説明

リグノセルロース材料を疎水化する方法

本発明は、リグノセルロース材料を疎水化剤で含浸することによってリグノセルロース材料を疎水化する方法に関し、この場合このリグノセルロース材料は、疎水化前または疎水化中に、α)式CH2OR〔式中、Rは水素またはC1〜C4アルキルを表わす〕で示される少なくとも2個のN結合基および/または2個の窒素原子を架橋する1,2−ビスヒドロキシエタン−1,2−ジイル基を有する低分子量化合物V、β)化合物Vの前縮合物およびγ)化合物Vと、C1〜C6アルカノール、C2〜C6ポリオールおよびオリゴ−C2〜C4−アルキレングリコールから選択される少なくとも1つのアルコールとの反応生成物または混合物〜から選択される少なくとも1つの架橋可能な化合物を含有する硬化可能な水性組成物で含浸される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リグノセルロース材料を疎水化剤で含浸することによってリグノセルロース材料を疎水化する方法ならびにそれによって得られたリグノセルロース材料に関する。
【0002】
リグノセルロース材料、殊に木材、また別のリグノセルロース材料、例えば竹、天然繊維等は、数多くの用途のための建築材料および構成材料として重要である。前記材料の天然の持続性が周囲雰囲気中の湿分の作用、実際湿分含量の変化によって不利に影響を及ぼされることは、不利である。このための根拠は、水との接触の際にかまたは湿った雰囲気中で水を貯蔵しかつ乾燥した雰囲気中で再び放出するというリグノセルロース材料の性質にある。それに伴って現れる、材料の膨張または収縮およびそれに関連した不足する寸法安定性は、数多くの使用にとって望ましいものでないだけでなく、極端な場合には、亀裂の形成によって材料の破壊をもまねきうる。その上、この材料は、湿潤状態で木材を分解するかまたは木材を変色する微生物によって襲われ、このことは、多くの場合に前記材料に殺真菌剤または殺生剤を備えさせることを必要とする。費用の点を除外して、この種の装備は、環境の視点からも欠点である。
【0003】
木材および別のリグノセルロース材料の疎水化は、前記材料の吸水量を減少させるための久しく公知の技術である。それによって、一面で前記材料の寸法安定性が改善され、他面、真菌類または細菌類での感染の危険が減少される。
【0004】
固有の臭気、濃い色および潜在的な発癌性のために僅かな使用目的のためにのみ適しているタール油をベースとする古典的な木材保護剤と共に、現在、強化された植物油、例えば亜麻種油、菜種油、落花生油、大豆油およびタル油は、殺生剤の作用および/または殺真菌剤の作用を有する木材保護剤と組み合わせて使用される(例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3008263号明細書ならびにA. Ttreu, H. MilitzおよびS. Breyne, "Royal-Verfahren-Wissenschaftlicher Hintergrund und praktische Anwendung" COST E22 Konferenz in Reinbek, 2001およびそこに引用された刊行物参照)。耐候試験の場合、即ち例えば雨による湿分の作用の場合および/または例えば強い太陽光線で起こりうる高められた温度の場合に、油の一部分は、殺真菌剤/殺生剤の作用物質と一緒に木材から漏出しうることは、欠点である。それによって、表面は、粘着性になり、油は、"鼻のような形の液滴(Nasen)"を形成し、したがって疎水性作用は、時間と共に局部的な位置で減少する。
【0005】
木材を疎水化するためにワックスを使用することが度々報告されたが、しかし、この場合このワックスは、典型的には炭化水素溶剤と一緒に使用される(例えば、米国特許第3832463号明細書および米国特許第4612255号明細書参照)。しかし、有機炭化水素溶剤の使用は、作業の安全性および処理の安全性に関連して不利である。
【0006】
カナダ国特許第2179001号明細書には、再び、水溶性の木材保護剤、例えばクロム化されたヒ酸銅と共に、低融点を有するワックスの水性エマルジョン、例えばガッチュ(Gatsch)および陽イオン界面活性剤を含有する、疎水作用を有する木材保護剤が記載されている。
【0007】
WO 00/41861の記載から、再び木材基材を疎水化する方法が公知であり、この場合この基材は、ワックスの水性分散液と減少された圧力およびワックスの融点を上廻る温度で接触される。
【0008】
また、ワックスを使用しながらの疎水化は、必ずしも満足なものではなく、しばしば耐候安定性は不十分である。その上、大型の木材部材、即ち少なくとも1cmの最小寸法を有する木材部材の場合には、しばしば木材中でのワックスの均一な分布を達成しない。リグノセルロース材料中、殊に大型の木材体中での均一な分布を達成させるために、含浸は、ワックス分散液で高い圧力を使用しながら行なわなければならない。この場合に発生する剪断力のためにワックス分散液は、凝集する傾向を有し、このことは、材料の細孔の閉塞をまねく可能性があり、こうしてワックスがさらにリグノセルロース材料中へ侵入することが回避される。従って、多数の方法により、ワックスの融点を上廻る温度でワックス分散液での含浸が実施されるが、それによって材料の損傷をまねく可能性がある。
【0009】
従って、本発明は、本明細書中に記載された公知技術水準の欠点を克服する、リグノセルロース材料、殊に木材、特に大型の木材体を疎水化する方法を提供するという課題に基づくものである。殊に、本方法は、殊に50℃を下廻る低い温度でも含浸を可能にし、木材の損傷を回避させるはずである。
【0010】
意外なことに、リグノセルロース材料の疎水化前または疎水化中に、
α)式CH2OR〔式中、Rは水素またはC1〜C4アルキルを表わす〕で示される少なくとも2個のN結合基および/または2個の窒素原子を架橋する1,2−ビスヒドロキシエタン−1,2−ジイル基を有する低分子量化合物V、
β)化合物Vの前縮合物および
γ)化合物Vと、C1〜C6−アルカノール、C2〜C6−ポリオールおよびオリゴ−C2〜C4−アルキレングリコールから選択される少なくとも1つのアルコールとの反応生成物または混合物から選択される少なくとも1つの架橋可能な化合物を含有する硬化可能な水性組成物で含浸を行なうことによって、本明細書中に記載された課題は解決されることができかつ公知技術水準の問題は解決されることができることが見い出された。
【0011】
従って、本発明は、リグノセルロース材料を疎水化剤で含浸することによってリグノセルロース材料を疎水化する方法に関し、この場合このリグノセルロース材料は、疎水化前または疎水化中に、
α)式CH2OR〔式中、Rは水素またはC1〜C4アルキルを表わす〕で示される少なくとも2個のN結合基および/または2個の窒素原子を架橋する1,2−ビスヒドロキシエタン−1,2−ジイル基を有する低分子量化合物V、
β)化合物Vの前縮合物および
γ)化合物Vと、C1〜C6−アルカノール、C2〜C6−ポリオールおよびオリゴ−C2〜C4−アルキレングリコールから選択される少なくとも1つのアルコールとの反応生成物または混合物から選択される少なくとも1つの架橋可能な化合物を含有する硬化可能な水性組成物で含浸される。
【0012】
本発明による方法によって含浸されたリグノセルロース材料は、僅かな吸水量を示し、その上、常用の疎水化された材料と比較して耐候試験で、殊に高められた温度で疎水化剤の発汗を全く示さないかまたは極めて僅かな程度に前記発汗を示す。その上、本発明により処理されたリグノセルロース材料中での疎水化剤の分布は、殊に大型の木材成形体の場合に、常用のワックス乳濁液を使用した場合よりも均一である。従って、本発明により得ることができるリグノセルロース材料、殊に木材からの材料は、同様に本発明の対象である。
【0013】
本発明による方法の第1の工程において、リグノセルロース材料、殊に木材、リグノセルロース材料をベースとする材料、例えば化粧張り材料または微粒状のリグノセルロース材料、例えば切れ端、繊維またはストランドから形成された材料、またはこの種の材料を製造するためのリグノセルロース材料、例えば化粧張り材料または微粒状のリグノセルロース材料は、硬化可能な化合物の水性組成物で含浸される。
【0014】
微粒状のリグノセルロース材料には、繊維、切れ端、ストランド、チップス、切り屑および類似物が含まれる。化粧張り材料は、5mm以下、殊に1mm以下の厚さを有する平面状の薄手の木材材料である。殊に、工程Aで1mmを上廻り、殊に5mm以上、特に10mm以上の最小寸法を有する大型の部材および特に完全な木材または中実の木材が含浸される。
【0015】
リグノセルロース材料としては、原則的に全ての木材種、殊に水に対して乾燥質量の少なくとも30%、殊に少なくとも50%を占めることができる木材種、殊にDIN 350−2に記載の含浸可能性種(または浸漬可能性種)1または2に分類される木材種が適している。
【0016】
この中には、例えば針葉樹の木材、例えば松材、トウヒ材、針葉樹材、落葉松材、カサマツ材、モミ材、海岸のモミ材(Kuestentanne)、ヒマラヤスギ材、ツィルベル松材(Zirbel)ならびに広葉樹の木材、例えばカエデ材、硬材カエデ材、アカシア材、エイヨンズ(Ayons)材、シラカバ材、セイヨウナシ材、ブナ材、オーク材、ハンノキ、ヨーロッパヤマナラシ、トネリコ材、アイスベーレ(Eisbeere)材、ハシバミ、シデ、桜桃材、栗材、シナ材、クルミ材(amerikanischer Nussbaum)、ポプラ材、オリーブ材、ハリエンジュ属の木材、ニレ材、クルミ材、ゴム材、縞のある堅い樹木(Zebrano)、ヤナギ、ツェアライヒェ(Zerreiche)および類似物が含まれる。本発明による利点は、殊に次の木材の場合に効果を発揮する:ブナ材、トウヒ材、松材、ポプラ材、トネリコ材およびカエデ材。
【0017】
本発明による方法は、木材とは異なる別のリグノセルロース材料、例えば天然繊維材料、例えば竹、バガス、綿花(Baumwollstaebgel)、ジュート、サイザル麻、麦わら、亜麻、ヤシ繊維、バナナ繊維、アシ、例えば中国アシ(Chinaschilf)、ラミー、麻、マニラ麻、エスパルト(アルファ草)、もみ殻(Reisschale)およびコルクを含浸するためにも適している。
【0018】
架橋可能な化合物、即ち化合物V、その前縮合物および反応生成物は、使用される水性組成物中で一般に完全に溶解されて存在する、低分子量の化合物または僅かな分子量を有するオリゴマーである。架橋可能な化合物の分子量は、通常、400ダルトン以下である。前記化合物は、該化合物の性質に基づいて木材の細胞壁内に侵入することができ、硬化の際に細胞壁の機械的安定性を改善し、かつ水によって生じた膨潤を減少させることが想定される。
【0019】
架橋可能な化合物の例は、これに限定されることなく、次のものであることができる:
1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン(DMDHEU)、
1〜C6−アルカノール、C2〜C6−ポリオールおよび/またはオリゴ−C2〜C4−アルキレングリコールで変性されている1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン(変性されたDMDHEUまたはmDMDHEU)、
1,3−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、
1,3−ビス(メトキシメチル)尿素、
1−ヒドロキシメチル−3−メチル尿素、
1,3−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾリジン−2−オン(ジメチロールエチレン尿素)、
1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−ヘキサヒドロピリミジン−2−オン(ジメチロールプロピレン尿素)、
1,3−ビス(メトキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン(DMeDHEU)、
テトラ(ヒドロキシメチル)アセチレンジ尿素、
低分子量メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(MF樹脂)、例えば2、3、4、5または6個のヒドロキシメチル基を有するポリ(ヒドロキシメチル)メラミンおよび
低分子量メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(MF樹脂)、例えばC1〜C6−アルカノール、C2〜C6−ポリオールおよび/またはオリゴ−C2〜C4−アルキレングリコールで変性されているポリ(ヒドロキシメチル)メラミン(変性されたMF樹脂)。
【0020】
化合物Vの水性組成物、該化合物の前縮合物および反応生成物は、例えばWO 2004/033171、WO 2004/033170、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第5版CD−ROM、Wiley-VCH, Weinheim 1997中のFischer他,"Textile Auxiliaries - Finishing Agents"第7.2.2章および該刊行物中に引用された刊行物、米国特許第2731364号明細書、米国特許第2930715号明細書、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第5版CD−ROM、Wiley-VCH, Weinheim 1997中のH. Diem他, "Amino-Resins"第7.2.1章および第7.2.2章および該刊行物中に引用された刊行物、Houben-Weyl E20/3, 第1811-1890頁の記載から自体公知であり、通常、架橋剤として織物仕上に使用される。N−メチロール化された尿素化合物Vとアルコール、例えば変性された1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジノン−2(mDMDHEU)との反応生成物は、例えば米国特許第4396391号明細書およびWO 98/29393の記載から公知である。ところで、化合物Vならびに該化合物の反応生成物および前縮合物は、市場で入手可能である。
【0021】
本発明の好ましい実施態様において、架橋可能な化合物は、尿素単位の全ての窒素原子に対して先に定義されたような基CH2ORを有する尿素化合物、および前記尿素化合物とC1〜C6−アルカノール、C2〜C6−ポリオールおよび/またはオリゴアルキレングリコールとの反応生成物から選択されている。殊に、架橋可能な化合物は、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オンならびにC1〜C6−アルカノール、C2〜C6−ポリオールおよび/またはポリアルキレングリコールで変性された1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オンから選択されている。ポリアルキレングリコールの例は、殊に下記に述べられたオリゴ−C2〜C4−アルキレングリコールおよびポリ−C2〜C4−アルキレングリコールである。
【0022】
mDMDHEUは、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オンとC1〜C6−アルカノール、C2〜C6−ポリオールおよびオリゴエチレングリコールまたは前記アルコールの混合物との反応生成物である。適当なC1〜C6−アルカノールは、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールおよびn−ペンタノールであり、好ましいのは、メタノールである。適当なポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコールおよび1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールおよび1,4−ブチレングリコール、およびグリセリンである。適当なポリアルキレングリコールの例は、殊に下記に述べられたオリゴ−C2〜C4−アルキレングリコールおよびポリ−C2〜C4−アルキレングリコールである。mDMDHEUの製造のために、DMDHEUは、アルカノール、ポリオールまたはポリアルキレングリコールと混合される。この場合、1価アルコール、ポリオール、またはオリゴアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコールは、通常DMDHEUに対してそれぞれ0.1〜2.0モル等量、殊に0.2〜2モル等量の割合で使用される。DMDHEU、ポリオールまたはポリアルキレングリコールからの混合物は、通常、水中で特に20〜70℃の温度および特に1〜2.5のpH値で反応され、この場合このpH値は、反応後に一般に4〜8の範囲に調節される。
