説明

リモート決裁システム、リモート決裁方法及びプログラム並びに記録媒体

【課題】 書類に印鑑で押印して決裁が行え、決裁の日付管理が容易にでき、かつ画像を決裁者の端末に送信する必要がなく、余分な装置を決裁のために持ち運ぶ必要がないリモート決裁システム、リモート決裁方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】 本発明のリモート決裁システムは、情報通信網に接続された端末間において、他方の端末からの遠隔操作により、一方の端末の書類に押印して決裁を行うシステムであり、一方の端末が、決裁書類の情報が決裁データとして記録されている情報記録媒体と、情報記録媒体から決裁データを読み出すリーダと、決裁データを他方の端末へ送信し、この決裁情報に対応した決裁確認情報を他方の端末から入力する制御部と、決裁確認情報により、タグリーダ上の決裁書類に印鑑を押印する押印部と、タグリーダが読み出した押印位置の位置情報により、押印の位置決めを行う位置決め部とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公衆情報通信網,専用情報通信網及びインターネットなどからなる情報通信網を用いて、一方の端末から遠隔操作し、異なる場所に設けられた他方の端末により決裁を行うリモート決裁システム、リモート決裁方法及びプログラム並びに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、書類の決裁を行う際、決裁する担当者が遠隔地に出張などで出かけている場合、決裁処理が行えないことがある。
このため、遠隔地から決裁を行うリモート決裁システムとしては、決裁を行う書類を郵送することなく、遠隔地から文字を書類上に書き込むリモート操作をして、書類にサインを行うシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平05−30508号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に示すリモートサイン記帳システムにあっては、書類に対してサインのみを行うもののため、決裁に印鑑の押印ができないという問題がある。
また、上記リモートサイン記帳システムは、決裁日を管理するため、後日、書類の決裁日を読み取り、人手にて入力する必要がある。
【0004】
また、上記リモートサイン記帳システムは、決裁者に書類の内容の確認させるため、決裁する書類の画像データを読み取り、情報通信網を介して、他の場所にいる決裁者の端末へ送信しなければならないという欠点がある。
また、上記リモートサイン記帳システムは、決裁者が遠隔地にて決裁処理を行えるように、決裁者のサイン文字を端末に入力するための文字入力装置を持ち運ばなければならないと言う欠点がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、書類に印鑑で押印して決裁が行え、決裁の日付管理が容易にでき、かつ画像を決裁者の端末に送信する必要がなく、余分な装置を決裁のために持ち運ぶ必要がないリモート決裁システム、リモート決裁方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のリモート決裁システムは、情報通信網に接続された端末間において、他方の端末からの遠隔操作により、一方の端末の書類に押印して決裁を行うリモート決裁システムであり、前記一方の端末が、決裁書類に添付され、この決裁書類の情報が決裁データとして記録されている情報記録媒体と、前記情報記録媒体から前記決裁データを読み出すリーダと、前記決裁データを他方の端末へ送信し、この決裁情報に対応した決裁確認情報を他方の端末から入力する制御部と、前記決裁確認情報により、前記タグリーダ上に置かれた前記決裁書類の押印位置に印鑑を押印する押印部と、前記タグリーダが読み出した決裁データに含まれる前記押印位置の位置情報により、前記押印部の位置決めを行う位置決め部とを有することを特徴とする。
【0007】
本発明のリモート決裁システムは、前記情報記録媒体がRFタグであり、前記リーダがRFタグリーダであることを特徴とする。
【0008】
本発明のリモート決裁システムは、前記情報記録媒体がバーコードであり、前記リーダがバーコードリーダであることを特徴とする。
【0009】
