溶性固形分の沈澱を抑制できた。ラムザンガム溶液はレオロジー的に固体的な性質が強く、ペクチンに比べて低添加量で効果があった。ラムザンガムは酸性領域でも良好に粘度発現し、粘度の経時変化も小さいため、保存による品質(物性および食感)の低下は認められなかった。
【0114】
実施例8:ノンオイルドレッシング(分散安定目的)
表17に処方を示す。予め果糖ぶどう糖液糖に分散させたラムザンガムおよびキサンタンガムを、80℃に加温した水に添加し、プロペラ式攪拌機を用いて10分間攪拌した。これにリンゴ酢、レモン果汁、醸造酢、食塩、L-グルタミン酸ナトリウム、サンライク アミノベース スーパー(N)、およびDL-リンゴ酸を加え、80℃で更に5分間攪拌した。フレーバー類およびバジルチップを添加し、室温まで冷却後、水で重量補正した。
【0115】
【表17】

【0116】
ラムザンガムの添加により、ドレッシングの粘度を劇的に上昇させることなく、適度な濃厚感で、かつバジルをドレッシング中に均一に分散・保持できた。ラムザンガムは同濃度のキサンタンガムよりも効果が大きかった。
【0117】
実施例9:分離型ドレッシング(分散安定目的)
表18に処方を示す。水および果糖ぶどう糖液糖にラムザンガムあるいはキサンタンガムを添加し、プロペラ式攪拌機を用いて80℃で10分間攪拌した。残りの全原料を添加し、80℃で更に5分間攪拌した。水で重量を補正後、同量のサラダ油と混合し、ドレッシングを調製した。
【0118】
【表18】

【0119】
ラムザンガムの添加により水相部と油部の混和性がよくなり、容器を振ることで水相部と油相部が擬似乳化し、乳化状態が長時間維持された。ラムザンガムは同濃度のキサンタンガムよりも効果が大きかった。
【0120】
実施例10:蒲焼きのたれ(高濃度塩分含有組成物における増粘、保形目的)
表19に処方を示す。ラムザンガムあるいはキサンタンガムを、80℃に加温した水に添加し、プロペラ式攪拌機を用いて10分間攪拌した。残りの全原料を添加し、90℃になるまで更に攪拌した。水で重量補正した後、ホットパック充填した。
【0121】
【表19】

【0122】
ラムザンガムの添加により、保形性が向上し、のりの良い(たれない)たれとなり、蒲焼の歩留りが向上した。ラムザンガムは同濃度のキサンタンガムよりも効果が大きかった。
【0123】
実施例11:みたらし団子のたれ(高濃度塩分含有組成物における増粘、保形目的)
表20に処方を示す。砂糖およびラムザンガムあるいはキサンタンガムを予め混合し、水、液糖、および濃口醤油に添加した後、プロペラ式攪拌機を用いて常温で5分間攪拌した。残りの全原料を加えて更に1分間攪拌した後、加温し、80℃で10分間攪拌した。90℃まで加熱、水で重量補正した後、ホットパック充填した。
【0124】
【表20】

【0125】
ラムザンガムの添加により、保形性が向上し、のりの良い(たれない)たれとなり、みたらし団子の歩留りが向上した。ラムザンガムは同濃度のキサンタンガムよりも効果が大きかった。
【0126】
実施例12:焼肉のたれ(高濃度塩分含有組成物での増粘、分散安定、保形目的)
表21に処方を示す。水にラムザンガムあるいはキサンタンガムを添加し、プロペラ式攪拌機を用いて80℃で10分間攪拌した。残りの全原料を添加し、90℃になるまで更に攪拌した。水で重量補正した後、ホットパック充填した。
【0127】
【表21】

【0128】
ラムザンガムの添加により、たれの保形性が向上するとともに、胡麻がたれ中に均一に分散し、経時的にも沈澱せず、安定であった。ラムザンガムは同濃度のキサンタンガムよりも効果が大きかった。
【0129】
実施例13:海苔の佃煮(高濃度塩分含有組成物での増粘、保水、食感改良目的)
表22に処方を示す。砂糖とラムザンガムあるいはキサンタンガムを予め混合し、80℃に加温した水に添加した後、プロペラ式攪拌機を用いて10分間攪拌した。鍋中で残りの全原料と上記ガム溶液を混合し、全量が100重量部になるまで煮詰め、容器に充填した。
【0130】
【表22】

