リボヌクレオチドの酵素的還元によるデオキシリボヌクレオチド製造
デオキシリボヌクレオチドをin vitro調製する方法が開示される。本発明におけるデオキシリボヌクレオチドは、E. coli RNAリダクターゼおよび還元剤の存在下で、酵素から抽出されたリボヌクレオチドから転換される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.関連出願
本願は、2002年12月23日出願の米国仮特許出願第60/436,282に基づく優先権の利益を享受し、参照によってその全内容が本明細書に取り込まれる。
2.発明の分野
本発明は、酵母から抽出されたリボヌクレオチドの酵素的還元によりデオキシリボヌクレオチドを調製する方法に向けられる。
【背景技術】
【0002】
現在市販のデオキシリボヌクレオチド調製品は、サケ精巣から抽出されたものである。これらは高価であり、全般に供給不足である。潜在癌処置用の合成「アンチセンス」オリゴヌクレオチドの出発材料として、デオキシリボヌクレオチドの需要が増大していることから、デオキシリボヌクレオチドの代替供給源を探索すべきであろう。本明細書で記述する技術は、酵素的転換プロセスを利用することで、供給が豊富なソースであり低コストである酵母から簡便に得ることができる、対応するオキシ体からデオキシリボヌクレオチドを得る。リボヌクレオチドの生産は成熟した技術であり、これまでに報告されている(Kuninaka, et al, Agric. Biol. Chem., 44, pp1821-27, 1980)。リボヌクレオチドのリン酸化も、40年にわたって発表されてきている(Laufer, et al, USP 3,138,539)。
【特許文献1】米国特許第3,138,539号
【非特許文献1】Kuninaka, et al, Agric. Biol. Chem., 44, pp1821-27, 1980
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一主題は、デオキシリボヌクレオチドをin vitroで調製する方法であって、
a)酵母RNAから抽出されるリボヌクレオチドを調製する工程;
b)前記酵母リボヌクレオチドをリン酸化してリボヌクレオチドリン酸化生成物を生産する工程;および
c)還元剤およびE. coliリボヌクレオチドリダクターゼ(RNR)を含有する反応溶液中で前記リボヌクレオチドリン酸化生成物をデオキシリボヌクレオチド生成物に転換する工程
を含む方法を提供することである。
【0004】
本発明の別の主題は、
c)酵母RNAから抽出されるリボヌクレオチドを調製する工程;
d)前記酵母リボヌクレオチドをリン酸化してリボヌクレオチドリン酸化生成物を生産する工程;および
c) 還元剤およびE. coliリボヌクレオチドリダクターゼ(RNR)を含有する反応溶液中で前記リボヌクレオチドリン酸化生成物をデオキシリボヌクレオチド生成物に転換する工程
を含む方法により作製されたデオキシリボヌクレオチド生成物を提供することである。
【0005】
本発明を特徴付ける様々な新規特徴は、本願開示に添付のまたは開示を構成する特許請求の範囲において詳細に示されている。本発明、その達成する利点、および、その使用により達成される特定の物についてよりよく理解するためには、本発明の好ましい実施形態の図示および記述を含んでいる、図面および記述内容が参照されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
省略形:
DTT:ジチオスレイトール
DNA:デオキシリボ核酸
NADPH:ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、還元型
ADP:アデノシン5'-二リン酸
UDP:ウリジン5'-二リン酸
GDP:グアノシン5'-二リン酸
CDP:シチジン5'-二リン酸
AMP:アデノシン5'-一リン酸
ATP:アデノシン5'-三リン酸
dADP:デオキシアデノシン5'-二リン酸
dUDP:デオキシウリジン5'-二リン酸
dGDP:デオキシグアノシン5'-二リン酸
dCDP:デオキシシチジン5'-二リン酸
dAMP:デオキシアデノシン5'-一リン酸
LC-MS:液体クロマトグラフィー-マススペクトロメトリー(Liquid chromatography-MASS)
IPTG:イソプロピル-ベータ-D-チオガラクトピラノシド
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
【0007】
本発明は、概ね次のように要約できる。
【0008】
【化1】
【0009】
リボヌクレオチドリダクターゼ(RNR)は、リボヌクレオチドからin vivo DNA合成用のデオキシリボヌクレオチドへの転換反応を触媒する主要な酵素である。RNRは、in vivoでNADPHを還元剤として利用し、これを再利用する。人工薬剤であるDTTを使用することは目新しくない。というのは、研究実験室においてRNRの活性を測定するためにこれが用いられてきたからである。RNRは腫瘍細胞においてしばしば過剰発現され、したがってRNRの活性に対抗する薬物が検討された。このような手法には、組織から精製したRNRおよび感度を高めるため放射性の基質が必要であった。
【0010】
