説明

ランプソケット及び照明器具

【課題】直管形ランプを取り付ける作業者が感電するのを防ぐ。
【解決手段】直管形ランプの一端には、給電用口金が設けられている。ランプソケット200は、この給電用口金と係合する。給電用口金には、一対の給電用電極が設けられている。給電金具250(電極接触部)は、給電用電極と接触して電気接続する。直管形ランプが所定の角度以上傾いていると、ランプ保持部226(斜め接触防止部)が、給電用口金と当接して、電極と給電金具250とが接触するのを防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、直管形ランプを着脱自在に取り付けるランプソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
ランプソケットの構造には、例えば、ランプを回転させて取り付ける構造のものや、ランプをスライドさせて取り付ける構造のものがある。
直管形ランプの口金の形状は、例えば、JEL(日本電球工業会規格)907に規定されている。例えば、JEL907:2010追補3には、直流により点灯するLEDなどの光源を有する直管形ランプの口金として、Gx16t−5A型及びGx16t−5B型が規定されている。Gx16t−5A型の口金は、直管形ランプに対する給電を目的とする2つの電極を有する。また、Gx16t−5B型の口金は、直管形ランプの接地を目的とするアース電極を有する。一本の直管形ランプの一端にGx16t−5A型の口金を設け、他端にGx16t−5B型の口金を設ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−345665号公報
【特許文献2】特開2005−108594号公報
【特許文献3】特開2005−44718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、一本の直管形ランプの両端に設けられた口金の形状が異なり、一方が給電用、他方が接地用である場合、口金をソケットに取り付ける順序が重要である。すなわち、給電用口金を先にソケットに取り付けると、直管形ランプが接地されていない状態で、直管形ランプに電力が供給され、直管形ランプを取り付けようとしている作業者が感電する可能性がある。
この発明は、例えば上記のような課題を解決するためになされたものであり、直管形ランプを取り付ける作業者が感電するのを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明にかかるランプソケットは、直管形ランプの一端に設けられた口金と係合するランプソケットにおいて、上記口金に設けられた電極と接触して電気接続する電極接触部と、上記直管形ランプが所定の方向に対して所定の角度以上傾いているとき、上記口金と当接して、上記電極と上記電極接触部とが接触するのを防ぐ斜め接触防止部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明にかかるランプソケットによれば、直管形ランプが傾いていると、電極が電極接触部と接触しないので、作業者が感電するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1における照明器具800の外観を示す斜視図。
【図2】実施の形態1における照明器具800に取り付けられる直管形ランプ300の外観を示す斜視図及び部分拡大斜視図。
【図3】実施の形態1におけるランプソケット100及び防水キャップ400の分解斜視図。
【図4】実施の形態1におけるランプソケット200及び防水キャップ400の分解斜視図。
【図5】実施の形態1における照明器具800に直管形ランプ300を取り付ける手順を示す図。
【図6】実施の形態1における照明器具800に直管形ランプ300を誤った手順で取り付けようとしている状態を示す図。
【図7】実施の形態1における照明器具800に直管形ランプ300を誤った手順で取り付けようとしている状態を示す拡大斜視図。
【図8】実施の形態2におけるランプソケット100の外観を示す斜視図。
【図9】実施の形態3におけるランプソケット200の構造を示す正視図及び断面図。
