説明

リモコン文字入力制御方法、サーバおよびリモコン文字入力制御プログラム

【課題】デジタルTVやリモコン機能付PC等のネットワークアクセスが可能な情報機器おいて、携帯電話と同等の操作性で文字を入力できるようにする。
【解決手段】リモコンによる操作が可能でネットワークアクセスが可能な情報機器に対するサーバ側の文字入力制御方法であって、上記情報機器からの要求に応じ、文字入力画面の生成および制御を行う入力画面モジュールを上記情報機器に配信する配信工程と、上記情報機器における上記入力画面モジュールの動作により送信される上記リモコンのかな文字に相当するキー操作情報を受信し、辞書類を検索することで対応する文字を引き当てる引き当て工程と、引き当ての結果を引き当て情報として上記情報機器に返送する引き当て情報提供工程と、上記情報機器における上記入力画面モジュールの動作により送信される確定文字情報を受信し、上記辞書類に保存する履歴保存工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリモコン文字入力制御方法、サーバおよびリモコン文字入力制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今普及しつつあるデジタルTV(Television Set)ではインターネットによるWebアクセスが可能となっており、付属のリモコンにより操作が行えるようになっている。また、PC(Personal Computer)についてもリモコン機能を備えたものが提供されてきており、キーボード、マウス等の接続されたPC本体からやや離れた位置で視聴し、リモコンにより操作を行う場合はデジタルTVと同様の利用形態となる。
【0003】
ところで、Webアクセスに際しては、所望のWebページを閲覧するためにURL(Uniform Resource Locator)を入力したり、メールの送受信を行うためにメールアドレスやメール本文を入力したりする必要が生じる場合があるが、一般にはソフトウェアキーボードと呼ばれる、画面上に表示された文字表からリモコンのカーソル・エンターキーで所望の文字を選択し、必要に応じてかな漢字変換を指示する手法がとられている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【特許文献1】特開2005−286835号公報
【特許文献2】特開2003−216302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、デジタルTV等では、リモコンにより文字入力を行う場合、ソフトウェアキーボードによるのが一般的となっているが、画面上の文字表から逐一文字を選択して変換を行うのは効率的でなく、短い文の入力ではさほど問題はないにしても、それなりの長さの文を入力するのは非常に困難である。
【0005】
一方で、広く普及しているメール/インターネット対応の携帯電話では比較的長いメール本文等の入力も困難ではなく、相当数のユーザが慣れ親しんだ状況となっている。
【0006】
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、デジタルTVやリモコン機能付PC等のネットワークアクセスが可能な情報機器おいて、携帯電話と同等の操作性で文字を入力することのできるリモコン文字入力制御方法、サーバおよびリモコン文字入力制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、請求項1に記載されるように、リモコンによる操作が可能でネットワークアクセスが可能な情報機器に対するサーバ側の文字入力制御方法であって、上記情報機器からの要求に応じ、文字入力画面の生成および制御を行う入力画面モジュールを上記情報機器に配信する配信工程と、上記情報機器における上記入力画面モジュールの動作により送信される上記リモコンのかな文字に相当するキー操作情報を受信し、辞書類を検索することで対応する文字を引き当てる引き当て工程と、引き当ての結果を引き当て情報として上記情報機器に返送する引き当て情報提供工程と、上記情報機器における上記入力画面モジュールの動作により送信される確定文字情報を受信し、上記辞書類に保存する履歴保存工程とを備えるリモコン文字入力制御方法を要旨としている。
