説明

リアルタイム分散型システムの同期方法およびデバイス

マルチアンテナMIMOシステムなど、現在のリアルタイム分散型システム内で分散型モジュール間の同期をソフトウェアによって実施することは時間オーバヘッドの大きいものであるという技術的問題を解決するために、本発明は、リアルタイム分散型システムのための同期方法およびデバイスを提案し、分散型モジュールは、他の分散型モジュールと統一された同期開始時間に現在のモジュールが同期して動作できるかどうか判定し、判定結果に基づいて、論理回路内で現在のモジュールの動作指示信号を設定し、他のモジュールによって設定された論理回路内の動作指示信号と共に現在のモジュールの動作指示信号に基づいて、他の分散型モジュールと統一された規則に従って、現在のモジュールが同期して動作すべきかどうか決定する。本発明は、ハードウェア論理回路により小さい演算時間オーバヘッドで分散型モジュール間のリアルタイム同期を実施し、好ましくは、それは、数ビットの論理回路および数個のカスケード型論理ゲートだけを必要とし、構造は、簡潔で効率的であり、実装および拡張が容易である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアルタイム分散型システムに関し、詳細には、無線MIMO機器の処理デバイスのための同期方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、無線通信システム内の高速データ通信はますます重要になっている。この傾向により、無線通信システム内のデータ処理能力の要件が非常に高くなっている。多入力多出力(略してMIMO:Multiple−input Multiple−output)通信システムは、MIMOシステム内で物理層データを並列に処理するために数個のデジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)を含む数個の分散型処理デバイスを使用して向上している(rise)。
【0003】
マルチアンテナMIMOシステムの特性により、複数のチャネルについてのチャネル推定、複数のアンテナによって送受信されたデータの変調および復調は、あらゆるプロセッサによって同期して行われる必要がある。たとえば、マルチアンテナから受信されたデータは、同期して処理する必要があり、それぞれのプロセッサが、1つのアンテナの受信データを別々に処理し、またあらゆるプロセッサが、同じフレームの物理層データを処理し、MIMO復調器にデータを同時に送る。したがって、数個のプロセッサ間の同期動作が非常に必要になる。
【0004】
現在、マルチアンテナMIMOシステム内の数個のプロセッサ間の同期は、ソフトウェアによって実現されている。たとえば、それぞれのプロセッサは、その各々の制御プロセスによって制御され、あらゆる制御プロセスは、信号値や信号光、セマフォ、または共有のグローバル変数(global variant)などのプロセス間通信により制御プロセスの同期を実現し、それぞれのプロセッサが同期して動作するように間接的に制御する。さらに、いくつかの現在の技術的解決法では、それぞれのプロセスは、それぞれ異なるCPU上で実行されており、それぞれのCPUは、イーサネット・ネットワークによって接続される。この場合、それぞれのプロセスは、イーサネット・プロトコルによっても同期される。
【0005】
マルチアンテナMIMOの通信速度が非常に速いので、それに応じて、同期処理速度の要件も高く、したがって、同期の時間オーバヘッドは、できるだけ小さいものとすべきであり、これは、リアルタイム同期を必要とする場合が多い。現在の技術では、プロセス間通信など、ソフトウェアによって分散型モジュール間の同期を実施すると、特に、同期する必要がある多数のプロセスが存在する場合には、一般に待ち時間が大きくなる。同期待ち時間は通常、数ミリ秒から数十ミリ秒の長さであり、したがって、マルチアンテナMIMOシステムのリアルタイム同期要件を満たすのは難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
マルチアンテナMIMOの高速通信に必要な高速リアルタイム同期をマルチアンテナMIMOに提供するには、速い同期速度および簡潔な構造を有しており、実装および拡張が容易である分散型モジュールのための同期方法を提案することが大いに求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の実施形態によれば、リアルタイム分散型システムの分散型モジュール内で、他の分散型モジュールと同期して動作するために使用される方法であって、i.他の分散型モジュールと統一された同期開始時間に現在のモジュールが同期して動作できるかどうか判定するステップと、ii.判定結果に基づいて、論理回路内で現在のモジュールの動作指示信号(operate indication signal)を設定するステップと、iii.論理回路内の他のモジュールの動作指示信号と共に現在のモジュールの動作指示信号に基づいて、他の分散型モジュールと統一された規則に従って、現在のモジュールが同期して動作すべきかどうか決定するステップとを備える方法が提供される。
【0008】
本発明の別の態様の実施形態によれば、リアルタイム分散型システムの分散型モジュール内で、他の分散型モジュールと同期して動作するために使用される1つのデバイスであって、他の分散型モジュールと統一された同期開始時間に現在のモジュールが同期して動作できるかどうか判定するために使用される判定手段と、判定結果に基づいて、論理回路内で現在のモジュールの動作指示信号を設定するために使用される設定手段と、論理回路内の他のモジュールの動作指示信号と共に現在のモジュールの動作指示信号に基づいて、他の分散型モジュールと統一された規則に従って、現在のモジュールが同期して動作すべきかどうか決定するために使用される決定手段とを備えるデバイスを提供する。
【0009】