【図10】実施の形態3におけるストッパー230の働きを示す図。
【図11】実施の形態3におけるストッパー230の働きを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図7を用いて説明する。
【0009】
図1は、この実施の形態における照明器具800の外観を示す斜視図である。
照明器具800は、防水機能を有する。照明器具800は、例えば、照明器具本体810と、2つのランプソケット100,200と、2つの防水キャップ400とを有する。
照明器具本体810は、例えば直方体形状であり、直管形ランプ300に電力を供給する電源装置(図示せず)などを内蔵している。2つのランプソケット100,200は、着脱自在に直管形ランプ300を固定する。ランプソケット100(接地側ソケット)は、照明器具本体810の長手方向の一方の端に設けられている。ランプソケット200(給電側ソケット)は、照明器具本体810の他方の端に設けられている。防水キャップ400は、ランプソケット100,200と、直管形ランプ300との係合部分を覆い、水の浸入を防ぐ。
【0010】
図2は、この実施の形態における照明器具800に取り付けられる直管形ランプ300の外観を示す斜視図及び部分拡大斜視図である。
直管形ランプ300は、例えば、ランプ本体330と、2つの口金310,320とを有する。
ランプ本体330は、略円柱形状であり、LEDなどの光源を内蔵する。
口金310(接地側口金)は、JEL907:2010追補3に規定されたGx16t−5B型のアース側口金である。口金310は、口金胴部311と、口金端部312と、電極313とを有する。口金胴部311は、ランプ本体330とほぼ同軸の円柱側面板状である。口金端部312(ランプ受け部)は、ほぼ円形板状であり、口金胴部311の底面をなす。電極313(接地ピン)は、口金端部312のほぼ中央に設けられている。電極313は、ランプ本体330の放熱フィンなどの金属部分と電気接続されている。電極313は、電極腕部315と、電極先端部314とを有する。電極腕部315(円柱部)は、ランプ本体330とほぼ同軸の略円柱形状である。電極先端部314(楕円部)は、電極腕部315の先端に設けられ、略長円板状である。電極先端部314の短径は、電極腕部315の直径より大きい。
口金320(給電側口金)は、JEL907:2010追補3に規定されたGx16t−5A型の給電側口金である。口金320は、口金胴部321と、口金端部322と、凸部326と、2つの電極323とを有する。口金胴部321は、ランプ本体330とほぼ同軸の略円柱側面板状である。口金端部322(ランプ受け部)は、口金胴部321の底面をなす円板の一部であり、凸部326によりほぼ同一形状の二つの部分に分けられている。凸部326(ランプ引っ掛け部)は、口金端部322の底面をなす円板の直径を中心とする所定の幅の範囲が、口金端部322よりもランプ本体330の長手方向へ突出した形状である。凸部326の中心軸(口金端部322の底面の直径)は、電極先端部314の長径とほぼ平行である。2つの電極323(給電ピン)は、凸部326の中心に対して略対称に設けられている。それぞれの電極323は、電極腕部325と、凸部326とを有する。電極腕部325(軸部)は、略長方形板状であり、ランプ本体330の長手方向に伸びている。電極腕部325は、凸部326の中心軸に対してほぼ垂直である。電極先端部324(抜止め部)は、略長方形板状であり、電極腕部325の先端が外側へ向けてL字状に折れ曲がった形状である。電極先端部324は、ランプ本体330の軸に対してほぼ垂直である。
【0011】
図3は、この実施の形態におけるランプソケット100及び防水キャップ400の分解斜視図である。
ランプソケット100(第二のランプソケット)は、例えば、ソケット本体110と、ランプ受け部120と、接地金具150と、防水ゴム190とを有する。
