説明

リポペプチド及びその遺伝子

【課題】トル様受容体2(TLR2)における炎症反応の抑制物質スクリーニングに有用なリポペプチドの提供。
【解決手段】歯周病原因菌であるポルフィロモナス ジンジバリス由来で、TLR2により認識され、炎症反応を誘導するリポペプチド及びその遺伝子であり、リポタンパク(ポリペプチド)を単離、精製又はその構造から化学合成する。
【効果】本リポペプチドは、TLR2を介する炎症反応を抑制する物質のスクリーニング等に応用することができ、歯周病の予防及び/又は治療において多大な貢献を期待できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トル様受容体2により認識されるポルフィロモナス ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)由来のリポペプチド、その遺伝子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、外来微生物に対して、直接シグナル伝達系を活性化できる膜タンパクシステムが明らかになってきた。これはトル(Toll)様受容体といわれる膜タンパクである。トル様受容体は、ヒトではToll様受容体2,4を含め10種類が知られている。Toll様受容体が、微生物由来の物質を認識すると、受容体が直接シグナル伝達系を刺激してサイトカインの発現が誘導され、炎症反応が生じる。
【0003】
トル様受容体が認識する分子構造としては、リポ多糖(以下、LPS)が知られている。LPSは、大腸菌(エシェリヒア コリ:Escherichia coli)に代表されるグラム陰性菌の細胞壁外膜に存在する複合糖質で、オリゴ糖の繰り返し構造を持つO抗原多糖部分と脂肪酸を含む疎水性のリピドAと呼ばれる部分から構成されている。これは、菌体を温水−フェノール抽出することによって得られる画分中に含まれている(非特許文献1)。
【0004】
LPSは、ヒトや動物に対して強力な炎症誘導作用や致死毒性等の内毒素活性とともに免疫賦活作用を示すことが知られている。すなわち、LPSは、マクロファージを活性化することによりサイトカイン等の炎症性因子を誘導し、グラム陰性菌による敗血症患者にみられるような炎症性疾患、多臓器不全を誘発し死に至らしめることがある。これら活性を示す最小構造は、LPS中のリピドA部分であることが化学合成標品を用いた解析から明らかにされている。
【0005】
具体的には、トル様受容体4(以下、TLR4)及びその結合タンパク質であるMD−2が、大腸菌由来LPS(以下Ec−LPS)画分を認識し、シグナル伝達受容体として働くことが示されている(非特許文献2)。また、他の腸内細菌科の細菌由来LPS画分も同じ受容体と反応する。さらに、LPSの活性を示す最小構造であるリピドAも、TLR4やMD−2を介して認識されることが明らかにされている。TLR4やMD−2は、MyD88、IRAK、TRAF6等の細胞内シグナル伝達タンパク質を介して、NF−κBを活性化し、種々の炎症性因子の産生を誘導することから、LPSの内毒素活性の主要な受容体であると考えられる。
【0006】
一方、歯周病の主たる原因菌とされるポルフィロモナス ジンジバリス由来のLPS(以下、Pg−LPS)画分やそのリピドA(以下、Pg−lipidA)画分の受容体は、TLR4やMD2ではなく、TLR2であることが報告されている(非特許文献3)。また、プレボテラ インターメディア(Prevotella intermedia)やレプトスピラ インテロガンス(Leptospira interrogans)等の腸内細菌科に属さない細菌由来のLPS画分もTLR2を受容体とし、TLR2依存的にシグナル伝達することが報告されている(非特許文献4,5)。これは、上記微生物由来LPSのリピドA分子の化学構造が、大腸菌由来のリピドAと異なっていることから、受容体の認識に差異が生じると考えられてきた(非特許文献6)。
【0007】
しかしながら、我々は最近、高度に精製したポルフィロモナス ジンジバリス由来のPg−lipidA及びその化学合成標品を用いて検討した結果、その受容体として、TLR2ではなく、Ec−LPSと同様にTLR4やMD−2がシグナル伝達受容体として働いていることを明らかにした(非特許文献7)。また、高度に精製されたプレボテラ インターメディア由来のリピドAにおいても同様の結果を得た(非特許文献8)。さらに別のグループの研究者らにより、Pg−LPSがTLR4と相互作用することにより、Ec−LPSのTLR4依存的な細胞活性化を抑制することが示された(非特許文献9)。これらの所見は、ポルフィロモナス ジンジバリスをはじめとする腸内細菌科に属さない細菌由来のLPSもTLR4やMD−2により認識されることを示しており、Pg−LPS画分中にTLR2を受容体として、シグナル伝達する成分が混入していることを強く示唆しているものである。
【0008】