本発明のリモート決裁システムは、前記押印部が印影の情報として、決裁者の押印番号を有することを特徴とする。
【0010】
本発明のリモート決裁方法は、情報通信網に接続された端末間において、他方の端末からの遠隔操作により、一方の端末の書類に押印して決裁を行うリモート決裁方法であり、前記一方の端末において、決裁書類の記載内容の情報を決裁データとして情報記録媒体に記録し、この情報記録媒体を前記決裁書類に添付する過程と、前記情報記録媒体からリーダにより前記決裁データを読み出す過程と、制御部が決裁データを読み出して他方の端末へ送信し、この決裁情報に対応した決裁確認情報を他方の端末から入力する過程と、押印部が前記決裁確認情報により、前記タグリーダ上に置かれた前記決裁書類の押印位置に印鑑を押印する過程と、位置決め部が前記タグリーダが読み出した決裁データに含まれる前記押印位置の位置情報により、前記押印部の位置決めを行う過程とを有していることを特徴とする。
【0011】
本発明のプログラムは、情報通信網に接続された端末間において、他方の端末からの遠隔操作により、一方の端末の書類に押印して決裁を行うリモート決裁システムを動作させるものであり、決裁書類の記載内容の情報を決裁データとして情報記録媒体に記録し、この情報記録媒体を前記決裁書類に添付する処理と、前記情報記録媒体からリーダにより前記決裁データを読み出す処理と、制御部が決裁データを読み出して他方の端末へ送信し、この決裁情報に対応した決裁確認情報を他方の端末から入力する処理と、押印部が前記決裁確認情報により、前記タグリーダ上に置かれた前記決裁書類の押印位置に印鑑を押印する処理と、位置決め部が前記タグリーダが読み出した決裁データに含まれる前記押印位置の位置情報により、前記押印部の位置決めを行う処理とを有するリモート決裁処理をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0012】
本発明の記録媒体は、上記プログラムが記録されたコンピュータの読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明のリモート決裁システムによれば、不在の際に決裁を行う場合、遠隔地に有る端末を用いて、決裁データ及び決裁確認情報の送受信を行うのみで決裁処理が行えるため、従来例のように出先に決裁に必要な装置を一々搬送する必要が無く、容易に遠隔地にてリモート処理により決裁処理が行える。
また、本発明のリモート決裁システムによれば、印鑑の押印をリモートで制御可能なため、従来例のようにサインで決裁を行うことなく決裁書類に決裁者の印鑑が押印することができる。
【0014】
また、本発明のリモート決裁システムによれば、押印における決裁番号が決裁書類により付与され、押印の日付とともに記憶されるため、決裁の日付管理及び決裁の正当性の確認が行え、決裁処理に対するセキュリテイを向上させることができる。
また、本発明のリモート決裁システムによれば、予めデータとして決裁データが情報記録媒体から読み出して、テキストデータにより端末間のデータの送受信が行われるため、従来例のように画像を決裁者の端末に送信する必要がなく、処理時間が短縮されると共に、データ送信の効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態によるリモート決裁システムを図面を参照して説明する。図1は同実施形態によるリモート決裁システムの構成例を示すブロック図である。第1の実施形態のリモート決裁システムにおいては、決裁書類に添付する情報記録媒体をRFタグ(ICタグ)として説明する。
この図において、端末1は、公衆情報通信網,専用情報通信網及びインターネットなどからなる情報通信網Iを介して端末2と接続されている。ここで、端末1及び端末2は、通信情報網Iを介してデータの送受信を行う。
【0016】
端末1は、制御部11,位置決め部12,押印制御部13,シートフィーダ制御部14,データ読取部15を有している。
手動決裁装置3は、リモート処理を行う必要が無い場合、すなわち決裁者が端末1を操作可能な場合、所定のボタンを押すことにより、押印処理が行われる。
書類搬送台4は、押印する際に決裁書類を載せる台であるが、後述するように、シートフィーダが設けられており、決裁書類の搬送機構を有する台であ。
【0017】