ソケット本体110は、ネジ筒部113と、脚部112とを有する。ネジ筒部113は、外側にネジ形状が形成された略円筒板状である。脚部112は、ソケット本体110を照明器具本体810に固定するための部分であり、取付板挿入部111を有する。取付板挿入部111は、照明器具本体810と係合して、ソケット本体110を照明器具本体810に固定する。ランプ受け部120(可動部)は、ネジ筒部113の内側に、ネジ筒部113の軸方向にほぼ平行な方向に移動可能に設けられている。ランプ受け部120は、略円板状であり、ピン挿入孔124を有する。ピン挿入孔124は、ランプ受け部120のほぼ中央に設けられた略長円状の貫通穴であり、口金310の電極先端部314が挿通可能である。接地金具150(アース電力接触部)は、板バネなど弾性と導電性とを有する材料で形成されている。接地金具150は、ランプ受け部120と当接し、ランプ受け部120の軸方向への移動に対して応力を発揮する。また、接地金具150は、ピン挿入孔124に挿通された電極先端部314と接触して電気接続する。接地金具150は、例えば速結端子構造を有し、電線(図示せず)と電気接続している。防水ゴム190は、接地金具150に接続した電線が貫通していて、ソケット本体110に設けられた電線挿入孔(図示せず)に係合し、ネジ筒部113のなかに水が浸入するのを防ぐ。接地金具150に接続した電線は、電線挿入孔を通ってネジ筒部113の外に引き出され、例えば照明器具本体810にネジ止めされるなどして、接地されている。
防水キャップ400は、例えば、防水キャップ本体440と、防水リング420と、防水パッキン430とを有する。防水キャップ本体440は、内側にネジ筒部113と螺合するネジ形状を有する。防水キャップ本体440、防水リング420及び防水パッキン430のなかに直管形ランプ300の端を通し、防水キャップ本体440をネジ筒部113と螺合させると、防水キャップ本体440とソケット本体110との間に、防水リング420及び防水パッキン430が挟まれることにより、直管形ランプ300及びネジ筒部113と、防水リング420及び防水パッキン430とが密着し、水の浸入を防ぐ。
【0012】
図4は、この実施の形態におけるランプソケット200及び防水キャップ400の分解斜視図である。
防水キャップ400は、ランプソケット100側と同様である。
ランプソケット200は、例えば、ソケット本体210と、ランプ受け部220と、2つの給電金具250と、2つの防水ゴム290とを有する。
ソケット本体210は、ネジ筒部213と、脚部212とを有する。ネジ筒部213は、外側にネジ形状が形成された略円筒形状である。脚部212は、ソケット本体210を照明器具本体810に固定するための部分であり、取付板挿入部211を有する。取付板挿入部211は、照明器具本体810と係合して、ソケット本体210を照明器具本体810に固定する。ランプ受け部220は、ネジ筒部213の内側に設けられている。ランプ受け部220(覆い部)は、略円板状であり、2つのピン溝225と、2つのピン挿入孔224と、ランプ保持部226とを有する。2つのピン溝225(係合穴)は、ランプ受け部220のほぼ中央に、横方向に並んで設けられた略長方形上の貫通穴である。ピン溝225は、幅が狭いため、口金320の電極腕部325は挿通可能であるが、電極先端部324は挿通できない。したがって、ピン挿入孔224に電極323を直接挿入したり、ピン挿入孔224から電極323を直接抜き出したりすることはできない。それぞれのピン挿入孔224(ピン仮挿入部、挿入穴)は、ピン溝225に対して照明器具本体810に近い側に連続して設けられた貫通穴である。ピン挿入孔224は、ピン溝225よりも幅が広く、電極腕部325及び電極先端部324が挿通可能である。直管形ランプ300の取付時には、2つの電極先端部324をそれぞれピン挿入孔224に挿入し、口金320をスライドさせて、ピン溝225に電極腕部325を係合させる。逆に、直管形ランプ300の取外し時には、口金320をスライドさせてから、電極先端部324をピン挿入孔224から抜き出す。ランプ保持部226は、ピン溝225に電極腕部325が係合したときに凸部326を支えるために設けられた凸部である。ランプ保持部226は、直管形ランプ300を取り付けやすいよう、ピン溝225の延長線上に空隙があり、3つに分かれている。ランプ保持部226の空隙は、電極先端部324が通る幅を有する。