【0023】
更に、本発明の好ましい実施態様において、架橋可能な化合物は、少なくとも2回、例えば2回、3回、4回、5回または6回、特に3回メチロール化されたメラミン(ポリ(ヒドロキシメチル)メラミン)、およびC1〜C6アルカノール、C2〜C6ポリオールおよび/またはポリアルキレングリコールで変性されたポリ(ヒドロキシメチル)メラミンから選択されている。ポリアルキレングリコールの例は、殊に下記に述べられたオリゴ−C2〜C4−アルキレングリコールおよびポリ−C2〜C4−アルキレングリコールである。
【0024】
本発明により使用することができる水性組成物は、前記アルコール、例えばC1〜C6アルカノール、C2〜C6ポリオール、オリゴアルキレングリコールおよびポリアルキレングリコールまたは前記アルコールの混合物の1つ以上を含有していてもよい。適当なC1〜C6−アルカノールは、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールおよびn−ペンタノールであり、好ましいのは、メタノールである。適当なポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコールおよび1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールおよび1,4−ブチレングリコール、およびグリセリンである。適当なオリゴアルキレングリコールおよびポリアルキレングリコールは、殊にオリゴ−C2〜C4−アルキレングリコールおよびポリ−C2〜C4−アルキレングリコール、特に場合によっては低分子量開始剤、例えば少なくとも2個のOH基を有する脂肪族ポリオールまたは環状脂肪族ポリオール、例えば1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオールおよび1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エリトリットおよびペンタエリトリット、ならびにペンタイト(Pentite)およびヘキサイト(Hexite)、例えばリビトール、アラビトール、キシリトール、ズルシトール、マンニトールおよびソルビトールならびにイノシトール、または少なくとも2個のNH2基を有する脂肪族ポリアミンまたは環状脂肪族ポリアミン、例えばポリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、プロピレンジアミン−1,3、ジプロピレントリアミン、1,4,8−トリアザオクタン、1,5,8,12−テトラアザドデカン、ヘキサメチレンジアミン、ジヘキサメチレントリアミン、1,6−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)ヘキサン、N−メチルジプロピレントリアミンまたはポリエチレンイミン存在下で得ることができる、酸化エチレンおよび/または酸化プロピレンのホモオリゴマーおよびコオリゴマーであり、その中で、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールおよびテトラプロピレングリコール、BASF社の低分子量Pluronic(登録商標)の銘柄(例えば、Pluronic(登録商標)PE 3100, PE 4300, PE 4400, RPE 1720, RPE 1740)が好ましい。
【0025】
水性組成物中の架橋可能な化合物の濃度は、通常、前記組成物の全質量に対して1〜60質量%の範囲内、しばしば10〜60質量%の範囲内、殊に15〜50質量%の範囲内にある。硬化可能な水性組成物が前記アルコールの1つを含有する場合、該アルコールの濃度は、特に1〜50質量%の範囲内、殊に5〜40質量%の範囲内にある。架橋可能な化合物とアルコールとの全体量は、通常、水性組成物の全体量の10〜60質量%、殊に20〜50質量%である。
【0026】
一般に、工程a)で使用される水性組成物は、化合物V、またはその反応生成物または前縮合物の架橋を生じさせる少なくとも1つの触媒Kを含有する。一般に触媒Kとしては、金属ハロゲン化物、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属燐酸塩、金属テトラフルオロ硼酸塩のグループからの金属塩;三弗化硼素;アンモニウムハロゲン化物、硫酸アンモニウム、蓚酸アンモニウムおよび燐酸ジアンモニウムのグループからのアンモニウム塩;ならびに有機カルボン酸、有機スルホン酸、硼酸、硫酸および塩酸が適している。
【0027】
触媒Kとして適している金属塩の例は、殊に塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化亜鉛、塩化リチウム、硼化リチウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸亜鉛およびテトラフルオロ硼酸ナトリウムである。
【0028】
触媒Kとして適しているアンモニウム塩の例は、殊に塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、蓚酸アンモニウムおよび燐酸ジアンモニウムである。
【0029】
触媒Kとしては、殊に水溶性の有機カルボン酸、例えばマレイン酸、蟻酸、クエン酸、酒石酸および蓚酸が適しており、さらにベンゼンスルホン酸、例えばp−トルエンスルホン酸が適しているが、しかし、無機酸、例えば塩酸、硫酸、硼酸およびその混合物も適している。
【0030】
特に、触媒Kは、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムおよびその混合物から選択されており、この場合には、塩化マグネシウムが特に好ましい。
【0031】
触媒Kには、通常、水性分散液が含浸の直前で初めて工程a)で添加される。触媒は、通常、水性組成物中に含有された硬化可能な成分の全体量に対して1〜20質量%、殊に2〜10質量%の量で使用される。水性分散液の全体量に対する触媒の濃度は、通常、0.1〜10質量%の範囲内、殊に0.5〜5質量%の範囲内にある。
【0032】
架橋可能な化合物の水性組成物での含浸は、通常の方法で、例えば浸漬、場合によっては圧力と組み合わせた真空の使用または常用の塗布方法、例えば刷毛塗り、噴霧等によって行なうことができる。勿論、それぞれ使用される含浸法は、含浸すべき材料の寸法に依存する。僅かな寸法を有するリグノセルロース材料、例えば切れ端またはストランドならびに薄手の化粧張り材料、即ち表面積と体積との大きな比を有する材料は、僅かな費用で、例えば浸漬または噴霧によって含浸することができ、これとは異なり、よりいっそう大きな寸法を有するリグノセルロース材料、殊に最少の伸び率(Ausdehnung)が5mmである材料、例えば完全な木材、完全な木材からなる成形部材または木材材料は、圧力または真空を使用しながら、殊に圧力と真空とを組合せて使用しながら含浸される。好ましくは、含浸は、50℃以下の温度、例えば15〜50℃の範囲内の温度で実施される。
【0033】
含浸の条件は、一般に、水性組成物の硬化可能な成分の吸収された量が未処理の材料の乾燥質量に対して少なくとも1質量%、特に少なくとも5質量%、殊に少なくとも10質量%であるように選択される。硬化可能な成分の吸収された量は、未処理の材料の乾燥質量に対して100質量%までであることができ、しばしば、使用された未処理の材料の乾燥質量に対して1〜60質量%の範囲内、特に5〜50質量%の範囲内、殊に10〜40質量%の範囲内にある。浸漬時に使用された未処理の材料の湿分は、重要でなく、例えば100%であることができる。この場合および以下において、"湿分"の概念は、DIN 52183による残留湿分含量の概念と同義語である。殊に、残留湿分は、リグノセルロース材料の繊維飽和点以下にある。しばしば、湿分は、1〜80%の範囲内、殊に5〜50%の範囲内にある。
【0034】
浸漬のために、リグノセルロース材料は、場合によっては前乾燥後に、水性組成物を含有する容器中に浸漬される。浸漬は、特に数秒間〜24時間、殊に1分間〜6時間の時間に亘って行なわれる。温度は、通常、15℃〜50℃の範囲内にある。この場合リグノセルロース材料は、水性組成物を吸収し、この場合には、水性組成物中の非水性成分(即ち、硬化可能な成分)の濃度、温度および処理時間により、リグノセルロース材料によって吸収される、前記成分の量は、制御されうる。実際に吸収された、成分の量は、当業者によれば、簡単に含浸された材料の質量増加分および水性分散液中の成分の濃度により測定および制御することができる。化粧張り材料は、例えば水性含浸組成物中に存在するプレスロール、所謂カレンダーにより前圧縮されうる。更に、木材における脱応力の際に発生する真空は、水性含浸組成物の促進された吸収を生じる。
【0035】
含浸は、好ましくは減少された圧力と高められた圧力との組み合わされた使用によって行なわれる。このために、一般に1%〜100%の範囲内の湿分を有するリグノセルロース材料は、最初にしばしば10〜500ミリバールの範囲内、殊に40〜100ミリバールの範囲内にある減少された圧力下で、例えば水性組成物中での浸漬によって水性組成物と接触される。持続時間は、通常、1分間〜1時間の範囲内にある。これには、例えば2〜20バールの範囲内、殊に4〜15バール、特に5〜12バールの高められた圧力での段階が続く。この段階の時間は、通常、1分間〜12時間の範囲内にある。温度は、通常、15℃〜50℃の範囲内にある。この場合リグノセルロース材料は、水性組成物を吸収し、この場合には、水性組成物中の非水性成分(即ち、硬化可能な成分)の濃度、圧力、温度および処理時間により、リグノセルロース材料によって吸収される、前記成分の量は、制御されうる。この場合、実際に吸収される量は、リグノセルロース材料の質量増加分によって計算されてもよい。
【0036】
更に、含浸は、液体を表面上に施こすための常用の方法、例えば噴霧またはロール塗布、または刷毛塗りによって行なうことができる。このために、好ましくは、50%以下、殊に30%以下、例えば12%〜30%の範囲内の湿分を有する材料が使用される。施与は、通常、15〜50℃の範囲内の温度で行なわれる。噴霧は、通常、平面状または微粒状の物体の噴霧に適した全ての装置において、例えばノズル装置および類似物により行なわれうる。刷毛塗りまたはロール塗布の場合には、望ましい量の水性組成物は、ロールまたは刷毛で平面状材料上に塗布される。
【0037】
引続き、工程b)で水性組成物の架橋可能な成分の硬化は、行なわれる。硬化は、公知技術水準に記載された方法と同様に、例えばWO 2004/033170およびWO 2004/033171に記載された方法により実施されてよい。
【0038】
硬化は、典型的には、含浸された材料を80℃を上廻る、殊に90℃を上廻る、例えば90〜220℃の範囲内、殊に100〜200℃の範囲内の温度で行なわれる。硬化に必要とされる時間は、典型的には10分間ないし72時間の範囲内にある。化粧張り材料および微粒状のリグノセルロース材料の場合には、むしろよりいっそう高い温度およびよりいっそう短い時間が使用されてよい。硬化の場合には、リグノセルロース材料の細孔は、硬化された含浸剤で充填されるだけでなく、含浸剤とリグノセルロース材料それ自体との横架橋が生じる。
【0039】
場合によっては、硬化前に乾燥工程、引続き前乾燥工程も実施されてよい。この場合、水性組成物の揮発性成分、殊に水および尿素化合物の硬化/架橋で反応しない過剰の有機溶剤は、部分的または完全に除去される。前乾燥は、リグノセルロース材料の種類に応じて約30質量%である繊維飽和点でリグノセルロース材料が乾燥されることを意味する。この前乾燥は、亀裂形成の危険に対抗するものである。小型のリグノセルロース材料、例えば化粧張り材料の場合には、前乾燥は省略することができる。しかし、大きな寸法を有する木材体の場合には、前乾燥は、有利である。別の前乾燥が実施される場合には、この前乾燥は、有利に20〜80℃の範囲内の温度で行なわれる。前記組成物中に含有されている硬化可能な成分の部分的または完全な硬化/架橋は、選択された乾燥温度に依存して行なうことができる。含浸された材料の組み合わされた前乾燥/硬化は、通常、50℃〜220℃、殊に80〜200℃に達しうる温度プロフィールを当てはめることによって行なわれる。
【0040】
硬化/乾燥は、常用の吸気−排気系、例えばドラム乾燥機中で実施されることができる。特に、前乾燥は、微粒状のリグノセルロース材料の湿分含量が前乾燥後に乾燥材料に対して30%以下、殊に20%以下であるように行なわれる。乾燥/硬化が乾燥質量に対して10%未満、殊に5%未満までの湿分含量を生じることは、利点である。湿分含量は、温度、時間および前乾燥時に選択された圧力によって簡単に制御されることができる。
【0041】
場合によっては、乾燥/硬化前に付着する液体は、機械的方法で除去される。
【0042】
大型の材料の場合には、この材料を乾燥/硬化時に、例えば熱間プレス中で固化することは有利であることが証明された。
【0043】
架橋可能な化合物の水性組成物での含浸および場合によっては実施される硬化工程に続いてかまたは前記の含浸および場合による硬化工程中に、本発明によれば、含浸は、少なくとも1つの疎水化剤で実施される。疎水化剤での含浸を架橋可能な化合物の水性組成物での含浸と同時に実施する場合には、水相中に分散された少なくとも1つの疎水化剤ならびに架橋可能な化合物および場合によっては他の成分、例えば触媒K、効果物質、上記のアルコールおよび類似物を含有する水性組成物が使用される。この種の組成物は、新規であり、同様に本発明の対象である。
【0044】
疎水化剤は、原則的に公知技術水準、例えば冒頭に引用された公知技術水準から公知である。この場合には、シリコーン油、パラフィン油、植物油、例えば亜麻種油、菜種油、落花生油、大豆油およびタル油、溶剤をベースとするワックス調剤および水性ワックス分散液を含めてワックス調剤が重要である。前記の疎水化剤は、しばしば殺生剤の作用および/または殺真菌剤の作用を有する木材保護剤と組み合わせて使用され、作用の上昇を達成する。
【0045】
本発明の好ましい実施態様によれば、疎水化剤は、ワックスまたはワックス様ポリマーである。
【0046】
殊に、疎水化剤は、水性調剤、即ち前記疎水化剤の1つ以上の水性乳濁液または水性分散液である。殊に、ワックス成分の水性分散液、即ちワックスまたはワックス様ポリマー、またはその混合物の水性分散液が重要である。以下、この種の水性調剤は、ワックス分散液とも呼称される。水性分散液中に含有されるワックスまたはワックス様ポリマーは、以下ワックス構成成分またはワックス成分とも呼称される。ワックス様ポリマーは、当業者によれば、特性プロフィールの点でワックスと同等であるポリマーであり、即ちワックス様ポリマーは、水中で不溶性であり、一般に分解せずに溶融し、溶融した状態で僅かな粘度を有する。
【0047】
この種の分散液中のワックス構成成分としては、原則的に全ての常用のワックスおよびワックス様ポリマーが適しており、例えばこれら常用のワックスおよびワックス様ポリマーは、当業者によれば、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第5版CD−ROM、Wiley-VCH, Weinheim 1997,ワックスの章およびそこに引用された刊行物の記載から公知である。
【0048】
適したワックスまたはワックス様ポリマーの例は、天然ワックス、例えば動物性ワックス、例えば密蝋および羊毛蝋、ミネラルワックス、例えばオゾケライトまたはセレシン、石油化学ワックス、例えばパラフィンワックス、ペトロラタム、マイクロワックスおよびガッチュ(Gatch)、さらに部分合成ワックス、例えばモンタンワックスおよび変性モンタンワックス、例えばモンタンエステルワックス、アミドワックス、さらにサソルワックス(Sasolwachse)ならびに合成ワックス、例えばフィッシャー−トロップシュ−ワックス、オレフィンをベースとするワックス様コポリマーを含めてポリオレフィンワックス、殊にポリエチレンワックス、オキシデートワックス、即ちワックスまたはワックス様ポリマーの酸化生成物、例えばオレフィンをベースとするワックス様コポリマーのオキシデートを含めて、フィッシャー−トロップシュ−ワックス、ポリオレフィンワックス、殊にポリエチレンワックスのオキシデートおよび類似物である。