TLR2は、ほとんどすべての細菌に含まれる成分として知られるペプチドグリカンや細菌由来リポタンパク質を認識して細胞内のシグナル伝達を活性化する(非特許文献2)。市販のEc−LPSもTLR4やMD−2のみならず、TLR2を受容体として、細胞内のシグナル伝達を活性化することが知られている(非特許文献10)。しかしながら、このTLR2依存的シグナル伝達活性化は、デオキシコール酸−フェノール−水系を用いてEc−LPSを再抽出することにより除去することが可能であり(非特許文献10)、その微量成分がリポタンパク質であることが明らかにされた(非特許文献11)。他方、Pg−LPS画分中のTLR2により認識される成分は、再抽出により分離できないことが報告されており(非特許文献3,4)、その成分の本体については未だ不明のままであった。以上のことから、ポルフィロモナス ジンジバリス由来のトル様受容体2により認識される物質の解明が望まれていた。
【0009】
【非特許文献1】リッシェル E.T.(Rietschel,E.T.)、「カレント トピックス イン マイクロバイオロジー アンド イムノロジー(Curr.Top.Microbiol.Immunol.)」、1996年、第216巻、p39−81
【非特許文献2】アンダーヒル D.M.(Underhill,D.M.)、「カレント オピニオン イン イムノロジー(Curr. Opin. Immunol.)」、2001年、14巻、p103−110
【非特許文献3】ハーシュフェルド M(Hirschfeld,M.)、「インフェクション アンド イミュニティ(Infect.Immun.)」、2001年、69巻、p1477−1482
【非特許文献4】キリカ T(Kirikae,T.)、「インフェクション アンド イミュニティ(Infect.Immun.)」、1999年、67巻、p1736−1742
【非特許文献5】ベルツ C(Werts,C.)、「ネーチャー イムノロジー(Nat.Immunol.)」、2001年、2巻、p346−352
【非特許文献6】ネテア M.G.(Netea,M.G.)、「トレンズ イン イムノロジー(Trends.Immunol.)」、2002年、23巻、p135−139
【非特許文献7】オガワ T(Ogawa,T.)、「インターナショナル イムノロジー(Int.Immunol.)」、2002年、14巻、p1325−1332
【非特許文献8】ハシモト M(Hashimoto,M.)、「FEBS レターズ(FEBS Lett.)」、2003年、543巻、p98−102
【非特許文献9】コーツ S.R.(Coats,S.R.)、「インフェクション アンド イミュニティ(Infect.Immun.)」、2003年、71巻、p6799−6807
【非特許文献10】ハーシュフェルド M(Hirschfeld,M.)、「ジャーナル オブ イムノロジー(J.Immunol.)」、2000年、165巻、p618−622
【非特許文献11】リー H.K.(Lee H.K.)、「ジャーナル オブ イムノロジー(J.Immunol.)」、2002年、168巻、p4012−4017
【非特許文献12】カーシュニング CJ(Kirschning,D.J.)、「ジャーナル オブ エクスペリメンタル メディスン(J.Exp.Med.)」、1998年、188巻、p2091−2097
【非特許文献13】ユタ D(Uta,D.)、「イムノロジー レターズ(Immunol.Lett.)」、2002年、84巻、p89−95
【非特許文献13】ユーリケ S(Ulrike,S.)、「モレキュラー アンド セルラー バイオロジー(Mol.Cell Biol.)」1994年、14巻、p5820−5831
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、歯周病原因菌であるポルフィロモナス ジンジバリス由来で、TLR2に認識されるリポタンパク及びリポペプチド、並びにその遺伝子を解明し、TLR2を受容体とする炎症反応を抑制する物質のスクリーニング等に寄与することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ポルフィロモナス ジンジバリス由来のLPS画分中に混入している、TLR2に認識され、TLR2を活性化する物質を分離した。この物質がリポタンパク(リポペプチド)であり、その化学構造を明らかにするとともに、大腸菌LPSに匹敵する免疫生物活性を有することを知見し、本発明をなすに至ったものである。本発明は、リポタンパク(リポペプチド)を単離、精製又はその構造から化学合成した標品を用いることにより、その生物活性を抑制する物質のスクリーニング等に応用し、抗体等の作製につながるものである。
【0012】
従って、本発明は、
[1].トル様受容体2により認識され、下記(a)又は(b)のアミノ酸配列を含む又はからなるポルフィロモナス ジンジバリス由来のリポペプチド、
(a)配列表の配列番号1で表されるアミノ酸配列