2つの給電金具250(電極接触部)は、導電性を有する材料で形成されている。それぞれの給電金具250は、ピン溝225に係合した電極323と接触して電気接続する。給電金具250が電極323と接触する部分は、電極先端部324に電極先端部324を挿入しただけでは電極323と接触せず、口金320をスライドさせてピン溝225に電極323が係合してはじめて電極323と接触する。給電金具250が電極323と接触する部分は、例えば、電極323がスライドしてくる方向に開いた断面ハ字形状であり、ガイドの役割を果たす。それぞれの給電金具250は、例えば速結端子構造を有し、異なる電線(図示せず)と電気接続している。2つの防水ゴム290は、それぞれ、接地金具150に接続した電線が貫通していて、ソケット本体210に設けられた電線挿入孔(図示せず)に係合し、ネジ筒部213のなかに水が浸入するのを防ぐ。給電金具250に接続した電線は、電線挿入孔を通ってネジ筒部213の外に引き出され、電源装置(電源出力部)に接続している。
【0013】
図5は、この実施の形態における照明器具800に直管形ランプ300を取り付ける手順を示す図である。
2つのランプソケット100,200の間隔は、直管形ランプ300の長さよりも短い。
作業者は、まず、直管形ランプ300の口金310を、ランプソケット100のランプ受け部120に押し当てて、ランプ受け部120を押し込む。このとき、電極323がピン挿入孔124に正しく係合していないと、口金310の口金端部312が、ソケット本体110のネジ筒部113に当たって、ランプ受け部120を押し込むことができない。このため、電極323と接地金具150とが面で接触し確実に電気接続する。
次に、作業者は、口金320を持ち上げて、ランプ受け部220のランプ保持部226に設けられた空隙に、電極323を通す。ランプ受け部120が十分に押し込まれていないと、電極323がランプ受け部220に当たり、ランプ保持部226の空隙を通らない。
電極323がピン挿入孔224の位置まで来たら、作業者は、ランプ受け部120を押し込んでいた力を緩め、電極先端部324をピン挿入孔224に挿入する。ランプ受け部120は、接地金具150の弾性により移動して、電極313に接触したままの状態を保つ。
作業者が口金320を下方向へスライドさせると、ピン溝225に電極323が係合し、電極323と給電金具250とが接触して電気接続する。
【0014】
このような手順で直管形ランプ300を取り付けることにより、まず、電極313が接地金具150と接触して接地され、その後、電極323が給電金具250と接触して電力が供給されるため、作業者が誤って感電するのを防ぐことができる。
【0015】
直管形ランプ300を取り外す場合には、この手順の逆の手順で作業する。このため、電極323が給電金具250から離れて電力の供給が停止してから、電極313が接地金具150から離れる。これにより、作業者が誤って感電するのを防ぐことができる。
【0016】
図6は、この実施の形態における照明器具800に直管形ランプ300を誤った手順で取り付けようとしている状態を示す図である。
作業者が、口金310をランプソケット100に係合させず、先に口金320をランプソケット200に係合させようとした場合、2つのランプソケット100,200の間隔が直管形ランプ300の長さよりも短いので、この図に示したように、口金310がソケット本体110から完全に外れた状態にしなければならない。したがって、直管形ランプ300は、正しい取り付け手順による場合と比べて、斜めに大きく傾いた状態になる。
【0017】
図7は、この実施の形態における照明器具800に直管形ランプ300を誤った手順で取り付けようとしている状態を示す拡大斜視図である。
このように、直管形ランプ300が斜めに大きく傾いた状態だと、ランプ保持部226に、凸部326や口金端部322が当たるので、電極323を下方向へスライドさせられる位置まで、電極先端部324をピン挿入孔224に挿入することはできない。
【0018】
このように、電極313が接地金具150と接触していない状態では、電極323が給電金具250と接触しないので、作業者が誤って感電するのを防ぐことができる。
【0019】
なお、照明器具800は、防水機能を有さない構成であってもよい。
【0020】
実施の形態2.