【0049】
本発明により使用されるワックス分散液の第1の好ましい実施態様によれば、このワックス分散液中に含有されるワックス構成成分は、少なくとも75℃、特に少なくとも80℃、しばしば少なくとも90℃、殊に少なくとも100℃の融点または軟化点を有する。この場合および以下において、DIN ISO 3841に記載されDSCによるかまたは冷却曲線から測定される値は、融点と見なされる。本発明の第2の実施態様によれば、ワックス分散液中に含有されるワックス構成成分は、75℃未満、特に30〜70℃の範囲内、特に35〜60℃の範囲内の融点を有する。
【0050】
水性分散液中のワックスまたはワックス構成成分の濃度は、典型的にはワックス分散液の全質量に対して5〜50質量%、しばしば8〜40質量%、殊に10〜35質量%の範囲内、特に15〜30質量%の範囲内にある。
【0051】
ワックス分散液中には、ワックス構成成分が分散相として、即ち最も微細な粒子または小液滴の形で存在する。好ましい実施態様によれば、前記粒子は、殊にワックス構成成分が少なくとも80℃の融点を有する場合に、500nm未満、殊に300nm未満、特に200nm未満、特に有利に150nm未満の平均粒径を有する。しかし、原則的に、殊に75℃未満の溶融温度を有する低融点のワックスが重要である場合には、例えば10μmまで、例えば500nm〜10μmの大きな粒度を有するワックス分散液/ワックス乳濁液が使用されてもよい。
【0052】
この場合に記載される粒度は、動的光散乱によって測定されうるような質量平均粒度である。このための方法は、例えばH. Wiese, D. Distier, Waessrige Polymerdispersionen, Wiley-VCH 1999, 第4.2.1章,第40頁以降およびそこに引用された刊行物ならびにH. Auweter, D. Hoern, J. Colloid Interf. Sci. 105 (1985) 388, D. Lilge, D. Hoern, Colloid Polym. Sci. 269 (1991) 704またはH. Wiese, D. Hoern, J. Chem. Phys. 94 (1991) 6429の記載から当業者によく知られている。
【0053】
水性ワックス分散液の製造は、原理的に公知であり、ワックスまたはワックス様ポリマーを水相中で強力な剪断力および/または圧力を使用しながら、好ましくは高められた温度、例えば少なくとも50℃の温度、有利に70℃を上廻る温度で分散させることによって行なわれる。高い融点を有するワックスは、殊に90℃を上廻る温度、例えば90〜200℃の範囲内、特に有利に100〜160℃の範囲内の温度で分散される。殊に、ワックス成分の分散は、該ワックス成分が分解されずに溶融する場合に、融点を上廻る温度で行なわれる。また、ワックスの水性分散液は、例えばBASF社の商品名Poligen(登録商標)WEタイプおよびByk-Cera社のAquaCerタイプ(80℃を上廻る融点または軟化点を有する高融点ワックスタイプ)で商業的に入手可能である。
【0054】
1つの実施態様において、ワックス分散液のワックス粒子は、少なくとも1つの効果物質および/または作用物質を含有する。この場合には、作用物質または効果物質は、有利に最初にワックス中に溶解されるかまたは均一に懸濁され、次にこうして得られたワックス調剤は、水相中に上記温度で分散される。
【0055】
分散の際に使用される圧力は、典型的には1バールであり、しばしば1.5〜40バールの範囲内、殊に2〜20バールの範囲内で変動する。
【0056】
ワックス成分がカルボン酸基を含有する場合、このことは、本発明によれば、好ましいことであり、乳化は、有利に塩基の存在下で行なわれる。好ましくは、塩基は、ワックス中またはワックス様ポリマー中に存在するカルボン酸基の少なくとも40%、殊に少なくとも80%が中和された形で存在するような量で使用される。
【0057】
塩基としては、原則的にアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化カリウムならびにアンモニアおよびアミンがこれに該当する。アミンは、有利にアルキル基中に特に1〜6個、殊に1〜4個のC原子を有するモノアルキルアミン、ジアルキルアミンまたはトリアルキルアミン、ヒドロキシアルキル基中に有利に2〜6個のC原子を有するモノアルカノールアミン、ジアルカノールアミンまたはトリアルカノールアミン、アルキル基中に1〜12個、殊に1〜8個のC原子およびヒドロキシアルキル基中に2〜6個のC原子を有するモノアルキルジアルカノールアミンおよびジアルキルモノアルカノールアミン、さらにアルキル基中に特に1〜20個のC原子および特に2〜60、殊に3〜40のエトキシル化度を有するエトキシル化されたモノアルキルアミンおよびジアルキルアミンである。これに関連して、好ましいヒドロキシアルキルは、ヒドロキシエチルおよび2−ヒドロキシプロピルである。好ましいのは、少なくとも1個のヒドロキシアルキル基および/またはポリエチレンオキシド基を有するようなアミンである。好ましいアミンの例は、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルアミノジグリコール、ジエチルアミノジグリコールならびにジエチレントリアミンである。
【0058】
更に、乳化を促進させるために、乳化剤が添加されてよい。乳化剤は、非イオン性、陽イオン性または陰イオン性であることができ、この場合、陰イオン性乳化剤および非イオン性乳化剤ならびに陰イオン性乳化剤と非イオン性乳化剤との混合物は、好ましい。殊に好ましいのは、非イオン性乳化剤および非イオン性乳化剤と一般に乳化剤量に対して40質量%未満、特に20質量%未満の副次的量の陰イオン性乳化剤との混合物である。
【0059】
陰イオン性乳化剤には、例えばカルボン酸塩、殊に脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩、例えば通常、石鹸とも呼称されるステアリン酸カリウム;アシルグルタメート;サルコシネート、例えばナトリウムラウロイルサルコシネート;タウレート;メチルセルロース;アルキルホスフェート、殊にモノ燐酸アルキルエステルおよびジ燐酸アルキルエステル;スルフェート、殊にアルキルスルフェートおよびアルキルエーテルスルフェート;スルホネート、さらにアルキルスルホネートおよびアルキルアリールスルホネート、殊にアリールスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩ならびにアルキル置換アリールスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、例えばリグニンスルホン酸およびフェノールスルホン酸、ナフタリンスルホン酸およびジブチルナフタリンスルホン酸、またはドデシルベンゼンスルホネート、アルキルナフタリンスルホネート、アルキルメチルエステルスルホネート、スルホン化ナフタリンおよびその誘導体とホルムアルデヒドとの縮合生成物、ナフタリンスルホン酸、フェノール−および/またはフェノールスルホン酸とホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒドおよび尿素との縮合生成物、モノアルキルコハク酸エステルスルホネートまたはジアルキルコハク酸エステルスルホネート;ならびにタンパク質水解物およびリグニン亜硫酸塩廃液が所属する。前記のスルホン酸は、有利に中性塩または場合によっては塩基性塩の形で使用される。
【0060】
非イオン性乳化剤には、例えば次のものが所属する:
通常2〜100、殊に3〜50のアルコキシル化度を有する脂肪アルコールアルコキシレートおよびオキソアルコールアルコキシレート、例えばC8〜C30−アルカノールまたはアルケノール(アルカジエノール)、例えばイソトリデシルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコールまたはステアリルアルコールのアルコキシレートならびにそのC1〜C4−アルキルエーテルおよびC1〜C4−アルキルエステル、例えばそのアセテート、
アルコキシル化された動物性脂肪および/または植物性脂肪および/または動物性油および/または植物性油、例えばトウモロコシ油エトキシレート、ひまし油エトキシレート、通常2〜100、殊に3〜50のアルコキシル化度を有する獣脂エトキシレート、
グリセリンエスエル、例えばグリセリンモノステアレート、
ポリマーのアルコキシレート、殊に3〜100のアルコキシル化度を有するポリエチレンオキシドの脂肪酸エステル、例えばモノエステルまたはジエステルとしてのPEG 300-オレエート、PEG 300-ステアレートまたはPEG 300-ラウレート、
酸化エチレンおよび/または酸化プロピレンからなるコポリマーのアルコキシレート、例えばBASF社のPluronic(登録商標)の銘柄、
アルキルフェノールアルコキシレート、例えばエトキシル化されたイソオクチルフェノール、オクチルフェノールまたはノニルフェノール、通常2〜100、殊に3〜50のアルコキシル化度を有するトリブチルフェノールポリオキシエチレンエーテル、
通常2〜100、殊に3〜50のアルコキシル化度を有する脂肪アミンアルコキシレート、脂肪酸アミドアルコキシレートおよび脂肪酸ジエタノールアミドアルコキシレート、殊にそのエトキシレート、
糖界面活性剤、ソルビットエステル、例えばソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリステアレート)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、N−アルキルグルコンアミド、
アルキルメチルスルホキシド、
アルキルジメチルホスフィンオキシド、例えばテトラデシルジメチルホスフィンオキシド。
【0061】
更に、この場合に例示的に記載される乳化剤は、ペルフルオロ乳化剤、シリコン乳化剤、ホスホリピド、例えばレシチンまたは化学的に変性されたレシチン、アミノ酸乳化剤、例えばN−ラウロイルグルタメートである。
【0062】
別記しない限り、上記の乳化剤のアルキル鎖は、通常6〜30個、殊に8〜20個の炭素原子を有する線状または分枝鎖状の基である。
【0063】
好ましい非イオン性乳化剤は、殊に8〜20個のC原子を有するアルコキシル化された、特にエトキシル化されたアルカノール、例えばエトキシル化されたノナノール、イソノナノール、デカノール、2−プロピルヘプタノール、トリデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、C16/18−脂肪アルコール混合物であり、この場合エトキシル化度は、典型的には5〜50の範囲内、殊に6〜30の範囲内にある。
【0064】
乳化剤の量は、公知方法で乳化すべきワックスの種類に左右され、一般に水性分散液に対して15質量%、殊に10質量%を上廻らない。低い酸化数、殊に100mg KOH/g未満、特に50mg KOH/g未満、例えば5〜100mg KOH/gの範囲内、特に10〜50mg KOH/gの酸化数の場合、典型的には乳化剤は、水性ワックス分散液の全質量に対して2〜15質量%、殊に3〜10質量%の量で使用されるかまたは乳化されたワックス成分に対して5〜50質量%、殊に10〜40質量%の量で使用される。
【0065】
ワックス成分が100mg KOH/gを上廻る酸化数を有する場合には、ワックスは、しばしば自己乳化性であり、乳化剤含量は、有利に乳化されたワックス成分に対して3質量%未満、殊に1質量%未満、特に0.5質量%未満である。
【0066】
既述したように、好ましい実施態様に記載された、本発明により使用された分散液のワックス成分は、少なくとも80℃の融点または軟化点を有するワックスである。好ましくは、この種のワックスは、ワックスの分散を促進する極性の官能基、例えばカルボキシル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、ケト基、ポリエーテル基または類似物を有する。殊に、ワックスは、中和可能なカルボキシル基を有する。好ましくは、ワックスは、少なくとも5mg KOH/g、殊に15〜250mg KOH/gの範囲内の酸化数によって特性決定されている。
【0067】
それに応じて、本発明により使用するすることができるワックス分散液のワックス構成成分は、好ましくは化学的に変性されたモンタンワックスおよびモンタンエステルワックスを含めてモンタンワックス、アミドワックスおよび極性のポリオレフィンワックスである。
【0068】
極性のポリオレフィンワックスには、非極性のポリオレフィンワックス、例えばポリオレフィンオキシデートワックスとも呼称される、ポリエチレンワックスまたはポリプロピレンワックスの酸化生成物、フィッシャー−トロップシュ−ワックスのオキシデートならびにオレフィン、殊にC2〜C6−オレフィン、例えばエチレンまたはプロペンと酸素基含有モノマー、例えばモノエチレン系不飽和C3〜C6−モノカルボン酸、例えばアクリル酸またはメタクリル酸および場合によっては脂肪族C2〜C10−カルボン酸のビニルエステル、例えばビニルアセテートまたはビニルプロピオネート、モノエチレン系不飽和のC3〜C6−モノカルボ酸とC1〜C18−アルカノールまたはC5〜C12−シクロアルカノールとのエステル、殊にアクリル酸またはメタクリル酸のエステル、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−ブチルアクリレート、第三ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、3−プロピルヘプチルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートならびにメタクリル酸の相応するエステルとのコポリマーが含まれる。更に、極性のポリオレフィンワックスには、前記のオレフィンコポリマーの酸化生成物が含まれる。
【0069】
好ましい実施態様において、本発明により使用することができる水性分散液のワックス成分は、該分散液中に含有されるワックス成分の全質量に対して少なくとも1つの極性のポリオレフィンワックスを少なくとも50質量%、殊に少なくとも80質量%、特に少なくとも90質量%含む。殊に、極性のポリオレフィンワックスは、極性のオレフィンコポリマーおよびそのオキシデートから選択されており、この場合このオレフィンコポリマーは、本質的に次のものから形成されている:
a)少なくとも1つのC2〜C6−オレフィン、殊にプロペン、エテンまたはその混合物、特にエテン50〜90質量%、殊に55〜95質量%、特に60〜90質量%;
b)少なくとも1つのモノエチレン系不飽和C3〜C6−モノカルボン酸、例えばアクリル酸またはメタクリル酸および/またはC4〜C6−ジカルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸またはその混合物、特にアクリル酸、メタクリル酸および/またはマレイン酸1〜50質量%、殊に5〜40質量%、特に10〜30質量%;および
c)モノエチレン系不飽和C3〜C6−モノカルボン酸とC1〜C18−アルカノールまたはC5〜C12−シクロアルカノールとのエステル、モノエチレン系不飽和C4〜C8−ジカルボン酸とC1〜C18−アルカノールまたはC5〜C12−シクロアルカノールとのジエステル、殊にアクリル酸またはメタクリル酸とC1〜C18−アルカノールまたはC5〜C12−シクロアルカノールとのエステルならびに脂肪族C2〜C18−カルボン酸のビニルエステル、例えばビニルアセテートまたはビニルプロピオネートから選択される1つ以上のモノエチレン系不飽和モノマー0〜49質量%、例えば5〜49質量%、殊に0〜40質量%、例えば5〜40質量%。
【0070】
この場合に記載されるモノマー含量は、それぞれ極性のポリオレフィンワックスを構成するモノマーの全質量に対するものである。この場合には、本質的にポリマーは、少なくとも95質量%、殊に少なくとも99質量%が特に専ら前記モノマーa)、b)および場合によってはc)から形成されていることを意味する。しかし、当業者であれば、この種のポリマーは、モノマー成分以外になお重合触媒(開始剤)の成分を重合導入して含有していてよいことを認識している。