位置合せ機構5は、モータが内蔵されたx方向及びy方向に移動する2つの移動軸からなり、上記書類搬送台4の決裁書類を載せるx−y平面に平行な面を、書類搬送台4上の決裁書類7に印鑑6の印影が対向するよう、印鑑6を移動させる。ここで、印鑑6は2つの移動軸のいずれかに配設されている。
【0018】
押印機構8は、モータが内蔵されており、上記位置合せ機構5を上下させる。すなわち、位置合せ機構5が印鑑6を押印する位置に移動した後、押印機構8は、位置合せ機構5を下方に移動させて、決裁書類7の所定の位置(押印領域)に押印処理を行う。
RFタグリーダ9は、書類搬送台4内部に設けられており、決裁書類7に添付されているRFタグのデータが読みとれる(無線による送受信が可能な)位置に配置されている。
【0019】
次に、図2を用いて図1の書類搬送台4を詳細に説明する。図2は第1の実施形態によるリモート決裁システムにおけるシートフィーダ機能を説明する概念図である。
書類搬送台4は、内蔵したモータにより、決裁書類7に添付されたRFタグと無線によりデータの送受信を行うRFタグリーダ9が内蔵されている本体のほかに、決裁書類7を複数枚置くことが可能なシートフィーダが設けられており、通常処理の決裁書類7を置くシートフィーダ20と、決裁に緊急を要する決裁書類7を置く割り込み用シートフィーダ21が設けられている。
【0020】
また、書類搬送台4には、決裁書類7が置かれる上面に、決裁書類7を移動させるローラが設けられており、シートフィーダ制御部14の制御により、内蔵モータにより上記ローラを駆動して、シートフィーダ20またはシートフィーダ21のいずれから決裁書類7を搬送する。
さらに、書類搬送台4には、決裁が降りて印鑑6が押印された決裁書類7を入れる可決トレイ23と、決裁が降りず印鑑6が押印されなかった決裁書類7を入れる否決トレイ24とが設けられており、シートフィーダ制御部14の制御により、内蔵モータにより上記ローラを駆動して、いずれかのトレイに決裁書類7を搬送する。
【0021】
以下、図1,図2及び図3を参照して、第1の実施形態によるリモート決裁システムの動作を説明する。図3は、第1の実施形態によるリモート決裁システムの動作例を示すフローチャートである。
ステップS1において、利用者は決裁書類7を作成して印刷するとともに、RFタグプリンタにより、RFタグに決裁書類7を識別するID(識別情報),書類の種別,起票者,起票日,決裁書類7に記載されている決裁の伺い内容を有する決裁データ、及び印鑑6を押印する決裁書類7が置かれる書類搬送台4上面における座標値等の各種データを、所定の記憶領域に書き込む。そして、利用者は、上記決裁書類7にRFタグを添付(例えば、貼着)する。
【0022】
次に、ステップS2において、利用者は、RFタグを添付した決裁書類7を、端末1に接続されている書類搬送台4のシートフィーダ20または割り込み用シートフィーダ21のいずれかへ、決裁書類7の決裁の緊急度により置く。
次に、ステップS3において、シートフィーダ制御部14は、シートフィーダ20及び割り込み用シートフィーダ21各々に設けられているセンサにより、いずれのシートフィーダに決裁書類7が置かれているかの確認を行い、シートフィーダ20にのみに決裁書類7が置かれていることを検出した場合、書類搬送台4を制御して、シートフィーダ20から決裁書類7を搬送して、書類搬送台4の定位置に決裁書類7を設定する。
【0023】
一方、シートフィーダ制御部14は、割り込み用シートフィーダ21に決裁書類7が置かれていることを検出した場合、書類搬送台4を制御して、シートフィーダ20に決裁書類7が置かれていたとしても、割り込み用シートフィーダ21から決裁書類7を搬送して、書類搬送台4の定位置に決裁書類7を設定する。
そして、データ読み取り部15は、シートフィーダ制御部14からの決裁書類7の定位置への設定が終了したことを示す通知が入力されると、決裁書類7に添付されているRFタグから、RFタグリーダ9を介して決裁データを読み出し、制御部11へ転送する。
【0024】
次に、ステップS4において、制御部11は、入力される決裁データを、内部の記憶部に予め設定されている決裁ルートを参照して、決裁ルートに示されている決裁者に対して、決裁データと決裁を促す情報を電子メールなどにより送信する。このとき、決裁者の電子メールのアドレスは決裁ルートに情報として含まれており、制御部11は電子メールを送信する際、決裁ルートから対応する決裁者の電子メールのアドレスを読み込む。
