説明

リファレンスピン

A)縦軸(3)、前端(4)、後端(5)および貫通孔(6)を有する縦シャフト(2)を含み、前記貫通孔(6)は、前記シャフト(2)を前記前端(4)から前記後端(5)へと貫き、
B)前記シャフト(2)は、前記後端(5)に隣接する後部(8)と、前記前端(4)に隣接する拡張可能な前部(7)とからなり、前記拡張可能な前部(7)は骨髄内釘(30)の遠位の固定孔(31)に挿入可能で前記縦軸(3)の横軸方向に可逆的に拡張できるリファレンスピン(1)であり、前記リファレンスピン(1)がさらに、
C)前記貫通孔(6)内に移動可能に設置され、前記の拡張可能な前端部(7)の可逆的な拡張に適した伸張部品(9)を含む
ことを特徴とする骨折治療中に使用されるリファレンスピン(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドリルガイドを骨髄内釘に整列させるためのリファレンスピンに関する。
【0002】
例えば長骨骨折の治療に用いられる骨髄内釘は、骨髄内釘を横方向に貫通する連結孔を備えている。これらの固定孔の1つ以上が骨髄内釘の近位端にも遠位端にも同様に置かれる。これらの固定孔は骨と連結する固定ねじの通過を可能にし、骨髄内釘の骨への固定に適している。固定ねじは骨髄内釘の骨髄内チャネルへの挿入後、釘を通して骨へと中外側方向に挿入される。通常、ドリルを導くために照準装置が用いられる。前記の照準装置は骨髄内釘の一端に結合できる。骨髄内釘の遠位の固定はX線装置と放射線透過性のドリル用具を用いて視覚的に行うかまたはX線なしで高価な照準装置によって行われる。その結果はしばしば長時間のレントゲン透視や患者に対し高い放射線暴露となるかあるいは複雑な時間を費やす装置となる。
【背景技術】
【0003】
国際公開第92/01422号パンフレットにおいてチャドウィック(CHADWICK)は骨髄内釘の遠位の固定孔の一つにねじ止めされる照合要素(reference element)を遠位に備えたドリルガイド装置を開示している。この照合要素によってドリルガイド装置は骨髄内釘に固定的に整列され遠位の固定孔はX線装置の使用による視覚的制御なしに穿孔される。固定ねじの挿入中レントゲン透視が不要で骨髄内釘の骨への固定に要する時間が少なくなるように照合要素のみを骨髄内釘遠位端の各固定孔にレントゲン透視を用いて挿入すべきである。さらに、穿孔の間違いが避けられる。しかしながらこの既知のドリルガイド装置は、
a)照合要素は固定ねじの挿入には使われない内側にねじ山を備えた骨髄内釘の横方向の追加の孔へ挿入しなければならず、それはさらに骨髄内釘の遠位端を弱くする、
b)この既知の照合要素は位置決め孔にある長さの内側のねじ山が必要なことにより小さいおよび/または管状の骨髄内釘には適さず、さらに
c)照合要素のねじの遠位の固定孔への挿入はねじと骨髄内釘遠位の固定孔のねじ山の直径を合わせることによって時間を費やす整列が必要である
という欠点を示す。
【発明の概要】
【0004】
そこで、本発明の目的は骨髄内釘の遠位の固定孔に挿入可能かつ可逆的に固定できる照合要素を提供することであり、内側のねじ山を備える必要がなくリファレンスピンの前部に止め孔へのピンの挿入が容易になるように骨髄内釘の遠位の固定孔に適当な隙間を有する伸張できる部分をもった照合要素を提供することにある。
【0005】
上記の目的は骨折治療中に前端、後端および前記の前端から前記の後端までシャフトを貫通する孔を有する縦方向のシャフトからなるリファレンスピン1を用いて達成され、ここで前記のシャフトは前記の後端に隣接する後部および前記の前端に隣接する拡張可能な前部からなり、前記の拡張可能な前部は骨髄内釘の遠位の固定孔に挿入でき可逆的に拡張可能で前記のシャフトの縦軸に対し横方向である。さらに前記のリファレンスピンは前記の貫通孔中に可動性に設置された伸張する部品を含み可逆的に拡張する前記の拡張可能な前端部に適合している。
【0006】
本発明に従ってリファレンスピンを用いることにより以下の利点が達成される。
− リファレンスピンの拡張可能な前部は骨髄内釘遠位の固定孔に関して適当な隙間を持つことでリファレンスピンの遠位の固定孔への挿入が容易になり、リファレンスピンの拡張可能な部分の拡張により、それに続くリファレンスピンの固定孔に対する正確な整列を可能にする
