説明

リセット特性を有する自動注射器

【課題】設定された投与量がキャンセル可能な投与量設定部材を有する自動注射器を提供する。
【解決手段】投与量設定及び吐出装置は、駆動部材と、所定の投与量を設定すると同時に1投与分の薬剤を注射器から吐出するために駆動部材をこの後に駆動するために必要なエネルギーをストアする投与量設定機構50は、入力動作を繰り返すことによって、典型的には設定部材を後方に回転させることによって所定の投与量が減じられるかこの投与がキャンセルされるように、両方向での調節を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、流体を有するリザーバ注射器と組み合わせて使用するための投与量設定及び吐出装置と、より狭い態様では、投与量設定及び吐出装置などを有し、薬剤を有するアンプルもしくはカートリッジを収容可能な携帯用の装置と、更に狭い態様では、注射器に配置されたリザーバから各々に設定された投与量の薬剤を繰り返し皮下注射できるポケットサイズの注射器とに関する。
【背景技術】
【0002】
この注射器は、ペンの形のシリンジ装置でよく、カートリッジは、この注射器と一体的に形成されても、交換可能にされてもよい。
【0003】
典型的にはペンの形のシリンジである注射器は、特に、血糖値を許容範囲内に維持するために自身で頻繁にインシュリン製剤を注射する必要がある糖尿病患者によって使用される。しかしながら、近年では様々の種類の薬剤、例えば成長ホルモンが、同じ方法で投与されてきている。
【0004】
投与量は、主として、ペンシリンジの一部分を残りの部分に対して回転させるかダイヤルすることによって設定される。シリンジの回転可能な部分に目盛りを形成する数字が、設定された投与量を示すようにシリンジの残りの部分の表示マークに関連して、動かされる。使用者が投与量を設定すると、シリンジは、一回の投与量の薬剤を吐出するために駆動される。この駆動動作は、通常は、使用者が何らかのボタンをプレスすることによって、止め部までの単一な運動により引き起こされる。これは、注入の工程で、どれだけの投与量が注入されるのかを見積もることを不要にする。
【0005】
注射器は、可能な限り使用が簡単であるのがよい。即ち、通常の使用とは、投与量の設定と設定された投与量の注入とを意味するだけであるのがよい。また、これら2つの工程両方が、実施が単純であるのがよく、この状況は、従来技術の殆どのペン形装置によって満たされている。
【0006】
しかしながら、幾らかの使用者にとって、投与量を実際に吐出する工程は不安を覚えさせるもので、必要に応じて一回の投与量を自動的に吐出する装置が望ましいだろう。また、このような機能は、より多く繰り返し可能でスムーズな流体注入を提供する。特許文献1に係れば、これは、ボディと、このボディに設けられて選択された設定位置まで動かされ得る回転可能な投与量設定装置と、設定装置を設定位置に保持するようにされたラッチと、設定された投与量が吐出されるようにラッチを自由にし得る手段とを有するシリンジ装置によって果されてきた。選択された設定位置までの投与量設定装置の移動に伴って、ばねが回転可能に変形(strain)され、これによって、ラッチが自由にされると、設定された投与量を吐出するための力が与えられる。ラッチが自由にされると、設定装置は、設定されたとうよりょうを吐出する一方向へのクラッチによってプランジャーを駆動するように、最初の位置に戻される。開示された駆動手段は、設定装置の回転をプランジャーの線形運動に変えるための即座のピッチねじ山を有する。ボディは、カートリッジの挿入及び取り外しのためにボディから取り外されるカートリッジコンテナを有することによって、注射される流体を収容するカートリッジを受信できるようにされている。また、コンテナは、急なピッチのねじ山装置を解放するので、プランジャーが最初の位置に戻るようにされ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許5、104、380号
【特許文献2】米国特許5、626、566号
【発明の概要】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、全てのペンシリンジにおいて設定された投与量をキャンセルできるわけではなく、一度設定された投与物を注入する必要がなくなると、シリンジを中立位置に戻す唯一の方法は、投与量分の薬剤を吐出してしまうことである。複数回分の投与量が設定され得るシリンジの場合、もしくは、薬剤が非常に高価な場合には、成長ホルモンの場合と同様に、これは容認できない。
【0010】
この問題を解決するために、特許文献2は、シリンダーアンプルリザーバから各々に設定された投与量の薬剤を繰り返し注射することができるペンの形のシリンジを開示している。このシリンジは、ピストン駆動部材と投与部材との間の単一方向のカップリングを解放するための手段を組み込むことによって設定された投与量がキャンセル可能な投与量設定部材を有する。しかしながら、この設計は、薬剤が吐出されるときに手で駆動できる機構と、投与量がリセットされるときに駆動される解放機構とを必要とする。
【0011】