好ましくは、現在のモジュールを制御するカウンタによって生成された開始割込み信号は、同期開始時間を示し、この開始割込み信号は、他のモジュールを制御する他のカウンタによって他のモジュールに提供された開始割込み信号と同期され、現在のモジュールを制御するカウンタは、第1のクロック信号によって駆動され、第1のクロック信号は、他のモジュールを制御するカウンタを駆動するクロック信号と同期される。現在のモジュールが同期して動作できる場合は、現在のモジュールの動作指示信号を論理真に設定し、そうでない場合は、現在のモジュールの動作指示信号を論理偽に設定する。分散型モジュールは、現在のモジュールの動作指示信号の他のモジュールの動作指示信号との論理積を判定し、論理積の結果が真である場合は、現在のモジュールが同期して動作すべきであると決定し、そうでない場合は、現在のモジュールが同期して動作すべきでないと決定する。
【0010】
本発明の実施形態は、複数の並列DSPプロセッサを備えるマルチアンテナMIMOシステムなど、リアルタイム分散型システム内の分散型モジュールの同期動作をハードウェアによって実現する。論理回路内の論理デバイスのための論理設定、計算および判定操作によって必要とされる時間は非常に短いので、本発明の諸実施形態は、より小さい時間オーバヘッドで分散型モジュール間の同期を実現し、複数のプロセッサを高速でリアルタイムに同期させ、MIMO通信機器内のリアルタイム同期データ処理の処理容量を向上させ、マルチアンテナMIMOシステムの複雑なアルゴリズムの要件を満たし、したがって通信速度を増加させる。さらに、本発明の好ましい実施形態は、2ビットの論理回路および数個の論理ゲートしか必要とせず、構造は、簡潔で効率的であり、実装し易く、またそれは、カスケード拡張の便利なやり方を有する。
【0011】
本発明の他の特徴、目的および利点は、以下の図面を参照して、非限定的な実施形態への詳細な説明を読むことにより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態による、4×4 MIMO受信機内で同期を実現するためのシステム・アーキテクチャを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による、他のDSPと同期して動作するために、図1に示されたMIMO受信機内の1つのDSPによって使用される方法のフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態による、図1に示されたMIMO受信機内のDSP 0および別の同期DSP 1の各DSPを同期させるための論理信号の時系列図である。
【図4】本発明の一実施形態による、MIMO受信機のDSPプロセッサ内で、他のDSPプロセッサと同期して動作するためのデバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面では、同じまたは類似の参照符号は、同じまたは類似の構成要素を示す。
【0014】
以下の部分では、図1から3を参照することによって、方法の視点から本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明による、4×4 MIMO受信機のシステム・アーキテクチャである。このシステムは、4つのサービス・ボード、すなわちサービス・ボード0、1、2および3を有する。それぞれのボードは、1つのDSPプロセッサ、すなわちDSP 0、1、2および3を有しており、各DSPを使用して、それぞれMIMO受信機の4つのアンテナのうちの1つからのデータを処理する。アンテナはデータを連続的に受信するが、DSPユニットは、データをバーストで読み出すので、したがって、バッファ・ゾーン(バッファ)は一般に、アンテナとDSPプロセッサの間で構成されることが当業者には理解されよう。アンテナによって受信されたデータは、まずFPGA(Field Programmable Gate Array:フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)によってバッファ・ゾーンに保存され、DSPは、バッファからデータを読み出す。図1を単純にするために、上述されたアンテナ、FPGAおよびバッファ・ゾーンは図1に示されていない。
【0015】
受信機の各サービス・ボードにはカウンタがあり、このカウンタは、DSPプロセッサに割込み信号を提供する。あらゆるカウンタは、各DSPプロセッサに割込み信号を同期して提供し、割込み信号は、各DSPプロセッサについて、同期開始時間、同期終了時間など、他のDSPプロセッサと統一された同期時間を示すために使用される。あらゆるカウンタは、同じGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)クロックに接続される。GPSクロックは、空から衛星信号を受信し、衛星信号から、グローバルに統一された時間情報を回復し、統一された10MHzの駆動信号をあらゆるカウンタに提供する。
【0016】
さらに、GPSクロックは、あらゆるカウンタのカウント論理を同期させるために、各カウンタに1つの統一された1Hzの時間同期信号をも提供する。クロック同期信号を使用してカウンタのカウント論理を同期させることの2つの目的がある。
1.各サービス・ボード上のDSPプロセッサは、各サービス・ボードのカウンタによって提供された割込み信号によって示されるが、各サービス・ボードの各カウンタの開始時間はそれぞれ異なることがあり、したがって、各カウンタを同期させるのに1Hzを使用しない場合、対応するDSPプロセッサの各カウンタによって生成される割込み信号が同時に生成されないことがあり、したがって、DSPプロセッサの同期にずれが生じることになる。本発明の実施形態は、1Hzの立上がりエッジを使用して、同期をトリガし、各カウンタのカウント論理を1秒ごとに再設定し同期させる。それによって、各ボードのカウンタが割込み信号を同期して生成することを保証することができる。
2.カウンタのカウント論理は、10MHzクロックによって駆動されるが、基地局内のMIMO受信機および移動端末が異なるGPSクロックを使用しているので、別々に生成された10MHzのクロックには、いくらかの周波数差がある。基地局と移動端末の間の周波数差の累積効果を取り除くために、1Hzクロックを使用して、各カウント論理を再設定する。
