説明

リハビリ装置

【課題】回内や回外と言われる関節のねじりを矯正することができるリハビリ装置を提供すること。
【解決手段】本発明のリハビリ装置は、関節の一方の骨に対して他方の骨にねじりを与え、第2の装着具20の外周に第1の装着具10を設け、第2の装着具20の外周面と第1の装着具10の内周面との間に回動機構を設け、第2の装着具20には長手方向に対して傾斜させたガイド機構14を、第1の装着具10には長手方向に第1のガイド溝13をそれぞれ設け、長手方向に長さを変化させる駆動部40の一端を、ガイド機構14及び第1のガイド溝13に、駆動部40の他端を第1の装着具10に連結したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方の骨に対して他方の骨にねじりを与えるリハビリ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
手首を屈曲/伸展、回動させる装着具は、関節を跨ぐように、上腕や前腕に装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2007/043308号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によれば、弾性体によって連結された装具の前腕や上腕部に、関節を跨いで人工筋肉を取り付けているが、回転力を発生させる具体的な仕様については開示されていない。人工筋肉を駆動させても、回転力よりもむしろ関節を圧迫する力が作用する危険性がある。
また、弾性体が手首関節部に配置されているが、実際の手首の回動は橈骨、尺骨のねじれによって実現される。このため、前腕の手首部を固定し、手首部に対して手部を動作させても、回動は実現しない。
【0005】
本発明は、回内や回外、内旋や外旋といった関節のねじり動作を補助、矯正することができるリハビリ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明のリハビリ装置は、関節の一方の骨に対して他方の骨にねじりを与えるリハビリ装置であって、第2の装着具の外周に第1の装着具を設け、前記第2の装着具の外周面と前記第1の装着具の内周面との間に回動機構を設け、前記第2の装着具には長手方向に対して傾斜させたガイド機構を、前記第1の装着具には長手方向に第1のガイド溝をそれぞれ設け、長手方向に長さを変化させる駆動部の一端を、前記ガイド機構及び前記第1のガイド溝に、前記駆動部の他端を前記第1の装着具に連結したことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のリハビリ装置において、前記第1の装着具を前記関節を跨いで配置し、前記第2の装着具を前記関節の他方の骨に沿って配置したことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載のリハビリ装置において、前記第1の装着具を前腕に沿って配置し、前記第2の装着具を前記前腕から手首関節を跨いで手に配置したことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1記載のリハビリ装置において、前記第1の装着具を手首関節を跨いで配置し、前記第2の装着具を手に配置したことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1に記載のリハビリ装置において、前記第1の装着具には長手方向に第2のガイド機構を設け、前記駆動部の他端を、前記第2のガイド機構を介して前記第1の装着具に連結したことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5に記載のリハビリ装置において、前記ガイド機構、前記第1のガイド溝、及び前記駆動部を有する駆動機構を複数備え、複数の前記駆動機構を前記駆動部の両端で1組に連結したことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1から請求項6に記載のリハビリ装置において、複数の前記駆動機構または複数組の前記駆動機構を前記第1の装着具の円周方向に沿って配置し、前記駆動部の伸縮に応じて、複数または複数組の前記駆動機構が同一の回動方向に駆動されることを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1から請求項6に記載のリハビリ装置において、複数の前記駆動機構または複数組の前記駆動機構を前記第1の装着具の円周方向に沿って配置し、前記駆動部の伸縮に応じて、少なくとも1つまたは1組の駆動機構が他の駆動機構と逆の回動方向に駆動されることを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項1から請求項5に記載のリハビリ装置において