説明

リジェネバーナ燃焼制御方法

【課題】リジェネバーナの燃焼を効率的に行うことのできる制御方法を提供する。
【解決手段】リジェネバーナが、少なくとも二組備え付けられた金属または非鉄金属の加熱炉や熱処理炉等の炉において、二組のリジェネバーナの燃焼を制御する方法であって、同時に二組のリジェネバーナを燃焼させて炉内を所定温度以上に加熱した後、炉内を所定温度に保つために、同時に二組のリジェネバーナを燃焼させながら、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一律に徐々に減少させるターンダウンを行い、各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ50%まで上昇させるとともに、一組のリジェネバーナのみを交互に燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属または非鉄金属の加熱炉や熱処理炉等の炉に備え付けられるリジェネバーナの燃焼を制御する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属や非鉄金属用の多くの加熱炉や熱処理炉等には、リジェネバーナが備え付けられている。このリジェネバーナは、対向して設けられた一対のバーナを交互に燃焼させ、一方のバーナの燃焼で発生した高温の廃熱(排気熱)を、他方のバーナの蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナを燃焼させる際に利用するもので、熱効率が高く、省エネルギーに貢献するといった利点を持つ。
【0003】
こうしたリジェネバーナの燃焼を制御する方法としては、いわゆる、「オン・オフ時間比例連続制御」(例えば、特許文献1参照)や「連続切り替え燃焼によるカスケード制御」がある。
【特許文献1】特開2004−271130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、オン・オフ時間比例連続制御は、バーナの着火本数が増加および減少するタイミングが頻繁であり、切り替え時の炉圧や炉内酸素量のハンチングが発生し、燃焼が安定しないといった問題がある。
【0005】
これに対し、カスケード制御は、上記の問題が発生しない点では優れている。
しかし、バーナを連続燃焼させるには炉内を所定温度に保つために、各バーナの燃焼量をターンダウン(減少あるいは下降)させる必要があるが、このターンダウンによって各バーナの燃焼量が1/4(25%)未満まで低下すると、バーナ特性や配管特性により、燃焼状態が不安定となる。これにより、酸素量が増えると共に、未燃ガスも増加し、効率的な燃焼が行われないといった深刻な問題が発生する。
【0006】
そこで、本発明の目的とするところは、リジェネバーナの燃焼を効率的に行うことのできる制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のリジェネバーナ燃焼制御方法は、一対のバーナを交互に燃焼させ、一方のバーナの燃焼によって得た廃熱を他方のバーナの蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナを燃焼させる際に使用するリジェネバーナが、少なくとも二組備え付けられた金属または非鉄金属の加熱炉や熱処理炉等の炉において、前記二組のリジェネバーナの燃焼を制御する方法であって、
同時に二組のリジェネバーナを燃焼させて炉内を所定温度以上に加熱した後、炉内を所定温度に保つために、同時に二組のリジェネバーナを燃焼させながら、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一律に徐々に減少させるターンダウンを行い、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ50%まで上昇させるとともに、一組のリジェネバーナのみを交互に燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載のリジェネバーナ燃焼制御方法は、一対のバーナを交互に燃焼させ、一方のバーナの燃焼によって得た廃熱を他方のバーナの蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナを燃焼させる際に使用するリジェネバーナが、少なくとも三組備え付けられた金属または非鉄金属の加熱炉や熱処理炉等の炉において、前記三組のリジェネバーナの燃焼を制御する方法であって、
同時に三組のリジェネバーナを燃焼させて炉内を所定温度以上に加熱した後、炉内を所定温度に保つために、同時に三組のリジェネバーナを燃焼させながら、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一律に徐々に減少させるターンダウンを行い、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ37.5%まで上昇させるとともに、二組のリジェネバーナを順次、燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせ、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ50%まで上昇させるとともに、一組のリジェネバーナのみを順次、燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせることを特徴とする。
【0009】
さらに、請求項3に記載のリジェネバーナ燃焼制御方法は、一対のバーナを交互に燃焼させ、一方のバーナの燃焼によって得た廃熱を他方のバーナの蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナを燃焼させる際に使用するリジェネバーナが、少なくとも四組備え付けられた金属または非鉄金属の加熱炉や熱処理炉等の炉において、前記四組のリジェネバーナの燃焼を制御する方法であって、