(b)アミノ酸配列(a)において、当該アミノ酸配列中の1個以上のアミノ酸が欠失し、他のアミノ酸で置換され、1個以上のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列
[2].N末端が下記式1で表される[1]記載のリポペプチド、
【化1】

(式中、R1〜R3は、それぞれ独立に炭素数15〜16のアルキル基を示す。)
[3].[1]記載のリポペプチドをコードする塩基配列を含む又は塩基配列からなる遺伝子、
[4].ポルフィロモナス ジンジバリス由来であって、トル様受容体2により認識されるリポペプチドをコードし、配列表の配列番号2で示される塩基配列からなる遺伝子を提供する。
【0013】
なお、本発明の配列表の配列番号1で表されるアミノ酸配列は、当該アミノ酸配列中の1個以上のアミノ酸が欠失し、他のアミノ酸で置換され、1個以上のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列も含まれる。また、本発明に係るペプチドをコードする限りにおいて該DNAの相同物も包含する。相同物には、上記DNAの塩基配列において1個以上、好ましくは1個ないし数個のヌクレオチドの欠失、置換、付加または挿入といった変異が存する塩基配列からなるDNAが含まれる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、トル様受容体2により認識され、炎症反応を誘導するポルフィロモナス ジンジバリス由来のリポペプチドの構造を解明する。これは、トル様受容体2を介する炎症反応を抑制する物質のスクリーニング等に応用することができ、歯周病の予防及び/又は治療において多大な貢献を期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明について発明の実施の態様を説明する。以下の詳細な説明は例示であり、本発明を何ら限定するものではない。なお、本発明において、「認識する」とは、認識するものが、認識される対象を他のものと見分けて認知し、例えば認知した対象に結合することを意味する。「活性化する」とは、認識することにより細胞内のシグナル伝達系を刺激することをいう。本発明においては、単離され又は合成されたプロテイン、ポリペプチド、オリゴペプチドを意味する総称として「ペプチド」という用語を使用した。
【0016】
本発明のリポペプチドは、配列表の配列番号1(CNSQAKTEEAADSTAMDSATLVEDAAPVVDTAAMQIDSAAMKAEEATEQAAQ)で表されるアミノ酸配列を含むもしくはからなるポルフィロモナス ジンジバリス由来のものであり、トル様受容体2により認識される。これにより、細胞が活性化されてサイトカイン等の炎症性因子を誘導するものである。
【0017】
まず、ポルフィロモナス ジンジバリスの培養について説明する。本発明のポルフィロモナス ジンジバリス由来のリポペプチドは、当該菌を培養した菌体から得ることができる。また、上記式(1)で表される化学構造を基に化学合成することにより得ることもできる。
【0018】
ポルフィロモナス ジンジバリスの培養法に関しては、特に限定されるものでない。ポルフィロモナス ジンジバリスは、公的な分譲機関、例えばアメリカン タイプ カルチャー コレクション(ATCC)から購入することができる。また、ヒト口腔内から分離・同定された株を保存している研究室から分与を受け入手することもできる。培地としては、通常、市販の培地にヘミン、メナジオンを添加したものを用いることができる。これらの中でもポルフィロモナス ジンジバリスの生育の観点から、GAM培地(日水製薬製(株)製)、ブレインハートインフージョン、トリプチケースソイブロス(ディフコ製)が好ましい。培養条件は、通常、嫌気性条件下、30〜40℃で12〜48時間である。
【0019】
得られた培養液から遠心分離により菌体を回収する。回収後、蒸留水又はPBS等のバッファーで充分洗浄する。得られた菌体を凍結乾燥し、この凍結乾燥物を温水−フェノール抽出することにより、LPS画分を抽出する。抽出後、遠心分離により水層を分取し、蒸留水に対して透析し、透析膜内液からLPS画分を得ることができる。この際、混入する核酸を除去する目的でDNase、RNase等により処理することもできる。
【0020】
次に、Pg−LPSの分離とトル様受容体2認識・活性画分の精製について説明する。
得られたLPS画分から、疎水性クロマトグラフィーを用いて分画を行う。この場合、疎水クロマトグラフィーの担体は、一般的に市販されているフェニル基やベンジル基を有するものや、単鎖脂肪族(オクチル基〜ブチル基)を有する担体を用いて分離することができる。中でも、フェニル基やオクチル基等の疎水性の高い担体を用いることが好ましい。得られた画分を、レポータープラスミドや線維芽細胞を用いた活性測定法を用いて、TLR2活性化能を測定し、トル様受容体2認識・活性画分を単離・精製する。
【0021】