、前記駆動部として、気体、液体、若しくは固体の物質、又はこれらの混合物の供給又は排出によって伸縮する人工筋を用いたことを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項1から請求項7に記載のリハビリ装置において、前記駆動部として、エアシリンダー、油圧シリンダー、リニアモータ、ソレノイド、又はボイスコイルモータを用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、回内や回外と言われる関節のねじりを矯正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施例におけるリハビリ装置を正常者が装着した状態を示す上面構成図
【図2】回内患者が同リハビリ装置を装着した状態を示す上面構成図
【図3】回内を矯正した状態を示す上面構成図
【図4】本発明の他の実施例におけるリハビリ装置を正常者が装着した状態を示す上面構成図
【図5】回内患者が同リハビリ装置を装着した状態を示す上面構成図
【図6】回内を矯正した状態を示す上面構成図
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態によるリハビリ装置は、関節の一方の骨に対して他方の骨にねじりを与えるリハビリ装置であって、第2の装着具の外周に第1の装着具を設け、第2の装着具の外周面と第1の装着具の内周面との間に回動機構を設け、第2の装着具には長手方向に対して傾斜させたガイド機構を、第1の装着具には長手方向に第1のガイド溝をそれぞれ設け、長手方向に長さを変化させる駆動部の一端を、ガイド機構及び第1のガイド溝に、駆動部の他端を第1の装着具に連結したものである。本実施の形態によれば、回内や回外と言われる関節のねじりを矯正することができる。
本発明の第2の実施の形態によるリハビリ装置は、第1の実施の形態によるリハビリ装置において、第1の装着具を関節を跨いで配置し、第2の装着具を関節の他方の骨に沿って配置したものである。本実施の形態によれば、関節を跨いで装着具を装着することでより確実に回内や回外と言われる関節のねじりを矯正することができる。
本発明の第3の実施の形態によるリハビリ装置は、第1の実施の形態によるリハビリ装置において、第1の装着具を前腕に沿って配置し、第2の装着具を前腕から手首関節を跨いで手に配置したものである。本実施の形態によれば、前腕における回内や回外と言われる関節のねじりを矯正することができる。
本発明の第4の実施の形態によるリハビリ装置は、第1の実施の形態によるリハビリ装置において、第1の装着具を手首関節を跨いで配置し、第2の装着具を手に配置したものである。本実施の形態によれば、前腕における回内や回外と言われる関節のねじりを矯正することができる。
本発明の第5の実施の形態によるリハビリ装置は、第1の実施の形態によるリハビリ装置において、第1の装着具には長手方向に第2のガイド機構を設け、駆動部の他端を、第2のガイド機構を介して第1の装着具に連結したものである。本実施の形態によれば、ねじりによって生じた駆動部の経路差を第2のガイド機構で吸収することができ、駆動部へのストレスを低減して、より安定したねじりを与えることができる。
本発明の第6の実施の形態によるリハビリ装置は、第1から第5の実施の形態によるリハビリ装置において、ガイド機構、第1のガイド溝、及び駆動部を有する駆動機構を、複数備え、複数の駆動機構を駆動部の両端で1組に連結したものである。本実施の形態によれば、複数の駆動機構を連結して動作させることで安定した駆動力を発生させ、安定したねじりを付与することができる。
本発明の第7の実施の形態によるリハビリ装置は、第1から第6の実施の形態によるリハビリ装置において、複数の駆動機構または複数組の駆動機構を第1の装着具の円周方向に沿って配置し、駆動部の伸縮に応じて、複数または複数組の駆動機構が同一の回動方向に駆動されるものである。本実施の形態によれば、複数または複数組の駆動機構を円周に沿って配置することでより確実に、安定して関節にねじりを与えることができる。
本発明の第8の実施の形態によるリハビリ装置は、第1から第6の実施の形態によるリハビリ装置において、複数の駆動機構または複数組の駆動機構を第1の装着具の円周方向に沿って配置し、駆動部の伸縮に応じて、少なくとも1つまたは1組の駆動機構が他の駆動機構と逆の回動方向に駆動されるものである。本実施の形態によれば、両回動方向への駆動機構を備えることで、片方向にのみ駆動力を発生する駆動部を用いても、関節に両方向のねじりを与えることができる。
本発明の第9の実施の形態によるリハビリ装置は、第1から第5の実施の形態によるリハビリ装置において、駆動部として、気体、液体、若しくは固体の物質、又はこれらの混合物の供給又は排出によって伸縮する人工筋を用いたものである本実施の形態によれば、駆動部に流体圧式の人工筋肉を用いることで、軽量なリハビリ装置を実現することができる。