本発明におけるアプローチは、デオキシリボヌクレオチドをin vitroで製造するために設計されている。ここでのプロセスには、精製されたRNRは必要とされず、DTTを、より経済的な還元剤のベータ-メルカプトエタノールで置換することもできる。酵母から、高価でない基質リボヌクレオチドを得ることができる。限外ろ過によってデオキシリボヌクレオチド生成物を酵素から分離することができる。さらに、RNRは連続反応に対して再利用することができる。
【0011】
本発明において、純粋なまたは高度精製のRNRが同等に有効であったが、本発明においては、部分的に精製されたRNRのみで十分である。このような部分精製RNRのβ-サブユニットの純度は図10に示される通りであった。RNRは、当業者に知られているいかなる手法によって部分精製されてもよい。
【0012】
E. coli由来のクラスIリダクターゼにおいて、この酵素(α2β2ホロ酵素である)は、R1(M.W. 171KD, 2×761残基)およびR2(M.W. 87KD, 2×375残基)という2種のホモダイマーからなる。R1タンパク質は活性部位および2個のアロステリック結合部位を含む。一方、R2タンパク質は、二核性イオン中心の近傍に遊離チロシン側鎖を含む。R1もR2も、それぞれ単独では触媒活性を示さない。活性は、少なくとも2つのin vivo還元系、すなわちチオレドキシンおよびグルタレドキシン、によるRNRの還元によって惹起される。いずれの系もNADPHを最終還元体とする。DTTやグルタチオンのような人工還元剤は、我々の試験においてin vitroで同じく有効であった。
【0013】
展開しようとする転換プロセスは、発現ベクターへの、RNR α遺伝子およびβ遺伝子の直列型クローニングを含む。細胞内で可溶型にて発現される酵素を、リボヌクレオチドからデオキシリボヌクレオチドへの触媒的転換のために部分精製した。DTTなどの還元剤が、チオレドキシンやグルタレドキシンなどの天然起源の還元剤と同程度に有効であることが明らかになった。DTTなどの還元剤を加えてリコンビナントRNR酵素を使用するスキームにより、リボヌクレオチドからデオキシリボヌクレオチドへの転換を、サケ精巣から現在入手可能なソースと比較して、手頃なコストにて工業規模で行うことができる。かくして、我々の結果は、RNR酵素抽出物を用いてのデオキシヌクレオチド産物が、基質ADP, UDP, GDPおよびCDPに適していることを大いに示している。対応するデオキシ二リン酸型に転換されたCDP、UDPおよびGDPとは異なり、ADPはdAMPに変換され、費やされた時間は長時間にわたった。熱安定性試験によっても、このような酵素抽出物システムが反復生産に適することが実証された。システムは、メンブレン様(membrane-like)フィルターとして設計される。基質はメンブレンを通過し得、酵素はメンブレン中に拘束される。よって、酵素を繰り返し使用することができるであろう。
【0014】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲を制限するものと解釈されるべきでない。
【実施例】
【0015】
・実施例1
RNRの発現
RNR遺伝子を含んだプラスミドを有する形質転換E. coli BL21株を、LBブロス中37℃で成育させた。OD600が0.6に到達した時点で誘導を一旦開始した。誘導後さらに3時間、37℃でインキュベーションを継続した。αおよびβサブユニットの双方が、可溶形態で正当に発現された。
【0016】
E. coli nrdAB遺伝子のクローニング
E. coli RNR遺伝子配列は、遺伝子バンクで容易に入手可能である。E. coli nrdAB遺伝子(RNRアルファ-およびベータ-サブユニットをコードする)は直列であることから、これらのクローニングは、単離したE. coliゲノムDNAについてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施することによって行った。nrdAB遺伝子のPCR用プライマーは:
【0017】
【化2】
【0018】
であった。
nrdABの初めにEcoRI制限酵素部位を、nrdABの3’末端にXbal制限酵素部位を導入した。
nrdAの遺伝子産物(配列番号3):
【0019】
【化3】
【0020】
;nrdBの遺伝子産物(配列番号4):
【0021】
【化4】
【0022】
プラスミドの構築
クローン化されたgrxA遺伝子およびnrdAB遺伝子を、それぞれpGEM-T Easy Vector (Promegaより購入)に組込んだ後、pET-30a発現ベクター(Novagenより購入)にクローニングした。したがって、このベクターの図式は以下に示す通りであった。
【0023】
【化5】
【0024】
生細胞中の還元剤を再利用するためにグルタレドキシンをクローニングした。しかし、我々のスキームはin vivoに適さないことが判明したため、部分精製RNRを用いてのin vitro試験を実施した。人工の還元剤であるDTTまたはベータ-メルカプトエタノール―より安価な還元剤―を導入したので、グルタレドキシンはもはやこの試験に関係ないが、そのまま発現ベクター内に保持されている。
【0025】
・実施例2
形質転換細胞を用いた発酵