【0008】
また、請求項2に記載されるように、請求項1に記載のリモコン文字入力制御方法において、上記入力画面モジュールは、直前に上記リモコンから入力されたかな文字に相当するキーと現時点で入力されたかな文字に相当するキーとを比較し、異なる場合に上記サーバへのアクセスを行う機能を備え、上記引き当て工程は、同じキーの押下回数に応じて変化するかな文字の各々についての引き当てを行うようにすることができる。
【0009】
また、請求項3に記載されるように、請求項1に記載のリモコン文字入力制御方法において、上記引き当て工程は、現ユーザの個人辞書、類似する入力履歴の他のユーザの個人辞書、デフォルト辞書の順に検索を行って引き当てを行うようにすることができる。
【0010】
また、請求項4に記載されるように、請求項1に記載のリモコン文字入力制御方法において、上記入力画面モジュールは、入力されたかなに文字を補完して候補として提示する入力補完モードと、入力されたかなそのものに対応する文字を候補として提示する漢字変換モードとを切り替える機能を備え、上記引き当て工程は、上記入力補完モードと上記漢字変換モードの両者に対応する引き当てを行うようにすることができる。
【0011】
また、請求項5に記載されるように、請求項1に記載のリモコン文字入力制御方法において、上記リモコンからのキー操作情報を受信した際に、上記文字入力画面上の対応するキーを瞬間的にハイライト表示する工程を備えるようにすることができる。
【0012】
また、請求項6に記載されるように、リモコンによる操作が可能でネットワークアクセスが可能な情報機器からのアクセスを受け付けるサーバであって、上記情報機器からの要求に応じ、文字入力画面の生成および制御を行う入力画面モジュールを上記情報機器に配信する配信手段と、上記情報機器における上記入力画面モジュールの動作により送信される上記リモコンのかな文字に相当するキー操作情報を受信し、辞書類を検索することで対応する文字を引き当てる引き当て手段と、引き当ての結果を引き当て情報として上記情報機器に返送する引き当て情報提供手段と、上記情報機器における上記入力画面モジュールの動作により送信される確定文字情報を受信し、上記辞書類に保存する履歴保存手段とを備えるサーバとして構成することができる。
【0013】
また、請求項7に記載されるように、リモコンによる操作が可能でネットワークアクセスが可能な情報機器からのアクセスを受け付けるサーバの制御プログラムであって、コンピュータを、上記情報機器からの要求に応じ、文字入力画面の生成および制御を行う入力画面モジュールを上記情報機器に配信する配信手段と、上記情報機器における上記入力画面モジュールの動作により送信される上記リモコンのかな文字に相当するキー操作情報を受信し、辞書類を検索することで対応する文字を引き当てる引き当て手段と、引き当ての結果を引き当て情報として上記情報機器に返送する引き当て情報提供手段と、上記情報機器における上記入力画面モジュールの動作により送信される確定文字情報を受信し、上記辞書類に保存する履歴保存手段として機能させるリモコン文字入力制御プログラムとして構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のリモコン文字入力制御方法、サーバおよびリモコン文字入力制御プログラムにあっては、デジタルTVやリモコン機能付PC等のネットワークアクセスが可能な情報機器おいて、携帯電話と同等の操作性で文字を入力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
【0016】
<システム構成>
図1は本発明の一実施形態にかかるシステムの構成例を示す図である。
【0017】
図1において、本システムは、リモコン1により操作が可能なデジタルTV(リモコン機能を備えたPC等を含む)2がインターネット等のネットワーク3に接続され、ネットワーク3上に存在する各種サービスを提供するWebサーバ4にデジタルTV2からアクセスすることが可能になっている。
【0018】
リモコン1は一般に「1」〜「12」の番号(テレビチャンネルに対応)に対応するテンキー11と、上下左右の矢印キーと中央のエンターキーを含むカーソル・エンターキー12とを備えている。リモコン1からデジタルTV2へのリモコン操作信号は赤外線もしくは無線により送信される。
