説明

リモコン一体棚

【課題】トイレ室等の優れた施工性及び美観の発揮を可能としつつ、煩雑化を有効に防止できるリモコン一体棚を提供する。
【解決手段】リモコン一体棚は、壁面1に取り付けられ、壁面1に沿って水平方向に長く延び、上面に物品を載置可能な一段の棚部33と、棚部33に取り付けられ、便器装置を作動可能なリモコン部34とが一体をなし、リモコン部34の操作面34aは棚部33の上面の前端縁の下方に位置し、リモコン部34の下方にはトイレットペーパホルダ35が取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器装置を作動可能なリモコン一体棚に関する。このリモコン一体棚は例えば住居等のトイレ室に設けて好適である。
【背景技術】
【0002】
例えば、トイレ室では、図36に示すように、シャワートイレ等の電気制御可能な便器装置92が設けられているとともに、この便器装置92の周辺の壁面91にその便器装置92を作動可能なリモコン96、棚93、トイレットペーパーホルダ94、タオル掛け95等が設けられ得る。ここで、リモコン96は、壁面91に固定される図示しないリモコンホルダにより着脱可能になされることが一般的である。この場合、便器装置92を使用する者が腕や手を棚93の水平な上面93aに乗せる場合もあり得ることから、そのような棚93は比較的低い位置に設けられることが一般的である。一方、その使用者にとっての視認性及び操作性向上の観点から、その棚93の上面93aより上方に操作面96aを位置させるべくリモコン96を設けることが一般的である。
【0003】
こうして、このトイレ室では、その使用者によりリモコン96の操作面96aが触手可能になるとともに、棚93の上面93aに載置され得る予備のトイレットペーパ等の物品もその者により触手可能となる。
【0004】
一方、特許文献1には、トイレ室の壁面に取り付けられる棚が開示されている。この棚は、上下方向に複数段の棚部を有し、そのうちの一つの棚部に局部洗浄装置用のリモコンが埋め込まれている。このため、棚を壁面に取り付けることにより、同時にリモコンを設置することができる。
【0005】
また、特許文献2には、トイレ室の壁面の取り付けられる棚が開示されている。この棚は一段であり、その下面にはトイレットペーパホルダが取り付けられている。このため、棚を壁面に取り付けることにより、同時にトイレットペーパホルダを設置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平5−32474号公報
【特許文献2】実開平9−192053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、図36に示すようにすると、棚93とリモコン96とトイレットペーパホルダ94とを別々に壁面91に取り付けなければならないため、施工性が悪いとともに、美観が損なわれるという欠点がある。
【0008】
また、上記のように棚93の上面93aより上方にリモコン96の操作面96aを位置させていると、その棚93の上面93aにはリモコン96の優れた操作性確保のためにある程度のスペースが不可欠となり、そのスペースに物品を載置できないことから、トイレ室内を煩雑にすることともなる。
【0009】
仮に、棚93の上面93aにむやみに物品を載置した場合、その物品が使用者にとってリモコン96の視認性及び操作性の上で邪魔になり、そのリモコン96の操作性が低下してしまう。
【0010】
このため、リモコン96を壁面91より取外し、棚93の上面93aにこれを置いて使用することも考えられる。ところが、こうすると、操作面96aが上方を向いてしまってリモコン96の操作性が低下するとともに、リモコン96を載置した部分ではやはり棚93の上面93aに他の物品を置くことができなくなり、同様にトイレ室内を煩雑化することとなる。
【0011】
また、特許文献1又は2に示すようにしても、棚を壁面に取り付けると、リモコン若しくはトイレットペーパホルダのどちらか一方が壁面に取り付けられるに過ぎず、トイレットペーパホルダ又はリモコンは別に取り付けなければならない。このため、施工性が悪いとともに、美観が損なわれるという欠点がある。また、リモコンとトイレットペーパホルダとの位置関係は定められておらず、棚部、リモコン及びトイレットペーパホルダの操作性(使い勝手)が低下してしまうおそれがある。
【0012】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、トイレ室等の優れた施工性及び美観の発揮を可能としつつ、煩雑化を有効に防止できるリモコン一体棚を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のリモコン一体棚は、壁面に取り付けられ、壁面に沿って水平方向に長く延び、上面に物品を載置可能な一段の棚部と、棚部に取り付けられ、便器装置を作動可能なリモコン部とが一体をなし、リモコン部の操作面は棚部の上面の前端縁の下方に位置し、リモコン部の下方にはトイレットペーパホルダが取り付けられていることを特徴とする。