生ホールセル系を用いて、デオキシリボヌクレオチドの代わりに未同定の生成物(おそらくはヒポキサンチン)が確認された。基質は、元来設計された経路と異なる様々な代謝経路を経るものと想定される。膜に広範に存在する膜貫通型タンパク質であるATPase、ならびにその他の細胞質型のホスファターゼおよびキナーゼは、RNRの活性を著しく阻害し得る。したがって、引き続いて無細胞系で、酵素転換スキームを試験した。
【0026】
・実施例3
RNRの産生および部分精製
内因性の核酸を硫酸ストレプトマイシンで沈殿させて粗製酵素を調製した後、酵素を硫安沈殿した。続く触媒的転換試験の全てに、この粗製酵素調製物を使用した。
形質転換されたE. coli BL21の一晩培養物10mlを、LB培地1Lに導入した。OD600が0.4〜0.7に達した時点でIPTGを添加することにより、誘導を行った。誘導約3時間において細胞を回収した。遠心処理により細胞を遠心沈殿させて、20mMトリス(Tris)pH7.5バッファーで洗浄した。超音波処理機またはホモジナイザーを用いて細胞を破砕した。細胞可溶化物の上清に、5分の1容積の15%硫酸ストレプトマイシンを添加して、内因性の核酸を沈殿させた。遠心処理の後、この上清をさらに55%硫酸アンモニウムで処理して酵素を沈殿させた。酵素を1〜2mLの20mMトリスpH7.5バッファーで再懸濁した。この部分精製された酵素を、20mMトリスpH7.5に対する透析に供した。透析後に得られたRNRの純度は、図10に示す通りであった。
【0027】
・実施例4
酵母RNAからのリボヌクレオチド調製
酵母RNAからのリボヌクレオチドの調製は、例えば、Kuninaka, et al, Agric. Biol. Chem., 44, pp1821-27, 1980(参照によりその全体が本明細書に取り込まれる)に従って行うことができる。さらに、本発明の目的のための酵母RNAからのリボヌクレオチド調製には、当業者にとって知られており、過度の実験を行うことなく容易に実施可能ないかなる他の手法も用いることができる。
【0028】
・実施例5
リボヌクレオチドのリン酸化
酵母から得られたリボヌクレオチドのリン酸化は、米国特許第3,138,539号(参照によりその全体が本明細書に取り込まれる)に従って実施し得る。さらには、当業者が過度の実験なしに容易に実施できるような任意の他の手法によって、リボヌクレオチドをリン酸化することもできる。
【0029】
・実施例6
リボヌクレオチドをデオキシリボヌクレオチドに転換する触媒反応
反応を、37℃/トリスバッファー(pH 7.5、DTT, Mg2+,ならびに基質であるCDP, UDP, GDP およびADP入り)で実施した。反応溶液へのATPの添加は、生成物のリン酸化も促進する。反応溶液は、以下の組成:部分精製酵素10μl; 1M MgSO4 0.6μl; 100mM DTT 4μl; 50mM基質(ADP, GDP, CDPまたはUDP)2μl;にて、20mMトリスpH7.5バッファーを100μlになるまで添加して作製した。反応温度は37℃であった。反応継続時間:UDP, CDPおよびGDPの場合1時間;ADPの場合4時間。反応後、反応溶液に水900μlを添加し、直ちにHPLC分析に供した。
HPLC分析の条件は以下の通りであった。
カラム: Supelcosil LC-18, 25cm×4.6mm,5μm。
移動相:
(シトシン)10mMリン酸カリウムpH6.5のイソクラティック流動相、1 ml/分。
(グアニン)100mMリン酸カリウムpH6.5中10%メタノールのイソクラティック流動相、1 ml/分。
(ウラシル)10mMリン酸カリウムpH6.5のイソクラティック流動相、1 ml/分。
(アデニン)100mMリン酸カリウムpH6.5中メタノール5分間かけて5%から10%、さらに100mMリン酸カリウムpH6.5中10%メタノールにて5分間。流速1 ml/分。
検出:(シトシン: 271nm)(グアニン: 253nm)(ウラシル: 260nm)(アデニン: 259nm)
【0030】
CDP->dCDP:
以降のHPLCクロマトグラムで示されるように、CDP分子のほとんど全部がdCDPに転換された。LC-MSダイアグラムにおいては、さらにdCDP(MW 387.2)およびdCDP-Pi(307.2)のフラグメントも同定された。図1および図2を参照。
【0031】
GDP->dGDP:
以降のHPLCクロマトグラムで示されるように、dGDPが主な種として産生された。LC-MSダイアグラムにおいては、さらにdGDP(MW 427.2)およびdCDP-Pi(347.2)のフラグメントも同定された。図3および図4を参照。
【0032】
UDP->dUDP:
dUDP標準物質が入手不可能のため、反応生成物をLC-MSで評価した。結果を以降の図に表示する。dUDP-Pi(MW 388.2-80)のフラグメントのみが確認された。図5を参照。
【0033】
ADP->dADP->dAMP:
対応するデオキシ-ジホスフェートに転換されたCDP/GDP/UDPとは異なり、ADPはdADPに転換され、その後さらに分解されて(または内因性のホスファターゼにより触媒されて)、4時間の反応後には、より安定な状態であるdAMPとなった。3種類の主な生成物:AMP、ヒポキサンチンおよびdAMP(最適な場合での含有率はそれぞれ49.1%, 16.7%および31.7%)が同定された。図6を参照。
HPLCでの評価以外に、次のアプローチにてdAMP生成の検証も行った。