− 遠位の固定孔内側のねじ山なしにリファレンスピンを骨髄内釘に挿入、固定することで既に負荷がかかっている遠位の固定孔領域にねじ山によって起きる応力の集中による機械的強度のさらなる低下が避けられ、そして
− 釘の直径の圧縮を避けねばならない、釘の直径が小さい骨髄内釘やスロット(みぞ)が刻まれた骨髄内釘へリファレンスピンを挿入固定することができる。
【0007】
好ましい実施例では前記の伸張する部品は前記の貫通孔に同軸性に位置を変えられるピンであり、前記のピンは楔形または円錐状の先端と末端とからなる。楔または円錐状の連結は前部の簡単な拡張を可能にする。さらにそのような楔または円錐状の連結は拡張部分の骨髄内釘の固定孔内への固定を大きな力を費やすことなく円滑にする。好ましくは、ピンの先端は長さ5mmの円錐形で錐角は3°と5°の間、代表的には3,4°である。
【0008】
もう一つの実施例では前記貫通孔は前記シャフトの前端に隣接する好ましくは連続的に拡張する部分をもち、前記の好ましくは連続的に拡張する部分は前記ピンの前記の先端と相補的な形である。連続的にする代わりに不連続的な拡張部分を前記貫通孔内に置くことができる。
【0009】
さらなる実施例では拡張可能な前部は0.3mmから0.5mmの範囲で可逆的に拡張可能で、それによって拡張可能な前部が拡張していない状態にあるとき骨髄内釘の遠位の固定孔への挿入が容易になる。
【0010】
もう一つの実施例では前記の拡張可能な前部は前記シャフトと一体であり、それによって金属シャフトの場合シャフトの管状の前部に軸方向のスロットを作ることにより拡張可能な前部は弾力的に形成される利点がありシャフトの複雑でない製作が可能になる。
【0011】
さらにもう一つの実施例では、前記の楔形または円錐形の先端は前記ピンの先端へと拡張する。これにより、楔または円錐形のロックが詰まった場合ピンの末端に軸方向の衝撃を働かすことにより楔または円錐形のロックが解放されるという利点が達成される。
【0012】
さらなる実施例では前記の拡張可能な前部は摩擦力によって骨髄内釘の遠位の固定孔に仮固定できる。
【0013】
さらなる実施例ではシャフトは後部と拡張可能な前部の移行部で段部となり、前記の段部は骨髄内釘の外面に接するように前記シャフトの前端へと向けられる。かくして前記リファレンスピンの縦軸に関してリファレンスピンの骨髄内釘外面への確かな接合が前記の段部によって達成される。
【0014】
もう一つの実施例では前記リファレンスピンは縦軸周りの回転に関して対応する孔の中でリファレンスピンが確かな位置取りとなるように保障する手段からなる。
【0015】
さらにもう一つの実施例では前記シャフトはさらに深度計を含む。深度計は段部が骨髄内釘外面に接するまでリファレンスピンの挿入の目視による制御を可能にしてそれによってリファレンスピンは骨髄内釘の固定孔に完全に挿入される。
【0016】
さらなる実施例では深度計は前記シャフトの側面に同軸に滑動するように配置される。
【0017】
さらなる実施例では前記の深度計は弾力性の部品により前記シャフトの前端の方向へ弾性的に偏向させられる。
【0018】
もう一つの実施例では前記の拡張部品は内側にねじ山のあるナット部品からなり前記ピンは末端の方向へ終端配置された外側のねじ山を備える。この実施例はナット部品によってピンを軸上で動かせるという利点を可能にするのでナット部品を締めることによってリファレンスピンの拡張可能な前部の拡張手順が容易に成し遂げられる。
【0019】
さらにもう一つの実施例では前記のリファレンスピンはマーカー付の照合要素からなりその位置は外科用ナビゲーションシステムの位置測定装置によって音響的あるいは電磁的に検出できる。
【0020】
さらなる実施例では前記のリファレンスピンは放射線透過性の材料で作られ、少なくとも2個の放射線不透過性のマーカーを含み、それによってX線による十分な制御が可能になる。
【0021】
さらなる実施例ではシャフトはねじ式接続後部と前記シャフトの前端に向かって軸方向に置かれた止め具からなる。
【0022】
もう一つの実施例ではシャフトは少なくとも前記シャフトの拡張可能な前部上に延在する少なくとも一つの軸上スロットからなる。
【0023】
さらなる実施例では前記リファレンスピンは金属材料、好ましくは硬化鋼鉄から作られる。