同時に四組のリジェネバーナを燃焼させて炉内を所定温度以上に加熱した後、炉内を所定温度に保つために、同時に四組のリジェネバーナを燃焼させながら、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一律に徐々に減少させるターンダウンを行い、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ33.33%まで上昇させるとともに、三組のリジェネバーナを順次、燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせ、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ37.5%まで上昇させるとともに、二組のリジェネバーナを順次、燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせ、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ50%まで上昇させるとともに、一組のリジェネバーナのみを順次、燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載のリジェネバーナ燃焼制御方法は、一対のバーナを交互に燃焼させ、一方のバーナの燃焼によって得た廃熱を他方のバーナの蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナを燃焼させる際に使用するリジェネバーナが、少なくとも四組備え付けられた金属または非鉄金属の加熱炉や熱処理炉等の炉において、前記四組のリジェネバーナの燃焼を制御する方法であって、
同時に四組のリジェネバーナを燃焼させて炉内を所定温度以上に加熱した後、炉内を所定温度に保つために、同時に四組のリジェネバーナを燃焼させながら、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一律に徐々に減少させるターンダウンを行い、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%以上、好ましくは50%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ33.33%以上、好ましくは66.66%まで上昇させるとともに、三組のリジェネバーナを順次、燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%以上、好ましくは50%になるまでターンダウンさせ、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%以上、好ましくは50%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ37.5%以上、好ましくし75%まで上昇させるとともに、二組のリジェネバーナを順次、燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%以上、好ましくは50%になるまでターンダウンさせ、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%以上、好ましくは50%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ50%以上、好ましくは100%まで上昇させるとともに、一組のリジェネバーナのみを順次、燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載のリジェネバーナ燃焼制御方法は、前記一組のリジェネバーナのみを交互に燃焼させたとき、ターンダウンにより各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に記載のリジェネバーナ燃焼制御方法によれば、二組のリジェネバーナの燃焼を制御する場合において、各組のリジェネバーナを、常に、25%以上の燃焼量で燃焼させるので、燃焼状態を安定させることができる。
これにより、炉内の酸素量と未燃ガスの増加を防止し、効率的な燃焼を行わせることができる。
【0013】
なお、同時に一組のリジェネバーナのみを交互に燃焼させる際に、各組のリジェネバーナの燃焼を25%から50%に上昇させるので、同時に二組のリジェネバーナを25%の燃焼量で燃焼させていた際と同一の燃焼量を保つことができる(25%×2組=50%×1組)。
これにより、炉内の温度が急激に低下して所定温度を下回ってしまうといった事態を防止することができる。
【0014】
また、請求項2に記載のリジェネバーナ燃焼制御方法によれば、三組のリジェネバーナの燃焼を制御する場合において、各組のリジェネバーナを、常に、25%以上の燃焼量で燃焼させるので、燃焼状態を安定させることができる。これにより、炉内の酸素量と未燃ガスの増加を防止し、効率的な燃焼を行わせることができる。
なお、同時に二組のリジェネバーナを順次、燃焼させる際に、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%から37.5%に上昇させるので、同時に三組のリジェネバーナを25%の燃焼量で燃焼させていた際と同一の燃焼量を確保することができる(25%×3組=37.5%×2組)。従って、炉内の温度が急激に低下するのを防止することができる。
また、同時に一組のリジェネバーナを順次、燃焼させる際に、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%から50%に上昇させるので、同時に二組のリジェネバーナを25%の燃焼量で燃焼させたいた際の同一の燃焼量を確保することができる(25%×2組=50%×1組)。これにより、炉内の温度が所定温度以下まで急激に低下してしまうといった事態を未然に防止することができる。
【0015】
また、請求項3に記載のリジェネバーナ燃焼制御方法によれば、四組のリジェネバーナの燃焼を制御する場合において、各組のリジェネバーナを、常に、25%以上の燃焼量で燃焼させるので、燃焼状態を安定させることができる。これにより、炉内の酸素量と未燃ガスの増加を防止し、効率的な燃焼を行わせることができる。