a)LC-MS:dAMPに対応するピークが明確に確認された。図7を参照。
b)ホスファターゼ処理:反応生成物をアルカリホスファターゼで処理した結果、予測どおりに、アデノシン、デオキシ-アデノシン、イノシンおよびヒポキサンチンへとさらに転換された。デオキシ-アデノシンは不安定であり、時間とともに速やかに減少した。図8を参照。
【0034】
・実施例7
熱安定性
限外ろ過用の試験小チューブ内で連続反応の構想を実現するために、反復反応の間、粗製酵素を37℃で加熱した。以降の図における結果は、5回使用の後、この酵素が依然としてその最大活性の約60%を維持していたことを示す。最初の反応における活性の低さは、おそらく酵素-基質複合体の沈殿によるものであろう。図9を参照。
【0035】
・実施例8
粗製酵素の固定化
実用面を考慮して、粗製酵素を固定化する試みを実施した。当該基質および生成物が強いアニオンであるため、イオン交換樹脂を用いるアプローチは適当でない。したがって、固定化は、幾つかの多孔性樹脂での捕捉によって行われた。いずれの結果でもRNRの触媒活性を見出すことはできなかったことから、RNRは、サイズが約300から400Å(オングストローム)であるために200から600Åの範囲の孔を通過できないということが示唆される。したがって、上記で得られた熱安定性の結果と併せて、酵素からの生成物の分離には限外ろ過システムが適切であろうことが示唆される。
【0036】
かくして、本発明の新規な基礎的な特徴を、好ましい実施形態に当てはめて示し述べてきたが、示された装置の形態および細部ならびにその運転における、様々な省略および置換および変換が、本発明の精神から逸脱することなく当業者によって成されうると解される。例えば、実質的に同一の手段で実質的に同一の機能を発揮して、同一の成果を達成するような、要素および/または方法ステップの組み合わせは全て、本発明の範囲内であることを特に意図している。さらに、本発明の実施形態または開示された形態と関連して述べられる、および/または示される方法ステップは、一般的な設計上の選択として、開示または記載または示唆された、他のあらゆる形態または実施形態に取り込まれ得ると認識されるべきである。よって、制限が意図されるのは、本願添付の特許請求の範囲で指示されている場合のみである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】HPLCによる、dCDP反応生成物の分析クロマトグラムである。
【図2】LC-MSによる、反応生成物(dCDP)の同定ダイアグラムである。
【図3】HPLCによる、dGDP反応生成物の分析クロマトグラムである。
【図4】LC-MSによる、反応生成物(dGDP)の同定ダイアグラムである。
【図5】LC-MSによる、dUDPの同定ダイアグラムである。
【図6】HPLCによる、生成混合物の分析クロマトグラムである。
【図7】LC-MSによる、反応生成物(dAMP)の同定ダイアグラムである。
【図8】図6の生成混合物をさらにアルカリホスファターゼで処理して生成物の同定を検証したデータを示す図である。
【図9】限外ろ過チューブ内での連続反応の実施例を示すグラフである。
【図10】(実施例3で行った)透析後のRNRの、SDS-PAGEイメージである。
【技術分野】
【0001】
1.関連出願
本願は、2002年12月23日出願の米国仮特許出願第60/436,282に基づく優先権の利益を享受し、参照によってその全内容が本明細書に取り込まれる。
2.発明の分野
本発明は、酵母から抽出されたリボヌクレオチドの酵素的還元によりデオキシリボヌクレオチドを調製する方法に向けられる。
【背景技術】
【0002】
現在市販のデオキシリボヌクレオチド調製品は、サケ精巣から抽出されたものである。これらは高価であり、全般に供給不足である。潜在癌処置用の合成「アンチセンス」オリゴヌクレオチドの出発材料として、デオキシリボヌクレオチドの需要が増大していることから、デオキシリボヌクレオチドの代替供給源を探索すべきであろう。本明細書で記述する技術は、酵素的転換プロセスを利用することで、供給が豊富なソースであり低コストである酵母から簡便に得ることができる、対応するオキシ体からデオキシリボヌクレオチドを得る。リボヌクレオチドの生産は成熟した技術であり、これまでに報告されている(Kuninaka, et al, Agric. Biol. Chem., 44, pp1821-27, 1980)。リボヌクレオチドのリン酸化も、40年にわたって発表されてきている(Laufer, et al, USP 3,138,539)。
【特許文献1】米国特許第3,138,539号
【非特許文献1】Kuninaka, et al, Agric. Biol. Chem., 44, pp1821-27, 1980
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一主題は、デオキシリボヌクレオチドをin vitroで調製する方法であって、
a)酵母RNAから抽出されるリボヌクレオチドを調製する工程;
b)前記酵母リボヌクレオチドをリン酸化してリボヌクレオチドリン酸化生成物を生産する工程;および
c)還元剤およびE. coliリボヌクレオチドリダクターゼ(RNR)を含有する反応溶液中で前記リボヌクレオチドリン酸化生成物をデオキシリボヌクレオチド生成物に転換する工程