【0019】
デジタルTV2は、リモコン1からのリモコン操作信号を受信するリモコン操作受信部201と、一般的なWebブラウザ202とを備えている。
【0020】
Webブラウザ202は、Webサーバ4に要求してAJAX(Asynchronous JavaScript + XML:Webブラウザに実装されているJavaScriptのHTTP(HyperText Transfer Protocol)通信機能を使い、Webページのリロードを伴わずにサーバとXML(Extensible Markup Language)形式のデータのやり取りを行なって画面制御等の処理を行う実装)等により構成される入力画面モジュールを取得する入力画面モジュール取得部203と、取得されて実行可能状態になる入力画面モジュール204とを備えている。
【0021】
入力画面モジュール204は、デジタルTV2において文字入力が必要になった際に入力画面を表示する入力画面表示部205と、リモコン操作受信部201から操作キーを受け付けるキー入力受付部206と、カーソル・エンターキー12の操作に応じてモード(かなモード、カナモード、英(英字)モード、数(数字)モード、入力補完モード(入力されたかなに文字を補完して候補として提示するモード)、漢字変換モード(入力されたかなそのものに対応する文字を候補として提示するモード)等)を制御するモード制御部207とを備えている。
【0022】
入力画面モジュール204は、更に、かなモードにおいて直前に入力されたテンキー11のIDを保持(入力画面の起動直後はブランクであり、入力確定後は内容がクリアされる)する直前入力キー保持部208と、かなモードにおいてテンキーが押下された場合に直前と同じキーか否かによりサーバアクセスを行うか否か判断(直前と同じキーであればサーバアクセスを行わないと判断)するサーバアクセス判断部209と、サーバアクセス判断部209でサーバアクセスを行うと判断された場合にWebサーバ4にキー操作情報を送信して文字の引き当て情報(XML形式)を取得するサーバアクセス部210と、取得した引き当て情報を保持する引き当て情報保持部211とを備えている。
【0023】
入力画面モジュール204は、更に、テンキー11とその押下回数に対応する「ひらがな」の対応関係を保持するひらがなテーブル212(後述するWebサーバ4のひらがなDB413と同内容)と、キー入力内容に応じて入力画面の文字入力欄を更新する文字入力欄更新部213と、引き当て情報もしくはテンキー11の押下回数に応じて入力画面の候補表示欄を更新する候補表示欄更新部214と、候補表示欄からカーソル・エンターキー12により選択を行わせる候補選択部215と、カーソル・エンターキー12により選択候補を入力文字として確定させる入力確定処理部216とを備えている。
【0024】
Webサーバ4は、各種のサービス(掲示板、ブログ、ショッピング、オークション、メール等)を提供(サービス利用時にユーザIDの認証を実施)するサービス提供部401と、サービス提供部401の提供するページフォーム等へのリモコン1による文字入力の機能を提供する文字入力処理部402とを備えている。
【0025】
文字入力処理部402は、デジタルTV2の入力画面モジュール取得部203からの要求に応じて入力画面モジュールを配信する入力画面モジュール配信部403と、デジタルTV2のサーバアクセス部210からのキー操作情報に基づいて各種辞書等を参照して対応する文字(文字列を含む)を引き当てて引き当て情報(後述するように押下されたテンキー11に対応する文字だけでなく、同じキーが連続して押下された場合に変化する文字に対する引き当て情報を含む)を返送する文字引き当て部404とを備えている。
【0026】
文字入力処理部402は、更に、デジタルTV2の入力確定処理部216からの要求に応じて選択候補を入力文字として確定し、入力履歴として確定文字をユーザIDと対応付けて後述する個人辞書414に保存する入力履歴保存部405と、所定のタイミングで後述する類似ユーザDB415を更新する類似ユーザDB更新部406とを備えている。
【0027】