【0071】
典型的には、極性のポリオレフィンワックスは、1000〜15000ダルトンの範囲内、しばしば2000〜120000ダルトンの範囲内の質量平均分子量を有する。分解されずに溶融するワックスまたは低分子量ないし中位の分子量を有するワックス状ポリマーの場合、これらワックスまたはワックス状ポリマーは、100〜10000mm2/秒の範囲内の140℃での溶融粘度によって特性決定される(DFG単位法C−IV7(68))かまたは溶融されないワックス状ポリマーの場合には、少なくとも1の最小の溶融フローインデックスMFI(DIN 53835による160℃および荷重325gで)によって特性決定される。
【0072】
更に、好ましい実施態様において、本発明により使用することができる水性分散液のワックス成分は、該分散液中に含有されるワックス成分の全質量に対して、化学的に変性されたモンタンワックスおよびモンタンワックスを含めて少なくとも1つの極性のモンタンワックスを少なくとも50質量%、殊に少なくとも80質量%、特に少なくとも90質量%含む。
【0073】
更に、好ましい実施態様において、本発明により使用することができる水性分散液のワックス成分は、該分散液中に含有されるワックス構成成分の全質量に対して少なくとも1つのアミドワックスを少なくとも50質量%、殊に少なくとも80質量%、特に少なくとも90質量%含む。
【0074】
更に、好ましい実施態様において、本発明により使用することができる水性分散液のワックス成分は、該分散液中に含有されるワックス構成成分の全質量に対して少なくとも1つのポリオレフィンオキシデートワックスを少なくとも50質量%、殊に少なくとも80質量%、特に少なくとも90質量%含む。
【0075】
前記のワックス構成成分は、公知技術水準から、例えばUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第5版CD−ROM、Wiley VCH, Weinhei, 1997, ワックスの章、殊に副章3"モンタンワックス"および副章6"ポリオレフィンワックス"ならびにドイツ連邦共和国特許出願公開第3420168号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3512564号明細書(ワックス状コポリマー)ならびにKunststoffhandbuch 第4章, 第161頁以降, Karl-Hanser-Verlag, 1969およびそこに引用された刊行物、ドイツ連邦共和国特許出願公開第2126725号明細書、ドイツ連邦共和国特許第2035706号明細書、欧州特許出願公開第28384号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第1495938号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第1520008号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第1570652号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3112163号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3720952号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3720953号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3238652号明細書およびWO 97/41158の記載から久しく公知である。また、この種の製品は、例えば商品名BASF社のLuwax(登録商標)OAタイプまたはLuwax(登録商標)EAS−タイプ、Clariant社のLicowax PED、Honeywell社のAC3...およびAC6...タイプならびにHoneywell社のAC5...タイプで商業的に入手可能である。
【0076】
既述したように、分散液のワックス粒子は、木材に天然の性質およびワックスによって達成される疎水化と共に付加的な性質、例えば色、改善された耐候安定性または有害な微生物での感染に抗する安定性を付与する作用物質または効果物質を含有していてもよい。作用物質または効果物質は、典型的には1000ダルトン未満、典型的には500ダルトン未満の分子量を有する低分子量の有機化合物または遷移金属の無機塩または酸化物である。効果物質には、着色剤、例えば顔料および染料、ならびに酸化防止剤およびUV安定剤が含まれる。
【0077】
適当な顔料は、有機顔料ならびに無機顔料を含む。
【0078】
着色剤の例は、次の通りである:
例えば、WO 2004/035277中に記載されているような有機顔料、例えば:モノアゾ顔料:C.I.Pigment Brown 25;C.I.Pigment Orange 5、13、36、38、64および67;C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、8、9、12、17、22、23、31、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、52:1、52:2、53、53:1、53:3、57:1、58:2、58:4、63、112、146、170、184、185、187、191:1、208、210、245、247および251;C.I.Pigment Yellow 3、62、65、73、74、97、120、151、154、168、181、183及び191;
C.I.Pigment Violet 32;
ジアゾ顔料、例えばC.I.Pigment Orange 16、34、44および72;C.I.Pigment Red 144、166、214、220、221および242;C.I.Pigment Yellow 12、13、14、16、17、81、83、106、113、126、127、155、174、176、180および188;
ジアゾ縮合顔料、例えばC.I.Pigment Yellow 93、95および128;C.I.Pigment Red 144、166、214、220、242および262;C.I.Pigment Brown 23および41;
アンタントロン顔料、例えばC.I.Pigment Red 168;
アントラキノン顔料、例えばC.I.Pigment Yellow 147、177およびC.I.Pigment Violet 31;
アントラピリミジン顔料、例えばC.I.Pigment Yellow 108;
キナクリドン顔料、例えばC.I.Pigment Orange 48および49;C.I.Pigment Red 122、202、206および209;C.I.Pigment Violet 19;
キノフタロン顔料、例えばC.I.Pigment Yellow 138;
ジケトピロロピロール顔料、例えばC.I.Pigment Orange 71、73および81;C.I.Pigment Red 254、255、264、270および272;
ジオキサジン顔料、例えばC.I.Pigment Violet 23および37;C.I.Pigment Blue 80;
フラバントロン顔料、例えばC.I.Pigment Yellow 24;インダントロン顔料、例えばC.I.Pigment Blue 60および64;
イソインドリン顔料、例えばC.I.Pigment Orange 61および69、C.I.Pigment Red 260、C.I.Pigment Yellow 139および185;
イソインドリノン顔料、例えばC.I.Pigment Yellow 109、110および173;
イソビオラントロン顔料、例えばC.I.Pigment Violet 31;
金属錯体顔料、例えばC.I.Pigment Red 257;C.I.Pigment Yellow 117、129、150、153および177;C.I.Pigment Green 8;
ペリノン顔料、例えばC.I.Pigment Orange 42;C.I.Pigment Red 194;
ペリレン顔料、例えばC.I.Pigment Black 31および32;C.I.Pigment Red 123、149、178、179、190および224;C.I.Pigment Violet 29;
フタロシアニン顔料、例えばC.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6および16; C.I.Pigment Green 7および36;
ピラントロン顔料、例えばC.I.Pigment Orange 51;C.I.Pigment Red 216;
ピラゾロキナゾロン顔料、例えばC.I.Pigment Orange 67;C.I.Pigment Red 251;
チオインジゴ顔料、例えばC.I.Pigment Red 88および181;C.I.Pigment Violet 38;
トリアリールカルボニウム顔料、例えばC.I.Pigment Blue 1、61および62;C.I.Pigment Green 1;C.I.Pigment Red 81、81:1および169;およびC.I.Pigment Violet 1、2、3および27;さらにC.I.Pigment Black 1、(アニリン黒)、C.I.Pigment Yellow 101(アルダジン黄)、C.I.Pigment Brown 22;および
例えば、WO 2004/035277中に記載されているような有機着色顔料、例えば:白色顔料、例えば二酸化チタン(C.I.Pigment White 6)、亜鉛白、着色酸化亜鉛;硫化亜鉛、リトポン;黒色顔料、例えば酸化鉄黒(C.I.Pigment Black 11)、鉄−マンガン黒、スピネル黒(C.I.Pigment Black 27);カーボンブラック(C.I.Pigment Black 7)および多色顔料、例えば酸化クロム、酸化クロム水和物緑;クロム緑(C.I.Pigment Green 48);コバルトグリーン(C.I.Pigment Green 50)、ウルトラマリーングリーン、コバルトブルー(C.I.Pigment Blue 28および36;C.I.Pigment Blue 72);ウルトラマリーンブルー;マンガンブルー、ウルトラマリンバイオレット;コバルトバイオレットおよびマンガンバイオレット、酸化鉄赤(C.I.Pigment Red 101)、カドミウムスルホセレン化物(C.I.Pigment Red 108)、硫化セリウム(C.I.Pigment Red 265);モリブデン赤(C.I.Pigment Red 104)、ウルトラマリンレッド、酸化鉄褐色(C.I.Pigment Brown 6および7)、混合ブラウン、スピネル相およびコランダム相(C.I.Pigment Brown 29、31、33、34、35、37、39および40)、クロムチタン黄(C.I.Pigment Brown 24)、クロムオレンジ、硫化セリウム(C.I.Pigment Orange 75)、酸化鉄黄(C.I.Pigment Yellow 42);ニッケルチタン黄(C.I.Pigment Yellow 53;C.I.Pigment Yellow 157、158、159、160、161、162、163、164および189);クロムチタン黄;スピネル相(C.I.Pigment Yellow 119);
硫化カドミウムおよびカドミウム亜鉛スルフィド(C.I.Pigment Yellow 37および35);
クロム黄(C.I.Pigment Yellow 34);バナジン酸ビスマス(C.I.Pigment Yellow 184)。
【0079】
染料:例えば、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10245209号明細書中に記載された染料ならびにカラーインデックスにより分散染料およびソルベント染料と呼称され、分散染料とも呼称される化合物。適した分散染料の構成は、例えばUllmanns Enzyklopaedie der technischen Chemie, 第4版, 第10巻, 第155〜165頁に見出される(第7巻, 第585頁以降 − アントラキノン染料;第8巻,第244頁以降 − アゾ染料;第9巻,第313頁以降 − キノフタロン染料参照)。このことに関連して、前記刊行物の役割およびその中に記載された化合物は、参考のために引用したものである。本発明によれば、適当な分散染料およびソルベント染料は、異なる発色団を有する多種多様の染料種、例えばアントラキノン染料、モノアゾ染料およびジアゾ染料、キノフタロン染料、メチン染料および字メチン染料、ナフタルイミド染料、ナフトキノン染料およびニトロ染料を含む。本発明によれば、適当な分散染料の例は、次のカラーインデックスの一覧からの分散染料である:
C.I.Disperse Yellow 1〜228、C.I.Disperse Orange 1〜148、C.I.Disperse Red 1〜349、C.I.Disperse Violet 1〜97、C.I.Disperse Blue 1〜349、C.I.Disperse Green 1〜9、C.I.Disperse Brown 1〜21、C.I.Disperse Black 1〜36。本発明によれば、適当なソルベント染料の例は、次のカラーインデックスの一覧からの化合物である:C.I.Solvent Yellow 2〜191、C.I.Solvent Orange 1〜113、C.I.Solvent Red 1〜248、C.I.Solvent Violet 2〜61、C.I.Solvent Blue 2〜143、C.I.Solvent Green 1〜35、C.I.Solvent Brown 1〜63、C.I.Solvent Black 3〜50。更に、本発明によれば、適当な染料は、ナフタリン、アントラセン、ペリレン、テリレン、クアテリレン(Quarterylen)、ならびにジケトピロロピロール染料、ペリノン染料、クマリン染料、イソインドリン染料およびイソインドリノン染料、ポルフィリン染料、フタロシアニン染料およびナフタロシアニン染料である。
【0080】
効果物質としてUV吸収剤、酸化防止剤および/または安定剤が使用されてもよい。UV吸収剤の例は、次に記載されたグループa)〜g)の化合物である。安定剤の例は、次に記載されたグループi)〜q)の化合物である。
a)4,4−ジアリールブタジエン、
b)ケイ皮酸エステル、
c)ベンゾトリアゾール、
d)ヒドロキシベンゾフェノン、
e)ジフェニルシアンアクリレート、
f)オキサミド(蓚酸ジアミド)、
g)2−フェニル−1,3,5−トリアジン;
h)酸化防止剤、
i)立体障害アミン、
j)金属不活性剤、
k)ホスフィットおよびホスホニット(Phosphonite)、
l)ヒドロキシルアミン、
m)ニトロン、
n)アミノキシド、
o)ベンゾフラノンおよびインドリノン、
p)チオ相乗剤および
q)過酸化物崩壊性化合物。
【0081】
4,4−ジアリールブタジエンのグループa)には、例えば以下の式Aの化合物が挙げられる。
【0082】
【化1】

【0083】
前記化合物は、欧州特許出願公開第916335号明細書の記載から公知である。置換基R10および/またはR11は、有利にはC1〜C8−アルキルおよびC5〜C8−シクロアルキルを意味する。
【0084】
ケイ皮酸エステルのグループb)には、例えば4−メトキシケイ皮酸イソアミルエステル、4−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステル、メチル−α−メトキシカルボニルシンナメート、メチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−シンナメートおよびメチル−α−メトキシカルボニル−p−メトキシシンナメートが挙げられる。
【0085】