得られたトル様受容体2認識・活性画分は、さらに、精製し活性を測定することにより、トル様受容体2認識・活性を明らかにすることができる。精製の方法としては、電気泳動、各種クロマトグラフィー等が挙げられる。活性の測定は、後述するレポータープラスミドや繊維芽細胞を用いた方法以外にも、TLR2の活性化を測定できるものであれば適宜組み合わせて用いることができる。
【0022】
本発明においては、ポルフィロモナス ジンジバリス由来のトル様受容体2認識・活性成分を分離し、この成分がリポタンパク(リポペプチド)であり、その化学構造を明らかにするとともに、ポルフィロモナス ジンジバリス リポタンパク質PG1828であることを示した。本発明のリポペプチドは、大腸菌由来のLPS画分に匹敵する炎症誘導物質と考えられる。
【実施例】
【0023】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0024】
1.ポルフィロモナス ジンジバリスの培養
ポルフィロモナス ジンジバリス 381菌体(フォーサイス デンタル センターより入手)は、ヘミンとメナジオンを添加したGAM培地(日水製薬(株)製)を用いて、嫌気性条件下37℃で12時間培養した。菌体は、培養液を遠心分離して回収し、生理食塩水で洗浄し凍結乾燥した。
【0025】
2.Pg−LPS画分の抽出
この凍結乾燥物から、温水−フェノール法を用いて、Pg−LPS画分を抽出した。具体的には、菌体の凍結乾燥物を、蒸留水に分散させた後、超音波によって破砕した。これに、90容積%フェノールを等量加え、65℃、20分間加熱撹拌した。この液を氷上で冷却後、遠心分離よって水層とフェノール層とを分離し、水層を回収した。フェノール層にさらに等量の蒸留水を加え、再度同操作にて抽出した。回収した水層を混合し、Spectra/Por7(MWCO 3500;Spectrum Laboratories、Dominguez、CA) を用い、精製水に対して透析した後、透析膜内液を凍結乾燥し、Pg−LPS画分を得た。この方法によりポルフィロモナス ジンジバリス 381培養液20リットルから、凍結乾燥Pg−LPS画分51.6mgを得た。これを繰り返すことにより凍結乾燥Pg−LPS画分19.63gを調製した。
【0026】
3.Pg−LPSの分離とトル様受容体2認識・活性画分の精製
3−1.疎水性クロマトグラフィーによる分離
Pg−LPS240mgを15容積%1−プロパノールを含んだ0.1M酢酸ナトリウムバッファー(pH 4.5)に溶解した。同バッファーで平衡化したOctyl−Sepharose CL−4Bカラムを用いて、15〜60容積%の1−プロパノールの濃度勾配にて溶出させた。溶出液を6mlずつ分取して140の画分を得た。
【0027】
3−2.各画分のTLR2活性化能測定
得られた各画分のリン及びヘキソースの定量、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド電気泳動(SDS−PAGE)、並びにTLR2活性化能を、下記方法で測定した。
【0028】
(1)リン及びヘキソースの定量を、それぞれモリブデン酸アンモニウム法、アントロン−硫酸法を用いて行った。
【0029】
(2)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド電気泳動(SDS−PAGE)による分析は、泳動装置AE6050A(ATTO製)と15容積%アクリルアミドゲルを用いて、トリス−グリシン法、20mA/gel、80分間の条件で行った。ゲルの可視化は、過ヨウ素酸−銀染色又はクマシーブリリアントブルー(CBB)染色にて行った。
【0030】
(3)レポータープラスミドを用いて、TLR2活性化能を測定した。
レポータープラスミドを用いる方法としては、Ba/F3細胞に、NF−κB/DNA結合活性依存的ルシフェラーゼレポータープラスミド(p55IgκLuc)を組み込んだ細胞株Ba/κB、マウスTLR2とp55IgκLucとを組み込んだ細胞株Ba/mTLR2、マウスTLR4と、マウスMD−2と、p55IgκLucとを組み込んだ細胞株Ba/mTLR4/mMD−2を用いた。この方法は、非特許文献7,12〜14に記載されているが、本発明においては、これらの細胞は東京大学医科学研究所の三宅健介教授より供与を受けた。また、HEK293細胞にTLR発現ベクター(pUNOシリーズやpDUOシリーズ)やNFκB誘導性のSEAP(Secreted Embryonic Alkaline Phosphatase)レポータープラスミドpNiFty−SEAPをトランスフェクトした細胞(invivoGen社製)を用いてTLR2活性、TLR4活性を測定することができる。
【0031】
これらの細胞を、インターロイキン(IL)−3,2−メルカプトエタノール及び10容積%牛胎児血清(FBS)を添加したRPMI1640培地で、37℃、5容積%二酸化炭素雰囲気下にて培養した。
【0032】