を含む方法を提供することである。
【0004】
本発明の別の主題は、
c)酵母RNAから抽出されるリボヌクレオチドを調製する工程;
d)前記酵母リボヌクレオチドをリン酸化してリボヌクレオチドリン酸化生成物を生産する工程;および
c) 還元剤およびE. coliリボヌクレオチドリダクターゼ(RNR)を含有する反応溶液中で前記リボヌクレオチドリン酸化生成物をデオキシリボヌクレオチド生成物に転換する工程
を含む方法により作製されたデオキシリボヌクレオチド生成物を提供することである。
【0005】
本発明を特徴付ける様々な新規特徴は、本願開示に添付のまたは開示を構成する特許請求の範囲において詳細に示されている。本発明、その達成する利点、および、その使用により達成される特定の物についてよりよく理解するためには、本発明の好ましい実施形態の図示および記述を含んでいる、図面および記述内容が参照されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
省略形:
DTT:ジチオスレイトール
DNA:デオキシリボ核酸
NADPH:ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、還元型
ADP:アデノシン5'-二リン酸
UDP:ウリジン5'-二リン酸
GDP:グアノシン5'-二リン酸
CDP:シチジン5'-二リン酸
AMP:アデノシン5'-一リン酸
ATP:アデノシン5'-三リン酸
dADP:デオキシアデノシン5'-二リン酸
dUDP:デオキシウリジン5'-二リン酸
dGDP:デオキシグアノシン5'-二リン酸
dCDP:デオキシシチジン5'-二リン酸
dAMP:デオキシアデノシン5'-一リン酸
LC-MS:液体クロマトグラフィー-マススペクトロメトリー(Liquid chromatography-MASS)
IPTG:イソプロピル-ベータ-D-チオガラクトピラノシド
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
【0007】
本発明は、概ね次のように要約できる。
【0008】
【化1】
【0009】
リボヌクレオチドリダクターゼ(RNR)は、リボヌクレオチドからin vivo DNA合成用のデオキシリボヌクレオチドへの転換反応を触媒する主要な酵素である。RNRは、in vivoでNADPHを還元剤として利用し、これを再利用する。人工薬剤であるDTTを使用することは目新しくない。というのは、研究実験室においてRNRの活性を測定するためにこれが用いられてきたからである。RNRは腫瘍細胞においてしばしば過剰発現され、したがってRNRの活性に対抗する薬物が検討された。このような手法には、組織から精製したRNRおよび感度を高めるため放射性の基質が必要であった。
【0010】
本発明におけるアプローチは、デオキシリボヌクレオチドをin vitroで製造するために設計されている。ここでのプロセスには、精製されたRNRは必要とされず、DTTを、より経済的な還元剤のベータ-メルカプトエタノールで置換することもできる。酵母から、高価でない基質リボヌクレオチドを得ることができる。限外ろ過によってデオキシリボヌクレオチド生成物を酵素から分離することができる。さらに、RNRは連続反応に対して再利用することができる。
【0011】
本発明において、純粋なまたは高度精製のRNRが同等に有効であったが、本発明においては、部分的に精製されたRNRのみで十分である。このような部分精製RNRのβ-サブユニットの純度は図10に示される通りであった。RNRは、当業者に知られているいかなる手法によって部分精製されてもよい。
【0012】
E. coli由来のクラスIリダクターゼにおいて、この酵素(α2β2ホロ酵素である)は、R1(M.W. 171KD, 2×761残基)およびR2(M.W. 87KD, 2×375残基)という2種のホモダイマーからなる。R1タンパク質は活性部位および2個のアロステリック結合部位を含む。一方、R2タンパク質は、二核性イオン中心の近傍に遊離チロシン側鎖を含む。R1もR2も、それぞれ単独では触媒活性を示さない。活性は、少なくとも2つのin vivo還元系、すなわちチオレドキシンおよびグルタレドキシン、によるRNRの還元によって惹起される。いずれの系もNADPHを最終還元体とする。DTTやグルタチオンのような人工還元剤は、我々の試験においてin vitroで同じく有効であった。
【0013】
展開しようとする転換プロセスは、発現ベクターへの、RNR α遺伝子およびβ遺伝子の直列型クローニングを含む。細胞内で可溶型にて発現される酵素を、リボヌクレオチドからデオキシリボヌクレオチドへの触媒的転換のために部分精製した。DTTなどの還元剤が、チオレドキシンやグルタレドキシンなどの天然起源の還元剤と同程度に有効であることが明らかになった。DTTなどの還元剤を加えてリコンビナントRNR酵素を使用するスキームにより、リボヌクレオチドからデオキシリボヌクレオチドへの転換を、サケ精巣から現在入手可能なソースと比較して、手頃なコストにて工業規模で行うことができる。かくして、我々の結果は、RNR酵素抽出物を用いてのデオキシヌクレオチド産物が、基質ADP, UDP, GDPおよびCDPに適していることを大いに示している。対応するデオキシ二リン酸型に転換されたCDP、UDPおよびGDPとは異なり、ADPはdAMPに変換され、費やされた時間は長時間にわたった。熱安定性試験によっても、このような酵素抽出物システムが反復生産に適することが実証された。システムは、メンブレン様(membrane-like)フィルターとして設計される。基質はメンブレンを通過し得、酵素はメンブレン中に拘束される。よって、酵素を繰り返し使用することができるであろう。