【0025】
次に、ステップS5において、決裁者は、例えば外出先にて、ノートパソコンなどの端末2(他の端末)により、端末1からの電子メールを受信し、決裁データを参照して、決裁の可否を判断し、可否の判断を含む決裁確認情報を電子メールにより、端末1の制御部11の電子メールのアドレスへ送信する。
そして、制御部11は、端末2から送信された電子メールにおける決裁確認情報が決裁を可決とするものか、また決裁を否決するものかの検出を行う。
【0026】
次に、ステップS6において、制御部11は、決裁確認情報が決裁を可決するものとして検出した場合、処理をステップS7へ進め、一方、決裁確認情報が決裁を否決するものとして検出した場合、処理をステップS10へ進める。
このとき、制御部11は、決裁書類7のIDに対応させ、可否の情報とともに、電子メールを受信した日付を、内部の記憶部に記憶させる。
【0027】
次に、ステップS7において、制御部11は、データ読取部15に対して、決裁書類7のRFタグから座標値を読み出すように指示する。
これにより、データ読取部15は、RFタグリーダ9を介して、上記RFタグから押印する座標値を読み出し、制御部11へ出力する。
そして、制御部11は、この座標値を位置決め部12へ出力し、印鑑6を座標値へ、すなわち押印する位置に移動させるよう指示する。
これにより、位置決め部12は、位置合せ機構5の各軸のモータを制御して、印鑑6を指示された座標値に移動し、移動が終了した後、移動終了を示す信号を制御部11へ出力する。
【0028】
次に、ステップS8において、制御部11は、押印制御部13に対して、印鑑6の押印処理の実行を指示する。
そして、押印制御部13は、押印機構8のモータを制御し、印鑑6が配設された位置合せ機構5を下降させ、印鑑6に付けられた圧力センサが所定の数値となると、押印が終了したとして、置合せ機構5を上昇させて、所定の位置に戻し、押印が終了したことを制御部11へ通知する。
【0029】
次に、ステップS9において、制御部11は、押印が終了したことを検出すると、シートフィーダ制御部14に対して、決裁書類7を可決トレイ23へ搬送することを指示する。
これにより、シートフィーダ制御部14は、書類搬送台4のモータを制御して、類搬送台4上面にある決裁書類7をローラにより、可決トレイ23へ搬送する。
一方、ステップS6において、制御部11は、決裁確認情報が決裁を否決するものとして検出した場合、処理をステップS10へ進める。
【0030】
そして、ステップS10において、制御部11は、否決されたことを検出すると、シートフィーダ制御部14に対して、決裁書類7を否決トレイ24へ搬送することを指示する。
これにより、シートフィーダ制御部14は、書類搬送台4のモータを制御して、類搬送台4上面にある決裁書類7をローラにより、否決トレイ24へ搬送する。
【0031】
次に、ステップS11において、制御部11は、シートフィーダ20及び割り込み用シートフィーダ21各々に設けられたセンサにより、他に決裁書類7の有無の検出を行う。
このとき、制御部11は、他に決裁書類7がいずれのシートフィーダ(シートフィーダ20及び割り込み用シートフィーダ21)にもないことを検出すると処理を終了し、一方、いずれかのシートフィーダに決裁書類7があることを検出すると、処理をステップS3へ戻す。
【0032】
また、印鑑6の印影には、図4に示すように、印影の情報の一つとして、決裁者別に決裁を行った順番を示す連番の決裁番号を示す連番情報エリアを設けてもよい。
これにより、決裁者単位にて、一連の連続した決裁番号が押印されることになり、決裁書類7に一元管理可能な管理番号を付与することが可能となる。
そして、決裁書類7の決裁の正当性、すなわち、実際に決裁者の決裁確認情報により押印されたか否かを判定する際、この決裁番号を目視または光学装置にて読み取ることで判定することができる。この決裁番号は、制御部11において、決裁書類7のIDとともに記憶されている。
【0033】
決裁番号は、例えば、図5に示すように印鑑6の印影と同一平面に配置された連番情報エリアにて8ビットのドットのマークとして示すように構成する。ここで、基準マスは、連番情報の方向を検出するために設けられており、リザーブは情報のビット数を増加させる場合に用いるように残されているドット位置である。