また、Webサーバ4は、処理に必要な情報群として、ユーザ情報を管理するユーザDB411と、配信する入力画面モジュールのテンプレートを保持するモジュールテンプレート412と、テンキー11とその押下回数に対応する「ひらがな」の対応関係を保持するひらがなDB413と、ユーザ毎の文字入力履歴を管理する個人辞書414と、類似する文字入力履歴を有する他のユーザとの関係を管理する類似ユーザDB415と、一般的なかな漢字変換のためのデフォルト辞書416とを備えている。
【0028】
図2は各種DBの例を示す図である。
【0029】
ユーザDB411は、ユーザIDと認証用のパスワード等を含んでいる。
【0030】
ひらがなDB413は、テンキー11の各キー「1」〜「12」毎に、押下回数に対応したひらがなを保持している。
【0031】
個人辞書414は、入力かなに対応した引き当て後の確定文字が保持されている。最新の結果が上に積み上げられる。
【0032】
類似ユーザDB415は、各ユーザID毎に文字入力履歴の類似の度合の高い他のユーザIDが保持されている。
【0033】
デフォルト辞書416は、入力かなに対応した文字が保持されている。
【0034】
<動作>
図3〜図6は上記の実施形態の処理例を示すシーケンス図である。また、図7〜図17は処理過程において表示される入力画面の例を示す図である。
【0035】
図3において、デジタルTV2において入力フォーム等への文字入力が必要になると、文字入力モードへの移行を開始し(ステップS101)、Webサーバ4に対して入力画面モジュールを要求し(ステップS102)、Webサーバ4は入力画面モジュールをデジタルTV2に配信する(ステップS103)。
【0036】
デジタルTV2は取得した入力画面モジュールに基づいて入力画面(初期画面)を表示する(ステップS104)。デフォルトではかなモードで入力補完モードになっているものとする(デフォルトを他のモードとしてもよい。)。図7は入力画面221の初期画面の例を示しており、文字入力欄222とテンキー表示部223とカーソル・エンターキー表示部224とモード表示部225とを含んでいる。モード表示部225は、かなモード(「かな」部分がハイライト表示)で入力補完モード(「漢字変換」への切替が可能であることを表示することで現在が入力補完モードであることを表示)であることを示している。
【0037】
図3に戻り、リモコン1のカーソル・エンターキー12の左方向カーソルキーを押下したとすると(ステップS105)、リモコン1からデジタルTV2にリモコン操作信号が送信され(ステップS106)、デジタルTV2でこれを受信すると(ステップS107)、操作者に認識させるため対応するキーを瞬時ハイライト表示し(ステップS108)、モードを入力補完モードから漢字変換モードに切り替える(ステップS109)。図8はこの状態の入力画面221の例を示しており、モード表示部225において「漢字変換」が「入力補完」に変化している。
【0038】
図3に戻り、更に、リモコン1のカーソル・エンターキー12の下方向カーソルキーを押下したとすると(ステップS110)、リモコン1からデジタルTV2にリモコン操作信号が送信され(ステップS111)、デジタルTV2でこれを受信すると(ステップS112)、操作者に認識させるため対応するキーを瞬時ハイライト表示し(ステップS113)、モードをかなモードからカナモードに切り替える(ステップS114)。更に下方向カーソルキーを押下すると、同様に「カナ」→「英」→「数」とモードが変化し、反対に上方向矢印キーを押下することでモードを逆方向に変化させることができる。図9は英モードになった状態を示しており、モード表示部225は英モード(「英」部分がハイライト表示)であることを示すとともに、テンキー表示部223は対応する英字を表示している。
【0039】
次に、かなモードの入力補完モードにおいて、リモコン1のテンキー11により「かんじ」と入力して漢字に変換する場合を例にして説明する。
【0040】
図4において、リモコン1のテンキー11から「2(か)」キーを押下すると(ステップS121)、リモコン1からデジタルTV2にリモコン操作信号が送信され(ステップS122)、デジタルTV2でこれを受信すると(ステップS123)、操作者に認識させるため対応するキーを瞬時ハイライト表示し(ステップS124)、直前に入力されたテンキー11のIDと今回押下されたテンキー11のIDとを比較することでサーバアクセスが必要か否か判断する(ステップS125)。ここでは、初回のテンキー押下であるため直前のIDはないため、サーバアクセスが必要であると判断する。その後、今回押下されたテンキー11のIDを保持する(ステップS126)。