実施の形態2について、図8を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0021】
図8は、この実施の形態におけるランプソケット100の外観を示す斜視図である。
ランプソケット100は、取付け部160を有する。取付け部160は、接地金具150の一部である。取付け部160は、脚部112の背面に設けられた穴からランプソケット100の外部に露出している。取付け部160は、例えばネジ穴などを有し、照明器具本体810に直接固定される。これにより、接地金具150が照明器具本体810に電気接続する。接地金具150の接地がより確実なものとなるので、作業者が誤って感電するのを防ぐことができる。
【0022】
なお、取付け部160は、取付板挿入部111と同じ高さに位置することが望ましい。そうすれば、取付板挿入部111に挿入する板金などに、取付け部160を直接ネジ止めすることができる。
【0023】
実施の形態3.
実施の形態3について、図9〜図11を用いて説明する。
【0024】
図9は、この実施の形態におけるランプソケット200の構造を示す正視図及び断面図である。
ランプソケット200は、ソケット本体210と、ストッパー230と、2つの給電金具250とを有する。ソケット本体210は、ランプ受け部220と、2つの軸受け部214とを有する。ランプ受け部220(覆い部)は、ソケット本体210の一方の面に設けられた略長円形状の凹部である。軸受け部214は、ソケット本体210の内側、ランプ受け部220よりも照明器具本体810に近い位置に設けられている。ランプ受け部220は、ピン挿入孔224と、ピン溝225と、ランプ保持部226(口金当接部)と、ボタン露出穴227とを有する。ボタン露出穴227は、ランプ受け部220の上寄り中央に設けられた貫通穴である。ストッパー230(斜め接触防止部)は、直管形ランプ300が斜めに傾いているとき、口金320の電極323が給電金具250に接触するのを防ぐ。ストッパー230は、当接部231と、2つの軸部232と、保護部233と、枠部234とを有する。当接部231は、ボタン露出穴227からソケット本体210の外部に露出していて、口金320の口金端部322に当接する。2つの軸部232は、ストッパー230の回転軸であり、軸受け部214に係合している。保護部233は、横方向に延びる棒状である。保護部233は、給電金具250の上に設けられ、ピン挿入孔224に挿入された電極323が給電金具250に接触するのを防ぐ。枠部234は、当接部231と、軸部232と、保護部233とを繋いでいる。
直管形ランプ300の口金320が当接部231に当接して、当接部231が押されると、ストッパー230は、軸部232を軸として回転する。保護部233が給電金具250の上から移動して、口金320の電極323が給電金具250に接触できるようになる。
【0025】
図10は、この実施の形態におけるストッパー230の働きを示す図である。
直管形ランプ300を照明器具800に取り付ける正しい手順は、実施の形態1で説明したものと同様である。すなわち、最初に、口金310をランプソケット100に係合させて、口金310を押し込む。次に、電極323をピン挿入孔224に挿入する。当接部231の先端は、ランプ保持部226よりも、例えば約1mm程度出っ張っている。したがって、口金端部322がランプ保持部226に当接するより前に、口金端部322が当接部231に当接して、当接部231を押し込む。これにより、ストッパー230全体が軸部232を軸に回転し、保護部233が給電金具250の上からランプソケット200の奥へ移動する。例えば、保護部233と軸部232との間の距離が、当接部231と軸部232との間の距離の5倍であれば、当接部231が1mm押されると、保護部233は、その5倍の5mm移動する。これにより、電極323をスライドさせてピン溝225に係合させることができるようになり、電極323が給電金具250に接触して電気接続する。
【0026】
図11は、この実施の形態におけるストッパー230の働きを示す図である。
直管形ランプ300を誤った手順で照明器具800に取り付けようとした場合、すなわち、口金310をランプソケット100に係合させずに、口金320をランプソケット200に係合させようとした場合、直管形ランプ300は、斜めに傾いた状態になる。ランプソケット100,200の間隔が直管形ランプ300の長さより短いので、口金310をランプソケット100の外側に当接させると、直管形ランプ300の傾きが最も小さくなる。例えば、直管形ランプ300の長さが約1200mmであり、口金310の中心が正しい位置から40mmずれているとすると、直管形ランプ300の傾きは、約2度である。直管形ランプ300が斜めに傾いているので、口金端部322の上側は、下側よりも手前の位置になる。例えば、口金320の直径が26mm、直管形ランプ300の傾きが2度であれば、口金端部322の上側は、下側よりも約1mm手前に位置する。口金端部322の下側がランプ保持部226に当接すると、口金320をそれ以上押し込むことができない。したがって、当接部231の先端がランプ保持部226よりも約1mm程度出っ張っていても、当接部231は押されず、したがって、保護部233は移動しない。このため、電極323をスライドさせてピン溝225に係合させることはできず、電極323は給電金具250に接触しない。