ルシフェラーゼレポーターアッセイは以下の手順で行った。細胞を1穴あたり1×105個の割合で96プレートに分注し、10%FBSを添加したRPMI1640培地に、所定濃度の標品を添加し、37℃、4時間培養した。ルシフェラーゼ基質Bright−Gro(Promega)と化学発光測定器TD−20/20(Promega)を用いて細胞中のルシフェラーゼ活性を調べた。
【0033】
リン及びヘキソース含量の定量から、Pg−LPSの溶出図を作成したところ、2つのピークを示すことがわかった(図1−1)。第一ピークは、カラムを素通りした容量付近に観察された。ほとんどのリンとヘキソースは第一ピークに溶出しており、このピークはPg−LPS画分に混在していた核酸及び多糖由来であると考えられた。一方で、第二ピークはプロパノール濃度60容積%付近の104画分から140画分にかけて溶出されており、カラムに吸着した成分であると考えられた。
【0034】
SDS−PAGEの泳動図(図1−2)から、第二ピークの画分がLPSを含んでいることが分かった。しかし、第二ピークのうち前述したルシフェラーゼレポーターアッセイで活性を測定した結果、TLR2を受容体として、NF−κBを活性化するのは、104〜112の画分のみであった(図1−3)。そこで、活性を持つ画分を混合し、Spectra/Por7(MWCO 3500;Spectrum Laboratories、Dominguez、CA)を用い、精製水に対して透析を行ない、内液を凍結乾燥することにより認識・活性画分(以下、Pg−AF)18.4mgを得た。この方法を繰り返すことによりPg−AF1215.6mgを得た。
【0035】
4.Pg−AFの分離と認識・活性成分の検出
得られたPg−AFをSDS−PAGEで分離した。さらに、Pg−AFに対してプロテイナーゼK(タカラバイオ(株)製)を1質量%添加し、37℃・16時間処理したもの(Pg−AF/ProK)、及びPg−AFをデオキシコール酸−フェノール−水系で再抽出したもの(Pg−AF/DCA)も同様にSDS−PAGEにより分離した。SDS−PAGEは上記と同様の条件で行った。
【0036】
デオキシコール酸−フェノール−水系による再抽出は、Pg−AFを0.5質量%デオキシコール酸含有0.2容積%トリエチルアミン水溶液に溶解し、そこに等量の90容積%フェノールを加え、5分間ボルテックスにて撹拌した。サンプルを氷冷後、遠心分離し、水層を回収した。フェノール層を同操作にて再度抽出し、両方の水層を混合した。さらに水層を90容積%フェノールで再抽出した。水層はエタノール沈澱した後、乾燥してPg−AF/DCAを得た。
【0037】
以上のようにして調製したPg−AF、Pg−AF/ProK及びPg−AF/DCAを、単球ウェスタンブロットにより解析し、認識・活性成分を検出した。
【0038】
単球ウェスタンブロット
Pg−AF、Pg−AF/ProK及びPg−AF/DCAをSDS−PAGEで分離した後、セミドライ転写装置TRANS−BLOT SD(Bio−Rad、Hercules)を用いて、100mA/gel、35分間の条件で、ニトロセルロース膜に転写した。ニトロセルロース膜は4mmの短冊に切断し、それぞれを個別にDMSOに溶解した。得られた溶解液をPBSに加えニトロセルロースを、粒子状に析出させた。粒子はPBSで三回洗浄した後、上述のルシフェラーゼレポーターアッセイ(細胞株Ba/mTLR2)にて活性を測定した。
【0039】
Pg−AFのSDS−PAGEの結果(図2−1)、銀染色では、10、12、14、16、17kDaのバンドと18〜40kDaのバンドが観察された。この結果から、Pg−AFには、LPSが含まれていることが認められた。CBB染色では、16kDaにのみバンドが観察された。また、Pg−AF中のTLR2を受容体とするNF−κB活性は14〜18kDaのバンドに検出された。一方、プロテイナーゼK処理したPg−AF(Pg−AF/ProK)のSDS−PAGE(図2−2)では、銀染色の結果には変化がなかったものの、CBB染色で16kDaのバンドが消失していた。さらに、NF−κB活性化能も14〜18kDaには存在せず、ゲルの泳動先端に観察された。このことは、16kDaに泳動されるタンパク質成分(Pg−P16kDa)が、NF−κB活性をになっていることを示している。Pg−AF/DCAの単球ウェスタンブロットの結果によると、この16kDa成分は、デオキシコール酸−フェノール−水系での再抽出(Pg−AF/DCA)でも除去できないことが確認された。このことは、NF−κB活性を有する成分は、Pg−LPSでないことを示唆している。
【0040】
Pg−P16kDaを、分取SDS−PAGE装置(AE−6750S、ATTO、Tokyo)で単離した。すなわち、上述のようにして調製したPg−AF100mgをSDS−PAGEサンプルバッファー(和光純薬工業(株)製)に溶解し、100℃、5分間処理した後、装置に設置した15%のゲルチューブ上部に静置した。泳動は、15mAで行い、4分間の泳動ごとに分取した。溶出物は、SDS−PAGEによる可視化によって分析した。16kDaに現れる画分Pg−P16kDaを集め、1mMトリス塩酸バッファー(pH8.8)に対して透析した。透析膜内液を凍結乾燥後、精製水に溶解し、アセトン沈澱し、微量のSDSを除去することによってPg−P16kDa0.9mgを得た。この実験を繰り返すことによりPg−P16kDa8.2mgを精製した。Pg−P16kDaは、精製水又は20mMオクチルグルコシドに溶解し、水溶液は構造解析に、オクチルグルコシド溶液は生物活性測定にそれぞれ用いた。