【0041】
次いで、デジタルTV2は今回押下されたキー操作情報をWebサーバ4に送信し(ステップS127)、Webサーバ4は各種辞書等を参照して対応する文字を引き当て(ステップS128)、引き当て情報をデジタルTV2に返送する(ステップS129)。より詳しくは、現ユーザの個人辞書414→類似ユーザDB415により類似するとされる他のユーザの個人辞書414→デフォルト辞書416の順に検索を行って引き当てを行う。また、押下されたテンキー11に対応する文字だけでなく、同じキーが連続して押下された場合に変化する文字に対する引き当て情報も含める。すなわち、「2(か)」キーが押下されたことで、「か」に対応する文字だけでなく、連続押下により変化していくべき「き」「く」「け」「こ」に対応する文字への引き当ても同時に行う。
【0042】
そして、デジタルTV2はWebサーバ4から取得した引き当て情報に従い、入力画面の文字入力欄および候補表示欄の更新を行う(ステップS130)。図10はこの状態の入力画面221の例を示しており、テンキー表示部223の「2(か)」キーに対応するリモコン1のテンキー11が押下されたことで、文字入力欄222に「か」が表示され、候補表示欄226に入力文字「か」に対応する入力補完の候補が複数表示されている。
【0043】
次いで、図4に戻り、リモコン1のテンキー11から「11(わをん)」キーを押下すると(ステップS131)、リモコン1からデジタルTV2にリモコン操作信号が送信され(ステップS132)、デジタルTV2でこれを受信すると(ステップS133)、操作者に認識させるため対応するキーを瞬時ハイライト表示し(ステップS134)、直前に入力されたテンキー11のIDと今回押下されたテンキー11のIDとを比較することでサーバアクセスが必要か否か判断する(ステップS135)。ここでは、直前のキーとは異なるため、サーバアクセスが必要であると判断する。その後、今回押下されたテンキー11のIDを保持する(ステップS136)。
【0044】
次いで、デジタルTV2は今回押下されたキー操作情報をWebサーバ4に送信し(ステップS137)、Webサーバ4は各種辞書等を参照して対応する文字を引き当て(ステップS138)、引き当て情報をデジタルTV2に返送する(ステップS139)。より詳しくは、現ユーザの個人辞書414→類似ユーザDB415により類似するとされる他のユーザの個人辞書414→デフォルト辞書416の順に検索を行って引き当てを行う。また、押下されたテンキー11に対応する文字だけでなく、同じキーが連続して押下された場合に変化する文字に対する引き当て情報も含める。すなわち、「11(わをん)」キーが押下されたことで、「わ」に対応する文字だけでなく、「を」「ん」に対応する文字への引き当ても行う。
【0045】
そして、デジタルTV2はWebサーバ4から取得した引き当て情報に従い、入力画面の文字入力欄および候補表示欄の更新を行う(ステップS140)。図11はこの状態の入力画面221の例を示しており、テンキー表示部223の「11(わをん)」キーに対応するリモコン1のテンキー11が押下されたことで、文字入力欄222に「かわ」が表示され、候補表示欄226に入力文字「かわ」に対応する入力補完の候補が複数表示されている。
【0046】
次いで、図5において、リモコン1のテンキー11から直前と同じ「11(わをん)」キーを押下すると(ステップS141)、リモコン1からデジタルTV2にリモコン操作信号が送信され(ステップS142)、デジタルTV2でこれを受信すると(ステップS143)、操作者に認識させるため対応するキーを瞬時ハイライト表示し(ステップS144)、直前に入力されたテンキー11のIDと今回押下されたテンキー11のIDとを比較することでサーバアクセスが必要か否か判断する(ステップS145)。ここでは、直前のキーと同じであるため、サーバアクセスが不要であると判断する。その後、今回押下されたテンキー11のIDを保持する(ステップS146)。同じIDであるため新たな保持を省略してもよい。
