説明

リボン体の連結構造

【課題】簡素な構成でありながら、台車を任意の方向に移動させることができ、搬送方向前後の組付台車を容易に連結し容易に分離することを可能とするリボン体の連結構造を提供する。
【解決手段】架台3に形成されたスリット2によってガイドされて架台3内に収容されるリボン体4の搬送方向X前方の端部に上下に移動可能に取り付けられたストッパピン11と、アーム12とを備え、このアーム12はその上端部にローラーフォロア13、下端部に前記ストッパピン11に係合するストッパ棒14を備え、前記ストッパピン11の下端はその搬送方向前方に向かって上向きの傾斜面11aを備え、前記アーム12は、ローラフォロア13がスリットに沿って形成された連結保持用カム21の下面に当接することにより、水平に対する傾斜角を小さくするように傾倒し、そしてストッパ棒14がストッパピン11の搬送方向X後方の面に当接する高さに固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを搬送する組付台車の搬送装置において動力伝達手段として用いるリボン体の連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来エンジンなどの搬送には、組付台車(組付治具台車)を使用しており、この組付台車を用いた搬送装置では各組付台車を搬送チェーンに連結し、チェーンを組付ラインにそって配置した状態で移動させることにより、各組付台車を一斉に移動させることが行われている。
【0003】
下記特許文献1に示すシャシー準備ライン90では、図10(A)に示すように、エンジンとシャシーを載せた組付台車91を環状に配置された駆動チェーン92で移動させ、エンジンとシャシーの組付作業を行ない、その組付けたエンジンアッシーをエンジン搭載装置で車両に組み付けるように構成されている。
【0004】
組付台車91と搬送チェーン92の連結部は、組付台車91のチェーン固定部品と搬送用チェーンの組付け部(組付け台車固定ステー)を図示していないボルト等で固定することにより、搬送チェーン92と組付台車91が一体構造となり、搬送チェーン92を駆動部の駆動チェーンで駆動(回転)させることにより、組付台車91も搬送方向に移動させることができる。
【0005】
あるいは、図10(B)に示すように、各組付台車91の前後にその前後の組付台車91同士を搬送方向の前後の連結部93において直接的に連結することにより、複数の組付台車91が組付ライン上を移動するように構成している。前記連結部93による固定は、組付台車91の移動に伴う振動などによって容易に外れないようにしっかりと連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4170175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図10(B)に示すように、前後の組付台車91を連結部93において連結する場合、しっかりと連結された連結部93による連結を解除するためには特別な機構の装置を用いる必要がある。このため、前後の組付台車91を容易に分離することができないという問題が発生する。
【0008】
本発明は上述の課題を考慮に入れてなされたものであり、簡素な構成でありながら、台車を任意の方向に移動させることができ、かつ、搬送方向前後の組付台車を容易に連結し容易に分離することを可能とするリボン体の連結構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上端部に組付台車の台車連結部を備え、架台に形成されたスリットによってガイドされて架台内に収容されるリボン体の連結構造であって、前記リボン体の搬送方向前方の端部に上下に移動可能に取り付けられたストッパピンと、リボン体の搬送方向後方の端部に搬送方向に直角な水平軸まわりに傾倒自在に取り付けられたアームとを備え、このアームはその上端部にカムフォロア、下端部に前記ストッパピンに係合するストッパ棒を備える一方、前記ストッパピンの下端はその搬送方向前方に向かって上向きの傾斜面を備え、前記アームは、カムフォロアがスリットに沿って形成された連結保持用カムの下面に当接することにより、水平に対する傾斜角を小さくするように傾倒し、そしてストッパ棒がストッパピンの搬送方向後方の面に当接する高さに固定されるものであることを特徴とするリボン体の連結構造を提供する。(請求項1)
【0010】
前記ストッパピンは上下方向に移動可能であり、その下端部に傾斜面を形成しているので、搬送方向後方から前方のリボン体に当てるように後方のリボン体を前方に移動させることにより、後方のリボン体に設けたストッパピンの下端に形成した傾斜面が前方のリボン体に設けたストッパ棒に当接するので、この傾斜面とストッパ棒の当接に伴ってストッパピンが自重に逆らって上方に移動し、これを乗り越えたときに再び下方に移動する。ストッパピンが下がった状態ではストッパピンの後方端にストッパ棒を当接させて前方のリボン体と後方のリボン体を連結できる。