【0041】
5.Pg−LPの単離と構造決定
Pg−P16kDaを、トリプシン(Promega,Madison,WI)又はリポプロテインリパーゼ(Sigma,St Louis,MO)を用いて37℃、16時間消化した。ここで、トリプシン及びリポプロテインリパーゼの添加量は、Pg−P16kDaに対して、それぞれ20質量%とした。このトリプシン消化物のルシフェラーゼレポーターアッセイによる活性測定(細胞株Ba/mTLR2)の結果、トリプシン消化では活性が約1/10減弱し、リポプロテインリパーゼ消化ではほとんどの活性が消失した(図3)。この結果は、この成分がリポペプチドであることを示唆している。このことから、Pg−P16kDaをPg−LPとした。
【0042】
Pg−P16kDa(Pg−LP)のトリプシン消化物を、Aquapore OD−300(100×1.0mm;Perkin Elmer,Norwlk,CT)を接続した、Waters 626−2487 HPLC装置を用いて分離した。リポペプチドの溶出は、濃度勾配プログラム(A液:5%アセトニトリル−0.1%トリフルオロ酢酸、B液:70%アセトニトリル−0.085%トリフルオロ酢酸)により、流速0.05ml/minで行い、210nmの吸光度変化を検出した(図4)。ピークAとピークBの二つのピークを分取した。
【0043】
ピークAとピークBとを、Waters 600−2475(Waters,Milford,MA)高速液体クロマトグラフィー装置(HPLC)を用い、AccQ・Tag(商標)法(Waters)にてアミノ酸分析を行った。Pg−LP、ピークA及びピークBのN末端アミノ酸配列は、自動ペプチドシーケンサ Model 494−cLC(Applied Biosystems,Fostercity,CA)を用いエドマン分解法で決定した。
【0044】
Pg−LPのエドマン分解では、N末端アミノ酸が検出されず、N末端のアミノ基が修飾されていることが示唆された。そこで内部アミノ酸の配列を解析した。ピークAが「TEEAADXTAMDXATLVE(配列番号3)」ピークBが「TEEAADXTAMDXATLV(配列番号4)」であることが分かった(Xはアミノ酸が同定されなかった)。この配列について、FASTAを用いて検索したところ、ポルフィロモナス ジンジバリス W83ゲノムにコードされる推定リポプロテイン PG1828(Accession No.NP_905926)と高い相同性があることが分かった。
【0045】
Pg−LPの遺伝子配列決定及び組換え型タンパク質の作製
ポルフィロモナス ジンジバリス W83ゲノムPG1828の塩基配列情報を基に、合成オリゴヌクレオチドプライマー(Forward,5´−cgctgaatgagactctcaag−3´;reverse(配列番号5),5´−ccatgacgaagagttcgaga−3´(配列番号6))を用いた。ポルフィロモナス ジンジバリス381のゲノムDNAを材料にして、ポルフィロモナス ジンジバリス381株のリポペプチド(PG1828)をコードする遺伝子を、サーマルサイクラーPCR Express(Thermo Electron)とLA Taq(タカラバイオ,滋賀)を用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅した。増幅した遺伝子断片を、pGEM−Tベクター(Promega)に組み込んだ。遺伝子断片を組み込んだTベクターを、大腸菌DH5αに遺伝子導入し、増やした遺伝子断片をDNA配列の解析に用いた。
【0046】
DNA配列は、BigDye Terminator v3.1と自動DNA シーケンサ ABI PRISM(商標)3100−Avant(Applied Biosystems製)を用いて決定した。ポルフィロモナス ジンジバリス381由来のPG1828のDNA配列を決定したところ(配列番号2:atgaagaaatttgttgcttttgcagctgtaatcgcagctgtatcattcgcttcttgcaactctcaggctaagactgaagaagctgctgactctacggctatggattctgccactttggtagaagacgcagctcctgtagttgatacggctgctatgcagatcgattctgctgcaatgaaggctgaagaagctactgaacaagccgctcaataa)、その配列及びそこから推定されるアミノ酸配列(図5、配列番号7)は、上記Pg−LPの配列と重複した。
【0047】