この図5に示す連番情報は、図6に示す角柱を図示しない角柱上下機構を制御部11が制御することにより動作させる。
すなわち、制御部11は、決裁書類7に対して付与する決裁番号に対応したビット情報となるように、各ビットの角柱を上下させることにより、印影の一部として決裁書類の所定の押印位置に決裁番号を示すこととなる。
【0034】
また、第1の実施形態において、決裁者自身が直接に端末1を操作可能な場合、図1の手動決裁装置3を使用して上述した決裁処理を行う。
手動決裁装置3に設けられている在席の有無を示す在籍ボタンを在籍にして、手動決裁にリモート決裁システムの処理状態を切り替え、端末1において、制御部11がフローチャートのステップS3までの処理を行う。すでに述べた端末2からのリモートにより決裁処理を行う場合、利用者は、席を離れる際に手動決裁装置3に設けられている在席の有無を示す在籍ボタンを不在としている。
【0035】
そして、制御部11は、端末1の表示画面に、書類搬送台4上の決裁書類7の決裁データを表示する。
これにより、決裁者は、上記端末1の表示画面を見て、決裁の可否を決めて、手動決裁装置3の可決または否決のボタンを押す。
そして、制御部11は、いずれの上記ボタンが押されたかを検出して、フローチャートで説明した決裁確認情報を生成する。以降の処理はステップS5の決裁確認情報の検出処理から、リモート決裁と同様な処理が行われる。
【0036】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態によるリモート決裁システムを図7を参照して説明する。図7は第2の実施形態によるリモート決裁システムの構成例を示すブロック図である。
この図において、図1に示す第1の実施形態のリモート決裁システムと同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
この図に示すシステムが第1の実施形態の構成と異なる点は、第1の実施形態が情報記録媒体にRFタグを使用していたが、第2の実施形態ではバーコードが用いられている点点である。
【0037】
これにより、図1におけるRFタグリーダ9及びデータ読取部15に替え、決裁書類7に貼着することで添付されたバーコードの画像を読み取る撮像装置20と、この撮像装置20の撮像した画像からバーコードの文字を解析して出力する、バーコードリーダであるデータ読取部21とが設けられている。
【0038】
以下、動作において、第1の実施形態と異なる点を説明する。
ステップS1において、利用者は決裁書類7の決裁データ及び印鑑6の印影を押印する座標値をバーコードプリンタにより、シールなどにバーコードを印刷してバーコードシール(バーコードとする)を作成して、決裁書類7の所定の位置(撮像装置20が撮像可能な位置)に貼着することにより添付する。
【0039】
また、ステップ3において、データ読取部21は、撮像装置20を制御し、書類搬送台4の上面に置かれた決裁書類7に貼着されているバーコードを撮像させ、撮像されたバーコードの画像を読み取り、この画像から決裁データを再生し、制御部11へ出力する。
さらに、ステップS7において、データ読取部21は、撮像装置20を制御し、書類搬送台4の上面に置かれた決裁書類7に貼着されているバーコードを撮像させ、撮像されたバーコードの画像を読み取り、この画像から座標値を再生し、制御部11へ出力する。
【0040】
なお、図1における端末1の制御部11,位置決め部12,押印制御部13,シートフィーダ制御部14,データ読取部15,20の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりリモート決裁の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0041】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施形態によるリモート決裁システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1及び図7における書類搬送台4の構成例を示す概念図である。
【図3】図1のリモート決裁システムの動作例を示すフローチャートである。
【図4】図1及び図7における印鑑6の印影面を示す概念図である。
【図5】図4の印影面における連番情報エリアに印字される決裁番号の構成を説明する概念図である。