【0014】
このリモコン一体棚では、棚部と、トイレットペーパホルダが取り付けられたリモコン部とが一体をなしている。このため、このリモコン一体棚を壁面に取り付けることにより、上面に物品を載置可能であるとともに、便器装置を作動可能であり、かつトイレットペーパを保持可能である。このように、このリモコン一体棚は、施工性に優れるとともに、優れた美観を奏することができる。また、リモコン部としては有線又は無線により便器装置に信号を送出するものを採用することができる。
【0015】
また、このリモコン一体棚では、リモコン部の操作面が棚部の上面の前端縁の下方に位置しているため、その棚部の上面にリモコン部の優れた操作性確保のためのスペースが不要となり、上面に自由に物品を載置できる。このため、煩雑化を有効に防止することができる。
【0016】
さらに、こうであれば、棚部の上面に載置する物品が使用者の視認及び操作の上で邪魔にならず、リモコン部の操作面の位置を工夫することでリモコン部の視認性及び操作性を確保できる。
【0017】
したがって、このリモコン一体棚によれば、トイレ室の優れた施工性及び美観の発揮を可能としつつ、煩雑化を有効に防止することができる。
【0018】
前記操作面は、使用者に対面すべく鉛直に対して下り勾配で傾斜し得る。この場合、使用者がリモコン部の操作面を最も見易く、操作することができる。また、前記操作面は、操作スイッチが水平方向で一列をなして配置され得る。
【0019】
前記リモコン部は、多用されない副操作スイッチが配置される副操作面を有し、副操作面は前記棚部に隠蔽可能であり得る。この場合、副操作面を棚部に隠蔽することにより、誤動作を防止することができる。
【0020】
前記リモコン部の上面が前記副操作面とされ、リモコン部が前記棚部の前面より突出する又は棚部から取り外されることにより副操作スイッチが露出し、操作可能であり得る。この場合、リモコン部の操作性を確保することができる。すなわち、リモコン部が棚部に収納されている場合、副操作スイッチが棚部の中に収納されるため、誤動作を防止できるからである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1のリモコン一体棚の斜視図である。
【図2】実施例1における棚及びリモコン部の別形態を示す斜視図である。
【図3】実施例1における棚及びリモコン部の別形態を示す斜視図である。
【図4】実施例1における棚及びリモコン部の別形態の一部を示す断面図である。
【図5】実施例1における棚及びリモコン部の別形態を示す斜視図である。
【図6】実施例1における棚及びリモコン部の別形態を示す要部拡大斜視図である。
【図7】実施例1における棚及びリモコン部の別形態を示す斜視図である。
【図8】実施例1における棚及びリモコン部の別形態を示す分解斜視図である。
【図9】実施例1における棚及びリモコン部の別形態を示す要部斜視図である。
【図10】実施例1における棚及びリモコン部の別形態を示す要部斜視図である。
【図11】実施例2のリモコン一体棚の斜視図である。
【図12】実施例2のリモコン一体棚の正面図である。
【図13】実施例2における棚部及びリモコン部の別形態を示す斜視図である。
【図14】実施例2における棚部及びリモコン部の別形態の一部を示す断面図である。
【図15】実施例2における棚部及びリモコン部の別形態を示す斜視図である。
【図16】実施例2における棚部及びリモコン部の別形態を示す斜視図である。
【図17】実施例2における棚部及びリモコン部の別形態を示す斜視図である。
【図18】実施例2における棚部及びリモコン部の別形態を示す側面図である。
【図19】実施例2における棚部及びリモコン部の別形態を示す要部斜視図である。
【図20】実施例2における棚部及びリモコン部の別形態を示す側面図である。
【図21】実施例2における棚部及びリモコン部の別形態を示す斜視図である。
【図22】実施例2における棚部及びリモコン部の別形態を示す斜視図である。
【図23】実施例2における棚部及びリモコン部の別形態を示す側面図である。
【図24】実施例2における棚部及びリモコン部の別形態を示す正面図である。
【図25】実施例2におけるリモコン部及びトイレットペーパホルダの別形態を示す斜視図である。
【図26】実施例2におけるリモコン部及びトイレットペーパホルダの別形態を示す斜視図である。
【図27】実施例2における棚部、リモコン部及びトイレットペーパホルダの別形態を示す側面図である。
【図28】実施例2における棚部、リモコン部及びトイレットペーパホルダの別形態を示す側面図である。