PG1828のオープンリーディングフレームは、70残基のアミノ酸をコードしている。この配列は特徴的な原核生物リポプロテインシグナルペプチドを持っており、この部分が切断され、N末端が脂肪酸で修飾されることが推測される。その結果、成熟タンパク質は52残基のアミノ酸と脂肪酸残基を持つことになるため、分子量約6kDaと推定された。そこで、脂肪酸を持たない変異リコンビナントタンパク質PG182819−70−C19Mを作製し、そのSDS−PAGE上の挙動を調べた。その結果、約15kDaに泳動されることが明らかとなり、異常な泳動挙動を示すことが明らかとなった。成熟PG1828はpI=3.7の酸性タンパク質であると計算されるので、SDSの結合量が少なく、SDS−PAGE上で異常な泳動挙動を示すことが原因と考えられた。
【0048】
細菌由来リポプロテインは、N末端にS−(2,3−ジヒドロキシプロピル)システインを持つことが知られている。そこで、Pg−LPのN末端構造について調べた。Pg−LPのトリプシン消化物を、YMC−Pack SIL(150×4.6mm;YMC製)を接続したWaters 600 HPLC装置を用いて分離した。リポペプチドの溶出は、濃度勾配プログラム(A液:クロロホルム−メタノール−水(65/25/4,v/v/v)、B液:クロロホルム−メタノール−水(65/40/4,v/v/v))によって行い、1mlづつ分取した。溶出したリポペプチドは、ルシフェラーゼレポーターアッセイによる活性測定(細胞株Ba/mTLR2)によって検出した。8〜10画分にかけてTLR2を受容体とするNF−κB活性化能を持つ物質が分画された(図6)。
【0049】
活性8〜10画分を、質量分析(MS)によって構造解析した。分析は、oMALDIイオンソースを接続したQATAR XL装置を用い、マトリックス支援レーザー脱離イオン化/飛行時間型質量分析法(MALDI−TOF−MS)にて行った。サンプルは、クロロホルム−メタノール−水(65/25/4,v/v/v)に溶解し、同溶媒に溶解した2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHBA)と混合し、サンプルプレートに塗布、乾燥した。リポペプチドの質量は陽イオンモードで測定した(図7)。
【0050】
活性8〜10画分を、MALDI−TOF−MSで分析したところ、m/z1411.0及びm/z1425.0のピークが主に観測された(図7)。また、m/z1397.0とm/z1439.0にも弱いピークが観測された。そこで、m/z1425.0のピークに関してタンデム質量分析(MS/MS)を測定した(図8)。タンデム質量分析(MS/MS)は、アルゴンガスを用いた衝突誘起解離(CID)モードで測定した。その結果、m/z547.3、433.2、346.2、218.1、147.1にC末端のyイオンフラグメントが観測された。解析の結果、これらのイオンはアミノ酸配列「NSQAK」に相当することが分かった。また、m/z878.7はN末端のbイオンフラグメントであり、脂肪酸を3残基持つS−(2,3−ジヒドロキシプロピル)システインに相当することが分かった。さらに、m/z854.5、840.5には、2,3−ジアシルプロピルチオ基がβ脱離して生成したモノアシルデヒドロアラニルNSQAKに相当するフラグメントも観測された。他のピークに対するMS/MSでも同様のフラグメントが観測されており、同配列のアミノ酸に異なるアシル基の結合したものであることが分かった。MS/MSによって得られたPg−LPの構造を図9に示す。このリポペプチドのアミノ酸配列は、Pg−LPの推定成熟構造のN末端配列(図5)と一致しており、Pg−LPがリポペプチドであることが明らかになった。また、脂肪酸を3残基持つ型のリポペプチドは、TLR2依存的免疫活性化能を持つことから、Pg−LPがTLR2依存的免疫活性化能を持つ成分であることが確認できた。
【0051】
6.精製されたPg−LPの生物活性
Pg−LPの生物活性を、線維芽細胞を用いた活性測定法に基づき測定した。生物活性をPg−LPS、Pg−lipidA、大腸菌LPS(Ec−LPS)と比較した。
【0052】
6−1.サンプル調製
Pg−LPはPg−LPを20mMオクチルグルコシドに溶解したオクチルグルコシド溶液を用いた。Pg−lipidAは、Pg−LPS200mgを酢酸加水分解した後、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて分離し、精製したものを用いた。すなわち、Pg−LPSを、0.6%酢酸を用いて100℃、2.5時間加熱し加水分解した。反応液に対してクロロホルムとメタノールを3:2:1(容積比)になるように加え、ボルテックスで撹拌後、遠心分離を行い、有機層と水層に分配した。有機層は再度同操作にて抽出し、窒素気流下乾燥した。生成物は、クロロホルム−メタノール−水(65/25/4,v/v/v)を用いてTLC(Merck 5721、Darmstadt、Germany)で展開し分離した。Rf=0.3の移動度を示す生成物をクロロホルム−メタノール−水−トリエチルアミン(50/50/15/1,v/v/v/v)にて抽出した。さらに抽出物をクロロホルム−メタノール−25%アンモニア水(65/25/5、v/v/v)を用いてTLCで展開し、Rf=0.03の移動度を示す成分を抽出し、Pg−lipidA 1.1mgを得た。また、Ec−LPSは、List Biological Laboratories(Campbell,CA)より購入したものを用いた。