【0011】
前記アームは例えばリボン体の搬送方向後方の端部にリボン体を挟み込むように取り付けられたアーム支持体の中間部に設けた軸芯を搬送方向に対して直角な水平軸周りに配置して上下方向に傾倒自在とするものであり、例えば前記リボン体の両側に一対設けた板状体であり、開放状態では自重によって前方が上方に傾斜するように構成されている。また、アームの上端部に設けたカムフォロアがスリットに沿って形成された連結保持用カムの下面に当接することにより、水平に対する傾斜角を小さくするように傾倒し、アームの下端部に設けたストッパ棒がストッパピンの搬送方向後方の面に当接する位置に固定されるものであるから、連結保持用カムの高さを変えることにより、カムフォロアの高さを調節して、前記ストッパ棒とストッパピンの係合を継続または解除でき、前後のリボン体の連結状態を保つことも解除することも可能となる。なお、アームの上端部に設けたカムフォロアは連結保持用カムの下面に転がり接触するローラフォロア、車輪などであることが好ましい。また、ストッパ棒もアームの下端部に回動自在に取り付けられることが好ましい。
【0012】
前記ストッパピンは例えばリボン体の搬送方向前方の端部にリボン体を挟み込むように取り付けられたストッパピン支持体の先端部に配置され、縦方向に長孔を形成してなり、この長孔にピンを貫通させることにより上下方向のみに移動可能に形成される。しかしながら、ストッパピンは搬送方向に対して直角な水平軸周りに回転可能に支持された回転体、複数の回転体からなるリンクを組み合わせてなるリンク機構、直線運動部(LMガイド)などによって上下方向に移動可能に構成してもよい。
【0013】
リボン体の搬送方向後方の端部に設けた第1当接部とリボン体の搬送方向前方の端部に設けた第2当接部とからなる当接機構を備え、この当接機構は搬送方向後方に位置するリボン体のストッパピンが搬送方向前方に位置するリボン体のストッパ棒よりも前方にある位置において、前方のリボン体に設けた第1当接部に後方のリボン体に設けた第2当接部を当接させることによりリボン体同士の間隔を一定にするものである場合(請求項2)には、ストッパピンとストッパ棒の係合状態において連結された前後のリボン体の間隔が小さくなりすぎることがなく、連結状態におけるリボン体の間隔をほぼ一定にすることができ、ひいては、このリボン体を介して搬送する搬送装置の搬送間隔を一定にすることができる。
【0014】
リボン体の搬送方向後方の端部に設けた第1ローラと、リボン体の搬送方向前方の端部に設けた第2ローラとを備え、これらの第1ローラおよび第2ローラはスリットの両側に沿って形成された一対のガイドカムの間に挿入されることにより、これらのガイドカムによってガイドされるものである場合(請求項3)には、スリットが湾曲しているような場合にも、連結状態を確実に保つことができる。
【発明の効果】
【0015】
前述したように、本発明によれば、構造がシンプルであるから製造コストを削減できるだけでなく、薄い板状のリボン体同士を容易に連結でき、決められた区間において容易に連結を解除できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のリボン体の連結構造に係るワーク搬送装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】前記ワーク搬送装置の搬送方向から見た側面図である。
【図3】前記ワーク搬送装置のリボン体の構成を説明する図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図4】前記リボン体の連結構造の連結状態を示す側面図である。
【図5】前記リボン体の連結構造の解放状態を示す側面図である。
【図6】前記リボン体の連結構造の要部を拡大して示す断面図である。
【図7】前記リボン体の連結構造の動作を説明する平面図である。
【図8】前記リボン体の連結構造の動作を説明する側面図である。
【図9】前記リボン体の連結構造の動作を説明する別の側面図である。
【図10】従来のワーク搬送装置の構成を示す図であり、(A)は駆動チェーンを用いる場合、(B)は台車同士を連結させるものである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1〜図9を用いて、本発明のリボン体の連結構造10の構成を説明する。本発明のリボン体の連結構造10はワーク搬送装置1の一部を構成するものである。このワーク搬送装置1はスリット2が形成された架台3と、上部がこの架台3のスリット2にガイドされて架台3内に収容されるリボン体4と、このリボン体4の上端に連接されて架台3の上部に突出する台車連結部5と、このリボン体4をスリット2に沿って搬送方向に移動させる動力を供給する駆動部6と、ワークWの一例としてのエンジンまたはエンジンアッシーを支持する支持部7aおよび前記台車連結部5に連結される連結部8を備え、前記架台3上を走行する組付台車7とを有する。