【図29】実施例2における棚部、リモコン部及びトイレットペーパホルダの別形態を示す側面図である。
【図30】実施例2における棚部、リモコン部及びトイレットペーパホルダの別形態を示す正面図である。
【図31】実施例2における棚部、リモコン部及びトイレットペーパホルダの別形態を示す斜視図である。
【図32】実施例2における棚部、リモコン部及びトイレットペーパホルダの別形態を示す斜視図である。
【図33】リモコン部の別形態を示す正面図である。
【図34】リモコン部の別形態を示す正面図である。
【図35】リモコン部の別形態をしめす平面図である。
【図36】従来のトイレ室の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を具体化した実施例1及び2を図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0023】
実施例1のリモコン一体棚32は、図1に示すように、棚部33、リモコン部34及びトイレットペーパホルダ35を備えている。このリモコン一体棚32は、トイレ室で使用される。このトイレ室には、シャワートイレ一体型の便器装置等が設けられており、この便器装置の周辺の壁面にリモコン一体棚32がブラケットにより固定されている。このリモコン一体棚32は、便器装置の使用者が腕や手をその水平な上面33bに乗せる場合もあり得ることから、比較的低い位置に設けられる。
【0024】
棚部33は、一段であり、壁面に沿って水平方向に長く延びている。また、棚部33の上面33bは物品を載置可能である。棚部33の前面33aは水平な上面33b及び下面33cと垂直である。棚部33の前面33aから内部に向かって水平にリモコン部34が埋め込まれ、これによりリモコン部34は棚部33と一体化されている。
【0025】
リモコン部は便器装置を作動可能である。リモコン部34の操作面34aは棚部33の上面33bの前端縁の下方に位置し、使用者に対面すべく鉛直に対して傾斜している。そして、操作面34aには主操作ボタンスイッチ34b及び副操作ボタンスイッチ34eが水平方向に一列をなして配置されている。ここで、主操作ボタンスイッチ34bは洗浄スイッチ等の使用頻度の高いスイッチであり、副操作ボタンスイッチ34eは温度設定スイッチ等の使用頻度の低いスイッチである。こうして、リモコン部34の操作面34a及び棚部33の上面33bに載置され得る物品が使用者により触手可能とされている。また、棚部33の下面33cには市販のトイレットペーパホルダ35が設けられている。リモコン部34には、便器装置の受光部に信号を発信する受光・発光部が設けられている。
【0026】
以上のように構成されたリモコン一体棚32では、リモコン部34、棚部33及びトイレットペーパホルダ35を別々に設ける必要がなくなるため、施工性が向上することとなる。また、上面33bに物品を載置可能であるとともに、便器装置を作動可能であり、トイレットペーパを保持することができる。このため、優れた美観を奏することができる。
【0027】
また、このリモコン一体棚32では、リモコン部34の操作面34aが上面33bの前端縁の下方に位置しているため、その棚部33の上面33bにリモコン部34の優れた操作性確保のためのスペースが不要となり、上面4bに自由に物品を載置できることから、煩雑化を有効に防止することができる。
【0028】
さらに、このリモコン一体棚32では、棚部33の上面33bに載置された物品が使用者の視認及び操作の上で邪魔にならず、かつリモコン部34の操作面34aが棚部33の上面33bの前端縁の下方に位置しているため、リモコン部34の視認性及び操作性を確実に確保できる。
【0029】
したがって、このリモコン一体棚32によれば、トイレ室の優れた施工性及び美観の発揮を可能としつつ、煩雑化を有効に防止することができる。
【0030】
実施例1において、棚部及びリモコン部は、図2〜図10に示される形態であってもよい。
【0031】
図2〜図4に示すように、棚部4の前面4aは、使用者に対面すべく鉛直に対して下り勾配をなして傾斜していてもよい。この場合、リモコン部5の操作面5aは棚部4の前面4aと面一になっていてもよい。
【0032】
リモコン部5の操作面がその周囲である棚部4の前面4aと面一であるため、棚部4の上面4bに物品を載置しようとする場合等、人体やその物品がリモコン部5の操作面5aと干渉せず、リモコン部5の誤動作や破損を防止することができる。また、リモコン部5の操作面5aが棚部4の下り勾配で傾斜している前面4aと面一であるため、使用者がリモコン部5の操作面5aを最も見易く、操作しやすい。さらに、これらにより優れた美観を奏している。
【0033】