かくして、本発明の目的は、上述された問題のうち1つ以上の問題を解決する投与量設定機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様に関れば、これは、駆動部材と、所定の投与量を設定すると同時にこの後に注射器から投与量分の薬剤を吐出するために駆動部材を駆動するために必要なエネルギーをストアする投与量設定機構と、注射器のための投与量設定装置によって提供される。また、投与量設定機構は、両方向での調節を可能にする。即ち、所定の設定された投与量は、入力動作を受けると、典型的には設定部材を後方に回転させると、減じられるかキャンセルされ得る。これは、付加的な解放機構を必要としないか、全く元に戻され得ない公知の装置とは対照的である。
【0013】
好ましい実施形態で、本発明は、リザーバから各々に設定された投与量の流体もしくは薬剤を繰り返し注射することができる装置を提供している。この装置は、ハウジングと、注入される流体を有するリザーバと、このリザーバから投与量の流体を吐出可能にする駆動部材と、ばね手段と、ハウジング内に設けられてばね手段に接続された投与量設定アセンブリとを有する。投与量設定アセンブリは、ばね手段に抵抗して選択された設定位置まで第1の方向に動くことができる部材を有する。投与量設定部材の動きに伴ってばねが変形され、投与量設定装置は、設定投与量を選択的に調節するために第2の方向に動かされ得る。ラッチ手段は、ばね手段の力に抵抗して、ハウジングと関連して注射きを設定位置に保持する。ラッチ手段は、また、駆動部材が設定投与量をリザーバから吐出するように解放され得る。設定投与量を吐出するための力は、ばね手段によって与えられる。好ましくは、注射器は、交換可能なカートリッジの形のリザーバを受信可能である。
【0014】
好ましい実施形態では、ハウジングは、内ねじを有する。駆動部材は、内ねじに対応した外ねじを有する長手方向のピストン駆動部材である(駆動部材もしくはプランジャーとも呼ばれている)。2つのねじは、これらの間の摩擦角度を超えるピッチ角を有する。かくして、駆動する動き(即ち、ピストン駆動部材の前方への動き)は、ピストン駆動部材を軸方向前方に設定部材によって規定された所定の距離だけ単にプレスすることによって得られる。これによって、投与方向へ駆動部材の回転可能な動きが引き起こされる。このようなねじは、非ロックタイプとして公知である。
【0015】
更なる好ましい実施形態では、投与量設定装置は、移動可能に投与量設定部材と係合されたカップリング部材を有する。ばね手段は、投与量設定部材に作用するカップリング部材に作用する。好ましくは、投与量設定部材は、内ねじを有し、駆動部材に回転可能に設けられる。また、カップリング部材は、滑動するが回転しないようにピストン駆動部材と係合されている。ばね手段は、カップリング部材に、駆動部材の長軸に対応する方向に作用する。投与量設定部材とカップリング部材とは、カップリング部材が後方に駆動されると、投与量を設定するために投与量設定部材の回転によってばね手段が変形されるように相互に共働する面を有する。
【0016】
投与量設定部材とピストン駆動部材との間のねじは、非ロックタイプであるのが好ましいが、これは、カップリングもしくは投与量設定部材とカップリング部材との間の“ブレーキ”を必要とするか、さもなければ、ばね手段が、自動機に広げられ得るようにされて、投与量設定部材を後方へと最初の位置に駆動する。しかしながら、本発明の上述された目的に関れば、カップリングは、設定された投与量を選択的に調節するために、投与量設定部材が後方に回転されるようにす
る。
【0017】
言い換えれば、投与量設定部材とカップリング部材との間のカップリングは、
投与量設定部材がいずれかの方向にも回転され得るようにし、更に、ばね手段が投与量設定部材の回転に抵抗しないようにしなくてはならない。この目的は、投与量設定部材とカップリング部材との上述された共働する面の間にカップリングを与えることによって果され得る。このカップリングは、ばね手段が投与量設定部材の回転に抵抗するのを十分に防ぐ回転に対して抵抗を与える。この抵抗は、使用者が投与量設定部材をいずれかの方向に回転させることによって、容易に克服される。このようにして、使用者は、“ダイヤルアップ”及び“ダイヤルダウン”することができる。
【0018】
好ましい実施形態では、投与量設定部材とカップリング部材との間の双方向カップリングが、傾斜端部を有する歯が形成された円形面を有するカップリング部品によって与えられる。面は、一方の面の歯の傾斜端部が他方の面の歯の傾斜端部に当接するように、互いに対向するように付勢される。投与量設定部材が投与量を設定する方向と調節する方向のいずれかに回転されると、カップリング部品の歯が、これらの傾斜端部によって互いの上を滑動し、かくして、投与部材は、ばねの力に抵抗して、軸方向に動かされ、歯の上部が到達するごとに元に戻る。このように元に戻るたびに、使用者は音を聞くか、並びに/もしくは、感じ取ることができる。歯のピッチは、投与量の設定が1単位(unit)増やされるたびに元に戻るように、選択され得る。
【0019】
更なる好ましい実施形態では、カップリングは、共働する面の間に与えられた摩擦カップリングである。2つの面の間に必要な変形力は、カップリング部材に作用するばね手段によって与えられる。2つのカップリング面は、必要な摩擦を提供する材料と面構成との任意の適当な組み合わせによって設けられ得る。
【0020】