【0018】
本実施形態のワーク搬送装置1はたとえばワークWとして自動車などのエンジンまたはエンジンアッシーを搬送するエンジン搬送装置または車両へのエンジン搭載装置として用いるものである。
【0019】
図1に示すように、前記スリット2は直線部のみならず曲線部および合流部や分岐部(図示していない)を含むように構成されており、架台3は、スリット2の長さL1が作業工程の1工程分のスパンL2の半分で分離可能な複数の架台パーツ3pa,3pbと、前記スパンL2の1/4の長さL3で分離可能な架台パーツ3pcと、スリットを合流させるように形成した架台パーツ3pdとを連結して形成したものである。また、架台パーツ3pa,3pc,3pdには直線的なスリット2が形成され、架台パーツ3pb,3pdには90°の円弧を形成するようにスリット2が形成されている。
【0020】
図2に示すように、前記架台3はその上面に組付台車7の走行面3aを形成するものであり、少なくとも架台パーツ3pa〜3pdの4隅に設けたに設けた脚3bには前記走行面3aを床面Fの凹凸を吸収して水平に保つためのアジャスタ3cを備える。また、所定間隔毎にリボン体4の下端部分の両側面に当接する一対のローラ9a,9bおよび下端に当接するローラ9cを備えるシンクルキャリア9を有する。さらに、前記架台パーツ3pb,3pdのように湾曲させたスリット2を形成している部分およびその前後の部分においては、リボン体3の下端部分をガイドするシンクルキャリア9を連続的に備える。
【0021】
前記リボン体パーツ4aの中央部の上端には複数の突起部4dを形成し、この突起部4dには、前記台車連結部5がねじ止めにて固定できるように構成している。また、この突起部4dおよび台車連結部5はリボン体4がスリット2内に収容された状態においても、走行面3aの上面に突出する。
【0022】
図3(A)に示すように、前記台車連結部5はリボン体4の搬送方向Xの前後に間隔をおいて2個取り付けられ、これらの台車連結部5a,5bにはそれぞれ連結用の凹部5c,5dを備える。加えて、一方の凹部5dは前後方向に例えば10mmの遊びができるように長穴に形成されており、前後の凹部5c,5dの間隔は組付台車7の搬送方向Xの長さに合わせて例えば約30%ほどの距離だけ離れるように形成している。
【0023】
前記組付台車7は前記台車連結部5a,5bに設けた凹部5c,5dにそれぞれ嵌入することにより連結されるロッドからなる連結部8と自在キャスタを備える。前記駆動部6は、リボン体4に張力をかけて搬送方向Xに駆動するものであるから、リボン体4の搬送方向X前方に適宜配置される。この駆動部6は、前記駆動部はリボン体4の側面に当接する一対のローラとこれらのローラに回転力を供給する駆動モータとを備える。
【0024】
図3(A)、(B)に示すように、前記リボン体4はスリット2の幅よりも薄い板状の鋼材(リボン鋼)であり、1工程分のスパンL2に合わせて分離可能な長さL2のパーツである。このリボン体4には、その搬送方向Xの前後両端に本発明の実施形態のリボン体4の連結構造10を形成する。なお、本実施形態では、リボン体4の厚さは例えば1mmであり、縦方向に100mm強、長さ方向に2400mm強の幅を有する。
【0025】
図4に示すように、本実施形態のリボン体の連結構造10は前記リボン体4の搬送方向X前方の端部に上下に移動可能に取り付けられたストッパピン11と、リボン体4の搬送方向X後方の端部に搬送方向Xに直角な水平軸まわりに傾倒自在に取り付けられたアーム12とを備え、このアーム12はその上端部にカムフォロア13、下端部に前記ストッパピン11に係合するストッパ棒14とを備える。また、リボン体4の搬送方向X後方の端部に設けた第1当接部15aとリボン体の搬送方向X前方の端部に設けた第2当接部15bとからなる当接機構15を備え、かつ、リボン体の搬送方向X後方の端部に設けた第1ローラ16と、リボン体の搬送方向X前方の端部に設けた第2ローラ17とを備える。なお、18はリボン体4の存在を確認するセンサである。
【0026】
前記ストッパピン11はその下端に搬送方向X前方に向かって上向きの傾斜面11aを備え、このストッパピン11は例えばリボン体4の搬送方向X前方の端部にリボン体4を挟み込むように取り付けられたストッパピン支持体19の先端部に配置され、縦方向に長孔11bを形成してなり、この長孔11bにピン19aを貫通させることにより上下方向のみに移動可能に形成される。また、前記第1当接部15aはストッパピン支持体19の先端部に形成される。しかしながら、ストッパピン11として搬送方向Xに対して直角な水平軸周りに回転可能に支持された回転体、複数の回転体からなるリンクを組み合わせてなるリンク機構、直線運動部(LMガイド)などによって上下方向に移動可能に構成してもよい。