本発明の第10の実施の形態は、第1から第7の実施の形態によるリハビリ装置において、駆動部として、エアシリンダー、油圧シリンダー、リニアモータ、ソレノイド、又はボイスコイルモータを用いたものである。本実施の形態によれば、伸張と収縮の両方向に駆動力を発生させる駆動部を用いることで、同一方向の駆動機構のみを用いても、関節に両方向のねじりを付与することができる。
【実施例】
【0010】
以下に、本発明のリハビリ装置の一実施例について説明する。
図1は本発明の一実施例におけるリハビリ装置を正常者が装着した状態を示す上面構成図、図2は回内患者が同リハビリ装置を装着した状態を示す上面構成図、図3は回内を矯正した状態を示す上面構成図である。
本実施例は、手首に設けるリハビリ装置であり、前腕側を一方、手側を他方として以下説明する。
本実施例によるリハビリ装置は、関節の一方の骨に沿って配置される第1の装着具10と、関節を跨いで配置される第2の装着具20とを備えている。本実施例では、ガイド機構14、第1のガイド溝13、第2のガイド溝43、及び駆動部40を有する駆動機構の組み合わせを1セットとして、第1の装着具10の長手方向に配置している。
本実施例では、2本の駆動部40を平行に設置している例を示しているが、1本よりも2本を1組として用いたほうが、動作が安定するという点で優位である。ただし、駆動部40の本数は限定されるものではなく、1本でも2本以上の複数でもかまわない。駆動部40を複数備える場合、複数の駆動部40の端部をそれぞれ一体に連結することも、動作の安定に有効である。
【0011】
第2の装着具20の外周面と第1の装着具10の内周面との間には、回動機構としての一対のベアリング31、32を設けている。これらのベアリング31、32によって、第1の装着具10は第2の装着具20に対して回動する。
第2の装着具20には長手方向に対して傾斜させたガイド機構14を、第1の装着具10には長手方向に第1のガイド溝13と第2のガイド溝43をそれぞれ設けている。
駆動部40は、長手方向に長さを変化させるアクチュエータである。例えば、気体、液体、若しくは固体の物質、又はこれらの混合物の供給又は排出によって伸縮する人工筋が、軽量かつ適度なあそびを持つために適している。ここで例示する人工筋肉は、収縮方向にのみ駆動力を発生するものである。駆動部40の一端のピン41は、ガイド機構14及び第1のガイド溝13に係合し、駆動部40の他端のピン42は第1の装着具10の第2のガイド溝43に連結している。本実施例のリハビリ装置を装着する形態としては、装着体そのものによって手や前腕を挟み込み保持する形態、ベルトを使用して装着体を保持する形態、装着体を被服体に埋め込み、被服体によって保持する形態などが考えられる。
【0012】
本実施例のように、リハビリ装置を手首関節に設ける場合には、第1の装着具10を前腕に沿って配置し、第2の装着具20は、手首関節を跨いで手と前腕に配置している。
なお、駆動部40は、上記説明では上面側だけについて説明したが、対称となる下面についても同様の構成を有していることが好ましい。
また、本実施例は、手首関節以外の例えば肩関節などにも同様の配置で使用することができる。ただし、手首関節に用いる場合には、第2の装着具20を手側、前腕側、もしくは両方に保持することが可能であるが、肩関節などに用いる場合には、他方にのみ保持される。第1の装着具10も、手首関節に用いる場合には、動作を阻害しないように前腕の肘関節側のみで保持する必要があるが、肩関節などに用いる場合では、一方の骨の全面で保持することができる。これは、手首関節の回内外が前腕の橈骨、尺骨のねじれによって発生する動作であるのに対し、肩関節など他の関節の回旋は、関節を挟む骨同士のねじれによって発生する動作だからである。また、首や背骨部など、複数の関節を跨いで発生するねじれについては、ねじれの両端に位置する骨を、一方、他方として配置することで、同様の機能を実現することができる。単に端部の骨だけを支持するのではなく、動作を疎外しない程度に、なるべく広い範囲で体を支持することが望ましい。
さらに、手首関節に用いる場合に限定すれば、同様の理由から、第2の装着具を一方(前腕)にのみ配置し、他方(手側)を省略することも可能である。
【0013】
以下本実施例によるリハビリ装置の動作について説明する。
図2に示すように、患者の自発的な回内が発生した場合、第2の装着具20も回内にあわせて回動する。第2の装着具20に設けられたガイド機構14は、回内によってガイド機構14の手側が第1の装着具10のガイド溝13と一致するように、傾斜して配置されている。このため、駆動部40の一端のピン41は、ガイド機構14、ガイド溝13に沿って手の先端側に移動する。またこのとき、駆動部40の他方のピン42も、第2のガイド溝43に沿って第2のガイド溝43の手側の終端まで移動する。
