リクライニングチェア
【課題】使用者が満足できる仰臥位を得るために複雑で機械的な機構やリンク装置、駆動装置等を使うことなく、着座面を構成する着座ユニットを、個々の使用者が嗜好や体調に合わせて、自らの意志により適宜入れ替える事により、簡単かつ廉価な方法で理想的な仰臥位を得る。
【解決手段】13個(1U〜13U)に等しく分割した着座面の上に、高さ(厚み)が異なる3種類(CS,CM,CL)、13個の着座ユニットを装着した。この各々の着座ユニットを自在に組み替える(入れ替える)事によって、また必要に応じて高さ微調整スペーサーや角度調整アジャスタを用いる事により、既製の着座面の形状ではなく、自らに最も適した仰臥姿勢を自らの意志で得ることを可能にした。
【解決手段】13個(1U〜13U)に等しく分割した着座面の上に、高さ(厚み)が異なる3種類(CS,CM,CL)、13個の着座ユニットを装着した。この各々の着座ユニットを自在に組み替える(入れ替える)事によって、また必要に応じて高さ微調整スペーサーや角度調整アジャスタを用いる事により、既製の着座面の形状ではなく、自らに最も適した仰臥姿勢を自らの意志で得ることを可能にした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自らに最も適した仰臥位を自らの意志により調整して、快適な仰臥姿勢を得るリクライニングチェアに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にリクライニングチェアには、座面と背もたれやフットレストとの成す角度が変えることが出来たり、背もたれや座面の凹凸を既定の位置または一定の調整範囲内に施して快適な仰臥姿勢が得ようとするものは存在する。しかしこれらは実際に製作しようとすれば複雑なリンク機構や駆動装置を要し、製造コストが嵩む上、使用者にとってもリモコンの操作等、煩雑なものとなる。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
また本発明のように着座面が着脱可能な着座ユニットによる構成ではなく、デザイン重視の観点から着座面がフレームに予め固定されているもの、またその着座面の厚みが一律であるものは見受けられる(例えば非特許文献1参照)
【0004】
人が快適と感じるリクライニングチェアのセッティングは十人十色で、既成の形状と多少の凹凸やその位置調整でもって、万人の要求に応えることは困難である。まして脊椎や骨盤等に障害を持つ病人や身体障がい者にとって、既製のリクライニングチェアは大変使い勝手の悪いものとされてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】 特開平11−318618
【非特許文献】
【非特許文献1】 意匠登録第1313631号(D1313631)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のリクライニングチェアでは既製の寸法により着座面の一部に凹凸を施す事はあっても頭部から足先まで着座面全体に亘ってその凹凸を変えることが出来、かつ個々の使用者が自らの好みに応じて簡単に着座面の厚みや角度を変えることが出来るものは存在しなかった。
【0006】
また従来のリクライニングチェアでは身長に応じたデザインがなされていないため平均的な成人の身長以上または以下の者にとって満足な仰臥姿勢を得ることが難しかった。
【0007】
加えて座面の形状についても工夫がないため仰臥した体が時間の経過や姿勢の動きにつれ徐々にずり下がる傾向があった。
【0008】
本発明はこの様な従来のリクライニングチェアの弱点を複雑なリンク機構やリクライニング機構等、機械的な装置を使うことなく全く簡単かつ廉価な方法により解決しようとするものである。健常者は無論のこと、脊椎の形状に異常を来した身体障がい者が、よりリラックスでき安定感のある仰臥位を求めて自らの嗜好や体のコンディションに応じて高さの異なる着座ユニットを適宜入れ替え、理想の仰臥位を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために着座面を13に等しく分割した着座ユニットで構成し、その各々を自在に組み替える(入れ替える)事を可能とした。
【0010】
またこの着座ユニットの高さ(厚み)を3種類用意し、使用者自らの好みや必要に応じて自在に組み替える(入れ替える)ことを可能とした。なお3種類のユニット各々の個数配分を個人の嗜好に応じて変更することは差し支えない。