なお、同時に三組のリジェネバーナを順次、燃焼させる際に、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%から33.33%に上昇させるので、同時に四組のリジェネバーナを25%の燃焼量で燃焼させていた際と同一の燃焼量を確保することができる(25%×4組=33.33%×3組)。これにより、炉内の温度が急激に低下するのを防止することができる。
また、同時に二組のリジェネバーナを燃焼させる際に、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%から37.5%に上昇させるので、同時に三組のリジェネバーナを25%の燃焼量で燃焼させていた際と同一の燃焼量を確保することができ(25%×3組=37.5%×2組)、同様に、炉内の温度の急激な低下を防止することができる。
さらに、同時に一組のリジェネバーナを順次、燃焼させる際に、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%から50%に上昇させるので、同時に二組のリジェネバーナを25%の燃焼量で燃焼させたいた際の同一の燃焼量を確保することができ(25%×2組=50%×1組)、炉内の温度が所定温度以下まで急激に低下してしまうといった事態を未然に防止することができる。
【0016】
請求項4に記載のリジェネバーナ燃焼制御方法によれば、四組のリジェネバーナの燃焼を制御する場合において、各組のリジェネバーナを、常に、25%以上(好ましくは50%)の燃焼量で燃焼させるので、燃焼状態を安定させることができる。
これにより、炉内の酸素量と未燃ガスの増加を防止し、効率的な燃焼を行わせることができる。
なお、同時に三組のリジェネバーナを順次、燃焼させる際に、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%(好ましくは50%)から33.33%(好ましくは66.66%)に上昇させるので、炉内の温度が急激に低下するのを防止することができる。
また、同時に二組のリジェネバーナを燃焼させる際に、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%(好ましくは50%)から37.5%(好ましくは75%)に上昇させるので、同様に、炉内の温度の急激な低下を防止することができる。
さらに、同時に一組のリジェネバーナを順次、燃焼させる際に、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%(好ましくは50%)から50%(好ましくは100%)に上昇させるので、炉内の温度が所定温度以下まで急激に低下してしまうといった事態を未然に防止することができる。
【0017】
また請求項5に記載のリジェネバーナ燃焼制御方法によれば、一組のリジェネバーナのみを交互に燃焼させたとき、ターンダウンにより各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼を停止するので、炉内の酸素量と未燃ガスの増加を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第一実施形態)
図1乃至図3を参照して、本発明の第一実施形態に係るリジェネバーナ燃焼制御方法について説明する。
図1は、二組のリジェネバーナ(1組バーナ1と2組バーナ2)を備えた、金属用(または非鉄金属用)の加熱炉等の炉Fを示す概略平面断面図である。図2は、リジェネバーナの燃焼量を示すグラフであり、図3は、同時に燃焼させるリジェネバーナの数(組)を示す表である。
【0019】
1組バーナ1は、対向する一対の第一バーナ1−1と第二バーナ1−2で構成され、2組バーナ2も、同様に、第一バーナ2−1と第二バーナ2−2で構成される。なお、図1において、符号Cは制御装置(CPU)を示し、符号Vはバルブを示す。
リジェネバーナは、1組バーナ1において、一対のバーナ1−1,1−2を交互に燃焼させ、一方のバーナ1−1の燃焼によって得た廃熱を他方のバーナ1−2の蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナ1−2を燃焼させる際に使用し、また、2組バーナ2において、一対のバーナ2−1,2−2を交互に燃焼させ、一方のバーナ2−1の燃焼によって得た廃熱を他方のバーナ2−2の蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナ2−2を燃焼させる際に使用する。
【0020】
本実施形態に係るリジェネバーナ燃焼制御方法は、二組のリジェネバーナ(1組バーナ1と2組バーナ2)を設けた場合におけるものであり、炉内を所定温度(例えば、1200℃)に保つために、まず、同時に、二組のバーナを燃焼させて、炉内を所定温度以上に加熱する。
次に、炉内を所定温度(例えば、1200℃)に保つため、同時に二組のリジェネバーナを燃焼させながら、各組のバーナの燃焼量をそれぞれ一律に徐々に減少させるといったいわゆるターンダウンを行う。
【0021】
また、このときに同時に燃焼させるバーナの数(組)を、図3の上段に示す。本実施形態では、1組バーナ1の第一バーナ1−1と第二バーナ1−2を、交互に60秒ずつ燃焼させると共に、2組バーナ2の第一バーナ2−1と第二バーナ2−2も交互に60秒ずつ燃焼させ、各組のバーナの燃焼開始タイミングを30秒ずらしている。これにより、同時に、1組バーナ1と2組バーナ2が、途切れることなく連続的に燃焼するように設定している。
【0022】
その後、各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一気に50%まで上昇させるとともに、一組のリジェネバーナのみを交互に、すなわち、1組バーナ1および2組バーナ2をそれぞれ交互に燃焼させる。
【0023】
このときの燃焼量を、図2に、「25% 2本バーナの1/4」として示す。ここで、「25%」は、同時に燃焼させる二組のバーナの燃焼量が、最大燃焼量(100%×2組=200%)の25%であることを示す。従って、1組バーナ1と2組バーナ2の燃焼量は、それぞれ25%である(25%×2÷200%)。