更に単純な構造が望ましい場合には、カップリング部材を有する上述された配置は、不要にされ得る。かくして、更なる好ましい実施形態では、投与量設定装置は、内ねじを有する投与量設定部材を有する。投与量設定部材は、回転可能だが摩擦を受けるように食おう部材に設けられている。投与量設定部材と駆動部材との間の摩擦は、ばね手段が投与量設定部材の回転に抵抗するのを十分に防ぐ回転に対して抵抗を与えるが、この抵抗は、使用者が投与量設定部材をいずれかの方向に回転させることによって容易に克服され得る。
【0021】
設定された投与量を示すために、投与量設定部材は、螺旋形の線に沿って数字が印刷されたスリーブを有し得る。この数字は、この装置のハウジングの開口部もしくはウインドーを通して、見ることができる。開口部は、スリーブの数字のうち一部のみ、好ましくは1つの数字のみが見えるようにする。スリーブが回転されて、同時に開口部に沿って軸方向に動かされると、実際に設定された投与量を示す数字が、開口部を通して見ることができる。
【0022】
好ましい実施形態では、カップリング部材と駆動部材との間の回転しない係合が、カップリング部材の非円形の開口部によって確立される。このカップリング部材によって、例えば対向する平らな面によって与えられた、前記開口部に対応して非円形の駆動部材が滑動する。
【0023】
更なる好ましい実施形態では、軸方向の動きなしで回転され得る設定部材が提供されている。この回転は、投与量設定部材に伝えられ、これによって、投与量設定装置は一定の長さを有することができる。設定部材は、ノブ、リング、もしくはスカートの形でよい。
【0024】
本発明の第2の態様に関れば、駆動部材と、所定の投与量を設定すると共に注射器から一回の投与量の薬剤を吐出するためにこの後に駆動部材を駆動するために必要なエネルギーをストアする投与量設定機構とを有する、注射器のための投与量設定装置が提供されている。また、投与量設定機構は、解放されることができ、投与量の再設定、即ち最初の“0”の位置に戻すことを可能にする。この後、投与量は、再び設定され得る。このようなタイプのリセット構成は、特許文献1によって知られているタイプの装置と共に効果的に用いられ得る。
【0025】
注射器の一部として用いられるとき、注射器は、典型的には、流体を有するリザーバが挿入され所定位置にロックされ得る区画室を有する。リザーバは、先端部(典型的には注射針がリザーバ内部と連通されるように配置されているところで、リザーバはシールされた状態で供給されている)に比較的小さい開口部を有し、また、ピストンによって閉じられた最後端部では、滑動可能にリザーバの内面と係合されている。薬剤は、開口部とピストンとの間に封じ込められ、本発明の投与量設定及び吐出装置は、ピストン駆動部材がピストンと接触され得るように配置されており、これによって、一回の投与量の流体もしくは薬剤が、駆動部材がばね手段を駆動することによって後方に動かされると、吐出される。実際には、所望の投与量を適当に設定するために、投与量設定装置とピストンの断面領域とは、互いに適合されなくてはならない。
【0026】
本発明の更なる態様では、流体状の薬剤を生きている対象に注入するための方法が提供される。この方法は、リザーバから各々に設定された投与量の流体(もしくは薬剤)を繰り返し注射することができる注射器を提供する工程を有する。注射器は、ハウジングと、注射される流体を有し、この流体のための出口手段を備えたリザーバと、このリザーバから一回の投与量の薬剤を吐出可能な駆動部材と、ばね手段と、ハウジング内に設けられ、ばね手段に接続された投与量設定アセンブリとを有する。投与量設定アセンブリは、ばね手段の付勢力に抗して選択された設定位置まで第1の方向に動くことができる投与量設定部材を有する。この方法では、この投与量設定部材の動きに伴って、ばねが変形される。投与量設定部材は、設定された投与量を選択的に調節するように、第2の方向に動く。ラッチ手段は、ばね手段の付勢力に抗して、ハウジングと関連して装置を設定位置に保持する。また、このラッチ手段は、駆動部材がリザーバから設定された投与量を吐出させるように解放され得る。設定された投与量を吐出するための力は、ばね手段によって与えられる。この方法は、出口手段と対象との間のフロー接続を確立し、投与量設定部材を操作することによって一回の投与量を設定し、駆動部材が設定された投与量をリザーバから吐出するようにラッチ手段を解放する更なる工程を有する。この方法の好ましい実施形態では、本明細書で述べられた注射器が用いられている。
【0027】
本明細書で用いられているように、“薬剤”という用語は、液、溶剤、ゲルもしくは良好な懸濁液のような、制御可能な方法で中空ニードルのような吐出手段を通り抜け得る任意の薬剤を含んだ流体状の薬剤を包含している。基本的に、本発明の注射器を用いてどうにか対象に吐出するのに不適当な液状の薬剤を除外する以外に、本発明と共に用いられ得る液状の薬剤のタイプに関して制限はない。代表的な薬剤には、ペプチド、プロテイン、ホルモンがある。説明では、好ましい実施形態は、インシュリンと共に用いるのに適している。これに対応して、“皮下”注射という用語は、所定の対象に注射する任意の方法を包含している。
【0028】
以下の説明において、本発明は、図面を参照して更に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】(A)は、投与量をダイヤルする前の、本発明の第1の実施形態に係る投与及び吐出装置を有するペンの形のシリンジの外側の図を示し、(B)は、紙の平面に対応している図1(A)のシリンジの断面を示し、(C)は、図1(A)のシリンジのB−B線に沿った断面を示す。