【0011】
第2の解決手段としてさらに微調整が必要な向きには、高さ微調整スペーサーや角度調整アジャスタを背もたれ、座面、フットレストの当該フレームと調整を必要とする着座ユニットとの間に差し挟むことにより、よりきめ細かな仰臥位を得ることを可能とした。
【0012】
また第3の解決手段として特に腰椎や骨盤に障害を持つ病人や身体障がい者にとって時間の経過に伴う、つま先方向への身体のずれを防止するために座面手前から1番目(7U)と2番目(8U)の位置に標準より薄い着座ユニットCSと標準より厚い着座ユニットCLとを順に組み合わせることによってこれを防止することを可能とした。
【0013】
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち使用者が着座面を構成する3種類の高さを持つ13個のユニットを自らの好みに応じて組み替える(入れ替える)ことにより自らの仰臥姿勢における背中や臀部、下肢の違和感を解消することが出来る。
【0014】
上記第2の課題解決手段による作用は、用意した3種類の着座ユニットCL,CM.CSを組み替えても尚かつ仰臥した使用者が特定の着座ユニットに違和感を覚える場合には、高さ微調整スペーサーや角度調整アジャスタをフレームと当該着座ユニットの間に差し挟むことにより、当該着座ユニットの微妙な高さや角度が調整でき、よりきめ細かな仰臥位を得る効果を発揮する。
【0015】
第3の解決手段による作用は7U,8Uの間に生じる座面の高低差が骨盤を支え、時間経過や姿勢の変化による身体の、つま先方向へのズレを防止し安定した仰臥位を保ち続けるという効果を発揮する。
【発明の効果】
【0016】
上述したように本発明のリクライニングチェアは3種類の異なる厚みを持つ1Uから13Uの各ユニットの組み合わせ、並びに必要に応じて高さ微調整スペーサーと角度調整アジャスタを補うことにより既製の着座面の曲線にとらわれず、使用者が簡単に、自分にとって満足な仰臥位が得られる為、その結果として長時間の使用にも耐える体に優しいリクライニングチェアを提供する事ができる。
【0017】
13個の着座ユニットは個々に簡単に取り外しが可能なため、損耗替えや補修に際し当該着座ユニットのみをその対象とすればよい利点がある。
【0018】
また、例えば病人や身体障がい者等の使用に際し、万一用意した3種類の着座ユニットに高さ微調整スペーサーや角度調整アジャスタを装着しても補正し得ないような想定外の要望があったとしても、当該部位の着座ユニットのみを別途、注文製作することにより本リクライニングチェアを無駄にすることなく廉価な追加費用で使用し続けることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】 本発明の実施形態を示すリクライニングチェアの斜視図
【図2】 リクライニングチェアの側面図
【図3】 同リクライニングチェアの図1におけるA−A線断面図
【図4】 着座ユニットCSの側面図
【図5】 同着座ユニットCSの正面図
【図6】 着座ユニットCMの側面図
【図7】 同着座ユニットCMの正面図
【図8】 着座ユニットCLの側面図
【図9】 同着座ユニットCLの正面図
【図10】 微調整スペーサーの斜視図
【図11】 調整アジャスタの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下本発明の実施の形態を図1〜図11に基づいて説明する。
【0021】
図1において1U〜13Uは着座ユニットの装着位置を示す。各着座ユニットは図3、A−A線断面図に示す如くCS6個、CM4個、CL3個により着座面を構成する。
【0022】
図2及び図3に描いた着座ユニットの断面は、その特徴を顕示するため各々、高さ(厚み)を実際より少々誇張して描いている。
【0023】
図3に示す如く、着座ユニットを支える基盤部分は背もたれフレーム1、座面フレーム2、フットレストフレーム3により構成され、1と2、2と3はそれぞれ蝶番で接続されている。
【0024】
各着座ユニットはいずれかのフレームに跨る形で装着する。
【0025】
図2及び図3に示す如く、背もたれ部分は、背もたれ角度調整ロッド11により3段階の角度調整が可能である。同じくフットレスト部分は、角度調整ロッド31により3段階の角度調整が可能である。
【0026】
図4,5はHSなる高さ(厚み)をもつ、ウレタンフォームや化学繊維の積層物等を内包し皮革、布地等で被覆した標準より薄い着座ユニットを表す。