なお、「2本バーナの1/4」とは、二組のバーナを同時に燃焼させ、各組のバーナの燃焼量がそれぞれ25%(1/4)であることを意味する(すなわち、二組のバーナの燃焼量(50%)が、最大燃焼量(200%)の1/4であることを意味する)。
【0024】
また、この際、同時に燃焼させるバーナの数(組)を、図3の下段に示す。本実施形態では、各組のバーナを、30秒の非燃焼時間を空けて、30秒燃焼させることによって、同時に、かつ連続的に、一組のバーナのみが燃焼するように設定している。
【0025】
そして、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせる。
各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のバーナは、燃焼量が25%未満での状態では燃焼させず、停止させる。25%未満では、効率的な燃焼状態を維持することができないからである。
【0026】
このときの燃焼量を、図2に、「12.5% 1本バーナの1/4」として示す。ここにおける1組バーナ1および2組バーナ2の燃焼量もそれぞれ25%である(200%×12.5%÷1組)。なお、「1本バーナの1/4」とは、二組のバーナを一組ずつ交互に燃焼させ、各組のバーナの燃焼量が共に25%(1/4)であることを意味する。
【0027】
このように1組バーナ1と2組バーナ2の燃焼を制御することによって、所定温度以上まで加熱した炉内を徐々に所定温度まで戻し、その状態を維持することができる。
【0028】
本実施形態に係るリジェネバーナ燃焼制御方法は、二組のバーナ(1組バーナ1および2組バーナ2)のそれぞれを、常に、25%以上の燃焼量で燃焼させるので、燃焼状態を安定させることができる。
これにより、炉内の酸素量と未燃ガスの増加を防止し、効率的な燃焼を行わせることができる。
【0029】
また、同時に一組のバーナのみを交互に燃焼させる際に、各組のバーナの燃焼量を25%から50%に上昇させるので、同時に二組のバーナを25%の燃焼量で燃焼させていた際と同一の燃焼量を確保することができる。
これにより、炉内の温度が急激に低下して所定温度を下回ってしまうといった事態を防止することができる。
【0030】
(第二実施形態)
次に、図4乃至図6を参照して、本発明の第二実施形態に係るリジェネバーナ燃焼制御方法に説明する。
図4は、三組のリジェネバーナ(1組バーナ1、2組バーナ2、3組バーナ3)を備え付けた炉Fを示す概略平面断面図である。図5は、リジェネバーナの燃焼量を示すグラフであり、図6は、同時に燃焼させるリジェネバーナの数(組)を示す表である。
【0031】
1組バーナ1は対向する一対の第一バーナ1−1と第二バーナ1−2で構成され、2組バーナ2は第一バーナ2−1と第二バーナ2−2で、そして、三組バーナは第一バーナ3−1と第二バーナ3−2で構成される。なお、図4において、符号Cは制御装置(CPU)を示し、符号Vはバルブを示す。
リジェネバーナは、1組バーナ1において、一対のバーナ1−1,1−2を交互に燃焼させ、一方のバーナ1−1の燃焼によって得た廃熱を他方のバーナ1−2の蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナ1−2を燃焼させる際に使用し、また、2組バーナ2において、一対のバーナ2−1,2−2を交互に燃焼させ、一方のバーナ2−1の燃焼によって得た廃熱を他方のバーナ2−2の蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナ2−2を燃焼させる際に使用し、また、3組バーナ3において、一対のバーナ3−1,3−2を交互に燃焼させ、一方のバーナ3−1の燃焼によって得た廃熱を他方のバーナ3−2の蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナ3−2を燃焼させる際に使用する。
【0032】
これは、金属(または非鉄金属)の加熱炉や熱処理炉等の炉Fに備え付けられた三組のリジェネバーナ(1組バーナ1、2組バーナ2および3組バーナ3)の燃焼を制御する方法であり、同時にこれら三組のバーナを燃焼させて、炉内を所定温度以上に加熱した後、所定温度に保つために、同時に三組のバーナを燃焼させながら、各組のバーナの燃焼量をターンダウンさせる。
【0033】
また、この際、同時に燃焼させるバーナの数(組)を、図6の上段に示す。本実施形態では、1組バーナ1の第一バーナ1−1および第二バーナ1−2と、2組バーナ2の第一バーナ2−1および第二バーナ2−2と、3組バーナの第一バーナ3−1および第二バーナ3−2を、それぞれ、交互に60秒ずつ燃焼させている。そして、各組のバーナの燃焼開始タイミングを20秒づつ、ずらすことによって、同時に、かつ連続的に、1組バーナ1と2組バーナ2と3組バーナ3が燃焼するように設定している。
【0034】
その後、各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一気に37.5%まで上昇させるとともに、二組のリジェネバーナを順次、すなわち、1組バーナ1,2組バーナ,3組バーナのうちから二組のバーナを順次、燃焼させる。
【0035】
このときの燃焼量を、図5に、「25% 3本バーナの1/4」として示す。ここで、「25%」は、同時に燃焼させる三組のバーナの燃焼量が、最大燃焼量(100%×3組=300%)の25%であることを示す。従って、各組のバーナの燃焼量はそれぞれ25%である(25%×3÷300%=25%)。
なお、「3本バーナの1/4」とは、三組のバーナを同時に燃焼させ、各組のバーナの燃焼量がそれぞれ25%(1/4)であることを意味する。
【0036】
また、その際、同時に燃焼させるバーナの数(組)を、図6の中段に示す。ここでは、各組のバーナを20秒の非燃焼時間を空けて40秒ずつ燃焼させることによって、同時に、かつ連続的に、二組のバーナを燃焼させている。
【0037】
そして、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせる。