【0053】
6−2.線維芽細胞を用いた活性測定法
ヒト歯肉組織を、ゲンタマイシン及びアンホテリシンを含むα−MEM培地中で細片し、3回洗浄後、10%FBSを添加したα−MEM培地でヒト線維芽細胞を培養した。増殖した細胞は、α−MEM培地において継代培養し、継代5〜15代を実験に用いた。この細胞のIL−8産生誘導能を以下の手順で測定した。すなわち、細胞を1穴あたり2×105個の割合で96プレートに分注し、10%FBSを添加したα−MEM培地に、所定濃度の標品を添加し、37℃・24時間培養した。その培養上清を回収し、IL−8 ELISAキット(Genzyme Techne、Minneapolis、MN)を用いてIL−8産生量を測定した。結果を図10に示す。
【0054】
図10に示すようにPg−LPは、NF−κB活性化だけでなく、ヒト歯肉繊維芽細胞に対してIL−8の産生を誘導した。Pg−LPのIL−8産生誘導能は、Pg−LPSに比べて強力であった。また、Pg−lipidAは、Pg−LPSに比べて大幅に弱いIL−8産生誘導能しか持たなかった。このことは、Pg−LPS中の免疫生物活性をになう本体が、LPS分子ではなくPg−LPであることを示している。ポルフィロモナス ジンジバリスは、歯周病の原因菌であると考えられていることから、Pg−LPが歯周病における炎症症状の病原因子である可能性は高いと考えられる。さらに、Pg−LPのIL−8産生誘導能はEc−LPSのそれとほぼ同等であり、Ec−LPSに匹敵する炎症誘導物質であると考えられた。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1−1】Pg−LPSの溶出図
【図1−2】各画分のSDS−PAGE泳動図
【図1−3】各画分のTLR2又はTLR4を受容体とするNF−κB活性化を示す図
【図2−1】SDS−PAGEで分離したPg−AFのTLR2を受容体とするNF−κB活性を示す図
【図2−2】SDS−PAGEで分離したPg−AF/ProKのTLR2を受容体とするNF−κB活性を示す図
【図3】Pg−P16kDaと、Pg−P16kDaのトリプシン又はリポプロテインリパーゼ消化物のTLR2を受容体とするNF−κB活性を示す図
【図4】Pg−P16kDaのトリプシン消化物の逆相HPLC溶出図
【図5】ポルフィロモナス ジンジバリス381株のPg−LP推定アミノ酸配列
【図6】Pg−LPのトリプシン消化物の順相HPLC溶出図
【図7】活性8〜10画分のMSスペクトル
【図8】Pg−LP由来ピークm/z1425.0のMS/MSスペクトル
【図9】リポペプチドのN末端構造
【図10】ヒト歯肉繊維芽細胞における、Pg−LP、Pg−LPS、Ec−LPS及びPg−lipidAによるIL−8産生を示す図
【配列表フリーテキスト】
【0056】
配列表の配列番号1:トル様受容体に認識されるリポペプチド
配列表の配列番号3:トリプシン消化Pg−LPの逆相HPLCを用いた溶出曲線におけるピークA
配列表の配列番号4:トリプシン消化Pg−LPの逆相HPLCを用いた溶出曲線におけるピークB
配列表の配列番号5:PCR(PG1828)に用いるフォワードプライマー
配列表の配列番号6:PCR(PG1828)に用いるリバースプライマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トル様受容体2により認識され、配列表の配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むポルフィロモナス ジンジバリス由来のリポペプチド。
【請求項2】
N末端が下記式(1)で表される請求項1記載のリポペプチド。
【化1】

(式中、R1〜R3は、それぞれ独立に炭素数15〜16のアルキル基を示す。)
【請求項3】
請求項1記載のリポペプチドをコードする塩基配列を含む遺伝子。
【請求項4】
ポルフィロモナス ジンジバリス由来であって、トル様受容体2により認識されるリポペプチドをコードし、配列表の配列番号2で示される塩基配列からなる遺伝子。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−109734(P2006−109734A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−299179(P2004−299179)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】