【図6】図5の決裁番号のドットによるビット情報を生成する機構を説明する概念図である。
【図7】本発明の第2の実施形態によるリモート決裁システムの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0043】
1,2…端末
3…手動決裁装置
4…書類搬送台
5…位置合せ機構
6…印鑑
7…決裁書類
8…押印機構
9…RFタグリーダ
11…制御部
12…位置決め部
13…押印制御部
14…シートフィーダ制御部
15,21…データ読取部
20…撮像装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報通信網に接続された端末間において、他方の端末からの遠隔操作により、一方の端末の書類に押印して決裁を行うリモート決裁システムであり、
前記一方の端末が、
決裁書類に添付され、この決裁書類の情報が決裁データとして記録されている情報記録媒体と、
前記情報記録媒体から前記決裁データを読み出すリーダと、
前記決裁データを他方の端末へ送信し、この決裁情報に対応した決裁確認情報を他方の端末から入力する制御部と、
前記決裁確認情報により、前記タグリーダ上に置かれた前記決裁書類の押印位置に印鑑を押印する押印部と、
前記タグリーダが読み出した決裁データに含まれる前記押印位置の位置情報により、前記押印部の位置決めを行う位置決め部と
を有していることを特徴とするリモート決裁システム。
【請求項2】
前記情報記録媒体がRFタグであり、前記リーダがRFタグリーダであることを特徴とする請求項1記載のリモート決裁システム。
【請求項3】
前記情報記録媒体がバーコードであり、前記リーダがバーコードリーダであることを特徴とする請求項1記載のリモート決裁システム。
【請求項4】
前記押印部が印影の情報として、決裁者の押印番号を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のリモート決裁システム。
【請求項5】
情報通信網に接続された端末間において、他方の端末からの遠隔操作により、一方の端末の書類に押印して決裁を行うリモート決裁方法であり、
前記一方の端末において、
決裁書類の記載内容の情報を決裁データとして情報記録媒体に記録し、この情報記録媒体を前記決裁書類に添付する過程と、
前記情報記録媒体からリーダにより前記決裁データを読み出す過程と、
制御部が決裁データを読み出して他方の端末へ送信し、この決裁情報に対応した決裁確認情報を他方の端末から入力する過程と、
押印部が前記決裁確認情報により、前記タグリーダ上に置かれた前記決裁書類の押印位置に印鑑を押印する過程と、
位置決め部が前記タグリーダが読み出した決裁データに含まれる前記押印位置の位置情報により、前記押印部の位置決めを行う過程と
を有していることを特徴とするリモート決裁方法。
【請求項6】
情報通信網に接続された端末間において、他方の端末からの遠隔操作により、一方の端末の書類に押印して決裁を行うリモート決裁システムを動作させるプログラムであり、
決裁書類の記載内容の情報を決裁データとして情報記録媒体に記録し、この情報記録媒体を前記決裁書類に添付する処理と、
前記情報記録媒体からリーダにより前記決裁データを読み出す処理と、
制御部が決裁データを読み出して他方の端末へ送信し、この決裁情報に対応した決裁確認情報を他方の端末から入力する処理と、
押印部が前記決裁確認情報により、前記タグリーダ上に置かれた前記決裁書類の押印位置に印鑑を押印する処理と、
位置決め部が前記タグリーダが読み出した決裁データに含まれる前記押印位置の位置情報により、前記押印部の位置決めを行う処理と
を有するリモート決裁処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
請求項6のプログラムが記録されたコンピュータの読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−321092(P2006−321092A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−145559(P2005−145559)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】