ベンゾトリアゾールのグループc)には、例えば、2−(2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−[2−エチルヘキシルオキシ]−カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロローベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボ二ルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、および2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)−フェニルベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェノール];2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル化の生成物;[R−CH2CH2−COO(CH232、但し、この場合Rは、3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェニルであるものとし、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0086】
ヒドロキシベンゾフェノンのグループd)には、例えば2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(n−オクチルオキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、およびこのナトリウム塩、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5,5’−ビススルホン酸およびこのナトリウム塩が挙げられる。
【0087】
ジフェニルシアンアクリレートのグループe)には、例えばエチル−2−シアン−3,3−ジフェニルアクリレート、但し、これは例えば、BASF AG社、Ludwigshafen在、のUVinul(登録商標)3035の名称で市場で入手可能であるものとし、2−エチルヘキシル−2−シアン−3,3−ジフェニルアクリレート、但し、これは例えば、BASF AG社、Ludwigshafen在、のUVinul(登録商標)3039の名称で市場で入手可能であるものとし、および1,3−ビス−[(2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス{[2’−シアノ−3’,3’−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル}プロパン、但し、これは例えば、BASF AG社、Ludwigshafen在、のUVinul(登録商標)3030の名称で市場で入手可能であるものとし、が挙げられる。
【0088】
オキサミドのグループf)には、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−(tert−ブチル)オキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−(tert−ブチル)オキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エチルオキサニリドおよび前記オキサニリドと2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−(tert−ブチル)オキサニリドとのこれらの混合物ならびにオルト−メトキシ二置換オキサニリド、パラ−メトキシ二置換オキサニリドの混合物およびオルト−エトキシ二置換オキサニリドおよびパラ−エトキシ二置換オキサニリドの混合物が挙げられる。
【0089】
2−フェニル−1,3,5−トリアジンのグループg)には、例えば、2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、例えば2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシ−プロポキシ)−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシ−プロポキシ)−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシ−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジンおよび2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジンが挙げられる。
【0090】
酸化防止剤のグループh)には、例えば以下のものが含まれる:
アルキル化モノフェノール、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、非分枝または、側鎖中で分枝したノニルフェノール、例えば2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルウンデシ−1−イル)−フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルヘプタデシ−1−イル)−フェノール、2,4−ジメチル−6−(1−メチルトリデシ−1−イル)フェノールおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0091】
アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0092】
ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0093】
トコフェロール、例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびこれらの混合物(ビタミンE)。
【0094】
ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば2,2’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオ−ビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0095】
アルキリデンビスフェノール、例えば2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレン−ビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス[6−tert−ブチル−2−メチルフェノール]、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール−ビス−[3,3−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ペンタン。
【0096】
ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、1,3,5−トリ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、ジ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−メルカプロ酢酸イソオクチルエステル、ビス−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオールテレフタレート、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−燐酸ジオクタデシルエステルおよび3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−燐酸モノエチルエステル、カルシウム塩。
【0097】
ヒドロキシベンジル化マロネート、例えばジオクタデシル−2,2−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)−マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−マロネート、ジ−ドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0098】
ヒドロキシベンジル芳香族化合物、例えば1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0099】
トリアジン化合物、例えば2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート。
【0100】
ベンジルホスホネート、例えばジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)ホスホン酸ジエチルエステル)、ジオクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエチルエステルのカルシウム塩。
【0101】
アシルアミノフェノール、例えば4−ヒドロキシ−ラウリン酸アニリド、4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、2,4−ビス−オクチルメルカプト−6−(3,5−tert−ジブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−s−トリアジンおよびオクチル−N−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0102】
β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価のアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリット、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N,N’−ビス−(ヒドロキシエチル)蓚酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0103】
β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と一価または多価のアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリット、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)蓚酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0104】
β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価または多価のアルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリット、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス−(ヒドロキシエチル)蓚酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0105】
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と一価または多価のアルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリット、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス−(ヒドロキシエチル)蓚酸ジアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル。
【0106】
β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−トリメチレンジアミン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]−プロピオニルオキシ)エチル]−オキサミド(例えばUniroyal社のNaugard(登録商標)XL−1)。
【0107】
アスコルビン酸(ビタミンC)
アミン性酸化防止剤、例えばN,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス−(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス−[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)−プロパン、(o−トリル)−ビグアニド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノアルキル化およびジアルキル化されたtert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンからの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化されたノニルジフェニルアミンからの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化されたドデシルジフェニルアミンからの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化されたイソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンからの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化されたtert−ブチルジフェニルアミンからの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノアルキル化およびジアルキル化されたtert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンからの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化されたtert−オクチルフェノチアジンからの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン、N,N−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル−ヘキサメチレンジアミン、ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)−セバケート、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジノ−4−オン、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジノ−4−オール、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとのジメチルスクシネートポリマー[CAS番号65447−77−0](例えばCiba Spetialty Chemicals社のTinuvin(登録商標)622)、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザジスピロ[5.1.11.2]−ヘイコサン−21−オンおよびエピクロロヒドリンをベースとするポリマー[CAS番号:202483−55−4]例えば(Ciba Specialty Chemicals社のHostavin(登録商標)30)。
【0108】