【図2】(A)は、投与量をダイヤルする前の(この説明では外側からは明らかでない)図1(A)のペンの形のシリンジの外側の図を示し、(B)は、紙の平面に対応している図2(A)のシリンジの断面を示し、(C)は、図2(A)のシリンジのB−B線に沿った断面を示す。
【図3】(A)は、一回の投与量を注入した後の(この説明では外側からは明らかでない。)図1(A)のペンの形のシリンジの外側の図を示し、(B)は、紙の平面に対応している図3(A)のシリンジの断面を示し、(C)は、図3(A)のシリンジのB−B線に沿った断面を示す。
【図4】ハウジング部材を示す。
【図5】投与量設定部材を示す。
【図6】ピストン駆動部材を示す。
【図7】カップリング部材を示す。
【図8】ラッチ部材を示す。
【図9】ロック部材を示す。
【図10】本発明の第2の実施形態に係って一回の投与量設定及び吐出装置を有するペンの形のシリンジの断面を部分的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
様々の部材の方向付けが、例えば、図面における左方向、右方向を夫々示す前方、後方との用語を用いて以下に説明されている。長手方向という用語は、示されたシリンジの通常の長手方向を参照して用いられている。
【0031】
外側から見られた図1(A)に示されたシリンジは、第1の(後方の)部分11と第2の(前方の)部分12とを有する長手方向のハウジング10を有する。第1の部分は、本発明の投与量設定部材を備えた第1の区画室を有する。第2の部分は、薬剤が入ったアンプルもしくはカートリッジを収容できるようにされた第2の区画室を有する。示された実施形態では、第2の部分は、第1の部分と一体的に形成されている。しかし、第2の部分は、本発明の一部ではなく、これに対応して、例えばねじもしくは差し込み接続によって第1の部分に接続され得る別の部材として設けられ得る。第1の部分を取り外すときは、空のカートリッジ(図示されず)が取り外され、プランジャー(以下に説明される)が最初の位置に戻され、新しいカートリッジが挿入された後、2つの部分が再び互いに接続され得る。2つの部分が一体的に形成されている場合は、第1の部分の端部は、アンプルのための区画室を与えるように、付加的な部材(図示されず)によって閉じられなくてはならない。
【0032】
シリンジは、ラッチもしくはトリガー部材90と、シリンジの後方端部に配置された投与量設定ノブ40とを更に具備する。
【0033】
図1(B)に示されているように、仕切り部材20は、第1の部分と第2の部分との間に配置され、内ねじ21が形成された開口部を有し、かくして、ナットとして働く。しかしながら、ナットという用語は、ねじが孔によって規定されなくてはならないが、2つの対向した部材の間にも規定され得ることを意味しない。ピストン駆動部材として働く(即ち、プランジャーがこれの端部がアンプル内のピストンに対向するように配置されているとき)長手方向のプランジャー30は、開口部を通るようにされており、プランジャーが開口部内でねじられるように、仕切り部の内ねじに一致する外ねじ31を有する。プランジャー/ナット接続のねじは、ナットとプランジャーとの摩擦角度を超えるピッチ角を有する。従って、プランジャーの前方への動きは、単にプランジャーを軸方向前方にプレスすることによって得られ、これによって駆動部材が前方向に回転する。また、このようなねじは、非ロックとして知られている。プランジャーは、互いに対向して平行に配置された2つの平らな側面32、33を更に有し、“部分的な”外ねじを与えているが、これは、このようなねじ接続に有効な影響を与えない。互いに対向した側面の用途を、以下に明らかにする。
【0034】
投与量設定ノブ40は、使用者によって把持される外側キャップ部分41と、内側前方向に突出したカップ形状のスカート部分42とを有する。これら2つの部分は、ハウジングの後方端壁15の開口部16を通るように配置されたシャフト43によって互いに接続されている。これによって、ノブは、回転可能だが、ハウジングに対して軸方向に動かないようにされている。
【0035】
投与量設定部材50は、最先端壁51と、後方に配置されたスカート部分52とを有する。端壁は、内ねじ53が形成された開口部を有し、かくして、端壁は、プランジャー30が中を通る第2のナット部材として働く。かくして、内ねじ21に対応するねじ53が、プランジャーの非ロック回転を可能にする。端壁は、以下に説明される後方に面したカップリング面54を更に有する。投与量設定部材のスカート部分52は、ノブ40のスカート部分42の外面の長手方向の凸状部材45に対応してこれと係合する内面に、長手方向の溝55を有する。これによって、2つのスカート部分は、軸方向に滑動するが、回転することはないようにされている。実際には、所定の適当な構造が、2つのスカート部分の間に有効な関係を与えるために用いられ得る。数字(図示されず)が、スカート部分52の外面の螺旋形の線に沿って印刷されている。これは、装置のハウジングのウインドー17(図4参照)を通して検査され得る。このウインドーは、スリーブの数字のうち好ましくは1つの部分のみが検査され得るようにする。
【0036】