また、このリモコン一体棚3では、リモコン部5の操作面5aがその周囲である棚部4の前面4aと面一であるため、棚部4の上面4bに物品を載置しようとする場合等、人体やその物品がリモコン部5の操作面5aと干渉せず、リモコン部5の誤動作や破損を防止することができる。また、リモコン部5の操作面5aが棚部4の下り勾配で傾斜している前面4aと面一であるため、使用者がリモコン部5の操作面5aを最も見易く、操作しやすい。さらに、これらにより優れた美観を奏している。なお、リモコン部5の操作面5aには主操作ボタンスイッチ5b及び副操作ボタンスイッチ5cが水平方向で一列をなして配置されている。
【0034】
便器装置2は、使用者の体重、体脂肪等の健康状態に関する情報を自動的に取得できるようになっており、便座の温度、温水の温度等の便器装置の機能に関する情報とともにこの使用者の健康状態に関する情報を図示しない発光部から発信できるようになっている。リモコン部5には、便器装置2のその発光部から信号を受信するとともに、便器装置2の図示しない受光部に信号を発信する受光・発光部5eが設けられている。受光・発光部5eで受信された信号はリモコン部5の操作面5aに配置された表示器5dにより表示されるようになっている。また、受光・発光部5eで発信した信号は便器装置2で反映されるようになっている。棚部4には、この受光・発光部5eを露出させる開口4cが設けられている。
【0035】
このため、受光・発光部5eを露出することができ、リモコン部5から便器装置2に信号を確実に送出することができる。
【0036】
また、リモコン部5の操作面5aに配置された表示器5dにより便座の温度、温水の温度等の便器装置2の機能を表示できるため、快適な使用環境を作り出すことができる。また、この表示器5dにより体重、体脂肪等の使用者の健康状態を表示できるため、簡易に健康管理を行うことができる。
【0037】
図5に示すように、棚部7の前面7aが水平な上面7b及び下面7cと垂直であり、前面7aとリモコン部8の操作面8aとが面一になっていてもよい。そして、操作面8aには洗浄スイッチ等の主操作ボタンスイッチ8bが配置されている。
【0038】
また、図6に示すように、操作面8aを押すことによりリモコン部8が前方に突出すべく、棚部7とリモコン部8との間には図示しない公知のプッシュロックオープン機構が設けられている。こうして、リモコン部8は、棚部7から離反せずに突出可能となっている。そして、リモコン部8が前方に突出することにより露出したリモコン部8の上面8dには、温度設定スイッチ等の副操作ボタンスイッチ8e及び電池Bを収納する開口8fが設けられている。
【0039】
リモコン部8の操作面8aがプッシュロックオープン機構により前方に突出して使用者に近づくため、リモコン部8の操作性をより確保することができる。また、主操作ボタンスイッチ8bを操作面8aに配置し、副操作ボタンスイッチ8eを上面8dに配置していることから、これによってもリモコン部8の操作性をより確保することができる。すなわち、リモコン部8が棚部7内に収納されている場合、使用頻度の低い副操作スイッチ8eは棚部7の中に収納され、使用頻度の高い主操作ボタンスイッチ8bのみ操作可能となるため、誤動作を防止できるからである。
【0040】
また、このリモコン一体棚6では、電池Bを収納する開口8fの蓋として棚部7を代用しているため、製造コストの低廉化を実現できる。
【0041】
なお、プッシュロックオープン機構を採用せず、リモコン部8を前方に突出させるばねと、奥方にリモコン部8を収納した際に棚部7とリモコン部8とを係止する公知の係止手段とを採用することもできる。
【0042】
図7に示すように、リモコン部11の操作面11aには洗浄スイッチ等の主操作ボタンスイッチ11b及び温度設定スイッチ等の副操作ボタンスイッチ11eを水平方向に二列をなして配置してもよい。
【0043】
図8に示すように、棚部13の前面13aにはホルダ面13dが凹設され、ホルダ面13dにリモコン部14が水平方向で着脱可能に収納されてもよい。
【0044】
このようにすると、リモコン部14を棚部13から着脱できるため、使用者はリモコン部14を棚部13から取り外して自由な姿勢で操作できる。また、棚部13から外したリモコン部14を再び棚部13に取り付けることにより、リモコン部14の紛失も回避できる。ここで、このリモコン一体棚12では、棚部13をリモコンホルダとして機能させているため、リモコンホルダの省略により製造コストの低廉化を実現できる。
【0045】
図9に示すように、リモコン部26の操作面26aは棚部25の前面25aより少し後退してもよい。
【0046】
また、棚部25の前面25aには、有側透明のアクリル板等からなる一対の蓋27が摺動可能に設けられてもよい。これらの蓋27を閉じることによりリモコン部26の操作面26aが隠蔽され、閉じられた蓋27と棚部25の前面25aとは面一となる。
【0047】