立体障害アミンのグループj)には、例えば、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−アリル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート(n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル−マロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−エステル)、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸とからの縮合生成物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサンメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとからの線状または環式の縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペリジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン、ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−セバケート、ビス−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジル)−スクシネート、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの線状または環式の縮合生成物、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと蟻酸エステルとの縮合生成物(CAS−No.124172−53−8、例えば、BASF AG社、Ludwigshafen在、のUvinul(登録商標) 4050H)、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノエタン)との縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジイル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジイル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとからの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとからの縮合生成物、ならびに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(CAS登録番号[136504−96−6]);N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジイル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応混合物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジイルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジイル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシ−メチレン−マロン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンとのジエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキソ−4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジイル)]シロキサン、無水マレイン酸−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンとからの反応混合物、(部分的に)N−ピペリジン−4−イル置換されたマレイン酸イミドとα−オレフィンの混合物とからのコポリマー、例えばUvinul(登録商標)5050H(BASF AG)、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−オキシル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとt−アミルアルコールの炭素残基とからの反応生成物、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)グルタレート、2,4−ビス{N[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−N−ブチルアミノ}−6−(2ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミン、ヘキサヒドロ−2,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1H,4H,5H,8H−2,3a,4a,6,7a,8a−ヘキサアザシクロペンタ[def]フルオレン−4,8−ジオン(例えば、BASF AG社、Ludwigshafen在、のUvinul(登録商標)4049)、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ二ル)イミノ]1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]])[CAS番号71878−19−8]、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン、N,N,N′,N−テトラキス(4,6−ジ(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン(CAS番号106990−43−6)(例えば、Ciba Speciality Chemicals社のChimassorb 119)が所属する。
【0109】
金属不活性剤のグループj)には、例えばN,N’−ジフェニル蓚酸ジアミド、N−サリチラル−N’−サリチロイル−ヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)−オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジピン酸ジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)蓚酸ジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジドが所属する。
【0110】
ホスフィットおよびホスホニットのグループk)には、例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリットジホスフィット、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリットジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリットジホスフィット、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)−ペンタエリトリットジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリットジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)−ペンタエリトリットジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリットジホスフィット、トリステアリルソルビットトリホスフィット、テトラキス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホニット、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−ジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、2,2’,2"−ニトリロ[トリエチル−トリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット]、2−エチルヘキシル−(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィットが所属する。
【0111】
ヒドロキシルアミンのグループl)には、例えば、N,N−ジベンジルジドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−メチル−N−オクタデシルヒドロキシルアミンおよび水素化された獣脂アミンからのN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンが所属する。
【0112】
ニトロンのグループm)には、例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、Nーテトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、Nーオクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、N−メチル−α−ヘプタデシルニトロンおよび水素化された獣脂アミンから製造されたN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンに由来するニトロンが所属する。
【0113】
アミンオキシドのグループn)には、例えば、アミンオキシド誘導体、例えば米国特許第5844029号明細書および米国特許第5880191号明細書に記載されているアミンオキシド誘導体、ジデシルメチルアミンオキシド、トリデシルアミンオキシド、トリドデシルアミンオキシドおよびトリヘキサデシルアミンオキシドが所属する。
【0114】
ベンゾフランおよびインドリノンのグループo)には、例えば、米国特許第4325863号明細書、米国特許第4338244号明細書、米国特許第5175312号明細書、米国特許第5216052号明細書、米国特許第5252643号明細書;ドイツ連邦共和国特許出願公開第4316611号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4316622号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4316876号明細書、欧州特許出願公開第0589839号明細書または欧州特許出願公開第0591102号明細書に記載のもの、または3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2(3H)−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2(3H)−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2(3H)−オン]、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2(3H)−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2(3H)−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2(3H)−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2(3H)−オン、Ciba Speciality Chemicals社のIrganoxs HP−136、および3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2(3H)−オンが所属する。
【0115】
チオ相乗剤のグループP)には、例えばジラウリルチオジプロピオネートまたはジステアリルチオジプロピオネートが所属する。
【0116】
過酸化物崩壊性化合物のグループq)には、例えば、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えばラウリルエステル、ステアリルエステル、ミリスチルエステルまたはトリデシルエステル、メルカプトベンズイミゾール、または2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリット−テトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネートが所属する。
【0117】
本発明により使用することができる水性分散液は、ワックス成分と共に、木材または比較可能なリグノセルロース材料を有害な微生物での感染前または破壊前に保護するのに適している1つ以上の作用物質を含有していてもよい。
【0118】
このような有害な微生物の例は、木材変色性真菌類、例えば子嚢菌類、例えばオフィオストマ(Ophiostoma)sp.(例えば、Ophiostoma piceae, Ophiostoma piliferum)、セラトシスティス(Ceratocystis)sp.(例えば、Ceratocystis coerulescens)、アウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)、スキエロフォマ(Scierophoma)sp.(例えば、Scierophoma pityophila);不完全菌類、例えばアスペルギルス(Aspergillus)sp.(例えば、Aspergillus niger)、クラドスポリウム(Cladosporium)sp.(例えば、Cladosporium sphaerospermum)、ペニシリウム(Penicillium)sp.(例えば、Penicillium funiculosum)、トリコデルマ(Trichoderma)sp.(例えば、Trichoderma viride)、アルテルナリア(Alternaria)sp.(例えば、Alternaria alternata)、パエシロミケス(Paecilomyces)sp.(例えば、Paecilomyces variotii);接合菌類、例えばムコル(Mucor)sp.(例えば、Mucor hiemalis);
木材破壊性真菌類:子嚢菌類、例えばカエトミウム(Chaetomium)sp.(例えば、Chaetomium globosum)、フミコラ(Humicola)sp.(例えば、Humicola grisea)、ペトリエラ(Petriella)sp.(例えば、Petriella setifera)、トリクルス(Trichurus)sp.(例えば、Trichurus spiralis);担子菌類、例えばコニオホラ(Coniophora)sp.(例えば、Coniophora puteana)、コリオルス(Coriolus)sp.(例えば、Coriolus versicolor)、グロエオフィルム(Gloeophyllum)sp.(例えば、Gloeophyllum trabeum)、レンチヌス(Lentinus)sp.(例えば、Lentinus lepideus)、プレウロツス(Pleurotus)sp.(例えば、Pleurotus ostreatus)、ポリア(Poria)sp.(例えば、Poria placenta, Poria vaillantii)、セルプラ(Serpula)sp.(例えば、Serpula lacrymans)およびチロミケス(Tyromyces)sp.(例えば、Tyromyces palustris)、および
木材破壊性昆虫類、例えばカミキリムシ類(Cerambyddae)、例えばヒロトルペス バイウルス(Hylotrupes bajulus)、カリジウム ビオラケウム(Callidium violaceum);ヒラタキクイムシ類(Lyctidae)、例えばリクツス リネアリス(Lyctus linearis)、リクツス ブルンネウス(Lyctus brunneus);ナガシンクイムシ類(Bostrichidae)、ジノデルス ミヌトゥス(Dinoderus minutus);シバンムシ類(Anobiidae)、例えばアノビウム プンクタトゥム(Anobium punctatum)、キセストビウム ルフォビロスム(Xestobium rufovillosum);リメキシリダエ(Lymexylidae)、例えばリメキシロン ナバレ(Lymexylon navale);ナガキクイムシ類(Plattypodidae)、例えばプラティプス シリンドゥルス(Platypus cylindrus);オエデメリダエ(Oedemeridae)、例えばナセルダ メラヌラ(Nacerda melanura);蟻類(Formicidae)、例えばカンポノトゥス アブドミナリス(Camponotus abdominalis)、ラシウス フラブス(Lasius flavus)、ラシウス ブルンネウス(Lasius brunneus)、ラシウス フリギノスス(Lasius fuliginosus)である。
【0119】
それに応じて、殺真菌剤の作用を有する作用物質、殺昆虫剤の作用を有する作用物質および殺菌剤の作用を有する作用物質は、殊に次のものが適している:
次のグループからの殺真菌剤:
ジカルボキシミド、例えばイプロジオン、ミクロゾリン、プロシミドン、ビンクロゾリン;
アシルアラニン、例えばベラナキシル、メタラキシル、オフラケ(Ofurace)、オキサジキシル;