【0027】
前記アーム12は例えばリボン体4の搬送方向X後方の端部にリボン体4を挟み込むように取り付けられたアーム支持体20の中間部に設けた軸芯20aを搬送方向Xに対して直角な水平軸周りに配置して上下方向に傾倒自在とするものであり、例えば前記リボン体4の両側に一対設けた板状体であり、開放状態では自重によって前方が上方に傾斜するように構成されている。また、前記第2当接部15bはアーム支持体20の後方端部に形成される。
【0028】
前記カムフォロア13は、スリットに沿って架台3の下面に連結保持用カム21(図2も参照)の下面に当接するものであり、ベアリングによって回転自在に形成されたローラフォロアである。つまり、カムフォロア13をローラフォロアにすることにより転がり接触するので摩擦抵抗を可能な限り小さくすることができる。なお、カムフォロア13をローラや車輪によって形成することも容易に考えられる。
【0029】
前記ストッパ棒14は一対のアーム12の間に渡るように形成された断面円形の棒体であるが、これもローラにして摩擦抵抗を低減するようにしてもよい。前記第1当接部15aおよび第2当接部15bは衝突の衝撃を緩和できるように弾性を備える合成樹脂などによって形成されることが好ましい。
【0030】
第1ローラ16および第2ローラ17はそれぞれ垂直軸を中心に回動自在に設けたものであり、第1ローラ16は例えばリボン体4の搬送方向X後方の端部にリボン体4を挟み込むように取り付けられたローラ支持体16aの後方端部に取り付けられ、第2ローラ17は前記ストッパピン支持体19の中間部に取り付けられる。これらのローラ16,17はいずれも図2に示す一対のガイドカム22の間に配置され、このガイドカム22はスリット2にそって架台3の下面に取り付けられる。
【0031】
図4のように、アーム12の上端部に設けたカムフォロア13がスリットに沿って形成された連結保持用カム21の下面に当接することにより、水平に対する傾斜角αを小さくするように傾倒し、アーム12の下端部に設けたストッパ棒14がストッパピン11の搬送方向X後方の面に当接する位置に固定される。
【0032】
図5は前記連結保持用カム21の高さが上昇した状態を示す図である。図5に示すように、連結保持用カム21の高さが高くなった(連結保持用カム21が途切れた)状態では、カムフォロア13の位置が高くなるので、アーム12が自重によって図示時計回りに回動し、ストッパ棒14とストッパピン11の係合を解除できる。
【0033】
つまり、連結保持用カム21の高さを変えることにより、カムフォロア13の高さを調節して、前記ストッパ棒14とストッパピン11の係合を継続または解除でき、前後のリボン体4の連結状態を保つことも解除することも可能となる。
【0034】
図6に示すように前記ガイドカム22はスリット2内にリボン体をガイドするように左右両側のガイドカム22の間隔が前記ローラ16,17の直径より数mm程度大きい程度になり、かつ、ちょうど中間位置がスリット2の位置になるように架台3の下面に取り付けられる。
【0035】
図7に示すように、第1ローラ16がリボン体4の搬送方向X前方の端部に形成されているので、リボン体4の先端部はスリット2の湾曲部に沿って正確に前方に向かうことができ、第2ローラ17がリボン体4の搬送方向X後方の端部に形成されているので、リボン体4の後方端部はスリット2の湾曲部に沿って後方に曲がることができる。したがって、リボン体4の前後両端に設けた当接機構15において、第1当接部15が第2当接部15bに当接し、前後のリボン体4の間隔を正確に保つことができる。
【0036】
前記構成のリボン体4はその上端部がスリット2内に収容されているので、スリット2が形成された方向に移動し、スリット2の方向に組付台車7を移動させることができる。また、スリット2が湾曲する部分およびその前後においては、リボン体4の下端部分をガイドするシンクルキャリア9が形成されているので、スリット2の湾曲部においてもリボン体4がスリット2からはずれるようなことがなく、スリット2の形成された方向に確実に移動させることができる。
【0037】
リボン体4には連結構造10が形成されているので、その上端に取り付けられた台車連結部5が搬送方向Xの前後に間隔Dをおいて配置され、リボン体4が湾曲部において方向転換するときには、組付台車7の搬送方向Xを確実に追従させることができる。なお、本実施形態においては前記間隔Dが組付台車7の搬送方向Xの長さLaに比べて小さすぎず、全長Lの約30%としているが、本発明はこの割合に限定されるものではないことはいうまでもない。
【0038】