【0131】
ラムザンガムの添加により離水が減少し、つやのよい、口どけのよい滑らかな食感となった。ラムザンガムは同濃度のキサンタンガムよりも効果が大きかった。
【0132】
実施例14:キムチ(高濃度塩分含有組成物での増粘、保水目的)
表23に処方を示す。水にラムザンガムあるいはキサンタンガムを添加し、プロペラ式攪拌機を用いて80℃で10分間攪拌した。残りの全原料を添加し、80℃で更に5分間攪拌した。白菜100部に対し、キムチだれ30部を添加し、手でよく混合した。
【0133】
【表23】

【0134】
ラムザンガムの添加により、キムチだれと野菜の混和性が向上(野菜となじみ易くなる)するとともに、キムチのつやが増し、離水が減少した。ラムザンガムは同濃度のキサンタンガムよりも効果が大きかった。
【0135】
実施例15:蒸しケーキ(澱粉含有組成物の老化防止、食感改良目的)
表24に処方を示す。油脂(「パーミングM」および「パーミングH」)および卵黄を万能混合攪拌機のボールに入れ、ホイッパーを用いて216rpmで1分間混合した。これに糖類(砂糖、「サンマルト みどり」、トレハロース)を加え、216rpmで更に1分30秒間混合した。水に膨張剤(「サンオーバー O-50」)、抹茶、色素(「抹茶サングリーン1739」)、およびフレーバー(マッチャオイル83128)を分散・溶解して別のボールにとり、卵白を添加した後、ホイッパーを用いて216rpmで1分30秒間混合した。ボールの内容物を合わせて木べらで混合し、これに薄力粉、加工でん粉、およびラムザンガムあるいはキサンタンガムの粉体混合物(予め篩過)を加えて混合し、生地を調製した。アルミ箔に生地20gをのせ、蒸し器で15分間蒸煮した。
【0136】
【表24】

【0137】
ラムザンガムの添加により、蒸しパンの保湿性が向上し、しっとりとした食感になった。また、保存による硬化(老化現象)も抑制され、食感の経時変化が小さくなった。ラムザンガムは同濃度のキサンタンガムより効果が大きかった。
【0138】
実施例16:ケーキドーナツ(澱粉含有組成物の老化防止、食感改良目的)
表25に処方を示す。ショートニングを万能混合攪拌機のボールに量り取り、砂糖およびぶどう糖を加え、フックを用いて126rpmで3分間混合した。全卵を3回に分けて添加し、5分間混合した。薄力粉、膨脹剤(「サンオーバー O-62」)、食塩、ミルククリームEM、ラムザンガムあるいはキサンタンガムの粉体混合物(予め篩過)を加え、63rpmで3分間、次いで126rpmで2分間混合した。牛乳を加え、63rpmで2分間混合し、生地を調製した。圧延棒で伸展した生地を約40gに型抜きし、180℃で片面60秒間ずつ、計2分間フライした。
【0139】
【表25】

【0140】
ラムザンガムの添加により、生地の伸展性、型抜き性が向上し、作業性が改善された。また、しっとりとしたソフトな食感になり、食感の経時変化が小さくなった。また、フライ中の亀裂、割れも減少した。ラムザンガムは同濃度のキサンタンガムより効果が大きかった。
【0141】
実施例17:和風クッキー(澱粉含有組成物の老化防止、食感改良目的)
表26に処方を示す。万能混合攪拌機のボールにショートニングおよび乳化剤(「モノエースSPゴールドAG」)を量り取り、粉糖を加えた後、ビーターを用いて126rpmで3分間混合した。これに糖類(「ソルビットL-70」)、次に白こしあんを加え、126rpmで各3分間混合した。エキスパウダー(「SD紅茶エキスパウダーNO.16691」)の水溶液(90℃の水に溶解後、常温に戻す)およびフレーバー(「ブラックティーオイル NO.9305」)、次に薄力粉、膨脹剤(「サンオーバー O-62」)およびキサンタンガムあるいはラムザンガムの粉体混合物(予め篩過)、最後に全卵を加えて混合し、生地を調製した。生地12gを搾り出し、上火190℃、下火180℃で10分間焼成した。
【0142】
【表26】