【0017】
当然のことながら、上記の統一された1Hzクロック同期信号は、本発明に不可欠なものではなく、他の任意の方法を、様々なサービス・ボードの様々なカウンタ間のカウント論理同期を達成し、基地局と移動端末の間の周波数差の累積を取り除くことに適用することができる。
【0018】
さらに、諸図に示されたように、サービス・ボードはそれぞれ、DSPプロセッサに接続された、1ビットの論理デバイスReqおよび論理デバイスAckをも有する。ただし、各論理デバイスReqの論理値(すなわち真/偽、1/0、または有効/無効など)は、DSPプロセッサによって設定され、この論理値は、DSPプロセッサの動作指示信号を表すために使用され、DSPプロセッサが同期して動作できるかどうか判定する。1ビット論理回路では、各サービス・ボード上の論理デバイスReqの論理値は、複数のANDゲートを介して論理積で実施され、論理積の結果は、1ビット論理回路内で、各サービス・ボードのあらゆる論理デバイスAckに返送される(あらゆる論理デバイスAck上で設定される)。論理デバイスAckは、各論理デバイスReqの論理積結果をDSPプロセッサに送る。本発明の現在の実施形態では、論理デバイスReqおよび論理デバイスAckは、DSPプロセッサから分離されており、他の実施形態では、論理デバイスReqと論理デバイスAckは、DSPプロセッサ内で統合することができ、それらの機能は、DSPプロセッサによって実現されることが当業者には理解されよう。
【0019】
DSPプロセッサの1つまたは複数のピンは、対応する論理回路に接続され、この論理回路は、ANDゲートなど、論理デバイスを含む。これらおよび他の実装のやり方はすべて、本発明の特許請求の保護範囲内にある。
【0020】
この実施形態では、あらゆるデータ・フレームの時間内に、それぞれのカウンタは、同じ時間間隔で4つの割込み信号を同期して生成する。それぞれの同期割込み信号は、各DSPプロセッサのフレーム内の各時間を示し、同期開始時間、同期終了時間などを含めて同期時間をも示す。ただし、第1の割込み信号は、フレームが開始することを示し、この開始割込み信号は、各DSPプロセッサの統一された同期開始時間を示し、第4の割込み信号は、フレームが終了することを示し、この終了割込み信号は、各DSPプロセッサの統一された同期終了時間を示す。好ましくは、割込み信号を生成するとき、図3に示されたように、カウンタは、割込み信号の通し番号、たとえば0、1、2および3をも生成する。割込み信号インデックスは、割込み信号が生成されている間、それがどの同期時間であるか示すことができ、これらの2つが合わさって、DSPプロセッサのあらゆる同期時間をより正確に示し、割込み信号だけの使用によって生じ得る混乱が回避される。当然ながら、割込み信号インデックスは必須ではなく、たとえばDSPプロセッサ自体が、生じる割込み信号の数、およびそれによって示された同期時間を測定し維持する場合、割込み信号インデックスは必須ではなく、割込み信号インデックスは省略することができる。
【0021】
図3に示されたように、フレームNの開始時に、それぞれのカウンタは、開始割込み信号および割込み信号インデックス0を生成する。割込み信号およびそのインデックスを受信した後、それぞれのDSPプロセッサは、他のDSPプロセッサと統一された同期開始時間であることを知り、次いで、図2に示されたように、ステップS1で、DSP 0は、現在のプロセッサが同期して動作できるかどうか判定する。同様に、他のDSPプロセッサもまた、現在のプロセッサが同期して動作できるかどうかそれぞれ判定する。
【0022】
一実施形態では、それぞれのDSPプロセッサは、現在のDSPプロセッサがデータ処理中であるかどうか示す内部ビジー/アイドル・フラグをそれぞれ維持する。この実施形態では、フラグが論理偽である場合は、それは、現在のプロセッサが未完了のジョブを有しておらず、現在アイドル状態であり、通信データの新しいフレームを同期して処理できることを示し、フラグが論理真である場合は、それは、現在のプロセッサが未完了のジョブを処理しており、新しいデータを同期して処理できないことを示す。当然ながら、本発明は、DSPプロセッサがビジー/アイドル・フラグによって現在のプロセッサの動作状況を示し判定するこの方式に限定されない。
【0023】
この場合、図3に示された現在のフレームNでは、割込み信号0で、DSP 0のビジー/アイドル・フラグは論理偽であり、ただし、ステップS2で、DSP 0は、現在のサービス・ボードの論理回路内にある論理デバイスReqを、現在のプロセッサが同期して動作できることを示す論理真に設定する。DSP1、2および3のビジー/アイドル・フラグも論理偽であり、次いで、それらは、論理デバイスReqを論理真に設定する。図を単純にするために、図3は、DSP1のビジー/アイドル・フラグ、および設定された論理デバイスReqだけを示している。好ましくは、開始割込み信号は、同時に読出し割込み信号でもあり、それは、現在のデータ・フレーム時間における第1の読出し処理時間を示し、論理デバイスAckの論理値を検出し判定する前に、時間を節約するためにアイドル状態のDSPプロセッサは、アンテナによってバッファから受信されたデータを読み出し、特定のデータ前処理を行うことができる。この好ましい場合では、それぞれのプロセッサは、ビジー状態に切り換わり、ビジー/アイドル・フラグは、論理真になる。
【0024】
次いで、ステップS3で、DSP 0は、現在のプロセッサによって設定された論理デバイスReq、および他のDSPプロセッサによって論理回路内にそれぞれ設定された他の論理デバイスReqに基づいて、他のDSPプロセッサとの統一された規則に従って、同期して動作すべきかどうか判定する。他のDSPプロセッサもまた、類似の動作を行い、他のDSPプロセッサとの統一された規則に従って、同期して動作すべきかどうか判定する。
【0025】