【0014】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲を制限するものと解釈されるべきでない。
【実施例】
【0015】
・実施例1
RNRの発現
RNR遺伝子を含んだプラスミドを有する形質転換E. coli BL21株を、LBブロス中37℃で成育させた。OD600が0.6に到達した時点で誘導を一旦開始した。誘導後さらに3時間、37℃でインキュベーションを継続した。αおよびβサブユニットの双方が、可溶形態で正当に発現された。
【0016】
E. coli nrdAB遺伝子のクローニング
E. coli RNR遺伝子配列は、遺伝子バンクで容易に入手可能である。E. coli nrdAB遺伝子(RNRアルファ-およびベータ-サブユニットをコードする)は直列であることから、これらのクローニングは、単離したE. coliゲノムDNAについてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施することによって行った。nrdAB遺伝子のPCR用プライマーは:
【0017】
【化2】
【0018】
であった。
nrdABの初めにEcoRI制限酵素部位を、nrdABの3’末端にXbal制限酵素部位を導入した。
nrdAの遺伝子産物(配列番号3):
【0019】
【化3】
【0020】
;nrdBの遺伝子産物(配列番号4):
【0021】
【化4】
【0022】
プラスミドの構築
クローン化されたgrxA遺伝子およびnrdAB遺伝子を、それぞれpGEM-T Easy Vector (Promegaより購入)に組込んだ後、pET-30a発現ベクター(Novagenより購入)にクローニングした。したがって、このベクターの図式は以下に示す通りであった。
【0023】
【化5】
【0024】
生細胞中の還元剤を再利用するためにグルタレドキシンをクローニングした。しかし、我々のスキームはin vivoに適さないことが判明したため、部分精製RNRを用いてのin vitro試験を実施した。人工の還元剤であるDTTまたはベータ-メルカプトエタノール―より安価な還元剤―を導入したので、グルタレドキシンはもはやこの試験に関係ないが、そのまま発現ベクター内に保持されている。
【0025】
・実施例2
形質転換細胞を用いた発酵
生ホールセル系を用いて、デオキシリボヌクレオチドの代わりに未同定の生成物(おそらくはヒポキサンチン)が確認された。基質は、元来設計された経路と異なる様々な代謝経路を経るものと想定される。膜に広範に存在する膜貫通型タンパク質であるATPase、ならびにその他の細胞質型のホスファターゼおよびキナーゼは、RNRの活性を著しく阻害し得る。したがって、引き続いて無細胞系で、酵素転換スキームを試験した。
【0026】
・実施例3
RNRの産生および部分精製
内因性の核酸を硫酸ストレプトマイシンで沈殿させて粗製酵素を調製した後、酵素を硫安沈殿した。続く触媒的転換試験の全てに、この粗製酵素調製物を使用した。
形質転換されたE. coli BL21の一晩培養物10mlを、LB培地1Lに導入した。OD600が0.4〜0.7に達した時点でIPTGを添加することにより、誘導を行った。誘導約3時間において細胞を回収した。遠心処理により細胞を遠心沈殿させて、20mMトリス(Tris)pH7.5バッファーで洗浄した。超音波処理機またはホモジナイザーを用いて細胞を破砕した。細胞可溶化物の上清に、5分の1容積の15%硫酸ストレプトマイシンを添加して、内因性の核酸を沈殿させた。遠心処理の後、この上清をさらに55%硫酸アンモニウムで処理して酵素を沈殿させた。酵素を1〜2mLの20mMトリスpH7.5バッファーで再懸濁した。この部分精製された酵素を、20mMトリスpH7.5に対する透析に供した。透析後に得られたRNRの純度は、図10に示す通りであった。
【0027】
・実施例4
酵母RNAからのリボヌクレオチド調製
酵母RNAからのリボヌクレオチドの調製は、例えば、Kuninaka, et al, Agric. Biol. Chem., 44, pp1821-27, 1980(参照によりその全体が本明細書に取り込まれる)に従って行うことができる。さらに、本発明の目的のための酵母RNAからのリボヌクレオチド調製には、当業者にとって知られており、過度の実験を行うことなく容易に実施可能ないかなる他の手法も用いることができる。
【0028】
・実施例5
リボヌクレオチドのリン酸化
酵母から得られたリボヌクレオチドのリン酸化は、米国特許第3,138,539号(参照によりその全体が本明細書に取り込まれる)に従って実施し得る。さらには、当業者が過度の実験なしに容易に実施できるような任意の他の手法によって、リボヌクレオチドをリン酸化することもできる。
【0029】
・実施例6
リボヌクレオチドをデオキシリボヌクレオチドに転換する触媒反応