【0027】
図6,7はHMなる高さ(厚み)をもつ、ウレタンフォームや化学繊維の積層物等を内包し皮革、布地等で被覆した標準的な厚みの着座ユニットを表す。
【0028】
図8,9はHLなる高さ(厚み)をもつウレタンフォームや化学繊維の積層物等を内包し皮革、布地等で被覆した標準より厚みのある着座ユニットを表す。
【0029】
図10は3種類の着座ユニットの厚み差を、更に細かく調整するための板状のスペーサーで5ミリ厚、10ミリ厚、15ミリ厚を用意する。
【0030】
図11は角度調整アジャスタで、必要により着座ユニットの下に差し挟むことにより当該ユニットを前方あるいは後方に約12°まで傾斜させることが出来る。
【実施例】
【0031】
以下、上記構成の実施例について図1から図11に従って説明する。
【0032】
本リクライニングチェアの着座面の構成は、図4、図5に示すCS6枚と図6、図7に示すCM4枚、及び図8,図9に示すCL3枚の組み合わせによる。3種類の着座ユニットの相違点は内包する詰め物の厚みによる高さ(厚み)のみにあるので何れの基盤フレーム上でも互換性を持ち合わせる。
【0033】
最も推奨する着座ユニットの組み合わせは図2及び図3に示すごとく3U、4U、7U、9U、10U、11Uに標準より薄いCSを、1U、5U、12U、13Uに標準の厚みのCMを、2U、6U、8Uに標準より厚いCLを各々配置する。
【0034】
むろんこの配置は使用者の身長や体型、個人の嗜好を考慮すると様々な組み合わせが考えられる。例えば2Uが高すぎると感じる向きには2Uに装着したCLと13Uに装着したCMを入れ替えれば2U位置に於いては1段階低い仰臥位が得られる。
【0035】
また推奨する組み合わせの中で特に7Uと8Uを順にCS,CLの着座ユニットで組み合わせることによって臀部のづり下がり防止効果が顕著で、就寝時並びに身体障がい者や病人等の姿勢の安定に寄与するものである。
【0036】
複数の被験者の報告によると背もたれやフットレストの成す角度によってもまた装着感が異なってくるので、人の体を支える圧力とは微妙なものである。
【0037】
そこでこの様な微妙なフィット感の調整には図10に示す高さ微調整スペーサや図11に示す角度調整アジャスタを基盤フレームと当該着座ユニットの間に差し挟むことが有効である。
【0038】
例えば頭部を支える1U位置や腰椎を支える6U位置に於いては個人の嗜好により当該着座ユニットに角度をつける調整が要求される場合がある。この様な場合図11に示す角度アジャスタを当該着座ユニットの下に挿入する。この角度調整アジャスタの角度は約12°を限度に予め数種類用意することによって最良の仰臥位を得ることが出来る。
【0039】
また本発明は基本的に身長160CM以上170CM未満の使用者にとって最良となるべくデザインしている。基盤ユニットの各サイズは、背もたれフレーム長L1:768mm、座面フレーム長L2:510mm、フットレストフレーム長L3:383mmを基準とする。
【0040】
着座ユニットの幅(D)は128mmを基準とする。同様に着座ユニットの高さ(厚み)はHM:75mmを基準に、HS:55mm(HM−20mm)、HL:95mm(HM+20mm)とする。
【0041】
無論この身長範囲に該当しない使用者にとっても着座ユニットの組み替えにより、程良い着座姿勢を得ることがある程度可能ではあるが、本来的には身長10cmあたり6パーセント、各基盤フレームの寸法(L1,L2,L3)及び着座ユニットの幅(D)を縮小または拡大して本リクライニングチェアを製作する。
【産業上の利用可能性】
【0042】
リクライニングチェアの用途は単にテレビ・音楽鑑賞に留まるものではない。本発明は「発明が解決しようとする課題」でも述べたように健常者は無論のこと、脊椎の形状に異常を来した身体障がい者等が、よりリラックスでき安定感のある仰臥位を求めて自らの嗜好や体のコンディションに応じて高さの異なる着座ユニットを適宜入れ替え、理想の仰臥位を得ることを目的としている。製造コストが嵩む複雑なリンク機構や駆動装置を必要としないことから、入手しやすい材料で安価に製造する事が可能でありリクライニングチェアの普及に寄与できる。
【符号の説明】
【0043】
1 背もたれフレーム
2 座面フレーム
3 フットレストフレーム
11 背もたれ角度調整ロッド
31 フットレスト角度調整ロッド
L1 6個の着座ユニットを装着するのに必要とされる背もたれフレームの内寸