具体的には、図1で上記に言及された論理回路の関数によれば、論理デバイスReqの論理値である、DSPプロセッサによって設定された動作指示信号は、論理積で実施され、結果は、各サービス・ボード上の論理デバイスAckの論理値として設定される。各DSPプロセッサによって使用される統一された規則は、現在のDSPプロセッサの論理デバイスReqの論理値の、他のDSPプロセッサの論理値との論理積が真であるか、それとも偽であるか判定し、論理積が真である場合は、現在のDSPプロセッサが同期して動作すべきであると判定し、そうでない場合は、現在のDSPプロセッサが同期して動作すべきでないと判定することである。
【0026】
当然ながら、実際のシステムでは、論理デバイスReqの値を設定した後、各DSPプロセッサが論理デバイスReqの論理値を設定する時間が必ずしも同じであるとは限らず、また論理回路は、論理積演算を行い、また各サービス・ボード上の論理デバイスACKの論理値を設定するのにいくらかの時間をやはり必要とするので、それぞれのDSPプロセッサは、ACK信号を検出する前に数マイクロ秒から数十マイクロ秒の少しの間待たなければならない。この待ち時間の間、好ましくは、DSPプロセッサをより効率的に使用するために、プロセッサは、時間を適切に節約するために、上記に言及されたデータ前処理を行う。当然ながら、それぞれのDSPプロセッサは、そのReq信号を設定した後にデータ前処理を行わないことがあり、それは、単に数マイクロ秒から数十マイクロ秒の間待ち、ACK信号を検出し判定する。
【0027】
現在のフレームでは、あらゆるDSPプロセッサのすべての動作指示信号が真であるので、DSPプロセッサは、t1で同期して動作し始め、MIMOデータ処理を実行する。好ましくは、それぞれのDSPプロセッサは、上記に言及されたデータ前処理に基づいてデータ処理を継続すると判定する。
【0028】
次いで、第2の割込み信号、すなわち割込み信号1は、読出し割込み信号であり、それは、現在のデータ・フレームの時間内の第2の読出し時間を示し、この第2の読出し時間に、各DSPプロセッサは、バッファからフォローアップ・データを読み出し、データ処理を継続することができる。フレーム内でバッファから複数回読み出す方法を用いると、DSPプロセッサのバッファ読出し頻度が増加し、したがって、A/Bバッファの容量要件を減少させることができる。好ましくは、アンテナ受信のレートが速くなり、それは一般に、80Mhzの速度でデータをバッファに保存し続けるが、DSPプロセッサは、バーストで読み出すので、バッファは一般に、A/Bバッファのやり方を使用することにより実装され、すなわち、FPGAがデータをバッファAに保存するのと同時に、DSPは、バッファBから読み出す。したがって、上記割込み信号0が生じる場合は、DSPプロセッサは、バッファAからデータを読み出すことができ、現時点で割込み信号1が生じる場合は、DSPプロセッサは、バッファBからデータを読み出すことができるなどである。
【0029】
次いで、図3に示されたように、第3の割込み信号、すなわち割込み信号2は、現在のデータ・フレームの時間内の第3の読出し時間を示す別の読出し割込み信号であり、DSP 1のデータ処理が終了され、ビジー/アイドル・フラグは偽になり、しかし、DSP 0の処理は終了されず、次いで、それは、バッファからフォローアップ・データを読み出し続け、データ処理を継続する。さらに、DSP 2および3のデータ処理も終了され、ビジー/アイドル・フラグは偽になる(図示せず)。
【0030】
次いで、このフレームの時間の終了、および次のフレームの時間の開始前では、第4の割込み信号、すなわち、割込み信号インデックス3が終了割込み信号であり、それは、統一された同期終了時間を示す。ステップS4で、DSP 0は、論理デバイスReq上の動作指示信号を論理偽に設定し、他のDSPプロセッサもまた、同様の操作を行う。割込み信号は、同時に読出し割込み信号でもあり、それは、現在のデータ・フレーム時間の第4の読出し時間を示し、現在の実施形態では、DSP 0の処理が未完了であるので、DSP 0は、バッファからフォローアップ・データを読み出し続け、データ処理を継続する。
【0031】
上記のフレームNの開始に類似して、フレームN+1の開始時、それぞれのカウンタは、開始割込み信号および割込み信号インデックス0を同期して生成して(フレームN+1内の割込み信号インデックスは、フレームNの最後の割込み信号インデックスの後に続くことによって番号付与を継続することもでき)、各DSPプロセッサの統一された同期開始時間を示す。
【0032】
ステップS1’で、DSP 0は、それが同期して動作できるかどうか判定する。DSP 0がフレームNのデータ処理を終了していないので、ビジー/アイドル・フラグは依然として真であり、DSP 0は、残りのデータを処理しなければならず、DSP 0がフレームN+1のフレーム時間内に新しいフレーム・データを同期して処理することができなくなる。したがって、ステップS2’で、DSP 0は、動作指示信号、すなわちサービス・ボード0の論理デバイスReqを論理偽に設定する。
【0033】
DSP 1、2および3に関して、それらが前のフレームのデータ処理を終了しているので、DSP 1、2および3のビジー/アイドル・フラグは偽であり、それらは、フレームN+1のフレーム時間内に新しいフレーム・データを同期して処理することができる。したがって、それらは、動作指示信号、すなわち各サービス・ボード上の論理デバイスReqをそれぞれ論理真に設定する。その後、DSP 1、2および3は、アンテナによってバッファから受信されたデータを読み出し、特定のデータ前処理を行い、DSP 1、2および3のビジー/アイドル・フラグは真になる。
【0034】
次に、ステップS3’で、t2のときに、DSP 0の論理デバイスReqの論理値が偽であるので、DSPプロセッサの動作指示信号の論理積は偽であり、DSP 0は、論理値に基づいて、現在のDSPプロセッサがN+1フレーム時間において同期して動作すべきでないと判定する。他のDSPプロセッサもまた、現在のN+1フレーム時間において同期して動作すべきでないと判定し、したがって、それらは、前処理の結果を放棄し、ビジー/アイドル・フラグを偽に変換することができる。