反応を、37℃/トリスバッファー(pH 7.5、DTT, Mg2+,ならびに基質であるCDP, UDP, GDP およびADP入り)で実施した。反応溶液へのATPの添加は、生成物のリン酸化も促進する。反応溶液は、以下の組成:部分精製酵素10μl; 1M MgSO4 0.6μl; 100mM DTT 4μl; 50mM基質(ADP, GDP, CDPまたはUDP)2μl;にて、20mMトリスpH7.5バッファーを100μlになるまで添加して作製した。反応温度は37℃であった。反応継続時間:UDP, CDPおよびGDPの場合1時間;ADPの場合4時間。反応後、反応溶液に水900μlを添加し、直ちにHPLC分析に供した。
HPLC分析の条件は以下の通りであった。
カラム: Supelcosil LC-18, 25cm×4.6mm,5μm。
移動相:
(シトシン)10mMリン酸カリウムpH6.5のイソクラティック流動相、1 ml/分。
(グアニン)100mMリン酸カリウムpH6.5中10%メタノールのイソクラティック流動相、1 ml/分。
(ウラシル)10mMリン酸カリウムpH6.5のイソクラティック流動相、1 ml/分。
(アデニン)100mMリン酸カリウムpH6.5中メタノール5分間かけて5%から10%、さらに100mMリン酸カリウムpH6.5中10%メタノールにて5分間。流速1 ml/分。
検出:(シトシン: 271nm)(グアニン: 253nm)(ウラシル: 260nm)(アデニン: 259nm)
【0030】
CDP->dCDP:
以降のHPLCクロマトグラムで示されるように、CDP分子のほとんど全部がdCDPに転換された。LC-MSダイアグラムにおいては、さらにdCDP(MW 387.2)およびdCDP-Pi(307.2)のフラグメントも同定された。図1および図2を参照。
【0031】
GDP->dGDP:
以降のHPLCクロマトグラムで示されるように、dGDPが主な種として産生された。LC-MSダイアグラムにおいては、さらにdGDP(MW 427.2)およびdCDP-Pi(347.2)のフラグメントも同定された。図3および図4を参照。
【0032】
UDP->dUDP:
dUDP標準物質が入手不可能のため、反応生成物をLC-MSで評価した。結果を以降の図に表示する。dUDP-Pi(MW 388.2-80)のフラグメントのみが確認された。図5を参照。
【0033】
ADP->dADP->dAMP:
対応するデオキシ-ジホスフェートに転換されたCDP/GDP/UDPとは異なり、ADPはdADPに転換され、その後さらに分解されて(または内因性のホスファターゼにより触媒されて)、4時間の反応後には、より安定な状態であるdAMPとなった。3種類の主な生成物:AMP、ヒポキサンチンおよびdAMP(最適な場合での含有率はそれぞれ49.1%, 16.7%および31.7%)が同定された。図6を参照。
HPLCでの評価以外に、次のアプローチにてdAMP生成の検証も行った。
a)LC-MS:dAMPに対応するピークが明確に確認された。図7を参照。
b)ホスファターゼ処理:反応生成物をアルカリホスファターゼで処理した結果、予測どおりに、アデノシン、デオキシ-アデノシン、イノシンおよびヒポキサンチンへとさらに転換された。デオキシ-アデノシンは不安定であり、時間とともに速やかに減少した。図8を参照。
【0034】
・実施例7
熱安定性
限外ろ過用の試験小チューブ内で連続反応の構想を実現するために、反復反応の間、粗製酵素を37℃で加熱した。以降の図における結果は、5回使用の後、この酵素が依然としてその最大活性の約60%を維持していたことを示す。最初の反応における活性の低さは、おそらく酵素-基質複合体の沈殿によるものであろう。図9を参照。
【0035】
・実施例8
粗製酵素の固定化
実用面を考慮して、粗製酵素を固定化する試みを実施した。当該基質および生成物が強いアニオンであるため、イオン交換樹脂を用いるアプローチは適当でない。したがって、固定化は、幾つかの多孔性樹脂での捕捉によって行われた。いずれの結果でもRNRの触媒活性を見出すことはできなかったことから、RNRは、サイズが約300から400Å(オングストローム)であるために200から600Åの範囲の孔を通過できないということが示唆される。したがって、上記で得られた熱安定性の結果と併せて、酵素からの生成物の分離には限外ろ過システムが適切であろうことが示唆される。
【0036】
かくして、本発明の新規な基礎的な特徴を、好ましい実施形態に当てはめて示し述べてきたが、示された装置の形態および細部ならびにその運転における、様々な省略および置換および変換が、本発明の精神から逸脱することなく当業者によって成されうると解される。例えば、実質的に同一の手段で実質的に同一の機能を発揮して、同一の成果を達成するような、要素および/または方法ステップの組み合わせは全て、本発明の範囲内であることを特に意図している。さらに、本発明の実施形態または開示された形態と関連して述べられる、および/または示される方法ステップは、一般的な設計上の選択として、開示または記載または示唆された、他のあらゆる形態または実施形態に取り込まれ得ると認識されるべきである。よって、制限が意図されるのは、本願添付の特許請求の範囲で指示されている場合のみである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】HPLCによる、dCDP反応生成物の分析クロマトグラムである。