一対の蓋27を閉じることによりリモコン部26の操作面26aが隠蔽されるため、リモコン部26の操作性を確保することができる。すなわち、一対の蓋27を閉じることによりリモコン部26の操作面26aに誤って触れることがなくなるため、誤動作を防止できるからである。また、蓋27が操作面26aを直視できないようにするとともに、操作面26aに付着せんとする埃等を蓋が防止することから、美観を奏することができる。
【0048】
図10に示すように、リモコン部30の操作面30aは、洗浄スイッチ等の主操作ボタンスイッチ30bが配置される主操作面301aと温度設定スイッチ等の副操作ボタンスイッチ30eが配置される副操作面302aとからなってもよい。そして、主操作面301aは鉛直に対して下り勾配をなして傾斜し、副操作面302aは棚部29の前面29aより少し後退してもよい。
【0049】
また、棚部29の前面29aには、無色透明のアクリル板等からなる蓋31が摺動可能に設けてもよい。この蓋31を閉じることによりリモコン部30の副操作面302aが隠蔽され、閉じられた蓋31と棚部29の前面29aとは面一となる。
【0050】
蓋31を閉じることにより使用頻度の低い副操作面302aが隠蔽されるとともに、主操作面301aのみが直視可能となるため、誤動作を防止することができる。また、副操作面302aを設けることにより主操作面301aの煩雑さを防止しつつ、蓋31がその副操作面302aを直視できないようにするとともに、副操作面302aに付着せんとする埃等を蓋が防止することから、美観を奏することができる。
【実施例2】
【0051】
実施例2のリモコン一体棚36は、図11に示すように、市販の1枚の板材からなる棚部37を採用しており、棚部37の下面にはリモコン部38が取り付けられている。リモコン部38の操作面38aは使用者に対面すべく鉛直に対して傾斜している。操作面38aには洗浄スイッチ等の主操作ボタンスイッチ38b及び温度設定スイッチ等の副操作ボタンスイッチ38eが水平方向に一列をなして配置されている。リモコン部38の下面には市販のトイレットペーパホルダ39が取り付けられている。
【0052】
また、リモコン一体棚36では、棚部37の水平な上面37bにおいて、上方に延在し、使用者が把持可能な手摺部40が一体に設けられている。手摺部40の上端は固定具40aにより壁面1に取り付けられている。
【0053】
このリモコン一体棚36では、市販の棚部16をそのまま採用しているため、製造コストの低廉化を実現できる。また、手摺部40により、使用者が高齢者や体の弱い者である場合でも便器装置を容易に使用することができる。また、手摺部40の上端が固定具40aにより壁面1に取り付けられているため、手摺部40は棚部37及び壁面1により固定されることになり、十分な強度を確保することができる。他の作用及び効果は上記実施例1と同様である。
【0054】
以上のように構成された実施例2のリモコン一体棚32では、リモコン部34、棚部33及びトイレットペーパホルダ35を別々に設ける必要がなくなるため、施工性が向上することとなる。他の作用及び効果は上記実施形態1と同様である。
【0055】
また、図12に示すように、棚部37をブラケット41により壁面1に固定し、電池ボックス42を棚部37の下面37cに設けることもできる。そして、電池ボックス42の中には、リモコン部38に電力を供給する電池を収納することができる。
【0056】
実施例2において、市販の1枚の板材からなる棚部の下面に取り付けられるリモコン部は、図13〜図32に示される形態であってもよい。
【0057】
図13に示すように、市販の1枚の板材からなる棚部16の下方にL字形状をなす一対のブラケットからなるリモコンホルダ18によりリモコン部17を着脱可能に取り付けてもよい。
【0058】
なお、図14に示すように、リモコン部17の操作面17aを棚部16の前面16aから少し後退させて、操作面17aが前面16aから突出しないようにすることもできる。
【0059】
また、図15に示すように、市販の1枚の板材からなる棚部20の下面20cにリモコン部21を収納可能な箱型のリモコンホルダ22がL字形状をなす一対のブラケット23により取り付けられてもよい。リモコンホルダ22にはホルダ面22aが凹設され、ホルダ面22a内にリモコン部21が着脱可能に収納されている。
【0060】
リモコン部21の操作面21aには洗浄スイッチ等の主操作ボタンスイッチ21b及び温度設定スイッチ等の副操作ボタンスイッチ21eが水平方向に二列をなして配置されてもよい。
【0061】
リモコン部21をリモコンホルダ22から着脱可能であるため、リモコン部21の操作性向上と紛失防止とを実現できる。
【0062】