【0035】
次いで、フレームN+1の時間内に、DSP 0は、前のデータ・フレームのデータ処理を完了する。フレームN+1の終了およびその次のフレームの開始の前に到達する第4の割込み信号で、DSP 0は、動作指示信号、すなわち論理デバイスReqを論理偽に設定する。
【0036】
次いで、フレームN+2が開始するとき、直前のフレームNの開始と同様に、あらゆるカウンタは、あらゆるDSPプロセッサについて統一された同期開始時間を示すために、開始割込み信号および割込み信号インデックス0を同期して生成する。
【0037】
このとき、それぞれのDSPプロセッサは、アイドル状態にあるので、したがってフレームN+2で同期して動作することができる。その後、それぞれのプロセッサは、動作指示信号の設定を行い、t3のとき同期して動作し始めると判定する。詳細なステップは、上述のフレームNに類似しており、不必要な説明は示されない。
【0038】
上記部分では、本発明の方法の一実施形態について説明されている。以下の部分では、図4を参照することによって、デバイスの視点から本発明の別の実施形態について説明する。
【0039】
図4は、本発明の別の実施形態による、MIMO受信機のDSPプロセッサ内で、他のDSPプロセッサと同期して動作するためのデバイス1のブロック図を示している。デバイス1は、判定手段10と、設定手段20と、決定手段30と、好ましくは再設定手段50とを備える。MIMO受信機、各サービス・ボード(DSPプロセッサ)、各カウンタ、クロックおよび論理デバイスReq、ANDゲートおよびAckが図1に示され、本発明の方法の実施形態に類似しており、不必要な説明は示されない。
【0040】
図3に示されたように、フレームNの開始時、それぞれのカウンタは、開始割込み信号および割込み信号インデックス0を生成する。割込み信号およびそのインデックスを受信した後、それぞれのDSPプロセッサは、他のDSPプロセッサと統一された同期開始時間であることを知り、次いで、図2に示されたように、DSP 0のデバイス1の判定手段10は、現在のプロセッサが同期して動作できるかどうか判定する。同様に、他のDSPプロセッサの判定手段もまた、現在のプロセッサが同期して動作できるかどうかそれぞれ判定する。
【0041】
一実施形態では、それぞれのDSPプロセッサは、現在のDSPプロセッサがデータ処理中であるかどうか示す内部ビジー/アイドル・フラグをそれぞれ維持する。現在の実施形態では、フラグが論理偽である場合は、それは、現在のプロセッサが未完了のジョブを有しておらず、現在アイドル状態であり、通信データの新しいフレームを同期して処理できることを示しており、フラグが論理真である場合は、それは、現在のプロセッサが未完了のジョブを処理しており、新しいデータを同期して処理できないことを示す。
【0042】
図3に示された現在のフレームNにおいて、割込み信号0で、DSP 0のビジー/アイドル・フラグは偽であり、次いで、設定手段20は、現在のサービス・ボードの論理回路内にある論理デバイスReqを論理真に設定し、現在のプロセッサが同期して動作できることを示す。DSP1、2および3のビジー/アイドル・フラグもまた論理偽であり、次いで、それらもまた、論理デバイスReqを論理真に設定する。図を単純にするために、図3は、DSP1のビジー/アイドル・フラグ、および設定された論理デバイスReqだけを示している。好ましくは、開始割込み信号は同時に、読出し割込み信号でもあり、それは、現在のデータ・フレーム時間において第1の読出し時間を示し、論理デバイスAckの論理値を検出し判定する前に、時間を節約するために、判定手段10は、現在のアイドルDSPプロセッサが、アンテナによって受信されたデータをバッファから読み出し、特性のデータ前処理を行うと判定する。したがって、あらゆるプロセッサの各読出し手段40は、バッファからデータを読み出し、DSPプロセッサは、受信されたデータを処理し、ビジー状態に切り換わり、ビジー/アイドル・フラグは、論理真になる。
【0043】
次いで、決定手段30は、現在のプロセッサによって設定された論理デバイスReq、および他のDSPプロセッサによって論理回路内でそれぞれ設定された他の論理デバイスReqに基づいて、他のDSPプロセッサと統一された規則に従って、DSP 0が同期して動作すべきかどうか判定する。他のDSPプロセッサもまた、類似の操作を行い、他のDSPプロセッサと統一された規則に従って、それが同期して動作すべきかどうか判定する。
【0044】
具体的には、図1で上記に言及された論理回路の関数によれば、論理デバイスReqの論理値である、DSPプロセッサによって設定された動作指示信号は、論理積で実施され、結果は、各サービス・ボード上の論理デバイスACKの論理値として設定される。決定手段30によって使用された統一された規則は、現在のDSPプロセッサの論理デバイスReqの論理値の他のDSPプロセッサの論理値との論理積が真か、それとも偽か判定し、論理積が真の場合は、現在のDSPプロセッサが同期して動作すべきと判定し、そうでない場合は、現在のDSPプロセッサが、同期して動作すべきでないと判定することである。
【0045】
当然ながら、実際のシステムでは、論理デバイスReqの値を設定した後、各DSPプロセッサが論理デバイスReqの値を設定する時間が必ずしも同じであるとは限らず、また論理回路が論理積演算を行い、また各サービス・ボード上の論理デバイスACKの論理値を設定するのにいくらかの時間をやはり必要とするので、それぞれのDSPプロセッサは、ACK信号を検出する前に数マイクロ秒から数十マイクロ秒の少しの間待たなければならない。この待ち時間の間、好ましくは、DSPプロセッサをより効率的に使用するためにプロセッサは、時間を適切に節約するため、上記に言及されたデータ前処理を行う。
【0046】
現在のフレームでは、あらゆるDSPプロセッサのすべての動作指示信号が真であるので、DSPプロセッサは、t1で同期して動作し始め、MIMOデータ処理を実行する。好ましくは、決定手段30は、上記に言及されたデータ前処理に基づいて、現在のDSPプロセッサがデータ処理を継続すると判定する。