管状カップリング部材60は、後方に向けられた管状スカート部分63と前方に面したカップリング面62とを有する最先端の延長部61を有する。スカート部分と延長部とは、プランジャーの互いに対向した側面32、33に対応する、内側で対向して平行に並んだ2つの平らな面68、69(図7参照)を有するように形成されている。従って、カップリング部材とプランジャーとは、軸方向に滑動するが、互いに対して回転しないようにされている。実際には、所定の適当な構造が、プランジャーとカップリング部材との間の有効な関係を与えるように用いられ得る。
【0037】
螺旋形のばね70は、これの各端部で、延長部61の後方に面した面64と、ノブスカートの内端面46とにおいて支持されている。かくして、ばねは、カップリング部材に付勢力を与える。示されたばねは、直線運動してエネルギーを解放し得る適当な部材と替えられてもよい。例えばガスを充填された部材もしくは発泡部材などの構造が、ばね手段の例である。
【0038】
投与量設定部材とカップリング部材の上述されたカップリング面54、62は、投与量設定部材とカップリング部材との間に双方向カップリングを与える。示された実施形態では、カップリングは、傾斜端部を備えた歯57、67(夫々に図5、7を参照)が形成された円形面を有するカップリング部品によって与えられている。これらの面は、一方の面の歯の傾斜端部が他方の面の歯の傾斜端部に当接するように、ばね70によって互いに対抗するようにされている。投与量設定部材が投与量を設定する方向か調節する方向のいずれかに回転されると、カップリング部品の歯は、これらの傾斜端部によって互いの上を滑動する。これによって、投与量設定部材は、ばねの力に抵抗して、プランジャーに対して軸方向に動かされ(ねじ接続による)、歯の上部が到達すると元に戻る。このように元に戻る度に、オペレータが、音を聞くか感じるようにされ得る。歯のピッチは、投与量の設定が例えば1単位増やされるたびに元に戻るように、選択され得る。
【0039】
プランジャーには、設定作業中、即ち、投与量設定部材がプランジャーの周りを回転しているときにプランジャーも回転することがないように、ロック部材80が設けられている。このロック部材は、プランジャーの互いに対向する側面32、33に一致する、互いに対向して平行に配置された平らな面83、84(図9参照)を有する開口部81を有するホイールのような部材である。従って、管状部分とプランジャーとは、軸方向に滑動するが、互いに対して回転しないようにされている。ロック部材は、回転されるが、ハウジングに対して軸方向に動かないようにされている。ロック部材は、軸方向に並べられた数字のつめ82を有し、前方に突出した周方向スカートを更に有する。
【0040】
内側ラッチアーム部91を有するラッチ部材90は、ハウジング壁内に配置されている。ラッチ部材は、ラッチアーム部が、ロック部材のつめの間に係合して、これによってロック部材とプランジャーとが回転するのを防ぐ設定位置と、ラッチアーム部がロック部材のつめを解放して、これによってロック部材とプランジャーとが回転するようにされる投与位置(dosing position)との間で動くことが可能である。好ましくは、ラッチ部材は、これの設定位置に向けて付勢される。
【0041】
本発明に係る投与量設定及び吐出装置の次の動作が、図を参照して説明される。精巧なニードル(図示されず)を有し、薬剤を収容した新しいアンプルがシリンジ装置内に装填されると、アンプル内のピストンが、これの最も後ろの位置にきて、プランジャーが、これの最も後ろの端部がピストンに抵抗するように位置される。シリンジを使用する間、プランジャーは、ピストンを前方に動かして、薬剤を吐出する。図1(B)、(C)は、プランジャーが全ストローク距離のほぼ半分まで前進されて、投与量設定部材がウインドーに“0”が表示される最初の位置にある中間位置を示す。
【0042】
投与量を設定するとき、使用者は、好ましくは、ハウジングを片手で把持し、もう一方の手を使って投与量設定ノブ40を回転させることによって所望の投与量を選択する(即ち、ダイヤルアップする)。溝55と凸状部45との組み合わせによって、投与量設定部材がプランジャーに対して後方に回転され、ねじられる。投与量を設定する間、使用者は、投与量設定部材に印刷された数字を、これらがウインドーを通り過ぎる際に検査することによって、設定を調節することができる。数字は、投与量設定部材が後方に回転された長さと、かくして、プランジャーが続いてストロークした長さとを表示する。投与量の設定が非常に高い場合でも、使用者は、所望の投与量のサイズに対応する数字がウインドーに示されるまでノブを対向する方向に回転させることによって簡単に投与量を調節する(即ち、ダイヤルダウンする)ことができる。
【0043】
投与量設定部材が、投与量を設定する方向か調節する方向かのいずれかに回転されるとき、カップリング部品の歯は、これらの傾斜端部によって互いの上を滑動する。従って、投与量設定部材は、(ねじ接続によって)ばねの力に抵抗するようにプランジャーに対して軸方向に動かされ、歯の上部が到達するたびに元に戻る。カップリング部材が後方に動かされると、ばねは、変形されて、続く投与のためのエネルギーを溜め込む。この状態が図2(B)、(C)に示されている。
【0044】
所望の投与量が設定されると、使用者はニードルを、皮膚を刺すように前進させる。そして、シリンジは、使用者がラッチ部材を押し下げて自由に回転し得るようにプランジャーとロック部材80とを解放するときに果される、設定された投与量の吐出を行う用意ができる。