【0047】
そして、デジタルTV2は以前にWebサーバ4から取得した引き当て情報等に従い、入力画面の文字入力欄および候補表示欄の更新を行う(ステップS147)。すなわち、同じキーの押下回数「2」を考慮してひらがなテーブル212から対応する文字を特定するとともに、前回取得した引き当て情報から、対応する引き当て情報を抽出して表示更新を行う。図12はこの状態の入力画面221の例を示しており、テンキー表示部223の「11(わをん)」キーに対応するリモコン1のテンキー11が連続して押下されたことで、文字入力欄222に「かを」が表示され、候補表示欄226に入力文字「かを」に対応する入力補完の候補が複数表示されている。このように、同じキー押下の場合にはサーバアクセスを不要とすることで、通信トラフィックを低減させることができる。
【0048】
図5に戻り、同様の動作により、続けて「11(わをん)」キー、「3(さ)」キー、「3(さ)」キー、「10(゛゜)」キーが押下されることで、入力文字は「かん」→「かんさ」→「かんし」→「かんじ」となる。図13は「かんじ」まで入力された状態を示しており、テンキー表示部223の「10(゛゜)」キーに対応するリモコン1のテンキー11が押下されたことで、文字入力欄222に「かんじ」が表示され、候補表示欄226に入力文字「かんじ」に対応する入力補完の候補が複数表示されている。
【0049】
次いで、図5に戻り、入力補完による変換候補ではなく決め打ち的な漢字変換を行いたい場合は、モードを入力補完モードから漢字変換モードに切り替えることができる。
【0050】
すなわち、リモコン1のカーソル・エンターキー12の左方向カーソルキーを押下することで(ステップS151)、リモコン1からデジタルTV2にリモコン操作信号が送信され(ステップS152)、デジタルTV2でこれを受信すると(ステップS153)、操作者に認識させるため対応するキーを瞬時ハイライト表示し(ステップS154)、モードを入力補完モードから漢字変換モードに切り替え(ステップS155)、候補表示欄を更新する(ステップS156)。図14はこの状態の入力画面221の例を示しており、カーソル・エンターキー表示部224の左方向矢印キーに対応するリモコン1のカーソル・エンターキー12が押下されたことで、モード表示部225の「入力補完」が「漢字変換」に変化(前述したように入力補完モードであることを示す)し、候補表示欄226は入力文字「かんじ」に対応する漢字変換の候補となる。また、この状態から更に入力補完モードに戻すこともできる。図15はその状態の入力画面221の例を示しており、カーソル・エンターキー表示部224の左方向矢印キーに対応するリモコン1のカーソル・エンターキー12が押下されたことで、モード表示部225の「漢字変換」が「入力補完」に変化(前述したように漢字変換モードであることを示す)し、候補表示欄226は入力文字「かんじ」に対応する入力補完の候補となる。なお、漢字変換モード(図8)からリモコン1による文字入力を行い、途中で入力補完モードに変更することも可能であり、そこから更に漢字変換モードに戻すことも可能である。
【0051】
次に、図6において、候補表示欄の中から確定させたい文字を選択する場合、リモコン1のカーソル・エンターキー12の下方向カーソルキーを押下することで(ステップS161)、リモコン1からデジタルTV2にリモコン操作信号が送信され(ステップS162)、デジタルTV2でこれを受信すると(ステップS163)、操作者に認識させるため対応するキーを瞬時ハイライト表示し(ステップS164)、候補表示欄のハイライト表示の箇所を下方向に移動する(ステップS165)。同様に、リモコン1のカーソル・エンターキー12の上方向キーを押下することでハイライト表示の箇所を上方向に移動することができる。図16は図14の状態からカーソル・エンターキー表示部224の下方向カーソルキーに対応するリモコン1のカーソル・エンターキー12を2回押下して候補表示欄226から「漢字」を選択した状態を示している。
【0052】
次いで、図6に戻り、選択された文字を確定する場合、リモコン1のカーソル・エンターキー12のエンターキーを押下することで(ステップS171)、リモコン1からデジタルTV2にリモコン操作信号が送信され(ステップS172)、デジタルTV2でこれを受信すると(ステップS173)、操作者に認識させるため対応するキーを瞬時ハイライト表示する(ステップS174)。