【0038】
その後、各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一気に50%まで上昇させるとともに、一組のリジェネバーナのみを順次、すなわち、1組バーナ1,2組バーナ,3組バーナのうちから一組のバーナを順次、燃焼させる。
【0039】
このときの燃焼量を、図5に、「16.66% 2本バーナの1/4」として示す。ここでも、各組のバーナの燃焼量はそれぞれ25%である(300%×16.66%÷2組)。
【0040】
また、この際、同時に燃焼させるバーナの数(組)を、図6の下段に示す。ここでは、各組のバーナを、40秒の非燃焼時間を空けて20秒ずつ燃焼させることによって、同時に、かつ連続的に、一組のバーナのみが燃焼するようにしている。
【0041】
そして、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせる。
各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のバーナは、燃焼量が25%未満での状態では燃焼させず、停止させる。25%未満では、効率的な燃焼状態を維持することができないからである。
【0042】
このときの燃焼量を、図5に「8.33% 1本バーナの1/4」として示す。このときの各組のバーナの燃焼量も、25%である(300%×8.33%÷1組)。
【0043】
このように1組バーナ1,2組バーナ2,3組バーナ3の燃焼を制御することによって、所定温度以上まで加熱した炉内を徐々に所定温度まで戻し、その状態を維持することができる。
【0044】
本実施形態に係るリジェネバーナ燃焼制御方法は、各組のリジェネバーナを、常に、25%以上の燃焼量で燃焼させるので、燃焼状態を安定させることができる。これにより、炉内の酸素量と未燃ガスの増加を防止し、効率的な燃焼を行わせることができる。
【0045】
また、同時に二組のバーナを燃焼させる際に、各組のバーナの燃焼量を25%から37.5%に上昇させるので、同時に三組のバーナを25%の燃焼量で燃焼させていた際と同一の燃焼量を確保することができる。従って、炉内の温度が急激に低下するのを防止することができる。
さらに、同時に一組のバーナのみを順次、燃焼させる際に、各組のバーナの燃焼量を25%から50%に上昇させるので、同様に、炉内の温度が所定温度以下まで急激に低下してしまうといった事態を未然に防止することができる。
【0046】
(第三実施形態)
次に、図7乃至図9を参照して、本発明の第三実施形態に係るリジェネバーナ燃焼制御方法について説明する。
図7は、四組のリジェネバーナ(1組バーナ1、2組バーナ2、3組バーナ3、4組バーナ4)を備え付けた炉(加熱炉や熱処理炉)Fを示す平面図である。図8は、リジェネバーナの燃焼量を示すグラフであり、図9は、同時に燃焼させるリジェネバーナの数(組)を示す表である。
【0047】
1組バーナ1は対向する一対の第一バーナ1−1と第二バーナ1−2で構成され、2組バーナ2は第一バーナ2−1と第二バーナ2−2で、三組バーナは第一バーナ3−1と第二バーナ3−2で、そして第四組バーナは第一バーナ4−1と第二バーナ4−2で、それぞれ構成される。なお、図7において、符号Cは制御装置(CPU)を示し、符号Vはバルブを示す。
リジェネバーナは、1組バーナ1において、一対のバーナ1−1,1−2を交互に燃焼させ、一方のバーナ1−1の燃焼によって得た廃熱を他方のバーナ1−2の蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナ1−2を燃焼させる際に使用し、また、2組バーナ2において、一対のバーナ2−1,2−2を交互に燃焼させ、一方のバーナ2−1の燃焼によって得た廃熱を他方のバーナ2−2の蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナ2−2を燃焼させる際に使用し、また、3組バーナ3において、一対のバーナ3−1,3−2を交互に燃焼させ、一方のバーナ3−1の燃焼によって得た廃熱を他方のバーナ3−2の蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナ3−2を燃焼させる際に使用し、また、4組バーナ4において、一対のバーナ4−1,4−2を交互に燃焼させ、一方のバーナ4−1の燃焼によって得た廃熱を他方のバーナ4−2の蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナ4−2を燃焼させる際に使用する。
【0048】
これは、金属(または非鉄金属)の加熱炉や熱処理炉等の炉Fに備え付けられる四組のバーナ(1組バーナ1、2組バーナ2、3組バーナ3および4組バーナ4)の燃焼を制御する方法であり、四組のバーナを同時に燃焼させて炉内を所定温度以上に加熱した後、所定温度に保つために、まず、同時に四組のバーナを燃焼させながら、各組のバーナの燃焼量をターンダウンさせる。
【0049】
また、この際、同時に燃焼させるバーナの数(組)を、図9の第一段に示す。本実施形態では、1組バーナ1の第一バーナ1−1および第二バーナ1−2と、2組バーナ2の第一バーナ2−1および第二バーナ2−2と、3組バーナの第一バーナ3−1および第二バーナ3−2と、4組バーナ4の第一バーナ4−1および第二バーナ4−2を、それぞれ、交互に60秒ずつ燃焼させている。そして、各組のバーナの燃焼開始タイミングを15秒づつ、ずらすことによって、同時に、かつ連続的に、1組バーナ1と2組バーナ2と3組バーナ3と4組バーナ4が燃焼するように設定している。
【0050】
その後、各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一気に33.33%まで上昇させるとともに、三組のリジェネバーナを順次、すなわち、1組バーナ1,2組バーナ,3組バーナ,4組バーナのうちから三組のバーナを順次、燃焼させる。
【0051】
このときの燃焼量を図8に、「25% 4本バーナの1/4」として示す。この際、四組のバーナの燃焼量は「25%」であり、従って、各組のバーナの燃焼量は25%である(25%×4組÷400%)。