アミン誘導体、例えばアルジモルフ、ドジン、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、フェンプロピジン、グアザチン、イミノオクタジン、スピロキサミン、トリデモルフ;
アニリンピリミジン、例えばピリメタニル、メパニピリムまたはシプロジニル;
抗生物質、例えばシクロヘキシミド、グリセオフルビン、カスガマイシン、ナタマイシン、ポリオキシンおよびストレプトマイシン;
アゾール(コナゾール)、例えばアザコナゾール、ビテルタノール、ブロモコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアフォル、ケトコナゾール、ヘキサコナゾール、イマザリル、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロクロラズ、プロチオコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメフォン、トリジメノール、トリフルミゾール、トリチコナゾール;
ジチオカルバメート:フェルバム、ナバム、マネブ、マンコゼブ、メタム、メチラム、プロピネブ、ポリカルバメート、チラム、ジラム、ジネブ;
ヘテロ環式化合物、例えばアニラジン、ベノミル、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、オキシカルボキシン、シアゾファミド、ダゾメト、ジチアノン、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモール、フェブリダゾール、フルトラニル、フラメトピル、イソプロチオラン、メプロニル、ヌアリモール、プロベナゾール、プロキナジド、ピリフェノックス、ピロキノロン、キノキシフェン、シルチオファム、チアベンダゾール、チフルザミド、チロファネートメチル、チアジニル、トリシクラゾール、トリフォリン;
ニトロフェニル誘導体、例えばビナパクリル、ジノカプ、ジノブトン、ニトラフタールイソプロピル;
フェニルピロール、例えばフェンピドニルならびにフルジオキソニル;
2−メトキシベンゾフェノン、例えば欧州特許出願公開第897904号明細書中に一般式Iによって記載されているような2−メトキシベンゾフェノン、例えばメトラフェノン;
分級されていない殺真菌剤、例えばアジルベンゾラール−S−メチル、ベンチアバリカルブ、カプロパミド、クロロタロニル、シモキサニル、ジドメジン、ジドシメト、ジエトフェンカルブ、エジフェンフォス、エタボキサム、フェンヘキサミド、フェンチンアセテート、フェノキサニル、フェリムゾン、フルアジナム、フォセチル、フォセチルアルミナム、イプロバリカルブ、ヘキサクロロベンゾール、メトラフェノン、ペンシクロン、プロパムカルブ、フタリド、トロドフォスメチル、キントゼン、ゾキサミド;
ストロビルリン、例えばWO 03/075663中に一般式Iによって記載されているようなストロビルリン、例えばアゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシムメチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシスルロビン、ピラクロストロビンおよびトリフロキシスルトビン;
スルフェン酸誘導体、例えばカプタフォル、カプタン、ジクロフラニド、フォルペト、トリルフルアニド;
ケイ皮酸アミドおよび類似物、例えばジメトモルフ、フルメトフェル(Flumetover)、フルモルフ;
6−アリール−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、例えばWO 98/46608、WO 99/41255またはWO 03/004465中にそれぞれ一般式Iによって記載されているような6−アリール−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン;
アミド殺真菌剤、例えばシクルフェンアミドならびに(Z)−N−[a−(シクロプロピルメトキシイミノ)−2,3−ジフルオロ−6−(ジフルオロメトキシ)ベンジル]−2−フェニルアセトアミド;
ヨード化合物、例えばジヨードメチル−p−トリルスルホン、3−ヨード−2−プロピニルアルコール、4−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマール、3−ブロム−2,3−ジヨード−3−プロペニルエチルカルボネート、2,3,3−トリヨードアリルアルコール、3−ブロム−2,3−ジヨード−2−プロペニルアルコール、3−ヨード−2−プロピニル−n−ブチルカルバメート、3−ヨード−2−プロピニル−n−ヘキシルカルバメート、3−ヨード−2−プロピニルフェニルカルバメート、Oー1−(6−ヨード−3−オキソヘキシ−5−イニル)ブチルカルバメート、Oー1−(6−ヨード−3−オキソヘキシ−5−イニル)フェニルカルバメート、ノプコシド;
フェノール誘導体、例えばトリブロモフェノール、テトラクロロフェノール、3−メチル−4−クロロフェノール、ジクロロフェン、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、2−ベンジル−4−クロロフェノール;
イソチアゾリノン、例えばN−メチルイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−N−メチルイソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−N−オクチルイソチアゾリン−3−オン、N−オクチルイソチアゾリン−3−オン;
(ベンズ)イソチアゾリノン、例えば1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)オン、4,5−ジメチルイソチアゾール−3−オン、2−オクチル−2H−イソチアゾール−3−オン;
ピリジン、例えば1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン(およびそのNa塩、Fe塩、Mn塩、Zn塩)、テトラクロロ−4−メチルスルホニルピリジン;
金属石鹸、例えばナフテン酸錫、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、錫オクテート、銅オクテート、亜鉛オクテート、錫−2−エチルヘキサノエート、銅−2−エチルヘキサノエート、亜鉛−2−エチルヘキサノエート、錫オレエート、銅オレエート、亜鉛オレエート、錫ホスフェート、銅ホスフェート、亜鉛ホスフェート、錫ベンゾエート、銅ベンゾエート、亜鉛ベンゾエート;
有機錫化合物、例えばトリブチル(TBT)錫化合物、例えばトリブチル錫およびトリブチル(モノナフテノイルオキシ)錫誘導体;
ジアルキルジチオカルバメートおよびジアルキルジチオカルバメートのNa塩およびZn塩、テトラメチルチオラムジスルフィド;
ニトリル、例えば2,4,5,6−テトラクロロイソフタロジニトリル;
ベンゾチアゾール、例えば2−メルカプトベンゾチアゾール;
キノリン、例えば8−ヒドロキシキノリンおよびそのCu塩;
トリスーN−(シクロヘキシルジアゼニウムジオキシ)−アルミニウム、N−(シクロヘキシルジアゼニルムジオキシ)−5−トリブチル錫、ビス−N−(シクロヘキシルジアゼニウムジオキシ)−銅;
3−ベンゾ(b)チエン−2−イル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−オキサチアジン−4−オキシド(ベトキサジン)。
【0120】
次のグループからの殺昆虫剤:
オルガノホスフェート、例えばアジンフォス−メチル、アジンフォス−エチル、クロロピリフォス、クロロピリフォス−メチル、クロロフェンビンフォス、ジアジノン、ジメチルビンフォス、ジオキサベンゾフォス、ジスルホトン、エチオン、EPN、フェニトロチオン、フェンチオン、ヘプテノフォス、イソキサチオン、マラチオン、メチダチオン、メチルパラチオン、パラオキソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメト、ホレート、ホキシム、ピリミホス−メチル、プロペノホス、プロチオホス、プリミホス−エチル、ピラクロフォス、ピリダフェンチオン、スルプロフォス、トリアゾフォス、トリクロロフォン、テトラクロロビンフォス、バミドチオン;
カルバメート、例えばアラニカルブ、ベンフラカルブ、ベンジオカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、イソオドキサカルブ、メチオカルブ、ピリミカルブ、プロポクスル(Propoxur)、チオジカルブ、トリアザメート;
ピレトロイド、例えばビフェントリン、シフルトリン、シクロプロトリン、シペルメトリン、δ−メトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、シハロトリン、λ−シハロトリン、ペルメトリン、シラフルオフェン、τ−フルバリネート、テフルトリン、トラロメトリン、α−シペルメトリン;
節足動物成長調整剤:a)キチン質合成抑制剤、例えばベンゾイル尿素、例えばクロロフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トロフルムロン;ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾックス、エトキサゾール、クロフェンタジン;b)エクジソン拮抗物質、例えばヘロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド;c)ジュベノイド(Juvenoide)、例えばピリプロキシフェン、メトプレン;d)脂質生合成抑制剤、例えばスピロジドフェン;
ネオニコチノイド、例えばフロニカミド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニチアジン、アセラミプリド、チアクロプリド;
更に、分級されていない殺昆虫剤、例えばアバメクチン、アセキノシル、アミトラズ、アザイジラクチン、ビフェナゼート、カルタプ、クロロフェナピル、クロロジメホルム、シリマジン、ジアフェンチウロン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、フェナジキン、ホルメタネート、ホルメタネート塩酸塩、ヒドラメチルノン、インドキサカルブ、ピペロニルブトキシド、ピリダベン、ピメトロジン、スピノサド、チアメトキサム、チオシクラム、ピリダリル、フルアクリプリム、ミルベメクチン、スピロスメシフェン、フルピラゾフォス、NCS 12、フルベンジアミド、ビストリフルロン、ベンクロチアズ、ピラフルプロレ、ピリプロレ、アミドフルメト、フルフェネリン、シフルメトフェン、レピメクチン、プロフルトリン、ジメフルトリンおよびメタフルミゾン;および
殺菌剤:例えば、イソチアゾロン、例えば1,2−ベンズイソチアゾールー3(2H)−オン(BIT)、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物ならびに2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(OIT)、さらにカルベンダジム、クロロトルロン、2,2−ジブロム−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、フルオメツロン、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(IPBC)、イソプロツロン、プロメトリン、プロピコナゾール。
【0121】
ワックス分散液は、作用物質または効果物質を、存在する場合には、溶解された形または分散された形で含有されていてよいか、または特にワックス成分の粒子中に含有されていてよい。
【0122】
ワックス分散液中の作用物質または効果物質の濃度は、公知方法により望ましい使用目的により左右され、典型的には、ワックス成分に対して0.01〜50質量%の範囲内、殊に0.1〜15質量%の範囲内にあるかまたは分散液の全質量に対して0.03〜5質量%の範囲内にある。着色剤の場合には、濃度は、典型的に分散液の質量に対して0.1〜10質量%の範囲内にあり、作用物質の場合には、典型的に分散液の質量に対して0.01〜5質量%の範囲内にあり、UV安定剤の場合には、典型的に分散液の質量に対して0.1〜5質量%の範囲内にあり、および酸化防止剤の場合には、典型的に分散液の質量に対して0.1〜5質量%の範囲内にある。
【0123】
更に、本発明の好ましい実施態様によれば、水性ワックス分散液は、ワックス構成成分および場合によっては作用物質および/または効果物質と共に、付加的に少なくとも1つの架橋可能な化合物を含有し、したがって本発明による方法の工程a)およびb)は、一緒に実施されてよい。
【0124】
架橋可能な化合物の種類、疎水化剤の種類および量、ならびに架橋に使用される触媒を含めて、疎水化剤中に含有されている他の成分に関連して、前記の記載は、殊に優先性については、別記しない限り同様であると言える。
【0125】
水性ワックス分散液中の架橋可能な化合物の濃度は、存在する限り、通常、分散液の全質量に対して5〜30質量%の範囲内、しばしば5〜20質量%の範囲内、殊に10〜20質量%の範囲内にある。分散液が前記アルコールの1つを含有する場合、該アルコールの濃度は、特に1〜10質量%の範囲内、殊に3〜8質量%の範囲内にある。
【0126】
水性分散液が前記の架橋可能な化合物の1つを有する場合には、該水性分散液は、一般に、化合物Vの架橋または反応生成物または前縮合物の架橋を生じる触媒Kを含有する。触媒Kには、通常、水性分散液がリグノセルロース材料の含浸の直前で初めて添加される。水性分散液の全体量に対する触媒の濃度は、通常、0.1〜10質量%の範囲内、殊に0.5〜5質量%の範囲内にある。
【0127】
疎水化剤でのリグノセルロース材料の含浸は、公知方法でそれぞれ使用される疎水化剤により左右される。油性疎水化剤および液状疎水化剤は、特にリューピング法(Ruepingverfahren)またはロイヤル法(Royalverfahren)によりリグノセルロース材料中に導入される。
【0128】
疎水化剤の水性調剤、殊に水性ワックス分散液の場合には、含浸は、このために通常の方法で、例えば浸漬、真空と圧力とを組合せて使用することによって成功するか、または殊に微粒状のリグノセルロース材料の場合には、常用の塗布方法、例えば刷毛塗り、噴霧等によって成功する。勿論、それぞれ使用される含浸法は、含浸すべき材料の寸法に依存する。僅かな寸法を有するリグノセルロース材料、例えば切れ端またはストランドならびに薄手の化粧張り材料、即ち表面積と体積との大きな比を有する材料は、僅かな費用で、例えば浸漬または噴霧によって含浸することができ、これとは異なり、よりいっそう大きな寸法を有するリグノセルロース材料、殊に最少の伸び率(Ausdehnung)が5mmである材料、例えば完全な木材または完全な木材からなる成形部材は、圧力を使用しながら、殊に圧力と真空とを組合せて使用しながら含浸される。公知技術水準とは異なり、高められた温度の使用は、原則的に不要である。好ましくは、含浸は、50℃以下の温度、例えば15〜50℃の範囲内の温度で実施される。
【0129】
浸漬のために、リグノセルロース材料は、場合によっては前乾燥後に、水性ワックス分散液を含有する容器中に浸漬される。浸漬は、特に数秒間〜24時間、殊に1分間〜6時間の時間に亘って行なわれる。温度は、通常、15℃〜50℃の範囲内にある。この場合リグノセルロース材料は、水性ワックス分散液を吸収し、この場合には、水性組成物中の非水性成分(即ち、ワックス、場合によっては作用物質および/または効果物質および場合によっては硬化可能な構成成分)の濃度、温度および処理時間により、リグノセルロース材料によって吸収される、前記構成成分の量は、制御されうる。実際に吸収された、構成成分の量は、当業者によれば、簡単にリグノセルロース材料の質量増加分および水性分散液中の構成成分の濃度により測定および制御することができる。化粧張り材料は、例えば水性含浸組成物中に存在するプレスロール、所謂カレンダーにより前圧縮されうる。更に、リグノセルロース材料における脱応力の際に発生する真空は、水性ワックス分散液の促進された吸収を生じる。
【0130】