【0053】
次いで、デジタルTV2はWebサーバ4に確定文字情報を送信し(ステップS175)、Webサーバ4はユーザIDと対応付けて個人辞書414に入力履歴を保存する(ステップS176)。また、デジタルTV2は確定文字を文字入力欄に表示し、候補表示欄を更新(消去)する(ステップS177)。図17はこの状態の入力画面221の例を示しており、カーソル・エンターキー表示部224のエンターキーに対応するリモコン1のカーソル・エンターキー12が押下されたことで、文字入力欄222が確定文字である「漢字」となり、候補表示欄226が消去されている。
【0054】
<総括>
以上説明したように、本発明の実施形態によれば次のような利点がある。
(1)リモコン操作と連動させて、携帯電話の入力ボタンを模したUI(User Interface)を表示させることで、デジタルTVとリモコンで、携帯電話と同じような感覚の文字入力が可能となる。
(2)文字入力の履歴をユーザIDに紐付けてサーバ側で保存するため、入力補完、漢字変換の際、ユーザの特性に応じた引き当てが可能となる。
(3)サーバ側に辞書があるため、常に最新の内容に更新が可能である。
(4)複数のユーザの入力特性をサーバで保存できるため、複数のユーザの入力履歴を辞書に反映させることが可能である。
(5)引き当ての際、似たような入力特性のあるユーザの入力履歴も利用して優先的に表示させることが可能である。
(6)サーバ側に履歴やユーザ辞書があるので、使う情報機器が変わっても履歴や辞書内容が変わらない。
(7)押下されたリモコンキーと連動したハイライト表示により、リモコンを見なくても携帯と同じ感覚の入力操作が可能である。
(8)上記のような入力支援により、制約の多いテレビ画面への入力を効率的に行うことができる。
【0055】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態にかかるシステムの構成例を示す図である。
【図2】各種DBの例を示す図である。
【図3】実施形態の処理例を示すシーケンス図(その1)である。
【図4】実施形態の処理例を示すシーケンス図(その2)である。
【図5】実施形態の処理例を示すシーケンス図(その3)である。
【図6】実施形態の処理例を示すシーケンス図(その4)である。
【図7】入力画面の例を示す図(その1)である。
【図8】入力画面の例を示す図(その2)である。
【図9】入力画面の例を示す図(その3)である。
【図10】入力画面の例を示す図(その4)である。
【図11】入力画面の例を示す図(その5)である。
【図12】入力画面の例を示す図(その6)である。
【図13】入力画面の例を示す図(その7)である。
【図14】入力画面の例を示す図(その8)である。
【図15】入力画面の例を示す図(その9)である。
【図16】入力画面の例を示す図(その10)である。
【図17】入力画面の例を示す図(その11)である。
【符号の説明】
【0057】
1 リモコン
11 テンキー
12 カーソル・エンターキー
2 デジタルTV
201 リモコン操作受信部
202 Webブラウザ
203 入力画面モジュール取得部
204 入力画面モジュール
205 入力画面表示部
206 キー入力受付部
207 モード制御部
208 直前入力キー保持部
209 サーバアクセス判断部
210 サーバアクセス部
211 引き当て情報保持部
212 ひらがなテーブル
213 文字入力欄更新部
214 候補表示欄更新部
215 候補選択部
216 入力確定処理部
221 入力画面
222 文字入力欄
223 テンキー表示部
224 カーソル・エンターキー表示部
225 モード表示部
226 候補表示欄
3 ネットワーク
4 Webサーバ
401 サービス提供部
402 文字入力処理部
403 入力画面モジュール配信部
404 文字引き当て部
405 入力履歴保存部
406 類似ユーザDB更新部
411 ユーザDB
412 モジュールテンプレート
413 ひらがなDB
414 個人辞書
415 類似ユーザDB
416 デフォルト辞書

