リン酸石こうの製造方法
【課題】リン酸石こうの製造方法を提供する。
【解決手段】苛性化工程において発生するマッドと硫酸を混合した後ろ過し、ろ過残渣からリン酸石こうを回収することを特徴とするリン酸石こうの製造方法。
【解決手段】苛性化工程において発生するマッドと硫酸を混合した後ろ過し、ろ過残渣からリン酸石こうを回収することを特徴とするリン酸石こうの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、リン酸石こうの製造方法に関するものであり、詳しくは、苛性化工程において発生するマッドと硫酸を混合した後ろ過し、ろ過残渣からリン酸石こうを回収することを特徴とするリン酸石こうの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
リン酸石こうは石こうとリン酸の混合物であり、通常リン鉱石からリン酸液を製造する過程において副産物として得られ、石こうボードや肥料等に用いられる（特許文献１参照）。
【０００３】
リン鉱石から得られるリン酸石こうは、フッ素等の有害物を含有しているため、肥料として用いる場合は施肥効果の向上が課題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開平１１−１１９９６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は、施肥効果の高いリン酸石こうを製造する方法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明者はリン酸石こうを製造する方法について鋭意検討を重ねた結果、苛性化工程において発生するマッドと硫酸を混合した後ろ過し、ろ過残渣からリン酸石こうを回収することによって、施肥効果の高いリン酸石こうを製造できることを見出し、本発明に至った。
【発明の効果】
【０００７】
本発明のリン酸石こうの製造方法によれば、苛性化工程において発生するマッドと硫酸を混合した後ろ過し、ろ過残渣からリン酸石こうを回収することによって、施肥効果の高いリン酸石こうを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
以下に本発明の具体例を示すが、本発明は以下の具体例に限定されない。
【０００９】
本発明は、苛性化工程において発生するマッドと硫酸を混合した後ろ過し、ろ過残渣からリン酸石こうを回収することを特徴とするリン酸石こうの製造方法である。
【００１０】
本発明における苛性化工程において発生するマッドとは、クラフトパルプあるいはアルカリパルプ製造工程中の苛性化工程において白液から分離される固形物のことであり、炭酸カルシウムを主成分とし、リン酸カルシウム等を含有するものである。
【００１１】
本発明における苛性化工程において発生するマッドに特に制限はないが、絶乾質量あたり０．５質量％以上のオルトリン酸イオン（ＰＯ４３−）を含有していることが好ましい。
【００１２】
本発明におけるマッドと硫酸の混合比率に特に制限はないが、マッド絶乾質量１．０に対して０．５〜１．５の質量の硫酸を混合することが好ましい。
【００１３】
本発明におけるマッドと硫酸の混合形態に特に制限はないが、濃度１０〜５０質量％のマッドスラリーと濃度６０〜８０質量％の硫酸とを混合する形態が好ましい。
【００１４】
本発明におけるマッドと硫酸の混合方法について特に制限はないが、撹拌機を用いて混合することが好ましい。
【００１５】
本発明におけるマッドと硫酸の混合時間について特に制限はないが、５分以上の混合時間をとることが好ましい。
【００１６】
本発明におけるろ過方法について特に制限はないが、ろ過機を用いてろ過残渣の固形分濃度を１５％以上に濃縮することが好ましい。
【実施例】
【００１７】
以下に実施例を挙げるが、本発明はこの実施例によりなんら限定されない。
【００１８】
実施例１
５００ｍＬ容ガラス製ビーカーに純水１８０ｇを注ぎ入れ、その中に苛性化工程から採取したマッドを絶乾質量で２０ｇ添加し、ガラス棒を用いて撹拌しマッドスラリーを調製した。このマッドスラリーに７０質量％の硫酸を２６ｇ添加し、ガラス棒を用いて１０分間撹拌した。得られたスラリーを５Ａのろ紙を用いて全量ろ過した。ろ過残渣を１０５℃の乾燥機中において１２時間乾燥させ、リン酸石こうを得た。こうして得られたリン酸石こうをコマツナに施肥し、生長を観察した。
【００１９】
比較例１
実施例１で得られたリン酸石こうの代わりに市販の石こう肥料を施肥した他は実施例１と同様にしてコマツナの生長を観察した。
【００２０】
比較例２
何も施肥しなかった他は実施例１と同様にしてコマツナの生長を観察した。
【００２１】
【表１】
【００２２】
上記表１における実施例と比較例から明らかなように、マッドと硫酸を混合することによって得られるリン酸石こうを施肥したほうがコマツナの生長は良好であった。
【００２３】
マッドと硫酸を混合することによって得られるリン酸石こうを施肥することによって、コマツナの生長を従来よりも高めることができた。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、リン酸石こうの製造方法に関するものであり、詳しくは、苛性化工程において発生するマッドと硫酸を混合した後ろ過し、ろ過残渣からリン酸石こうを回収することを特徴とするリン酸石こうの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