【0045】
ばね70に発生された軸方向の力は、カップリング部材60と投与量設定部材50とを通して(ねじ接続に対応して)プランジャーに送られる。従って、プランジャーと内ねじ21との間の非ロックねじ接続によって、プランジャーの前方への回転が生じる。カップリング部材が回転プランジャーに対して回転し得ないことから、投与量設定部材がプランジャーと共に回転する。これによって、投与量設定部材は、ウインドーに“0”が表示される最初の回転位置に戻される。この状態が、図3(B)、(C)に示されている。
【0046】
“内容物の終わり(end of content)”の機能(即ち、アンプルに対して)は、投与量設定部材がねじ部が終わるプランジャーの最後部34に単に当接することによって与えられる。最大投与量は、投与量設定部材の最も後ろの端部がハウジングの後端部に当接すると、設定される。投与量設定部材は、これが仕切り壁に当接することから、“0”の位置を過ぎて回転することがないようにされている。
【0047】
上述された装置は、一回きりの使用のため、もしくは再使用可能なように設けられ得る。再使用可能にする場合には、投与量設定機構は、新しいカートリッジがシリンジ内に挿入されるように、リセットされなくてはならず、即ち、プランジャーは後方に動かされる。プランジャーは、単にこのプランジャーを回転させることによって、後方に動かされるが、プランジャーが通常どおりにハウジングの前部12内に位置されているときは、前部が、使用者が適当にプランジャーを把持できるように取り外されなくてはならない、または、プランジャーが非直接的に回転されなくてはならない。後者の場合は、解放可能な前方部分11と後方部分12(図示されず)とを有し、これら部分が互いに対して回転されるハウジングを提供することによって果され得る。前方部分が後方部分と投与量設定部材とに対して回転されると、滑動するが回転はしないようにプランジャーと係合されている、係止されたロック部材80が、プランジャー30の回転を生じる。かくして、プランジャーは、仕切り部材20と投与量設定部材の内ねじ21、53によって後方にねじられる。投与量設定部材が回転しないようにするために、ノブ40は、相対的な回転を防ぐように、後方ハウジングと共に把持されなくてはならない。カップリング部材60が、滑動するが回転はしないようにプランジャーと係合されていることから、これに対応して、カップリング部材は回転され、2つの互いに共働するカップリング面54、62の間の“クリッキング”相対回転を生じる。プランジャーが最も後退した位置にあるとき、前方部分と後方部分とは、再び互いにロックされ、シリンジは、新しいカートリッジを装填可能にされる。
【0048】
図1乃至3に示されたシリンジの様々の部材と投与量設定装置とが、これらの図面を参照して説明されるが、本発明を更によく理解できるように、部材のうち幾つかが図4乃至9に個別に示されている。図4は、ハウジングを示し、図5は、投与量設定部材を示し、図6は、ピストン駆動部材を示し、図7は、カップリング部材を示し、図8は、ラッチ部材を示し、図9は、ロック部材を示す。図4乃至9の全部において、図1乃至3と同じ参照符号が使用されており、破線は、構造が隠された後面を示す。
【0049】
次に、本発明の第2の態様に係る実施形態が、図10を参照して説明される。図10は、投与量設定装置を備えたペンのようなシリンジを部分的に示し、このシリンジは、駆動部材102と、所定の投与量を設定すると同時に一回の投与量の薬剤をシリンジ装置から吐出するために駆動部材を次に駆動するために必要なエネルギーをストアする投与量設定機構とを有する。
【0050】
シリンジは、一般にペンのような、細長い円筒形状を有し、図10ではこれの左側端部でプランジャーガイド111によって閉じられたペンボディ108を備えている。プランジャーガイド111は、ペンボディの中にねじられ、また、左まで延びて、カートリッジキャリヤー113(部分的に示されているのみ)を収容するように外側にねじを切られた円筒形の隆起部を有する。インシュリンのカートリッジ(図示されず)は、カートリッジキャリヤーがプランジャーガイド111の隆起部上でねじられる前にカートリッジキャリヤー113に適合され得る。
【0051】
ガイド111が、駆動プランジャー102がカートリッジの開口端に向けて長手方向に少しずつ動くように案内する。インシュリンが、キャリヤーの端でニードル(図示されず)を介して吐出される。プランジャーガイドの孔は、駆動プランジャー102の、これがカートリッジ内で動く際にこれの回転を防ぐ、互いに対向した平面を有する。駆動プランジャーは、これに対応して、互いに対向した平面を有する。
【0052】
プランジャー102の動きは、これに巻きつけられている螺旋形のばね106に溜め込まれたエネルギーによって、果される。吐出されるインシュリンの一回の投与量は、ペンボディ108の右側端部の目盛りをされたスリーブ112の周りを回転し得るキャップ107を回転させることによって、前もって設定される。このキャップ107は、ウインドー(図示されず)を有し、このウインドーによって、キャップが回転された角度を示す目盛りが読み取られ得る。
【0053】