L2 4個の着座ユニットを装着するのに必要とされる座面フレームの寸法。
L3 3個の着座ユニットを装着するのに必要とされるフットレストフレームの内寸
W 着座ユニットの幅
D 同着座ユニットの短辺方向の外寸。
1U〜13U 着座ユニットの配置(各着座ユニット個体の名称ではなくその装着位置を 示す)
CL 標準より厚いHLなる高さの着座ユニット
CM 標準高のHMなる高さの着座ユニット
CS 標準より薄いHSなる高さの着座ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は自らに最も適した仰臥位を自らの意志により調整して、快適な仰臥姿勢を得るリクライニングチェアに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にリクライニングチェアには、座面と背もたれやフットレストとの成す角度が変えることが出来たり、背もたれや座面の凹凸を既定の位置または一定の調整範囲内に施して快適な仰臥姿勢が得ようとするものは存在する。しかしこれらは実際に製作しようとすれば複雑なリンク機構や駆動装置を要し、製造コストが嵩む上、使用者にとってもリモコンの操作等、煩雑なものとなる。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
また本発明のように着座面が着脱可能な着座ユニットによる構成ではなく、デザイン重視の観点から着座面がフレームに予め固定されているもの、またその着座面の厚みが一律であるものは見受けられる(例えば非特許文献1参照)
【0004】
人が快適と感じるリクライニングチェアのセッティングは十人十色で、既成の形状と多少の凹凸やその位置調整でもって、万人の要求に応えることは困難である。まして脊椎や骨盤等に障害を持つ病人や身体障がい者にとって、既製のリクライニングチェアは大変使い勝手の悪いものとされてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】 特開平11−318618
【非特許文献】
【非特許文献1】 意匠登録第1313631号(D1313631)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のリクライニングチェアでは既製の寸法により着座面の一部に凹凸を施す事はあっても頭部から足先まで着座面全体に亘ってその凹凸を変えることが出来、かつ個々の使用者が自らの好みに応じて簡単に着座面の厚みや角度を変えることが出来るものは存在しなかった。
【0006】
また従来のリクライニングチェアでは身長に応じたデザインがなされていないため平均的な成人の身長以上または以下の者にとって満足な仰臥姿勢を得ることが難しかった。
【0007】
加えて座面の形状についても工夫がないため仰臥した体が時間の経過や姿勢の動きにつれ徐々にずり下がる傾向があった。
【0008】
本発明はこの様な従来のリクライニングチェアの弱点を複雑なリンク機構やリクライニング機構等、機械的な装置を使うことなく全く簡単かつ廉価な方法により解決しようとするものである。健常者は無論のこと、脊椎の形状に異常を来した身体障がい者が、よりリラックスでき安定感のある仰臥位を求めて自らの嗜好や体のコンディションに応じて高さの異なる着座ユニットを適宜入れ替え、理想の仰臥位を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために着座面を13に等しく分割した着座ユニットで構成し、その各々を自在に組み替える(入れ替える)事を可能とした。
【0010】
またこの着座ユニットの高さ(厚み)を3種類用意し、使用者自らの好みや必要に応じて自在に組み替える(入れ替える)ことを可能とした。なお3種類のユニット各々の個数配分を個人の嗜好に応じて変更することは差し支えない。
【0011】
第2の解決手段としてさらに微調整が必要な向きには、高さ微調整スペーサーや角度調整アジャスタを背もたれ、座面、フットレストの当該フレームと調整を必要とする着座ユニットとの間に差し挟むことにより、よりきめ細かな仰臥位を得ることを可能とした。
【0012】
また第3の解決手段として特に腰椎や骨盤に障害を持つ病人や身体障がい者にとって時間の経過に伴う、つま先方向への身体のずれを防止するために座面手前から1番目(7U)と2番目(8U)の位置に標準より薄い着座ユニットCSと標準より厚い着座ユニットCLとを順に組み合わせることによってこれを防止することを可能とした。