【図2】LC-MSによる、反応生成物(dCDP)の同定ダイアグラムである。
【図3】HPLCによる、dGDP反応生成物の分析クロマトグラムである。
【図4】LC-MSによる、反応生成物(dGDP)の同定ダイアグラムである。
【図5】LC-MSによる、dUDPの同定ダイアグラムである。
【図6】HPLCによる、生成混合物の分析クロマトグラムである。
【図7】LC-MSによる、反応生成物(dAMP)の同定ダイアグラムである。
【図8】図6の生成混合物をさらにアルカリホスファターゼで処理して生成物の同定を検証したデータを示す図である。
【図9】限外ろ過チューブ内での連続反応の実施例を示すグラフである。
【図10】(実施例3で行った)透析後のRNRの、SDS-PAGEイメージである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デオキシリボヌクレオチドをin vitroで調製する方法であって、
a)酵母RNAから抽出されるリボヌクレオチドを調製する工程;
b)前記酵母リボヌクレオチドをリン酸化してリボヌクレオチドリン酸化生成物を生産する工程;および
c)前記リボヌクレオチドリン酸化生成物をデオキシリボヌクレオチド生成物に転換する工程
を含む方法。
【請求項2】
前記c)工程を、還元剤およびE. coliリボヌクレオチドリダクターゼ(RNR)を含有する反応溶液中で行う請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記E. coliリボヌクレオチドリダクターゼ(RNR)が部分的に精製されている請求項2に記載の方法。
【請求項4】
a)酵母RNAから抽出されるリボヌクレオチドを調製する工程;
b)前記酵母リボヌクレオチドをリン酸化してリボヌクレオチドリン酸化生成物を生産する工程;および
c)前記リボヌクレオチドリン酸化生成物をデオキシリボヌクレオチド生成物に転換する工程
を含む方法により、in vitroで調製されたデオキシリボヌクレオチド生成物。
【請求項5】
前記c)工程を、還元剤およびE. coliリボヌクレオチドリダクターゼ(RNR)を含有する反応溶液中で行う請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記E. coliリボヌクレオチドリダクターゼ(RNR)が部分的に精製されている請求項5に記載の方法。
【請求項1】
デオキシリボヌクレオチドをin vitroで調製する方法であって、
a)酵母RNAから抽出されるリボヌクレオチドを調製する工程;
b)前記酵母リボヌクレオチドをリン酸化してリボヌクレオチドリン酸化生成物を生産する工程;および
c)前記リボヌクレオチドリン酸化生成物をデオキシリボヌクレオチド生成物に転換する工程
を含む方法。
【請求項2】
前記c)工程を、還元剤およびE. coliリボヌクレオチドリダクターゼ(RNR)を含有する反応溶液中で行う請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記E. coliリボヌクレオチドリダクターゼ(RNR)が部分的に精製されている請求項2に記載の方法。
【請求項4】
a)酵母RNAから抽出されるリボヌクレオチドを調製する工程;
b)前記酵母リボヌクレオチドをリン酸化してリボヌクレオチドリン酸化生成物を生産する工程;および
c)前記リボヌクレオチドリン酸化生成物をデオキシリボヌクレオチド生成物に転換する工程
を含む方法により、in vitroで調製されたデオキシリボヌクレオチド生成物。
【請求項5】
前記c)工程を、還元剤およびE. coliリボヌクレオチドリダクターゼ(RNR)を含有する反応溶液中で行う請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記E. coliリボヌクレオチドリダクターゼ(RNR)が部分的に精製されている請求項5に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2006−512066(P2006−512066A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561919(P2004−561919)
【出願日】平成15年12月23日(2003.12.23)
【国際出願番号】PCT/IB2003/006168
【国際公開番号】WO2004/057010
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(305048060)サイノファーム・バイオテック・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年12月23日(2003.12.23)
【国際出願番号】PCT/IB2003/006168
【国際公開番号】WO2004/057010
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(305048060)サイノファーム・バイオテック・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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