【0024】
さらなる実施例ではシャフトは伸張部品の材料よりも柔らかい材料から作られる。
【0025】
さらに、本発明による骨髄内釘のアセンブリはリファレンスピンからなり、さらに前記リファレンスピンの縦軸に対して孔軸が横方向に延在する少なくとも2個のガイド孔を設けたU形のドリルガイドからなり、前記U形は前記リファレンスピンの縦軸によっても孔軸によっても切られない平面を規定する。
【0026】
その上、本発明による骨断片固定のためのアセンブリはリファレンスピンおよび前記リファレンスピンの縦軸によって切られない平面に円弧を作る弓形の部品を備えた折れた骨を固定するためのU形の装置からなり、前記装置はさらに前記の弓形部品の周囲に円弧に沿って延在するスロットを設け、それによって前記装置はさらにスロット中を滑動することができて所望の位置に設置されるとすぐに可逆的に固定できるドリルスリーブを含む。
【0027】
本発明のいくつかの具体例を実施例としてまた添付の図と関連して述べる。
【0028】
図1および2はリファレンスピンの具体例を描く。前記リファレンスピンは縦軸3、前端4、後端5および前記シャフトを前記前端4から前記後端5へ貫通する貫通孔6を有する縦方向のシャフト2からなる。さらに、前記シャフト2の後部は前記後端5に隣接し拡張可能な前部7は前記前端4に隣接し、それによって前記の拡張可能な前部7は骨髄内釘30の遠位止め孔31(図3)に挿入できて前記縦軸3に対し横方向に可逆的に拡張できる。その上、伸張部品9は前記貫通孔6に同軸上で位置を変えられるように置かれたピン10として構成され、ピン10の円錐状の先端11およびリファレンスピン1の貫通孔6の対応する円錐状に広がる部分13により作られる円錐結合によって可逆的に拡張可能な前記の拡張可能な前端部7に適合するように提供される。前記貫通孔6は前記シャフト2の前記前端4に隣接する連続的に広がる部分13を有し前記ピン10の前記円錐状先端11に対し相補的に形成され、それによって前記拡大部分13は前記円錐状先端11と同様に前記シャフト2の前記前端4へ、それぞれ前記ピン10の前記先端11へ広がる。
【0029】
リファレンスピン1はさらにシャフト2の後端5に接し前記ピン10の後部末端の対応する外側のねじ山25に適合しそれをもってピン10の同軸での転置を可能にする内側にねじ山27を持つナット部品26を含み、それによってナット部品26を締めたとき前記シャフト2の拡張可能な前部7がピン10の円錐状の先端11と貫通孔6の円錐状に拡大する部分13との円錐接合によって前記シャフト2の縦軸3に対して横方向に拡張する。シャフト2は前記シャフト2の拡張可能な前部7を越えて伸びる2つの全く正反対の軸上スロット54を含む。
【0030】
ドリルガイド20(図3)をシャフト2の後端5に取り付けるため前記シャフト2は前記シャフト2の後端5に隣接する外側のねじ山22を含む後部末端28からなり、前記シャフト2の前端4へ向けられ続いて前記ドリルガイド20の横軸部24の固定孔(示されていない)に適合したねじ山のない円筒部23に配列されそして止め具29が前記シャフト2の半径方向へ拡大する部分によって形成される。リファレンスピン1をドリルガイド20に固定するため前記シャフトの後部末端28は前記ドリルガイド20の横軸部24の固定孔を通して止め具29が横軸部24の表面に接するまで導かれる。その後ナット50が外側のねじ山22にねじ止めされ締められる。
【0031】
図3は骨髄内釘30の遠位の止め孔の一つに挿入されたリファレンスピン1を示す。さらに、本質的にU形のドリルガイド20がリファレンスピン1に据えつけられ、それによって前記ドリルガイド20は釘の長軸32に直交する面に平行な弓を形成しリファレンスピン1の長軸3に対し本質的に対称になる。前記ドリルガイド20は前記シャフト2の縦軸3に直交するように配置された中央部を含む横軸部24および前記中央部分に角度を持って隣接する各遠端がアーム51に接続する2個の外側部分からなる。前記アーム51は前記横軸部24の中央部分に直交して、すなわち前記シャフト2の縦軸3に平行に延在する。
【0032】