【0013】
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち使用者が着座面を構成する3種類の高さを持つ13個のユニットを自らの好みに応じて組み替える(入れ替える)ことにより自らの仰臥姿勢における背中や臀部、下肢の違和感を解消することが出来る。
【0014】
上記第2の課題解決手段による作用は、用意した3種類の着座ユニットCL,CM.CSを組み替えても尚かつ仰臥した使用者が特定の着座ユニットに違和感を覚える場合には、高さ微調整スペーサーや角度調整アジャスタをフレームと当該着座ユニットの間に差し挟むことにより、当該着座ユニットの微妙な高さや角度が調整でき、よりきめ細かな仰臥位を得る効果を発揮する。
【0015】
第3の解決手段による作用は7U,8Uの間に生じる座面の高低差が骨盤を支え、時間経過や姿勢の変化による身体の、つま先方向へのズレを防止し安定した仰臥位を保ち続けるという効果を発揮する。
【発明の効果】
【0016】
上述したように本発明のリクライニングチェアは3種類の異なる厚みを持つ1Uから13Uの各ユニットの組み合わせ、並びに必要に応じて高さ微調整スペーサーと角度調整アジャスタを補うことにより既製の着座面の曲線にとらわれず、使用者が簡単に、自分にとって満足な仰臥位が得られる為、その結果として長時間の使用にも耐える体に優しいリクライニングチェアを提供する事ができる。
【0017】
13個の着座ユニットは個々に簡単に取り外しが可能なため、損耗替えや補修に際し当該着座ユニットのみをその対象とすればよい利点がある。
【0018】
また、例えば病人や身体障がい者等の使用に際し、万一用意した3種類の着座ユニットに高さ微調整スペーサーや角度調整アジャスタを装着しても補正し得ないような想定外の要望があったとしても、当該部位の着座ユニットのみを別途、注文製作することにより本リクライニングチェアを無駄にすることなく廉価な追加費用で使用し続けることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】 本発明の実施形態を示すリクライニングチェアの斜視図
【図2】 リクライニングチェアの側面図
【図3】 同リクライニングチェアの図1におけるA−A線断面図
【図4】 着座ユニットCSの側面図
【図5】 同着座ユニットCSの正面図
【図6】 着座ユニットCMの側面図
【図7】 同着座ユニットCMの正面図
【図8】 着座ユニットCLの側面図
【図9】 同着座ユニットCLの正面図
【図10】 微調整スペーサーの斜視図
【図11】 調整アジャスタの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下本発明の実施の形態を図1〜図11に基づいて説明する。
【0021】
図1において1U〜13Uは着座ユニットの装着位置を示す。各着座ユニットは図3、A−A線断面図に示す如くCS6個、CM4個、CL3個により着座面を構成する。
【0022】
図2及び図3に描いた着座ユニットの断面は、その特徴を顕示するため各々、高さ(厚み)を実際より少々誇張して描いている。
【0023】
図3に示す如く、着座ユニットを支える基盤部分は背もたれフレーム1、座面フレーム2、フットレストフレーム3により構成され、1と2、2と3はそれぞれ蝶番で接続されている。
【0024】
各着座ユニットはいずれかのフレームに跨る形で装着する。
【0025】
図2及び図3に示す如く、背もたれ部分は、背もたれ角度調整ロッド11により3段階の角度調整が可能である。同じくフットレスト部分は、角度調整ロッド31により3段階の角度調整が可能である。
【0026】
図4,5はHSなる高さ(厚み)をもつ、ウレタンフォームや化学繊維の積層物等を内包し皮革、布地等で被覆した標準より薄い着座ユニットを表す。
【0027】
図6,7はHMなる高さ(厚み)をもつ、ウレタンフォームや化学繊維の積層物等を内包し皮革、布地等で被覆した標準的な厚みの着座ユニットを表す。
【0028】
図8,9はHLなる高さ(厚み)をもつウレタンフォームや化学繊維の積層物等を内包し皮革、布地等で被覆した標準より厚みのある着座ユニットを表す。
【0029】
図10は3種類の着座ユニットの厚み差を、更に細かく調整するための板状のスペーサーで5ミリ厚、10ミリ厚、15ミリ厚を用意する。
【0030】