キャップは、スリーブ112によって規定された平らな軸受け内で回転可能で、これの左側端部で突出したラチェットの歯が形成された環状のリング125を有する駆動スリーブ101と一体となっている。ばね106は、夫々に端部で、駆動スリーブ101の左側端部のフランジ(図示されず)とスリーブ112のフランジ(図示されず)に固定されている。かくして、キャップが回転されると、ばねは、部分的に巻きつけられていることによって変形される。
【0054】
ばねは、変形ばねであり、ねじれるように変形されているとき及び変形されていないときに、駆動スリーブの環状リング125の歯が、歯車部材103に形成された共働するラチェットの歯126と係合するように付勢する。ラチェットの歯は、各連続するラチェットの歯が係合されることから、キャップと駆動スリーブとがラチェット歯車に対して、一連のクリックによる回転が伴われるのみで一方向に回転され得るように配置されているもの、即ち、一方向の連続する機構である。ラチェット歯車部材103は、この歯車部材103の外側の歯とラッチ部材109の内側の歯との係合による回転に抵抗するように通常は保持される。ラッチ部材109は、ペンボディに対する歯車部材の回転を防ぐが、以下に説明されるように軸方向に滑動可能であるようにハウジング内のスロットを通って延びた脚部を有する。
【0055】
予め設定された、もしくは“ダイヤルアップされた”一回の投与量のインシュリンが吐出されると、ラッチ部材109は、ラチェット歯車部材103から解放されるように、左へと軸方向に滑動される。この結果、歯車は、駆動スリーブとラチェットの歯とを通してばね106の凸状部によって駆動されて、回転し得る。回転は、キャップが、キャップとペンボディとの間のポジティブストップによって規定された最初の位置に戻るまで続く。ラッチ部材は、好ましくは、ばね手段(図示されず)によってロックされた位置に向けて付勢されている。
【0056】
ラチェット歯車部材3は、駆動プランジャー102のステムの外ねじと共働する、素早いピッチのねじを有する内ねじである。ラチェット歯車と駆動傾斜部との回転は、プランジャーのステムがプランジャーガイド111内で回転できないことから、プランジャーの軸方向の素早いピッチのねじに沿った動きを伴う。かくして、プランジャーは、カートリッジ内に駆動され、予め設定された投与量のインシュリンを吐出する。キャップがペンボディの回転を止めると、プランジャーは、カートリッジの内側に沿って幾らか維持される。
【0057】
本発明に係れば、通常のロックされた位置において環状リング125の後面で滑動して、駆動スリーブが後方に動くのを防ぎ、かくして、歯車部材から解放される第2のラッチもしくはロック部材119が、設けられている。しかしながら、一回の投与量が非常に高く設定された場合には、使用者は、ロック部材を右に動かし、駆動スリーブが後方に引っ張られ、かくして、ラチェットの歯を歯車部材から解放するようにでき、この状態で、設定された投与量を選択的に調節するように後方に回転され得る。駆動スリーブがばね106によって後方に付勢されることから、この駆動スリーブは、使用者によって把持されて後方に引っ張られるとき、回転のみが可能である。投与量が調節されると、ロック部材は、これがロックされた位置(機械的にもしくはばね手段による、任意の従来の手段によって適当に固定された)に動かされ、シリンジは、設定された投与量を吐出するために解放可能にされる。
【0058】
代わりの実施形態では、第2のラッチ部材が、提供され、ラッチ歯車部材が、使用者により駆動スリーブが後方に引っ張られて解放されるようにするばね手段によって単に係合された状態で保持される。装置を再調節するように引き離されないときのラチェット部材の間の適当な係合は、ばね手段、例えばばね106もしくは付加的なばね手段によって与えられる。偶発的な解放を防ぐために、ラチェット部材の歯は、アンダーカットにされることができ、これによって、駆動部材は、解放するために後方に引っ張られるときに、僅かに後方に回転されなくてはならなくなる。
【0059】
手順は、カートリッジ内容物が吐出されるまで繰り返され、この後、カートリッジは、カートリッジキャリヤー113をプランジャーガイド111からゆるめることによって置き換えられ得る。
【0060】
本発明は、様々の図に示された好ましい実施形態に関連して説明されているが、他の同様の実施形態が実施されるか、本発明の同じ機能を果すために本発明の範囲から逸脱することなく、説明された実施形態に修正及び追加が成されることが、理解されるだろう。例えば、上述された開示されたカップリングは、所望のダイヤルアップ/ダウン機能に好ましい解決法を提供する。投与量設定部材とカップリング部材との間の所定のカップリングは、投与量設定部材がいずれかの方向に回転するのを可能にし、更に、投与量設定部材の回転に抵抗するのを防ぐためにばね手段が用いられ得るのを防ぐ。これは、図10に関連して上述されたような手で作動可能なカップリングを含む。更に、示された実施形態では、殆どの部材は、同軸に配置されているが、これは、特別な必要性によって当業者にとって便利な場合には変えられ得る。2つの部材が共働することが説明されているとき、これは、所望の動作が果される限り、これらが直接的もしくは非直接的に接続され得ることを意味する。かくして、本発明は、所定の1つの実施形態に限られず、むしろ、請求項に従って構成される。
【符号の説明】
【0061】