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモコンによる操作が可能でネットワークアクセスが可能な情報機器に対するサーバ側の文字入力制御方法であって、
上記情報機器からの要求に応じ、文字入力画面の生成および制御を行う入力画面モジュールを上記情報機器に配信する配信工程と、
上記情報機器における上記入力画面モジュールの動作により送信される上記リモコンのかな文字に相当するキー操作情報を受信し、辞書類を検索することで対応する文字を引き当てる引き当て工程と、
引き当ての結果を引き当て情報として上記情報機器に返送する引き当て情報提供工程と、
上記情報機器における上記入力画面モジュールの動作により送信される確定文字情報を受信し、上記辞書類に保存する履歴保存工程とを備えたことを特徴とするリモコン文字入力制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載のリモコン文字入力制御方法において、
上記入力画面モジュールは、直前に上記リモコンから入力されたかな文字に相当するキーと現時点で入力されたかな文字に相当するキーとを比較し、異なる場合に上記サーバへのアクセスを行う機能を備え、
上記引き当て工程は、同じキーの押下回数に応じて変化するかな文字の各々についての引き当てを行うことを特徴とするリモコン文字入力制御方法。
【請求項3】
請求項1に記載のリモコン文字入力制御方法において、
上記引き当て工程は、現ユーザの個人辞書、類似する入力履歴の他のユーザの個人辞書、デフォルト辞書の順に検索を行って引き当てを行うことを特徴とするリモコン文字入力制御方法。
【請求項4】
請求項1に記載のリモコン文字入力制御方法において、
上記入力画面モジュールは、入力されたかなに文字を補完して候補として提示する入力補完モードと、入力されたかなそのものに対応する文字を候補として提示する漢字変換モードとを切り替える機能を備え、
上記引き当て工程は、上記入力補完モードと上記漢字変換モードの両者に対応する引き当てを行うことを特徴とするリモコン文字入力制御方法。
【請求項5】
請求項1に記載のリモコン文字入力制御方法において、
上記リモコンからのキー操作情報を受信した際に、上記文字入力画面上の対応するキーを瞬間的にハイライト表示する工程を備えたことを特徴とするリモコン文字入力制御方法。
【請求項6】
リモコンによる操作が可能でネットワークアクセスが可能な情報機器からのアクセスを受け付けるサーバであって、
上記情報機器からの要求に応じ、文字入力画面の生成および制御を行う入力画面モジュールを上記情報機器に配信する配信手段と、
上記情報機器における上記入力画面モジュールの動作により送信される上記リモコンのかな文字に相当するキー操作情報を受信し、辞書類を検索することで対応する文字を引き当てる引き当て手段と、
引き当ての結果を引き当て情報として上記情報機器に返送する引き当て情報提供手段と、
上記情報機器における上記入力画面モジュールの動作により送信される確定文字情報を受信し、上記辞書類に保存する履歴保存手段とを備えたことを特徴とするサーバ。
【請求項7】
リモコンによる操作が可能でネットワークアクセスが可能な情報機器からのアクセスを受け付けるサーバの制御プログラムであって、
コンピュータを、
上記情報機器からの要求に応じ、文字入力画面の生成および制御を行う入力画面モジュールを上記情報機器に配信する配信手段と、
上記情報機器における上記入力画面モジュールの動作により送信される上記リモコンのかな文字に相当するキー操作情報を受信し、辞書類を検索することで対応する文字を引き当てる引き当て手段と、
引き当ての結果を引き当て情報として上記情報機器に返送する引き当て情報提供手段と、
上記情報機器における上記入力画面モジュールの動作により送信される確定文字情報を受信し、上記辞書類に保存する履歴保存手段として機能させることを特徴とするリモコン文字入力制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−198022(P2008−198022A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−33958(P2007−33958)
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】