回内を戻すためには、図2に示す状態において、駆動部40を縮める方向に駆動することで図3に示す状態に動作させる。
駆動部40を駆動すると、駆動部40の一端のピン41はガイド溝13に沿って肘側に移動する。この移動に伴ってピン41は、ガイド機構14に沿って移動するが、ガイド機構14は、傾斜して設けているため、第2の装着具20には回外方向に力が加わり、第2の装着具20は第1の装着具に対して回外動作をする。
本実施例によれば、直進駆動のアクチュエータを用いても、有効な回動動作を実現することができる。また、駆動機構を一方の骨にのみ配置することで、コンパクトで動作を阻害しないリハビリ装置を実現することができる。
【0014】
次に、本発明のリハビリ装置の他の実施例について説明する。
図4は本発明の他の実施例におけるリハビリ装置を正常者が装着した状態を示す上面構成図、図5は回内患者が同リハビリ装置を装着した状態を示す上面構成図、図6は回内を矯正した状態を示す上面構成図である。
本実施例によるリハビリ装置は、前腕の骨に沿って手首関節を跨いで配置される第1の装着具10と、手側もしくは手首関節を跨いで配置される第2の装着具20とを備えている。また、第2の装着具20は掌側又は手の甲側の一方もしくは両方に配置する。第1の装着具10と第2の装着具20の配置場所が異なる以外は第1の実施例と装置構成は同じである。
本実施例のように、リハビリ装置を前腕に設ける場合には、第1の装着具10を前腕の骨に沿って手首関節を跨いで配置し、第2の装着具20を手側もしくは手首関節を跨いで配置する。これにより、前腕の橈骨、尺骨による回内のリハビリが可能である。
本実施例では、2本の駆動部40を平行に設置している例を示しているが、1本よりも2本を1組として用いたほうが、動作が安定するという点で優位である。ただし、駆動部40の本数は限定されるものではなく、1本でも2本以上の複数でもかまわない。
【0015】
上記各実施例では、上面に駆動機構を設けた場合を示したが、下面にも駆動機構を設置することで、さらに動作が安定する。この場合には、上記各実施例のように2組1セットとすることなく、上面の駆動機構、下面の駆動機構をそれぞれ一つで構成しても、十分に安定した動作が得られる。駆動部40の設置スペースが十分に確保できない場合、重量を軽減したい場合などには、有効な手段となる。
本実施例でも、手首関節以外の肩関節などに、同様の構成で利用することが可能である。ただしその場合、第2の装着具20は、他方にのみ配置される。
本実施例によれば、駆動力の作用する場所を関節の他方に配置することで、安定した動作を実現することができる。また、駆動部40の配置場所を広く取ることができ、収縮率の低い駆動部40でも大きな動作を実現することができる。
【0016】
次に、本発明のリハビリ装置の更に他の実施例について説明する。
上記実施例は、リハビリ装置が発生させる回動の向きを一方向としたが、第1の装着具の長手方向の軸線に対して対称に配置した駆動機構の回動方向を互いに逆方向に回動するように構成してもよい。すなわち、図示はしないが、第1の装着具10の下面に上面とは逆方向に回動する駆動機構を配置する。第1の装着具10の下面と上面の駆動機構の回動方向が逆になるように配置することで、回内・回外の両方の向きに回動を発生することができる。上記実施例のように、装置が発生させる回動の向きが一方向の場合には、たとえば回内を矯正する方向に装置を設計した場合、発生した回内を強制することはできるが、装置自身は回内方向への駆動力を発生しない。このため、患者自身が回内を発生させる、もしくは、共同運動によって回内を発生させた後でしか、回内補正の動作を行えない。これに対して、本実施例では、対称に配置された駆動部40を交互に動作させることによって、回内・回外の両方向の運動に対応することが可能であり、繰り返しのリハビリをすることができ、継続的に動作のトレーニングを行うことができる。
本実施例では、駆動機構を第1の装着具10の上面と下面に配置したが、第1の装着具10の円周上であれば、両側面や角度をなす位置に配置してもかまわない。また、回動方向の異なる駆動機構をそれぞれ複数配置してもかまわない。駆動機構の配置は、安定した回転力を発生するように、同一方向の駆動機構は、第1の装着具10の円周上に均等に配置することが望ましいが、装着のスペースを確保するため対称に配置できない場合、デザインを重視する場合には、円周上で配置を変えることも有効である。ここでいう円周上とは、第1の装着具10の外周であり、第2の装着具20が回動する軸の円周上である。
【0017】
次に、本発明のリハビリ装置の更に他の実施例について説明する。
本実施例では、ガイド機構14、第1のガイド溝13、第2のガイド溝43、及び駆動部40を有する駆動機構の組み合わせを2セット1組として、1組もしくは複数組の駆動機構を第1の装着具10の円周上に配置する。このとき、2セット1組の各々の駆動機構の回動方向を互いに逆に構成する。この構成により、回内・回外の両方向の運動に対応することが可能であり、繰り返しのリハビリをすることができる。