【0052】
また、その際、同時に燃焼させるバーナの数(組)を、図9の第二段に示す。ここでは、各組のバーナを、15秒の非燃焼時間を空けて45秒燃焼させることによって、同時に、かつ連続的に、三組のバーナを燃焼させている。
【0053】
そして、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせる。
【0054】
その後、各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一気に37.5%まで上昇させるとともに、二組のリジェネバーナを順次、すなわち、1組バーナ1,2組バーナ,3組バーナ,4組バーナのうちから二組のバーナを順次、燃焼させる。
【0055】
このときの燃焼量を、図8に「18.75% 3本バーナの1/4」として示す。この際、各組のバーナの燃焼量も25%である(400%×18.75%÷3組)。
【0056】
また、その際、同時に燃焼させるバーナの数(組)を、図9の第三段に示す。ここでは、各組のバーナを、30秒の非燃焼時間を空けて、30秒燃焼させることによって、同時に、かつ連続的に二組のバーナを燃焼させている。
【0057】
そして、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせる。
【0058】
その後、各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一気に50%まで上昇させるとともに、一組のリジェネバーナのみを順次、すなわち、1組バーナ1,2組バーナ,3組バーナ,4組バーナのうちから一組のバーナを順次、燃焼させる。
【0059】
このときの燃焼量を、図8に、「12.5% 2本バーナの1/4」として示す。この際、各組のバーナの燃焼量も、同様に、25%である(400%×12.5%÷2組)。
【0060】
また、その際、同時に燃焼させるバーナの数(組)、図9の最終段に示す。ここでは、各組のバーナを、45秒の非燃焼時間を空けて15秒燃焼させることによって、同時に、かつ連続的に、一組のバーナのみを燃焼させるものとしている。
【0061】
そして、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせる。
各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のバーナは、燃焼量が25%未満での状態では燃焼させず、停止させる。25%未満では、効率的な燃焼状態を維持することができないからである。
【0062】
このときの燃焼量を、図8に「6.25% 1本バーナの1/4」として示す。このときの各組のバーナの燃焼量も、25%である(400%×6.25%÷1組)。
【0063】
このように1組バーナ1,2組バーナ2,3組バーナ3,4組バーナ4の燃焼を制御することによって、所定温度以上まで加熱した炉内を徐々に所定温度まで戻し、その状態を維持することができる。
【0064】
本実施形態に係るリジェネバーナ燃焼制御方法も、各組のバーナを、常に、25%以上の燃焼量で燃焼させるので、燃焼状態を安定させることができ、効率的な燃焼を行わせることができる。
【0065】
また、同時に三組のバーナを燃焼させる際に、各組のバーナの燃焼量を、25%から33.33%に上昇させるので、同時に四組のバーナを25%の燃焼量で燃焼させていた際と同一の燃焼量を確保することができる。これにより、炉内の温度が急激に低下するのを防止することができる。
さらに、同時に二組のバーナを燃焼させる際に、各組のバーナの燃焼量を25%から37.5%に上昇させるので、同時に三組のバーナを25%の燃焼量で燃焼させていた際と同一の燃焼量を確保することができる。従って、炉内の温度が急激に低下するのを防止することができる。
さらにまた、同時に一組のバーナのみを順次、燃焼させる際に、各組のバーナの燃焼量を25%から50%に上昇させるので、同様に、炉内の温度が所定温度以下まで急激に低下してしまうといった事態を未然に防止することができる。
【0066】
(第四実施形態)
次に、図7および図10を参照して、本発明の第四実施形態に係るリジェネバーナ燃焼制御方法について説明する。
図7は、四組のリジェネバーナを備えた加熱炉や熱処理炉等の炉Fを示す概略平面断面図である。また、図10は、リジェネバーナの燃焼量を示すグラフである。
【0067】
本発明の第一乃至第三実施形態では、各組のバーナの燃焼量が25%未満になると効率的な燃焼状態を維持することができないので、炉F内を所定温度に維持するため、ターンダウンによって、四組のバーナの各組のバーナの燃焼量が25%になると、三組のバーナにするとともに燃焼量を一気に上昇させ(第三実施形態)、またターンダウンによって、三組のバーナの各組のバーナの燃焼量が25%になると、二組のバーナにするとともに燃焼量を一気に上昇させ(第二実施形態)、さらにターンダウンによって、二組のバーナの各組のバーナの燃焼量が25%になると、一組のバーナにするとともに燃焼量を一気に上昇させ(第一実施形態)るようにしたが、各組のバーナの燃焼量が25%未満になる前、すなわち、25%以上の燃焼量、たとえば、25%以上50%以下の間の燃焼量になった場合に、燃焼させる各組のバーナの組数を一つ減らすようにすることもできる。
【0068】
この第四実施形態では、燃焼量が50%になった場合に、各組のバーナの組数を一つ減らす制御を行うようにした。
すなわち、金属(または非鉄金属)の炉(加熱炉や熱処理炉)Fに備え付けられる四組のバーナ(1組バーナ1、2組バーナ2、3組バーナ3および4組バーナ4)の燃焼を制御する方法であって、四組のバーナを同時に燃焼させて炉内を所定温度以上に加熱した後、所定温度に保つために、まず、同時に四組のバーナを燃焼させる。
【0069】
その後、ターンダウンによって、各組のバーナの燃焼量がそれぞれ50%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一気に66.66%まで上昇させるとともに、三組のリジェネバーナを順次、すなわち、1組バーナ1,2組バーナ,3組バーナ,4組バーナのうちから三組のバーナを順次、燃焼させる。