ワックス分散液での含浸は、好ましくは減少された圧力と高められた圧力との組み合わされた使用によって行なわれる。このために、一般に1%〜100%の範囲内の湿分を有するリグノセルロース材料は、最初にしばしば10〜500ミリバールの範囲内、殊に40〜100ミリバールの範囲内にある減少された圧力下で、例えば水性組成物中での浸漬によって水性組成物と接触される。持続時間は、通常、1分間〜1時間の範囲内にある。これには、例えば2〜20バールの範囲内、殊に4〜15バール、特に5〜12バールの高められた圧力での段階が続く。この段階の時間は、通常、1分間〜12時間の範囲内にある。温度は、通常、15〜50℃の範囲内にある。この場合、リグノセルロース材料は、水性ワックス分散液を吸収し、この場合には、水性組成物中の非水性成分(即ち、ワックス、場合によっては作用物質および/または効果物質および場合によっては硬化可能な成分)の濃度、温度および処理時間により、リグノセルロース材料によって吸収される、前記成分の量は、制御されうるこの場合、実際に吸収される量は、リグノセルロース材料の質量増加分によって計算されてもよい。
【0131】
更に、含浸は、液体を表面上に施こすための常用の方法、例えば噴霧またはロール塗布、または刷毛塗りによって行なうことができる。このために、好ましくは、50%以下、殊に30%以下、例えば12%〜30%の範囲内の湿分を有する化粧張り材料が使用される。施与は、通常、15〜50℃の範囲内の温度で行なわれる。噴霧は、通常、平面状または微粒状の物体の噴霧に適した全ての装置において、例えばノズル装置および類似物により行なわれうる。刷毛塗りまたはロール塗布の場合には、望ましい量の水性組成物は、ロールまたは刷毛で平面状材料上に塗布される。
【0132】
本発明により使用される水性ワックス分散液が上記したような架橋可能な化合物を含有する場合、含浸には、乾燥工程および場合によっては硬化工程を高められた温度で続けることができる。しかし、原則的には、含浸には直接に、含浸された材料の後加工を続けてもよい。これは、殊に含浸されたリグノセルロース材料が成形部材、例えばOSB(oriented structural board配向構造板)板、パーティクルボード、スライスドボード(Wafer-Boards)、OSL板およびOSL成形部材(Oriented-Strand-Lumber配向ストランドランバー)、PSL板およびPSL成形部材(Paralle-Strand-Lumber平行ストランドランバー)、緩衝板、中密度(MDF)および高密度(HDF)繊維板、木材プラスチック複合材(WPC)および類似物への接着で後加工される微粒状材料であるか、或いは化粧張り材料に後加工される化粧張りである場合に提供される。
【0133】
硬化工程を実施する場合には、この硬化工程は、含浸された材料を少なくとも80℃、殊に90℃を上廻る、例えば90〜220℃の範囲内、殊に100〜200℃の範囲内の温度に加熱することによって行なわれる。場合によっては、先に別の乾燥工程が実施されてもよい。この場合、水性組成物の揮発性成分、殊に水および尿素化合物の硬化/架橋で反応しない過剰の有機溶剤は、部分的または完全に除去される。前乾燥は、リグノセルロース材料の種類に応じて約30質量%である繊維飽和点でリグノセルロース材料が乾燥されることを意味する。この前乾燥は、大型の物体、殊に完全な木材の場合には亀裂形成の危険に対抗するものである。小型の材料または化粧張り材料の場合には、前乾燥は、一般に省略される。しかし、大きな寸法を有する材料の場合には、前乾燥は、有利である。別の前乾燥が実施される場合には、この前乾燥は、有利に20〜80℃の範囲内の温度で行なわれる。前記組成物中に含有されている硬化可能な成分の部分的または完全な硬化/架橋は、選択された乾燥温度に依存して行なうことができる。含浸された材料の組み合わされた前乾燥/硬化は、通常、50℃〜220℃、殊に80〜200℃に達しうる温度プロフィールを当てはめることによって行なわれる。
【0134】
しかし、乾燥および硬化は、しばしば1つの工程で実施される。硬化/乾燥は、常用の吸気−排気系中で実施されることができる。特に、前乾燥は、含浸されたリグノセルロース材料の湿分含量が前乾燥後に乾燥材料に対して30%以下、殊に20%以下であるように行なわれる。乾燥/硬化が乾燥質量に対して10%未満、殊に5%未満までの湿分含量を生じることは、利点である。湿分含量は、温度、時間および前乾燥時に選択された圧力によって簡単に制御されることができる。
【0135】
本発明により処理されたリグノセルロース材料は、既に調製された最終製品が重要でない場合には、公知方法で後加工されてよく、微粒状の材料の場合には、例えば成形体、例えばOSB(oriented structural board配向構造板)板、パーティクルボード、スライスドボード(Wafer-Boards)、OSL板およびOSL成形部材(Oriented-Strand-Lumber配向ストランドランバー)、PSL板およびPSL成形部材(Paralle-Strand-Lumber平行ストランドランバー)、緩衝板、中密度(MDF)および高密度(HDF)繊維板、木材プラスチック複合材(WPC)および類似物に後加工されてよく、化粧張りの場合には、化粧張り材料、例えば化粧張りされたOSL板およびPSL板(orientedまたはparallel Strand Lumber)、合板、積層材、圧縮木材、化粧張り層木材(例えば、Kerto-Schichtholz)、多層板、積層化粧張り材料(Laminated Veneer Lumber LVL)、装飾化粧張り材料、例えば被覆化粧板、天井化粧板および平戸間用化粧板(Fertig parkett- Paneele)を含めて化粧張りされた繊維板、化粧張りされた家具用板、化粧張りされたパーティクルボード、しかも、平面状でない三次元に形成された構造部材、例えば圧縮木材成形部材、合板成形部材および少なくとも1つの化粧張り層で被覆された別の任意の成形部材に後加工されてよい。後加工;排紙装置、疎水化剤での含浸に直接続けて行なうことができるか、または硬化が疎水化剤での処理に続いて行なわれる場合には、硬化中に行なうことができるかまたは硬化に続けて行なうことができる。含浸された化粧張り材料の場合には、好ましくは、後加工は、硬化工程前に実施されるかまたは硬化工程と一緒に実施される。微粒状の材料からの成形体の場合には、包括的に成形工程と硬化工程とは、同時に実施される。
【0136】
本発明により得られたリグノセルロース材料が完全な木材または調製された木材材料である場合には、これら木材または木材材料は、疎水化前または疎水化後に通常の方法で、例えば鋸引き、鉋掛け、研磨、被覆等によって加工されてよい。本発明によれば、含浸されかつ硬化された完全な木材は、例えば建築用木材、角材、木材からの建築部材、木製バルコニー、屋根用こけら板、垣根、木製マスト、線路の枕木、造船における内装および甲板建造のために、湿分および殊に気候の影響に晒される物体の製造に適している。
【0137】
次の実施例は、本発明の説明に使用されるが、これに限定されるものではない。
【0138】
実施例1:架橋剤を有する着色されたワックス分散液での圧縮なしの含浸
スーダンブルー670で着色されたモンタンワックス/乳化剤混合物21.7質量部(ワックスの融点約78〜83℃、ワックスに対して染料1質量%、乳化剤としてのアルキルエトキシレート)を95℃で水78.3質量部中に乳化することによってワックス分散液を製造した。こうして得られたワックス分散液50質量部にN,N−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ビスヒドロキシイミダゾリン−2−オン(BASF社のFixapret CP)の濃縮された水性組成物30質量部、MgCl2×62O1.5質量部および水17.5質量部を添加した。
【0139】
試験すべき立方体形松材の前面を含浸前に2Kラッカーで封止し、乾燥箱中で103℃で16時間貯蔵し、引続き乾燥器中で乾燥剤上で冷却し、試験前に立方体形木材の質量および寸法を測定した。
【0140】
気密の容器中でそれぞれこうして準備された立方体形木材に重しを掛け、上記のワックス乳濁液中に浸漬した。引続き、10分間で圧力を60ミリバール絶対に減少させ、引続き真空を1時間維持した。次に、常圧に放圧し、立方体形木材をさらに4時間ワックス乳濁液中に放置した。湿った木材片を焼けた管内に入れた。この管を閉鎖し、小さな孔を設け、引続き120℃で36時間、乾燥箱中に貯蔵した。引続き、立方体形木材を乾燥器中で乾燥剤上で冷却し、再度、質量および寸法を測定した。質量の変化は、15.6%であった。寸法の変化は、幅については0.8%であり、高さについては、0.1%であった。立方体形木材の鋸引きの際に、この立方体形木材内部への青色染料の明らかな侵入が示された。
【0141】
例2:圧縮下での含浸
実施例1に記載のワックス分散液を試験をした。木材小片の準備は、実施例1の記載と同様に行なった。
【0142】
気密の容器中で準備された立方体形松材に重しを掛け、上記のワックス乳濁液中に浸漬した。引続き、10分間で圧力を60ミリバール絶対に減少させ、引続き真空を1時間維持した。次に、常圧に放圧し、試験すべき木材片およびワックス乳濁液をオートクレーブ中に移し、6バールの絶対圧力で1時間貯蔵した。引続き、放圧し、立方体形木材をさらに4時間ワックス乳濁液中に放置した。湿った木材片を焼けた管内に入れた。この管を閉鎖し、小さな孔を設け、引続き120℃で36時間、乾燥箱中に貯蔵した。引続き、立方体形木材を乾燥器中で乾燥剤上で冷却し、再度、質量および寸法を測定した。質量の変化は、17%であった。寸法の変化は、幅については1.2%であり、高さについては、0%であった。立方体形木材の鋸引きの際に、この立方体形木材内部への青色染料の強い侵入が示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リグノセルロース材料を疎水化剤で含浸することによってリグノセルロース材料を疎水化する方法において、このリグノセルロース材料を、疎水化前または疎水化中に、
α)式CH2OR〔式中、Rは水素またはC1〜C4アルキルを表わす〕で示される少なくとも2個のN結合基および/または2個の窒素原子を架橋する1,2−ビスヒドロキシエタン−1,2−ジイル基を有する低分子量化合物V、
β)化合物Vの前縮合物および
γ)化合物Vと、C1〜C6アルカノール、C2〜C6ポリオールおよびオリゴ−C2〜C4−アルキレングリコールから選択される少なくとも1つのアルコールとの反応生成物または混合物から選択される少なくとも1つの架橋可能な化合物を含有する硬化可能な水性組成物で含浸することを特徴とする、リグノセルロース材料を疎水化剤で含浸することによってリグノセルロース材料を疎水化する方法。
【請求項2】
疎水化剤は、少なくとも1つのワックスまたはワックス様ポリマーを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
疎水化剤は、ワックスまたはワックス様ポリマーの水性分散液である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
請求項1、2または3記載の分散液において、ワックス成分の粒子が、少なくとも75℃の融点を有することを特徴とする、請求項1、2または3記載の分散液。
【請求項5】
請求項3または4記載の分散液において、分散されたワックス成分の粒子が500nm未満の平均粒度を有することを特徴とする、請求項3または4記載の分散液。
【請求項6】
架橋可能な化合物が1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン、C1〜C6−アルカノール、C2〜C6−ポリオールおよび/またはオリゴアルキレングリコールで変性されている1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)尿素、1,3−ビス(メトキシメチル)尿素、1−ヒドロキシメチル−3−メチル尿素、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾリジン−2−オン(ジメチロールエチレン尿素)、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−ヘキサヒドロピリミジン−2−オン(ジメチロールプロピレン尿素)、1,3−ビス(メトキシメチル)−4,5−ジヒドロキシイミダゾリジン−2−オン(DMeDHEU)、テトラ(ヒドロキシメチル)アセチレンジ尿素、低分子量メラミン−ホルムアルデヒド樹脂およびC1〜C6−アルカノール、C2〜C6−ポリオールおよび/またはオリゴアルキレングリコールで変性されている低分子量メラミン−ホルムアルデヒド樹脂(変性されたMF樹脂)から選択される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
硬化可能な水性組成物中の架橋可能な化合物の濃度は、組成物の全質量に対して1〜60質量%の範囲内にある、請求項1から3までのいずれか1項または請求項6に記載の方法。
【請求項8】
水性組成物は、付加的に架橋可能な化合物の硬化を生じる触媒を含有する、請求項1から3までのいずれか1項、または請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
付加的に高められた温度での架橋可能な化合物の硬化を含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
疎水化を硬化に続けて実施する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
疎水化および硬化可能な化合物の水性組成物での含浸を同時に行なう、請求項1から3までのいずれか1項、または請求項6から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
水性組成物は、疎水化剤を分散された形で含有する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
含浸を減少された圧力および高められた圧力の連続した使用によって行なう、請求項12記載の方法。
【請求項14】
含浸を50℃未満の温度で行なう、請求項1から3までのいずれか1項、および請求項6から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
リグノセルロース材料が木材または木材材料である、請求項1から3までのいずれか1項、および請求項6から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
請求項1から3までのいずれか1項、および請求項6から15までのいずれか1項に記載の方法によって得ることができるリグノセルロース材料。
【請求項17】
a)水相中に分散された少なくとも1つの疎水化剤および
b)
α)式CH2OR〔式中、Rは水素またはC1〜C4アルキルを表わす〕で示される少なくとも2個のN結合基および/または2個の窒素原子を架橋する1,2−ビスヒドロキシエタン−1,2−ジイル基を有する低分子量化合物V、
β)化合物Vの前縮合物および
γ)化合物Vと、C1〜C6アルカノール、C2〜C6ポリオールおよびオリゴ−C2〜C4−アルキレングリコールから選択される少なくとも1つのアルコールとの反応生成物または混合物から選択された少なくとも1つの架橋可能な化合物を含む水性組成物。
【請求項18】
水相中に分散された疎水化剤がワックスまたはワックス様ポリマーである、請求項17記載の分散液。
【請求項19】
疎水化剤の粒子が少なくとも75℃の融点を有する、請求項18記載の分散液。
【請求項20】
分散された疎水化剤の粒子が500nm未満の平均粒度を有する、請求項17から19までのいずれか1項に記載の分散液。
【請求項21】
水性組成物が疎水化剤を水性組成物の全体量に対して5〜40質量%の量で含有する、請求項17から20までのいずれか1項に記載の分散液。

【公表番号】特表2008−540158(P2008−540158A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509349(P2008−509349)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【国際出願番号】PCT/EP2006/004016
【国際公開番号】WO2006/117160
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】