【0047】
次いで、第2の割込み信号、すなわち割込み信号1は、読出し割込み信号であり、それは、現在のデータ・フレームの時間内の第2の読出し時間を示し、この第2の読出し時間に、読出し手段40は、バッファからフォローアップ・データを読み出すことができ、DSPプロセッサは、読み出されたフォローアップ・データに基づいてデータ処理を継続する。好ましくは、アンテナ受信のレートが速くなり、それは一般に、80Mhzの速度でデータをバッファに保存し続けるが、DSPプロセッサは、バーストで読み出すので、バッファは一般に、A/Bバッファのやり方を使用することにより実装され、すなわち、FPGAがデータをバッファAに保存するのと同時に、DSPは、バッファBから読み出す。したがって、上記割込み信号0が生じるとき、DSPプロセッサは、バッファAからデータを読み出すことができ、現時点で割込み信号1が生じるとき、DSPプロセッサは、バッファBからデータを読み出すことができるなどである。フレーム内でバッファから複数回読み出す方法を用いると、DSPプロセッサのバッファ読出し頻度が増加し、したがって、A/Bバッファの容量要件を減少させることができる。
【0048】
次いで、図3に示されたように、第3の割込み信号、すなわち割込み信号2は、現在のデータ・フレームの時間内の第3の読出し時間を示す別の読出し割込み信号であり、DSP 1のデータ処理が終了され、ビジー/アイドル・フラグは偽になり、しかし、DSP 0の処理は終了されず、次いで、読出し手段40は、バッファからフォローアップ・データを読み出し続け、データ処理を継続する。さらに、DSP 2および3のデータ処理も終了され、ビジー/アイドル・フラグは偽になる(図示せず)。
【0049】
次いで、このフレームの時間の終了、および次のフレームの時間の開始前では、第4の割込み信号、すなわち、割込み信号インデックス3が終了割込み信号であり、それは、統一された同期終了時間を示す。ステップS4で、DSP 0は、論理デバイスReq上の動作指示信号を論理偽に設定し、他のDSPプロセッサもまた、類似の操作を行う。割込み信号は、同時に読出し割込み信号でもあり、それは、現在のデータ・フレーム時間の第4の読出し時間を示し、現在の実施形態では、現在の実施形態では、DSP 0の処理が未完了であるので、読出し手段40は、バッファからフォローアップ・データを読み出し続け、DSP 0は、データ処理を継続する。
【0050】
上記のフレームNの開始に類似して、フレームN+1の開始時、それぞれのカウンタは、開始割込み信号および割込み信号インデックス0を同期して生成し、(フレームN+1内の割込み信号インデックスは、フレームNの最後の割込み信号インデックスの後に続くことによって番号付与を継続することもでき)、各DSPプロセッサの統一された同期開始時間を示す。
【0051】
判定手段10は、DSP 0が同期して動作できるかどうか判定する。DSP0がフレームNのデータ処理を終了していないので、ビジー/アイドル・フラグは依然として真であり、それは、残りのデータを処理しなければならず、DSP 0がフレームN+1のフレーム時間内に新しいフレーム・データを同期処理することができなくなる。したがって、設定手段20は、動作指示信号、すなわちサービス・ボード0の論理デバイスReqを論理偽に設定する。
【0052】
DSP 1、2および3に関して、DSP 1、2および3の判定手段が直前のフレームのデータ処理を終了していると判定するので、DSP 1、2および3のビジー/アイドル・フラグは偽であり、それらは、フレームN+1のフレーム時間内に新しいフレーム・データを同期して処理することができる。したがって、それらは、動作指示信号、すなわち各サービス・ボード上の論理デバイスReqをそれぞれ論理真に設定する。その後、DSP 1、2および3の読出し手段は、アンテナによって各々のバッファから受信されたデータをそれぞれ読み出し、特定のデータ前処理を行い、DSP 1、2および3のビジー/アイドル・フラグは真になる。
【0053】
次いで、t2のとき、DSP 0の論理デバイスReqの論理値が偽であるので、DSPプロセッサの動作指示信号の論理積は偽であり、DSP 0の決定手段30は、論理値に基づいて、現在のDSPプロセッサがN+1フレーム時間において同期して動作しないと判定する。他のDSPプロセッサもまた、それに応じて、現在のN+1フレーム時間において同期して動作しないと判定し、それらは、前処理の結果を放棄し、ビジー/アイドル・フラグを偽に変換することができる。次いで、フレームN+1の時間内に、DSP 0は、前のデータ・フレームのデータ処理を完了する。フレームN+1の終了およびその次のフレームの開始の前に到達する第4の割込み信号で、DSP 0は、動作指示信号、すなわち論理デバイスReqを論理偽に設定する。
【0054】
次いで、フレームN+2が開始するとき、直前のフレームNの開始と同様に、あらゆるカウンタは、あらゆるDSPプロセッサについて統一された同期開始時間を示すために、開始割込み信号および割込み信号インデックス0を同期して生成する。
【0055】
このとき、それぞれのDSPプロセッサは、アイドル状態にあるので、したがってフレームN+2で同期して動作することができる。次いで、それぞれのプロセッサの判定手段が同期して動作できると判定した後、それぞれの設定手段は、動作指示信号の設定を行い、t3のとき同期して動作し始めると判定する。詳細なステップは、上述のフレームNに類似しており、不必要な説明は示されない。
【0056】
上記では、DSPプロセッサが同期してバッファから読み出し、マルチアンテナMIMOシステム内の各アンテナによって受信されたデータを処理する実施例を用いて本発明について述べている。当然ながら、本発明は、各アンテナの送信データを同期して処理し、各アンテナのバッファ・ゾーンを介してデータを提供するDSPに適用することもでき、各DSPの同期プロセスは、上記に言及された手順に類似する。同期動作プロセスでは、上記の読出時間と同様に、それぞれのDSPプロセッサは、書込みデバイスを使用して、通信フレームの時間内のいくつかの書込み時間に、現在のDSPプロセッサに対応するアンテナに接続されたバッファ・ゾーン内に通信データを書き込む。書込み時間は、現在のDSPプロセッサを制御するカウンタによって提供される複数の書込み割込み信号によって示される。