さらに、前記ドリルガイド20は固定ねじの孔を穿孔するためのガイド孔21を備え,前記ガイド孔21は解放端52近くで平行なアーム51を貫通する。前記ガイド孔21の軸53は前記シャフト2の縦軸3および釘の縦軸32の末端領域に垂直である。ドリルガイド20は安定および配列ロッド46によって釘挿入ハンドル40に接続し、ロッドは一端でドリルガイド20に他端で釘挿入ハンドル40に連結結合される。
【0033】
外科的方法の簡単な説明:
1.組み合わせた骨髄内釘30を骨髄内釘30の近位端に取り付けられた挿入ハンドル40を今日の技術水準にしたがって骨の中へ挿入し;
2.骨髄内釘30の遠位端の止め孔31の一つを通して移動できるX線装置を用いて骨に穿孔し;
3.リファレンスピンの部分X(図1)が通るようにもう一つのドリルで近位の皮層を拡張し;
4.リファレンスピン1(図1)の拡張可能な前部7を移動できるX線装置を用いて骨髄内釘30の遠位端の固定孔31の一つに挿入し;
5.釘の縦軸32に直交する平面に弧を形成する弓形の部品42を備え前記の弓形の部品42の外面の弧に沿って延在するスロット43を有する折れた骨片固定のための装置41(図5)の取付けと固定をする。折れた骨片固定のための装置41はさらにスロット43の中を滑動することができて所望の位置に設置されるとすぐに可逆的に固定可能なドリルスリーブ44を含む。弓形の部品42の弧はドリルスリーブ44を穿孔位置に関して調整して固定することができるように弧の上を滑動し、折れた骨片を伸張可能な部分で固定するように構成し;
6.ドリルスリーブ44の中央の孔を通して導かれるピン45すなわち骨ねじにより骨片を固定し;
7.折れた骨片固定のための装置41を取り外し;
8.ドリルガイド20をリファレンスピン1に関して調整しドリルガイド20を釘挿入ハンドル40と同様リファレンスピン1に安定させ、および配列ロッド46によって釘の縦軸32に関して固定し(図6);
9.組み立てた骨髄内釘30の別の遠位の固定孔31に対して骨に予め穿孔し(図6)固定孔にねじを挿入し(ドリルガイドを用いてまたは用いずに);
10.組み立てた骨髄内釘30を固定ねじによって遠位領域に結合し;
11.ドリルガイド20およびリファレンスピン1を取り外し;
12.固定ねじをこの最後の固定孔に挿入し;そして
13.組み立てた骨髄内釘1を挿入ハンドル40に取り付けた照準手段によって固定する。
【0034】
図7には図1および2に示した実施例とは深度計14(図8)を備えることのみが異なるリファレンスピン1の実施例を示した。それによって外科医は前記シャフト2の拡張可能な前部7と後部8との間の移行部にある段部16がレファレンスピン1に用いられる固定孔31に隣接する骨髄内釘30の外面に接するのを視覚的に確認することができる。前記深度計14は前記シャフト2の側面38に軸方向に移動できるように置かれ、前記シャフト2の縦軸に平行に伸びるトレーサーピン36および前記シャフト2の後端5へ向けて後部で前記トレーサーピン36に固定されたクランプ37を含み、それによって前記深度計14は前記伸張部品9に前記トレーサーピン36が前記シャフト2の縦軸3に平行に移動できるように取り付けることができる。クランプ37は貫通孔6に関して大きな直径を有する窪んだ空間49に保持される。前記トレーサーピン36は前記シャフト2の前端4の方へ向けられたチップ47を有し、前記シャフト2の縦軸3に直交する指示矢を形成するため軸と反対方向に90°片寄ったポインター39を備える。さらに、らせん状の圧縮ばねの形状の弾力性の部品15がクランプ37およびくぼんだ空間49と貫通孔6間の移行部によって形成される止め部との間に配置され、前記弾力性の部品15は前記深度計14をその最前部の方へ弾力的に押し付けるのに適している。
【0035】
図9は例えばコンピュータ支援ナビゲーションシステムを用いた外科インプラント、外科用具または骨の空間的照合のための照合手段として適した前記リファレンスピン1の実施例を示す。前記リファレンスピン1は図1および2に示した実施例とそれがさらに外科用ナビゲーションシステムの位置測定装置35によってその位置が音響的または電磁的に検出できるマーカー34をもった照合要素33を含むことおよび例えばシャフト2の拡張可能な前部7と後部8間の移行部の平たいまたは多角形の部分のような他の外科装置に関してリファレンスピン1の位置を定めることが可能で前記リファレンスピン1のシャフト2の縦軸3まわりの回転を避けることができる回転固定手段(示されていない)を含むことのみが異なる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明によるリファレンスピンの具体例の説明図を示す。