図11は角度調整アジャスタで、必要により着座ユニットの下に差し挟むことにより当該ユニットを前方あるいは後方に約12°まで傾斜させることが出来る。
【実施例】
【0031】
以下、上記構成の実施例について図1から図11に従って説明する。
【0032】
本リクライニングチェアの着座面の構成は、図4、図5に示すCS6枚と図6、図7に示すCM4枚、及び図8,図9に示すCL3枚の組み合わせによる。3種類の着座ユニットの相違点は内包する詰め物の厚みによる高さ(厚み)のみにあるので何れの基盤フレーム上でも互換性を持ち合わせる。
【0033】
最も推奨する着座ユニットの組み合わせは図2及び図3に示すごとく3U、4U、7U、9U、10U、11Uに標準より薄いCSを、1U、5U、12U、13Uに標準の厚みのCMを、2U、6U、8Uに標準より厚いCLを各々配置する。
【0034】
むろんこの配置は使用者の身長や体型、個人の嗜好を考慮すると様々な組み合わせが考えられる。例えば2Uが高すぎると感じる向きには2Uに装着したCLと13Uに装着したCMを入れ替えれば2U位置に於いては1段階低い仰臥位が得られる。
【0035】
また推奨する組み合わせの中で特に7Uと8Uを順にCS,CLの着座ユニットで組み合わせることによって臀部のづり下がり防止効果が顕著で、就寝時並びに身体障がい者や病人等の姿勢の安定に寄与するものである。
【0036】
複数の被験者の報告によると背もたれやフットレストの成す角度によってもまた装着感が異なってくるので、人の体を支える圧力とは微妙なものである。
【0037】
そこでこの様な微妙なフィット感の調整には図10に示す高さ微調整スペーサや図11に示す角度調整アジャスタを基盤フレームと当該着座ユニットの間に差し挟むことが有効である。
【0038】
例えば頭部を支える1U位置や腰椎を支える6U位置に於いては個人の嗜好により当該着座ユニットに角度をつける調整が要求される場合がある。この様な場合図11に示す角度アジャスタを当該着座ユニットの下に挿入する。この角度調整アジャスタの角度は約12°を限度に予め数種類用意することによって最良の仰臥位を得ることが出来る。
【0039】
また本発明は基本的に身長160CM以上170CM未満の使用者にとって最良となるべくデザインしている。基盤ユニットの各サイズは、背もたれフレーム長L1:768mm、座面フレーム長L2:510mm、フットレストフレーム長L3:383mmを基準とする。
【0040】
着座ユニットの幅(D)は128mmを基準とする。同様に着座ユニットの高さ(厚み)はHM:75mmを基準に、HS:55mm(HM−20mm)、HL:95mm(HM+20mm)とする。
【0041】
無論この身長範囲に該当しない使用者にとっても着座ユニットの組み替えにより、程良い着座姿勢を得ることがある程度可能ではあるが、本来的には身長10cmあたり6パーセント、各基盤フレームの寸法(L1,L2,L3)及び着座ユニットの幅(D)を縮小または拡大して本リクライニングチェアを製作する。
【産業上の利用可能性】
【0042】
リクライニングチェアの用途は単にテレビ・音楽鑑賞に留まるものではない。本発明は「発明が解決しようとする課題」でも述べたように健常者は無論のこと、脊椎の形状に異常を来した身体障がい者等が、よりリラックスでき安定感のある仰臥位を求めて自らの嗜好や体のコンディションに応じて高さの異なる着座ユニットを適宜入れ替え、理想の仰臥位を得ることを目的としている。製造コストが嵩む複雑なリンク機構や駆動装置を必要としないことから、入手しやすい材料で安価に製造する事が可能でありリクライニングチェアの普及に寄与できる。
【符号の説明】
【0043】
1 背もたれフレーム
2 座面フレーム
3 フットレストフレーム
11 背もたれ角度調整ロッド
31 フットレスト角度調整ロッド
L1 6個の着座ユニットを装着するのに必要とされる背もたれフレームの内寸
L2 4個の着座ユニットを装着するのに必要とされる座面フレームの寸法。
L3 3個の着座ユニットを装着するのに必要とされるフットレストフレームの内寸
W 着座ユニットの幅
D 同着座ユニットの短辺方向の外寸。
1U〜13U 着座ユニットの配置(各着座ユニット個体の名称ではなくその装着位置を 示す)
CL 標準より厚いHLなる高さの着座ユニット
CM 標準高のHMなる高さの着座ユニット