図16に示すように、市販の1枚の板材からなる棚部44の下面に取り付けられるリモコン部45の操作面45aは主操作面451aと副操作面452aとからなり、操作面45aは主操作面451aと副操作面452aとにより開閉可能に構成されてもよい。つまり、操作面45aを閉じた状態では主操作面451a及び副操作面452aは隠蔽され、操作面45aを開いた状態では主操作面451a及び副操作面452aは視認可能となる。この主操作面451aには洗浄スイッチ等の主操作ボタンスイッチ45bが配置され、副操作面452aには副操作ボタンスイッチ45eが配置されている。
【0063】
このリモコン部45では、操作面45aを閉じることによりリモコン部45の操作面45aが隠蔽されるため、リモコン部45の操作性を確保することができる。すなわち、操作面45aを閉じることによりリモコン部45の操作面45aに誤って触れることがなくなるため、誤動作を防止できるからである。また、操作面45aを閉じることにより操作面45aを直視できないようにするとともに、操作面45aに付着せんとする埃等を蓋が防止することから、美観を奏することができる。
【0064】
また、図17に示すように、市販の1枚の板材からなる棚部47の下面に取り付けられるリモコン部48は、前方に引き出し可能に取り付けられてもよい。
【0065】
リモコン部48の操作面48aには洗浄スイッチ等の主操作ボタンスイッチ48bが配置され、リモコン部48の水平な上面48dには温度設定スイッチ等の副操作ボタンスイッチ48e及び電池Bを収納する開口48fが設けられている。
【0066】
リモコン部48は前方に引出すことにより操作面48aが使用者に近づくため、リモコン部48の操作性をより確保することができる。また、主操作ボタンスイッチ48bを操作面48aに配置し、副操作ボタンスイッチ48eを水平な上面48dに配置していることから、これによってもリモコン部48の操作性をより確保することができる。すなわち、リモコン部48が棚部47の下に収納されている場合、使用頻度の低い副操作スイッチ48eは棚部47の下に収納され、使用頻度の高い主操作ボタンスイッチ48bのみ操作可能となるため、誤動作を防止できるからである。さらに、このリモコン一体棚46では、電池Bを収納する開口48fの蓋として棚部47を代用しているため、製造コストの低廉化を実現できる。
【0067】
図18及び図19に示すように、棚部52の下方にリモコン部53がコの字形状をなすリモコンホルダ51により着脱可能になされてもよい。リモコン部53の上面等には、図19に示すように、リモコンホルダ51に嵌まり込む凹部53cが設けられている。
【0068】
前方側よりリモコン部53をリモコンホルダ51に対して嵌め込むことにより、リモコン部53を棚部52の下面に配置することができる。
【0069】
図20及び図21に示すように、棚部55の下方にリモコン部56がL字形状をなす一対のブラケットからなるリモコンホルダ54により着脱可能になされていてもよい。リモコン部56にはビス56cが挿通するビス孔56dが予め設けられている。
【0070】
棚部55の下面側からビス56cにより各リモコンホルダ54を通してリモコン部56を棚部55に固定することができる。
【0071】
図22及び図23に示すように、棚部58の下方にリモコン部59がリモコンホルダ57にスライド可能に設けられてもよい。
【0072】
このリモコンホルダ57が水平状をなす水平基部57aを有し、この水平基部57aには前面両端側から前方側へ一対の保持アーム57b、57bが突出して設けられている。そして、リモコン部59は各保持アーム57b上に前後方向にスライド可能に取り付けられている。また、リモコンホルダ57の水平基部57aの上面には一対のレール状のスライドレール57cが設けられ、棚部58の下面には各スライドレール57cと係合するレール状のガイドフック58cが設けられている。
【0073】
棚部58のガイドフック58cに対し、スライドレール57cを前方側より嵌め込む。この状態でリモコンホルダ57を後方側へスライドさせ、リモコンホルダ57の垂直基部57dを壁面1に当接させる。そして、垂直基部57dの前面よりビス57eによりリモコンホルダ57を壁面1に固定する。
【0074】
なお、図24に示すように、リモコン部61をスライド可能に棚部60に一体化させてもよい。棚部60の左右両端側から下方に向かって垂下片60cを設け、各垂下片60cの下端から内側へ向かって水平状にレール片60dを設けている。一方、リモコン部61の側壁面には側面溝61dを凹状に設けている。そして、各側面溝61dに対してレール片60dを係入させ、リモコン部61を棚部60の前方側より後方側へ押し込むことにより、リモコン部61を棚部60の下面に配置させる。このように、棚部60自体をリモコンホルダとして使用できる。
【0075】
図25〜図29に示すように、リモコン部62、64と紙切板63c、65cを有する市販のトイレットペーパホルダ63、65とが一体とされてもよい。