駆動機構の配置は、第1の装着具10の円周上に均等に配置することが望ましいが、円周上に配置されるのであれば、均等な位置でなくても、回動させることは可能である。装着のスペースを確保するため対象に配置できない場合、デザインを重視する場合には有効である。
本実施例では、回動方向の異なる駆動機構を1セットづつ、2セット1組としたが、2セット以上の組み合わせでも、それぞれの回動方向の駆動機構が同数でなくてもかまわない。
【0018】
本実施例においては、駆動部40として人工筋を用いたが、直進運動を発生するエアシリンダー、油圧シリンダー、リニアモータ、ソレノイド、又はボイスコイルモータを駆動部として構成することもできる。この場合、駆動部40が両駆動であるため、第1のガイド溝14の中間位置を回動のニュートラル位置とすることにより、回内・回外両方向に回動させることができる。この構成によれば、向きの異なる第1のガイド溝14を設ける必要がなく、駆動機構の構成を簡略化することができる。
また本実施例のように、両方向に駆動力を発生することが可能な駆動部を用いた場合、上記構成を簡略化することができる。駆動部として人工筋を用いた場合には、収縮方向にしか駆動力を発生させないため、両方向に回動させるためには、構造を分けて設置する必要があるが、両駆動の駆動部ではその必要がなく、前記のように異なる向きに第1のガイド溝を設ける必要はない。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、肘、膝、又は手首などの関節でのねじり動作を支援し、又は筋力補助装置としても使用可能なリハビリ装置として利用できる。
【符号の説明】
【0020】
10 第1の装着具
13 ガイド機構
14 第1のガイド溝
20 第2の装着具
40 駆動部
41、42 ピン
43 第2のガイド溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節の一方の骨に対して他方の骨にねじりを与えるリハビリ装置であって、
第2の装着具の外周に第1の装着具を設け、
前記第2の装着具の外周面と前記第1の装着具の内周面との間に回動機構を設け、
前記第2の装着具には長手方向に対して傾斜させたガイド機構を、前記第1の装着具には長手方向に第1のガイド溝をそれぞれ設け、
長手方向に長さを変化させる駆動部の一端を、前記ガイド機構及び前記第1のガイド溝に、前記駆動部の他端を前記第1の装着具に連結したことを特徴とするリハビリ装置。
【請求項2】
前記第1の装着具を前記関節を跨いで配置し、前記第2の装着具を前記関節の他方の骨に沿って配置したことを特徴とする請求項1記載のリハビリ装置。
【請求項3】
前記第1の装着具を前腕に沿って配置し、前記第2の装着具を前記前腕から手首関節を跨いで手に配置したことを特徴とする請求項1に記載のリハビリ装置。
【請求項4】
前記第1の装着具を手首関節を跨いで配置し、前記第2の装着具を手に配置したことを特徴とする請求項1記載のリハビリ装置。
【請求項5】
前記第1の装着具には長手方向に第2のガイド機構を設け、前記駆動部の他端を、前記第2のガイド機構を介して前記第1の装着具に連結したことを特徴とする請求項1に記載のリハビリ装置。
【請求項6】
前記ガイド機構、前記第1のガイド溝、及び前記駆動部を有する駆動機構を複数備え、複数の前記駆動機構を前記駆動部の両端で1組に連結したことを特徴とする請求項1から請求項5に記載のリハビリ装置。
【請求項7】
複数の前記駆動機構または複数組の前記駆動機構を前記第1の装着具の円周方向に沿って配置し、前記駆動部の伸縮に応じて、複数または複数組の前記駆動機構が同一の回動方向に駆動されることを特徴とする請求項1から請求項6に記載のリハビリ装置。
【請求項8】
複数の前記駆動機構または複数組の前記起動機構を前記第1の装着具の円周方向に沿って配置し、前記駆動部の伸縮に応じて、少なくとも1つまたは1組の駆動機構が他の駆動機構と逆の回動方向に駆動されることを特徴とする請求項1から請求項6に記載のリハビリ装置。
【請求項9】
前記駆動部として、気体、液体、若しくは固体の物質、又はこれらの混合物の供給又は排出によって伸縮する人工筋を用いたことを特徴とする請求項1から請求項5に記載のリハビリ装置。
【請求項10】
前記駆動部として、エアシリンダー、油圧シリンダー、リニアモータ、ソレノイド、又はボイスコイルモータを用いたことを特徴とする請求項1から請求項7に記載のリハビリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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