CS 標準より薄いHSなる高さの着座ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リクライニングチェアを構成する着座面を13個の着座ユニットに等分し、各ユニットを背もたれ部分に6個、座面に4個、フットレスト部分に3個(6:4:3の比率)をそれぞれ配置した快適で体に優しいクライニングチェア。
【請求項2】
着座面を構成する13個の着座ユニットは標準より20mm厚みのある着座ユニット(CL)、標準的な厚みの着座ユニット(CM)、標準より20mm薄い着座ユニット(CS)を用意し、各ユニットを着座する者の体型や体調に合わせて使用者の意志により基盤フレーム上で任意に位置交換出来る仕組みを備えた請求項1記載のリクライニングチェア。
【請求項3】
必要により着座ユニット間の高低差を補完する為の高さ微調整スペーサーを差し挟むことが出来る、請求項1または2記載のリクライニングチェア。
【請求項4】
必要により各着座ユニットの装着角度を微調整する為の角度調整アジャスタを差し挟むことが出来る請求項1、2または3記載のリクライニングチェア。
【請求項5】
高さ微調整スペーサーや角度調整アジャスタを以てしても補正できない様な想定外の着座面の要望に対しても、当該着座ユニットのみを別途、注文製作することにより当該リクライニングチェアを無駄にすることなく廉価かつ迅速に対応が可能な請求項1〜4の何れかの項に記載のリクライニングチェア。
【請求項6】
座板面に装着する着座ユニット7U、8Uに各々標準より薄い着座ユニットCSと標準より厚い着座ユニットCLを順に組み合わせる事により時間経過に伴う体のづり下がりを防止する機能を備えた請求項1〜5の何れかの項に記載のリクライニングチェア。
【請求項7】
13個の着座ユニットの部分損耗替え、補修が容易な請求項1〜6の何れかの項に記載のリクライニングチェア。
【請求項1】
リクライニングチェアを構成する着座面を13個の着座ユニットに等分し、各ユニットを背もたれ部分に6個、座面に4個、フットレスト部分に3個(6:4:3の比率)をそれぞれ配置した快適で体に優しいクライニングチェア。
【請求項2】
着座面を構成する13個の着座ユニットは標準より20mm厚みのある着座ユニット(CL)、標準的な厚みの着座ユニット(CM)、標準より20mm薄い着座ユニット(CS)を用意し、各ユニットを着座する者の体型や体調に合わせて使用者の意志により基盤フレーム上で任意に位置交換出来る仕組みを備えた請求項1記載のリクライニングチェア。
【請求項3】
必要により着座ユニット間の高低差を補完する為の高さ微調整スペーサーを差し挟むことが出来る、請求項1または2記載のリクライニングチェア。
【請求項4】
必要により各着座ユニットの装着角度を微調整する為の角度調整アジャスタを差し挟むことが出来る請求項1、2または3記載のリクライニングチェア。
【請求項5】
高さ微調整スペーサーや角度調整アジャスタを以てしても補正できない様な想定外の着座面の要望に対しても、当該着座ユニットのみを別途、注文製作することにより当該リクライニングチェアを無駄にすることなく廉価かつ迅速に対応が可能な請求項1〜4の何れかの項に記載のリクライニングチェア。
【請求項6】
座板面に装着する着座ユニット7U、8Uに各々標準より薄い着座ユニットCSと標準より厚い着座ユニットCLを順に組み合わせる事により時間経過に伴う体のづり下がりを防止する機能を備えた請求項1〜5の何れかの項に記載のリクライニングチェア。
【請求項7】
13個の着座ユニットの部分損耗替え、補修が容易な請求項1〜6の何れかの項に記載のリクライニングチェア。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
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【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−184096(P2010−184096A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51331(P2009−51331)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(509063281)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(509063281)
【Fターム(参考)】
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