【0143】
ラムザンガムの添加により、焼き菓子の保湿性が向上し、しっとりとした食感になり、食感の経時変化も小さくなった。また、焼成後の亀裂、割れも減少した。ラムザンガムは同濃度のキサンタンガムより効果が大きかった。
【0144】
実施例18:嚥下困難者用補助食品(トロミ調整剤)
表27に処方を示す。デキストリンおよびラムザンガムあるいはキサンタンガムを粉体混合した。流動層造粒機(大河原製作所製、UNIGRATT)を用い、温風温度65℃で、粉体仕込み量300gに対し、100mLの脱イオン水を流速10mL/分、スプレー圧4kgf/cmで噴霧し、噴霧終了後10分間乾燥して造粒物(顆粒)を調製した。得られた造粒物3gを20℃の脱イオン水100mLに添加し、スパーテルを用いて約4回転/秒で攪拌して、評価した。
【0145】
【表27】

【0146】
ラムザンガムの造粒物はキサンタンガムの造粒物に比べて、ダマが少なく、分散性に優れていた。いずれの造粒物も溶解3分後には粘度が平衡に達したが、ラムザンガムの方が約1.3倍粘度が高かった。また、食感的にもラムザンガムの方が口腔内でのまとまりがよく、飲み込みやすかった。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】実験例1におけるラムザンガムの基礎物性評価(粘度)について、各温度条件(20℃、40℃、60℃、80℃)にて、測定した粘度の推移(回転数6rpm、60rpmでの測定値)を示す。
【図2】実験例2における耐熱性評価について、各塩分濃度におけるレトルト加熱前及び加熱後の粘度の推移(回転数6rpmでの測定値、A:ラムザンガム、B:キサンタンガム)を示す。
【図3】実験例3における耐冷凍性評価について、各塩分濃度におけるレトルト加熱前及び加熱後の粘度の推移(回転数6rpm、60rpmでの測定値、A:ラムザンガム、B:キサンタンガム)を示す。
【図4】実験例4における耐酸性評価について、各pH(3,4,5、未調整)における粘度の推移(回転数6rpm、60rpmでの測定値、A:ラムザンガム、B:キサンタンガム)を示す。
【図5】実験例5における耐塩性評価について、調製法(1)、調製法(2)の各方法で調製した各食塩濃度(0〜5%)における粘度の推移(回転数6rpmでの測定値、A:ラムザンガム、B:キサンタンガム)を示す。
【図6】実験例6における不溶性固形分(ビーズ)の分散性について、分散直後及び20℃で一晩放置後の、ビーズの分散安定性(左:キサンタンガム、右:ラムザンガム)について示す。
【図7】実験例7におけるレオロジー性質について、(A−1):ラムザンガムの動的粘弾性の歪み依存性、(B−1):キサンタンガムの動的粘弾性の歪み依存性、(A−2):ラムザンガムの動的粘弾性の周波数依存性、(B−2):キサンタンガムの動的粘弾性の周波数依存、を示す。
【図8】実験例8におけるラムザンガムと各種多糖類との相乗効果について、ラムザンガムと各種多糖類((A):グルコマンナン、(B):グァーガム、(C):ローカストビーンガム)との併用系の粘度(回転数6rpm、60rpmでの測定値)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラムザンガムを含むことを特徴とする可食性組成物用物性改良剤。
【請求項2】
耐熱性付与剤である、請求項1に記載の物性改良剤。
【請求項3】
冷凍組成物用増粘安定剤である、請求項1に記載の物性改良剤。
【請求項4】
酸性組成物用増粘剤である、請求項1に記載の物性改良剤。
【請求項5】
高濃度塩分含有組成物用増粘剤である、請求項1に記載の物性改良剤。
【請求項6】
分散安定剤である、請求項1に記載の物性改良剤。
【請求項7】
澱粉含有組成物用品質改良剤である、請求項1に記載の物性改良剤。
【請求項8】
保水性改良剤である、請求項1に記載の物性改良剤。
【請求項9】
液状組成物の流動性改良剤である、請求項1に記載の物性改良剤。
【請求項10】
食感改良剤である、請求項1に記載の物性改良剤。
【請求項11】
ラムザンガムを含むことを特徴とする可食性組成物。
【請求項12】
ラムザンガムを0.01〜10重量%の割合で含む請求項11記載の可食性組成物。
【請求項13】
ラムザンガムを配合することを特徴とする、可食性組成物の物性の改質もしくは改良方法。
【請求項14】
改質もしくは改良される可食性組成物の物性が、耐熱性、耐冷凍性、耐酸性、耐塩性、分散安定性、耐老化性、保水性、流動性、または食感である請求項13記載の物性の改質もしくは改良方法。
【請求項15】
ラムザンガムとグルコマンナンを含有することを特徴とする増粘剤組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−159574(P2007−159574A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−313490(P2006−313490)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(000175283)三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 (429)
【Fターム(参考)】