【図2】図1の円Aに従った拡大した縦断面を示す。
【図3】ドリルガイドを据えつけて骨髄内釘に取り付けた本発明によるリファレンスピンの具体例からなる構築物の全体像を示す。
【図4】骨髄内釘を挿入した患者の足の脛骨部と釘に固定された本発明によるリファレンスピンの具体例を示す。
【図5】骨髄内釘を挿入した患者の足の脛骨部と釘に固定された本発明によるリファレンスピンの具体例およびリファレンスピンに取り付けた骨固定装置を示す。
【図6】骨髄内釘を挿入した患者の足の脛骨部と釘に固定された本発明によるリファレンスピンの具体例およびリファレンスピンに取り付けたドリルガイドを示す。
【図7】本発明によるリファレンスピンのさらなる具体例の縦断面を示す。
【図8】図7に示した具体例で用いられる深度計の側面図を示す。そして
【図9】本発明によるリファレンスピンのさらなる具体例の側面図をコンピュータ支援外科用ナビゲーションシステムとともに示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)縦軸(3)、前端(4)、後端(5)および貫通孔(6)を有する縦シャフト(2)を含み、前記貫通孔(6)は、前記シャフト(2)を前記前端(4)から前記後端(5)へと貫き、
B)前記シャフト(2)は、前記後端(5)に隣接する後部(8)と、前記前端(4)に隣接する拡張可能な前部(7)とからなり、前記拡張可能な前部(7)は骨髄内釘(30)の遠位の固定孔(31)に挿入可能で前記縦軸(3)の横軸方向に可逆的に拡張できるリファレンスピン(1)であり、前記リファレンスピン(1)がさらに、
C)前記貫通孔(6)内に移動可能に設置され、前記の拡張可能な前端部(7)の可逆的な拡張に適した伸張部品(9)を含む
ことを特徴とする骨折治療中に使用されるリファレンスピン(1)。
【請求項2】
拡張可能な前部(7)が0.3mmから0.5mmの範囲内で可逆的に拡張可能であることを特徴とする請求項1に記載のリファレンスピン(1)。
【請求項3】
前記伸張部品(9)が前記貫通孔(6)内で同軸方向に移動可能なピン(10)であり、前記ピン(10)が楔型または円錐状の先端(11)および末端(12)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のリファレンスピン(1)。
【請求項4】
前記貫通孔(6)が前記シャフト(2)の前記前端(4)に隣接する連続的に拡大する部分(13)を有し、前記の連続的に拡大する部分(13)が前記ピン(10)の前記先端(11)と相補的な形状であることを特徴とする請求項3に記載のリファレンスピン(1)。
【請求項5】
前記貫通孔(6)が前記シャフト(2)の前記前端(4)に隣接する不連続的に拡大する部分(13)を有することを特徴とする請求項3に記載のリファレンスピン(1)。
【請求項6】
前記の拡張可能な前部(7)が前記シャフト(2)と一体であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載のリファレンスピン(1)。
【請求項7】
前記先端(11)が前記ピン(10)の前記先端(11)の方向に拡大することを特徴とする請求項3ないし6のいずれか一つに記載のリファレンスピン(1)。
【請求項8】
前記の拡張可能な前部(7)が摩擦力によって骨髄内釘(30)の遠位の固定孔(31)に仮固定可能であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つに記載のリファレンスピン(1)。
【請求項9】
前記シャフト(2)が後部(8)と拡張可能な前部(7)の間の移行部において段部(16)を含み、前記段部(16)が骨髄内釘(30)の外面に接するように前記シャフト(2)の前端(4)へ向けられることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一つに記載のリファレンスピン(1)。
【請求項10】