【0057】
当然ながら、ハードウェア論理回路内の論理デバイス内の上記論理設定、計算および判定の時間は非常に短く、一般に数マイクロ秒から数十マイクロ秒しか必要とせず、したがって同期に必要な時間オーバヘッドは、従来のソフトウェア・プロセス間通信に存在する数ミリ秒から数十ミリ秒よりも遥かに小さい。それは、複数のDSPプロセッサをリアルタイムに同期させ、DSPプロセッサの同期処理速度を保証し、マルチアンテナMIMO通信システムの通信速度を増加させる。さらに、本発明の実装には、論理積ゲートなど、数個の論理回路しか必要とせず、構造は、簡潔で効率的であり、実装が容易である。また、各論理積ゲートはカスケードによって接続されているので、システムの容量に従ってサービス・ボードまたはDSPプロセッサを増加または減少させる必要がある場合、論理デバイスのカスケード接続を増加または減少させることだけが必要であり、それは、拡張にかなり好都合であり、同期のための時間オーバヘッドを増加させない。
【0058】
上記は、同期して動作すべきかどうかが各DSPプロセッサの動作指示信号の論理積に従って判定される実施例に基づいて本発明について説明している。当然ながら、本発明は、論理積による同期に限定されず、たとえば、DSPプロセッサの動作指示信号が、DSPプロセッサが同期して動作できることを示すには論理偽を、またそれが動作できないことを示すには論理真を使用する場合、対応する論理関数は、各動作指示信号の論理ORであり、論理ORが偽である場合は、それぞれのDSPプロセッサは同期して動作し、そうでない場合は、それぞれのDSPプロセッサは同期して動作しない。論理回路は、技術的解決法を実施するために、数個のORゲートのカスケードを使用することができる。本発明の命令によれば、当業者は、実際のシステム要件に基づいて構成、動作指示信号の判定論理、対応する論理回路を設計することができ、これらの解決策はすべて、本発明によって特許請求された保護の範囲内のものである。また、その説明では、不必要な詳細は示されない。
【0059】
上記の実施形態では、互いに同期され、同じGPSクロックによって駆動される各カウンタは、統一された同期開始時間、および同期終了時間を各DSPプロセッサにそれぞれ提供する。本発明は、これに限定されず、それぞれのカウンタは、原子時計など、同じソース周波数で数個の同期クロックによってそれぞれ駆動することもでき、またはそれぞれのDSPプロセッサは、1つのカウンタ共有するなどであることが当業者には理解されよう。これらの方式および他の言及されない方式はすべて、本発明によって特許請求された保護の範囲内である。
【0060】
上記は、無線通信のMIMO通信デバイスにおける本発明の適用例によって、本発明について述べている。当然ながら、本発明は、これに限定されず、ネットワーク・プロトコル・シミュレーションに使用されるリアルタイム分散型コンピューティングやルータ・コンピューティングのためのマルチプロセッサ・コンピュータなど、リアルタイム分散型処理を必要とする任意のデバイスに適用することができる。本発明に基づいて、あらゆるリアルタイム分散型システムが、本発明の実施形態に言及されたマルチアンテナMIMOデバイスに等価であり、またそれに代わるものであり、また本発明は、これらの代替の等価物にも適用できることが当業者は当然予測されよう。
【0061】
上記では本発明の実施形態について述べているが、本発明が、上記に言及された特定の実施形態に限定されず、当業者は、添付文書において特許請求された権利の範囲内で様々な変形および修正を行うことができることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアルタイム分散型システムの分散型モジュール内で、他の分散型モジュールと同期して動作するために使用される方法であって、
i.前記他の分散型モジュールと統一された同期開始時間に現在のモジュールが同期して動作できるかどうか判定するステップと、
ii.判定結果に基づいて、論理回路内で現在のモジュールの動作指示信号を設定するステップと、
iii.前記他のモジュールによってそれぞれ設定された前記論理回路内の前記動作指示信号と共に現在のモジュールの動作指示信号に基づいて、前記他の分散型モジュールと統一された規則に従って、現在のモジュールが同期して動作すべきかどうか決定するステップとを備える方法。
【請求項2】
前記同期開始時間が、現在のモジュールを制御するカウンタによって生成された開始割込み信号によって示され、この開始割込み信号が、前記他のモジュールを制御する他のカウンタによって前記他のモジュールに提供された前記開始割込み信号と同期され、現在のモジュールを制御する前記カウンタが、第1のクロック信号によって駆動され、前記第1のクロック信号が、前記他のモジュールを制御する前記カウンタを駆動するクロック信号と同期されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記同期開始時間が、現在のモジュールを制御する前記カウンタによって提供された割込み信号インデックスによっても示されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
現在のモジュールを制御する前記カウンタが、第2のクロック信号によって前記他のモジュールを制御する前記カウンタと同期されることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップiで、
ビジー/アイドル・フラグに基づいて現在のモジュールが同期して動作できるかどうか判定し、前記フラグがアイドル状態である場合は現在のモジュールが同期して動作できると判定し、そうでない場合は、現在のモジュールが同期して動作できないと判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップiiで、