【0027】
このように、ストッパー230を設けることにより、直管形ランプ300の長さが長く、そのため、誤った手順で直管形ランプ300を取り付けようとした場合における直管形ランプ300の傾きが小さい場合でも、電極323が給電金具250に接触するのを防止することができ、これにより、作業者が誤って感電するのを防ぐことができる。
【0028】
なお、照明器具800は、防水機能を有する構成であってもよい。
【0029】
以上、各実施の形態で説明した構成は、一例であり、他の構成であってもよい。例えば、異なる実施の形態で説明した構成を組み合わせた構成としてもよいし、重要でない部分の構成を、他の構成で置き換えた構成であってもよい。
【符号の説明】
【0030】
100,200 ランプソケット、110,210 ソケット本体、111,211 取付板挿入部、112,212 脚部、113,213 ネジ筒部、214 軸受け部、120,220 ランプ受け部、124,224 ピン挿入孔、150 接地金具、160 取付け部、190,290 防水ゴム、225 ピン溝、226 ランプ保持部、227 ボタン露出穴、228 内筒部、230 ストッパー、231 当接部、232 軸部、233 保護部、234 枠部、250 給電金具、300 直管形ランプ、310,320 口金、311,321 口金胴部、312,322 口金端部、313,323 電極、314,324 電極先端部、315,325 電極腕部、326 凸部、330 ランプ本体、400 防水キャップ、420 防水リング、430 防水パッキン、440 防水キャップ本体、800 照明器具、810 照明器具本体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管形ランプの一端に設けられた口金と係合するランプソケットにおいて、
上記口金に設けられた電極と接触して電気接続する電極接触部と、
上記直管形ランプが所定の方向に対して所定の角度以上傾いているとき、上記口金と当接して、上記電極と上記電極接触部とが接触するのを防ぐ斜め接触防止部とを有することを特徴とするランプソケット。
【請求項2】
上記電極は、上記直管形ランプの長手方向と略同一方向へ延びる腕部と、上記腕部の先端に設けられた先端部とを有し、
上記斜め接触防止部は、
上記電極を覆う覆い部と、
上記覆い部に設けられ、上記先端部が通らず上記腕部が通る大きさであり、上記電極と係合すると、上記電極が上記電極接触部に接触する係合穴と、
上記覆い部に設けられ、上記先端部及び上記腕部が通る大きさであり、上記係合穴と連続している挿入穴と、
上記直管形ランプが所定の方向に対して所定の角度以上傾いているとき、上記口金と当接して、上記先端部が上記挿入穴を通らないようにする口金当接部とを有することを特徴とする請求項1に記載のランプソケット。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のランプソケットと、
上記ランプソケットに係合した上記直管形ランプに対して電力を供給する電源装置と、
上記直管形ランプの他端に設けられた第二の口金と係合する第二のランプソケットとを有し、
上記斜め接触防止部は、上記第二のランプソケットに上記第二の口金が係合していないとき、上記電極と上記電極接触部とが接触するのを防ぐことを特徴とする照明器具。
【請求項4】
上記第二のランプソケットは、
上記第二の口金に設けられたアース電極と接触して電気接続するアース電極接触部と、
上記アース電極接触部に上記アース電極が接触したとき、上記第二の口金に押されて上記ランプソケットから遠ざかる方向へ移動可能な可動部とを有することを特徴とする請求項3に記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−234657(P2012−234657A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101044(P2011−101044)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】