10…ハウジング、17…ウインドー、20…仕切り部材、21…内ねじ、30…プランジャー、40…投与量設定ノブ、50…投与量設定部材、52…スカート部分、60…カップリング部材、70…螺旋形のばね、80…ロック部材、90…トリガー部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が満たされたリザーバと組み合わせて使用され、このリザーバから各々に設定された投与量の流体を繰り返し注射することができる投与量設定装置であって、
ハウジング(10)と、
このハウジングに対して、前記リザーバから1投与分の流体を吐出するように、移動される駆動部材(30)と、
前記ハウジング中に設けられたばね手段(70)と、
前記ハウジング中に設けられ、前記ばね手段に接続され、ばね手段による付勢力に抗して選択される設定位置まで第1の方向に動くことができ、また、この設定位置を選択的に調節するために第2の方向に動くことができる投与量設定部材(50)を有し、この投与量設定部材の動きに伴ってばねが変形され、また、この投与量設定部材の動きに伴って前記ばね手段が変形される投与量設定アセンブリ(40、50、60)と、
前記ばね手段の付勢力に抗して、前記ハウジングと関連して投与量設定部材を設定位置に保持する解除可能なラッチ手段(80、90)とを具備し、
このラッチ手段の解放により、この投与量設定装置は、投与量設定アセンブリが、前記流体が満たされたリザーバと組み合わせて使用されたときに、このリザーバから設定投与量を吐出するように前記駆動部材を移動させ、この投与量を吐出する力は、前記ばね手段によって与えられる投与量設定装置において、
前記ハウジング内に固定され、第1の内ねじを(21)有するねじ部材(20)を更に具備し、前記駆動部材は、第1の内ねじに対応する外ねじ(31)を有する長手方向のピストン駆動部材(30)であり、これ内ねじと外ねじとは、所定のピッチ角を有する非ロックタイプであって、ピストン駆動部材の軸方向の動きは、前記ばね手段によってピストン駆動部材に与えられる軸方向の力によって引き起こされ、また、
前記投与量設定部材(50)のスカート部分(52)の外面には、螺旋の線に沿って数字が付され、これら数字は、前記ハウジング(10)に形成されたウインドー(17)を通り、
前記スカート部分(52)は、投与量の設定並びに前記流体が満たされたリザーバからの投与量の吐出の間、前記ウインドー(17)に対して軸方向に移動及び回転し、この結果、前記数字は、順次前記ウインドーを通過することを特徴とする投与量設定装置。
【請求項2】
前記投与量設定アセンブリは、移動可能なように投与量設定部材と係合されたカップリング部材(60)を更に有し、前記ばね手段は、このカップリング部材に作用し、このカップリング部材は、投与量設定部材(50)に作用する、請求項1の投与量設定装置。
【請求項3】
前記投与量設定部材(50)とカップリング部材(60)とは、これらの間にカップリングを提供する、互いに共働する面(54、62)を有し、一回の投与量を設定するための投与量設定部材の動きによって前記ばね手段が変形される、請求項2の投与量設定装置。
【請求項4】
前記投与量設定部材(50)と前記カップリング部材(60)との一方は、回転可能に前記駆動部材に設けられ、他方は、滑動するが回転しないように駆動部材と係合されている、請求項3の投与量設定装置。
【請求項5】
前記投与量設定部材(50)は、前記駆動部材のねじ部に回転可能に設けられて、一回の投与量を選択的に設定することによって、投与量設定部材の駆動部材に対する軸方向の動きが生じ、カップリング部材(60)は、滑動するが回転しないように駆動部材と係合され、前記ばね手段は、このカップリング部材に、駆動部材の長軸に対応する方向に作用する、請求項4の投与量設定装置。
【請求項6】
前記投与量設定部材と前記駆動部材との間のねじ接続は、非ロックタイプであり、投与量設定部材と前記カップリング部材との間のカップリングを提供する、前記互いに共働する面(54、62)は、投与量設定部材が、いずれかの方向に回転されるようにし、更に、前記ばね手段が投与量設定部材の回転を止めないようにする、請求項5の投与量設定装置。
【請求項7】
前記カップリングを提供する、互いに共働する面(54、62)は、投与量設定部材(50)とカップリング部材(60)との互いに共働する面の間に位置し、前記ばね手段が投与量設定部材の回転に対抗するのを十分に防ぐ回転に対して抵抗を与え、この抵抗は、使用者が投与量設定部材をいずれかの方向に回転させることによって容易に克服されて、使用者は、一回の投与量の設定を選択的に増減させることができる、請求項4乃至6のいずれか1の投与量設定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−188167(P2010−188167A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106753(P2010−106753)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【分割の表示】特願2002−554163(P2002−554163)の分割
【原出願日】平成14年1月4日(2002.1.4)
【出願人】(391032071)ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ (148)
【氏名又は名称原語表記】NOVO NORDISK AKTIE SELSXAB
【Fターム(参考)】