【0076】
すなわち、図25に示すように、リモコン部62には上下に貫通するビス孔62eが設けられている。そして、ビス孔62e内に上方より挿入したビス62dにより、リモコン部62をトイレットペーパホルダ63の上面63aに固定している。
【0077】
また、図26に示すように、リモコン部64の下面64cにトイレットペーパホルダ65を一体として設けることもできる。この場合、リモコン部64の下面64cに下方側へ垂下状に垂下片64d、64dを固設しておき、この各垂下片64dの下端に外側へ突出して爪64eを設ける。一方、トイレットペーパホルダ65の上面65aには、前記垂下片64dを挿通させることのできるスリット状の爪孔65dを設ける。これにより、爪孔65d内に爪64eを係合させ、ワンタッチでトイレットペーパホルダ65の上面65aにリモコン部64を固定させて一体化している。
【0078】
そして、図27に示すように、トイレットペーパホルダ63、65の背面板63d、65dをビス67により壁面1に固定することができる。
【0079】
また、図28に示すように、棚部66を壁面1に取り付けるためにブラケット68が使用されている場合には、トイレットペーパホルダ63、65の背面板63d、65dをビス67によりブラケット68を貫通して壁面1に固定することができる。
【0080】
さらに、図29に示すように、リモコン部62、64の上面の一部にフックを取り付けておき、このフックをブラケット68に引っ掛けた後に、トイレットペーパホルダ63、65の背面板63d、65dをビス67によりブラケット68を貫通して壁面1に固定することができる。
【0081】
図30に示すように、棚部71の下面に箱型のリモコンホルダ72を固定し、このリモコンホルダ72に対し脱着可能にリモコン部73を取り付けてもよい。
【0082】
棚部71の下面には、リモコンホルダ72を取り付けるための固定板71cが固定されている。そして、この固定板71cと係合すべくリモコンホルダ72の上面に係合溝部72cが設けられている。また、リモコンホルダ72の前面には開口72kが形成され、この開口72kの左右の側縁から内側に向かつて水平に突出してレール72dが設けられる。さらに、リモコンホルダ72の下面には、下方へ突出する垂下片72eが設けられ、垂下片72eの下端部には爪72fが設けられる。そして、この垂下片72eをトイレットペーパホルダ74の上面に設けられた爪穴74aに差し込み、リモコンホルダ72の下面にトイレットペーパホルダ74が取り付けられる。
【0083】
一方、リモコン部73の側面には前後方向に側面溝73dが設けられている。そして、リモコンホルダ72の開口72kの前面側からリモコン部73を差し込んでいる。このとき、リモコンホルダ72のレール72dにリモコン部73の側面溝73dを係合させ、リモコン部73をスライドさせてリモコンホルダ72に取り付けることができる。
【0084】
図31に示すように、棚部75の下面に固定した箱型のリモコンホルダ76にアタッチメント77を取り付け、寸法の異なるリモコン部78に対応できるようにしてもよい。
【0085】
アタッチメント77には、前面77aよりリモコン部78を取り付ける開口77kが設けられているとともに、リモコンホルダ76の開口76k内にスライドさせるための差込みバー77bが設けられている。このアタッチメント77はネジ穴77cを介し、ビス等によりリモコンホルダ76に固定される。なお、寸法の異なる開口77kを有する複数のアタッチメント77を用意すれば、寸法の異なる複数のリモコン部78に対応することができる。
【0086】
図32に示すように、棚部79の下面に固定した箱型のリモコンホルダ80にシャッター80aを取り付け、寸法の異なる複数のリモコン部81に対応できるようにしてもよい。
【0087】
リモコンホルダ80の開口80k内の底面には、前後方向に延在する一対の下面レール80cが設けられている。一方、リモコン部81の底面には、下面レール80cに係合する一対の底溝81cが設けられている。これにより、下面レール80cに底溝81cを係合させて、リモコン部81をリモコンホルダ80内に押し込むことにより、リモコン部81をリモコンホルダ80に取り付けることができる。
【0088】
また、シャッター80aは、所定の寸法ずつ左右方向にスライドさせることができるため、取り付けるリモコン部81に合わせてシャッター80a、80aを開閉することができる。
【0089】
さらに、リモコン部81の前端側の上面から下方に向かってダボ孔81gが設けられている。そして、縦断面を三角形の形状にした操作部81dをダボ81fによりリモコン部81の本体に取り付けている。この操作部81dには主操作面811aが形成され、操作部81dにより隠蔽されるリモコン部81の本体上面には副操作面812aが形成される。主操作面811aには洗浄スイッチ等の主操作ボタンスイッチ81bが配置され、副操作面812aには副操作ボタンスイッチ81eが配置されている。そして、主操作面811aと副操作面812aとにより操作面81aが構成される。