【0070】
このときの燃焼量を、図10に、「50%(4本バーナ分の1/2)」として示す。ここでの各組のバーナの燃焼量は、それぞれ50%である(400%×50%÷4組)。なお、「4本バーナ分の1/2」とは、同時に四組のバーナを燃焼させ、各組のバーナの燃焼量がそれぞれ50%(1/2)であることを意味する。
【0071】
その後、ターンダウンによって、各組のバーナの燃焼量がそれぞれ50%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一気に75%まで上昇させるとともに、二組のリジェネバーナを順次、すなわち、1組バーナ1,2組バーナ,3組バーナ,4組バーナのうちから二組のバーナを順次、燃焼させる。
【0072】
このときの燃焼量を、図10に、「37.50%(3本バーナ分の1/2)」として示す。ここでの各組のバーナの燃焼量は、それぞれ50%である(400%×37.50%÷3組)。なお、「3本バーナ分の1/2」とは、同時に三組のバーナを燃焼させ、各組のバーナの燃焼量がそれぞれ50%(1/2)であることを意味する。
【0073】
その後、ターンダウンによって、各組のバーナの燃焼量がそれぞれ50%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一気に100%まで上昇させるとともに、一組のリジェネバーナのみを順次、すなわち、1組バーナ1,2組バーナ,3組バーナ,4組バーナのうちから一組のバーナを順次、燃焼させる。
【0074】
このときの燃焼量を、図10に、「25%(2本バーナ分の1/2)」として示す。ここでの各組のバーナの燃焼量は、それぞれ50%である(400%×25%÷2組)。なお、「2本バーナ分の1/2」とは、同時に二組のバーナを燃焼させ、各組のバーナの燃焼量がそれぞれ50%(1/2)であることを意味する。
【0075】
その後、ターンダウンによって、各組のバーナの燃焼量がそれぞれ50%を経て25%になると、各組のバーナは、燃焼量が25%未満での状態では燃焼させず、停止させる。25%未満では、効率的な燃焼状態を維持することができないからである。
【0076】
このときの燃焼量を、図10に、「6.25%(1バーナ分の1/4)」として示す。このときの燃焼量は25%である(400%×6.25%÷1組)。なお、「12.50パーセント(1バーナ分の1/2」は、燃焼量が50%の状態を示す。
【0077】
本実施形態に係るリジェネバーナ燃焼制御方法は、各組のバーナを、常に、25%以上の燃焼量で燃焼させるので、燃焼状態を安定させることができる。これにより、炉内の酸素量と未燃ガスの増加を防止し、効率的な燃焼を行わせることができる。
【0078】
また、同時に三組のバーナを順次、燃焼させる際に、各組のバーナの燃焼量を50%から66.66%に上昇させるので、炉内の温度が急激に低下するのを防止することができる。また、同時に二組のバーナを燃焼させる際に、各組のバーナの燃焼量を50%から75%に上昇させるので、同様に、炉内の温度の急激な低下を防止することができる。さらに、同時に一組のバーナのみを順次、燃焼させる際に、各組のバーナの燃焼量を50%から100%に上昇させるので、炉内の温度が所定温度以下まで急激に低下してしまうといった事態を未然に防止することができる。
【0079】
なお、本発明の第一乃至第四実施形態に係るリジェネバーナ燃焼制御方法では、バーナの組数を炉Fに二組,三組,四組のバーナとして説明したが、それら、二組,三組,あるいは四組のバーナを一群とするユニットにし、ユニット毎に制御することによって、炉Fに複数の組のバーナを配置しても本実施形態におけるリジェネバーナ燃焼制御方法を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】二組のリジェネバーナを備えた炉を示す概略平面断面図である。
【図2】図1に示すリジェネバーナの燃焼量を示すグラフである。
【図3】図1の構成において、同時に燃焼させるリジェネバーナの数(組)を示す表である。
【図4】三組のリジェネバーナを備えた炉を示す概略平面断面図である。
【図5】図4に示すリジェネバーナの燃焼量を示すグラフである。
【図6】図4の構成において、同時に燃焼させるリジェネバーナの数(組)を示す表である。
【図7】四組のリジェネバーナを備えた炉を示す概略平面断面図である。
【図8】図7に示すリジェネバーナの燃焼量を示すグラフである。
【図9】図7の構成において、同時に燃焼させるリジェネバーナの数(組)を示す表である。
【図10】図7に示すリジェネバーナの別の燃焼量を示すグラフである。
【符号の説明】
【0081】
1 1組バーナ
1−1 第一バーナ
1−2 第二バーナ
2 2組バーナ
2−1 第一バーナ
2−2 第二バーナ
3 3組バーナ
3−1 第一バーナ
3−2 第二バーナ
4 4組バーナ
4−1 第一バーナ
4−2 第二バーナ
C 制御装置
F 炉
V バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のバーナを交互に燃焼させ、一方のバーナの燃焼によって得た廃熱を他方のバーナの蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナを燃焼させる際に使用するリジェネバーナが、少なくとも二組備え付けられた金属または非鉄金属の加熱炉や熱処理炉等の炉において、前記二組のリジェネバーナの燃焼を制御する方法であって、
同時に二組のリジェネバーナを燃焼させて炉内を所定温度以上に加熱した後、炉内を所定温度に保つために、同時に二組のリジェネバーナを燃焼させながら、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一律に徐々に減少させるターンダウンを行い、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ50%まで上昇させるとともに、一組のリジェネバーナのみを交互に燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせることを特徴とするリジェネバーナ燃焼制御方法。