前記リファレンスピン(1)が前記リファレンスピン(1)の縦軸(3)まわりの回転に対して固定孔(31)内でリファレンスピン(1)の位置を定めることを可能にする回転固定手段を含むことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一つに記載のリファレンスピン(1)。
【請求項11】
前記シャフト(2)がさらに深度計(14)を含むことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一つに記載のリファレンスピン(1)。
【請求項12】
深度計(14)が前記シャフト(2)の側面において同軸方向に滑動することができるように配置されることを特徴とする請求項11に記載のリファレンスピン(1)。
【請求項13】
前記深度計(14)が弾性部材(15)によって前記シャフト(2)の前端(4)の方向に弾性的に偏向していることを特徴とする請求項11または12に記載のリファレンスピン(1)。
【請求項14】
前記伸張部品(9)が内側にねじ山(27)のあるナット部品(26)を含み、前記ピン(10)が末端(12)の方向に終端配置された外側のねじ山を備えることを特徴とする請求項1ないし13に記載のリファレンスピン(1)。
【請求項15】
前記リファレンスピン(1)がマーカー(34)をもった照合要素(33)を含み、その位置が外科用ナビゲーションシステムの位置測定装置(35)によって音響的または電磁的に検出できることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか一つに記載のリファレンスピン(1)。
【請求項16】
前記リファレンスピン(1)が放射線透過性の材料から作られ、前記リファレンスピン(1)は少なくとも2個の放射線不透過性のマーカーを含むことを特徴とする請求項1ないし15のいずれか一つに記載のリファレンスピン(1)。
【請求項17】
シャフト(2)がねじ式接続後部(28)と前記シャフト(2)の前端(4)に向かって軸方向に間隔を置いて配置された止め具(29)とを含むことを特徴とする請求項1ないし16のいずれか一つに記載のリファレンスピン(1)。
【請求項18】
シャフト(2)が少なくとも前記シャフト(2)の拡張可能な前部(7)上に延在する少なくとも一つの軸上スロット(54)を含むことを特徴とする請求項1ないし17のいずれか一つに記載のリファレンスピン(1)。
【請求項19】
請求項1ないし18のいずれか一つによるリファレンスピン(1)を含み、さらに前記リファレンスピン(1)の縦軸(3)に対し横方向に延在する孔軸(53)を有する少なくとも2個のガイド孔(21)を設けたU形のドリルガイド(20)を含み、前記U形が前記リファレンスピン(10)の縦軸(3)によっても孔軸(53)によっても切られない平面を定めることを特徴とする骨髄内釘固定のためのアセンブリ。
【請求項20】
請求項1ないし18のいずれか一つによるリファレンスピン(1)を含み、さらに前記リファレンスピン(10)の縦軸(3)によって切られない平面に弧を形成する弓形部品(42)を備えた折れた骨を固定するためのU形装置(41)を含み、前記装置(41)はさらに前記弓形部品(42)外面上の弧に沿って延在するスロット(43)を有し、それによって前記装置(41)はさらにスロット(43)中を滑動することができて所望の位置に設置されるとすぐに可逆的に固定できるスリーブ(44)を含むことを特徴とする折れた骨を固定するためのアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−534184(P2008−534184A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504600(P2008−504600)
【出願日】平成18年4月5日(2006.4.5)
【国際出願番号】PCT/CH2006/000195
【国際公開番号】WO2006/105685
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(507215725)シンセス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (53)
【氏名又は名称原語表記】SYNTHES GMBH
【Fターム(参考)】