リン酸石こうは石こうとリン酸の混合物であり、通常リン鉱石からリン酸液を製造する過程において副産物として得られ、石こうボードや肥料等に用いられる（特許文献１参照）。
【０００３】
リン鉱石から得られるリン酸石こうは、フッ素等の有害物を含有しているため、肥料として用いる場合は施肥効果の向上が課題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開平１１−１１９９６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は、施肥効果の高いリン酸石こうを製造する方法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明者はリン酸石こうを製造する方法について鋭意検討を重ねた結果、苛性化工程において発生するマッドと硫酸を混合した後ろ過し、ろ過残渣からリン酸石こうを回収することによって、施肥効果の高いリン酸石こうを製造できることを見出し、本発明に至った。
【発明の効果】
【０００７】
本発明のリン酸石こうの製造方法によれば、苛性化工程において発生するマッドと硫酸を混合した後ろ過し、ろ過残渣からリン酸石こうを回収することによって、施肥効果の高いリン酸石こうを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
以下に本発明の具体例を示すが、本発明は以下の具体例に限定されない。
【０００９】
本発明は、苛性化工程において発生するマッドと硫酸を混合した後ろ過し、ろ過残渣からリン酸石こうを回収することを特徴とするリン酸石こうの製造方法である。
【００１０】
本発明における苛性化工程において発生するマッドとは、クラフトパルプあるいはアルカリパルプ製造工程中の苛性化工程において白液から分離される固形物のことであり、炭酸カルシウムを主成分とし、リン酸カルシウム等を含有するものである。
【００１１】
本発明における苛性化工程において発生するマッドに特に制限はないが、絶乾質量あたり０．５質量％以上のオルトリン酸イオン（ＰＯ４３−）を含有していることが好ましい。
【００１２】
本発明におけるマッドと硫酸の混合比率に特に制限はないが、マッド絶乾質量１．０に対して０．５〜１．５の質量の硫酸を混合することが好ましい。
【００１３】
本発明におけるマッドと硫酸の混合形態に特に制限はないが、濃度１０〜５０質量％のマッドスラリーと濃度６０〜８０質量％の硫酸とを混合する形態が好ましい。
【００１４】
本発明におけるマッドと硫酸の混合方法について特に制限はないが、撹拌機を用いて混合することが好ましい。
【００１５】
本発明におけるマッドと硫酸の混合時間について特に制限はないが、５分以上の混合時間をとることが好ましい。
【００１６】
本発明におけるろ過方法について特に制限はないが、ろ過機を用いてろ過残渣の固形分濃度を１５％以上に濃縮することが好ましい。
【実施例】
【００１７】
以下に実施例を挙げるが、本発明はこの実施例によりなんら限定されない。
【００１８】
実施例１
５００ｍＬ容ガラス製ビーカーに純水１８０ｇを注ぎ入れ、その中に苛性化工程から採取したマッドを絶乾質量で２０ｇ添加し、ガラス棒を用いて撹拌しマッドスラリーを調製した。このマッドスラリーに７０質量％の硫酸を２６ｇ添加し、ガラス棒を用いて１０分間撹拌した。得られたスラリーを５Ａのろ紙を用いて全量ろ過した。ろ過残渣を１０５℃の乾燥機中において１２時間乾燥させ、リン酸石こうを得た。こうして得られたリン酸石こうをコマツナに施肥し、生長を観察した。
【００１９】
比較例１
実施例１で得られたリン酸石こうの代わりに市販の石こう肥料を施肥した他は実施例１と同様にしてコマツナの生長を観察した。
【００２０】
比較例２
何も施肥しなかった他は実施例１と同様にしてコマツナの生長を観察した。
【００２１】
【表１】
【００２２】
上記表１における実施例と比較例から明らかなように、マッドと硫酸を混合することによって得られるリン酸石こうを施肥したほうがコマツナの生長は良好であった。
【００２３】
マッドと硫酸を混合することによって得られるリン酸石こうを施肥することによって、コマツナの生長を従来よりも高めることができた。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
苛性化工程において発生するマッドと硫酸を混合した後ろ過し、ろ過残渣からリン酸石こうを回収することを特徴とするリン酸石こうの製造方法。
【請求項１】
苛性化工程において発生するマッドと硫酸を混合した後ろ過し、ろ過残渣からリン酸石こうを回収することを特徴とするリン酸石こうの製造方法。
【公開番号】特開２０１２−５６７９２（Ｐ２０１２−５６７９２Ａ）
【公開日】平成２４年３月２２日（２０１２．３．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２０１５４１（Ｐ２０１０−２０１５４１）
【出願日】平成２２年９月９日（２０１０．９．９）
【出願人】（０００００５９８０）三菱製紙株式会社 (1,550)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年３月２２日（２０１２．３．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年９月９日（２０１０．９．９）
【出願人】（０００００５９８０）三菱製紙株式会社 (1,550)
【Ｆターム（参考）】
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