【0090】
このリモコン部81では、通常の使用状態では、副操作面812aが操作部81dにより隠蔽され、主操作面811aのみが視認可能である。そして、必要により、操作部81dを取り外して副操作ボタンスイッチ81eを操作することができる。このため、このリモコン部81によれば誤動作を防止することができる。
【0091】
リモコン部として図33〜35に示す形状のリモコン部を使用することもできる。
【0092】
図33に示すように、リモコン部82の上面82bが中央を最も高くして左右対称に傾斜しており、これにより上面82bは中央から縁部に向けて下方に傾斜している。このリモコン部82では、リモコン部82の上面82bと棚部又はリモコンホルダとの間に水が入った場合でも、その水が上面82bに沿って落ちやすいため、リモコン部82の上面82bが乾燥し易くなり、汚れ難くなっている。なお、リモコン部82の上面は曲面とすることもできる。
【0093】
また、図34に示すように、リモコン部83は、上面83bの中央部を最も高くして左右対称に傾斜させているとともに、下面83cの中央部を最も低くして左右対称に傾斜させている。このリモコン部83では、リモコン部83の上面83bと棚部又はリモコンホルダとの間に水が入った場合、その水は、傾斜した上面83bに沿って落ち、さらにリモコン83の下面83cに沿って中央に集まる。そのため、下面83cの中央に集まった水を除去できるようにすれば、リモコン部83が乾燥し易くなり、全体に汚れ難くなっている。なお、リモコン部83の上面83b及び下面83cは平面とすることも、曲面とすることもできる。
【0094】
さらに、図35に示すように、リモコン部84の上面84b及び下面84cは、操作面84a側が最も広く、他面84dに向かい徐々に狭くなり、他面84dが最も狭くなっている。このリモコン部84では、リモコン部84を棚部又はリモコンホルダに挿入し易くなる。
【符号の説明】
【0095】
1…壁面
4、7、13、16、20、25、29、33、37、44、47、52、55、58、60、66、71、75、79…棚部
2…便器装置
5、8、11、14、17、21、26、30、34、38、45、48、53、56、59、61、62、64、73、78、81、82、83、84…リモコン部
5a、8a、11a、17a、21a、26a、30a、34a、38a、45a、48a、81a、84a…操作面
35、39、63、65、74…トイレットペーパホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に取り付けられ、壁面に沿って水平方向に長く延び、上面に物品を載置可能な一段の棚部と、棚部に取り付けられ、便器装置を作動可能なリモコン部とが一体をなし、リモコン部の操作面は棚部の上面の前端縁の下方に位置し、リモコン部の下方にはトイレットペーパホルダが取り付けられていることを特徴とするリモコン一体棚。
【請求項2】
前記操作面は、使用者に対面すべく鉛直に対して下り勾配で傾斜していることを特徴とする請求項1記載のリモコン一体棚。
【請求項3】
前記操作面は、操作スイッチが水平方向で一列をなして配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のリモコン一体棚。
【請求項4】
前記リモコン部は、多用されない副操作スイッチが配置される副操作面を有し、副操作面は前記棚部に隠蔽可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のリモコン一体棚。
【請求項5】
前記リモコン部の上面が前記副操作面とされ、リモコン部が前記棚部の前面より突出する又は棚部から取り外されることにより副操作スイッチが露出し、操作可能であることを特徴とする請求項4記載のリモコン一体棚。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2009−160456(P2009−160456A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105370(P2009−105370)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【分割の表示】特願2000−68859(P2000−68859)の分割
【原出願日】平成12年3月13日(2000.3.13)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】