現在のモジュールが同期して動作できる場合は、現在のモジュールの動作指示信号を論理真に設定し、そうでない場合は、現在のモジュールの動作指示信号を論理偽に設定し、
前記ステップiiiが、
現在のモジュールの動作指示信号の前記他のモジュールの動作指示信号との論理積を判定し、前記論理積の結果が真である場合は、現在のモジュールが同期して動作すべきであると決定し、そうでない場合は、現在のモジュールが同期して動作すべきでないと決定するステップをも備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップiで、
現在のモジュールが同期して動作できる場合は、現在のモジュールが事前動作すると判定し、
ステップiiiで、
現在のモジュールが同期して動作すべきと決定する場合は、前記事前動作に基づいて現在のモジュールが同期して動作すべきと決定することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
iv.前記他のモジュールと統一された同期終了時間に前記論理回路内の現在のモジュールの前記動作指示信号を再設定するステップであって、前記統一された同期終了時間が、現在のモジュールを制御する前記カウンタによって提供される終了割込み信号によって示され、前記終了割込み信号が、前記他のモジュールを制御するカウンタによって前記他のモジュールに提供された前記終了割込み信号と同期される、ステップをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記リアルタイム分散型システムが、無線通信に使用されるMIMO通信機器であり、現在のモジュールおよび前記他のモジュールが前記MIMO通信機器の信号処理デバイスであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ステップiiiの後に、
現在のモジュールが同期して動作しているとき、通信フレーム内の複数の読出し時点でそれぞれ処理するために、現在のモジュールに対応するI/Oデバイスに接続されたバッファ・ゾーンからデータを読み出すステップであって、前記複数の読出し時点が、現在のモジュールを制御する前記カウンタによって提供された読出し割込み信号によって示される、ステップ、および/または、
現在のモジュールが同期して動作しているとき、それぞれ通信フレーム内の複数の書込み時点で、現在のモジュールに対応するI/Oデバイスに接続されたバッファ・ゾーンにデータを書き込むステップであって、前記複数の書込み時点が、現在のモジュールを制御する前記カウンタによって提供された書込み割込み信号によって示される、ステップをさらに備える請求項9に記載の方法。
【請求項11】
リアルタイム分散型システムの分散型モジュール内で、他の分散型モジュールと同期して動作するために使用されるデバイスであって、
前記他の分散型モジュールと統一された同期開始時間に現在のモジュールが同期して動作できるかどうか判定するために使用される判定手段と、
判定結果に基づいて、論理回路内で現在のモジュールの動作指示信号を設定するために使用される設定手段と、
前記他のモジュールによって設定された前記論理回路内の前記動作指示信号と共に現在のモジュールの動作指示信号に基づいて、前記他の分散型モジュールと統一された規則に従って、現在のモジュールが同期して動作すべきかどうか決定するために使用される決定手段とを備えるデバイス。
【請求項12】
前記同期開始時間が、現在のモジュールを制御するカウンタによって生成された開始割込み信号によって示され、この開始割込み信号が、前記他のモジュールを制御する他のカウンタによって前記他のモジュールに提供された前記開始割込み信号と同期され、現在のモジュールを制御する前記カウンタが、第1のクロック信号によって駆動され、前記第1のクロック信号が、前記他のモジュールを制御する前記カウンタを駆動するクロック信号と同期されることを特徴とする請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記他のモジュールと統一された同期終了時間に前記論理回路内の現在のモジュールの前記動作指示信号を再設定するために使用される再設定手段であって、前記統一された同期終了時間が、現在のモジュールを制御する前記カウンタによって提供される終了割込み信号によって示され、前記終了割込み信号が、前記他のモジュールを制御する前記カウンタによって前記他のモジュールに提供される前記終了割込み信号と同期される、手段
をさらに備えることを特徴とする請求項11及び12のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項14】
請求項11に記載のデバイスを備えることを特徴とするMIMO通信機器の信号処理デバイス。
【請求項15】
請求項11に記載の1つまたは複数の信号処理デバイスを備えることを特徴とするMIMO通信機器。

【図2】
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【図4】
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【図1】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−516079(P2012−516079A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546562(P2011−546562)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【国際出願番号】PCT/CN2009/000100
【国際公開番号】WO2010/083626
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】