また、上記構成のリボン体4は各工程のスパンL2と同じ長さにおいて分離可能に構成されており、かつ、各架台パーツ3pa,3pb,3pcも前記スパンL2の1/2または1/4の長さで分離可能に形成されている。従って、架台パーツ3pa,3pb,3pcの組み合わせを適宜に調整し、リボン体4を適宜増減することにより、新たな作業工程のためのワーク搬送装置1を容易に組み直すことができる。
【0039】
加えて、本発明のリボン体4の連結構造10はリボン体4の連結と解放を自在に切り替えることができるので、ラインへの選択的な合流やラインからの離脱を行うことができる。ラインからの離脱は前記連結保持用カム21によって連結が解除された状態において容易に行うことができ、ラインへの合流は前方のリボン体4に対して後方のリボン体4を当接することによって容易に行うことができる。
【0040】
図1に示す例の場合、ラインに対して3種類のワークを搭載した組付台車7x,7y,7zをラインに流す例を示しており、この場合、合流するスリット2が形成された架台パーツ3pdを再後尾のリボン体4が通過するときに、これを前記センサ18で確認し、その後方から組付け台車7x,7y,7zを搬送するリボン体4を搬送してこれに連結させることができる。
【0041】
図8、図9は搬送方向Xの前方のリボン体4に後方のリボン体4を連結するときのリボン体の連結構造10の動作を説明する図である。
【0042】
図8に示すように、カムフォロア13が連結保持用カム21に当接している状態ではストッパ棒14が上方に位置するので、ストッパ棒14の高さが搬送方向Xの後方から前方に搬送されるリボン体4に形成されたストッパピン11の下端に形成された傾斜面11aに当接する位置にある。したがって、後方のリボン体4を前方のリボン体4に近づけるときに傾斜面11aがストッパ棒14に当接する。
【0043】
図9に示すように、ストッパ棒14に傾斜面11aが当接すると、傾斜面11aがストッパ棒14に滑りながら当接してストッパピン11が上方に移動し、ストッパ棒14を乗り越えることができ、さらに前方に移動することにより、図4に示すように、リボン体の連結構造10は連結状態になる。つまり、後方からリボン体4を前方に当接するだけで連結が完了し、以後は前方のリボン体4と後方のリボン体4を定められた間隔を保って搬送することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 ワーク搬送装置
2 スリット
3 架台
4 リボン体
5 台車連結部
7 組付台車
10 リボン体の連結構造
11 ストッパピン
11a 傾斜面
12 アーム
13 カムフォロア
14 ストッパ棒
15 当接機構
15a 第1当接部
15b 第2当接部
16 第1ローラ
17 第2ローラ
21 連結保持用カム
22 ガイドカム
W ワーク
X 搬送方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部に組付台車の台車連結部を備え、架台に形成されたスリットによってガイドされて架台内に収容されるリボン体の連結構造であって、
前記リボン体の搬送方向前方の端部に上下に移動可能に取り付けられたストッパピンと、
リボン体の搬送方向後方の端部に搬送方向に直角な水平軸まわりに傾倒自在に取り付けられたアームとを備え、
このアームはその上端部にカムフォロア、下端部に前記ストッパピンに係合するストッパ棒を備える一方、
前記ストッパピンの下端はその搬送方向前方に向かって上向きの傾斜面を備え、
前記アームは、カムフォロアがスリットに沿って形成された連結保持用カムの下面に当接することにより、水平に対する傾斜角を小さくするように傾倒し、そしてストッパ棒がストッパピンの搬送方向後方の面に当接する高さに固定されるものであることを特徴とするリボン体の連結構造。
【請求項2】
リボン体の搬送方向後方の端部に設けた第1当接部とリボン体の搬送方向前方の端部に設けた第2当接部とからなる当接機構を備え、この当接機構は搬送方向後方に位置するリボン体のストッパピンが搬送方向前方に位置するリボン体のストッパ棒よりも前方にある位置において、前方のリボン体に設けた第1当接部に後方のリボン体に設けた第2当接部を当接させることによりリボン体同士の間隔を一定にするものである請求項1に記載のリボン体の連結構造。
【請求項3】
リボン体の搬送方向後方の端部に設けた第1ローラと、リボン体の搬送方向前方の端部に設けた第2ローラとを備え、これらの第1ローラおよび第2ローラはスリットの両側に沿って形成された一対のガイドカムの間に挿入されることにより、これらのガイドカムによってガイドされるものである請求項1または請求項2に記載のリボン体の連結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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