【請求項2】
一対のバーナを交互に燃焼させ、一方のバーナの燃焼によって得た廃熱を他方のバーナの蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナを燃焼させる際に使用するリジェネバーナが、少なくとも三組備え付けられた金属または非鉄金属の加熱炉や熱処理炉等の炉において、前記三組のリジェネバーナの燃焼を制御する方法であって、
同時に三組のリジェネバーナを燃焼させて炉内を所定温度以上に加熱した後、炉内を所定温度に保つために、同時に三組のリジェネバーナを燃焼させながら、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一律に徐々に減少させるターンダウンを行い、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ37.5%まで上昇させるとともに、二組のリジェネバーナを順次、燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせ、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ50%まで上昇させるとともに、一組のリジェネバーナのみを順次、燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせることを特徴とするリジェネバーナ燃焼制御方法。
【請求項3】
一対のバーナを交互に燃焼させ、一方のバーナの燃焼によって得た廃熱を他方のバーナの蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナを燃焼させる際に使用するリジェネバーナが、少なくとも四組備え付けられた金属または非鉄金属の加熱炉や熱処理炉等の炉において、前記四組のリジェネバーナの燃焼を制御する方法であって、
同時に四組のリジェネバーナを燃焼させて炉内を所定温度以上に加熱した後、炉内を所定温度に保つために、同時に四組のリジェネバーナを燃焼させながら、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一律に徐々に減少させるターンダウンを行い、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ33.33%まで上昇させるとともに、三組のリジェネバーナを順次、燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせ、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ37.5%まで上昇させるとともに、二組のリジェネバーナを順次、燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせ、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ50%まで上昇させるとともに、一組のリジェネバーナのみを順次、燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせることを特徴とするリジェネバーナ燃焼制御方法。
【請求項4】
一対のバーナを交互に燃焼させ、一方のバーナの燃焼によって得た廃熱を他方のバーナの蓄熱器で蓄え、その廃熱を他方のバーナを燃焼させる際に使用するリジェネバーナが、少なくとも四組備え付けられた金属または非鉄金属の加熱炉や熱処理炉等の炉において、前記四組のリジェネバーナの燃焼を制御する方法であって、
同時に四組のリジェネバーナを燃焼させて炉内を所定温度以上に加熱した後、炉内を所定温度に保つために、同時に四組のリジェネバーナを燃焼させながら、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ一律に徐々に減少させるターンダウンを行い、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%以上、好ましくは50%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ33.33%以上、好ましくは66.66%まで上昇させるとともに、三組のリジェネバーナを順次、燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%以上、好ましくは50%になるまでターンダウンさせ、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%以上、好ましくは50%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ37.5%以上、好ましくし75%まで上昇させるとともに、二組のリジェネバーナを順次、燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%以上、好ましくは50%になるまでターンダウンさせ、
前記各組のリジェネバーナの燃焼量が25%以上、好ましくは50%になると、各組のリジェネバーナの燃焼量をそれぞれ50%以上、好ましくは100%まで上昇させるとともに、一組のリジェネバーナのみを順次、燃焼させ、炉内を所定温度に保つために、各組のリジェネバーナの燃焼量を25%になるまでターンダウンさせることを特徴とするリジェネバーナ燃焼制御方法。
【請求項5】
前記一組のリジェネバーナのみを交互に燃焼させたとき、ターンダウンにより各組のリジェネバーナの燃焼量が25%になると、各組のリジェネバーナの燃焼を停止することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載のリジェネバーナ燃焼制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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